WO2012141044A1 - シャワー装置 - Google Patents

Abstract

　ヘッド部２とシャワー基端部１の間に、曲げ変形可能であり、曲げた場合にその曲げ形状を保持するインターロック管などからなるフレキシブルチューブ１６と、このフレキシブルチューブの変形に伴って変形し、グリップ側からヘッド側に水を導く屈曲可能な通水路とからなる角度調節手段３を設け、ヘッド部の向きを変えてシャワー水の噴射方向を大きく調節できるようにした。従来のシャワー装置に比べてヘッド部の向きを大きく変えることができ、使い勝手に優れたシャワー装置を提供できる。

Description

シャワー装置

　本発明は、一般家庭の浴室やホテルのバスルーム、理・美容室、浴場、温泉場等において身体や頭髪等を洗うのに使用するシャワー装置に関する。

　一般家庭の浴室やホテルのバスルーム、理・美容室、浴場、温泉場等などで使用されるシャワーヘッドは、給水源に接続されるシャワー基端部となるグリップ部と散水部を備えるヘッド部とを有し、通常、グリップ部にシャワーホースが接続されているとともにこのグリップ部は浴室などの壁面に取り付けられた支持フックに引っ掛けられるようになっている。このようなシャワーヘッドが支持フックに支着された状態では、ヘッドの向き、すなわちシャワー水の噴射方向は一定となり、シャワー水の当る領域が特定される。
しかしながら、使用者がシャワーを浴びる際、使用者の体格や立ち位置又は椅子に座った位置により、使用者の希望する場所にシャワー水が届かない場合がある。このようなとき、使用者が移動してシャワー水を望む場所に当るように調整したり、シャワーヘッドを手で持って動かしてシャワー水を希望する場所に当てる必要があった。

　特開２００６－１０１９１４号公報（特許文献１）には、ヘッド部の向きを自在に変更してシャワー水の向きを選択できるシャワー装置が開示されている。この種のヘッド部の向きを変える手段は、シャワ－の基端部とヘッド部の間に、内部に通水路を形成した球面継手を設け、球面継手の回動によりヘッドの向きを変えられるようになっている。

　しかしながら、このような球面継手でシャワー水の噴射方向を調節する場合、大きく傾けると球面継手の内部に貫通してある通水路を塞いだり、通水路面積が減じられることになる。このため曲げ角度を大きく確保できず、例えば真下に向けてシャワー水が届かない、などのように、広い範囲に亘って噴射方向を調節することができないといった不具合がある。

特開２００６－１０１９１４号公報

　この発明の目的は、ヘッド部の曲げ角度を大きくすることができてシャワー水の噴射方向の選択領域を大幅に変えることができ、使い勝手に優れたシャワー装置を提供しようとするものである。

　また、この発明の他の目的は、水漏れすることなく、ヘッド部の曲げ角度を大きくでき、かつ屈曲状態を固定できるシャワー装置を提供することにある。

　さらに、この発明の他の目的は、耐久性も向上できるシャワー装置を提供することにある。

　本発明者らは、鋭意検討の結果、シャワー装置において、散水部を備えたヘッド部と、給水源に接続されたシャワー基端部（グリップ部）との間に、角度調節手段、特に、曲げ形状を保持可能なフレキシブルチューブと、このフレキシブルチューブの変形に伴って変形し、グリップ部側からヘッド側に通水を導く屈曲可能な通水路とを組み合わせた角度調節手段を設けることにより、水漏れすることなく、ヘッド部の曲げ角度を大きくでき、かつ屈曲状態を固定できることを見出した。

　すなわち、請求項１の発明（第１の発明）では、散水部を備えたヘッド部と、給水源に接続されるシャワー基端部と、これらヘッド部とシャワー基端部の間に設けられ、散水部の向きを変えてシャワー水の噴射方向を変更可能な角度調節手段と、を具備し、上記角度調節手段は、曲げ変形可能であり、曲げた場合にその曲げ形状を保持するフレキシブルチューブと、上記フレキシブルチューブの変形に伴って変形し、シャワー基端部からヘッド側に通水を導く屈曲可能な通水路と、を備えたシャワー装置が提供される。

　請求項２の発明（第２の発明）では、フレキシブルチューブは、曲げ変形可能であり、曲げた場合にその曲げ形状を保持するインターロック管（互いに逆方向に両側部又は両側縁部が折り返された帯状金属材をスパイラル状に巻回し、かつ隣接する側部又は側縁部を互いに嵌合させ（又は噛み合わせ）て形成したチューブ）にて形成されていることを特徴とするシャワー装置が提供される。

　請求項３の発明（第３の発明）では、フレキシブルチューブは、曲げ変形可能であり、曲げた場合にその曲げ形状を保持するスタンドチューブ（断面三角形状の金属線と断面円形状の金属線とを交互にスパイラル状に巻回して形成されたチューブ）にて形成されていることを特徴とするシャワー装置が提供される。

　請求項４の発明（第４の発明）では、フレキシブルチューブは、曲げ変形可能であり、曲げた場合にその曲げ形状を保持する金属製ベローズ管で形成されていることを特徴とするシャワー装置が提供される。

　請求項５の発明（第５の発明）では、屈曲可能な通水路は屈曲自在なフレキシブルホースで形成されていることを特徴とするシャワー装置が提供される。

　請求項６の発明（第６の発明）では、フレキシブルホースはフレキシブルチューブの内部に挿通されており、一端がヘッド部に接続されているとともに他端がシャワー基端部に接続されていることを特徴とするシャワー装置が提供される。

　請求項７の発明（第７の発明）では、フレキシブルチューブ自体が防水構造をなしており、このフレキシブルチューブの内部空間に屈曲可能な通水路が一体に構成されていることを特徴とするシャワー装置が提供される。

　請求項８の発明（第８の発明）では、インターロック管は嵌合部（抱き合わせ部）にパッキン材が挟持されており、インターロック管自体が防水構造となっていて、このインターロック管の内部空間に屈曲可能な通水路が一体に構成されていることを特徴とするシャワー装置が提供される。

　請求項９の発明（第９の発明）では、フレキシブルチューブの内面または外面に、防水チューブまたは防水皮膜が一体的に被覆されており、フレキシブルチューブ自体が防水構造となっていて、このフレキシブルチューブの内部空間に屈曲可能な通水路が一体に構成されていることを特徴とするシャワー装置が提供される。

　請求項１０の発明（第１０の発明）では、ヘッド部とシャワー基端部との間に、角度調節手段を覆う屈曲自在なカバーチューブを被覆してあることを特徴とするシャワー装置が提供される。

　請求項１の発明（第１の発明）によれば、ヘッド部とシャワー基端部の間に、曲げ変形可能であり、曲げた場合にその曲げ形状を保持するフレキシブルチューブを取り付けたので、ヘッド部がシャワー基端部に対し角度変更可能になり、ヘッド部の向き、すなわちシャワー水の噴射方向を自在に変更することができるとともに、フレキシブルチューブを用いたので、従来の単一の球面継手タイプに比べて、曲げ方向を大きく変えることができる。

　請求項２の発明（第２の発明）によれば、フレキシブルチューブがインターロック管で構成されているから曲げ変形自在であり、ヘッド部の向きを上下・左右のいずれの方向にも調節でき、使い勝手が良くなる。

　請求項３の発明（第３の発明）によれば、フレキシブルチューブがスタンドチューブにて形成されているから曲げ変形自在であり、ヘッド部の向きを上下・左右のいずれの方向にも調節でき、使い勝手が良くなる。

　請求項４の発明（第４の発明）によれば、フレキシブルチューブが金属製ベローズ管で形成されているから曲げ変形自在であり、ヘッド部の向きを上下・左右のいずれの方向にも調節でき、使い勝手が良くなる。

　請求項５の発明（第５の発明）によれば、シャワー基端部側からヘッド側に通じる通水路がフレキシブルホースで形成されるので曲げ変形が自在であり、フレキシブルチューブの曲げに追随して曲げ可能であるので、通水路を確実に確保することができる。

　請求項６の発明（第６の発明）によれば、フレキシブルホースがフレキシブルチューブの内部に挿通されているので、フレキシブルチューブがフレキシブルホースの外周囲を覆い、機械的強度の大きなフレキシブルチューブによって柔軟なホースを保護することができる。

　請求項７の発明（第７の発明）によれば、フレキシブルチューブが防水構造をなしており、このフレキシブルチューブの内部空間が上記屈曲可能な通水路を構成しているので、フレキシブルチューブが通水路を兼ねることになり、ホースなどで形成される格別な通水路を設ける必要がなく、構造が簡単になる。

　請求項８の発明（第８の発明）によれば、インターロック管の抱き合わせ部にパッキン材を挟持させてインターロック管自体を防水構造としてあるから、インターロック管が通水路を兼ねることになり、ホースなどのような格別な通水路を設ける必要がなく、構造が簡単になる。

　請求項９の発明（第９の発明）によれば、フレキシブルチューブの内面または外面に、防水チューブまたは防水皮膜を一体的に被覆してフレキシブルチューブ自体が防水構造となっているので、フレキシブルチューブが通水路を兼ねることができ、ホースなどのような格別な通水路を設ける必要がなく、構造が簡単になる。

　請求項１０の発明（第１０の発明）によれば、ヘッド部とシャワー基端部との間に、角度調節手段を覆う屈曲自在なカバーチューブを被覆してあるから、角度調節手段を保護するとともに角度調節手段が外から見えず、外観も向上する。

図１は、実施例１のシャワーヘッドの使用状況を示す側面図であり、（Ａ）図は直立姿勢（非屈曲状態）の図、(Ｂ)図は俯き状態（鶴首状ヘッド部が俯く状態又は重力方向に屈曲させた状態）に調節した姿勢の図である。 図２は、図１のシャワーヘッドの断面図である。 図３は、図１のシャワーヘッドに用いたフレキシブルホースの断面図である。 図４は、実施例２のシャワーヘッドの断面図である。 図５は、実施例３のシャワーヘッドの使用状況を示す側面図であり、（Ａ）図は直立姿勢の図、(Ｂ)図は俯き状態に調節した姿勢の図である。 図６は、図５のシャワーヘッドの断面図である。 図７は、金属製ベローズ管の側面図である。 図８は、金属製ベローズ管の他の例の側面図である。 図９は、実施例４のシャワーヘッドの使用状況を示す側面図であり、（Ａ）図は直立姿勢の図、(Ｂ)図は俯き状態に調節した姿勢の図である。 図１０は、図９のシャワーヘッドの断面図である。 図１１は、実施例５のシャワーヘッドの使用状況を示す側面図であり、（Ａ）図は直立姿勢の図、(Ｂ)図は俯き状態に調節した姿勢の図である。 図１２は、図１１のシャワーヘッドの断面図である。 図１３は、実施例６のシャワーヘッドの断面図である。 図１４は、実施例７のシャワーヘッドの正面図及び側面図を示し、理・美容室などで使用されるハンド式シャワーヘッドに適用した例であり、（Ａ）図は正面図、(Ｂ)図は側面図、（Ｃ）図は俯き状態に調節した姿勢の側面図である。 図１５は、図１４のシャワーヘッドの断面図である。

　本発明のシャワー装置において、角度調節手段は、水漏れすることなく、散水部の向き（シャワー水の噴射方向）を自在に変更でき、かつ所定向きに固定可能な手段であればよいが、曲げ変形可能で、かつ曲げ形状を保持するフレキシブルチューブと、このフレキシブルチューブの変形に伴って変形し、シャワー基端部（グリップ部）側からヘッド部側に通水を導く屈曲可能な通水路との組み合わせで形成できる。角度調節手段は、グリップ部とヘッド部との間に介在する継手（ジョイント）としての役割を有する部材であってもよい。

　（通水路）
　通水路は、中空内部を水が通過可能であり、かつ屈曲可能であれば特に限定されず、防水構造を有するフレキシブルチューブ自体で通水路を形成してもよいが、フレキシブルチューブは、通常、金属材料で形成されているため、通水に対する耐久性を向上できる点から、フレキシブルチューブの内部に通水路が形成されている態様が好ましい。内部に通水路が形成された態様の中でも、フレキシブルチューブに密着又は近接してフレキシブルホース（例えば、薄肉のチューブ又は皮膜）を配設する態様や、フレキシブルチューブとは独立してフレキシブルホースを配設する態様（例えば、フレキシブルチューブの外側に複数のフレキシブルホースを配設する態様など）であってもよいが、耐久性と円滑な屈曲性とを両立できる点から、フレキシブルチューブの内部にフレキシブルホースが挿通された態様が特に好ましい。

　フレキシブルホースは、屈曲可能な材料で形成されていればよく、合成樹脂やゴムなどで形成されているが、柔軟性に優れる点から、軟質樹脂（オレフィン系樹脂、軟質塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、熱可塑性エラストマーなど）やゴム（ニトリルゴムやシリコーンゴムなどの合成ゴム、天然ゴムなど）で形成されたホースが好ましく、耐久性や安全性などの点から、合成ゴムホース（特にシリコーンゴムホース）が特に好ましい。フレキシブルホースは、ベローズ（蛇腹）構造であってもよいが、通常、非蛇腹（ストレート）構造である。具体的には、フレキシブルホースは、水道用ホース、繊維強化ホースなどの耐圧ホース、シリコーンゴムホースなどであってもよい。

　フレキシブルホースがフレキシブルチューブの内部に挿通される場合、フレキシブルチューブの中空内部、グリップ部及びヘッド部に接着剤などを用いて密着して固定してもよいが、フレキシブルチューブの回動（又は回転）によりフレキシブルホースが捩れることを防止するため、フレキシブルホースも回動可能に形成されているのが好ましい。具体的には、フレキシブルホースを回動可能に形成する方法としては、グリップ部及び／又はヘッド部との連結部を水密な状態（水漏れしない状態）で回動可能に形成できれば特に限定されないが、簡便性などの点から、フレキシブルホースと、グリップ部及び／又はヘッド部のホース差込口（凹部）とをリング形シール材（Ｏリング）を介して嵌合する方法が好ましい。

　リング形シール部材の材質としては、水密性を向上できる点から、天然ゴムや合成ゴムなどが挙げられるが、耐久性や安全性などの点から、合成ゴム（特にシリコーンゴム）が好ましい。リング形シール材を介在させることにより、嵌合部からの水漏れを防止できるとともに、フレキシブルホースを回転可能にできるため、フレキシブルチューブの屈曲性を向上できる。

　フレキシブルホースがゴムホースなどの軟質材料で形成されている場合、フレキシブルホースを軟質ホースとこのホースの開口端部に装着したコネクタとで形成し、このコネクタと前記ホース差込口（凹部）とをリング形シール材を介して嵌合してもよい。コネクタは、グリップ部及びヘッド部のいずれか一方と回動可能なように、軟質ホースの少なくとも一方の開口端部に装着されていればよいが、ヘッド部を円滑に回転できる点から、両方の開口端部に装着するのが好ましい。

　コネクタと軟質ホースとの装着方法は、特に限定されず、接着などであってもよいが、簡便性などの点から、軟質ホースの中空部にコネクタの端部を挿入して軟質材料の可撓力（特にゴムの収縮力）を利用して固定する方法であってもよい。この方法において、コネクタの端部表面に周方向に延びる凸部（例えば、微小な凸部）を形成して固定する方法が好ましく、簡便かつ強固に固定できる点から、コネクタの端部に竹の子口を形成して固定する方法が特に好ましい。竹の子口とは、竹の子形状の端部を意味し、詳しくは、周方向に延びる凸部（例えば、微小な凸部）を表面に有する装着端部のうち、前記凸部が開口端部側の高さが小さくなる傾斜面を有する装着端部である。このような凸部を形成すると、軟質ホース中空部への挿入が容易でかつ引き抜きが困難となる。さらに、軟質ホースの内部にコネクタの凸部に嵌合する凹部を形成してもよい。

　コネクタには、リング形シール材を装着し固定するための凹部を周方向に形成してもよい。コネクタの材質としては、例えば、ポリプロピレンやＡＢＳ樹脂などの硬質合成樹脂などが汎用される。

　フレキシブルホースの長さは、シャワー装置の種類に応じて選択でき、例えば、１０～２００ｍｍ、好ましくは３０～１５０ｍｍ、さらに好ましくは５０～１００ｍｍ程度である。

　フレキシブルホースの内径も、シャワー装置の種類に応じて選択でき、例えば、フレキシブルチューブの中空内部に挿通する場合、グリップ部及びヘッド部の流路径と同一径であってもよく、例えば、３～３０ｍｍ、好ましくは５～２０ｍｍ、さらに好ましくは８～１５ｍｍ程度である。

　フレキシブルホースの厚みは、例えば、０．３～１０ｍｍ、好ましくは０．５～８ｍｍ、さらに好ましくは１～５ｍｍ程度である。

　（フレキシブルチューブ）
　フレキシブルチューブは、曲げ変形可能で、かつ曲げ形状を保持可能な中空状パイプ（断面円形の中空状パイプ）であればよく、屈曲性とその保持性とを両立できる点から、通常、薄肉又は線状の金属材料で形成されている。金属材料としては、例えば、金属単体（例えば、鉄、銅、金、銀など）、合金（例えば、鉄鋼、真鍮など）などが挙げられる。これらのうち、耐久性及び経済性に優れる点から、銅、アルミニウム、ステンレス、炭素工具鋼（ＳＫ材）、平鋼線、真鍮などが汎用される。

　薄肉又は線状の金属材料で形成されたフレキシブルチューブとしては、慣用のフレキシブルチューブ、例えば、インターロック管、スタンドチューブ、ベローズ（蛇腹）管などを利用できる。

　インターロック管は、互いに逆方向に両側部（両側縁部）が折り返された帯状金属線をスパイラル状（螺旋状）に巻回し、かつ隣接する側部（側縁部）を互いに嵌合させ（又は噛み合わせ）て形成したチューブであり、嵌合部にパッキン材（例えば、前記リング形シール部材と同様のゴム材や、綿糸や合成繊維などの繊維材など）を介在させて防水構造にしてもよいが、耐久性と円滑な屈曲性とを両立できる点から、別途フレキシブルホースを形成し、インターロック管にはパッキン材を介在させなくてもよい。インターロック管では、嵌合部の摺動により屈曲が可能となり、嵌合部の摩擦により屈曲を保持できる。

　スタンドチューブは、断面三角形状の金属線と断面円形状の金属線とを交互にスパイラル状に巻回して形成されたチューブであり、通常、断面三角形状の金属線が外側に位置するように巻回され、隣接する断面三角形状の金属線の隙間に断面円形状の金属線が嵌合した構造を有している。スタンドチューブでも、嵌合部の摺動により屈曲が可能となり、嵌合部の摩擦により屈曲を保持できる。

　金属製ベローズ（蛇腹）管は、チューブの壁面をチューブの長さ方向に沿って規則的に繰り返し襞状（プリーツ状）に折り返した（波形に絞り加工された）構造を有するチューブであり、薄肉の金属材質で形成された襞状構造により、屈曲容易性及び保持性を確保できる。金属製ベローズ（蛇腹）管は、連続した襞部がスパイラル状に形成されたスパイラルチューブあってもよく、周方向に形成された襞部が独立してチューブの長さ方向に等間隔で複数形成されたワンピッチチューブであってもよい。

　以下、実施例に基づいて、本発明のシャワー装置を説明するが、本発明のシャワー装置は、以下の実施例に限定されない。

　（実施例１）
　実施例１について、図１ないし図３にもとづき説明する。図１はシャワーヘッドの使用状況を示す側面図であり、（Ａ）図は直立姿勢の図、(Ｂ)図は俯き状態に調節した姿勢の図、図２は同シャワーヘッドの断面図、図３は同シャワーヘッドに用いたフレキシブルホースの断面図である。

　１はシャワーヘッドを構成するシャワー基端部に相当するグリップ部であり、２はヘッド部である。これらグリップ部１およびヘッド部２は、それぞれ合成樹脂にて形成されており、互いに分割（分離）されている。

　これらグリップ部１とヘッド部２の間には、ヘッド部の向きを調節可能な角度調節手段３が設けられている。

　グリップ部１は、基端部に接続ねじ部４を有しており、このねじ部４は給水源としてのシャワーホース５に取り付けられたホース金具（樹脂製もある）６に接続される。シャワーホース５は給水装置としての図示しない混合栓などに接続される。ホース金具６は、浴室の壁に取り付けたＵ字形の支持フック７に差し込まれるようになっており、これにより、シャワーヘッドは支持フック７に脱着可能に支持される。

　グリップ部１内には、基端から先端に至るグリップ側通水路８が形成されている。この通水路８の先端にはホース差込口８ａ（図３参照）が形成されている。また、グリップ部１の先端には連結ねじ部９が形成されている。

　ヘッド部２は、前面に散水板１０を備えており、この散水板１０には多数の散水孔１１が形成されている。この散水板１０は水密を保つゴムなどのパッキン材１２を介して押えリング１３によってヘッド部２に脱着可能に取付けられている。

　また、ヘッド部２には、グリップ側から流れてくる水（お湯）を散水板１０に導くヘッド側通水路１４が形成されており、このヘッド側通水路１４の上記グリップ部１に対向する基端部にはホース差込口１４ａ（図３参照）が形成されている。さらに、ヘッド部２の基端部には連結ねじ部１５が形成されている。

　上記グリップ部１とヘッド部２の間に設けられた角度調節手段３について説明する。
角度調節手段３は、フレキシブルチューブ１６と、グリップ側からヘッド側に通水を導くための通水路としてフレキシブルホース１７を備えている。

　フレキシブルチューブ１６は、上記ヘッド部２のグリップ部１に対する向きを調節すべく、手で外力を加えると屈曲可能であり、しかも外力を除くとその屈曲形状を維持する機能を備えている。

　本実施例の場合、フレキシブルチューブ１６はインターロック管にて構成されている。インターロック管１６は、図２に示される通り、幅方向の側縁に折り返し屈曲部１６ａ、１６ｂを形成してなる断面が略Ｓ字形（又は略Ｚ字形）に形成された金属製帯材を螺旋状に巻くことにより成形されており、この螺旋形によってインターロック管１６は曲げ変形可能となっている。

　なお、材質としては、ステンレス、ＳＫ材、平鋼線、アルミ、銅、真鍮などが使用される。

　上記螺旋状に巻回された隣接する帯材の側縁に形成した折り返し屈曲部１６ａ、１６ｂは、互いに相手を抱き込むように絡み合わせて係合させて（コ字状の折り返し屈曲部を噛み合わせて又は嵌合させて）あり、このような抱き込み部（カシメ部又は嵌合部）において、折り返し屈曲部１６ａ，１６ｂが互いに摺接自在になっている。この摺接する折り返し屈曲部１６ａ，１６ｂの嵌合構造及び摩擦抵抗によって、インターロック管１６に曲げ力を加えた場合にインターロック管１６は曲げ変形可能であり、かつ曲げ力を解除した場合にはその屈曲形状を保つことができるようになっている。

　このようなインターロック管１６の両端には、連結ナット１８,１８が取り付けられており、これら連結ナット１８,１８は、グリップ部１側の連結ねじ部９およびヘッド部２の連結ねじ部１５にねじ込まれている。これにより、グリップ部１とヘッド部２がインターロック管１６を介して機械的に連結されている。

　上記インターロック管１６の内部には、通水路としてフレキシブルホース１７が挿通されている。フレキシブルホース１７は、図３に示される通り、例えば水道用ホース、繊維強化などの耐圧ホース、またはシリコーン製ゴムなどのようなゴムホース２１の両端に差込コネクタ２２,２２を備え、これらコネクタ２２，２２にゴム質リング形シール材としてのＯリング２３,２３を装着して構成されている。差込みコネクタ２２は竹の子口２２ａを有し、この竹の子口２２ａに上記ゴムホース２１の両端を圧入にて差し込んである。

　このようなフレキシブルホース１７は、両端のコネクタ２２，２２を、グリップ側通水路８のホース差込口８ａおよびヘッド側通水路１４のホース差込口１４ａに挿入することで、グリップ部１とヘッド側を結ぶ軸線上に位置し、シャワーホース５より供給される水をグリップ側通水路８からヘッド側通水路１４に導くようになっている。

　また、両端のコネクタ２２，２２をホース差込口８ａおよびホース差込口１４ａに挿入した場合、Ｏリング２３,２３がホース差込口８ａ，１４ａの内周面に密着して水漏れを防止することができるようになっている。

　このような構成の実施例１について、作用を説明する。

　このシャワーヘッドはグリップ部１を有するので、使用者はグリップ部１を把持して操作でき、散水板１０からシャワー水が放出されている状態で操作すればシャワー水を希望する箇所に向かわせることができる。

　そして、両手が塞がっている場合などは、シャワーヘッドを浴室の壁の支持フック７に引っ掛けて使用する。この状態では散水板１１の向き、すなわちシャワー水の噴射方向は一定の向きになる。

　シャワー水の向きを変えたい場合は、使用者がヘッド部２を掴んで向きを変える方向に力を加える。すると、インターロック管１６は、金属製帯材を螺旋状に巻いて成形されているので力を加えた方向に曲げ変形するとともに、曲げ力を解除した場合には、折り返し屈曲部１６ａ、１６ｂが摺接しているのでその摩擦抵抗によってパイプを曲げた形状に維持する。よって、ヘッド部２の向きは、インターロック管１６に曲げ変形を与えることで図１の(Ａ)部に示す直立姿勢から、例えば（Ｂ）図に示すように俯き方向に曲げることができる。この結果、シャワー水の噴射方向を調節することができる。
そして、このようにインターロック管１６を屈曲変形させた場合、内部に挿通されているフレキシブルホース１７も屈曲自在であるためインターロック管１６の曲がりに追随して曲がり、よって、グリップ部１側からヘッド部２側に向けて通水経路を確保し、水漏れを防止することができる。

　（実施例２）
　次に実施例２について、図４にもとづき説明する。

　図４は実施例２のシャワーヘッドの断面図である。

　実施例２のフレキシブルチューブは、曲げ変形自在であり、曲げた場合にその曲げ形状を維持するチューブとしてスタンドチューブ３０を用いた例を示す。

　スタンドチューブ３０は、マイクロフォンスタンドやスタンド照明などの支柱に使用されているフレキシブルパイプであり、断面が略三角形状の金属製三角線材３１と、断面が円形状の金属製丸線材３２とを組み合わせ構成されている。すなわち、ステンレスなどからなる三角線材３１を螺旋形状に巻回し、その内側に形成される略三角形の隙間に同じくステンレスなどからなる丸線材３２を密着して螺旋状に巻いてある。丸線材３２は隣接する三角線材３１の巻線に接触して所定の摩擦力をもって摺接するようになっており、このため螺旋状に巻かれてパイプ構造をなすスタンドチューブ３０は、曲げ変形自在であり、曲げた場合にその摩擦力で曲げ形状を維持することができる。

　このようなスタンドチューブ３０の両端には、実施例１と同様な連結ナット３３,３３が取り付けられており、これら連結ナット３３,３３は、グリップ部１側の連結ねじ部９およびヘッド部２の連結ねじ部１５にねじ込まれている。これにより、グリップ部１とヘッド部２がスタンドチューブ３０を介して機械的に連結されている。

　上記スタンドチューブ３０の内部には、通水路としてフレキシブルホース１７が挿通されており、このフレキシブルホース１７の構造および接続構造は、図３に示される実施例１と同様であってよいので、同一番号を付して説明を省略する。

　また、その他の構造も、実施例１の場合と同様であり、同一番号を付して説明を省略する。

　このような実施例２の場合、ヘッド部２の向きを変えるべく力を加えると、スタンドチューブ３０は、三角線材３１と丸線材３２を所定の摩擦力をもって密着して螺旋状に巻いてあるので力を加えた方向に曲げ変形するとともに、曲げ力を解除した場合には、摺接摩擦力で曲げた形状に維持する。よって、ヘッド部２の向きは、スタンドチューブ３０に曲げ変形を与えることで図１の(Ａ)部に示す直立姿勢から、例えば（Ｂ）図に示すように俯き方向に曲げることができ、シャワー水の噴射方向を調節することができる。

　そして、このようにスタンドチューブ３０を屈曲変形させた場合、内部に挿通されているフレキシブルホース１７も屈曲自在であるためチューブ３０の曲がりに追随して曲がり、よって、グリップ部１側からヘッド部２側に向けて通水経路を確保し、水漏れを防止することができる。

　（実施例３）
　次に実施例３について、図５ないし図８にもとづき説明する。

　図５は実施例３のシャワーヘッドの使用状況を示す側面図であり、（Ａ）図は直立姿勢の図、(Ｂ)図は俯き状態に調節した姿勢の図、図６は同シャワーヘッドの断面図、図７は同金属製ベローズ管の側面図、図８は金属製ベローズ管の他の例の側面図である。

　この実施例３では、曲げ変形自在であり、曲げた場合にその曲げ形状を維持するフレキシブルチューブとして金属製ベローズ管４０を用いた例を示す。

　金属製ベローズ管４０は、ステンレス、ＳＫ材、アルミ、銅、真鍮などの金属からなり、金属パイプ体に軸方向に沿って凸条と凹条を交互に形成（襞部を形成）することで、軸方向に沿って波型に加工したものである。この場合、図７に示ように、襞部（凸条と凹条）をスパイラル状に形成したスパイラルチューブ４１であってもよく、また図８に示すように、独立した複数の襞部を等間隔で形成（凸条と凹条を１ピッチずつ交互に形成）したワンピッチチューブ４２などであっても実施可能である。

　このような金属製ベローズ管４０の両端には連結ナット４３,４３がロウ付けなどの手段で固定されており、これら連結ナット４３,４３は、グリップ部１側の連結ねじ部９およびヘッド部２側の連結ねじ部１５にねじ込まれている。これにより、グリップ部１とヘッド部２がベローズ管４０により機械的に連結されている。

　その他の構造は、内部に挿通されたフレキシブルホース１７を始め、図３に示される実施例１と同様であってよいので、同一番号を付して説明を省略する。

　このような構成の場合も、金属製ベローズ管４０が曲げ変形可能であり、曲げた場合のその形状を維持するので、シャワー水の噴射方向を調節することができ、同時に内部に挿通されているフレキシブルホース１７も屈曲自在であるため、グリップ部１側からヘッド部２側に向けて通水経路を確保することができる。

　（実施例４）
　次に実施例４について、図９および図１０にもとづき説明する。

　図９は実施例４のシャワーヘッドの使用状況を示す側面図であり、（Ａ）図は直立姿勢の側面図、(Ｂ)図は俯き状態に調節した姿勢を示し一部破断した側面図、図１０は同シャワーヘッドの断面図である。

　上記実施例１ないし実施例３の場合、屈曲自在なフレキシブルチューブ１６，３０，４０の内側中心部にフレキシブルホース１７を挿通し、フレキシブルチューブ１６，３０，４０がフレキシブルホース１７を囲って配置した例を説明したが、フレキシブルチューブをフレキシブルホース１７と並設して用いてもよい。

　実施例４の場合、図１０に示す通り、２本のフレキシブルチューブ４５,４５をシャワーヘッドの曲げ方向と直行する方向（フレキシブルホース１７の長さ方向と平行する方向）に並設し、これら２本のフレキシブルチューブ４５,４５間に図３と同様な構造でフレキシブルホース１７を配置してある。

　フレキシブルチューブ４５，４５は、それぞれ前述したインターロック管タイプであっても、スタンドチューブタイプであっても、金属製ベローズ管タイプであってもよい。フレキシブルチューブ４５,４５の両端はそれぞれグリップ部１およびヘッド部２に埋め込み、嵌め込み、接着、ねじ止め、その他の手段で固定してあり、このためグリップ部１とヘッド部２はこれらフレキシブルチューブ４５，４５によって機械的に連結されている。

　また、グリップ部１とヘッド部２の間には、ゴムや樹脂などの蛇腹チューブからなるカバーチューブ５３が掛け渡されており、このカバーチューブ５３は両端が締付けベルト５４などでグリップ部１およびヘッド部２に取着されている。

　このカバーチューブ５３はフレキシブルチューブ４５,４５およびフレキシブルホース１７を覆っており、これらフレキシブルチューブ４５,４５およびフレキシブルホース１７が剥き出しに見えるのを隠すものであり、これらフレキシブルチューブ４５,４５およびフレキシブルホース１７を保護し、かつシャワーヘッド全体の美的感覚を向上させる。

　このような実施例４の場合も、フレキシブルチューブ４５,４５が曲げ変形可能であり、曲げた場合のその形状を維持するので、ヘッド部２の向きを調節することができる。しかも、２本のフレキシブルチューブ４５,４５は曲げ方向と直交する方向に並設されているので、ヘッド部の向きを上下方向、すなわち俯仰角を調節することができ、シャワー水の噴射方向を上下方向に変えることができる。
これとともに、内部に挿通されているフレキシブルホース１７も屈曲自在であるため、グリップ部１側からヘッド部２側に向けて通水経路を確保することができる。

　（実施例５）
　次に実施例５について、図１１および図１２にもとづき説明する。

　上記実施例１ないし実施例４の場合、通水路として、屈曲自在なフレキシブルチューブ１６，３０，４０，４５とは別構造のフレキシブルホース１７を用いた例を説明したが、フレキシブルチューブ自身に通水路を構成して一体構造にしてもよい。

　このような構造の例を実施例５にて説明する。

　図１１はシャワーヘッドの使用状況を示す側面図であり、（Ａ）図は直立姿勢の図、(Ｂ)図は俯き状態に調節した姿勢の図、図１２は同シャワーヘッドの断面図である。

　図１２において、５０はフレキシブルチューブであり、このフレキシブルチューブは防水型インターロック管にて構成されている。防水型インターロック管５０は、実施例１のインターロック管１６と同様に、幅方向の側縁に折り返し屈曲部５０ａ、５０ｂを形成してなる断面が略Ｓ字形（又は略Ｚ字状）に形成された金属製帯材を螺旋状に巻くことにより成形されており、隣接する帯材の側縁に形成した折り返し屈曲部５０ａ、５０ｂは、互いに相手を抱き込むように絡み合わせて係合させて（噛み合わせて又は嵌合させて）あり、このような抱き込み部（嵌合部又はカシメ部）において、折り返し屈曲部５０ａ，５０ｂが互いに摺接自在になっている。そして、これら折り返し屈曲部５０ａ，５０ｂ間に綿糸やゴムなどからなるパッキン材５１を挟み込んであり、これにより水漏れを防止する構造になっている。

　このような防水型インターロック管５０は、両端に連結ねじ５２,５２を溶接などの手段で接続し、これら連結ねじ５２，５２をグリップ側通水路８およびヘッド側通水路１４に水密に連結してある。

　また、グリップ部１とヘッド部２の間には、前記実施例４と同様な蛇腹チューブなどからなるカバーチューブ５３が掛け渡されており、このカバーチューブ５３は防水型インターロック管５０を覆っており、インターロック管５０が剥き出しに見えるのを隠すものであり、インターロック管５０を保護し、かつシャワーヘッド全体の美的感覚を向上させる。

　このような構造の場合、この防水型インターロック管５０は、曲げ変形可能であり、曲げた場合にその形状を維持するので、ヘッド部２の向きを自在に変えることができる。

　しかもこのインターロック管５０の抱きこみ部にパッキン材５２を挟み込んでいるので防水構造となっており、内部が通水路５５となる。よって、インターロック管５０の内側にグリップ部１側からヘッド部２側に向けて通水経路を一体に確保することができる。

　（実施例６）
　次に実施例６について、図１３にもとづき説明する。

　図１３は、実施例６のシャワーヘッドの断面図である。

　この実施例６は、フレキシブルチューブを防水構造、すなわち水漏れしない構造にすることで、フレキシブルチューブが通水路を兼用したものである。

　実施例６のフレキシブルチューブ６０は、実施例１のインターロック管１６(非防水型)と同様なインターロック管であり、螺旋状に巻回された隣接する帯材の側縁に形成した折り返し屈曲部６０ａ、６０ｂを互いに相手を抱き込むように絡み合わせて係合させてあり、これら折り返し屈曲部６０ａ，６０ｂが互いに摺接自在になっていて、曲げ変形可能であり、曲げた場合にその曲げ形状を保持する機能を奏する。

　このインターロック管６０の内側には、変形自在な柔軟性のゴムや蛇腹などからなる弾性チューブ６１を挿通し、この弾性チューブ６１の両端を接着や圧入、挟着、その他の手段により接合して水密を保ち、弾性チューブ６１をフレキシブルチューブ６０に対して一体的に取付けてある。

　このような構成の場合、弾性チューブ６１がフレキシブルチューブ６０と一体化しているので、取扱いが容易になり、組み付け作業が簡単になる。
そして、グリップ側通水路８から送り込まれる水は、フレキシブルチューブ６０内、実質的には弾性チューブ６１内に形成された通水路６２を通りヘッド側通水路１４側に流れる。

　水圧によって弾性チューブ６１が膨らんでも、弾性チューブ６１の外周囲がフレキシブルチューブ６０で囲われているので、弾性チューブ６１はフレキシブルチューブ６０の内面に接して膨らみが規制され、よって弾性チューブ６１の肉厚を薄くしても、破れたり、水漏れを生じることはなく、通水路としての機能を果たす。

　フレキシブルチューブを防水構造、すなわち水漏れしない構造にすることでフレキシブルチューブ自身が通水路を兼用するものとしては、上記実施例６に限らず、例えば、実施例１ないし実施例３に示されたインターロック管１６やスタンドチューブ３０の外周面に、図示しないが熱収縮チューブやゴムチューブなどを密着して被着してもインターロック管１６やスタンドチューブ３０を防水構造にすることができ、図３に示すような格別なフレキシブルホース１７を用いなくてもパイプ自身の内部に通水路を構成することが出来る。

　また、インターロック管１６やスタンドチューブ３０の内面に防水皮膜を形成してもよく、これによりパイプ自身の内部に通水路を構成することが出来る。

　（実施例７）
　次に実施例７について、図１４および図１５にもとづき説明する。

　この実施例は、理・美容室などで使用されるハンド式シャワーヘッドに適用した例であり、図１４の（Ａ）図は正面図、(Ｂ)図は側面図、（Ｃ）図は俯き状態に調節した姿勢の側面図。図１５は同シャワーヘッドの断面図である。

　理・美容室で使用されるハンド式シャワーヘッドは、仰向けに寝たお客（被洗髪者）の後頭部を洗髪するのに適するように、シャワーヘッド全体が理・美容師の手のひらに納まる程度の小形になっている。

　本実施例では、シャワーヘッド７０を、シャワー基端部７１とヘッド部７２とに分割し、これらシャワー基端部７１とヘッド部７２の間に角度調節手段としてのフレキシブルチューブ７３を連結してある。

　シャワー基端部７１は、接続ねじ部７４を有しており、このねじ部７４は給水源としてのシャワーホース７５に接続される。

　ヘッド部７２には、多数の散水孔７５を形成した散水板７６が取り付けられている。
本実施例のフレキシブルチューブ７３は、実施例１の場合と同様のインターロック管にて構成されている。インターロック管７３は、図２の場合と同様に、幅方向の側縁に折り返し屈曲部１６ａ、１６ｂを形成してなる断面が略Ｓ字形に形成された金属製帯材を螺旋状に巻くことにより成形されており、螺旋状に巻かれて隣接する帯材の側縁に形成した折り返し屈曲部１６ａ、１６ｂは、互いに相手を抱き込むように絡み合わせて係合させてあり、このような抱き込み部において、折り返し屈曲部１６ａ，１６ｂが互いに摺接自在になっている。

　この摺接する折り返し屈曲部１６ａ，１６ｂの摩擦抵抗によって、インターロック管７３に曲げ力を加えた場合にインターロック管７３は曲げ変形可能であり、かつ曲げ力を解除した場合にはその屈曲形状を保つことができるようになっている。

　そして、インターロック管７３の内部には、実施例１と同様のフレキシブルホース１７が、図３と同様な構造で取付けられている。

　このような構成の実施例７の場合、この種の理・美容室用シャワーヘッドは、仰向けに寝たお客の後頭部と洗面台との間の隙間に差し入れて、お客様の後頭部を洗髪するのに適するように小形になっているが、洗髪中に手のひらの中でヘッドの向きを微妙に調節することができ、シャワー水の当る箇所を変えるのに有効となる。

　また、本発明は、シャワー基端部が浴室の壁に固定されていたり、給水配管に接続されているようなシャワー装置にも適用可能である。

　以上説明した通り本発明によれば、ヘッド部の向きを変更可能であるから、シャワー水の噴射方向を自在に変更することができる。しかも、グリップとヘッド部を連結する角度調節手段は、曲げ変形自在なチューブ構造であるから、従来の単一の球面継手タイプに比べて曲げ量を大きくすることができ、噴射方向の調節範囲が大きくなり、使い勝手が向上する。

　１…グリップ
　２…ヘッド部
　３…角度調節手段
　１０…散水板
　１６，７３…インターロック管
　１６ａ，１６ｂ…折り返し屈曲部
　１７…フレキシブルホース
　２１…ゴムホース
　３０…スタンドチューブ
　３１…三角線材
　３２…丸線材
　４０…金属ベローズ管
　５０…防水型インターロック管
　５１…パッキン材
　５２…連結ねじ
　５３…カバーチューブ
　６０…インターロック管
　６１…弾性チューブ

Claims (10)

1. 散水部を備えたヘッド部と、給水源に接続されるシャワー基端部と、これらヘッド部とシャワー基端部の間に設けられ、ヘッド部の向きを変更可能な角度調節手段と、を具備し、
   上記角度調節手段は、
   曲げ変形可能であり、曲げた場合にその曲げ形状を保持するフレキシブルチューブと、上記フレキシブルチューブの変形に伴って変形し、グリップ側からヘッド側に通水を導く屈曲可能な通水路と、
   を備えたことを特徴とするシャワー装置。
2. フレキシブルチューブが、曲げ変形可能であり、曲げた場合にその曲げ形状を保持するインターロック管により形成されており、このインターロック管が、逆方向に両側部が折り返された帯状金属材をスパイラル状に巻回し、かつ隣接する側部を互いに嵌合させて形成したチューブであることを特徴とする請求項１に記載のシャワー装置。
3. フレキシブルチューブが、曲げ変形可能であり、曲げた場合にその曲げ形状を保持するスタンドチューブにより形成されており、このスタンドチューブが、断面三角形状の金属線と断面円形状の金属線とを交互にスパイラル状に巻回して形成されたチューブであることを特徴とする請求項１に記載のシャワー装置。
4. フレキシブルチューブは、曲げ変形可能であり、曲げた場合にその曲げ形状を保持する金属製ベローズ管により形成されていることを特徴とする請求項１に記載のシャワー装置。
5. 屈曲可能な通水路が屈曲自在なフレキシブルホースで形成されていることを特徴とする請求項１ないし請求項４のいずれか一に記載のシャワー装置。
6. フレキシブルホースがフレキシブルチューブの内部に挿通されており、一端がヘッド部に接続されているとともに他端がシャワー基端部に接続されていることを特徴とする請求項１ないし請求項５のいずれか一に記載のシャワー装置。
7. フレキシブルチューブ自体が防水構造をなしており、このフレキシブルチューブの内部空間に屈曲可能な通水路が一体に構成されていることを特徴とする請求項１ないし請求項４のいずれか一に記載のシャワー装置。
8. インターロック管の嵌合部にパッキン材が挟持されており、インターロック管自体が防水構造となっていて、内部に屈曲可能な通水路が一体に構成されていることを特徴とする請求項２または請求項７に記載のシャワー装置。
9. フレキシブルチューブの内面または外面に、防水チューブまたは防水皮膜を一体的に被覆してフレキシブルチューブ自体が防水構造となっており、内部に屈曲可能な通水路が一体に構成されていることを特徴とする請求項１ないし請求項４のいずれか一または請求項７に記載のシャワー装置。
10. ヘッド部とシャワー基端部との間に、角度調節手段を覆う屈曲自在なカバーチューブを被覆してあることを特徴とする請求項１ないし請求項９のいずれか一に記載のシャワー装置。

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