JP2024038860A - 通気性シートを有する固定治具 - Google Patents

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丈雅 近藤
Takemasa Kondo
恭治 古川
Kyoji Furukawa
悠紀 芳賀
Yuki Haga
英明 堀江
Hideaki Horie
祐一郎 横山
Yuichiro Yokoyama
仁晃 森實
Tomoaki Morizane
昌典 島田
Masanori Shimada
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Abstract

【課題】加圧対象物を適切に固定することができる固定治具を提供する。【解決手段】一態様の固定治具は、第1フレームと該第1フレームに架け渡された第1可撓性シートとを含む第1治具と、第1治具に対面して配置され、第2フレームと該第2フレームに架け渡された第2可撓性シートとを含む第2治具と、第1治具と第2治具との間に配置された通気性を有する通気性シートと、を備える。第1治具及び第2治具は、その間に加圧対象物を配置する収容空間を形成し、第1治具及び第2治具の少なくとも一方には、収容空間内の空気を排気する排気孔が形成され、通気性シートは、第1治具及び第2治具が対面する方向から見たときに収容空間を囲むように配置され、且つ、収容空間と排気孔との間の領域の全域に亘って設けられている。【選択図】図1

Description

本開示は、固定治具に関する。
電子デバイスの製造工程において、一対のロールの間に加圧対象物を通して当該加圧対象物をプレスするロールプレス技術が利用されている。加圧対象物が積層体や粉体である場合には、そのまま加圧対象物を一対のロールの間に通すと、積層体に位置ずれが生じたり、粉体が飛び散ったりして加圧対象物に十分に圧力を付与することが難しい。そこで、固定治具を用いて加圧対象物を固定してからロールプレスが行われることがある。
この種の固定治具として、例えば下記特許文献1及び2に記載された固定治具が知られている。特許文献1及び2に記載の固定治具は、半導体チップ用又は電池用の積層体等の加圧対象物を固定保持するものであり、第1減圧部材と、当該第1減圧部材に対向する第2減圧部材と、第1減圧部材と第2減圧部材との間に形成される収容空間を封止するシール部材と、収容空間から空気を排気する排気路とを有している。第1減圧部材及び第2減圧部材は、枠状部材と該枠状部材に張り渡された可撓性を有する樹脂シートとを含んでいる。この固定治具では、第1減圧部材及び第2減圧部材の枠状部材に形成された排気路から排気して収容空間を減圧し、第1減圧部材及び第2減圧部材の樹脂シートで加圧対象物を挟み込むことで収容空間に配置された加圧対象物を固定する。そして、この固定治具を一対のロールの間に通すことで、収容空間に固定された加圧対象物を加圧する。
特許5182451号公報 特許6269496号公報
上記固定治具では、排気路が第1減圧部材及び第2減圧部材の枠状部材に形成されているので、第1減圧部材及び第2減圧部材の間の空気は、収容空間の外縁部から排気される。ここで、外縁部から排気されると、収容空間の空気が抜け切る前に外縁部において第1減圧部材及び第2減圧部材の樹脂シート同士が密着し、収容空間に空気が残留することがある。この場合、収容空間の減圧が不十分となり、加圧対象物を適切に固定できなくなる。
そこで、本開示は、加圧対象物を適切に固定することができる固定治具を提供することを目的とする。
一態様では、リチウムイオン二次電池用の電極活物質層を製造するために活物質材料を含む加圧対象物を固定する固定治具が提供される。この固定治具は、第1フレームと該第1フレームに架け渡された第1可撓性シートとを含む第1治具と、第1治具に対面して配置され、第2フレームと該第2フレームに架け渡された第2可撓性シートとを含む第2治具と、第1治具と第2治具との間に配置された通気性を有する通気性シートと、を備える。第1治具及び第2治具は、その間に加圧対象物を配置する収容空間を形成し、第1治具及び第2治具の少なくとも一方には、通気性シートを介して収容空間内の空気を排気する排気孔が形成され、通気性シートは、第1治具及び第2治具が対面する方向から見たときに収容空間内の加圧対象物を囲むように配置され、且つ、収容空間と排気孔との間の領域の全域に亘って設けられている。
本態様の固定治具では、通気性シートが、第1治具及び第2治具が対面する方向から見たときに収容空間内の加圧対象物を囲むように配置され、且つ、収容空間と排気孔との間の領域の全域に亘って設けられているので、収容空間と排気孔との間の領域において第1可撓性シート及び第2可撓性シートが密着することが防止される。したがって、収容空間と排気孔との間で空気の流路を確保でき、収容空間を確実に減圧することができる。その結果、収容空間に配置された加圧対象物を適切に固定することができる。
一実施形態では、通気性シートは、織布、不織布、メッシュ、フェルト、樹脂製の発泡体、又は、ゴム製の発泡体によって構成されていてもよい。通気性シートが、これらの剛性が低い材料によって構成されることで、固定治具に加圧対象物を固定した状態でロールプレス装置等の加圧装置を用いて加圧対象物をプレスするときに、通気性シートの厚みが加圧対象物よりも薄くなる、又は、加圧対象物と同じ厚みになることで加圧対象物に適切な圧力を付加することができる。
一実施形態では、通気性シートの厚みは、プレス中の加圧対象物の厚み以下であってもよい。通気性シートの厚みをプレス中の加圧対象物の厚み以下にすることにより、加圧対象物を固定治具に固定した状態で加圧装置を用いて加圧対象物をプレスするときに、通気性シートと加圧装置との干渉を防止することができる。なお、通気性シートは、矩形枠状を呈し、第1可撓性シート及び第2可撓性シートの少なくとも一方の外縁部に接合されていてもよい。
一実施形態では、第1可撓性シートに接合された第1剛性シートと、第2可撓性シートに接合された第2剛性シートと、を更に備え、第1剛性シート及び第2剛性シートは、第1可撓性シートと第2可撓性シートとの間に配置され、収容空間を介して互いに対面していてもよい。加圧対象物に粉状の活物質材料が含まれる場合には、第1可撓性シート及び第2可撓性シートを介して加圧対象物に圧力が付加されたときに活物質材料が第1可撓性シート及び第2可撓性シートに突き刺さることがある。活物質材料が第1可撓性シート及び第2可撓性シートに突き刺さると、電極活物質層の表面に凹凸が形成されたり、電極活物質層に崩れが発生したりして、電極活物質層の厚みに不均一性が発生することがある。電極活物質層の厚みに不均一性が発生すると、不良品の発生や電池性能の低下に繋がる。これに対し、この実施形態では、加圧対象物が第1剛性シート及び第2剛性シートの間に配置されるので、第1可撓性シート及び第2可撓性シートが加圧対象物に直接接触することが防止される。したがって、例えば加圧対象物に粉状の活物質材料が含まれる場合であっても、第1可撓性シート及び第2可撓性シートに活物質材料が突き刺さることが抑制され、不良品の発生や電池性能の低下を抑制することができる。
一実施形態では、第1可撓性シート及び第2可撓性シートは、樹脂シートであり、第1剛性シート及び第2剛性シートは、金属シートであってもよい。第1剛性シート及び第2剛性シートを金属シートとすることにより、第1可撓性シート及び第2可撓性シートに活物質材料が突き刺さることをより確実に防止することができる。また、第1可撓性シート及び第2可撓性シートを樹脂シートとすることにより、固定治具を介して加圧対象物を加圧するときに、ロール等の加圧装置に損傷が生じることを抑制することができる。
一実施形態では、通気性シートは、第1治具及び第2治具が対面する方向から見たときに、第1剛性シート及び第2剛性シートの少なくとも一方を囲むように配置されていてもよい。通気性シートが第1剛性シート及び第2剛性シートの少なくとも一方を囲むように配置されることにより、収容空間の空気を確実に排気することができる。
一実施形態の固定治具は、第1予備減圧部材及び第2予備減圧部材を更に備え、第1予備減圧部材は、第1予備減圧部材と第1可撓性シートとの間に第1予備減圧室を形成し、第2予備減圧部材は、第2予備減圧部材と第2可撓性シートとの間に第2予備減圧室を形成してもよい。収容空間を減圧すると、第1剛性シート及び第1可撓性シートは、第2剛性シート及び第2可撓性シートに対して加圧対象物を挟んだ状態で密着することになる。このとき、排気孔と加圧対象物との間の領域(外縁部)が密閉した状態となるため、収容空間の減圧が阻害される。その場合、加圧対象物の固定が不十分となり、加工後の加圧対象物にクラックの発生や、活物質材料の噴き出し、ボイド等の欠陥が生じる恐れがある。この実施形態では、第1予備減圧部材と第1可撓性シートとの間に第1予備減圧室が形成され、第2予備減圧部材と第2可撓性シートとの間に第2予備減圧室が形成される。これら第1予備減圧室及び第2予備減圧室を減圧してから収容空間を減圧することにより、第1可撓性シート及び第2可撓性シートが収容空間側に撓むことを抑制しつつ、収容空間を排気することができる。したがって、加圧対象物に欠陥が生じることを抑制することができる。
本開示によれば、加圧対象物を適切に固定することができる。
一実施形態に係る固定治具の概略的な断面図である。 上治具の下面図である。 下治具の上面図である。 下治具の排気孔の周辺を拡大して示す断面斜視図である。 上治具の上面図である。 固定治具の概略的な斜視図である。 固定治具を用いて加圧対象物を加圧する方法を示す図である。 固定治具を用いて加圧対象物を加圧する方法を示す図である。 固定治具を用いて加圧対象物を加圧する方法を示す図である。 固定治具を用いて加圧対象物を加圧する方法を示す図である。
以下では、図面を参照して、本開示の実施形態について説明する。なお、図面に基づいて説明するにあたり、同一の要素又は同一の機能を有する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。図面は、理解の容易化のため、一部を簡略化又は誇張して描いている場合があり、寸法比率及び角度等は図面に記載のものに限定されない。本明細書において、「上」「下」「左」「右」の語は、図示する状態に基づくものであり、便宜的なものである。
図1は、一実施形態に係る固定治具を概略的に示す断面図である。図1に示す固定治具1は、ロールプレス装置等の加圧装置により加圧される加圧対象物100を固定する。加圧対象物100は、例えばリチウムイオン二次電池用の電極活物質層を製造するための活物質材料を含む。電極活物質層とは、例えば正極層又は負極層といったリチウムイオン二次電池を構成する樹脂製の部品(電極)である。加圧対象物100は、電極活物質層の機能に応じた化合物からなる粉状の活性物材料を含む。加圧装置を用いて加圧対象物100をプレスし高密度化することで、リチウムイオン二次電池用の電極活物質層が製造される。
図1に示すように、固定治具1は、上治具(第1治具)10、下治具(第2治具)20、及び通気性シート36を備えている。上治具10及び下治具20は、互いに対面して配置され、その間に加圧対象物100を固定保持する。以下の説明では、上治具10と下治具20とが対面する方向をZ方向といい、Z方向に垂直であり互いに直交する二方向をX方向及びY方向という。例えば、X方向及びY方向は水平方向であり、Z方向は鉛直方向である。
図2は、上治具10の下面図である。図1及び図2に示すように、上治具10は、第1フレーム11と当該第1フレーム11に架け渡された第1可撓性シート12とを含む。第1フレーム11は、例えばアルミニウム等の金属によって構成され、矩形枠状を呈している。一実施形態では、第1可撓性シート12は、可撓性を有する略矩形状の樹脂シートである。例えば、第1可撓性シート12は、ポリイミドフィルムによって構成される。第1可撓性シート12は、上治具10と下治具20を重ねた際、下治具20に設置された略矩形枠状のシール部材24と接触して、上治具10と下治具20との間の空間を気密に封止する。
下治具20は、上治具10に対面するように配置される。図1に示すように、上治具10と下治具20との間には、空間Sが形成される。空間Sは、中央部S1及び外縁部S2を含む。中央部S1は、上治具10と下治具20との間の空間Sの一部であり、加圧対象物100を収容する収容空間を構成する。すなわち、上治具10及び下治具20は、その間に加圧対象物100の収容空間を形成する。外縁部S2は、Z方向から見たときに当該中央部S1を囲むように存在し、中央部S1の空気を排気するための流路として機能する。
図3は、下治具20の上面図である。図1及び図3に示すように、下治具20は、第2フレーム21と当該第2フレーム21に架け渡された第2可撓性シート22とを含む。第2フレーム21は、例えばステンレス等の金属によって構成され、矩形枠状を呈している。一実施形態では、第2可撓性シート22は、可撓性を有する略矩形状の樹脂シートである。例えば、第2可撓性シート22は、ポリイミドフィルムによって構成される。
第2フレーム21の上面には、矩形枠状の押さえ部材23が設けられている。押さえ部材23は、例えばシリコンゴム等の耐熱性を有する弾性体によって構成される。例えば、押さえ部材23は、第2フレーム21と押さえ部材23との間に第2可撓性シート22の外縁部を挟み込んだ状態で第2フレーム21にボルト等により固定される。なお、第2可撓性シート22は、第2フレーム21に接着されていてもよい。
第2フレーム21の上面には、押さえ部材23の外縁に沿って延在する矩形枠状のシール部材24が設けられている。シール部材24は、例えばシリコンゴム等の耐熱性を有する弾性体によって構成される。例えば、シール部材24は、L型パッキンであり、第2フレーム21に形成された溝に両面テープ及びシリコンシーラントを用いて接着されていてもよい。シール部材24は、上治具10の第1可撓性シート12と共に上治具10と下治具20との間の空間Sを気密に封止する。
第2フレーム21には、1以上の排気孔25が形成されている。図3に示すように、第2フレーム21には複数の排気孔25が形成されていてもよい。図4は、排気孔25の周辺を拡大して示す断面斜視図である。図4に示すように、排気孔25は、第2フレーム21を厚さ方向に貫通する貫通孔である。一実施形態では、排気孔25は、Z方向から見て押さえ部材23に重なる位置に形成されている。押さえ部材23には、排気孔25に近接した位置において当該押さえ部材23の一部を切り欠く切り欠き部28が形成されていてもよい。切り欠き部28は、第2フレーム21に形成された排気孔25と空間Sとを連通する流路を提供する。
下治具20には、ダクト部26が取り付けられている。ダクト部26は、排気孔25の端部に対面する入口26aと複数の出口26bとを有している。入口26aと複数の出口26bとの間には、空間Sからの排気を入口26aから複数の出口26bに導く排気路27が形成されている。すなわち、排気路27は、排気孔25を介して空間Sに連通する。一実施形態では、入口26a及び複数の出口26bには、空間Sに外気が逆流することを防止する逆止弁が設けられていてもよい。これらの逆止弁には、入口26a又は出口26bを閉じる方向に当該逆止弁を付勢するバネが接続されていてもよい。複数の出口26bには、真空ポンプ等の排気装置が接続されている。排気装置が稼動すると、空間Sの空気が、排気孔25及び排気路27を通って固定治具1の外部に排気される。その結果、空間Sが減圧される。
通気性シート36は、上治具10の第1可撓性シート12と下治具20の第2可撓性シート22との間に配置される。通気性シート36は、通気性を有するシート材である。通気性シート36は多孔質構造を有していてもよい。例えば、通気性シート36は、織布、不織布、メッシュ、フェルト、樹脂製の発泡体、又は、ゴム製の発泡体等の非金属材料によって構成される。樹脂製の発泡体は、スポンジ等の多孔質体を含む。なお、通気性シート36は、スリット又はエンボスが形成された金属体であってもよい。
通気性シート36は、第1可撓性シート12及び第2可撓性シート22の少なくとも一方の外縁部に接合されている。図1に示す実施形態では、通気性シート36は、略矩形枠状を有しており、下治具20の第2可撓性シート22の上面の外縁部に接合されている。通気性シート36は、両面テープによって第2可撓性シート22の下面に貼り付けられていてもよい。
通気性シート36は、Z方向から見たときに、中央部S1を囲むように配置される。より詳細には、通気性シート36の外縁は、第2フレーム21の内縁に接触又は近接しており、通気性シート36の内縁は、後述する第2剛性シート32の外縁に接触又は近接している。したがって、上治具10が下治具20上に載置され、上治具10と下治具20との間に空間Sが形成されたときに、通気性シート36は、Z方向から見て、中央部S1と第2フレーム21に形成された排気孔25との間の領域に全域に亘って設けられる。すなわち、通気性シート36は、外縁部S2に設けられる。
なお、中央部S1と排気孔25との間の領域に全域に亘って設けられるとは、中央部S1と排気孔25との間の領域の略全域に亘って設けられることを含み、Z方向から見たときに、通気性シート36が中央部S1と排気孔25との間の領域に60%以上、70%以上、80%以上又は90%以上重なることを意味する。言い換えると、通気性シート36は、Z方向から見たときに、外縁部S2の略全域に重なるように設けられている。すなわち、Z方向から見たときに、通気性シート36は、外縁部S2に60%以上、70%以上、80%以上又は90%以上の面積で重なっている。
通気性シート36の厚みは、加圧対象物100の厚みより薄くてもよい。なお、通気性シート36の厚みとは、排気装置が作動して空間Sが減圧されたときの通気性シート36の厚みを意味する。通気性シート36の厚みは、加圧対象物100をプレスして製造された電極活物質層101の厚み以下であってもよい(図10(b)参照)。なお、スプリングバック現象によってプレス後の電極活物質層101の厚みがプレス中の電極活物質層101の厚みよりも大きくなる場合には、通気性シート36の厚みは、プレス中の電極活物質層101の厚み以下であってもよい。
上記のように、通気性シート36は空間Sの中央部S1を囲むように配置されるので、空間Sを減圧するときに、通気性シート36は、中央部S1と下治具20に形成された排気孔25との間に介在する。このとき、通気性シート36は、通気性を有しているので、排気装置によって空間Sの空気が排気されるときに中央部S1から排気孔25へ向かう空気を通過させ、空間Sの排気を阻害しない。
一実施形態では、固定治具1は、第1剛性シート31及び第2剛性シート32を更に備えてもよい。第1剛性シート31及び第2剛性シート32は、上治具10の第1可撓性シート12と下治具20の第2可撓性シート22との間に配置される。第1剛性シート31及び第2剛性シート32は、第1可撓性シート12及び第2可撓性シート22よりも高い剛性を有している。例えば、第1剛性シート31及び第2剛性シート32は、略矩形状の金属シートである。一実施形態では、第1剛性シート31及び第2剛性シート32は、ステンレスによって構成されていてもよい。
一実施形態では、第1剛性シート31及び第2剛性シート32は、50μm以上400μm以下の厚みを有する。第1剛性シート31及び第2剛性シート32の厚みを50μmとすることにより、十分な剛性を確保することができる。また、第1剛性シート31及び第2剛性シート32の厚みを400μm以下とすることにより、第1剛性シート31及び第2剛性シート32が弾性変形しやすくなり、上治具10と下治具20との間で加圧対象物100を確実に固定することができる。
第1剛性シート31の面積は、第1可撓性シート12の面積よりも小さくてもよい。同様に、第2剛性シート32の面積は、第2可撓性シート22の面積よりも小さくてもよい。例えば、第1剛性シート31及び第2剛性シート32の面積は、加圧対象物100が圧延された電極活物質層101の面積よりも僅かに大きい。なお、第1可撓性シート12、第2可撓性シート22、第1剛性シート31及び第2剛性シート32の面積とは、第1可撓性シート12、第2可撓性シート22、第1剛性シート31及び第2剛性シート32の主面の面積を表している。
図2に示すように、第1剛性シート31は、上治具10の第1可撓性シート12の下面の中央部に接合されている。また、図3に示すように、第2剛性シート32は、下治具20の第2可撓性シート22の上面の中央部に接合されている。したがって、第1剛性シート31及び第2剛性シート32は、中央部S1を介して互いに対面する。Z方向から見たときに、第1剛性シート31及び第2剛性シート32は、通気性シート36によって囲まれるように配置される。第1剛性シート31と第2剛性シート32との間に形成された中央部S1には、加圧対象物100が配置される。なお、中央部S1には、複数の加圧対象物100が配置されてもよい。
なお、第1剛性シート31及び第2剛性シート32は、第1可撓性シート12及び第2可撓性シート22に両面テープ33を用いて貼付されていてもよい。図2及び図3に示す実施形態では、両面テープ33は、第1剛性シート31と第1可撓性シート12との間、及び、第2剛性シート32と第2可撓性シート22との間に配置されている。すなわち、図2及び図3に示すように、両面テープ33は、第1可撓性シート12及び第2可撓性シート22の外縁部に沿って延在すると共に、第1可撓性シート12及び第2可撓性シート22のX方向の中心線に沿って延在する。一実施形態では、加圧対象物100がX方向に2つ並んで配置されてもよい。この場合には、両面テープ33は、Z方向から見て加圧対象物100に重ならない位置に8の字状に配置される。
一実施形態では、図1に示すように、固定治具1は、上予備減圧部材(第1予備減圧部材)41及び下予備減圧部材(第2予備減圧部材)42を更に備えてもよい。上予備減圧部材41及び下予備減圧部材42は、例えば硬質プラスチック又は金属といった高い剛性を有する材料によって構成されている。上予備減圧部材41は、上治具10に対向するように上治具10の上方に配置されている。すなわち、上予備減圧部材41は、第1可撓性シート12を介して第1剛性シート31に対向している。下予備減圧部材42は、下治具20に対向するように下治具20の下方に配置されている。すなわち、下予備減圧部材42は、第2可撓性シート22を介して第2剛性シート32に対向している。
上治具10の第1可撓性シート12と上予備減圧部材41との間には、第1予備減圧室43が形成される。上予備減圧部材41は、上治具10に着脱可能に構成されている。上予備減圧部材41には第1可撓性シート12の対向位置に略矩形枠状のシール部材46が配置されており、第1フレーム11と上予備減圧部材41とが当接したときに、第1可撓性シート12とシール部材46が接触して、第1予備減圧室43が気密に封止される。
上予備減圧部材41には、第1予備減圧室43に連通する1以上の貫通孔41aが形成されている。図1に示す実施形態では、上予備減圧部材41に複数の貫通孔41aが形成されている。これら複数の貫通孔41aは、真空ポンプ等の排気装置に接続されている。排気装置が稼動すると、第1予備減圧室43の空気が貫通孔41aを通って固定治具1の外部に排気される。その結果、第1予備減圧室43が減圧される。
下治具20の第2可撓性シート22と下予備減圧部材42との間には、第2予備減圧室44が形成される。下予備減圧部材42は、下治具20に着脱可能に構成されている。下予備減圧部材42には第2可撓性シート22の対向位置に略矩形枠状のシール部材47が配置されており、下治具20と下予備減圧部材42とが当接したときに、第2可撓性シート22とシール部材47が接触することで、第2予備減圧室44が気密に封止される。下予備減圧部材42には、第2予備減圧室44に連通する1以上の貫通孔42aが形成されている。図1に示す実施形態では、下予備減圧部材42に複数の貫通孔42aが形成されている。これら複数の貫通孔42aは、真空ポンプ等の排気装置に接続されている。排気装置が稼動すると、第2予備減圧室44の空気が貫通孔42aを通って固定治具1の外部に排気される。その結果、第2予備減圧室44が減圧される。
一実施形態では、第1予備減圧室43には、スペーサ45が設けられている。図1に示すように、固定治具1は、複数のスペーサ45を備えていてもよい。複数のスペーサ45は、Z方向から見て、第1剛性シート31に重ならない位置に配置されている。すなわち、複数のスペーサ45は、第1可撓性シート12の外縁部の上に配置される。この実施形態では、第1可撓性シート12と上予備減圧部材41との間に複数のスペーサ45が介在している。
図5は、上治具10の上面図である。上予備減圧部材41に配置された複数のスペーサ45は、第1剛性シート31の対角線の延長線上に配置されていてもよい。図5に示す実施形態では、固定治具1は、互いに離間する直方体形状の4つのスペーサ45を備えている。これら4つのスペーサ45のうち2つのスペーサ45は、第1剛性シート31の2本の対角線のうち一方の対角線の延長線上に配置され、他の2つのスペーサ45は、第1剛性シート31の2本の対角線のうち他方の対角線の延長線上に配置されている。
より具体的には、4つのスペーサ45は、X方向及びY方向から見て、第1剛性シート31に重ならない位置に配置されている。複数のスペーサ45を第1剛性シート31の対角線の延長線上に配置することにより、第1予備減圧室43を減圧したときに、第1剛性シート31が上予備減圧部材41に向けて過剰に撓むことが抑制される。その結果、第1剛性シート31が塑性変形しにくくなると共に、空間Sに安定した流路を形成することが可能になる。
なお、図1に示す例では、第1予備減圧室43のみに複数のスペーサ45が設けられているが、第2予備減圧室44にもスペーサ45が設けられていてもよい。例えば、複数のスペーサ45は、第2可撓性シート22と下予備減圧部材42との間に介在しており、上面から見て、第2剛性シート32の対角線の延長線上に配置されていてもよい。
一実施形態では、固定治具1は、加圧対象物100を支持する搬送治具50を更に備えていてもよい。図6は、搬送治具50を含む固定治具1の概略的な斜視図である。なお、図6では、説明の便宜上、第1剛性シート31、第2剛性シート32及び通気性シート36を省略して図示している。
図6に示すように、搬送治具50は、第3フレーム51と当該第3フレーム51に架け渡された支持シート52とを含む。第3フレーム51は、例えば矩形枠状を呈している。支持シート52は、可撓性を有する略矩形状の樹脂シートである。支持シート52の上面には、加圧対象物100が支持される。
支持シート52の長さは、第3フレーム51のX方向の長さに略一致しており、支持シート52の幅は、第3フレーム51のY方向の幅よりも短くてもよい。図6に示す実施形態では、支持シート52のX方向の両端部は第3フレーム51に接続され、支持シート52のY方向の両端部は第3フレーム51に非接続である。この支持シート52に電極活物質が塗布されることで支持シート52上に加圧対象物100が形成される。搬送治具50は、加圧対象物100が支持シート52に載置された状態で上治具10と下治具20との間に配置される。その結果、第1剛性シート31と第2剛性シート32との間に形成された空間Sの中央部S1に加圧対象物100が配置される。
次に、図7~図10を参照して、固定治具1を用いて加圧対象物100を加圧する方法について説明する。
この方法では、まず図7(a)に示すように、上治具10の上に上予備減圧部材41が配置され、上治具10と上予備減圧部材41との間に第1予備減圧室43が形成される。また、下治具20の下に下予備減圧部材42が配置され、下治具20と下予備減圧部材42との間に第2予備減圧室44が形成される。
次に、第1予備減圧室43及び第2予備減圧室44の予備減圧が行われる。すなわち、上予備減圧部材41の貫通孔41a及び下予備減圧部材42の貫通孔42aに接続された排気装置が作動され、第1予備減圧室43及び第2予備減圧室44の空気が固定治具1の外部に排気される。これにより、第1予備減圧室43及び第2予備減圧室44が減圧される。このとき、上治具10と下治具20との間の空間Sの圧力は大気圧に設定される。
図7(b)に示すように、第1予備減圧室43が減圧されると、空間Sと第1予備減圧室43との圧力差によって、上治具10の第1可撓性シート12が上予備減圧部材41側に引き込まれ、上予備減圧部材41に向けて撓む。ここで、第1予備減圧室43には、スペーサ45が設けられているので、当該スペーサ45の形状に沿って第1可撓性シート12が撓む。
同様に、第2予備減圧室44が減圧されると、空間Sと第2予備減圧室44との圧力差によって、下治具20の第2可撓性シート22が下予備減圧部材42側に引き込まれ、下予備減圧部材42に向けて撓む。第1可撓性シート12及び第2可撓性シート22に撓みが生じることにより、空間Sの容積が増加する。
次に、搬送治具50の支持シート52上に加圧対象物100が形成される。そして、図8(a)に示すように、搬送治具50が、下治具20上に載置される。このとき、下治具20のシール部材24は、支持シート52に控えめに接触する。
次に、図8(b)に示すように、上治具10を下治具20上に載置する。このとき、上治具10の第1可撓性シート12は下治具20のシール部材24に密着する。その結果、上治具10及び下治具20との間の空間Sが封止される。空間Sの中央部S1には、搬送治具50上に支持された加圧対象物100が配置される。
次に、下治具20の排気孔25に接続された排気装置が作動され、空間Sの空気が排気孔25から排気される。このとき、空間Sの空気は、外縁部S2から排気される。ここで、第1可撓性シート12と第2可撓性シート22との間に通気性シート36が配置されていない場合、中央部S1の空気が抜け切る前に外縁部S2が減圧され、外縁部S2において第1可撓性シート12と第2可撓性シート22とが密着することがある。外縁部S2において第1可撓性シート12と第2可撓性シート22とが密着すると、中央部S1から排気孔25に向かう空気の流れが妨げられ、中央部S1に空気が残留する。この場合、中央部S1の減圧が不十分となり、加圧対象物100を適切に固定できなくなる。これにより、加圧対象物を加圧したときに中央部S1に残留した空気が流動し、加圧対象物に著しい外観不良が発生することがある。
これに対し、固定治具1では、外縁部S2の略全域に亘って通気性シート36が設けられているので、外縁部S2において第1可撓性シート12と第2可撓性シート22との密着が防止される。したがって、中央部S1と排気孔25とが連通した状態で中央部S1の空気が通気性シート36を通過して固定治具1の外部に排気される。
また、空間Sの排気の初期では、第1予備減圧室43及び第2予備減圧室44の圧力は空間Sの圧力よりも低いので、第1可撓性シート12及び第2可撓性シート22は上予備減圧部材41及び下予備減圧部材42に向けて撓んだ状態で維持される。また、空間Sには閉じようとする力が働くもののスペーサ45が中間支持となり、圧力による縮みを考慮したスペーサ45の厚み分だけ空間Sは維持される。なお、スペーサ45を介し上予備減圧部材41と下予備減圧部材42は密接しているが、スペーサ45が配置されていない箇所において、空間Sから排気孔25への空気の流路が確保されているので空間Sの減圧は維持される。したがって、空間Sの減圧が不十分な状態で第1可撓性シート12が加圧対象物100に密着して、加圧対象物100に圧力が付与されることが防止される。したがって、加圧対象物100にボイド等の欠陥が生じることが抑制される。
そして、空間Sの減圧が継続され、空間Sの圧力が所定の圧力まで減圧されると、第1予備減圧室43及び第2予備減圧室44の圧力が徐々に大気圧に戻される。第1予備減圧室43及び第2予備減圧室44の圧力が大気圧に戻る過程において、空間Sの圧力が第1予備減圧室43及び第2予備減圧室44内の圧力を下回ったとき、図9(a)に示すように、圧力差に応じた弱い力で第1可撓性シート12及び第2可撓性シート22が加圧対象物100を包み込むように変形し、第1剛性シート31及び第2剛性シート32を介して加圧対象物100に密着する。最終的に、第1予備減圧室43及び第2予備減圧室44の圧力は大気圧に戻される。その結果、加圧対象物100が第1剛性シート31と第2剛性シート32との間で圧縮され、固定される。
次に、図9(b)に示すように、上予備減圧部材41及び下予備減圧部材42が上治具10及び下治具20から取り外される。次に、固定治具1が加圧装置に搬送され、上治具10及び下治具20を介して加圧対象物100が加圧処理される。例えば、図10(a)に示すように、固定治具1は、加圧対象物100を中央部S1に収容した状態でロールプレス装置の一対のロールRの間を通り、一対のロールRから加圧力を受ける。一対のロールRによって加圧されることにより、中央部S1内で加圧対象物100はプレスされ、密度が高められる。その結果、リチウムイオン二次電池用の電極活物質層101が形成される(図10(b)参照)。このとき、通気性シート36の厚みがプレス中の加圧対象物100の厚みよりも薄いので、固定治具1に加圧対象物100を固定した状態で加圧対象物100をロールプレス装置等の加圧装置を用いて加圧するときに、通気性シート36が一対のロールRに干渉することが避けられる。したがって、加圧対象物100に適切に圧力を付与することができる。
一対のロールRの間で加圧対象物100を加圧するときに、固定治具1の内部で加圧対象物100が固定されているので、加圧対象物100の内部に気泡が混入するなどして、加圧対象物100に欠陥が生じることが抑制される。また、加圧対象物100が固定されていることにより、加圧時に加圧対象物100の活物質材料が崩れることが抑制され、加圧対象物100に適切に圧力が付与される。
また、加圧対象物100に粉状の活物質材料が含まれる場合には、第1可撓性シート12及び第2可撓性シート22を介して加圧対象物100に圧力が付与されたときに活物質材料が第1可撓性シート12及び第2可撓性シート22に突き刺さることがある。活物質材料が第1可撓性シート12及び第2可撓性シート22に突き刺さると、電極活物質層101の表面に凹凸が形成されたり、電極活物質層101に崩れが発生したりして、電極活物質層101の厚みに不均一性が発生することがある。このように、電極活物質層101の厚みに不均一性が発生すると、不良品の発生や電池性能の低下に繋がる。これに対し、固定治具1では、加圧対象物100が第1剛性シート31及び第2剛性シート32に挟持されているので、第1可撓性シート12及び第2可撓性シート22が加圧対象物100に直接接触しない。したがって、第1可撓性シート12及び第2可撓性シート22に活物質材料が突き刺さりにくくなる。一方、第1剛性シート31及び第2剛性シート32の外面が第1可撓性シート12及び第2可撓性シート22に覆われているので、ロールプレス装置の一対のロールRが剛性の高い第1剛性シート31及び第2剛性シート32に接触しない。したがって、一対のロールRに損傷が生じにくくなる。
加圧対象物100を加圧して電極活物質層101が形成されると、図10(b)に示すように、電極活物質層101から上治具10及び下治具20が取り外される。このとき、加圧対象物100に含まれる活物質材料が、第1可撓性シート12及び第2可撓性シート22に突き刺さることが抑制されているので、上治具10及び下治具20を電極活物質層101から容易に取り外すことができる。上記のように製造された電極活物質層101を積層することで、複数のセル構造を有するリチウムイオン二次電池が組み立てられる。
以上説明したように、上記実施形態に係る固定治具1は、中央部S1を囲むように配置された通気性を有する通気性シート36を備えている。第1可撓性シート12と第2可撓性シート22との間で通気性シート36が介在することによって、外縁部S2において第1可撓性シート12と第2可撓性シート22とが密着することが防止される。そして、第1可撓性シート12と第2可撓性シート22とが密着していない状態で中央部S1の空気が通気性シート36を介して排気されるので、中央部S1を確実に減圧することができる。その結果、収容空間に配置された加圧対象物100を適切に固定することができる。
以上、種々の実施形態に係る固定治具について説明してきたが、上述した実施形態に限定されることなく発明の要旨を変更しない範囲で種々の変形態様を構成可能である。
例えば、上記実施形態では、固定治具1の下治具20に排気孔25が形成される例について説明したが、上治具10の第1フレーム11に排気孔が形成され、当該排気孔を通じて空間Sの空気が排気されてもよい。なお、排気孔は、上治具10の第1フレーム11及び下治具20の第2フレーム21の双方に形成されていてもよい。
例えば、上述の実施形態では、通気性シート36は、下治具20の第2可撓性シート22の外縁部に接合されているが、通気性シート36は、上治具10の第1可撓性シート12の外縁部に接合されていてもよい。また、固定治具1は、第1可撓性シート12及び第2可撓性シート22の双方に接合する2つの通気性シート36を備えていてもよい。これらの実施形態でも、中央部S1を確実に減圧することができ、加圧対象物100を適切に固定することができる。なお、固定治具1が第1可撓性シート12及び第2可撓性シート22の双方に接合する2つの通気性シート36を備える場合には、当該2つの通気性シート36の厚みの合計が、プレス中の加圧対象物100の厚み以下である必要がある。
また、第1可撓性シート12及び第2可撓性シート22の材料は、可撓性を有していればポリイミドフィルムに限定されるものではない。例えば、第1可撓性シート12及び第2可撓性シート22の構成材料としては、ゴムを母材とし繊維を含む繊維強化ゴムシートやテフロン(登録商標)を用いてもよい。
また、上記実施形態では、一対のロールRを含むロールプレス装置によって加圧対象物100を加圧する例について説明したが、加圧対象物100を加圧する加圧装置は、ロールプレス装置に限定されない。例えば、加圧対象物100は、一軸のプレス装置によって加圧されてもよい。
また、上記実施形態では、電極活物質を含有する加圧対象物100を圧延して、リチウムイオン二次電池の電極活物質層を製造する例について説明したが、固定治具1によって固定される加圧対象物100は、必ずしもリチウムイオン二次電池用の電極活物質に限定されるものではない。なお、上述した種々の実施形態は、矛盾のない範囲で組み合わせることが可能である。
以下に列挙する条項を参照して、本発明を説明する。なお、本発明は、具体的な列挙がなくても、以下の条項を任意の組み合わせで含んでいてもよい。
1. リチウムイオン二次電池用の電極活物質層を製造するために活物質材料を含む加圧対象物を固定する固定治具であって、
第1フレームと該第1フレームに架け渡された第1可撓性シートとを含む第1治具と、
前記第1治具に対面して配置され、第2フレームと該第2フレームに架け渡された第2可撓性シートとを含む第2治具と、
前記第1治具と前記第2治具との間に配置された通気性を有する通気性シートと、
を備え、
前記第1治具及び前記第2治具は、その間に前記加圧対象物を配置する収容空間を形成し、
前記第1治具及び前記第2治具の少なくとも一方には、前記収容空間内の空気を排気する排気孔が形成され、
前記通気性シートは、前記第1治具及び前記第2治具が対面する方向から見たときに、前記収容空間を囲むように配置され、且つ、前記収容空間と前記排気孔との間の領域の全域に亘って設けられている、固定治具。
2. 前記通気性シートは、織布、不織布、メッシュ、フェルト、樹脂製の発泡体、又は、ゴム製の発泡体によって構成されている、条項1に記載の固定治具。
3. 前記通気性シートの厚みは、プレス中の前記加圧対象物の厚み以下である、条項1又は2に記載の固定治具。
4. 前記通気性シートは、矩形枠状を呈し、前記第1可撓性シート及び前記第2可撓性シートの少なくとも一方の外縁部に接合されている、条項1~3の何れか一項に記載の固定治具。
5. 前記第1可撓性シートに接合された第1剛性シートと、前記第2可撓性シートに接合された第2剛性シートと、を更に備え、
前記第1剛性シート及び前記第2剛性シートは、前記第1可撓性シートと前記第2可撓性シートとの間に配置され、前記収容空間を介して互いに対面する、条項1~4の何れか一項に記載の固定治具。
6. 前記第1可撓性シート及び前記第2可撓性シートは、樹脂シートであり、
前記第1剛性シート及び前記第2剛性シートは、金属シートである、条項5に記載の固定治具。
7. 前記通気性シートは、前記第1治具及び前記第2治具が対面する方向から見たときに、前記第1剛性シート及び前記第2剛性シートの少なくとも一方を囲むように配置されている、条項5又は6に記載の固定治具。
8. 第1予備減圧部材及び第2予備減圧部材を更に備え、
前記第1予備減圧部材は、前記第1予備減圧部材と前記第1可撓性シートとの間に第1予備減圧室を形成し、
前記第2予備減圧部材は、前記第2予備減圧部材と前記第2可撓性シートとの間に第2予備減圧室を形成する、条項1~7の何れか一項に記載の固定治具。
1…固定治具、10…上治具(第1治具)、11…第1フレーム、12…第1可撓性シート、20…下治具(第2治具)、21…第2フレーム、22…第2可撓性シート、25…排気孔、31…第1剛性シート、32…第2剛性シート、36…通気性シート、41…上予備減圧部材(第1予備減圧部材)、42…下予備減圧部材(第2予備減圧部材)、43…第1予備減圧室、44…第2予備減圧室、100…加圧対象物、101…電極活物質層、S1…中央部(収容空間)、S2…外縁部。

Claims (8)

  1. リチウムイオン二次電池用の電極活物質層を製造するために活物質材料を含む加圧対象物を固定する固定治具であって、
    第1フレームと該第1フレームに架け渡された第1可撓性シートとを含む第1治具と、
    前記第1治具に対面して配置され、第2フレームと該第2フレームに架け渡された第2可撓性シートとを含む第2治具と、
    前記第1治具と前記第2治具との間に配置された通気性を有する通気性シートと、
    を備え、
    前記第1治具及び前記第2治具は、その間に前記加圧対象物を配置する収容空間を形成し、
    前記第1治具及び前記第2治具の少なくとも一方には、前記収容空間内の空気を排気する排気孔が形成され、
    前記通気性シートは、前記第1治具及び前記第2治具が対面する方向から見たときに、前記収容空間を囲むように配置され、且つ、前記収容空間と前記排気孔との間の領域の全域に亘って設けられている、固定治具。
  2. 前記通気性シートは、織布、不織布、メッシュ、フェルト、樹脂製の発泡体、又は、ゴム製の発泡体によって構成されている、請求項1に記載の固定治具。
  3. 前記通気性シートの厚みは、プレス中の前記加圧対象物の厚み以下である、請求項1又は2に記載の固定治具。
  4. 前記通気性シートは、矩形枠状を呈し、前記第1可撓性シート及び前記第2可撓性シートの少なくとも一方の外縁部に接合されている、請求項1又は2に記載の固定治具。
  5. 前記第1可撓性シートに接合された第1剛性シートと、前記第2可撓性シートに接合された第2剛性シートと、を更に備え、
    前記第1剛性シート及び前記第2剛性シートは、前記第1可撓性シートと前記第2可撓性シートとの間に配置され、前記収容空間を介して互いに対面する、請求項1又は2に記載の固定治具。
  6. 前記第1可撓性シート及び前記第2可撓性シートは、樹脂シートであり、
    前記第1剛性シート及び前記第2剛性シートは、金属シートである、請求項5に記載の固定治具。
  7. 前記通気性シートは、前記第1治具及び前記第2治具が対面する方向から見たときに、前記第1剛性シート及び前記第2剛性シートの少なくとも一方を囲むように配置されている、請求項5に記載の固定治具。
  8. 第1予備減圧部材及び第2予備減圧部材を更に備え、
    前記第1予備減圧部材は、前記第1予備減圧部材と前記第1可撓性シートとの間に第1予備減圧室を形成し、
    前記第2予備減圧部材は、前記第2予備減圧部材と前記第2可撓性シートとの間に第2予備減圧室を形成する、請求項1又は2に記載の固定治具。

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