JP4720014B2 - 潜在捲縮発現性を有するポリエステル複合糸およびその製造方法、パッケージ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた捲縮発現能力により布帛に適度な伸縮性を与えることのできる潜在捲縮発現性を有するポリエステル複合糸に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステルは機械的特性をはじめ、様々な優れた特性を有しているため衣料用途のみならず幅広く展開されている。また、近年のストレッチブームによりポリエステル系布帛にもストレッチ性を与えるため、種々の方法が採用されている。
【0003】
例えば、織物中にポリウレタン系の弾性繊維を混用し、ストレッチ性を付与する方法がある。しかしながら、ポリウレタン系繊維を混用した場合、ポリウレタン固有の性質として風合いが硬く、織物の風合いやドレープ性が低下すると共に、ポリエステル用の分散染料には染まり難く、汚染の問題がつきまとう。そのため、還元洗浄の強化など染色工程が複雑になるばかりか、所望の色彩に染色することが困難であった。
【0004】
一方、ポリウレタン系繊維を用いない方法として、サイドバイサイド複合を利用した潜在捲縮発現性ポリエステル繊維が種々提案されている。潜在捲縮発現性ポリエステル繊維とは、熱処理により捲縮が発現するか、あるいは熱処理前より微細な捲縮が発現する能力を有するポリエステル繊維のことをいう。
【0005】
例えば、特公昭44−2504号公報や特開平4−308271号公報には固有粘度差あるいは極限粘度差を有するポリエチレンテレフタレート(以下PETと略記する)のサイドバイサイド複合繊維、特開平5−295634号公報にはホモPETとそれより高収縮性の共重合PETのサイドバイサイド複合繊維が記載されている。このような潜在捲縮発現性ポリエステル繊維を用いれば、確かにある程度のストレッチ性を得ることはできるが、織物にした際のストレッチ性が不充分となり、満足なストレッチ性織物が得られにくいという問題があった。これは、上記したようなサイドバイサイド複合繊維は織物拘束下での捲縮発現能力が低い、あるいは捲縮が外力によりヘタリ易いためである。サイドバイサイド複合繊維はポリウレタン系繊維のように繊維自身の伸縮によるストレッチ性を利用しているのではなく、複合ポリマ間の収縮率差によって生じる3次元コイルの伸縮をストレッチ性に利用している。このため、例えば、ポリマーの収縮が制限される織物拘束下で熱処理を受けるとそのまま熱固定され、それ以上の収縮能を失うため、上記問題が発生すると考えられる。
【0006】
また、特公昭43−19108号公報や特開平11−158731号公報、特開平11−158732号公報、特開平11−189923号公報、特開2000−328370号公報にはポリトリメチレンテレフタレート(以下PTTと略記する)を利用したサイドバイサイド型もしくは偏心芯鞘型の繊維が記載されている。該複合繊維を用いれば、優れた伸縮能を有する織物をつくることができる。 しかしながら、該複合繊維からなるマルチフィラメントは複合繊維同士のコイルが重なり合い、捲縮の位相が揃うことに起因するシボ立ちやシワが発生するといった問題がある。
【0007】
また、特開2000−239927号公報や特開平2000−256918号公報には収縮特性の異なる2種類のPTTからなるサイドバイサイド型複合糸の高配向未延伸糸が開示されている。比較的高速で紡糸された該未延伸糸は、分子鎖の配向性が高く、延伸仮撚に適した繊維構造を有するとともに、仮撚によりストレッチ性に優れた仮撚加工糸が得られる。しかしながら、該未延伸糸はその大半がPTTであるため、複合糸パッケージにした際にPTT特有の巻締まりが生じやすく、パッケージがスピンドルから抜けなくなったり、経時変化による糸長手方向の糸の太さ斑の発生等、種々の問題が生じる。その結果、仮撚加工工程で加工張力が安定せず、毛羽や糸切れが多発するといった欠点を有する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、紡糸性が良好で、かつパッケージの品質劣化が小さいとともに、延伸仮撚することで伸縮性に優れるとともに、高品位の布帛を得ることができる潜在捲縮発現性を有するポリエステル複合糸を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記した課題を解決するため本発明は、次の構成を採用する。すなわち、
(1)紡糸速度2100〜4500m/分で引き取った後、紡糸速度に対して弛緩率0.1〜3%とすることにより、サドルが8mm未満でかつバルジ率が10%未満であるパッケージに巻き取られてなる複合糸であって、一方がポリトリメチレンテレフタレートを主体とするポリエステル(A)であり、他方がポリエチレンテレフタレートを主体とするポリエステル(B)であって、該2成分が繊維長さ方向に沿ってサイドバイサイド型または偏心芯鞘型に複合された繊維から構成されるマルチフィラメントであって、各々の固有粘度IVが次式(1)〜(3)式を満たす組み合せであり、該マルチフィラメントの構造一体性パラメータが0.2〜1.2であることを特徴とする潜在捲縮発現性を有するポリエステル複合糸。
0.30X≦Y≦0.45X+0.30 ・・・(1)
0.45≦Y ・・・(2)
1.1≦X≦2.0 ・・・(3)
(ただし、Y:ポリエステル系重合体Bの固有粘度(IV)
X:ポリエステル系重合体Aの固有粘度(IV))
(2)繊維を形成する2成分のいずれか一方、もしくは両方に平均粒子径0.01〜2μmの粒子を0.1重量%以上含有することを特徴とする(1)記載の潜在捲縮発現性を有するポリエステル複合糸。
(3)残留伸度が80〜250%であることを特徴とする(1)または(2)記載の潜在捲縮発現性を有するポリエステル複合糸。
(4)遅延収縮率が2%以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項記載の潜在捲縮発現性を有するポリエステル複合糸。
(5)太さ斑U%(ノーマルモード)が2%以下であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項記載の潜在捲縮発現性を有するポリエステル複合糸。
(6)CF値が3以上であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項記載の潜在捲縮発現性を有するポリエステル複合糸。
(7)ポリエステル系重合体Aにポリトリメチレンテレフタレートを主体としたポリエステルを配し、ポリエステル系重合体Bにポリエチレンテレフタレートを主体としたポリエステルを配してサイドバイサイド型または偏心芯鞘複合紡糸するに際し、各々の固有粘度(IV)が次式(1)〜(3)を満たす組み合わせで複合糸とし、紡糸速度2100〜4500m/分で引き取った後、引取速度に対して弛緩率0.1〜3%で巻き取ることを特徴とする潜在捲縮発現性を有するポリエステル複合糸の製造方法。
【0010】
0.30X≦Y≦0.45X+0.30・・・(1)
0.45≦Y・・・(2)
1.1≦X≦2.0・・・(3)
(ただし、Y:ポリエステル系重合体Bの固有粘度(IV)
X:ポリエステル系重合体Aの固有粘度(IV))
(8)複合紡糸してから巻き取るまでの間に、温度100℃以上、処理時間0.01秒以上で熱処理することを特徴とする(7)記載の潜在捲縮発現性を有するポリエステル複合糸の製造方法。
(9)(1)〜(6)のいずれか1項記載のポリエステル複合糸が巻き付けられ、サドルが8mm未満でかつバルジ率が10%未満であることを特徴とする潜在捲縮発現性を有するポリエステル複合糸パッケージ。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のポリエステル複合糸は、一方がPTTを主体とするポリエステル(A)であり、他方がPETを主体とするポリエステル(B)であって、該2成分が繊維長さ方向に沿ってサイドバイサイド型または偏心芯鞘型に複合された繊維から構成される。 ストレッチ素材として要求されるコイル捲縮は、コイル径が小さく、単位繊維長当たりのコイル数が多い(伸長特性に優れ、見映えが良い)、コイルの耐へたり性が良い(伸縮回数に応じたコイルのへたり量が小さく、ストレッチ保持性に優れる)、さらにはコイルの伸長回復時におけるヒステリシスロスが小さい(弾発性に優れ、フィット感がよい)等である。これらの要求を満足しつつ、ポリエステルとしての特性を有することで、トータルバランスに優れたストレッチ素材とすることができる。
【0012】
ここで、前記のコイル特性を満足するために、本発明者らはポリエステルの特性を損なうことなく前記特性を満足させるために鋭意検討した結果、一方にPTTを主体としたポリエステルを用いることを見出した。PTT繊維は、代表的なポリエステル繊維であるPET繊維やポリブチレンテレフタレート(以下PBTと略記する)繊維と同等の力学的特性や化学的特性を有しつつ、伸長回復性が極めて優れている。これは、PTTの結晶構造においてアルキレングリコール部のメチレン鎖がゴーシュ−ゴーシュの屈曲構造であること、さらにはベンゼン環同士の相互作用(スタッキング、並列)による拘束点密度が低く、フレキシビリティーが高いことから、メチレン鎖の回転により分子鎖が容易に伸長・回復するためと考えている。
【0013】
また、本発明の他方にはPETであることが必要である。PETはPTTとの界面接着性が極めて良好であるとともに、溶融紡糸が容易で、6000m/分を越える高速紡糸においても安定して製糸できるという特徴を持つ。また、PTTを高速製糸した場合、巻き締まりが生じてパッケージが抜けにくくなったり、糸長手方向での糸斑が悪化して品質が低下するといった問題を内在している。それに対し、複合紡糸の片側成分に特定の比率以上でPETを配することで巻締まりは解消され、巻き取られたパッケージの経時的な品質劣化もほとんど生じない。
【0014】
また、PETを片側成分に用いることで、延伸仮撚工程での熱セット温度により、PTTとの収縮率差を容易に制御できる。PTTは熱収縮率が高く、セット温度依存性が小さいのに対し、PETは熱収縮率のセット温度依存性が大きい。そのため、伸縮性を高めたい場合にはPTTとPETの熱収縮率差を大きくすればよく、延伸仮撚加工でのセット温度を高くすればよい。逆に伸縮性を低くしたい場合にはPTTとPETとの収縮率差を小さくすればよく、熱セット温度を低くすればよい。
【0015】
ここで、本発明のPTTとは、テレフタル酸を主たる酸成分とし、1,3−プロパンジオールを主たるグリコール成分として得られるポリエステルである。
【0016】
また、本発明のPETとは、テレフタル酸を主たる酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリコール成分として得られるポリエステルである。ただし、いずれの成分も、20モル%、より好ましくは10モル%以下の割合で他のエステル結合の形成が可能な共重合成分を含むものであってもよい。共重合可能な化合物としては、例えばイソフタル酸、コハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカルボン酸類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのジオール類を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0017】
また、本発明のポリエステル複合糸は、後工程として延伸もしくは延伸仮撚を施した際には、寸法変化や糸品質の劣化がなく、延伸仮撚工程での加工性が良好である。これらの特性を全て満足するためには、適度な結晶化及び分子配向性を有する繊維構造であることが必要である。本発明の繊維のように、PTTとPETという異なる成分から構成される複合糸の場合、前記の繊維構造を表す指標として構造一体性パラメータ(ε0.2)が好適に用いられる。構造一体性パラメータは特開昭48−35112号公報記載のように、0.18cN/dtex(0.2gf/d)荷重下で沸騰水中で2分間処理を行い、処理前後の糸の寸法変化から下式で算出する。
【0018】
構造一体性パラメータ(ε0.2)=[(L1’−L0’)/L0’]
L0’:糸をカセ取りし、初荷重0.18cN/dtex下で測定したカセの原長
L1’:L0’を測定したカセを0.18cN/dtex荷重下の状態で沸騰水中で2分間 処理し、風乾後、初荷重0.18cN/dtex下でのカセ長
このように、構造一体性パラメータは湿熱下でのクリープ特性を示すものであり、この値が小さいほど結晶化と分子配向が進行している。そのため、寸法安定性に優れ、経時変化による糸品質の劣化が少ないことを示す。本発明では、経時変化による糸品質を抑制し、かつ延伸仮撚後の伸縮特性をも優れたポリエステル複合糸を得るため、構造一体性パラメータは0.2〜1.2の範囲であることが必要であり、好ましくは0.3〜1.0、より好ましくは0.4〜0.8である。
【0019】
このように、本発明のポリエステル複合糸は特定の繊維構造とすることで、延伸仮撚での工程通過性、糸品質が飛躍的に向上するのである。
【0020】
また、本発明の複合糸を構成する繊維は、2成分が貼り合わさったサイドバイサイド複合型もしくは偏心芯鞘型である。
【0021】
サイドバイサイド複合の場合は、2成分間の複合界面が繊維断面において直線的であるほうが捲縮発現能が高くなり、ストレッチ性も向上する。複合界面の直線性を示す指標としては、図1に示す繊維断面の複合界面において、繊維表面から中心に向かって深さ2μmの点a、bおよび界面の中心cの3点に接する円の曲率半径R(μm)を求める。曲率半径Rは大きいほどよく、好ましくは10d0.5以上、より好ましくは15d0.5以上である。ここで、dとは複合繊維の繊度(デシテックス)を示す。図2(a)、(b)及び(f)〜(h)はいずれも曲率半径Rが10d0.5以上であり、本発明に好ましく用いられる繊維断面である。
【0022】
偏心芯鞘複合の場合は、PTTを芯に、PETを鞘に配置することが好ましい。また、繊維断面において、各々の成分の重心間距離は離れているほど捲縮発現能が高くなり、ストレッチ性も向上する。また、偏心芯鞘複合においては、芯成分が繊維表面に一部露出していてもよい。
【0023】
また、2成分間の複合比率は製糸性、寸法安定性及び糸の経時変化を抑制するためにPTT:PET=70:30〜35:65(重量%)の範囲が好ましく、60/40〜45/55の範囲がより好ましい。
【0024】
また、製糸や延伸仮撚、テキスタイル加工での各工程で安定した製造を行うために、滑剤として平均粒子径0.01〜2μmの粒子を0.1〜3重量%含有することが好ましい。平均粒子径を0.01μm以上にすることで、滑剤としての効果が発現し、工程通過性が改善される。一方、平均粒子径を2μm以下にすることで、繊維強度を高く保持し、製糸や延伸仮撚等での糸切れ頻度が少なくなる。また、粒子含有量を0.1重量%以上にすることで、前記の工程通過性を向上させる効果が発現し、粒子含有量を3重量%以下に抑えることで、製糸におけるパックライフの短縮や、ガイド、ローラー等の摩耗を抑制することができる。より好ましい粒子含有量は0.2〜2.5重量%であり、さらに好ましい粒子含有量は0.3〜2.0重量%である。粒子種としては、二酸化チタン、シリカ、アルミナ、カオリナイト、炭酸カルシウム等の微粒子が好ましく用いられるが、これらに限定されるものではない。また、粒子は複合構造を形成する両成分に配合させることが好ましいが、PTT成分もしくはPET成分にのみ配合させても効果がある。また、複合構造を偏心芯鞘型とする場合には、鞘成分にのみ粒子を含有させるだけで十分な効果が得られる。
【0025】
また、抗酸化剤としてヒンダードフェノール誘導体、着色顔料などを添加してもよい。
【0026】
また、残留伸度は延伸仮撚工程での加工性を良好にし、延伸仮撚で得られる糸の均一性、伸縮特性を高めるために80〜250%とすることが好ましい。残留伸度のより好ましい範囲は100〜220%である。
【0027】
また、PTT成分が主体の繊維の特徴として、複合糸パッケージから解舒され、応力から放されると除々に収縮する、いわゆる遅延収縮と呼ばれる現象が生じることが知られている。この現象はパッケージ内においてもゆっくりと進行し、パッケージ形状が崩れて解舒性不良を起こしたり、パッケージ端面周期に同期した糸の太さ斑が発生する等、さまざまな問題を起こす。そのため、遅延収縮率は低いほうがよく、2%以下であることが好ましい。より好ましくは1.5%以下である。
【0028】
また、本発明のポリエステル複合糸は、紡糸、巻取後の遅延収縮が抑えられているため、極めて均一性の高い複合糸パッケージが得られる。糸長手方向の太さ斑の指標であるウスター斑(U%)を小さくすることにより、延伸仮撚での糸加工における加工張力の変動を抑制し、工程安定性を高めることで生産性を向上させることが可能となるばかりか、得られる糸からなる布帛の染め斑等の欠点が少なくなり、品位の高い製品を得ることができる。ウスター斑は好ましくは2%以下であり、より好ましくは1%以下である。
【0029】
また、本発明のポリエステル複合糸には交絡処理が施され、CF値が3以上であることが好ましい。CF値を3以上とすることで、製糸や糸加工、製織時の単糸切れを抑制することができる。CF値はより好ましくは5以上である。
【0030】
また、本発明のポリエステル複合糸の繊維断面形状は、丸、三角、マルチローバル、中空、偏平、非対称扁平、X型、W型その他公知の異形断面であってもよく、何等限定されるものではないが、捲縮発現性や審美性とのバランスから、図2(a)に示すような丸断面の半円状サイドバイサイド(a)や半円状偏心芯鞘(c)、三角断面サイドバイサイド(h)等が好ましく用いられる。
【0031】
こうして得られた本発明のポリエステル複合糸は、延伸又は延伸仮撚を行うことで、優れた伸縮性を有する仮撚加工糸とすることができる。特に、延伸仮撚を行うことにより、3次元コイルが持つ捲縮周期とは異なった捲縮を付与することができる。その結果、前記3次元コイルのトルクを適度に分散させ、布帛にした際にシボやシワの発生を抑える効果があり、好ましい。
【0032】
該仮撚加工糸を布帛の一部あるいは全部に用いることにより、ソフト性、ふくらみ感、適度な反発感、ストレッチ性を与えることができる。また、本発明の繊維とは異なる合成繊維や化学繊維、綿、麻、レーヨン、ポリノジックやキュプラ等のセルロース繊維、絹、ウールと混用することで、他繊維が有する風合いや吸放湿性、吸水性、制電性、保温性を付与でき、着用快適性が向上するため好ましい。また、布帛形態は織物、編物、さらにはクッション材など、目的に応じて適宜選択でき、インナーやシャツ、ブラウス、パンツ、スーツ、ブルゾン、スポーツウェア、裏地等に好適に用いることができる。
【0033】
次に、本発明のポリエステル複合糸の好ましい製法を説明する。
【0034】
本発明のポリエステル複合糸の構成成分となるPTTの製造方法として、公知の方法をそのまま用いることができる。なお、PTT原料中に含まれる環状2量体を主成分とするオリゴマーは、紡糸時に口金汚れ及び口金下ハウジングでの針状結晶の析出を促し、製糸性に悪影響を及ぼすので、オリゴマー含有量は少ないほどよく、好ましくは2重量%以下、より好ましくは1.5重量%以下、さらに好ましくは1重量%以下にするとよい。オリゴマー量を少なくするための方法として、固相重合が有効な手段となる。液相重合によりPTTの固有粘度[η]を0.4〜0.7とした後、固相重合温度180〜215℃、暴露時間2〜20時間で、窒素、アルゴン等の不活性ガス下もしくは真空度10torr以下、より好ましくは1torr以下の減圧下で行うことができる。また、重合時に生成するビス(3−ヒドロキシプロピル)エーテルは、軟化点の低下や強度等の機械的特性を低下させる傾向があるため少ないほどよく、好ましくは2重量%以下、より好ましくは1重量%以下、さらに好ましくは0.4重量%以下である。なお、オリゴマー及びビス(3−ヒドロキシプロピル)エーテルの定量は、WO99/11709号公報に記載の方法で知ることができる。
【0035】
本発明のポリエステル複合糸は、2種類のポリエステル系重合体からなるサイドバイサイド型または偏心芯鞘型の複合繊維である。一方のポリエステル系重合体AにはPTTを主体としたポリエステルを配し、他方のポリエステル系重合体BにはPETを主体としたポリエステルを配し、例えば図3に示すような構造を有する口金を用い、吐出孔上部で合流させて複合流を形成させた後、所望の断面形状を得るための吐出孔から吐出することで得られる。また、吐出された糸条は冷風等により強制冷却され固化した後、給油され、ゴデーロールよって引き取られチーズに巻き上げられる。
【0036】
ここで、本発明の目的を達成しつつ、安定して紡糸するためには、各成分として用いるポリマの固有粘度および、各成分間の固有粘度差が重要となってくる。複合繊維といえども、片側成分の粘度が低すぎて繊維形成能がなかったり、逆に高すぎて特殊な紡糸装置が必要になるようでは実用的ではない。また、各成分間の粘度差により、吐出孔直下での糸条のベンディング(曲がり現象)の度合いが決まる。吐出孔直下でのベンディングが大きいと、吐出流の不整脈(ピクツキ)が生じやすく、紡糸性を悪化させる原因になる。そのため、本発明の目的を達成しつつ、製糸性を良好なものにするために、各成分の固有粘度(IV)は、次式を満たす組み合わせとするものである。
【0037】
0.30X≦Y≦0.45X+0.30・・・(1)
0.45≦Y・・・(2)
1.1≦X≦2.0・・・(3)
(ただし、Y:ポリエステル系重合体Bの固有粘度(IV)
X:ポリエステル系重合体Aの固有粘度(IV))
複合紡糸を行う際、PETを主体としたポリエステル系重合体Bの固有粘度(IV)を0.45以上にすることで、安定した製糸性が得られ好ましい。より好ましくは0.50以上である。さらに高い潜在捲縮発現性を与えるためには、0.7以下であることが好ましく、0.6以下であることがより好ましい。一方、PTTを主体としたポリエステル系重合体Aを安定して溶融押出するために、固有粘度は1.1〜2.0の範囲であり、より好ましくは1.1〜1.7である。
【0038】
また、2成分の固有粘度の組み合わせとして、Yの値を0.30X以上にすることで、紡糸糸条が高粘度成分側に過度にベンディングするのを抑え、長時間に渡って安定して製糸することができるため好ましい。一方、Yの値を0.45X+0.30以下にすることで、得られる糸の潜在捲縮発現性を高めることができる。より好ましくはY≦0.225X+0.30である。
【0039】
また、紡糸ドラフトが100〜1000になるように吐出孔面積を設計することで、吐出孔直下でのベンディングを抑え、ピクツキを小さくすることができ、好ましい。紡糸ドラフトはより好ましくは150〜900、さらに好ましくは200〜800である。
【0040】
また、2成分間の複合比率は製糸性、寸法安定性及び糸の経時変化を抑制するために、PETを主体とするポリエステル系重合体Bの複合比率が30〜65重量%であることが好ましく、40〜60重量%がより好ましい。ポリエステル系重合体Bの複合比率を30重量%以上にすることで、製糸性が向上するとともに、糸の寸法安定性、遅延収縮の抑制効果が飛躍的に向上する。また、ポリエステル重合体Bの複合比を65重量%以下に抑えることで、延伸仮撚により高い伸縮特性を示す仮撚加工糸が得られる。
【0041】
また、紡糸温度は245〜290℃が好ましく、265〜280℃とすることがより好ましい。紡糸温度を245℃以上にすることで、PTT、PET両成分の良好な溶融流動性を確保できる。また、紡糸温度を290℃以下にすることで、PTTの熱分解による粘度低下を抑制することができる。
【0042】
なお、必要に応じて口金下に2〜20cmの加熱筒やモノマー、オリゴマー等の吸引装置、ポリマ酸化劣化あるいは口金孔汚れ防止用の空気、スチーム、N2などの不活性ガス発生装置を設置してもよい。特にPTT中のオリゴマーの主成分である環状2量体は昇華性が高く、パックハウジング内で針状結晶を形成して汚染し、製糸性に悪影響を与えるため、前記装置は製糸性向上に有効である。
【0043】
紡糸油剤は平滑剤、乳化剤、帯電防止剤などを含むものを付与する。具体的には、流動パラフィン等の鉱物油、オクチルパルミテート、ラウリルオレエート、イソトリデシルステアレート等の脂肪酸エステル、ジオレイルアジペート、ジオクチルセバケート等の2塩基酸ジエステル、トリメチロールプロパントリラウレート、ヤシ油等の多価アルコールエステル、ラウリルチオジプロピオネート等の脂肪族含硫黄エステル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、トリメチロールプロパントリラウレート等のノニオン界面活性剤、アルキルスルホネート、アルキルホスフェート等の金属塩あるいはアミン塩等のアニオン界面活性剤、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩、アルカンスルホネートナトリウム塩等テトラメチレンオキシド/エチレンオキシド共重合体、プロピレンオキシド/エチレンオキシド共重合体、非イオン系界面活性剤、等を挙げることができ、製糸、整経、製織の各工程、特に製織時の筬、綜絖の通過性を向上させる処方を採用する。必要に応じて、さらに防錆剤、抗菌剤、酸化防止剤、浸透剤、表面張力低下剤、転相粘度低下剤、摩耗防止剤、その他の改質剤等を併用する。
【0044】
油剤付着量は、糸に対して0.2〜2重量%とすることが高次工程通過性の点で好ましく、0.4〜1.5重量%とすることがより好ましい。
【0045】
また、紡糸速度は2100〜4500m/分で引き取る。紡糸速度を2100m/分以上にすることで、適度な結晶化と分子配向性を与え、寸法変化や糸品質の劣化を抑制するとともに、延伸仮撚工程での加工性を良好にする。また、延伸仮撚により高い伸縮性を付与するため、紡糸速度は4500m/分以下にする。好ましくは2500〜4000m/分である。
【0046】
また、糸条が一旦冷却・固化され、給油装置にて紡糸油剤が付与された後、交絡処理することが、後の仮撚加工性を向上させるために好ましい。交絡装置の位置は図4の紡糸−引取装置において、紡糸線上(1ゴデーロール7前)、ゴデーロール7,9間、ゴデーロール9〜巻取機10間のいずれでもよい。交絡度を高くしたい場合は糸条張力の低いゴデーロール間や巻取機前に設置することが好ましく、交絡度を低くしたい場合は紡糸線上に設置することが好ましい。
【0047】
また、紡出された糸は、熱処理することなく巻き取ることができるが、必要に応じて巻き取りまでの間で以下のような熱処理を実施することで、糸の寸法安定性を高め、パッケージフォームを良好なものとすることができる。熱処理は、具体的には巻き取るまでの間に温度100℃以上、処理時間0.002秒以上で熱処理を施すことが有効な手段となる。例えば、加熱空気やスチームを熱媒とした加熱装置を紡糸線上もしくはゴデーロール間に設置したり(ゴデーロール間の場合は図4の8が加熱装置)、1ゴデーロール7及び/又は2ゴデーロール9をホットロール化して熱処理する等が挙げられる。該加熱装置とホットロールを組み合わせて2段階以上で熱処理してもよい。
【0048】
PTTは、PETと比較して結晶化速度が速いため、前記加熱装置もしくはホットロールで0.002秒以上熱処理することで結晶化が進行する。加熱装置の熱処理ゾーンの長さは熱処理時間が0.002秒以上になるように設計すればよく、例えば紡糸速度3000m/分では熱処理ゾーンの長さ10cm以上、紡糸速度4000m/分では13cm以上あればよい。なお、加熱装置による熱処理は過度に行うと糸斑の悪化を招くので、熱処理時間は好ましくは0.05秒以下である。ホットロールを用いる場合には、前記熱処理ゾーンの必要長を満たすために大径のものを使用したり、ネルソンロールを用いて複数回巻き付ければよい。
【0049】
さらにゴデーロール7、9〜巻取機10間で0.1〜3%の弛緩率をとることが好ましい。該弛緩率は、ゴデーロール7,9間とゴデーロール9〜巻取機10間の合計の弛緩率であり、ゴデーロール間で高めの弛緩率をとってもよいし、ゴデーロール間は定長(弛緩率ゼロ)で、ゴデーロール〜巻取機間のみで弛緩させてもよい。弛緩率は高い方が繊維内部の歪みが小さく、熱安定性が向上するので、前記熱処理装置による熱収縮応力を利用して糸条の走行安定性を保持しつつ弛緩率を高くすることも好ましい方法のひとつである。より好ましい弛緩率は0.2〜2%である。
【0050】
なお、ここで本発明のポリエステル複合糸が巻き取られたパッケージの好ましい形状について説明する。
【0051】
本発明のポリエステル複合糸は通常、チーズ形状に巻かれているが、そのパッケージフォームは、延伸及び延伸仮撚工程での糸の解舒性に大きな影響を与える。そのため、糸の解舒性を高めるために良好なパッケージフォームが要求される。
【0052】
通常、パッケージフォームで問題となるのは、図5に示すようにサドル(耳立ち)とバルジ(ふくらみ)であり、いずれも小さい方が高速解舒性に優れる。本発明者らの方法に従えば、パッケージフォームが良好なチーズとすることが可能である。延伸仮撚で要求される解舒速度は500〜800m/分にも達するが、その速度で解舒張力の変動が小さく、安定して糸加工を行うためにはサドルが8mm未満、バルジ率が10%未満であり、より好ましくはサドルが5mm未満、バルジ率が7%未満である。
【0053】
次に、弛緩処理された糸条は巻取機で巻き取られるが、このときの巻取条件は、パッケージフォームを良好にするために以下の様にするとよい。
【0054】
巻き取り時の糸条張力は、0.2cN/dtex以下で良好なパッケージフォームとすることができ、好ましい。より好ましくは0.15cN/dtex以下、さらに好ましくは0.10cN/dtex以下である。前記のごとく低張力で巻き取ることにより、繊維内部構造の歪みを解放し、遅延収縮量が小さく安定構造のパッケージとすることができる。また、ローラーベイルもしくはドライブロールがパッケージに接触している線長に対する荷重(パッケージに対する圧力に相当。以下、面圧と称する)は、6〜16kg/mの範囲にすることが好ましい。面圧を6kg/m以上にすることで、パッケージに適度な硬度を与え、パッケージ崩れやサドルを抑制することができる。また、面圧を16kg/m以下にすることで、パッケージの潰れや、バルジを抑制することができる。より好ましい範囲は8〜12kg/mである。また、綾角は5〜10°の範囲が好ましく、より好ましくは5.5〜8°である。綾角変化巻きはPETの巻き取りで公知の方法をそのまま採用することができる。トラバース方法は、PTTの曲げ剛性が低いことから、より正確かつ急速な糸の折り返しが要求される。そのため、1軸〜3軸の羽トラバース、マイクロカムトラバース、スピンドルトラバースが好ましく用いられる。より好ましくは高速追随性に優れた羽トラバースである。巻取時の駆動方式は、ドライブローラーによる従動駆動が一般的であるが、スピンドル駆動方式や、さらに巻取機のローラーベイルを強制駆動する方法が挙げられる。ローラーベイルを強制駆動する場合のパッケージ表面速度に対するローラーベイル速度は、、常に0.05〜1%オーバーフィードする様に制御してリラックス巻取することにより、パッケージフォームをより良好にすることができる。
【0055】
本発明のポリエステル複合糸は、延伸仮撚することにより3次元コイルとは異なった位相の捲縮を付与し、捲縮トルクを分散させることができる。そのため、本発明のような、複合構造捲縮糸特有のトルクに起因するシボ、シワ等の欠点が解消され、高品位の布帛を得ることができる。
【0056】
延伸仮撚は、ポリエステルで汎用的に用いられている方法であれば特に限定するものではないが、生産性を考慮すると、ディスクやベルトを用いた摩擦仮撚機を用いて加工することが好ましい。また、延伸はインドロー、アウトドローのいずれでもよいが、伸縮性を高めるためにはインドロー倍率よりも、アウトドロー倍率を高くすることが好ましい。アウトドロー倍率のより好ましい範囲は、総合倍率(インドロー倍率×アウトドロー倍率)×0.8≦アウトドロー倍率、さらに好ましくは総合倍率×0.9≦アウトドロー倍率である。
【0057】
【実施例】
以下、本発明を実施例にて詳細に説明する。なお、実施例中の測定方法は以下の方法を用いた。
【0058】
A.固有粘度
オルソクロロフェノール(以下OCPと略記する)10ml中に試料ポリマを0.8g溶かし、25℃にてオストワルド粘度計を用いて相対粘度ηrを下式により求め、IVを算出した。
ηr=η/η0 =(t×d)/(t0 ×d0 )
IV=0.0242ηr+0.2634
ここで、η :ポリマ溶液の粘度
η0 :OCPの粘度
t :溶液の落下時間(秒)
d :溶液の密度(g/cm3 )
t0 :OCPの落下時間(秒)
d0 :OCPの密度(g/cm3 )
B.溶融粘度
東洋精機(株)社製キャピログラフ1Bを用い、チッ素雰囲気下において温度280℃、歪み速度1216sec-1での測定を3回行い平均値を溶融粘度とした。
【0059】
C.構造一体性パラメータ
0.18cN/dtex(0.2gf/d)荷重下で沸騰水中2分間処理を行い、処理前後の糸の寸法変化から下式で算出する。
【0060】
構造一体性パラメータ(ε0.2)=[(L1’−L0’)/L0’]
L0’:糸をカセ取りし、初荷重0.18cN/dtex(0.2gf/d)下で測定したカセの原長
L1’:L0’を測定したカセを0.18cN/dtex(0.2gf/d)荷重下の状態で沸 騰水中で2分間処理し、風乾後、初荷重0.18cN/dtex(0.2gf/d) 下でのカセ長
D.強伸度
未延伸糸をオリエンテック(株)社製 TENSILON UCT−100でJIS L 1013(化学繊維フィラメント糸試験方法)に示される定速伸長条件で測定した。なお、残留伸度はS−S曲線における最大強力を示した点の伸びから求めた。
【0061】
E.遅延収縮率
複合糸パッケージから糸を採取後、速やかに2×10-3cN/dtexの荷重を掛け、採取から2分以内に糸長L1を測定し、温度25℃±2℃、相対湿度65%±10%の雰囲気下で120時間放置後の糸長L2を測定し、次式により算出した。
【0062】
遅延収縮率(%)=[(L1−L2)/L1]×100
F.糸の太さ斑U%
糸長手方向の太さ斑U%(ノーマルテスト)は、ツェルベガーウスター(株)社製UT4で測定した。条件は、糸速度200m/分で1分間供給し、ノーマルモードで平均偏差率(U%)を測定した。
【0063】
G.交絡度CF値
JIS L 1013(化学繊維フィラメント糸試験方法)7.13の交絡度に示される条件で測定した。試験回数は50回とし、交絡長の平均値L(mm)から下式よりCF値(Coherence Factor)を求めた。
【0064】
CF値=1000/L
H.サドル及びバルジ率
図5に示す複合糸パッケージの両端面部を結ぶ直線に対し、パッケージ中央部の凹部長L1を測定し、サドルの大きさとした。また、図5に示す複合糸パッケージの最内層の巻き巾L2及び、最大巻き巾を示すL3を測定し、次式によってバルジ率を算出した。
【0065】
バルジ率(%)=[(L3−L2)/L2]×100
I.仮撚加工性及び伸縮性
仮撚加工糸の糸切れ欠点を、加工糸1000kg当たりの糸切れ回数で評価した。糸切れ回数が10回以下であれば○、10〜20回で△、20回を越える場合は×として3段階評価を行った。仮撚加工条件は、アウトドロー工程があるフリクション仮撚機を用い、加工速度500m/分、ディスク回転数4580rpm(直径58mmウレタンディスク使用)、アウトドロー部の熱ピン温度80℃、インドロー部の熱板温度170℃(熱板長2.0m)、延伸倍率は、インドロー倍率を1.05倍に固定し、アウトドロー倍率を加工糸の残留伸度30±3%になるように設定した。また、得られる仮撚加工糸の伸縮性について、汎用PET仮撚加工糸を比較対象にして評価を行い「極めて優れている」を○、「やや優れている」を△、「同レベルもしくは劣っている」を×とした。
【0066】
実施例1
平均粒子径が0.4μmの酸化チタンを0.35重量%含有した固有粘度(IV)が1.50(溶融粘度1340poise)のホモPTTをポリエステル系重合体Aとし、平均粒子径が0.4μmの酸化チタンを0.35重量%含有した固有粘度(IV)が0.52(溶融粘度570poise)のホモPETをポリエステル重合体Bとして、それぞれ別々に溶融し、紡糸温度275℃で図3に示す構造を有する口金装置(吐出孔直径0.5mm)を用い、複合比(重量%)50:50で吐出し、冷却長1mの冷却装置を用いて0.5m/秒の冷却風で冷却・固化し、口金下2mの位置で集束、給油した。さらに第1、第2ゴデーロール速度3000m/分、巻取速度2979m/分(弛緩率0.7%)で引き取り、147デシテックス、36フィラメントのサイドバイサイド型複合構造高配向未延伸糸を得た。巻取は、3軸羽トラバースタイプの速度制御型ワインダーで行い、巻取張力は約0.1cN/dtex、ローラーベイルの接触圧は10kg/m、綾角7°で実施した。また、仮撚工程での加工性を良好にするために、紡糸線上に交絡ノズルを設置し、作動圧空圧0.2MPaで交絡を付与した。なお、使用したポリエステル系重合体Aの固有粘度から計算したポリエステル系重合体Bの好ましい固有粘度の範囲は0.45〜0.975、より好ましい範囲は0.45〜0.638であることから、実施例1はより好ましい範囲内である。
【0067】
得られた糸の断面形状は図1(a)に示す円形状であり、複合界面の曲率半径Rは45μmであった。単繊維繊度d(4.08dtex)から計算される複合界面Rの好ましい範囲の下限10d0.5 は20.2μmである。
【0068】
また、構造一体性パラメータは0.55、強度2.1cN/dtex、残留伸度172%、ウスター斑(ノーマルテスト)0.8、CF値5.0であった。チーズ巻量4kgでのパッケージフォームは良好であり、サドル2mm、バルジ率2.7%、糸の寸法安定性を示す遅延収縮率は、1.1%であった。
【0069】
前記のごとく、実施例1は力学的特性、寸法安定性、均一性、パッケージフォームともに十分実用に耐える特性を示した。
【0070】
また、実施例1で得られた高配向未延伸糸を用い、仮撚加工性試験を実施したところ、極めて優れた加工性を示すとともに、伸縮性に優れた仮撚加工糸が得られた。物性値を表1に示す。
【0071】
実施例2、実施例3
平均粒子径が0.4μmの酸化チタンを0.35重量%含有した固有粘度(IV)が0.48(溶融粘度450poise)のホモPET、又は平均粒子径が0.4μmの酸化チタンを0.35重量%含有した固有粘度(IV)が0.65(溶融粘度1190poise)のホモPETをポリエステル系重合体Bに用いた以外は実施例1と同様の方法で評価した。結果を表1に示す。
【0072】
固有粘度(IV)が0.48のホモPETを用いた実施例2は、実施例1同様、良好な紡糸性及び糸特性を示すとともに、仮撚加工性、加工後の伸縮特性が良好であった。
【0073】
また、固有粘度(IV)が0.65のホモPETを用いた実施例3は、口金直下のベンディングが小さく、紡糸性が良好であった。また、実施例1と比較して仮撚加工後の伸縮性が実施例1対比、若干劣るが、PET仮撚加工糸よりは優れていた。
【0074】
実施例4、実施例5
紡糸速度2100m/分、巻取速度2090m/分(弛緩率0.5%)、及び紡糸速度4100m/分、巻取速度4040m/分(弛緩率1.5%)とした以外は実施例1と同様の方法で評価した。結果を表1に示す。
【0075】
紡糸速度2100m/分とした実施例4は構造一体性パラメータが1.2であり、仮撚加工性が実施例1対比劣っているが、それ以外は優れた特性を示した。
【0076】
紡糸速度4100m/分とした実施例5は、構造一体性パラメータが0.22であった。また、遅延収縮率が1.7%と高いとともに、サドルが5mm、バルジ率が7%であった。また、実施例1対比、仮撚加工性、伸縮性ともにやや劣っていた。
【0078】
比較例1、比較例2
紡糸速度1900m/分、巻取速度1896m/分(弛緩率0.2%)、及び紡糸速度5000m/分、巻取速度4900m/分(弛緩率2.0%)とした以外は実施例1と同様の方法で評価した。結果を表1に示す。
【0079】
紡糸速度1900m/分とした比較例1は構造一体性パラメータが1.34であった。また、仮撚加工性試験を実施したところ、毛羽及び糸切れが多発した。
【0080】
紡糸速度5000m/分とした比較例2は構造一体性パラメータが0.05であった。実施例5は遅延収縮率が2.0%、サドルが6mm、バルジ率が9%とパッケージフォームが不良であった。また、実施例1対比、仮撚加工後の伸縮性が劣っていた。
【0081】
比較例3
ポリエステル重合体Bに平均粒子径が0.4μmの酸化チタンを0.35重量%含有した固有粘度(IV)が0.65(溶融粘度260poise)のホモPTTを用い、両成分をPTTとした以外は実施例1と同様の方法で実施した。比較例3は紡糸性は良好であったが、巻締まりによりチーズが変形し、スピンドルから抜きにくかった。また、得られた糸の遅延収縮率は3.8%、サドルが8mm、バルジ率が12%であった。仮撚加工性試験では糸切れが多発するとともに、得られた糸は毛羽数が多かった。
【0082】
実施例6
ポリエステル重合体A及びポリエステル重合体Bに酸化チタン粒子を含まない(無粒子)ポリマをそれぞれ用いた以外は、実施例1と同様の方法で評価した。
【0083】
実施例6は紡糸性は良好であったが、仮撚加工において実施例1対比、糸切れが多かった。なお、得られた仮撚加工糸の伸縮性は良好であった。
【0084】
実施例7
交絡装置の作動圧空圧をゼロにし、無交絡とした以外は実施例1と同様の方法で評価した。実施例7のCF値はゼロであった。また、紡糸性は良好であったが、仮撚加工性試験において解舒性不良が原因で実施例1対比、糸切れが多かった。
【0089】
実施例8
口金構造を変えてポリエステル重合体Bがポリエステル重合体Aを完全に被覆している偏心芯鞘複合構造(図2(d))にした以外は、実施例1と同様の方法で評価した。実施例8は口金直下のベンディング角度が実施例1対比約1/2と小さく、吐出が安定しており、紡糸性が極めて良好であった。また、仮撚加工性試験においても糸切れ回数は1000kg当たり1回であり、実施例中、最高の成績であった。
【0090】
【表1】
表中「ポリマA(X)のIV」とは「PTTの固有粘度」を、「ポリマB(Y)のIV」とは「ポリエステル重合体Bの固有粘度」を、「ポリマA(X)のη」とは「PTTの溶融粘度(poise)」を、「ポリマB(Y)のη」とは、「ポリエステル重合体Bの溶融粘度(poise)」を、「複合界面R」とは「2種類のポリエステル重合体の複合界面の曲率半径R」を示す。
【0091】
【発明の効果】
本発明のポリエステル複合糸は、パッケージの品質劣化が小さく、糸長手方向の均質性に優れ、仮撚加工に最適に用いられるものである。また、延伸仮撚を行うことにより、ソフトタッチで優れたストレッチ性を与えるとともに、ポリウレタン混用で問題となる染料汚染がなく、高品位な布帛を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合糸の繊維横断面における複合界面の曲率半径Rを説明するためのモデル図である。
【図2】本発明の複合糸の繊維横断面形状を示す図である。
【図3】本発明の複合糸を製造するために好ましく用いられる口金の縦断面図である。
【図4】本発明の複合糸を製造するために用いる紡糸、引取装置の一例である。
【図5】本発明の複合糸パッケージのサドルおよびバルジ率を説明するための概略図である。
Claims (9)
- 紡糸速度2100〜4500m/分で引き取った後、紡糸速度に対して弛緩率0.1〜3%とすることにより、サドルが8mm未満でかつバルジ率が10%未満であるパッケージに巻き取られてなる複合糸であって、一方がポリトリメチレンテレフタレートを主体とするポリエステル(A)であり、他方がポリエチレンテレフタレートを主体とするポリエステル(B)であって、該2成分が繊維長さ方向に沿ってサイドバイサイド型または偏心芯鞘型に複合された繊維から構成されるマルチフィラメントであって、各々の固有粘度IVが次式(1)〜(3)式を満たす組み合せであり、該マルチフィラメントの構造一体性パラメータが0.2〜1.2であることを特徴とする潜在捲縮発現性を有するポリエステル複合糸。
0.30X≦Y≦0.45X+0.30・・・(1)
0.45≦Y・・・(2)
1.1≦X≦2.0・・・(3)
(ただし、Y:ポリエステル系重合体Bの固有粘度(IV)
X:ポリエステル系重合体Aの固有粘度(IV)) - 繊維を形成する2成分のいずれか一方、もしくは両方に平均粒子径0.01〜2μmの粒子を0.1〜3重量%含有することを特徴とする請求項1記載の潜在捲縮発現性を有するポリエステル複合糸。
- 残留伸度が80〜250%であることを特徴とする請求項1または2記載の潜在捲縮発現性を有するポリエステル複合糸。
- 遅延収縮率が2%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の潜在捲縮発現性を有するポリエステル複合糸。
- 太さ斑U%(ノーマルモード)が2%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の潜在捲縮発現性を有するポリエステル複合糸。
- CF値が3以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の潜在捲縮発現性を有するポリエステル複合糸。
- ポリエステル系重合体Aにポリトリメチレンテレフタレートを主体としたポリエステルを配し、ポリエステル系重合体Bにポリエチレンタレフタレートを主体としたポリエステルを配してサイドバイサイド型または偏心芯鞘複合紡糸するに際し、各々の固有粘度(IV)が次式(1)〜(3)を満たす組み合わせで複合糸とし、紡糸速度2100〜4500m/分で引き取った後、紡糸速度に対して弛緩率0.1〜3%で巻き取ることを特徴とする潜在捲縮発現性を有するポリエステル複合糸の製造方法。
0.30X≦Y≦0.45X+0.30・・・(1)
0.45≦Y・・・(2)
1.1≦X≦2.0・・・(3)
(ただし、Y:ポリエステル系重合体Bの固有粘度(IV)
X:ポリエステル系重合体Aの固有粘度(IV)) - 複合紡糸してから巻き取るまでの間に、温度100℃以上、処理時間0.01秒以上で熱処理を施すことを特徴とする請求項7記載の潜在捲縮発現性を有するポリエステル複合糸の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項記載のポリエステル複合糸が巻き付けられ、サドルが8mm未満でかつバルジ率が10%未満であることを特徴とする潜在捲縮発現性を有するポリエステル複合糸パッケージ。
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