JP4719948B2 - 固体高分子型燃料電池用セパレータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池用セパレータおよびその製造方法に関し、特に、高分子電解質膜を有する固体電解質型燃料電池である固体高分子型燃料電池(PEFC)に使用するセパレータおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水素ガスを燃料とし、酸素ガスを酸化剤とする固体高分子型燃料電池は、たとえば図1に示すようなセル構造を有する。セル10において、高分子電解質膜11の両側には、触媒が付与された負極(水素極)12および正極(酸素極)13が設けられ、さらにそれらを挟むように、セパレータ14および15が設けられる。セパレータ14および15は、それぞれ、水素供給用通路(溝)16および酸素供給用通路(溝)17を有する。水素ガスおよび酸素ガスは、それぞれ外から供給孔(図示省略)を介して通路16および17に導かれ、それぞれ負極12および正極13に供給される。
負極側では、次式で示す反応が起こり、
H2→2H++2e-
正極では、次式で示す反応が起こり、
1/2O2+2H++2e-→H2O
全反応は、次式で表される。
H2+1/2O2→H2O
上で示すように、負極では、H+が生じるため、セパレータは、耐酸性を有する必要がある。また、セパレータは、正極側において酸素に晒されるため、耐酸化性を有する必要がある。このようにセパレータには、耐食性が要求される。さらに、燃料電池の内部抵抗を低く抑えるため、セパレータの電気抵抗は、低いことが望ましい。加えて、寸法(特に厚み)の精度、平坦度(そりが少ないこと)、気密性(ガスの透過防止)、加工性、強度、軽量であること、低コスト等が、セパレータに要求される。
【0003】
従来、固体高分子型燃料電池用セパレータの材料として、黒鉛が有力であるとされてきた。しかし、黒鉛は、次のような欠点を有している。黒鉛のセパレータは、切削加工により形成されるため、その加工費は極めて高く、そのコストの低減には限界がある。自動車等の車両に搭載する燃料電池では、低コストであることが最も重要な課題の1つであるため、この点で黒鉛のセパレータは不利である。また、黒鉛は脆く、したがって、振動の多い用途、たとえば自動車等の車両に搭載する燃料電池において、割れの発生が懸念される。黒鉛は、耐久性の点でも不利である。
【0004】
一方、通常の加工された金属材料は、加工性、強度、コストの点で有利であるが、耐食性に劣り、使用している間にその電気抵抗が増加し、燃料電池の特性を劣化させてしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の1つの目的は、上述した従来技術の課題に鑑み、以下の点を有する固体高分子型燃料電池用セパレータを提供することである。
(1)良好な耐食性。
(2)使用の間、電気抵抗の変化が少ない。
(3)良好な加工性。
(4)低コスト。
(5)高い疲労強度および良好な耐久性。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明により、高分子電解質膜に積層される正極または負極に酸化剤または燃料を供給するための通路を有するセパレータであって、金属材料層と、金属材料層を覆う保護層とからなるセパレータが提供される。このセパレータにおいて、金属材料層は、少なくとも保護層と接する部分に、10μm以上の平均結晶粒径を有する該金属材料の多結晶組織を有し、かつ保護層は、金属窒化物を含有する。さらに、保護層におけるN含量は、保護層の表面から内部にいくにしたがって減少しており、保護層の、金属材料層との境界領域には、金属窒化物が含まれない。
【0010】
本発明によるセパレータにおいて、金属窒化物は、Ti、Ti合金、Cr、Cr合金、Zr、Zr合金、Hf、Hf合金、V、V合金、Nb、Nb合金、TaおよびTa合金の窒化物よりなる群から選ばれた少なくとも1種とすることができる。
【0011】
本発明によるセパレータにおいて、金属材料は、Fe、Fe合金、Ni、Ni合金、Cr、Cr合金、Cu、Cu合金、Al、Al合金、TiおよびTi合金よりなる群から選ばれた少なくとも1種とすることができる。
【0012】
好ましい一つの態様において、金属窒化物は、Tiの窒化物であり、かつ保護層は、Tiの窒化物としてTiNおよびTi2Nの少なくとも1種を含む。もう一つの好ましい態様において、金属窒化物は、Crの窒化物であり、かつ保護層は、Crの窒化物としてCrN、Cr2N、CrN2およびCr(N3)3よりなる群から選ばれた少なくとも1種を含む。
【0013】
また、本発明により、金属材料は、第1の金属を含み、金属窒化物は、第1の金属と異なる第2の金属の窒化物であり、かつ金属窒化物は、第1の金属上に堆積された第2の金属を窒化することにより形成されたものであるセパレータを提供することができる。この場合、第1の金属は、ステンレス鋼とすることができ、かつ第2の金属は、Ti、Ti合金、CrおよびCr合金よりなる群から選ばれた少なくとも1種とすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明によるセパレータは、金属を使用する。金属は、塑性加工等により、高い精度で加工することができ、しかも、コストの低減に寄与する。本発明では、この金属の少なくとも表面に、平均結晶粒径が10μm以上の多結晶組織を形成させる。このような結晶組織は、比較的高い導電率を有し、耐食性を有する。後に具体的に示すように、10μm以上の平均結晶粒径を有する組織は、導電率および耐食性の点で、顕著な効果をセパレータにもたらし、その結果、長期の温度サイクルを伴う環境下での燃料電池の使用において出力特性の低下が抑えられる。一方、平均結晶粒径が10μmより小さい場合、そのような顕著な効果は得られない。平均結晶粒径が10μm以上の組織は、セパレータを構成する金属材料の一部(耐食性が問題となる酸化剤または燃料に接触すべき表面部分を少なくとも含む)に設けてもよいし、当該金属材料全体が、そのような組織を有していてもよい。金属材料組織における平均結晶粒径は、たとえば、JISによる求積法によって求めることができる。
【0015】
本発明によるセパレータにおいて、平均結晶粒径が10μm以上の金属組織は、加工組織を実質的に残存させていない再結晶組織であることが好ましい。平均結晶粒径が10μm以上の金属組織は、一般に、当該金属の加工後、当該金属の融点(絶対温度)の約1/3〜1/2程度の温度で加熱することにより、得ることができる。そのような加熱により、加工における塑性変形によって生じた欠陥、転位等が解消され、再結晶が起こり、加工組織が再結晶組織に置き換わる。本発明において、耐食性を有する組織の好ましい平均結晶粒径の範囲は、10μm〜100μmであり、より好ましい範囲は、20μm〜50μmである。
【0016】
また、本発明において、平均結晶粒径が10μm以上の金属組織の表面を金属窒化物を含む保護層で覆ってもよい。窒化物を含む保護層は、セパレータの耐食性にさらに寄与し、使用の間の電気抵抗の上昇を効果的に阻止する。この保護層は、金属の窒化処理、あるいは、スパッタリング、CVD等の蒸着等によって形成できる。さらに、この保護層において、N含量(またはN濃度)は保護層の表面から内部にいくにしたがって減少することが好ましい。すなわち、保護層において、金属窒化物の含量または濃度は、表面から内部にいくにしたがって減少いていることが好ましい。このような組成を有する保護層は、下地の金属との密着性がよく、下地から剥離しにくい。また、急激な組成変化が抑制された保護膜は、高い疲労強度を有し、使用中に亀裂が発生しにくく、良好な耐久性を有することができる。
【0017】
図2は、本発明によるセパレータの断面構造の一例を示す。燃料ガスまたは酸化剤ガスのための通路5を有するセパレータ1は、金属材料からなる。この金属材料の全体または少なくとも通路5を形成する表面部分1aは、平均結晶粒径が10μm以上の多結晶組織、好ましくは再結晶組織からなる。
【0018】
図3は、本発明によるセパレータの断面構造のもう一つの例を示す。燃料ガスまたは酸化剤ガスのための通路25を有するセパレータ20において、金属材料層21は、金属窒化物を主成分とする保護層22で覆われている。保護層22において、Nまたは窒化物の含量または濃度は、図4(a)に示すように段階的に減少してもよいし、図4(b)に示すように連続的に(単調に)減少してもよい。また、保護層において、Nまたは窒化物の含量または濃度は、図4(c)に示すように深さ方向に対してほぼ一定でもよい。図4(c)の場合、ほぼ均一な組成の窒化物膜が金属層上に形成されている。特定的には、保護層22は、いわゆる傾斜組成膜であることが好ましい。好ましい態様において、保護層の最表面において、N含量または窒化物含量は最大である。好ましい1つの態様において、保護層の最表面では、金属の略全体が窒化されており、一方、内部では窒化物と金属の複合材料層が形成され、保護層22と金属材料層21の境界領域では、窒化物は、ほとんど含まれなくなる。複合材料層において、窒化物の濃度または体積率は、内部にいくにしたがって減少し、金属の濃度または体積率は、内部にいくにしたがって増加する。
【0019】
保護層22に含まれる金属種と金属材料層21に含まれる金属種とは、同じでもよいし、異なっていてもよい。両者が同じ場合、用意した金属材料をその表面から窒化することにより、保護層を得ることができる。両者が異なる場合、たとえば、用意した金属材料上に他の金属を堆積し、堆積された金属を窒化することにより、保護層を得ることができる。いずれの場合も、金属材料層は、平均結晶粒径が10μm以上の組織を有する。両者が同じ例を図5に示す。図5に示すセパレータ40において、金属材料層41は、Tiからなる。保護層42は、Tiの窒化物(TiN、Ti2N)を主成分とし、その表面はTiの窒化物、特にTiNで占められる一方、内部は、Tiの窒化物とTiとの複合体であり、N含量は、内部にいくにしたがって減少する。セパレータ40の表面および裏面には、それぞれ燃料および酸化剤のための通路45aおよび45bが形成されている。両者が異なる例を図6に示す。図6に示すセパレータ50において、金属材料層51は、アルミニウムまたはステンレス鋼からなる。保護層52は、Tiの窒化物(TiN、Ti2N)またはCrの窒化物(CrN、Cr2N、CrN2、Cr(N3)3)を主成分とし、その表面は窒化物で占められる一方、内部は、窒化物とTiまたはCrとの複合体であり、N含量は、内部にいくにしたがって減少する。セパレータ50の表面および裏面には、それぞれ燃料および酸化剤のための通路55aおよび55bが形成されている。
【0020】
また、本発明によるセパレータにおいて、金属材料層は、1種の金属材料からなってもよいし、2種以上の金属材料からなってもよい。図7は、複数種の金属材料を使用した例を示す。セパレータ60において、第1の金属材料61a上に第2の金属材料61bが重ねられている。第2の金属材料61bが、窒化物を含む保護層62で覆われる。たとえば、第1の金属材料をステンレス鋼またはAlとし、第2の金属材料をTiとすることができる。このような構造において、少なくとも第2の金属材料は、平均結晶粒径が10μm以上の結晶組織を有する。
【0021】
本発明によるセパレータにおいて、金属材料は、10-4Ω・cm以下の電気抵抗を有することが好ましく、10-5Ω・cm以下がより好ましい。金属材料は、たとえば、Fe、Fe合金、Ni、Ni合金、Cr、Cr合金、Cu、Cu合金、Al、Al合金、TiおよびTi合金よりなる群から選ぶことができる。セパレータを形成する金属材料の厚みは、0.2〜2.0mmとすることができ、好ましくは、0.5〜1.0mmとすることができる。一方、保護層の窒化物は、たとえば、Ti、Ti合金、Cr、Cr合金、Zr、Zr合金、Hf、Hf合金、V、V合金、Nb、Nb合金、TaおよびTa合金の窒化物よりなる群から選ぶことができる。特に、電気抵抗の低い窒化物が好ましく、10〜1000×10-6の電気抵抗を有する窒化物が好ましく、10〜500×10-6の電気抵抗を有する窒化物がより好ましい。耐食性、低い電気抵抗、低い成膜コストの観点から、Tiの窒化物(TiNの電気抵抗は22〜130×10-6)およびCrの窒化物(Crの電気抵抗は640×10-6)がより好ましい。窒化物を含む保護層の厚みは、3〜500μmとすることができ、好ましくは、5〜50μmとすることができる。
【0022】
本発明によるセパレータは、圧延加工等の塑性加工により適当な厚みにされた金属材料を適当な大きさに切出した後、プレス加工等の塑性加工により、酸化剤または燃料のための通路を含む適当な形状を金属材料につけ、次いで、上記塑性加工による加工組織を、熱処理により、平均結晶粒径が10μm以上の再結晶組織に変えることによって製造することができる。
【0023】
また、本発明により保護層を有するセパレータは、たとえば、図8(a)〜8(c)に示すような方法により製造することができる。まず、図8(a)に示すように燃料または酸化剤の流路となる溝75および必要に応じて孔などのその他の形状(図示せず)を有する金属板71を調製する。溝等の必要な形状は金属板をプレス加工等の塑性加工することによって得ることができる。次いで、必要に応じて熱処理等により歪みを除去し、さらに必要に応じてプラズマエッチング等により金属板の表面を覆う酸化膜を除去する。次に図8(b)に示すように、加工された金属板71の清浄な表面から窒化処理を施す。上述した歪み除去のための熱処理または窒化処理における加熱工程において、平均結晶粒径が10μm以上の再結晶組織を形成することができる。窒化処理は、窒素雰囲気下での加熱、プラズマ窒化法等の種々の窒化法により行なうことができる。特に、プラズマ窒化法は、アンモニア分解ガスやシアン化合物を用いた窒化法より、緻密な窒化膜を形成できる点で有利である。プラズマ窒化法では、たとえば、0.1〜10Torrの窒素混合ガス雰囲気下で、炉体を陽極、被処理物を陰極とし、数百ボルトの直流電圧を両極間に印加する。その結果、グロー放電が生じ、ネオンサインに似た柔らかい光が被処理物を覆い、その際、イオン化されたガス成分が、高速に加速され、被処理物に衝突し、加熱およびスパッタリング作用等により、窒化が進行する。窒素混合雰囲気には、たとえば、N2:NH3:CO2=1:1:0.07の組成物を使用し、処理温度は、たとえば、500〜1000℃である。窒化処理の結果、金属板71の表面が窒化され、図8(c)に示すように、金属窒化物を主成分とする保護膜72が形成される。
【0024】
また、本発明によるセパレータは、図9(a)〜(d)に示すような方法により製造してもよい。まず、図9(a)に示すように、表面が平坦な金属板81を用意する。次いで、図9(b)に示すように、金属板81上に金属層82を形成する。この工程は、クラッド、溶射、PVD、CVD、電気めっき等のめっきなどにより行なうことができる。Ti層を形成する場合、クラッド、溶射、PVD、CVDが好ましく、Cr層を形成する場合、クラッド、溶射、PVD、CVD、電気めっきが好ましい。Cr層の形成は、安価に行なえる電気めっきを利用できるので、有利である。次いで、必要に応じて平滑化を行なった後、図9(c)に示すように、溝85などの必要な形状を有するよう金属板81をプレス等により加工する。その後、必要に応じて熱処理等により歪みを除去し、さらに必要に応じて金属層82の表面にできた酸化膜をプラズマエッチング等によって除去する。次いで、窒化処理を行ない、図9(d)に示すように、金属層を窒化して、保護層92を形成する。窒化は、上述と同様の方法により行なうことができる。このように、金属層を窒化することにより、良好な耐食性を有する窒化膜を安価に得ることができる。上述した窒化処理における加熱工程において、金属層に平均結晶粒径が10μm以上の再結晶組織を形成することができる。
【0025】
本発明によれば、0.2〜2.0mm、好ましくは0.5〜1.0mmの厚みを有する比較的薄いセパレータを提供できる。また、本発明によれば、100〜500cm2の面積、好ましくは200〜300cm2の面積を有するセパレータを高い加工精度で提供できる。このようなセパレータは、400枚程度のセルを有する燃料電池、特に自動車等の車両用の燃料電池に好適である。
【0026】
【実施例】
参考例1
圧延加工した厚み1mmのSUS304板を150mm×150mmのサイズに切出し、プレス加工により溝つけを行なった。次いで、加工されたSUS板を1080℃の温度で1時間熱処理した後、急冷してセパレータを得た。得られたセパレータについてステンレス鋼の平均結晶粒径を求積法により算出したところ30μmであった。
【0027】
実施例1
圧延加工した厚み0.5mmのSUS430板(Fe−18重量%Cr合金)を150mm×150mmのサイズに切出し、プレス加工により溝つけを行なった。次いで、その表面に電気めっきにより50μmの厚みのCr層を形成した。クロムめっきには、150g/lの無水クロム酸、2.0g/lの硫酸、および1.5g/lの硫酸クロムを含有し、13.5のボーメ比重を有するめっき水溶液を用いた。溝つきSUS板をめっき浴につけ、50℃の温度、10A/dm2の電流密度で電気めっきを行なった。その後、CrめっきしたSUS430板を窒化した。窒化処理では、1Torrの窒素混合ガス雰囲気下で、炉体を陽極、SUS板を陰極とし、電極間に300Vの直流電圧を印加した。この処理中、SUS板は、600℃に加熱され、窒素混合ガスとしてN2:NH3:CO2=1:1:0.07の組成物が使用された。この処理によりCr層が窒化され、保護皮膜を有するセパレータが得られた。
【0028】
次いで、SUS板を10mm角のサイズに切出し、これを樹脂に埋め込み、研磨した後、その断面のN濃度の分布をEPMA(エレクトロンプローブマイクロアナリシス)装置により測定した。その結果、図10に示すように、Nの濃度は表面にいくほど高く、内部にいくにしたがってN濃度は減少し、約20μmほどの深さでNが検出されなくなった。窒化物として、表面に近い部分にはCrNが多く検出され、内部では、Cr2Nが多く検出された。内部では、Crが残存していた。Cr窒化物を含有する皮膜の組織は緻密であった。また、Crに近いSUS430の部分およびCrの部分は、再結晶しており、それらの平均結晶粒径は約12μmであった。
【0029】
実施例2
圧延加工した厚み1.0mmのSUS310S板を150mm×150mmのサイズに切出し、その表面に溶射により100μmの厚みのTi皮膜を形成した。次いで、プレス加工により、表面を滑らかにするとともに、溝付けを行なった。その後、N2:NH3:CO2=1:1:0.07の組成を有する雰囲気下で、Ti被覆されたSUS板を973Kで5時間加熱して、表面に窒化膜を形成し、セパレータを得た。実施例1と同様にEPMAにより断面方向のN濃度の分布を測定した結果、図11に示すように、表面から連続的にN濃度が低下し、約50μmの深さでNがほぼ存在しなくなることが分かった。表面に近い部分は、TiNが優勢であり、内部では、Ti2Nが検出された。図11に示すように表面にいくほどN濃度が高い保護皮膜が得られた。SUS310Sの組織は、加工組織をほとんど有さない再結晶組織であり、その平均結晶粒径は20μmであった。
【0030】
実施例3
圧延加工した厚み0.8mmのSUS304板を150mm×150mmのサイズに切出し、その両面に溶射により100μmの厚みのTi皮膜を形成した。次いで、プレス加工により、表面を滑らかにするとともに、溝付けを行なった。その後、N2:NH3:CO2=1:1:0.07の組成を有する雰囲気下で、Ti被覆されたSUS板を490℃で5時間加熱して、表面に窒化膜を形成し、セパレータを得た。セパレータのステンレス鋼において少なくとも表面層は、再結晶組織であり、その平均結晶粒径は17μmであった。
【0031】
実施例4
圧延加工した厚み0.9mmのSUS304板を150mm×150mmのサイズに切出し、プレス加工により溝つけを行なった。次いで、その表面に実施例1と同様に電気めっきにより50μmの厚みのCr皮膜を形成した。その後N2雰囲気下で、Cr被覆されたSUS板を1040℃で2時間加熱して、表面に窒化膜を形成し、セパレータを得た。セパレータのステンレス鋼は、加工組織をほとんど有さない再結晶組織であり、その平均結晶粒径は35μmであった。
【0032】
比較例1
圧延加工した厚さ1mmのSUS304板を150mm×150mmのサイズに切出した後、プレス加工により溝つけを行ない、セパレータを得た。得られたセパレータにおいて、SUSは圧延加工組織を有していた。
【0033】
比較例2
圧延加工した厚さ1mmのSUS304板を150mm×150mmのサイズに切出した後、プレス加工により溝つけを行なった。次いで、加工したSUS304板を450℃の温度で5時間加熱し、冷却してセパレータを得た。得られたセパレータにおいて、ステンレス鋼の平均結晶粒径は5μmであった。
【0034】
参考例1、実施例1〜4、ならびに比較例1および2のセパレータをそれぞれ用いて固体高分子型燃料電池セルを作製した。高分子電解質膜には、デュポン(du Pont)社製のナフィオン膜を使用し、電極にはカーボンブラックとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の混合体を使用した。得られたセルサンプルについて連続出力試験を行ない、表1に示すような結果を得た。また、試験終了後に実施例1〜4のセパレータを観察した結果、錆の発生はなく、保護層は、十分にSUS板に密着していた。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、良好な耐食性を有し、使用の間、電気抵抗の変化が少ないセパレータを提供できる。本発明によるセパレータは、塑性加工等によって形成することができ、高い加工精度で作製できる。本発明によるセパレータは、高い疲労強度を有することができ、しかも長期にわたって少ない劣化で使用できる良好な耐久性を有することができる。また、本発明によるセパレータは、低コストで提供できる。本発明によるセパレータは、特に自動車等の車両用燃料電池に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 固体高分子型燃料電池の構造の一例を模式的に示す斜視図である。
【図2】 本発明よるセパレータの一例を示す概略断面図である。
【図3】 本発明よるセパレータのもう一つの例を示す概略断面図である。
【図4】 (a)〜(c)は、本発明によるセパレータの保護層ついて、表面からの深さとN含量との関係の例を示す図である。
【図5】 本発明よるセパレータのもう一つの例を示す概略断面図である。
【図6】 本発明よるセパレータのさらなる例を示す概略断面図である。
【図7】 本発明よるセパレータのさらなる例を示す概略断面図である。
【図8】 (a)〜(c)は、本発明によるセパレータの製造方法の一例を示す概略断面図である。
【図9】 (a)〜(d)は、本発明によるセパレータの製造方法のもう一つの例を示す概略断面図である。
【図10】 実施例1の保護層におけるN濃度分布を示す図である。
【図11】 実施例2の保護層におけるN濃度分布を示す図である。
【符号の説明】
11 高分子電解質膜
12 負極
13 正極
1、14、15、20、40、50、60 セパレータ
21、41、51、61a、61b 金属材料層
22、42、52、62、72、92 保護層
Claims (7)
- 高分子電解質膜に積層される正極または負極に酸化剤または燃料を供給するための通路を有するセパレータであって、
金属材料層と、
前記金属材料層を覆う保護層とからなり、
前記金属材料層は、少なくとも前記保護層と接する部分に、10μm以上の平均結晶粒径を有する前記金属材料の多結晶組織を有し、かつ
前記保護層は、金属窒化物を含有し、
前記保護層におけるN含量は、前記保護層の表面から内部にいくにしたがって減少しており、
前記保護層の、前記金属材料層との境界領域には、前記金属窒化物が含まれないことを特徴とする、固体高分子型燃料電池用セパレータ。 - 前記金属窒化物は、Ti、Ti合金、Cr、Cr合金、Zr、Zr合金、Hf、Hf合金、V、V合金、Nb、Nb合金、TaおよびTa合金の窒化物よりなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1に記載のセパレータ。
- 前記金属窒化物は、Tiの窒化物であり、かつ
前記保護層は、前記Tiの窒化物としてTiNおよびTi2Nの少なくとも1種を含むことを特徴とする、請求項1に記載のセパレータ。 - 前記金属窒化物は、Crの窒化物であり、かつ
前記保護層は、前記Crの窒化物としてCrN、Cr2N、CrN2およびCr(N3)3よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする、請求項1に記載のセパレータ。 - 前記金属材料は、第1の金属を含み、
前記金属窒化物は、前記第1の金属と異なる第2の金属の窒化物であり、かつ
前記金属窒化物は、前記第1の金属上に堆積された前記第2の金属を窒化することにより形成されたものであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のセパレータ。 - 前記第1の金属は、ステンレス鋼であり、かつ
前記第2の金属は、Ti、Ti合金、CrおよびCr合金よりなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする、請求項5に記載のセパレータ。 - 前記金属材料は、Fe、Fe合金、Ni、Ni合金、Cr、Cr合金、Cu、Cu合金、Al、Al合金、TiおよびTi合金よりなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のセパレータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17001299A JP4719948B2 (ja) | 1999-06-16 | 1999-06-16 | 固体高分子型燃料電池用セパレータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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