JP4723103B2 - ラベルプリンタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は非接触方式でデータの送受信を行うIC回路を内蔵し、粘着剤や糸・ピンその他の手段を用いて物品に取り付ける表示札(以後、単に「ラベル」という)を搬送しながらサーマルヘッドを用いて印字するラベルプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、薄膜コイルなどの共振回路とICチップを内蔵し、外部のリーダ・ライタ等の機器と非接触(無線)方式にて読み出しや書き換え記録を行うことのできるIC内蔵ラベルが開発され、商品管理や荷物管理などに用いられようとしている。
【0003】
そのようなIC内蔵ラベルの一例を図1及び図2に示す。IC内蔵ラベル1は従来のラベルと同様に、裏面に粘着剤2が塗られたラベル紙3を剥離台紙4上に仮着する一方、前記ラベル紙3と剥離台紙4の間にIC回路5が介挿された構成を採っている。
【0004】
IC回路5は、シート基材6上に薄膜コイル7、ICチップ8などが実装されたもので、前記ラベル紙3同様、粘着剤2によって剥離台紙4に仮着されている。
【0005】
前記ラベル紙3は加熱により発色する感熱紙や熱転写リボンからのインキを受容する転写紙などからなり、後述するラベルプリンタ30のサーマルヘッド40により印字記録されるようになっている。
【0006】
一方、前記ICチップ8は、薄膜コイル7が図示しないICリーダ・ライタからの電波を受信すると、これを電源として内部に書き込まれた情報を読み出して送信し、あるいは受信した情報を書き込み、書き換えることができるようになっている。
【0007】
そして、各IC内蔵ラベル1は図1のように剥離台紙4が連続したラベル連続体に形成され、該ラベル連続体には、各IC内蔵ラベル1を印字部34へ移動させる搬送距離をカウントする起点となるアイマーク48が印刷されている。
【0008】
次に、前記IC内蔵ラベル1に印字を行うラベルプリンタには、例えば図3に示すようなものがある。
【0009】
図中のラベルプリンタ30は、ラベル供給軸32、印字部34、カッター部36および位置検出センサ38を備えている。
印字部34は、印字ヘッド40、プラテンローラ42、リボン供給軸44、リボン巻取り軸46およびリボンRより構成される。リボンRはリボン供給軸44に装着し、印字ヘッド40とプラテンローラ42の間を挿通してリボン巻取り軸46に掛け回される。
【0010】
また、ラベル供給軸32には、前述図1に示したラベル連続体を装着する。該ラベル連続体は、位置検出センサ38を経由して前記印字部34の印字ヘッド40およびプラテンローラ42の間に挿通し、カッター部36を経てラベルプリンタ30の外部へと繰出される。
そして、モーターなどの図示せぬ駆動源によりリボン巻取り軸46およびプラテンローラ42を駆動し、印字ヘッド40とプラテンローラ42の間に挿通されたラベル連続体に、印字部34にて所望の印字情報(印字データ)(図6(a)参照)を印字するものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、IC内蔵ラベル1は、ラベル紙3,剥離台紙4、シート基材6、薄膜コイル7等は薄く可撓性に富んだ材料から形成されるものの、ICチップ8は硬く所定厚寸法を有すると共にシート基材6,薄膜コイル7等の上に積層して接着形成されるため、図2に示す如くICチップ8がIC内蔵ラベル1の厚さ方向に突出した形状となっている。
【0012】
このため、サーマル方式のラベルプリンタ30で印字する際、印字部34にIC内蔵ラベル1が進入すると、プラテンローラ42がICチップ8部分を大きく押し上げ、これをサーマルヘッド40に衝突させる。
【0013】
ここで、サーマルヘッド40は発熱しているため、衝撃と熱によりIC回路5が断線したりICチップ8が破壊する危険性があった。
【0014】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的はIC内蔵ラベルに印字を行う際にその内部のIC回路等の破壊を予防できるようにしたラベルプリンタを提供することにある。
【0015】
上記課題を解決する為、本発明のラベルプリンタが採用する構成の特徴は、ラベルを印字部に搬送する搬送手段と、該搬送手段による搬送距離を検知する検知手段と、前記ラベル上の任意箇所を印字不能に指定する非印字部指定手段を備え、該非印字部指定手段で指定された範囲には印字データの有無に関わらずサーマルヘッドによる加熱を行わず、前記非印字部指定手段は少なくとも縦座標、横座標の2成分で非印字部を指定し、指定された範囲と少なくとも1つの座標成分が一致する範囲に印字データがある場合は、縦横いずれかの座標成分が前記指定範囲と一致しなくなるまでラベルを空送りし、前記いずれかの座標成分が前記指定範囲と一致しなくなったとき、前記印字データの印字を再開するようにするとよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、図4ないし図7を用いて本発明の好適な実施の形態を詳述する。なお、前述した従来の技術と同一の構成要素には同一符号を付しその説明を省略する。
【0018】
まず、図4は本発明に斯かるラベルプリンタの好適な構成例を示すブロック図である。同図に示すように、ラベルプリンタ52は、各部を制御するCPU(central processing unit)54と、各種データを記憶するRAM(random access memory)56と、所定の制御プログラムを記憶するROM(read only memory)58と、モータ16を制御するモータ制御部62と、モータ制御部62の制御により回転するプラテンローラ42およびリボン巻取り軸46と、パソコンなどの図示しない外部装置からのコマンドや印字データを受信するインターフェイス部64と、所定の長さに「ラベル連続体」を切断するするカッター部36を駆動制御するカッター制御部66と、位置検出センサ38を制御するセンサー制御部68と、印字ヘッド40を制御するヘッド制御部70とを備えている。
【0019】
IC内蔵ラベル1からなるラベル連続体は1ステップずつ回転するモータ16に駆動されるプラテンローラ42によりカッター部36側へ搬送される途中で、アイマーク48を監視する位置検出センサ38により位置決めされる。すなわち、位置検出センサ38はアイマーク48を検出し、次のアイマーク48が検出されるまでのモータ16のステップ数に換算した距離Pを1ピッチとし、アイマーク48を検出してから印字を開始する位置までをモータ16のステップ数に換算した距離送って印字を実行するなどの制御が行なわれる。これらの制御はROM58に記憶された後述する図5の制御プログラムと共にRAM56に記憶された図6(a)に示す印字データを、CPU54を介して作動することにより行われる。
【0020】
ここで、図5に示すフロー処理を説明する。
【0021】
まず、パソコン等の外部機器から印字コマンドと印字データがインタフェース部64を介して受信されると、キャラクタジェネレータ(不図示)によりRAM56内の描画バッファに図6(a)の如き印字イメージが展開され、印字動作が開始される。
【0022】
ここで、操作者は前もって外部機器のキーボード等からコマンド形式でIC内蔵ラベル1のICチップ位置の座標(H,V)を入力して非印字部を指定することができる(Hは横方向、Vは縦方向の座標を示す)。さらに、座標(H,V)にはそれぞれ幅(例えばプラスマイナス3mm)を持たせることができる。そして、この指定がされると後述するステップ2〜4の処理により、指定範囲と少なくとも1つの座標成分が一致する範囲に印字データがある場合は、縦横いずれかの座標成分が該指定範囲と一致しなくなるまでラベルを空送りし、前記いずれかの座標成分が前記指定範囲と一致しなくなったとき、前記印字データの印字を再開するように設定可能となっている。以後、この設定が(H,V)=(α,β)で入力されているとして説明する。
【0023】
ステップ1(図中、「S1」、以下同様)ではラベル連続体をモータ16により1ステップ送り、ステップ2では位置検出センサ38がアイマーク48を起点として検出し、モータ60のステップ数を積算して印字部34に於けるラベル1の位置を算出する。
【0024】
ステップ3ではステップ2におけるラベルの位置が非印字部に指定された範囲と一致するか否か判定され、(H,V)が共に(α,β)でない場合にのみステップ4に進む。
【0025】
ステップ4では、印字ヘッド40により図6(a)のイメージを1ライン走査してラベルに画像形成する。1ライン走査したらステップ5に移行する。
【0026】
一方、上記ステップ3で(H,V)のうち少なくとも一方の座標成分の範囲が(α,β)のそれと一致した場合はステップ1に戻り、ステップ2及びステップ3を繰り返す。これにより、たとえ印字すべきデータが存在してもサーマルヘッド40による加熱は行われず、ラベルが空送りされる。
【0027】
ステップ5ではラベル1枚の印字が終了したか否かが判定される。YESならラベルをプリンタから排出し、必要に応じてカットして一連の処理を終了する。
【0028】
NOの場合はステップ1に戻り、上記の処理を繰り返す。
【0029】
かくして、本実施の形態によれば、予めICチップ8の位置を指定しておくことにより、如何なる印字データが送信されてきても、ICチップ8の位置にはサーマルヘッド40による加熱が行われず、IC回路5が破損される恐れを無くすことができる。
【0030】
また、本実施の形態では、バーコード中のバーの伸張方向と印字形成方向が一致するので、バーコードに不連続な白筋が発生するものの、読み取りエラーは招聘しない利点がある。
【0031】
なお、バーコードの形成方向(または読取時のスキャン方向)を判別して読み取りエラーが発生し得る場合には本処理を行わないようにすることもできる。
【0032】
また、前記実施の形態では図6(a)のような印字イメージを展開するものとして説明したが、指定された非印字部の範囲を図7(a)または(b)のように白抜きに編集するステップを設け、これを通常の印字処理で印字するようにしてもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、本発明によれば、指定された範囲には印字データの有無に関わらずサーマルヘッドによる加熱を行わないことにより、IC回路が破損する可能性を可及的に減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】IC内蔵ラベル連続体を示す一部破断の正面図である。
【図2】同、図1中の矢示II-II方向断面図である。
【図3】従来のラベルプリンタを示す概略の構成図である。
【図4】本発明に斯かるラベルプリンタの実施の形態を示すブロック図である。
【図5】本発明に斯かるラベルプリンタの実施の形態を示すフロー図である。
【図6】ラベルプリンタの描画バッファ内に形成された印字イメージ及び印字見本を示す平面図である。
【図7】他の実施の形態によるラベルプリンタの描画バッファ内に形成された印字イメージである。
【符号の説明】
1 IC内蔵ラベル
8 ICチップ
38 位置検出センサ(検知手段)
40 サーマルヘッド
42 プラテンローラ(搬送手段)

Claims (1)

  1. IC回路をサーマル印字可能なラベル紙で覆ったIC内蔵ラベルを印字部に搬送しつつ、サーマルヘッドを用いて印字データを印字するラベルプリンタであって、前記ラベルを印字部に搬送する搬送手段と、該搬送手段による搬送距離を検知する検知手段と、前記ラベル上の所定範囲を印字不能に指定する非印字部指定手段を備え、前記非印字部指定手段は少なくとも縦座標、横座標の2成分で指定され、指定された範囲と少なくとも1つの座標成分が一致する範囲に印字データがある場合は、縦横いずれかの座標成分が前記指定範囲と一致しなくなるまでラベルを空送りし、前記いずれかの座標成分が前記指定範囲と一致しなくなったとき、前記印字データの印字を再開することを特徴とするラベルプリンタ。
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