JP4725506B2 - 流体透過特性評価装置 - Google Patents

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Description

この発明は、三次元網目構造を有する多孔質板の内部を通過する流体の透過特性を評価する流体透過特性評価装置に関するものである。
三次元網目構造を有する多孔質板は、フィルタ、ガス拡散部材、放熱部材、給水部材等として種々の装置に組み込まれており、例えば特許文献1のように、多孔質板の内部でその面方向に空気や燃料ガス(流体)を流すように多孔質板を組み込んだ燃料電池がある。上述した用途の多孔質板を各種装置に組み込む場合には、予め多孔質板の面方向に通過する流体の透過特性(例えば流体の圧力損失や流体の濃度変化)を評価しておく必要がある。
多孔質板の面方向に通過する流体の透過特性を評価する方法としては、例えば特許文献1のように、多孔質板の主面に対して流体を強制的に流入・流出させる方法がある。なお、この評価方法を実施する際には、多孔質板の内部を通過させる流体の流路を除き、多孔質板の外面を密閉する必要がある。
この場合、一般には、一対の狭持部材により多孔質板をその厚さ方向から挟み込むと共に、多孔質板の側面が露出する一対の狭持部材の隙間に接着剤や樹脂材料等のシール材を埋め込むことで、多孔質板の外面の密閉を図ることが考えられる。また、シール材を使用する代わりに、多孔質板の周囲を囲繞するOリングを多孔質板と共に一対の狭持部材で挟み込むことで、多孔質板の外面の密閉を図ることが考えられる。
特開2006−216426号公報 特開2004−303558号公報
しかしながら、Oリングを使用して多孔質板の密閉を図る場合には、多孔質板の厚さ寸法等の大きさに応じてOリングを交換する必要がある。また、シール材を使用して多孔質板の密閉を図る場合には、透過特性の評価を1回行う毎にシール材の埋め込みを実施する必要があるため、透過特性の評価を行うためのセッティングが面倒になるという問題がある。
本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであって、多孔質板における流体の透過特性評価を容易に実施することができるようにすることを目的とする。
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の流体透過特性評価装置は、三次元網目構造を有する多孔質板の内部でその面方向に流体を通過させ、前記多孔質板における前記流体の透過特性を評価する流体透過特性評価装置であって、前記多孔質板を載置する載置平面を有する載置台と、該載置台の上方から前記多孔質板を押さえつける押付部材と、前記載置台の載置平面に対向するように前記押付部材の下部と前記多孔質板との間に静置された弾性変形可能な弾性シール材とを備え、前記弾性シール材は、前記押付部材により前記載置平面に載置された前記多孔質板を押さえつけた状態で、前記多孔質板の内部に通過させる前記流体の流路を除いて、前記載置平面に当接すると共に前記多孔質板の外面を気密に覆うように弾性変形するものであり、前記弾性シール材の圧縮弾性率が前記多孔質板の圧縮弾性率よりも低く、かつ、前記弾性シール材の厚さ寸法が前記多孔質板の厚さ寸法の2倍以上であり、さらに、前記載置平面に対する前記弾性シール材の押し付け圧力が前記多孔質板の内部に流入する前記流体の圧力の2倍以上であることを特徴とする。
なお、弾性シール材は押付部材に固定されていることがより望ましい。
本発明によれば、押付部材により多孔質板を押さえつけるだけで、弾性シール材のうち多孔質板の上面に当接した部分を圧縮変形させて、弾性シール材のうち多孔質板の上面周囲に位置する部分を載置平面に当接させることができる。また、この際には、載置平面に当接した弾性シール材が圧縮変形し、これによって載置平面に対する弾性シール材の押し付け圧力を十分な大きさで得ることができる。これにより、多孔質板内部を通過する流体が載置平面と弾性シール材との間から漏れ出すことを防止することができる。
以上のことから、多孔質板の厚さ寸法等の大きさに関わらず、押付部材を多孔質板に押しつけるだけで、流路を除いた多孔質板の外面を密閉して、多孔質板における流体の透過特性の評価を容易に行うことが可能となる。
ここで、弾性シール材は、その圧縮永久歪みを10%以下としてもよい。
この場合には、押付部材による押さえつけを解除した際に、弾性シール材が良好に弾性復帰するため、同一の弾性シール材を用いても、透過特性評価を多数回にわたって繰り返し実施することができ、透過特性の評価結果の再現性も良好に保つことができる。
また、弾性シール材は、その内部に閉気孔を含んだ多孔質状に形成されたものとしてもよい。
この場合には、弾性シール材を小さな荷重で多孔質板に押しつけても容易に弾性変形できるため、多孔質板の外面を確実に気密に覆うことができる。また、弾性シール材が閉気孔を含んで多孔質体をなすように構成されている場合には、多孔質板内部を通過する流体が弾性シール材を介して外部に漏れることを防ぐことができる。また、この場合には、流体が多孔質板から弾性シール材内部に侵入・透過することで多孔質板の外側に流体の流路が形成されることを防止し、この流路形成に基づいて透過特性の評価精度が損なわれてしまうことも回避できる。
なお、本発明の流体透過特性評価装置においては、弾性シール材の厚さを25%圧縮するために要する圧縮応力(25%圧縮応力)を、10kPa以上350kPa以下とすることがより好ましい。
これは、弾性シール材の25%圧縮応力が10kPa未満となると、多孔質板内部に流入した流体の圧力によって弾性シール材が容易に圧縮変形して多孔質板の外面から押し上げられ、多孔質板の外面と弾性シール材との間に大きな隙間が生じるためである。また、弾性シール材の25%圧縮応力が350kPaよりも大きくなると、押付部材により載置平面に載置された多孔質板を押さえつけた状態において、多孔質板の外形形状に対する弾性シール材の追従性が不足して、多孔質板の外面と弾性シール材との間に大きな隙間が生じるためである。
このような大きな隙間があると、多孔質板内部に流入した流体が多孔質内部だけではなく隙間も通過するため、多孔質板における流体の透過特性を精度良く評価することが困難となる。
したがって、弾性シール材の25%圧縮応力を10kPa以上350kPa以下とすることで、流体の圧力による弾性シール材の浮き上がりを抑制すると共に多孔質板の外形形状に対する弾性シール材の追従性を向上させて、上述した隙間を小さく抑えることができ、多孔質板における流体の透過特性を精度良く評価することが可能となる。
本発明によれば、多孔質板の厚さ寸法等の大きさに関わらず、同一の弾性シール材を固定した押付部材により載置台に載置された多孔質板を押さえつけるだけで、流路を除いた多孔質板の外面を密閉することが可能となるため、多孔質板における流体の透過特性評価を容易に実施することができる。
以下、本発明の実施形態に係る流体透過特性評価装置について説明する。
なお、以下に説明する各実施形態の流体透過特性評価装置は、三次元網目構造を有する多孔質板の内部で、その面方向に流体を通過させ、多孔質板における流体(気体、液体)の透過特性を評価するものである。
〔第1実施形態〕
はじめに、第1実施形態に係る流体透過特性評価装置について説明する。
図1に示すように、この実施形態に係る流体透過特性評価装置1は、平面視略矩形状の多孔質板3を載置する載置平面5aを有する載置台5と、載置台5の上方から多孔質板3を押さえつけるための押付部材7と、上記載置平面5aに対向するように押付部材7に固定された弾性変形可能な弾性シール材9とを備えている。
載置台5及び押付部材7は、多孔質板3をその厚さ方向(Z軸方向)から挟み込む際に変形しない剛性の高い材料からなり、この実施形態においては平面視略矩形状に形成されている。また、載置台5及び押付部材7は、その長手方向(X軸方向)及び幅方向(Y軸方向)の寸法が多孔質板3よりも大きくなるように形成されている。さらに、後述する弾性シール材9を固定する押付部材7の固定面7aは平坦に形成されている。そして、押付部材7により多孔質板3を押さえつけた状態においては、固定面7aと載置台5の載置平面5aとが平行に保持されるようになっている。
弾性シール材9は、その内部に閉気孔を含んだ多孔質状に形成され、発泡樹脂や発泡ゴムによって構成されている。具体的な発泡樹脂や発泡ゴムとしては、例えばウレタンゴム(例えば、商品名:ポロン(ロジャースイノアック社製)、商品名:薄層クリーンフォームSCF(日東電工社製))、シリコーンゴム(例えば、商品名:NPゲル(ジェルテック社製))、ポリオレフィン樹脂(例えば、イノアックエラストマー社製のRLシリーズ)、ポリエチレン樹脂、エチレンゴム(例えば、エチレンプロピレンゴム(EPDM))等が挙げられる。また、この弾性シール材9では、圧縮永久歪みが10%以下に設定されており、また、圧縮弾性率が多孔質板3よりも低く設定されている。
そして、弾性シール材9は、平面視略矩形状に形成され、多孔質板3と略同等の長さ寸法を有している。また、弾性シール材9の幅寸法は、載置台5及び押付部材7と略同等に設定されており、載置平面5aに配された多孔質板3の両側部から幅方向に突出するように形成されている。さらに、弾性シール材9の厚さ寸法は、多孔質板3の厚さ寸法の2倍以上に設定されている。
以上のように構成された流体透過特性評価装置1を用いて、多孔質板3における流体の透過特性を評価する場合には、多孔質板3及び弾性シール材9の長手方向の両端部が略一致するように、多孔質板3を載置台5の載置平面5aの中央部分に配し、押付部材7により多孔質板3を押さえつける。
この押さえつけの際には、弾性シール材9の中央部分が多孔質板3の上面3aに当接して圧縮変形されると共に、弾性シール材9のうち多孔質板3の両側部から幅方向に突出する部分が載置平面5aに当接することになる。また、この際には、載置平面5aに当接した弾性シール材9も圧縮変形する。なお、この圧縮変形によって載置平面5aに対する弾性シール材9の押し付け圧力が発生する。
このように押付部材7により多孔質板3を押さえつけた状態においては、弾性シール材9の弾性変形によって多孔質板3の上面(外面)3a及び両側面(外面)3c,3dが気密に覆われることになり、多孔質板3の長手方向に面する両端面3e,3fのみが載置台5と押付部材7との隙間S1,S2を介して外方に露出することになる。これにより、多孔質板3の一端面3eから他端面3fに至るまで流体を多孔質板3の内部で多孔質板3の長手方向(面方向)に通過させる流路が形成されることになる。すなわち、押さえつけの状態においては、弾性シール材9が、多孔質板3の内部に通過させる流体の流路を除いて、載置平面5aに当接すると共に多孔質板3の外面3a,3c,3dを気密に覆っている。
以上のことから、この流体透過特性評価装置1において多孔質板3内部に流体を通過させる際には、多孔質板3の一端面3eから流体を流入し、他端面3fから流体を流出すればよい。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態に係る流体透過特性評価装置について説明する。なお、この実施形態の流体透過特性評価装置は、上述した第1実施形態と主に載置台の構成及び弾性シール材の寸法についてのみ異なっている。ここでは、当該相違点についてのみ説明し、第1実施形態の流体透過特性評価装置1の構成要素と同一の部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
図2に示すように、この実施形態に係る流体透過特性評価装置11を構成する載置台13には、その載置平面13aに開口する孔15A,15Bが一対形成されている。ここで、一対の孔15A,15Bは載置台13の長手方向に間隔を介して開口しているが、この間隔は、載置平面13aに載置される多孔質板3によって一対の孔15A,15Bが両方共覆われる程度となっている。なお、本実施形態においては、各孔15A,15Bの開口部分が多孔質板3の長手方向の両端部に位置するように配置設定されている。
また、流体透過特性評価装置11を構成する弾性シール材17の長さ寸法及び幅寸法は、載置台13及び押付部材7と略同等に設定されており、載置平面13aに配された多孔質板3の周囲から面方向(XY平面方向)に突出するように形成されている。なお、弾性シール材17の厚さ寸法は、第1実施形態と同様に、多孔質板3の厚さ寸法の2倍以上に設定されている。
以上のように構成された流体透過特性評価装置11を用いて、多孔質板3における流体の透過特性を評価する場合には、多孔質板3によって一対の孔15A,15Bの開口が覆われるように多孔質板3を載置台13の載置平面13aの中央部分に配し、押付部材7により多孔質板3を押さえつける。
この押さえつけの際には、第1実施形態と同様に、弾性シール材17の中央部分が多孔質板3の上面3aに当接して圧縮変形される。また、弾性シール材17のうち多孔質板3の周囲から突出する部分が載置平面13aに当接して圧縮変形する。この圧縮変形によって載置平面13aに対する弾性シール材17の押し付け圧力が発生する。
このように押付部材により多孔質板3を押さえつけた状態においては、弾性シール材17の弾性変形によって多孔質板3の上面(外面)3a、両側面(外面)3c,3d及び両端面(外面)3e,3fが気密に覆われることになり、多孔質板3は、その下面3bの長手方向の両端部に開口する一対の孔15A,15Bを介してのみ外方に連通されることになる。これにより、一方の孔15Aから他方の孔15Bに至るまで流体を多孔質板3の内部で多孔質板3の長手方向(面方向)に通過させる流路が形成されることになる。すなわち、押さえつけの状態においては、第1実施形態の場合と同様に、弾性シール材17が、多孔質板3の内部に通過させる流体の流路を除いて、載置平面13aに当接すると共に多孔質板3の外面3a,3c〜3fを気密に覆っている。
したがって、この流体透過特性評価装置11において多孔質板3内部に流体を通過させる際には、一方の孔15Aを通じて多孔質板3の一端部側の下面3bから流体を流入し、他端部側の下面3bから他方の孔15Bを通じて流体を流出すればよい。
なお、各実施形態の流体透過特性評価装置1,11において透過特性を評価される多孔質板3としては、例えば多孔質ステンレス、発泡ステンレス、多孔質ニッケル等をシート状に形成したものの他に、例えば、ニッケル不織布、カーボン不織布等が挙げられる。
次に、各実施形態の流体透過特性評価装置1,11において、弾性シール材9,17による多孔質板3の密閉性能(以下、シール性能と呼ぶ。)を試験した結果について表1を参照して説明する。
この試験では、図1,2に示すように押付部材7により多孔質板3を押さえつけた状態で、アルゴンガス(流体)を1分間当たり1リットルの流量で多孔質板3の一端面3eや下面3bから多孔質板3内部に流入させ、吸引式リークディテクター(LD229(GLサイエンス社製))を用いて載置平面5a,13aとこれに当接する弾性シール材9,17との間からアルゴンガスが漏れているか否かを確認し、この確認結果を弾性シール材9,17のシール性能の良否として評価した。
なお、この試験においては、多孔質板3の寸法を幅50mm×長さ100mm角とした。さらに、第1実施形態の流体透過特性評価装置1については、弾性シール材9の寸法を幅75mm×長さ98mm角とし、第2実施形態の流体透過特性評価装置11については、弾性シール材17の寸法を幅75mm×長さ125mm角とした。また、第2実施形態の流体透過特性評価装置11については、各孔の開口寸法を幅50mm×長さ1mm角とした。そして、多孔質板3や弾性シール材9,17の材質や厚さ寸法については、表1に示すように、適宜組み合わせたものを複数(実施例1〜10、比較例1〜4)用意した。
Figure 0004725506
すなわち、多孔質板3の材質には、シート状に形成した多孔質ステンレス、発泡ステンレス、多孔質ニッケル、ニッケル不織布、カーボン不織布を使用した。
また、弾性シール材9,17の材質には、日東電工社製の薄層クリーンフォームSCF(品番:SCF100、P200UL)、ロジャースイノアック社製のポロン(タイプ:L−24、H−32、H−48、SR−S−24P)、ジェルテック社製のNPゲル、θ−8ゲル(商品名)を使用した。上記材質の弾性シール材9,17の圧縮弾性率は、いずれも多孔質板3の圧縮弾性率よりも低いものである。
そして、弾性シール材9,17の厚さ寸法は、実施例1〜10及び比較例1,3,4において多孔質板3の厚さ寸法の2倍以上となっており、比較例2においてのみ多孔質板3の厚さ寸法の1.5倍となっている。
なお、表1中に記載の「25%圧縮応力」は、各実施例及び比較例で使用している各種材質の弾性シール材9,17の厚さを25%圧縮するために要する応力を示している。
また、表1中に記載の「側面」は、第1実施形態の流体透過特性評価装置1において試験したことを示しており、「全周」は、第2実施形態の流体透過特性評価装置11において試験したことを示している。
さらに、表1中に記載の「シール圧」は、載置台5,13の載置平面5a,13aに対する弾性シール材9,17の押し付け圧力を示しており、「ガス圧」は、多孔質板3の内部に流入するアルゴンガスの圧力を示している。そして、このシール圧は、実施例1〜10及び比較例2〜4においていずれもガス圧の2倍以上に設定されており、比較例1においてのみガス圧の2倍未満に設定されている。
そして、表1に記載の試験結果によれば、比較例1,2のものではアルゴンガスの漏れが確認され(シール性能「×」)、実施例1〜10及び比較例3,4のものではアルゴンガスの漏れが確認されなかった(シール性能「○」「△」)。
比較例1のものでは、シール圧がガス圧の2倍未満となっていることで、載置平面13aに対する弾性シール材17の押し付け圧力が不足するために、ガス漏れが発生していると考えられる。また、比較例2のものでは、シール圧がガス圧の2倍以上となっているが、弾性シール材17の厚さ寸法が多孔質板3の2倍未満となっていることで、弾性シール材17を十分に載置平面13aに押さえつけることができないために、ガス漏れが発生していると考えられる。このように、ガス漏れが発生している場合には、アルゴンガスの透過特性評価を実施することはできない。
これに対し、実施例1〜10や比較例3,4のように、シール圧をガス圧の2倍以上とすると共に、弾性シール材9,17の厚さ寸法を多孔質板3の2倍以上としているため、載置平面5a,13aに対する弾性シール材9,17の押し付け圧力を十分に得ることができ、これによって、多孔質板3内部を通過するアルゴンガスが漏れ出すことを防止して、アルゴンガスの透過特性評価を実施することが可能となる。
ところで、比較例3のものでは、アルゴンガスを多孔質板3の内部に流入させたところ、弾性シール材9の一部と多孔質板3の外面3a,3c,3dとの間に大きな隙間が生じる不具合が確認された。この隙間は、弾性シール材9の25%圧縮応力が8kPaと小さいために、弾性シール材9内部に流入したアルゴンガスの圧力によって弾性シール材9が多孔質板3の外面3a,3c,3dから押し上げられることで発生すると考えられる。
また、比較例4のものでは、押付部材7により多孔質板3を押さえつけた状態において、側面3c,3dと載置平面5aとからなる凹部面と弾性シール材9との間に大きな隙間が生じていることが確認された。この隙間は、弾性シール材9の25%圧縮応力が360kPaと大きく、載置平面5aに載置された多孔質板3の外形形状に対する弾性シール材9の追従性が不足することで発生すると考えられる。
このような隙間がある場合には、多孔質板3内部に流入されたアルゴンガスが多孔質板3内部だけではなく上記隙間も通過するため、多孔質板3におけるアルゴンガスの透過特性評価に影響を与える。したがって、多孔質板3におけるアルゴンガスの透過特性を精度良く評価するためには、このような隙間は小さい方が好ましく、具体的には、アルゴンガスが通過する隙間の断面積において、多孔質板3の外面3a,3c,3dから弾性シール材までの隙間高さを50μm以下に抑えることが好ましい。
しかしながら、比較例3,4のものでは、隙間高さが上述した値を超えてしまうため、アルゴンガスの透過特性を精度良く評価することが困難となる(シール性能「△」)。
これに対し、実施例1〜10のものでは、弾性シール材9,17の25%圧縮応力が10kPa以上350kPa以下の範囲内に含まれているため、アルゴンガスの圧力による弾性シール材9,17の浮き上がりを抑制すると共に多孔質板3の外形形状に対する弾性シール材9,17の追従性を向上させて、上述した隙間の大きさが小さく抑えられている。すなわち、上述した隙間高さが50μm以下に抑えられている。
したがって、実施例1〜10のものでは、多孔質板3における流体の透過特性を精度良く評価することが可能となる(シール性能「○」)。
以上説明したように、上記実施形態の流体透過特性評価装置1,11によれば、多孔質板3の厚さ寸法等の大きさに関わらず、押付部材7により載置台5,13に載置された多孔質板3を押さえつけるだけで、多孔質板3の外面3a,3c〜3fを密閉することができるため、多孔質板3における流体の透過特性評価を容易に実施することができる。
また、弾性シール材9,17の圧縮永久歪みを10%以下とすることで、押付部材7による押さえつけを解除した際に、弾性シール材9,17が良好に弾性復帰するため、同一の弾性シール材9,17を用いても、透過特性評価を多数回にわたって繰り返し実施することができると共に、透過特性の評価結果の再現性も良好に保つことができる。
さらに、弾性シール材9,17は、その内部に閉気孔を含んだ多孔質状に形成されているため、これを小さな荷重で多孔質板3に押しつけても容易に弾性変形でき、多孔質板3の外面3a,3c〜3fを確実に気密に覆うことが可能となる。また、弾性シール材9,17は閉気孔を含んで多孔質体をなすように構成されているため、多孔質板3内部を通過する流体が弾性シール材9,17を介して外部に漏れることを防ぐことができる。さらに、この場合には、流体が多孔質板3から弾性シール材9,17内部に侵入・透過することで多孔質板3の外側に流体の流路が形成されることを防止し、この流路形成に基づいて透過特性の評価精度が損なわれてしまうことも回避できる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
すなわち、第1実施形態における弾性シール材9の長さ寸法は、例えば多孔質板3の長さ寸法よりも長くしても構わない。この場合には、多孔質板3の長手方向の両端面3e,3fに流体の流路を確保する中空のスペーサ等を別途設け、このスペーサにより弾性シール材9が多孔質板3の両端面3e,3fを密閉することこと防止すればよい。
また、上述した全ての実施形態における弾性シール材9,17としては、圧縮永久歪みを10%以下としたものや、多孔質状に形成されたものに限らず、少なくとも圧縮弾性率が多孔質板3よりも低く、かつ、厚さ寸法が多孔質板3の2倍以上となるものを使用すればよい。
さらに、弾性シール材9,17は、上記実施形態のように押付部材7の固定面7aに固定されることが望ましいが、少なくとも載置台5,13の載置平面5a,13aに対向するように押付部材7の下部と多孔質板3との間に静置されていればよい。すなわち、弾性シール材9,17は、例えば押付部材7に固定せずに、押付部材7により多孔質板3を押さえつけた状態において押付部材7と載置台5,13や多孔質板3との間に挟み込まれるように配置してもよい。
本発明の第1実施形態に係る流体透過特性評価装置を示しており、(a)は概略平面図、(b)は(a)のA−A矢視断面図、(c)は(a)のB−B矢視断面図である。 本発明の第2実施形態に係る流体透過特性評価装置を示しており、(a)は概略平面図、(b)は(a)のC−C矢視断面図、(c)は(a)のD−D矢視断面図である。
符号の説明
1,11 流体透過特性評価装置
3 多孔質板
3a 上面(外面)
3c,3d 側面(外面)
3e,3f 端面(外面)
5,13 載置台
5a,13a 載置平面
7 押付部材
9,17 弾性シール材

Claims (4)

  1. 三次元網目構造を有する多孔質板の内部でその面方向に流体を通過させ、前記多孔質板における前記流体の透過特性を評価する流体透過特性評価装置であって、
    前記多孔質板を載置する載置平面を有する載置台と、該載置台の上方から前記多孔質板を押さえつける押付部材と、前記載置台の載置平面に対向するように前記押付部材の下部と前記多孔質板との間に静置された弾性変形可能な弾性シール材とを備え、
    前記弾性シール材は、前記押付部材により前記載置平面に載置された前記多孔質板を押さえつけた状態で、前記多孔質板の内部に通過させる前記流体の流路を除いて、前記載置平面に当接すると共に前記多孔質板の外面を気密に覆うように弾性変形するものであり、
    前記弾性シール材の圧縮弾性率が前記多孔質板の圧縮弾性率よりも低く、かつ、前記弾性シール材の厚さ寸法が前記多孔質板の厚さ寸法の2倍以上であり、さらに、前記載置平面に対する前記弾性シール材の押し付け圧力が前記多孔質板の内部に流入する前記流体の圧力の2倍以上であることを特徴とする流体透過特性評価装置。
  2. 前記弾性シール材の圧縮永久歪みが10%以下であることを特徴とする請求項1に記載の流体透過特性評価装置。
  3. 前記弾性シール材が、その内部に閉気孔を含んだ多孔質状に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の流体透過特性評価装置。
  4. 前記弾性シール材の厚さを25%圧縮するために要する圧縮応力が、10kPa以上350kPa以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の流体透過特性評価装置。
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