JP4665264B2 - 固体高分子型燃料電池用セパレータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池用セパレータおよびその製造方法に関し、特に、高分子電解質膜を有する固体電解質型燃料電池である固体高分子型燃料電池(PEFC)に使用するセパレータおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水素ガスを燃料とし、酸素ガスを酸化剤とする固体高分子型燃料電池は、たとえば図1に示すようなセル構造を有する。セル10において、高分子電解質膜11の両側には、触媒が付与された負極(水素極)12および正極(酸素極)13が設けられ、さらにそれらを挟むように、セパレータ14および15が設けられる。セパレータ14および15は、それぞれ、水素供給用通路(溝)16および酸素供給用通路(溝)17を有する。水素ガスおよび酸素ガスは、それぞれ外から供給孔(図示省略)を介して通路16および17に導かれ、それぞれ負極12および正極13に供給される。
負極側では、次式で示す反応が起こり、
H2→2H++2e-
正極では、次式で示す反応が起こり、
1/2O2+2H++2e-→H2O
全反応は、次式で表される。
H2+1/2O2→H2O
上で示すように、負極では、H+が生じるため、セパレータは、耐酸性を有する必要がある。また、セパレータは、正極側において酸素に晒されるため、耐酸化性を有する必要がある。このようにセパレータには、耐食性が要求される。さらに、燃料電池の内部抵抗を低く抑えるため、セパレータの電気抵抗は、低いことが望ましい。加えて、寸法(特に厚み)の精度、平坦度(そりが少ないこと)、気密性(ガスの透過防止)、加工性、強度、軽量であること、低コスト等が、セパレータに要求される。
【0003】
従来、固体高分子型燃料電池用セパレータの材料として、黒鉛が有力であるとされてきた。しかし、黒鉛は、次のような欠点を有している。黒鉛のセパレータは、切削加工により形成されるため、その加工費は比較的高く、そのコストの低減にはある程度限界がある。自動車等の車両に搭載する燃料電池では、低コストであることが最も重要な課題の1つであるため、この点で黒鉛のセパレータは不利である。また、黒鉛は脆く、したがって、振動の多い用途、たとえば自動車等の車両に搭載する燃料電池において、割れの発生が懸念される。黒鉛は、耐久性の点でも不利である。
【0004】
一方、通常の加工された金属材料は、加工性、強度、コストの点で有利であるが、耐食性に劣り、使用している間にその電気抵抗が増加し、燃料電池の特性を劣化させてしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の1つの目的は、上述した従来技術の課題に鑑み、以下の点を有する固体高分子型燃料電池用セパレータを提供することである。
(1)良好な耐食性。
(2)使用の間、電気抵抗の変化が少ない。
(3)良好な加工性。
(4)低コスト。
(5)高い疲労強度および良好な耐久性。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明により提供されるセパレータは、高分子電解質膜に積層される正極または負極に酸化剤または燃料を供給するための通路を有するセパレータであって、表面が窒化されることなく硬化された金属材料からなり、その硬度は、その表面から内部にいくにしたがって低くなっていることを特徴とする。
【0007】
本発明によるセパレータは、250以上のビッカース硬度の硬化された表面を有することが好ましい。
【0009】
本発明によるセパレータは、複数種の金属材料の積層物からなってもよく、そこにおいて、最上層の金属材料が硬化されていてもよい。最上層の金属材料は、Ti、Ti合金、Cr、Cr合金、Zr、Zr合金、Hf、Hf合金、V、V合金、Nb、Nb合金、TaおよびTa合金よりなる群から選ばれた少なくとも1種とすることができる。本発明により提供されるセパレータは、高分子電解質膜に積層される正極または負極に酸化剤または燃料を供給するための通路を有するセパレータであって、金属材料からなり、金属材料は、複数種の金属材料の積層物であり、そこにおいて、最上層の金属材料が窒化により硬化されており、かつ窒化により硬化される部分の硬度は、その表面から内部にいくにしたがって低くなっており、最上層の金属材料は、Cr、Cr合金、Zr、Zr合金、Hf、Hf合金、V、V合金、Nb、Nb合金、TaおよびTa合金よりなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする。本発明によるセパレータは、250以上のビッカース硬度の硬化された表面を有することが好ましい。本発明によるセパレータにおいて、窒化により硬化されている部分のN含量は、その表面から内部にいくにしたがって減少していることが好ましい。好ましい態様において、最上層の金属は、Crであり、かつCrの窒化物としてCrN、Cr 2 N、CrN 2 およびCr(N 3 ) 3 よりなる群から選ばれる少なくとも1種が含有される。
【0010】
本発明において、金属材料は、Fe、Fe合金、Ni、Ni合金、Cr、Cr合金、Cu、Cu合金、Al、Al合金、TiおよびTi合金よりなる群から選ぶことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明によるセパレータは、金属を使用する。金属は、塑性加工等により、高い精度で加工することができ、しかも、コストの低減に寄与する。本発明では、この金属の表面を硬化している。硬化された表面を有する金属からなるセパレータは、比較的高い導電率を有し、しかも耐食性を有する。硬化された表面では、クラックの発生が低減する。また、硬化された表面を有するセパレータは、高い疲労強度を有し、耐久性に優れている。これらの特性を有するセパレータは、長期の温度サイクルを伴う環境下での燃料電池の使用に対し、出力特性の低下を抑えることができる。本発明において、硬化された表面の硬度は、ビッカース硬度で、250以上であることが好ましい。後に具体的に示すように、250以上のビッカース硬度を有する表面は、疲労強度および耐食性の向上をより効果的にもたらし、その結果、燃料電池の出力特性の低下を効果的に抑えることができる。硬化された表面について、好ましいビッカース硬度の範囲は、250〜3500であり、より好ましい範囲は、600〜2500である。
【0012】
本発明における硬化された表面は、窒化、高周波焼入れ等の焼入れ、ショットピーニングなどによって金属材料の表面に圧縮応力を残留させることにより、形成することができる。
【0013】
図2(a)、(b)および(c)は、本発明によるセパレータの断面構造の例を示す。燃料ガスまたは酸化剤ガスのための通路5を有するセパレータ1は、金属材料からなる。この金属材料の全表面または少なくとも通路5を形成する表面1aは、硬化され、内部より高い硬度を有している。図2(a)は、セパレータの表面および裏面にそれぞれ形成される通路の方向が互いにほぼ直角であるものを示し、図2(b)は、セパレータの表面および裏面にそれぞれ形成される通路の方向がほぼ同じものを示し、図2(c)は、波板形状に加工されたセパレータを示す。セパレータ1における硬度(たとえばビッカース硬度)の分布は、たとえば図3(a)および(b)に示すとおりである。図に示すように、表面の硬度がもっとも高く、表面から内部にいくにしたがって徐々に硬度が低下している。ある深さからは、硬度はほぼ一定である。硬度は、図3(a)に示すように連続的に(単調に)減少してもよいし、あるいは、図3(b)に示すように段階的に減少してもよい。いずれにせよ、このように表面から内部にいくにしたがって硬度が減少する組織は、クラックの発生が少なく、高い疲労強度を有し得る。
【0014】
図4は、本発明によるセパレータの断面構造のもう一つの例を示す。燃料ガスまたは酸化剤ガスのための通路25を有するセパレータ20において、金属材料層21は、金属窒化物を主成分とする保護層22で覆われている。保護層22は、窒化による硬化処理により形成される。保護層22において、Nまたは窒化物の含量または濃度は、図5(a)に示すように段階的に減少してもよいし、図5(b)に示すように連続的に(単調に)減少してもよい。特定的には、保護層22は、いわゆる傾斜組成膜であることが好ましい。好ましい態様において、保護層の最表面において、N含量または窒化物含量は最大である。好ましい1つの態様において、保護層の最表面では、金属の略全体が窒化されており、一方、内部では窒化物と金属の複合材料層が形成され、保護層22と金属材料層21の境界領域では、窒化物は、ほとんど含まれなくなる。複合材料層において、窒化物の濃度または体積率は、内部にいくにしたがって減少し、金属の濃度または体積率は、内部にいくにしたがって増加する。
【0015】
また、本発明によるセパレータにおいて、金属材料層は、1種の金属材料からなってもよいし、2種以上の金属材料からなってもよい。1種の金属材料を用いる場合、準備し、加工した金属材料の表面を硬化することができる。2種以上の金属材料を使用する場合、たとえば、用意した金属材料上に他の金属を堆積し、堆積された金属の表面を硬化することができる。いずれの場合も、硬度は、硬化された表面から内部にいくにしたがって減少している。1種の金属材料を用いた例を図6に示す。図6に示すセパレータ40において、金属材料41は、ステンレス鋼からなる。表面41aは、たとえば、ショットピーニングにより硬化されている。硬度は、表面から内部にいくにしたがって減少する。セパレータ40の表面および裏面には、それぞれ燃料および酸化剤のための通路45aおよび45bが形成されている。2種の金属を使用した例を図7に示す。図7に示すセパレータ60において、金属材料層61aは、アルミニウムまたはステンレス鋼からなる。保護層62は、Tiの窒化物(TiN、Ti2N)またはCrの窒化物(CrN、Cr2N、CrN2、Cr(N3)3)を主成分とし、その表面は窒化物で占められる一方、内部は、窒化物とTiまたはCrとの複合体であり、N含量は、内部にいくにしたがって減少し、それとともに硬度も表面から内部にいくにしたがって減少する。このような構造は、金属材料層61aの上にTiまたはCr層61bを重ね、その表面を窒化により硬化することによって得られる。セパレータ60の表面および裏面には、それぞれ燃料および酸化剤のための通路65aおよび65bが形成されている。
【0016】
本発明によるセパレータにおいて、金属材料は、10-4Ω・cm以下の電気抵抗を有することが好ましく、10-5Ω・cm以下がより好ましい。金属材料は、たとえば、Fe、Fe合金、Ni、Ni合金、Cr、Cr合金、Cu、Cu合金、Al、Al合金、TiおよびTi合金よりなる群から選ぶことができる。セパレータを形成する金属材料の厚みは、0.1〜2.0mmとすることができ、好ましくは、0.2〜1.0mmとすることができる。一方、保護層の窒化物は、たとえば、Ti、Ti合金、Cr、Cr合金、Zr、Zr合金、Hf、Hf合金、V、V合金、Nb、Nb合金、TaおよびTa合金の窒化物よりなる群から選ぶことができる。特に、電気抵抗の低い窒化物が好ましく、10〜1000×10-6の電気抵抗を有する窒化物が好ましく、10〜500×10-6の電気抵抗を有する窒化物がより好ましい。耐食性、低い電気抵抗、低い成膜コストの観点から、Tiの窒化物(TiNの電気抵抗は22〜130×10-6)およびCrの窒化物(Crの電気抵抗は640×10-6)がより好ましい。窒化物を含む保護層の厚みは、3〜500μmとすることができ、好ましくは、5〜50μmとすることができる。
【0017】
本発明によるセパレータは、圧延加工等の塑性加工により適当な厚みにされた金属材料を適当な大きさに切出した後、プレス加工等の塑性加工により、酸化剤または燃料のための通路を含む適当な形状を金属材料につけ、次いで、窒化、高周波焼入れ等の焼入れ、ショットピーニングなどによって金属材料の表面に圧縮応力を残留させることにより得ることができる。
【0018】
また、本発明により窒化膜を有するセパレータは、たとえば、図8(a)〜8(c)に示すような方法により製造することができる。まず、図8(a)に示すように燃料または酸化剤の流路となる溝75および必要に応じて孔などのその他の形状(図示せず)を有する金属板71を調製する。溝等の必要な形状は金属板をプレス加工等の塑性加工することによって得ることができる。次いで、必要に応じて熱処理等により歪みを除去し、さらに必要に応じてプラズマエッチング等により金属板の表面を覆う酸化膜を除去する。次に図8(b)に示すように、加工された金属板71の清浄な表面から窒化処理を施す。窒化処理は、窒素雰囲気下での加熱、プラズマ窒化法等の種々の窒化法により行なうことができる。特に、プラズマ窒化法は、アンモニア分解ガスやシアン化合物を用いた窒化法より、緻密な窒化膜を形成できる点で有利である。プラズマ窒化法では、たとえば、0.1〜10Torrの窒素混合ガス雰囲気下で、炉体を陽極、被処理物を陰極とし、数百ボルトの直流電圧を両極間に印加する。その結果、グロー放電が生じ、ネオンサインに似た柔らかい光が被処理物を覆い、その際、イオン化されたガス成分が、高速に加速され、被処理物に衝突し、加熱およびスパッタリング作用等により、窒化が進行する。窒素混合雰囲気には、たとえば、N2:NH3:CO2=1:1:0.07の組成物を使用し、処理温度は、たとえば、500〜1000℃である。窒化処理の結果、金属板71の表面が窒化され、図8(c)に示すように、金属窒化物を主成分とする保護膜72が形成される。
【0019】
また、本発明によるセパレータは、図9(a)〜(d)に示すような方法により製造してもよい。まず、図9(a)に示すように、表面が平坦な金属板81を用意する。次いで、図9(b)に示すように、金属板81上に金属層82を形成する。この工程は、クラッド、溶射、PVD、CVD、蒸着、電気めっき等のめっきなどにより行なうことができる。Ti層を形成する場合、クラッド、溶射、PVD、CVDが好ましく、Cr層を形成する場合、クラッド、溶射、PVD、CVD、蒸着、電気めっきが好ましい。Cr層の形成は、安価に行なえる蒸着または電気めっきを利用できるので、有利である。次いで、必要に応じて平滑化を行なった後、図9(c)に示すように、溝85などの必要な形状を有するよう金属板81をプレス等により加工する。その後、必要に応じて熱処理等により歪みを除去し、さらに必要に応じて金属層82の表面にできた酸化膜をプラズマエッチング等によって除去する。次いで、窒化処理を行ない、図9(d)に示すように、金属層を窒化して、保護層92を形成する。窒化は、上述と同様の方法により行なうことができる。このように、金属層を窒化することにより、良好な耐食性を有する窒化膜を安価に得ることができる。上述した窒化処理において、金属層にビッカース硬度250以上の窒化膜を形成することができる。
【0020】
本発明によれば、0.1〜2.0mm、好ましくは0.2〜1.0mmの厚みを有する比較的薄いセパレータを提供できる。また、本発明によれば、100〜500cm2の面積、好ましくは200〜300cm2の面積を有するセパレータを高い加工精度で提供できる。このようなセパレータは、400枚程度のセルを有する燃料電池、特に自動車等の車両用の燃料電池に好適である。
【0021】
【実施例】
実施例1
圧延加工した厚み1mmのSUS430板(Fe−18重量%Cr合金)を150mm×150mmのサイズに切出し、プレス加工により溝つけを行なった。次いで、加工されたSUS板の表面をショットピーニングによって硬化させ、セパレータを得た。ショットピーニングは、平均直径0.5mmの鋳鋼ショットを用い、遠心式の装置で実施した。得られたセパレータの中心部のビッカース硬度(Hv)は、160である一方、表面層のビッカース硬度(Hv)は、270であった。
【0022】
実施例2
圧延加工した厚み1mmのSUS430板を150mm×150mmのサイズに切出し、その表面に溶射により100μmの厚みのTi皮膜を形成した。次いで、プレス加工により、表面を滑らかにするとともに、溝付けを行なった。その後、N2:NH3:CO2=1:1:0.07の組成を有する雰囲気下で、Ti被覆されたSUS板を973Kで5時間加熱して表面を窒化し、セパレータを得た。セパレータ中心部のビッカース硬度(Hv)は160である一方、表面層の硬度(Hv)は、1300であった。
【0023】
実施例3
圧延加工した厚み1mmのSUS430板を150mm×150mmのサイズに切出し、プレス加工により溝つけを行なった。次いで、その表面に電気めっきにより50μmの厚みのCr層を形成した。クロムめっきには、150g/lの無水クロム酸、2.0g/lの硫酸、および1.5g/lの硫酸クロムを含有し、13.5のボーメ比重を有するめっき水溶液を用いた。溝つきSUS板をめっき浴につけ、50℃の温度、10A/dm2の電流密度で電気めっきを行なった。その後、CrめっきしたSUS430板を窒化した。窒化処理では、1Torrの窒素混合ガス雰囲気下で、炉体を陽極、SUS板を陰極とし、電極間に300Vの直流電圧を印加した。この処理中、SUS板は、600℃に加熱され、窒素混合ガスとしてN2:NH3:CO2=1:1:0.07の組成物が使用された。この処理によりCr層が窒化され、硬化表面を有するセパレータが得られた。セパレータ中心部のビッカース硬度(Hv)は160である一方、表面層のビッカース硬度(Hv)は、940であった。
【0024】
比較例1
圧延加工した厚さ1mmのSUS340板を150mm×150mmのサイズに切出した後、プレス加工により溝つけを行ない、セパレータを得た。得られたセパレータにおいて、中心部および表面層ともビッカース硬度(Hv)は220であった。
【0025】
実施例1〜3、および比較例1のセパレータをそれぞれ用いて固体高分子型燃料電池セルを作製した。高分子電解質膜には、デュポン(du Pont)社製のナフィオン膜を使用し、電極にはカーボンブラックとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の混合体を使用した。得られたセルサンプルについて連続出力試験を行ない、表1に示すような結果を得た。また、試験終了後に実施例2および3のセパレータを観察した結果、錆の発生はなく、窒化層は、十分にSUS板に密着していた。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、良好な耐食性を有し、使用の間、電気抵抗の変化が少ないセパレータを提供できる。本発明によるセパレータは、塑性加工等によって形成することができ、高い加工精度で作製できる。本発明によるセパレータは、高い疲労強度を有することができ、しかも長期にわたって少ない劣化で使用できる良好な耐久性を有することができる。また、本発明によるセパレータは、低コストで提供できる。本発明によるセパレータは、特に自動車等の車両用燃料電池に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】固体高分子型燃料電池の構造の例を模式的に示す斜視図である。
【図2】(a)〜(c)は本発明によるセパレータの一例を示す概略断面図である。
【図3】(a)および(b)は、本発明によるセパレータにおいて硬度の分布の例を示す図である。
【図4】本発明によるセパレータのもう一つの例を示す概略断面図である。
【図5】(a)および(b)は、本発明によるセパレータの保護層について、表面からの深さとN含量との関係の例を示す図である。
【図6】本発明によるセパレータのもう一つの例を示す概略断面図である。
【図7】本発明によるセパレータのさらなる例を示す概略断面図である。
【図8】(a)〜(c)は、本発明によるセパレータの製造方法の一例を示す概略断面図である。
【図9】(a)〜(d)は、本発明によるセパレータの製造方法のもう一つの例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
11 高分子電解質膜
12 負極
13 正極
1、14、15、20、40、50、60 セパレータ
21、41、51、61a、61b 金属材料層
22、42、52、62、72、92 保護層
Claims (9)
- 高分子電解質膜に積層される正極または負極に酸化剤または燃料を供給するための通路を有するセパレータであって、
金属材料からなり、
前記金属材料の表面は窒化されることなく硬化されており、かつ
前記セパレータの硬度は、その表面から内部にいくにしたがって低くなっていることを特徴とする、固体高分子型燃料電池用セパレータ。 - 250以上のビッカース硬度の硬化された表面を有することを特徴とする、請求項1に記載のセパレータ。
- 前記金属材料は、複数種の金属材料の積層物であり、そこにおいて、最上層の金属材料が硬化されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のセパレータ。
- 前記最上層の金属材料は、Ti、Ti合金、Cr、Cr合金、Zr、Zr合金、Hf、Hf合金、V、V合金、Nb、Nb合金、TaおよびTa合金よりなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする、請求項3に記載のセパレータ。
- 高分子電解質膜に積層される正極または負極に酸化剤または燃料を供給するための通路を有するセパレータであって、
金属材料からなり、
前記金属材料は、複数種の金属材料の積層物であり、そこにおいて、最上層の金属材料が窒化により硬化されており、かつ窒化により硬化される部分の硬度は、その表面から内部にいくにしたがって低くなっており、
前記最上層の金属材料は、Cr、Cr合金、Zr、Zr合金、Hf、Hf合金、V、V合金、Nb、Nb合金、TaおよびTa合金よりなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする、固体高分子型燃料電池用セパレータ。 - 250以上のビッカース硬度の硬化された表面を有することを特徴とする、請求項5に記載のセパレータ。
- 前記窒化により硬化されている部分のN含量は、その表面から内部にいくにしたがって減少していることを特徴とする、請求項6に記載のセパレータ。
- 前記最上層の金属は、Crであり、かつ
前記Crの窒化物としてCrN、Cr2N、CrN2およびCr(N3)3よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする、請求項5〜7のいずれかに記載のセパレータ。 - 前記金属材料は、Fe、Fe合金、Ni、Ni合金、Cr、Cr合金、Cu、Cu合金、Al、Al合金、TiおよびTi合金よりなる群から選ばれた少なくとも1種からなることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のセパレータ。
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JP2001006703A (ja) | 2001-01-12 |
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