JP4726580B2 - フレキシブル管 - Google Patents

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Description

本発明は、水道水等の水や各種の水溶液の供給源の吐出口に接続されて、水や水溶液を所望の位置またはこれに近似する位置に誘導するためのフレキシブル管に関する。
フレキシブル管は、水や水溶液を所望の方向に誘導するために、所望の方向に屈曲したり捻ったりして使用されるものであり、基本的には、金属製のフレキシブル螺旋管にて構成されている。しかしながら、金属製のフレキシブル螺旋管においては、誘導する水や水溶液の性質によっては、その内孔の周面が腐食されるおそれがある。このため、一般には、合成樹脂製の可撓性のインナチューブを金属製のフレキシブル螺旋管の内孔に挿通した二層構造のフレキシブル管本体を形成し、当該フレキシブル管本体の各端部に管継手を外嵌してフレキシブル管を構成している。当該形式のフレキシブル管においては、管継手はフレキシブル螺旋管の外周に嵌合して取付けられているが、管継手の取付け構造としては、管継手の内周面に、フレキシブル螺旋管の外周の螺旋状部位に対応する溝部を形成し、当該溝部にフレキシブル螺旋管の先端外周部の螺旋状部位を嵌合する手段が採られる。
当該形式のフレキシブル管においては、フレキシブル管本体を自由に屈曲したり捻ったりして所望の方向に指向して、フレキシブル管本体にて誘導される水を所望の位置またはこれに近似する場所に誘導するが、このような使用状態においては、フレキシブル管本体を構成するインナチューブは、フレキシブル螺旋管の屈曲および/または捻れに追従して所望の方向へ指向されて、その指向状態を保持される。また、インナチューブは、フレキシブル螺旋管のさらに他の方向への屈曲および/または捻りによって、他の方向へ指向されてその指向状態を保持される。
ところで、当該形式のフレキシブル管にあっては、フレキシブル螺旋管は任意の方向に自在に屈曲および/または捻れる性質を有することから、フレキシブル螺旋管の屈曲および/または捻れに追従してインナチューブが方向を変更する際に、フレキシブル螺旋管の大きな捻れに起因して、インナチューブには局部的に大きな変形や挫屈が発生するおそれがある。インナチューブに局部的な大きな変形や挫屈が発生すると、インナチューブは閉塞されて水や水溶液に対する誘導機能を損なうことになる。このため、当該形式のフレキシブル管においては、フレキシブル螺旋管が有する捻れ機能を適正な程度に規制することが望ましい。かかる問題に対処すべく考案されたフレキシブル管が、「電解水給水用フレキシブル管」なる名称で特許出願されている(特許文献1を参照)。
上記した特許文献1にて提案されているフレキシブル管にあっては、フレキシブル管本体は、金属製のフレキシブル螺旋管と、フレキシブル螺旋管の内孔内を挿通する合成樹脂(合成ゴムを含む)製の可撓性インナチューブからなる二層構造ではあるが、フレキシブル螺旋管の外周を薄膜状の外皮チューブにて被覆し、外皮チューブを熱収縮させてフレキシブル螺旋管の外周に密着させる手段が採られている。これにより、当該フレキシブル管においては、フレキシブル螺旋管の自由な屈曲および捻れ機能が相当程度規制されるが、当該規制効果は、外皮チューブがフレキシブル螺旋管の外周に密着している状態で維持される。
ところで、当該フレキシブル管においては、フレキシブル管本体は頻繁に屈曲または捻りを受けるため、フレキシブル螺旋管の外周に密着させている薄膜状の外皮チューブはフレキシブル螺旋管の外周から剥離し易く、外皮チューブがフレキシブル螺旋管の外周から剥離すると、外皮チューブのフレキシブル螺旋管に対する屈曲および捻れの規制機能は消失する。また、当該フレキシブル管においては、薄膜状の外皮チューブの弾力がフレキシブル螺旋管の自在な捻れを規制すべく機能するにすぎないことから、フレキシブル螺旋管には相当の捻れ機能を残存させることになって、意図したほどの捻れの規制効果を得ることができない。
また、当該フレキシブル管においては、フレキシブル管本体を形成するには、薄膜状の外皮チューブをフレキシブル螺旋管の外周に被覆し、外皮チューブを加熱処理して熱収縮する手段を採らなければならない。このため、フレキシブル管本体の形成には、煩雑な処理の作業を要するとともに、製造コストの増加をまねき、当該フレキシブル管を廉価には提供できないという問題がある。
特開2001−336680号公報
本発明者は、これらの問題に対処すべく、上記した特許文献1にて提案されているフレキシブル管のフレキシブル管本体に採用されている、フレキシブル螺旋管の捻れの機能を規制する手段とは異なる規制手段を採用してなるフレキシブル管を考案し、すでに特許出願している。
当該フレキシブル管は、金属製のフレキシブル螺旋管、同フレキシブル螺旋管内を挿通する合成樹脂製の可撓性インナチューブ、および、前記フレキシブル螺旋管の外周を被覆する合成樹脂製の可撓性アウタチューブからなる三層構造のフレキシブル管本体と、同フレキシブル管本体の各端部に外嵌する管継手とからなる構成を基本構成とし、前記アウタチューブは外周側に互いに並列して位置する多数の環状溝部を有する蛇腹状のチューブであり、かつ、前記管継手は中心軸に沿って2分割された一対の半円筒体であって、前記フレキシブル管本体の外周に接合面を互いに対向した状態で外嵌されて固定されるものである。
当該フレキシブル管においては、フレキシブル螺旋管の外周を被覆しているアウタチューブはそれ自体、捻れ難い構造であって、かつ、両端部に外嵌している管継手に固定されて回り止めされた状態にある。このため、アウタチューブはフレキシブル螺旋管の自在な屈曲機能および捻れ機能を適度に規制して、フレキシブル螺旋管の過度な屈曲および/または捻れに起因するインナチューブの過度な屈曲および/または捻れを防止し、インナチューブでの閉塞状態の発生を防止することができる。
このように、当該フレキシブル管は、インナチューブでの閉塞状態の発生を防止し得る点で、極めて優れているものということができるが、フレキシブル螺旋管の自在な屈曲機能および捻れ機能を適度に規制すべく機能するアウタチューブは、その外周の凹凸形状に起因して、その外周に埃やその他の汚染物質が付着し易く、かつ、一旦付着した汚染物質を離脱し難いという問題がある。このため、当該フレキシブル管においては、アウタチューブの外周を、合成樹脂製の皮膜、例えばフィルム状の薄膜で被覆する手段を採ることが好ましい。
しかしながら、かかる構成のフレキシブル管本体に管継手を取付ける場合には、皮膜は、管継手を構成する一対の半円筒体からの押圧を外周側から受けることになって、アウタチューブの外周に沿った被覆状態の一部が局部的に浮き上がってはみ出す現象が認められる。皮膜にこのようなはみ出し部が発生すると、はみ出し部は管継手を構成する半円筒体の接合面に挟み込まれることになって、管継手のフレキシブル管本体への取付けが不可能になり、また、管継手の取付け作業に慎重な注意が要求されて、容易には取付けできないことになる。管継手が、両半円筒体の接合面間に皮膜の一部を挟み込んだ状態で取付けられた場合には、皮膜の表面にしわができてフレキシブル管の外観を大きく損なうことになり、また、両半円筒体の接合面間に隙間が発生して当該隙間を通して外部から水が侵入して、衛生上、必ずしも好ましいくはなく、頻繁な清掃が要求されることになる。
このため、フレキシブル螺旋管の自在な屈曲機能および捻れ機能を適度に規制すべく機能するアウタチューブとして、皮膜で被覆してなるアウタチューブを採用するフレキシブル管においては、上記したごとき、管継手の取付け上の問題を解決することが必要である。従って、本発明の目的は、かかる問題に対処することにある。
本発明は、フレキシブル管に関し、特に、金属製のフレキシブル螺旋管、同フレキシブル螺旋管内を挿通する合成樹脂(合成ゴムを含む)製の可撓性インナチューブ、および、前記フレキシブル螺旋管が挿通する可撓性のアウタチューブからなる三層構造のフレキシブル管本体と、前記フレキシブル管本体の各端部に外嵌されて同フレキシブル管本体の外周に固定されている一対の管継手を備えている形式のフレキシブル管を適用対象とする。
しかして、本発明に係るフレキシブル管においては、前記アウタチューブは外周側に互いに並列して位置する多数の環状溝部を有する蛇腹状のチューブであって、外周を合成樹脂製の皮膜で被覆されており、前記管継手は中心軸に沿って2分割された一対の半円筒体であって、前記フレキシブル管本体の外周に接合面を互いに対向した状態で外嵌されて固定されており、かつ、前記管継手は内周側に前記アウタチューブの外周を挟持する1または複数の環状の凸条を備え、同凸条の内周側の周方向には前記アウタチューブを被覆する皮膜の挟持によるはみ出し部分を収容する複数の凹部を備えていることを特徴とするものである。
本発明に係るフレキシブル管においては、前記管継手を構成する両半円筒体は、それらの外周側に挿入された円筒状のジョイントカバーにて互いに一体化されて管継手を形成するようにすることができ、この場合には、前記ジョイントカバーの内周および前記両半円筒体の外周間に、前記ジョイントカバーの前記両半円筒体に対する相対的な挿入を案内するガイド部位を設けるようにすることができる。
また、本発明に係るフレキシブル管を、ストレートノズルとシャワーノズルの2種類のノズルを使い分け可能に構成することができ、この場合には、前記ストレートノズルを先端側の管継手に螺着し、かつ、前記シャワーノズルを前記ストレートノズルの先端外周に環状のシール部材を介して脱着可能に組付けるようにする。また、この場合、基端側の管継手を、水源の吐出口部に接続されているエルボの先端に螺着して接合するようにすることができる。
本発明に係るフレキシブル管においては、フレキシブル螺旋管の外周を被覆しているアウタチューブはそれ自体、捻れ難い構造であって、かつ、両端部に外嵌している管継手に固定されて回り止めされた状態にある。このため、アウタチューブはフレキシブル螺旋管の自在な屈曲機能および捻れ機能を適度に規制して、フレキシブル螺旋管の過度な屈曲および/または捻れに起因するインナチューブの過度な屈曲および/または捻れを防止し、インナチューブでの閉塞状態の発生を防止することができる。
ところで、本発明に係るフレキシブル管においては、フレキシブル螺旋管の自在な屈曲機能および捻れ機能を適度に規制すべく機能するアウタチューブは、その外周の凹凸形状に起因して、その外周に埃やその他の汚染物質が付着し易く、かつ、一旦付着した汚染物質を離脱し難いという問題を有している。しかしながら、当該アウタチューブの外周を合成樹脂製の皮膜、例えばフィルム状の薄膜で被覆しているため、アウタチューブの外周への埃やその他の汚染物質の付着を防止することができる。また、皮膜の表面に対しては、埃や汚染物質が付着するが、皮膜の表面に一旦付着した汚染物質は容易に離脱させることができて、衛生的に良好な状態を維持することができる。
また、本発明に係るフレキシブル管においては、アウタチューブの外周を被覆する皮膜は、管継手を構成する一対の半円筒体からの押圧を外周側から受けることになって、アウタチューブの外周に沿った被覆状態の一部が局部的には浮き上がってみ出す現象が認められるが、皮膜のこのようなはみ出し部は、管継手が有するアウタチューブの外周を挟持する凸条の凹部に収容されて吸収されることになり、当該はみ出し部が両半円筒体の接合面間に挟み込まれるようなことはない。このため、当該フレキシブル管においては、管継手のフレキシブル管本体への取付けが容易で、管継手の取付け作業にさほどの注意を要しない。また、皮膜のはみ出し部が管継手を構成する半円筒体の接合面に挟み込まれることに起因する、皮膜の表面でのしわの発生や、両半円筒体の接合面間での隙間の発生がなく、フレキシブル管の外観が損なわれることがないとともに、半円筒体の接合面間の隙間を通して外部から水が侵入するおそれもない。
本発明に係るフレキシブル管においては、管継手を構成する両半円筒体を、外周側に挿入された円筒状のジョイントカバーにて互いに一体化されて管継手を形成するようにすることができる。この場合、ジョイントカバーの内周および両半円筒体の外周間に、ジョイントカバーの両半円筒体に対する相対的な挿入を案内するガイド部位を設けるようにすれば、管継手を構成する両半円筒体の互いの接合およびフレキシブル管本体への取付けを容易かつ的確に行うことができる。
本発明に係るフレキシブル管においては、フレキシブル管本体を構成するインナチューブの端部に接続されるノズルとしてストレートノズルとシャワーノズルの2種類のノズルを備えて、これら両ノズルを選択的に使用可能に構成して、ノズルから吐出する水、水溶液の異なる吐出状態の選択を可能に構成することができる。当該フレキシブル管においては、ストレートノズルを先端側の管継手に螺着し、かつ、シャワーノズルをストレートノズルの先端外周に環状のシール部材を介して脱着可能に組付けるようにする。また、この場合、基端側の管継手を、水源の吐出口部に接続されているエルボの先端に螺着して接合するようにすることができる。これにより、当該フレキシブル管を、エルボを介して、水源の吐出口部に容易に接合することができる。
本発明は、フレキシブル管に関する。本発明に係るフレキシブル管は、水道水等一般水の吐出口部、水または各種の水溶液を貯留する貯留タンクの吐出口部、各種の処理装置にて処理された処理水の吐出口部等に接続されて、これらの吐出口部から吐出される水や水溶液を、所望の位置またはその近傍に誘導し吐出すべく機能するものである。図1には、本発明の一実施形態に係るフレキシブル管を示している。また、図2には、当該フレキシブル管の先端側の部位を示し、かつ、図3には、当該フレキシブル管の基端側の部位を示している。当該フレキシブル管は、電解水生成装置にて生成される電解生成水を誘導して吐出すべく機能するもので、電解水生成装置が有する電解生成水の吐出口部、または、電解生成水の貯留タンクの吐出口に接続して使用される。
当該フレキシブル管は、図1〜図4に示すように、フレキシブル管本体10、フレキシブル管本体10の各端部の外周に嵌合(外嵌)されている一対の管継手20a,20b、先端側の管継手20aに組付けられているストレートノズル30a、および、ストレートノズル30aの先端部に接続されているシャワーノズル30bにて構成されている。フレキシブル管本体10は、図2〜図4に示すように、インナチューブ11、フレキシブル螺旋管12、および、アウタチューブ13からなり、アウタチューブ13を外層とし、フレキシブル螺旋管12を中層とし、インナチューブ11を内層とする三層構造に構成されている。
フレキシブル管本体10を構成するインナチューブ11は、合成樹脂(合成ゴムを含む)からなる所定長さを有する可撓性のものである。フレキシブル螺旋管12は、幅狭の金属帯線を螺旋状に巻回してなる螺旋管であり、屈曲および/または捻りが自在なものである。アウタチューブ13は、合成樹脂製のもので、所定長さの筒部13aの外周に、互いに並列して位置する多数の環状溝部13bを一体的に有するものである。環状溝部13bは所定の深さを有しており、筒部13aの長手方向に多数存在して、アウタチューブ13を蛇腹状に形成している。これにより、当該アウタチューブ13は、所定量だけ屈曲するが捻れることがない構造となっている。なお、アウタチューブ13の外周表面は、合成樹脂製の皮膜13cにて被覆されている。
フレキシブル管本体10の各端部に取付けられている先端側の管継手20aと基端側の管継手20bは、図2および図3に示すように、実質的に同一構成のものである。従って、管継手の構成およびフレキシブル管本体10に対する取付け構造については、先端側の管継手20aを代表例として詳細に説明し、基端側の管継手20bについては、管継手20aと同一の構成部材および同一の構成部位には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
管継手20aは、図2、図4および図5に示すように、円筒体をその中心軸に沿って2分割された互いに類似する形状の一対の半円筒体21,22と、互いに接合された状態の両半円筒体21,22が形成する円筒体23の外周に嵌合するジョイントカバー24にて構成されている。両半円筒体21,22は、フレキシブル管本体10の端部の外周に、上下または左右の外側から嵌合(外嵌)して互いに接合されて円筒体23を形成し、当該円筒体23の外周にジョイントカバー24を外嵌することにより、管継手20aが構成される。基端側の管継手20bも、図3に示すように、管継手20aと同様に構成されている。
管継手20a,20bを構成する円筒体23の内孔は、各半円筒体21,22が互いに接合された一体の状態で段付き内孔に形成される。円筒体23の段付き内孔は、図5に示すように、その先端側から大径の第1内孔23a、中径の第2内孔23b、小径の第3内孔23c、中径の第4内孔23d、大径の第5内孔23eに形成されていて、第1内孔23aは内周面にネジが形成されているネジ孔となっている。また、第5内孔23eは、内周面に複数の環状溝が形成されている環状溝孔となっている。両半円筒体21,22は、互いに接合する接合面21a,22aを有するが、一方の接合面21aには係合凸部21bが形成され、かつ、他方の接合面22aには係合凸部21bに対向する係合凹部22bか形成されている。これらの係合凸部21bおよび係合凹部22bは互いに係合して、互いの接合面21a,22aを位置決めすべく機能する。基端側の管継手20bの各半円筒体21,22も、図3に示すように、管継手20aの各半円筒体21,22と同様に構成されていて、互いに接合された一体の状態で円筒体23を形成する。
ジョイントカバー24は、互いに接合されて一体の状態に接合されている両半円筒体21,22(円筒体23)の外周に、相対的に挿入可能な円筒体であって、カバー本体24aの内周面には、内孔の中心側に突出する凸条24bが2条形成されている。一方、各半円筒体21,22の外周面には、内孔の中心側に突出する凹溝21c,22cが形成されている。ジョイントカバー24の各凸条24bは、各半円筒体21,22の各凹溝21c,22c内を挿通可能に形成されていて、これらの2条の凸条24bと各凹溝21c,22cとはジョイントカバー24の両半円筒体21,22(円筒体23)の外周に対する相対的な挿入時のガイド部位として機能する。基端側の管継手20bのジョイントカバー24も、図3に示すように、管継手20aのジョイントカバー24と同様に構成されている。
しかして、各管継手20a,20bにおいては、各半円筒体21,22が形成する円筒体23の第5内孔21e,22eの内周面には、図5および図6に示すように、隣り合う各環状溝によって形成されている環状の凸条23fを複数備えている。円筒体23の第5内孔23eには、各管継手20a,20bをフレキシブル管本体10の各端部に取り付けた状態では、図2および図3に示すように、フレキシブル管本体10を構成するアウタチューブ13の先端部が嵌合する。この状態では、円筒体23の各凸条23fは、アウタチューブ13の各環状溝部13bに嵌入して、アウタチューブ13のチューブ本体を被覆している皮膜13cを外周から挟持すべく機能する。このように機能する各凸条23fには、周方向に所定間隔を保持して、複数の凹部23gが形成されている。各凹部23gは、図6に示すように、凸条23fの内周面側に、円筒体23の中心軸に対向して開口するように形成されている。
かかる構成部材からなるフレキシブル管を構成するには、先ず、フレキシブル管本体10を構成し、次いで、管継手20a,20bをフレキシブル管本体10の各端部に外嵌し、最後に、ストレートノズル30aを管継手20aに螺着し、必要により、シャワーノズル30bをストレートノズル30aの外周に嵌着する。これにより、フレキシブル管本体10の各先端部に管継手20a,20bをそれぞれ外嵌したフレキシブル管が構成され、構成されたフレキシブル管は、その基端側の管継手20bを、電解生成水生成装置に設けた電解生成水の吐出口部に接続したエルボ30cの先端部に取付けることにより、電解水生成装置に接続される。
フレキシブル管本体10を構成するに当たって、図4に示すように、先ず、フレキシブル螺旋管12の先端部の外周に筒状の弾性部材14を嵌合して、この状態のフレキシブル螺旋管12を、アウタチューブ13の内孔内を挿通させておく。次いで、インナチューブ11をフレキシブル螺旋管12の先端からその内孔内に挿入して、内孔内を挿通した状態のインナチューブ11の各端部にコア15を挿入して組付け、その後、このように形成されたフレキシブル管本体10の各端部の外周に各管継手20a,20bを外嵌して組付ける。
各管継手20a,20bをフレキシブル管本体10の各端部に組付けるには、各管継手20a,20bを構成する両半円筒体21,22をフレキシブル管本体10の外周に、その左右側または上下側から嵌合(外嵌)させる。これにより、両半円筒体21,22の接合面21a,22aに設けた係合凸部21bと係合凹部22bとは互いに係合され、両半円筒体21,22は、両接合面21a,22aを互いに一致された状態で接合される。これにより、フレキシブル管本体10の各端部には、両半円筒体21,22からなる円筒体23が形成され、各円筒体23の外周には、ジョイントカバー24が挿入されて嵌合される。これにより、両半円筒体21,22は互いに固定された円筒体23を形成し、ジョイントカバー24と一体となって各管継手20a,20bを構成する。
構成された各管継手20a、20bにおいては、円筒体23の第4内孔23dの内周面が、フレキシブル螺旋管12の先端部に嵌合されている弾性部材14をその外周側から弾撥的に挟持するとともに、第5内孔23の各凸条23fが、アウタチュウーブ13における筒部13aの各環状溝部13bに嵌合し、円筒体23の各凸条23fの内周面が、アウタチュー部13をその皮膜13cの外周側から押圧して挟持する。この場合、アウタチューブ13の筒部13aの外周に沿って位置する皮膜13cの一部が、外周側からの押圧により、筒部13aの外周から浮き上ってはみ出し部となり、当該はみ出し部は、両半円筒体21,22の互いの接合時に両接合面21a,22b間に挟み込まれるおそれがある。
しかしながら、当該フレキシブル管においては、管継手20a,20bを構成する円筒体23の各凸条23fの内周面に設けた複数の凹部23gが、アウタチューブ13の筒部13aからはみ出た皮膜13cの一部を収容して、各凹部23gは皮膜13cのはみ出し部を吸収する。このため、当該フレキシブル管においては、管継手20a,20bのフレキシブル管本体10への取付けが容易で、管継手20a,20bの取付け作業にさほどの注意を要しない。また、皮膜13cのはみ出し部が管継手20a,20bの円筒体23を構成する半円筒体21,22の接合面21a,22aに挟み込まれることに起因する、皮膜13cの表面でのしわの発生や、両半円筒体21,22の接合面21a,22a間での隙間の発生がなく、フレキシブル管の外観が損なわれることがないとともに、半円筒体21,22の接合面21a,22a間の隙間を通して外部から水が侵入するおそれもない。
また、当該フレキシブル管においては、管継手20a,20bを、両半円筒体21,22を接合して形成した円筒体23と、円筒体23の外周に挿入されて両半円筒体21,22を接合して一体とする円筒状のジョイントカバー24にて構成しているが、ジョイントカバー24の内周および両半円筒体21,22の外周間に、ジョイントカバー24の両半円筒体21,22(円筒体23)に対する相対的な挿入を案内するガイド部位(係合凸部21b,係合凹溝23c)を設けているので、管継手20a,20bを構成する両半円筒体21,22の互いの接合およびフレキシブル管本体10への取付けを容易かつ的確に行うことができる。
かかる構成のフレキシブル管は、先端側の管継手20aには、図2に示すように、ストレートノズル30aが取付けられ、かつ、必要によりシャワーノズル30bをストレートノズル30aの外周に取外し可能に取付けられ、基端側の管継手20bを、電解水生成装置の電解生成水の吐出口部に取付けられているエルボ30cの先端に、図3に示すように取付けられて使用される。当該フレキシブル管においては、シャワーノズル30bを取外した状態では、ストレートノズル30aを使用して電解生成水を吐出させることができ、シャワーノズル30bを取付けた状態では、シャワーノズル30bを使用して電解生成水を吐出させることができる。
ストレートノズル30aは、有底の円筒状のノズル本体31からなるもので、ノズル本体31は、中央円筒部31aを主体とし、その先端部側に位置する漸次縮径する円錐状筒部31bと、その基端部側に位置する外周にネジが形成されている取付筒部31cにて構成されている。円錐状筒部31bの先端側壁には、円形状で大径の吐出孔31dが形成されている。吐出孔31dは、ノズル本体31の内孔31eを外部に連通させているものである。取付筒部31cは、管継手20a、20bの円筒体23の第1内孔23a(ネジ孔)に螺合しつつ挿入可能に構成されている。ストレートノズル30aは、円筒体23の第1内孔23aにおける奥壁段部の端面にシール部材32aを当接させた状態で、第1内孔23aに螺進させて螺着されている。当該フレキシブル管においては、先端側の管継手20aにストレートノズル30aのみが取付けられている場合には、電解生成水を、ストレートノズル30aを通して吐出させることができる。
一方、シャワーノズル30bは、有底の円筒体であるノズル本体33からなりもので、ノズル本体33は、大径の基端側円筒部33aと、これよりわずかに小径の先端側円筒部33bとからなり、内孔における基端側円筒部33aと先端側円筒部33bの境界部位が段部33cに形成されている。先端側円筒部33bの先端側壁には、漸次縮径して先端側に延びる複数の吐出孔33dが形成されている。各吐出孔33dは、ノズル本体33の内孔33eを外部に連通させているものである。シャワーノズル30bは、ストレートノズル30aの外周側に挿入可能であって、シャワーノズル30bをストレートノズル30aの外周側に挿入した状態では、ノズル本体33の内孔内の段部33cに介装した環状のシール部材32bがノズル本体31の外周側段部に当接した状態で、ノズル本体31の中央円筒部31aの外周に離脱可能に嵌着する。このようなシャワーノズル30bの嵌合状態では、ストレートノズル30aの円錐状筒部31bは、シャワーノズル30bの先端側円筒部33bの内孔内に臨んでいる。
当該フレキシブル管においては、先端側の管継手20aにストレートノズル30aおよびシャワーノズル30bが取付けられている場合には、電解生成水を、シャワーノズル30bを通して吐出させることができる。このように取付けられているシャワーノズル30bは、ストレートノズル30aの外周から抜取ることによって、容易に取外すことができ、シャワーノズル30bを取外せば、電解生成水を、ストレートノズル30aを通して吐出させることを可能とする。
当該フレキシブル管は、基端側の管継手20bを介して、図3に示すように、エルボ30cの先端に取付けられて、電解水生成装置における電解生成水の吐出口部に接続されて使用される。エルボ30cは、図7に示すように、L形状の円筒体であるエルボ本体34と、エルボ本体34の基端部に嵌合するユニオンナット35と、エルボ本体34の基端側の外向きフランジ部34aとユニオンナット35の先端側の内向きフランジ部35a間に介在するシールリング36にて構成されている。シールリング36は、周方向の一部が切り欠かかれたC形状を呈するもので、縮径された状態での外径はユニオンナット35の内向きフランジ部35aの内径より大きく、かつ、縮径された状態での内径はエルボ本体34の外径と略一致するように構成されている。
エルボ本体34とユニオンナット35の組み付けは、図7(c)に示す状態において、エルボ本体34をその基端側からユニオンナット35の先端側から内部に挿入し、挿入された状態のエルボ本体34の基端部にシールリング36を嵌合する。その後、エルボ本体34とユニオンナット35を相対的に引っ張れば、エルボ本体34とユニオンナット35は、図7(a)に示すように互いに組み付けられる。形成されたエルボ30cは、そのユニオンナット35のネジ孔35bを、電解水生成装置における電解生成水の吐出口部の外周に螺着することにより、当該吐出口部に接続される。当該フレキシブル管は、その基端側の管継手20bの第1内孔(ネジ孔)を、エルボ本体34の先端側の外周側ネジ部34bに螺着することにより、エルボ30cに接続され、結果として、電解生成水の吐出口部に接続される。
本発明の一実施形態に係るフレキシブル管の側面図である。 同フレキシブル管における図1の矢印2−2線に沿う断面図である。 同フレキシブル管における図1の矢印3−3線に沿う断面図である。 同フレキシブル管を構成するフレキシブル管本体の各構成部材の一部分および管継手の構成部材を示す斜視図である。 同フレキシブル管を構成する管継手の断面図である。 同フレキシブル管を構成する管継手における図5の矢印6−6線に沿う断面図である。 同フレキシブル管を電解水生成装置の電解生成水の吐出口部に接続するためのエルボの一部縦断側面図(a)、分解斜視図(b)、および、分解断面図(c)である。
符号の説明
10…フレキシブル管本体、11…インナチューブ、12…フレキシブル螺旋管、13…アウタチューブ、13a…筒部、13b…環状溝部、13c…皮膜、14…弾性部材、15…コア、20a,20b…管継手、21,22…半円筒体、21a,22a…接合面、21b…係合凸部、22b…係合凹部、21c,22c…凹溝、23…円筒体、23a…第1内孔(ネジ孔)、23b…第2内孔、23c…第3内孔、23d…第4内孔、23e…第5内孔、23f…凸条、23g…凹部、24…ジョイントカバー、24a…カバー本体、24b…凸条、30a…ストレートノズル、30b…シャワーノズル、31…ノズル本体、31a…中央円筒部、31b…円錐状筒部、31c…取付け筒部、31d…吐出口、31e…内孔、32a,32b…シール部材、33…ノズル本体、33a…基端側円筒部、33b…先端側円筒部、33c…段部、33d…吐出孔、30c…エルボ、34…エルボ本体、34a…外向きフランジ部、34b…外周ネジ部、35…ユニオンナット、35a…内向きフランジ部、35b…ネジ孔、36…シールリング。

Claims (3)

  1. 金属製のフレキシブル螺旋管、同フレキシブル螺旋管内を挿通する合成樹脂製の可撓性インナチューブ、および、前記フレキシブル螺旋管が挿通する可撓性のアウタチューブからなる三層構造のフレキシブル管本体と、前記フレキシブル管本体の各端部に外嵌されて同フレキシブル管本体の外周に固定されている一対の管継手を備えているフレキシブル管であり、前記アウタチューブは外周側に互いに並列して位置する多数の環状溝部を有する蛇腹状のチューブであって、外周を合成樹脂製の皮膜で被覆されており、前記管継手は中心軸に沿って2分割された一対の半円筒体であって、前記フレキシブル管本体の外周に接合面を互いに対向した状態で外嵌されて固定されており、かつ、前記管継手は内周側に前記アウタチューブの外周を挟持する1または複数の環状の凸条を備え、同凸条の内周側の周方向に前記アウタチューブを被覆する皮膜の挟持によるはみ出し部分を収容する複数の凹部を備えていることを特徴とするフレキシブル管。
  2. 請求項1に記載のフレキシブル管であり、前記管継手を構成する両半円筒体は、外周側に挿入された円筒状のジョイントカバーにて互いに一体化されて管継手を形成するものであり、前記ジョイントカバーの内周および前記両半円筒体の外周間には、前記ジョイントカバーの前記両半円筒体に対する相対的な挿入を案内するガイド部位を備えていることを特徴とするフレキシブル管。
  3. 請求項1または2に記載のフレキシブル管であり、当該フレキシブル管は、ストレートノズルとシャワーノズルの2種類のノズルを使い分け可能に構成されていて、前記ストレートノズルは先端側の管継手に螺着され、かつ、前記シャワーノズルは前記ストレートノズルの先端外周に環状のシール部材を介して脱着可能に組付けられていて、基端側の管継手は水源の吐出口部に接続されているエルボの先端に螺着して接合されることを特徴とするフレキシブル管。
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