JP4719124B2 - 基板の位置決め方法、基板の位置決め装置、搬送装置及びプロセス装置 - Google Patents

基板の位置決め方法、基板の位置決め装置、搬送装置及びプロセス装置 Download PDF

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本発明は、基板の位置決め方法、基板の位置決め装置、搬送装置及びプロセス装置に関する。
有機EL(エレクトロ・ルミネセンス)ディスプレイパネルを製造する際には、矩形状のガラス基板の下面を蒸着面とすると共に、ガラス基板の下面側から蒸着材料の蒸気を供給して、蒸着面への蒸着プロセスを行っている。
このような蒸着プロセスにおいては、蒸着面への不純物の付着を防止するため、ガラス基板を支持、搬送する際、ガラス基板の上面か、若しくは、ガラス基板の下面の周辺部の僅かな部分、つまり、蒸着が行われない僅かな部分しか、接触が許されておらず、その部分のみを支持、保持することになる。従って、例えば、ガラス基板の下面の周辺部を支持、保持して搬送する場合、ガラス基板の位置決めを精度よく行って、支持又は搬送を行うことが重要となる。
特許3019095号公報 特開2005−193303号公報 特開平6−335851号公報
ガラス基板を位置決めする手段としては、例えば、パルス制御モータの回転角(パルスエンコーダによる回転角)を用いて、ガラス基板の位置決めを行ったり(特許文献1)、ガラス基板の両端の位置検出をしながら、ガラス基板の位置決めを行ったり(特許文献2)、リファレンスピンの位置検出を行うことにより、ガラス基板の位置決めを行ったり(特許文献3)するものが開示されている。
上述したような位置決め手段を用いる際にも、ガラス基板を支持しておく必要があり、ガラス基板を支持する部分は、上記場合と同様に、ガラス基板の下面の周辺部に限られてしまい、ガラス基板の下面の周辺部を複数の支持ピン等で支持することになる。
ところが、ガラス基板の下面の周辺部を複数の支持ピンで支持する場合、ガラス基板の自重によりガラス基板自体が撓み、そのことにより、実際のガラス基板の位置(例えば、中心位置や端部位置等)が、位置決めの基準となる位置からずれる場合がある。このような場合、上述した位置決め手段を用いて、ガラス基板の一辺を所定位置まで押して位置決めをしようとしても、押した量に対して、ガラス基板自体が変形に逃げる可能性があり、押された一辺の対辺が所定位置まで移動するとは限らなかった。
このように、従来の位置決め手段は、ガラス基板自体の撓みや変形まで十分に考慮されておらず、位置精度が十分なものではなかった。特に、ガラス基板の大きさが大きくなってきている近年においては、位置精度が更に悪くなるおそれもあり、場合によっては、ガラス基板の搬送が正しく行えなかったり、位置精度の悪さのためプロセスに悪い影響を与えたりするおそれもあった。
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、ガラス基板自体の撓みや変形を考慮して、位置精度を向上させた基板の位置決め方法、基板の位置決め装置、搬送装置及びプロセス装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する第1の発明に係る基板の位置決め方法は、
矩形状のガラス基板を支持する際に、プロセスの対象領域でない該ガラス基板の周辺部を複数の支持ピンで下方から支持し、
前記ガラス基板の隣り合う2つの側端部に対向して、前記ガラス基板の基準位置となる2つの基準部材を配置し、
前記2つの側端部の反対側となる他方側の2つの側端部に対向して設けられた2つの押付部材を用いて、前記他方側の2つの側端部を押し付けると共に、前記他方側の2つの側端部を押し付ける前記押付部材の荷重又はトルクの経時変化を測定し、
前記押付部材が前記ガラス基板の最大静止摩擦力に等しい荷重又はトルクを前記ガラス基板側に付与した後、前記ガラス基板が前記基準部材に押し当てられて、前記ガラス基板に付与する前記押付部材の荷重又はトルクが前記ガラス基板の動摩擦力より大きくなった時点をもって、前記ガラス基板の位置決めが完了したと判断することを特徴とする。
上記課題を解決する第2の発明に係る基板の位置決め方法は、
上記第1の発明に記載の基板の位置決め方法において、
前記基準部材、前記押付部材として、前記ガラス基板の側端部と同等の長さの平板状のものか、若しくは、前記ガラス基板の側端部と同等の長さのものに、前記ガラス基板の側端部に接触する少なくとも2つのピンを設けたものを用いることを特徴とする。
上記課題を解決する第3の発明に係る基板の位置決め方法は、
上記第1、第2の発明に記載の基板の位置決め方法において、
前記ガラス基板の対向する1対の辺の中央に各々少なくとも1つの第1支持ピンを配置すると共に、前記ガラス基板の他の対向する1対の辺に各々少なくとも2つの第2支持ピンを配置して、前記複数の支持ピンを少なくとも合計6つ以上の支持ピンから構成し、
前記第1支持ピン及び前記第2支持ピンを、前記ガラス基板の4角を避けて、前記ガラス基板の周辺部に配置することを特徴とする。
上記課題を解決する第4の発明に係る基板の位置決め装置は、
矩形状のガラス基板を支持する際に、プロセスの対象領域でない該ガラス基板の周辺部を下方から支持する複数の支持ピンと、
前記ガラス基板の隣り合う2つの側端部に対向して設けられ、前記ガラス基板の基準位置となる2つの基準部材と、
前記2つの側端部の反対側となる他方側の2つの側端部に対向して設けられ、前記他方側の2つの側端部に押し付けられる2つの押付部材と、
前記2つの押付部材を前記2つの基準部材の方へ各々駆動させる2つの駆動手段と、
前記他方側の2つの側端部に押し付ける前記押付部材の荷重又はトルクの経時変化を測定する測定手段と、
前記測定手段の測定に基づいて、前記駆動手段を制御して、前記ガラス基板の位置決め状態を判断する制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記押付部材が前記ガラス基板の最大静止摩擦力に等しい荷重又はトルクを前記ガラス基板側に付与した後、前記ガラス基板が前記基準部材に押し当てられて、前記ガラス基板に付与する前記押付部材の荷重又はトルクが前記ガラス基板の動摩擦力より大きくなった時点をもって、前記ガラス基板の位置決めが完了したと判断することを特徴とする。
上記課題を解決する第5の発明に係る基板の位置決め装置は、
上記第4の発明に記載の基板の位置決め装置において、
前記基準部材、前記押付部材を、前記ガラス基板の側端部と同等の長さの平板状のものとするか、若しくは、前記ガラス基板の側端部と同等の長さのものに、前記ガラス基板の側端部に接触する少なくとも2つのピンを設けたものとすることを特徴とする。
上記課題を解決する第6の発明に係る基板の位置決め装置は、
上記第4、第5の発明に記載の基板の位置決め装置において、
前記複数の支持ピンは、前記ガラス基板の対向する1対の辺の中央に各々配置した少なくとも1つの第1支持ピンと前記ガラス基板の他の対向する1対の辺に各々配置した少なくとも2つの第2支持ピンの少なくとも合計6つ以上の支持ピンから構成され、
前記第1支持ピン及び前記第2支持ピンを、前記ガラス基板の4角を避けて、前記ガラス基板の周辺部に配置したことを特徴とする。
上記課題を解決する第7の発明に係る搬送装置は、
ガラス基板の位置決め及び搬送を行う搬送装置であって、
上記第4〜第6のいずれかに記載の基板の位置決め装置を備えたことを特徴とする。
上記課題を解決する第8の発明に係るプロセス装置は、
ガラス基板にプロセスを行うプロセス装置であって、
上記第7に記載の搬送装置と、前記ガラス基板にプロセスを行う少なくとも1つのプロセスチャンバとを備え、
前記ガラス基板は、前記基板の位置決め装置で位置決めされた後、前記プロセスチャンバに搬送されることを特徴とする。
上記課題を解決する第9の発明に係るプロセス装置は、
ガラス基板にプロセスを行うプロセス装置であって、
上記第7に記載の搬送装置と、前記ガラス基板に蒸着を行う少なくとも1つの蒸着チャンバとを備え、
前記ガラス基板は、前記基板の位置決め装置で位置決めされた後、前記ガラス基板をマスクするマスク部材を保持する保持部材上に載置されて、前記蒸着チャンバに搬送されることを特徴とする。
第1、第2、第4、第5の発明によれば、ガラス基板が基準部材に押し当てられた後、ガラス基板に付与する押付部材の荷重又はトルクがガラス基板の動摩擦力より大きくなった時点をもって、つまり、ガラス基板自体の弾性変形に対する反力を検出することによって、ガラス基板の位置決めが完了したと判断するので、エンコーダ等による位置検出に比べ分解能が高くなると共に、撓み等の変形を伴うガラス基板3であっても高精度に位置決めを行うことができる。又、上記発明に係る装置、方法は、単純なものでありながら、変形を伴うガラス基板の位置決めを高精度で行うことができる。
第3、第6の発明によれば、ガラス基板の周辺部を支持する支持ピンの数、配置位置を最適なものとしたので、複数の支持ピン上に支持されるガラス基板の自重による撓みを減少させて、位置決め時における位置精度を更に向上させることができる。
第7の発明によれば、第4〜第6の発明に記載の位置決め装置を備えたので、搬送装置におけるガラス基板の搬送位置の精度を向上させることができる。
第8の発明によれば、第7の発明に記載の搬送装置を備えたので、プロセス装置におけるガラス基板の搬送位置の精度を向上させて、プロセスの安定性を向上させることができる。
第9の発明によれば、第7の発明に記載の搬送装置を備えたので、プロセス装置におけるガラス基板の搬送位置の精度を向上させて、マスク部材を有するマスクホルダ上にガラス基板を精度よく載置することができる。その結果、ガラス基板の載置ミスを低減すると共に、プロセスの安定性を向上させることができる。
以下、図1〜図10を用いて、本発明に係る基板の位置決め方法、基板の位置決め装置及びそれを備えた搬送装置、プロセス装置の実施形態例のいくつかを説明する。
図1は、本発明に係る基板の位置決め装置を示す図であり、図1(a)は、その側面図、図1(b)は、その平面図を示し、図1(c)は、その構成要素の変形例を示す図である。
本実施例の位置決め装置1は、図示しない真空装置やガス供給系により内部を真空状態や所望のガス雰囲気にすることができるチャンバ2と、チャンバ2の底面側に設けられ、矩形状のガラス基板3の周辺部を下面側から支持する複数の支持ピン4a、4bと、同じく、チャンバ2の底面側に設けられ、支持ピン4a、4bを昇降させる昇降装置5とを有するものである。
更に、位置決め装置1は、支持ピン4a、4bが支持するガラス基板3と同じ高さ位置に、ガラス基板3の位置決めを行う機構を2組備えている。
具体的には、X方向の位置決め機構として、ガラス基板3のX方向の一方側の側端部の短辺3a2に対向して配置され、ガラス基板3のX方向の基準位置を定める基準面プレート6と、チャンバ2内の真空を保持可能な導入端子(図示せず。)を介して、チャンバ2の外壁に設けられ、基準面プレート6をX方向に移動させる駆動装置7と、ガラス基板3のX方向の他方側の側端部の短辺3a1に対向して配置され、ガラス基板3の短辺3a1を基準面プレート6側に押し付ける押付プレート10と、チャンバ2内の真空を保持可能な導入端子(図示せず。)を介して、チャンバ2の外壁に設けられ、押付プレート10をX方向に移動させる駆動装置12と、押付プレート10と駆動装置12とを接続する接続部材17に設けられ、ガラス基板3を押し付ける際の荷重を検出するロードセル11とを有している。
同様に、Y方向の位置決め機構として、ガラス基板3のY方向の一方側の側端部の長辺3b2に対向して配置され、ガラス基板3のY方向の基準位置を定める基準面プレート8と、チャンバ2内の真空を保持可能な導入端子(図示せず。)を介して、チャンバ2の外壁に設けられ、基準面プレート8をY方向に移動させる駆動装置9と、ガラス基板3のY方向の他方側の側端部の長辺3b1に対向して配置され、ガラス基板3の長辺3b1を基準面プレート8側に押し付ける押付プレート13と、チャンバ2内の真空を保持可能な導入端子(図示せず。)を介して、チャンバ2の外壁側に設けられ、押付プレート13をY方向に移動させる駆動装置15と、押付プレート13と駆動装置15とを接続する接続部材17に設けられ、ガラス基板3を押し付ける際の荷重を検出するロードセル14とを有している。
なお、上記ロードセル11、14の替わりに、駆動装置12、15に設けたトルクメータを用いて、ガラス基板3を押し付ける際のトルクを検出するようにしてもよい。
又、押付プレート10、13は、ガラス基板3の短辺3a1、長辺3b1の全長に沿って、短辺3a1、長辺3b1に押し付けられて、ガラス基板3の回転ずれを補正しながら、ガラス基板3をX方向、Y方向に移動させるものである。なお、押付プレート10、13の替わりに、図1(c)に示すように、ガラス基板3の短辺3a1、長辺3b1と同等の幅を有する支持部材16aと、支持部材16aの両端部に設けられ、ガラス基板3の側端部に押し当てられる2つの押付ピン16bとからなる押付部材16を用いるようにしてもよい。又、上記押付部材16を、基準面プレート6、8の替わりに用いてもよい。上記構成の押付部材16を用いる場合には、ガラス基板3の側端部に接触する部分が押付ピン16bのみとなり、ガラス基板3に不純物が付着する可能性を低減することが可能である。
支持ピン4a、4bに支持されたガラス基板3を搬送ロボットのフォーク部分に乗せ換える際には、ガラス基板3の撓みを低減した状態で行うことが望ましい。そのため、本発明では、更に、支持ピン4a、4bの数、配置位置を工夫することにより、ガラス基板3の撓みを低減して、基板の位置決め精度を更に向上させている。
支持ピン4a、4bは、基本的には、ガラス基板3の蒸着面への不純物の付着を防止するため、蒸着が行われないガラス基板3の周辺部、即ち、ガラス基板3の端部から1〜5mm幅の範囲を支持するように配置され(例えば、後述する図3(a)、図4(a)等では、一例として、ガラス基板3の端部から5mmの位置としている。)、又、ガラス基板3の自重による撓みをできるだけ低減するため、複数の支持ピン4a、4bで支持する構成である。
又、支持ピン4a、4bは、ガラス基板3の短辺3a側の中央に配置した各々1本の支持ピン4aと、長辺3b側に配置した各々2本の支持ピン4bの合計6本からなり、これらの支持ピン4a、4bを、ガラス基板3の周辺部であり、かつ、ガラス基板3の4角を除いた位置に配置している。換言すると、ガラス基板3の4辺のうち、向かい合う1対の短辺3aは、その中央に配置された1本の支持ピン4aで必ず支持されており、残りの向かい合う1対の長辺3bは、2本の支持ピン4bで支持されている(後述する図3(a)、図4(a)を参照)。
そして、支持ピン4a、4bは、後述する表1〜5からわかるように、ガラス基板3の全面積に対して、支持ピン4a、4bに囲まれた領域より外側のガラス基板3の面積の比が0.25以上となるように、配置することが望ましい。
なお、支持ピン4a、4bの配置構成及びその効果については、後述の測定実験1〜5(図3〜図7、表1〜5)で更に詳細な説明を行なうが、上記配置構成により、ガラス基板3の4角が鉛直上方へ撓む変形量が低減され、又、ガラス基板3の中央部においては、鉛直下方へ撓む変形量が低減されている。このような支持ピン4a、4bの配置構成も用いることにより、ガラス基板3自体の撓みを低減できるため、後述する位置決め手順における位置精度を更に向上させることが可能である。
又、支持ピン4a、4bの先端部は半球状に形成されており、この形状より、支持ピン4とガラス基板3との接触面積及び接触抵抗を低減させて、支持ピン4a、4bからガラス基板3への不純物の付着をできるだけ低減すると共に、ガラス基板3が移動する際の抵抗を低減して、ガラス基板3が変形に逃げないようにしている。
昇降装置5は、支持ピン4a、4b自体を昇降させるものであるが、これは、チャンバ2内へガラス基板3を搬入、搬出する際に使用するものである。
具体的には、図示しない搬送ロボットのフォーク部分(例えば、図8に示す搬送ロボット31の先端の二股部分等の参照)が、ガラス基板3の下面を保持してチャンバ2内へガラス基板3を搬入する際には、予め、支持ピン4a、4bを降下させておき、フォーク部分がガラス基板3を所定の位置まで搬入した後、支持ピン4a、4bを上昇させることにより、フォーク部分からガラス基板3を持ち上げて、支持ピン4a、4bのみでガラス基板3を支持するようにする。このことにより、フォーク部分をガラス基板3の下から引く抜くことが可能となる。
そして、チャンバ2からガラス基板3を搬出する際には、支持ピン4a、4bのみで支持されたガラス基板3の下方にフォーク部分を移動させ、支持ピン4a、4bを降下させることにより、支持ピン4a、4bからフォーク部分へガラス基板3を乗せ換えることになる。その後、フォーク部分に支持されたガラス基板3は、チャンバ2から搬出されることになる。
上記構成の位置決め装置1においては、ガラス基板3が規定位置(移動終了点)に達したこと、つまり、位置決めが完了したことを、上述したロードセル11、14(又は、トルクメータ)で検出している。ここで、位置決めが完了したこと検出するまでの手順について、図2も参照して詳細に説明する。なお、図2は、押付プレート10、13をガラス基板3の短辺3a1、長辺3b1に押し付けながら、押付プレート10、13を移動させる際に、その経過時間に伴って現れる押付荷重(グラフ中の細実線)の変化及びガラス基板3の短辺3a1、長辺3b1側の位置の移動量(太実線)、短辺3a2、長辺3b2側の位置の移動量(太点線)を示すグラフである。
最初に、図示しない搬送ロボットのフォーク部分を用いて、支持ピン4a、4b上にガラス基板3を載置する。このとき、搬送ロボットのフォーク部分の動作と干渉しないように、基準面プレート6、8及び押付プレート10、13は、駆動装置7、9、12、15により、チャンバ2の内壁寄りに配置されている。ガラス基板3の載置後、基準面プレート6、8の基準位置まで、駆動装置7、9により基準面プレート6、8をチャンバ2の内壁側からガラス基板3の短辺3a2、長辺3b2の方に移動させて、X方向、Y方向の基準面となる位置を規定し、その位置を固定する。
次に、駆動装置12、15により押付プレート10、13をチャンバ2の内壁側からガラス基板3の短辺3a1、長辺3b1の方に移動させて、押付プレート10、13をガラス基板3の短辺3a1、長辺3b1に押し付けていく。
これを、図2において説明すると、押し付け初期の段階では、押付荷重が単調増加していくと共に短辺3a1、長辺3b1の位置は移動するが、短辺3a2、長辺3b2の位置は移動しない状態である。この状態は、ガラス基板3と支持ピン4a、4bとの接触抵抗により、押付プレート10、13による押付荷重がガラス基板3の変形に逃げて、短辺3a1、長辺3b1の位置のみが移動した状態と考えられる。これは、向かい合う2辺の動き始めの時間差として、図2のグラフ上に現れる。
そして、押付プレート10、13をガラス基板3の短辺3a1、長辺3b1に押し付けながら、押付プレート10、13を移動させていくと、その反対側の短辺3a2、長辺3b2は、基準面プレート6、8の長手方向に沿うように押し当てられて、ガラス基板3の短辺3a2、長辺3b2の位置が基準位置に定まることになる。
これを、図2において説明すると、押付プレート10、13による押付荷重は、ガラス基板3と支持ピン4a、4bとの接触抵抗による最大静止摩擦力を越えるまで単調増加していく。そして、短辺3a2、長辺3b2の位置の移動も開始した後、即ち、押付プレート10、13による押付荷重がガラス基板3の変形に逃げず、ガラス基板3全体の移動として働く状態になった後には、押付プレート10、13による押付荷重は、ガラス基板3と支持ピン4a、4bとの接触抵抗による動摩擦力と等しいものとなり、この状態で、短辺3a2、長辺3b2の位置が基準位置に定まるまで、短辺3a1、長辺3b1及び短辺3a2、長辺3b2の位置が移動していく。
そして、更に、押付プレート10、13をガラス基板3の短辺3a1、長辺3b1に押付ながら移動させていく。このとき、本実施例の位置決め装置1は、図示しない制御装置を用いて、ロードセル11、14の荷重の変化(トルクメータの場合には、トルクの変化)をモニタしており、図2中に示す検出点Sを検出することにより、つまり、ガラス基板3自体からの反力を検出することにより、ガラス基板3の短辺3a1、長辺3b1の位置が規定位置(移動終了点)に到達したと判断している。
これを、図2において説明すると、短辺3a2、長辺3b2の位置が基準位置に定まった後に短辺3a1、長辺3b1の位置が移動終了点に到達すると、短辺3a1、長辺3b1及び短辺3a2、長辺3b2の位置は、それ以上移動しない状態となる。この状態においては、押付プレート10、13による押付荷重は、ガラス基板3自体からの反力(弾性変形に対する反力)に抵抗して増加していく。つまり、押付プレート10、13による押付荷重が、ガラス基板3自体からの反力に抵抗して増え始めるタイミングを検出点Sとして検出することにより、短辺3a2、長辺3b2の位置が基準位置に定まった後に短辺3a1、長辺3b1の位置が移動終了点に到達したこと、即ち、ガラス基板3の位置決めが完了したことを検出できることになる。なお、移動終了点において、短辺3a1、長辺3b1の移動量(太実線)と短辺3a2、長辺3b2の移動量(太点線)に差異が見られるが、これは、ガラス基板3の変形により生じる移動量の差であると考えられる。
このように、本実施例の位置決め装置1は、ガラス基板3の位置決めが完了したことを、ガラス基板3自体からの反力から検出するため、エンコーダ等による位置検出に比べ分解能が高くなると共に、撓み等の変形を伴うガラス基板3であっても高精度に位置決めを行うことができる。本実施例の位置決め装置1では、その位置決め精度は、±200μmであった。又、図1に示すように、本実施例の位置決め装置1は、その構成が従来のものと比較して単純なものであり、装置コストの低減にも寄与可能である。
なお、上記手順においては、X方向、Y方向の位置決めを同時に行っているが、必ずしも同時に行う必要はなく、例えば、最初にX方向を行った後、Y方向の位置決めを行ったり、逆に、最初にY方向を行った後、X方向の位置決めを行ったりしてもよい。
次に、本発明時に評価を行なった支持ピンの配置構成とその測定結果を、測定実験1〜5(図3〜図7、表1〜表5)に示して、支持ピンの配置位置について説明をする。
(測定実験1)
本測定実験は、基本的には、図1の構成に基づいて、支持ピン4a、4bを、ガラス基板3の周辺部(ガラス基板3の端部から5mmの位置)であり、かつ、ガラス基板3の4角を除いた位置に配置しており、図3(a)に示すように、ガラス基板3の短辺3a側に各々1本の支持ピン4aを、長辺3b側の中央に各々2本の支持ピン4bを、合計6本配置したものである。そして、この構成に基づいて、下記表1に示すように、間隔B、間隔Cの条件を変更して、支持ピンの位置を各々変更し、各条件下において、ガラス基板の変形量を測定すると共に、その代表的な計測値として、最大高低差及び最大傾斜を求めたものである。
なお、本測定実験において、間隔Aは、支持ピン4aと支持ピン4bの短辺3aに平行な方向における間隔、間隔Bは、支持ピン4aと支持ピン4bの長辺3bに平行な方向における間隔の短い方の間隔、間隔Cは、2つの支持ピン4b間の長辺3bに平行な方向における間隔である。又、本測定実験においては、下記測定実験2〜5を含めて、ガラス基板として、ソーダガラス、550mm×650mm×0.7mm厚を用い、又、支持ピンとして、直径3mmのものを用いている。又、表1〜5における間隔A、B、C、D及び最大高低差の単位はmmであり、最大傾斜の単位はm/mである。
なお、上記実験の代表例として、実験1−4の条件下におけるガラス基板全面の変形量の3Dグラフを図3(b)に示した。
上記条件の基板の支持構造において、面積比R(支持ピンより外側のガラス基板の面積/ガラス基板の全面積)を計算すると、表1に示す結果からわかるように、面積比Rが0.25以上を満たす実験1−3、1−4の場合、最大高低差及び最大傾斜が抑制されており、ガラス基板3の撓みが低減されたことがわかる。このような支持ピン4a、4bの配置構成の場合、ガラス基板3自体の撓みを低減できるため、ガラス基板の位置精度をより向上させることが可能であり、搬送ロボットによる搬送の位置精度を向上させることができる。
これは、ガラス基板3の4角を支持ピン4a、4bであえて支持せず、自由に変形可能とすることにより、ガラス基板3の4角では、その部分での自重により鉛直下方側に撓み、ガラス基板3の4角が鉛直上方へ跳ね上がる量が抑制されると共に、ガラス基板3の4角での鉛直下方側の撓みの影響で、ガラス基板3の中央部においては、鉛直下方へ撓む変位量も抑制されて、ガラス基板3全体の変形量が低減されたからであると考えられる。
(測定実験2)
本測定実験は、支持ピン4a、4bを、ガラス基板3の周辺部(ガラス基板3の端部から5mmの位置)であり、かつ、ガラス基板3の4角を除いた位置に配置しているが、図3(a)に示した支持ピンの配置構成とは異なり、図4(a)に示すように、ガラス基板3の短辺3a側に各々2本の支持ピン4aを、長辺3b側の中央に各々1本の支持ピン4bを、合計6本配置したものである。そして、この構成に基づいて、下記表2に示すように、間隔A、間隔Bの条件を変更して、支持ピン4a、4bの位置を各々変更し、各条件下において、ガラス基板の変形量を測定すると共に、その代表的な計測値として、最大高低差及び最大傾斜を求めたものである。
なお、本測定実験において、間隔Aは、支持ピン4aと支持ピン4bの短辺3aに平行な方向における間隔の短い方の間隔、間隔Bは、2つの支持ピン4a間の短辺3aに平行な方向における間隔、間隔Cは、支持ピン4aと支持ピン4bの長辺3bに平行な方向における間隔である。
なお、上記実験の代表例として、実験2−4の条件下におけるガラス基板全面の変形量の3Dグラフを図4(b)に示した。
上記条件の基板の支持構造において、面積比R(支持ピンより外側のガラス基板の面積/ガラス基板の全面積)を計算すると、表2に示す結果からわかるように、面積比Rが0.25以上を満たす実験2−4の場合、最大高低差及び最大傾斜が抑制されており、ガラス基板3の撓みが低減されたことがわかる。このような支持ピン4a、4bの配置構成の場合、ガラス基板3自体の撓みを低減できるため、ガラス基板の位置精度をより向上させることが可能であり、搬送ロボットによる搬送の位置精度を向上させることができる。
(測定実験3)
本測定実験は、支持ピン4a、4bを、ガラス基板3の周辺部(ガラス基板3の端部から5mmの位置)であり、かつ、ガラス基板3の4角を除いた位置に配置しているが、図3(a)に示した支持ピンの配置構成とは異なり、図5(a)に示すように、ガラス基板3の短辺3a側に各々2本の支持ピン4aを、長辺3b側の中央に各々2本の支持ピン4bを、合計8本配置したものである。そして、この構成に基づいて、下記表3に示すように、間隔A、間隔B、間隔C、間隔Dの条件を変更して、支持ピン4a、4bの位置を各々変更し、各条件下において、ガラス基板の変形量を測定すると共に、その代表的な計測値として、最大高低差及び最大傾斜を求めたものである。
なお、本測定実験において、間隔Aは、支持ピン4aと支持ピン4bの短辺3aに平行な方向における間隔の短い方の間隔、間隔Bは、2つの支持ピン4a間の短辺3aに平行な方向における間隔、間隔Cは、支持ピン4aと支持ピン4bの長辺3bに平行な方向における間隔の短い方の間隔、間隔Dは、2つの支持ピン4b間の長辺3bに平行な方向における間隔である。
なお、上記実験の代表例として、実験3−4の条件下におけるガラス基板全面の変形量の3Dグラフを図5(b)に示した。
上記条件の基板の支持構造において、面積比R(支持ピンより外側のガラス基板の面積/ガラス基板の全面積)を計算すると、表3に示す結果からわかるように、面積比Rが0.25以上を満たすものはなく、最大高低差及び最大傾斜が抑制されておらず、ガラス基板3の撓みが改善できていないことがわかる。
(測定実験4)
本測定実験は、合計4本の支持ピン4a、4bを、ガラス基板3の周辺部(ガラス基板3の端部から5mmの位置)であり、かつ、ガラス基板3の4角に配置したもの(実験4−1)と、合計4本の支持ピン4a、4bを、ガラス基板3の周辺部(ガラス基板3の端部から5mmの位置)であり、かつ、ガラス基板3の4角を除いた位置に配置したもの(実験4−2)である。例えば、実験4−2は、図6(a)に示すように、ガラス基板3の短辺3a側の中央に各々1本の支持ピン4aを、長辺3b側の中央に各々1本の支持ピン4bを、合計4本配置した。そして、各条件下において、ガラス基板の変形量を測定すると共に、その代表的な計測値として、最大高低差及び最大傾斜を求めたものである。
なお、本測定実験において、間隔Aは、支持ピン4aと支持ピン4bの短辺3aに平行な方向における間隔、間隔Bは、支持ピン4aと支持ピン4bの長辺3bに平行な方向における間隔である。
なお、上記実験の代表例として、実験4−2の条件下におけるガラス基板全面の変形量の3Dグラフを図6(b)に示した。
上記条件の基板の支持構造において、面積比R(支持ピンより外側のガラス基板の面積/ガラス基板の全面積)を計算すると、表4に示す結果からわかるように、面積比Rが0.25以上を満たしていない実験4−1は、最大高低差及び最大傾斜が抑制されておらず、ガラス基板3の撓みが改善できていないことがわかる。なお、面積比Rが0.25以上を満たす実験4−2においては、最大高低差及び最大傾斜の抑制が見られ、ガラス基板3の撓みが多少改善できているようであり、面積比Rとしては、0.5程度が上限であると考えられる。
(測定実験5)
本測定実験は、支持ピンに替えて、図7(a)に示すように、ガラス基板3の4辺の略全部を支持する支持プレート6を用い、ガラス基板3の周辺部を、その端部から5mm内側まで支持するものである。そして、その条件下において、ガラス基板の変形量を測定すると共に、その代表的な計測値として、最大高低差及び最大傾斜を求めたものである。
なお、上記実験におけるガラス基板全面の変形量の3Dグラフを図7(b)に示した。
上記支持ピンの配置構成においては、ガラス基板3の4辺の端部略全てを支持プレート6で支持しているが、ガラス基板3の中央部の沈み込み及びガラス基板3の角部の跳ね上がりの抑制が十分ではなく、表5に示す結果からわかるように、ガラス基板3の撓みが改善できていないことがわかる。
以上の測定実験からわかるように、矩形状のガラス基板を支持ピンで支持する際、その周辺部しか支持できない制約がある場合には、使用する支持ピンの数、配置位置が適切でないと、ガラス基板が自重により大きく撓んでしまい、搬送ロボットによる搬送時の位置精度に大きな影響を与えてしまう。しかしながら、測定実験1〜5の結果を参照すると、上述したように、ガラス基板3の対向する辺の中央に各々1本、残りの対向する辺に各々2本、合計6本の支持ピンを用い、ガラス基板3の周辺部であり、かつ、ガラス基板3の4角を除いた位置に配置すると共に、ガラス基板の全面積に対して、支持ピンに囲まれた領域より外側のガラス基板の面積の比が0.25以上となるように、6本の支持ピンを配置すると、ガラス基板の撓みを低減することができた。
なお、ガラス基板3の大きさが、上記測定実験で用いたものより大きくなる場合には、支持ピン4bより更に角部に近い位置ではなく、支持ピン4b間の間隔C(図3(a)参照)の中間の位置に更に支持ピンを設けて、ガラス基板を支持することが望ましいと思われる。
図8は、本発明に係る基板の位置決め装置を備えた搬送装置の実施形態の一例を示す平面図である。
本実施例の搬送装置は、ガラス基板3を二股のフォーク部分に載置して搬送を行う搬送ロボット31と、中心に搬送ロボット31を備えた搬送チャンバ32を有し、搬送チャンバ32の周囲に、ゲートドア35を介して、実施例1に示した位置決め装置1と、複数のガラス基板3を収容するロードロックチャンバ33と、他のチャンバ34(例えば、成膜等を行うプロセスチャンバ)とを接続したものである。
更に詳細には、位置決め装置1については、実施例1で説明した通りであり、撓み等の変形を伴うガラス基板3であっても高精度に位置決めを行うことができるものである。又、ロードロックチャンバ33は、その前面にドア36を有しており、このドア36を介して、ガラス基板3をロードロックチャンバ33へ収容するものである。又、搬送チャンバ32は、その中心に配設した搬送ロボット31を用いて、ガラス基板3をロードロックチャンバ33から、位置決めチャンバ1や他のチャンバ34へ搬送するものである。
本実施例の搬送装置の動作を説明すると、複数のガラス基板3をロードロックチャンバ33へ収容後、ドア36を閉鎖し、図示しない真空装置によりロードロックチャンバ33を真空状態とする。その後、図示しない真空装置により真空状態とされている搬送チャンバ32を介して、ガラス基板3を位置決め装置1へ搬入し、位置決め装置1においてガラス基板3の位置決めを行った後、他のチャンバ34にガラス基板3を搬入するようにしている。
このように、位置決め装置1を備えた搬送装置を用いることにより、ガラス基板3の位置決めを高精度に行った後、他のチャンバ34にガラス基板3を搬入することができる。
図9は、本発明に係る基板の位置決め装置を備えたプロセス装置の実施形態の一例を示す平面図である。
本実施例のプロセス装置は、ガラス基板3を二股のフォーク部分に載置して搬送を行う搬送ロボット41と、中心に搬送ロボット41を備えた搬送チャンバ42を有し、搬送チャンバ42の周囲に、ゲートドア48を介して、実施例1に示した位置決め装置1と、複数のガラス基板3を収容するロードロックチャンバ33と、複数のマスクホルダ50を収容するホルダストックチャンバ44、45と、ガラス基板3に成膜等のプロセスを行うプロセスチャンバ46、47を接続したものである。つまり、所謂、マルチチャンバ式の装置構成を有するものである。
更に詳細には、位置決め装置1については、実施例1で説明した通りであり、撓み等の変形を伴うガラス基板3であっても高精度に位置決めを行うことができるものである。又、ロードロックチャンバ43は、その前面にドア49を有しており、このドア49を介して、ガラス基板3をロードロックチャンバ43へ収容するものである。又、搬送チャンバ42は、その中心に配設した搬送ロボット41を用いて、ガラス基板3をロードロックチャンバ43から、位置決めチャンバ1、ホルダストックチャンバ44、45、プロセスチャンバ46、47へ搬送するものである。又、ホルダストックチャンバ44、45は、各々プロセスチャンバ46、47に対するマスクを備えたマスクホルダ50を複数収容するものであり、位置決めチャンバ1で高精度に位置決めされたガラス基板3をマスクホルダ50に載置するようにしている。又、プロセスチャンバ46、47は、マスクホルダ50に載置されたガラス基板3(プロセス対象51)を内部に搬入して、プロセス対象51に対して、所望のプロセス(例えば、成膜等)を行うものである。
本実施例のプロセス装置の動作を説明すると、複数のガラス基板3をロードロックチャンバ43へ収容後、ドア49を閉鎖し、図示しない真空装置によりロードロックチャンバ43を真空状態とする。その後、図示しない真空装置により真空状態とされている搬送チャンバ42を介して、ガラス基板3を位置決め装置1へ搬入する。そして、位置決め装置1においてガラス基板3の位置決めを行った後、ガラス基板3をマスクストックチャンバ44、45へ搬入し、ガラス基板3をマスクホルダ50上に載置する。その後、マスクホルダ50に載置されたガラス基板3(プロセス対象51)は、プロセスチャンバ46、47に搬入されて、所望のプロセスが行われることになる。なお、プロセスチャンバ46、47でのプロセスの際には、ガラス基板3をそれぞれのマスクホルダ50を乗せ換えて行なっている。
このように、位置決め装置1を備えたプロセス装置では、ガラス基板3の位置決めを高精度に行った後、マスクホルダ50上に載置しているので、ガラス基板3を精度よくマスクホルダ50上に載置することができ、ガラス基板3のマスクホルダ50への載置ミスが発生することはなく、又、ガラス基板3の位置精度が高いため、ガラス基板3へのプロセスも安定的に行うことが可能となる。
図10は、本発明に係る基板の位置決め装置を備えたプロセス装置の実施形態の他の一例を示す平面図である。
本実施例のプロセス装置は、複数のガラス基板3を収容するロードロックチャンバ61と、複数のマスクホルダ68を収容すると共に位置決めされたガラス基板3をマスクホルダ68上に載置するホルダ装着チャンバ62と、複数のプロセスチャンバ70を備えたプロセスユニット63とを有するものである。つまり、所謂、インライン式の装置構成を有するものである。
ロードロックチャンバ61と、ホルダ装着チャンバ62は、ゲートドア65を介して接続されており、又、ホルダ装着チャンバ62とプロセスユニット63は、ゲートドア65を介して、直線状に接続されている。これらのロードロックチャンバ61、ホルダ装着チャンバ62、プロセスユニット63には、図示しない搬送ロボット、搬送ベルトが複数設けられており、ガラス基板3、マスクホルダ68、マスクホルダ68に載置されたガラス基板3(プロセス対象69)を順次搬送方向へ搬送する構成である。
更に詳細には、ロードロックチャンバ61は、その前面にドア67を有しており、このドア67を介して、ガラス基板3をロードロックチャンバ61へ収容するものである。又、ホルダ装着チャンバ62は、マスクを備えたマスクホルダ68を複数収容すると共に、実施例1に示した位置決め装置1を内部に備え、ガラス基板3の位置決めを行った後、高精度に位置決めされたガラス基板3をマスクホルダ68上に載置するものである。この位置決め装置1については、実施例1で説明した通りであり、撓み等の変形を伴うガラス基板3であっても高精度に位置決めを行うことができるものである。又、プロセスユニット63は、ガラス基板3に成膜等のプロセスを行う複数のプロセスチャンバ70が直線状に連続的に配置されたものであり、プロセス対象69を複数のプロセスチャンバ70に順次搬送して、所望のプロセス(例えば、成膜等)を順次行うものである。
本実施例のプロセス装置の動作を説明すると、複数のガラス基板3をロードロックチャンバ61へ収容後、ドア67を閉鎖し、図示しない真空装置によりロードロックチャンバ61を真空状態とする。その後、図示しない真空装置により真空状態とされているホルダ装着チャンバ62へガラス基板3を搬入し、ホルダ装着チャンバ62の位置決め装置1において、ガラス基板3の位置決めを行う。その後、ホルダ装着チャンバ62に収容されているマスクホルダ68上にガラス基板3を載置する。その後、ゲートドア65を介して、マスクホルダ68に載置されたガラス基板3(プロセス対象69)を、プロセスユニット63へ搬入し、各プロセスチャンバ70において、所望のプロセスが行われることになる。
このように、位置決め装置1を備えたプロセス装置では、ガラス基板3の位置決めを高精度に行った後、マスクホルダ68上に載置しているので、ガラス基板3を精度よくマスクホルダ68上に載置することができ、ガラス基板3のマスクホルダ68への載置ミスが発生することはなく、又、ガラス基板3の位置精度が高いため、ガラス基板3へのプロセスも安定的に行うことが可能となる。
本発明に係る基板の位置決め装置は、有機ELディスプレイパネルやプラズマディスプレイパネル等を製造するために用いる搬送装置、プロセス装置等に適用して可能である。
本発明に係る基板の位置決め装置の実施形態の一例を示す図であり、(a)は、その側面図、(b)は、その平面図を示し、(c)は、その構成要素の変形例を示す図である。 経過時間に伴う押付荷重の変化及びガラス基板の側端部の位置の変位を示すグラフである。 (a)は、支持ピンの配置構成の一例を示す平面図であり、(b)は、その配置構成を用いた場合のガラス基板の撓みを示すグラフである。 (a)は、支持ピンの配置構成の他の一例を示す平面図であり、(b)は、その配置構成を用いた場合のガラス基板の撓みを示すグラフである。 (a)は、比較検討した他の支持ピンの配置構成を示す平面図であり、(b)は、その配置構成を用いた場合のガラス基板の撓みを示すグラフである。 (a)は、比較検討した他の支持ピンの配置構成を示す平面図であり、(b)は、その配置構成を用いた場合のガラス基板の撓みを示すグラフである。 (a)は、比較検討した他の支持ピンの配置構成を示す平面図であり、(b)は、その配置構成を用いた場合のガラス基板の撓みを示すグラフである。 本発明に係る基板の位置決め装置を備えた搬送装置の実施形態の一例を示す平面図である。 本発明に係る基板の位置決め装置を備えたプロセス装置の実施形態の一例を示す平面図である。 本発明に係る基板の位置決め装置を備えたプロセス装置の実施形態の他の一例を示す平面図である。
符号の説明
1 位置決め装置
2 チャンバ
3 ガラス基板
4a、4b 支持ピン
5 昇降装置
6、8 基準面プレート
7、9 駆動装置
10、13 押付プレート
11、14 ロードセル
12、15 駆動装置
16 基準面部材、押付部材

Claims (9)

  1. 矩形状のガラス基板を支持する際に、プロセスの対象領域でない該ガラス基板の周辺部を複数の支持ピンで下方から支持し、
    前記ガラス基板の隣り合う2つの側端部に対向して、前記ガラス基板の基準位置となる2つの基準部材を配置し、
    前記2つの側端部の反対側となる他方側の2つの側端部に対向して設けられた2つの押付部材を用いて、前記他方側の2つの側端部を押し付けると共に、前記他方側の2つの側端部を押し付ける前記押付部材の荷重又はトルクの経時変化を測定し、
    前記押付部材が前記ガラス基板の最大静止摩擦力に等しい荷重又はトルクを前記ガラス基板側に付与した後、前記ガラス基板が前記基準部材に押し当てられて、前記ガラス基板に付与する前記押付部材の荷重又はトルクが前記ガラス基板の動摩擦力より大きくなった時点をもって、前記ガラス基板の位置決めが完了したと判断することを特徴とする基板の位置決め方法。
  2. 請求項1に記載の基板の位置決め方法において、
    前記基準部材、前記押付部材として、前記ガラス基板の側端部と同等の長さの平板状のものか、若しくは、前記ガラス基板の側端部と同等の長さのものに、前記ガラス基板の側端部に接触する少なくとも2つのピンを設けたものを用いることを特徴とする基板の位置決め方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の基板の位置決め方法において、
    前記ガラス基板の対向する1対の辺の中央に各々少なくとも1つの第1支持ピンを配置すると共に、前記ガラス基板の他の対向する1対の辺に各々少なくとも2つの第2支持ピンを配置して、前記複数の支持ピンを少なくとも合計6つ以上の支持ピンから構成し、
    前記第1支持ピン及び前記第2支持ピンを、前記ガラス基板の4角を避けて、前記ガラス基板の周辺部に配置することを特徴とする基板の位置決め方法。
  4. 矩形状のガラス基板を支持する際に、プロセスの対象領域でない該ガラス基板の周辺部を下方から支持する複数の支持ピンと、
    前記ガラス基板の隣り合う2つの側端部に対向して設けられ、前記ガラス基板の基準位置となる2つの基準部材と、
    前記2つの側端部の反対側となる他方側の2つの側端部に対向して設けられ、前記他方側の2つの側端部に押し付けられる2つの押付部材と、
    前記2つの押付部材を前記2つの基準部材の方へ各々駆動させる2つの駆動手段と、
    前記他方側の2つの側端部に押し付ける前記押付部材の荷重又はトルクの経時変化を測定する測定手段と、
    前記測定手段の測定に基づいて、前記駆動手段を制御して、前記ガラス基板の位置決め状態を判断する制御手段とを有し、
    前記制御手段は、前記押付部材が前記ガラス基板の最大静止摩擦力に等しい荷重又はトルクを前記ガラス基板側に付与した後、前記ガラス基板が前記基準部材に押し当てられて、前記ガラス基板に付与する前記押付部材の荷重又はトルクが前記ガラス基板の動摩擦力より大きくなった時点をもって、前記ガラス基板の位置決めが完了したと判断することを特徴とする基板の位置決め装置。
  5. 請求項4に記載の基板の位置決め装置において、
    前記基準部材、前記押付部材を、前記ガラス基板の側端部と同等の長さの平板状のものとするか、若しくは、前記ガラス基板の側端部と同等の長さのものに、前記ガラス基板の側端部に接触する少なくとも2つのピンを設けたものとすることを特徴とする基板の位置決め装置。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の基板の位置決め装置において、
    前記複数の支持ピンは、前記ガラス基板の対向する1対の辺の中央に各々配置した少なくとも1つの第1支持ピンと前記ガラス基板の他の対向する1対の辺に各々配置した少なくとも2つの第2支持ピンの少なくとも合計6つ以上の支持ピンから構成され、
    前記第1支持ピン及び前記第2支持ピンを、前記ガラス基板の4角を避けて、前記ガラス基板の周辺部に配置したことを特徴とする基板の位置決め装置。
  7. ガラス基板の位置決め及び搬送を行う搬送装置であって、
    請求項4乃至請求項6のいずれかに記載の基板の位置決め装置を備えたことを特徴とする搬送装置。
  8. ガラス基板にプロセスを行うプロセス装置であって、
    請求項7に記載の搬送装置と、前記ガラス基板にプロセスを行う少なくとも1つのプロセスチャンバとを備え、
    前記ガラス基板は、前記基板の位置決め装置で位置決めされた後、前記プロセスチャンバに搬送されることを特徴とするプロセス装置。
  9. ガラス基板にプロセスを行うプロセス装置であって、
    請求項7に記載の搬送装置と、前記ガラス基板に蒸着を行う少なくとも1つの蒸着チャンバとを備え、
    前記ガラス基板は、前記基板の位置決め装置で位置決めされた後、前記ガラス基板をマスクするマスク部材を保持する保持部材上に載置されて、前記蒸着チャンバに搬送されることを特徴とするプロセス装置。
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