JP4718983B2 - 光モジュール及びその製造方法、並びに、スラブ光導波路基板 - Google Patents

光モジュール及びその製造方法、並びに、スラブ光導波路基板 Download PDF

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Description

本発明は、光モジュール及びその製造方法、並びに、スラブ光導波路基板に関する。
光信号は、高速・大容量の信号伝送に適しており、例えば長距離の基幹通信システムでは光信号を用いた信号伝送がすでに実用化されている。このようなシステムにおいて光信号の伝送経路を切り換える(光配線を切り換える)スイッチ機能は必須である。
従来は、光信号を電気信号に変換し、半導体スイッチで経路を切り換えた後、再び光信号に変換することによって、光信号の伝送経路の切り換えを行なっていた。
しかし、信号の高速化が進み、もはや半導体スイッチを用いた電気的な切り換えでは対応できなくなっていている。
そこで、電気信号への変換を行なわずに、光信号のまま伝送経路を切り換える光スイッチの開発が進められており、複数の方式が提案されている。
特に、高速な切換動作が期待できるものとして、例えば、電界を印加することで屈折率が変化する電気光学材料からなる光偏向素子を用いた光スイッチモジュールが提案されている(例えば特許文献1参照)。
このような光スイッチモジュールは、例えば図2(A),(B)に示すように、スラブ光導波路基板100上に、電気光学材料(例えばPZT,PLZTのような電気光学結晶)からなる光偏向素子101,102を実装したものとして構成される。
つまり、例えば図2(A),(B)に示すように、スラブ光導波路基板(スラブ光導波路部品)100は、光信号を入力する入力チャネル光導波路103と、入力された光信号を平行光(コリメート光)にするコリメートレンズ104と、平行光にされた光信号を伝搬させるスラブ光導波路105と、伝搬されてきた平行光としての光信号を集光させる集光レンズ106と、光信号を出力する出力チャネル光導波路107とを一体的に形成したものとして構成される。なお、図2(B)中、符号111はコア層を示している。
また、入力側光偏向素子(スラブ光導波路部品)101及び出力側光偏向素子(スラブ光導波路部品)102は、導電性基板108上にスラブ光導波路109を形成し、表面にプリズム状電極110を形成したものとして構成される。
そして、光スイッチモジュールは、スラブ光導波路基板100上のコリメートレンズ104とスラブ光導波路105との間に入力側光偏向素子101を実装し、スラブ光導波路105と集光レンズ106との間に出力側光偏向素子102を実装したものとして構成される。
このように構成される光スイッチモジュールでは、入力側光偏向素子101及び出力側光偏向素子102に形成されているプリズム状電極110に所望の電圧を印加することで、例えば図2(A)に示すように、入力チャネル光導波路103から入力され、コリメートレンズ103で平行光にされた光信号が、入力側光偏向素子101で偏向され、スラブ光導波路105を伝搬し、再度、出力側光偏向素子102で偏向され、集光レンズ106で集光されて、所望の出力チャネル光導波路107に結合することになる。これにより、入力チャネル光導波路103から入力された光信号の経路が切り換えられて、所望の出力チャネル光導波路107から出力されることになる。
なお、先行技術調査を行なった結果、以下の特許文献2〜4が得られた。
特許文献2には、スラブ光導波路内に光取り出し機構を持たせた光デバイスが開示されている。また、特許文献3,4には、ダミー導波路(モニタ用光導波路,ダミーファイバ)を用いて位置合わせを行なうことが開示されている。
特開2002−318398号公報 特開2003−329864号公報 特開2002−31731号公報 特開平7−27942号公報
ところで、複数の光導波路部品を組み立てて光モジュールを作製する場合、全ての光導波路部品を高精度に位置合わせしないと光が出力されないため、例えば1つの光導波路部品のみを光導波路基板上に配置した状態などの組立の途中の段階で、出力光をモニタしながら位置合わせを行なうことはできない。
例えば、上述の光スイッチモジュールは、光導波路基板や複数の光偏向素子などの複数のスラブ光導波路部品によって構成されており、光導波路基板上に複数の光偏向素子を実装する際に、これらを例えばサブミクロンオーダで高精度に位置合わせして接合する必要がある。
一方、複数の光導波路部品を接合して組み立てる場合、本来使用する(本来の機能を有する)部分の両側に、位置合わせ用のダミーのチャネル光導波路(ダミー導波路)を形成し、簡易に位置合わせを行なえるようにするのが一般的である(例えば特許文献3,4参照)。
しかしながら、スラブ光導波路は、横方向の閉じ込めがなく自由であり、部品によっては横方向の位置あわせが不要で、組み立てるのに簡便であるというメリットがあるが、このようなスラブ光導波路部品にチャネル光導波路を形成するようにすると、高精度な位置合わせが必要になり、せっかくのメリットが失われてしまうことになる。
また、スラブ光導波路部品同士を接合する場合に、スラブ光導波路部品の中に位置合わせ用のチャネル光導波路(ダミー導波路)を形成するようにすると、その分だけ工程が増えることになり好ましくない。
さらに、上述の光スイッチモジュールのように、スラブ光導波路部品が電気光学材料のような特殊な材料によって形成されている場合には、ダミー導波路としてチャネル光導波路を形成することが非常に難しい。つまり、複数のスラブ光導波路部品の中に電気光学材料のような特殊な材料によって形成されているものが含まれている場合には、それぞれの光導波路部品にダミー導波路を形成することができず、したがって、それぞれの光導波路部品にダミー導波路を形成して簡易に位置合わせを行なえるようにするという上記の方法を用いることができない。
なお、上記特許文献2には、スラブ光導波路内に光取り出し機構を持たせた光デバイスが開示されているが、複数のスラブ光導波路部品の位置合わせを行なう場合には、上流側及び下流側の両方から光を入射させるようにしており、一方の側からのみ光を入射させることは想定していない。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、少なくとも3つのスラブ光導波路部品を、より高精度かつ簡易に位置合わせして接合できるようにした、光モジュール及びその製造方法、並びに、スラブ光導波路基板を提供することを目的とする。
このため、本発明の光モジュールは、他のスラブ光導波路部品を実装するための複数の凹部を有し、複数の凹部の間にスラブ光導波路を備えるスラブ光導波路基板を備え、スラブ光導波路基板が、一の凹部に配置されたスラブ光導波路部品へ光を導く位置合わせ用入射チャネル光導波路と、位置合わせ用入射チャネル光導波路を導かれた光をコリメート光にする位置合わせ用コリメートレンズと、スラブ光導波路の側方に設けられ、コリメート光の幅と同程度の幅を有し、コリメート光を導く位置合わせ用チャネル光導波路と、他の凹部に配置されたスラブ光導波路部品から出射されるコリメート光を集光する位置合わせ用テーパ光導波路と、位置合わせ用テーパ光導波路によって集光された光を導く位置合わせ用出射チャネル光導波路とを備え、一端側から入射される光を光検出器へ向けて出射させうる反射面を有する位置合わせ用開口部が、位置合わせ用チャネル光導波路を横切るように形成されており、位置合わせ用開口部に、コリメート光を入射させて他のスラブ光導波路部品の位置合わせを行なえるように、コリメート光を透過しうる材料が入れられていることを特徴としている。
本発明の光モジュールの製造方法は、前段スラブ光導波路部品と、位置合わせ用開口部を有する中間スラブ光導波路部品とを並べて配置し、一端側から光を入射させ、位置合わせ用開口部の反射面を介して出射された光をモニタしながら、前段スラブ光導波路部品と中間スラブ光導波路部品との位置合わせを行ない、位置合わせ用開口部に、中間スラブ光導波路部品のコア層と同程度の屈折率を有する透明材料を充填し、一端側から光を入射させ、透明材料が充填された位置合わせ用開口部を透過した光をモニタしながら、前段スラブ光導波路部品及び中間スラブ光導波路部品に対して並べて配置された後段スラブ光導波路部品の位置合わせを行なうことを特徴としている。
本発明のスラブ光導波路基板は、複数のスラブ光導波路部品を実装するための複数の凹部と、凹部の間に設けられるスラブ光導波路と、一の凹部に配置されるスラブ光導波路部品へ光を導く位置合わせ用入射チャネル光導波路と、位置合わせ用入射チャネル光導波路を導かれた光をコリメート光にする位置合わせ用コリメートレンズと、スラブ光導波路の側方に設けられ、コリメート光の幅と同程度の幅を有し、コリメート光を導く位置合わせ用チャネル光導波路と、他の凹部に配置されるスラブ光導波路部品から出射されるコリメート光を集光する位置合わせ用テーパ光導波路と、位置合わせ用テーパ光導波路によって集光された光を導く位置合わせ用出射チャネル光導波路と、位置合わせ用チャネル光導波路を導かれた光を外部へ向けて出射させうる反射面を有する位置合わせ用開口部とを備えることを特徴としている。
したがって、本発明の光モジュール及びその製造方法、並びに、スラブ光導波路基板によれば、少なくとも3つのスラブ光導波路部品を、より高精度かつ簡易に位置合わせして接合できるようになるという利点がある。この結果、少なくとも3つのスラブ光導波路部品を組み立てて光モジュールを作製する場合に、伝搬損失の低い光モジュールを実現できることになる。
以下、図面により、本発明の実施の形態にかかる光モジュール及びその製造方法、並びに、スラブ光導波路基板について、図1(A),(B)を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる光モジュールは、例えば図1(B)に示すように、スラブ光導波路基板(スラブ光導波路部品)1と、複数の入力側光偏向素子2Aからなる入力側光偏向素子アレイ2と、複数の出力側光偏向素子3Aからなる出力側光偏向素子アレイ3とを備える。つまり、本光モジュールは、スラブ光導波路基板1上に、入力側光偏向素子アレイ2及び出力側光偏向素子アレイ3を実装した光スイッチモジュール(ハイブリッド型光集積回路装置)として構成される。
ここで、スラブ光導波路基板1は、図1(B)に示すように、複数の入力チャネル光導波路4,複数のコリメートレンズ5,他のスラブ光導波路部品(ここでは光偏向素子)を実装するための複数(ここでは2つ)の凹部6,共通光導波路(スラブ光導波路)7,複数の集光レンズ8,複数の出力チャネル光導波路9を備える。つまり、入力チャネル光導波路4,コリメートレンズ5,共通光導波路7,集光レンズ8,出力チャネル光導波路9が同一基板上に形成されている。
また、複数(ここでは2つ)の凹部6には、それぞれ、入力側光偏向素子アレイ2、出力側光偏向素子アレイ3が実装されている。
そして、これらの入力側光偏向素子アレイ2及び出力側光偏向素子アレイ3を構成する各入力側光偏向素子2A及び各出力側光偏向素子3Aを用いて、一の入力チャネル光導波路4から入力された光信号の経路を切り換えて一の出力チャネル光導波路9へ出力しうるようになっている。
ここでは、複数の入力チャネル光導波路4は、それぞれ、図示しない入力ファイバアレイを構成する各入力光ファイバに接続されており、各入力光ファイバから光信号が入力され、入力側の凹部6Aに配置された入力側光偏向素子アレイ2へ光信号(入力光)を導くようになっている。
複数のコリメートレンズ5は、図1(B)に示すように、各入力チャネル光導波路4に対応して設けられている。各コリメートレンズ5は、複数の入力チャネル光導波路4を導かれた光信号(入力光)をそれぞれコリメート光(平行光)にするものである。つまり、各コリメートレンズ5によって、各入力チャネル光導波路4から放射状に出射される光が、平行光に変換され、各入力側光偏向素子2Aに入射されるようになっている。
共通光導波路7は、図1(B)に示すように、すべての光信号が共通に伝搬するスラブ光導波路として構成される。つまり、共通光導波路としてのスラブ光導波路7は、複数の凹部6の間に設けられており、入力側の凹部6Aに実装された入力側光偏向素子アレイ2を構成する入力側光偏向素子2Aによって伝搬方向を変えられた光信号のそれぞれを、出力側の凹部6Bに実装された出力側光偏向素子アレイ3を構成する出力側光偏向素子3Aへ導くようになっている。
なお、スラブ光導波路基板1のスラブ光導波路7が、他のスラブ光導波路部品(ここでは入力側光偏向素子アレイ2,出力側光偏向素子アレイ3)の間に位置するため、このスラブ光導波路基板1のスラブ光導波路7が中間スラブ光導波路部品として機能する。
複数の集光レンズ8は、図1(B)に示すように、各出力チャネル光導波路9に対応して設けられている。各集光レンズ8によって、出力側の凹部6Bに配置された出力側光偏向素子アレイ3の各出力側光偏向素子3Aで伝搬方向を変えられて出力されたコリメート光がそれぞれ集光され、各出力チャネル光導波路9に結像するようになっている。
複数の出力チャネル光導波路9は、それぞれ、図示しない出力ファイバアレイを構成する各出力光ファイバに接続されており、複数の集光レンズ8によって集光された光を各出力光ファイバへ導くようになっている。つまり、複数の集光レンズ8によって各出力チャネル光導波路9に結像し、各出力チャネル光導波路9を伝搬してきた光信号が、各出力光ファイバへ出力されるようになっている。
なお、入力チャネル光導波路4と出力チャネル光導波路9は、同一の数にしても良いし、異なる数にしても良い。また、入力チャネル光導波路4の入力側端部を入力ポートといい、出力チャネル光導波路9の出力側端部を出力ポートという。
ところで、入力側光偏向素子アレイ2は、図1(B)に示すように、複数の光偏向素子2Aを備えるものとして構成され、複数の凹部6のうち入力側の凹部6Aに実装されている。つまり、入力側光偏向素子アレイ2は、複数のコリメートレンズ5が設けられている部分(スラブ光導波路)の出力側端面、及び、共通光導波路7の入力側端面に接合されている。
ここで、各入力側光偏向素子2Aは、それぞれ、各入力チャネル光導波路4及び各コリメートレンズ5に対応して設けられている。
また、各入力側光偏向素子2Aは、上部電極としての導電性基板上に、電気光学効果を有する材料によって形成されたスラブ光導波路を形成し、さらに、スラブ光導波路の光信号通過領域に、下部電極としての一対のプリズム型電極を1個又は複数個直列に設けたものとして構成される(図2参照)。このため、入力側光偏向素子アレイ2は、スラブ光導波路部品として構成されることになる。なお、入力側光偏向素子アレイ2は、中間スラブ光導波路部品としてのスラブ光導波路基板1の共通光導波路(スラブ光導波路)7の前段に設けられるため、前段光偏向素子アレイ(前段スラブ光導波路部品)という。
そして、上部電極及び下部電極によってスラブ光導波路に電圧を印加し、スラブ光導波路の屈折率を変化させることで、電気光学効果を利用して、入力された光信号の伝搬方向を変えることができるようになっている。
このように、入力側光偏向素子2Aによって光信号の伝搬方向を変えることで、入力された光信号の経路が切り換えられることになる。
また、出力側光偏向素子アレイ3も、図1(B)に示すように、上述の入力側光偏向素子アレイ2と同様に、複数の光偏向素子3Aを備えるものとして構成され、複数の凹部6のうち出力側の凹部6Bに実装されている。つまり、出力側光偏向素子アレイ3は、共通光導波路7の出力側端面、及び、複数の集光レンズ8が設けられている部分(スラブ光導波路)の入力側端面に接合されている。
ここで、各出力側光偏向素子3Aは、それぞれ、各出力チャネル光導波路9及び各集光レンズ8に対応して設けられている。
また、各出力側光偏向素子3Aは、上述の入力側光偏向素子2Aと同様に、上部電極としての導電性基板上に、電気光学効果を有する材料によって形成されたスラブ光導波路を形成し、さらに、スラブ光導波路の光信号通過領域に、下部電極としての一対のプリズム型電極を1個又は複数個直列に設けたものとして構成される(図2参照)。このため、出力側光偏向素子アレイは、スラブ光導波路部品として構成されることになる。なお、出力側光偏向素子アレイ3は、中間スラブ光導波路部品としてのスラブ光導波路基板1の共通光導波路(スラブ光導波路)7の後段に設けられるため、後段光偏向素子アレイ(後段スラブ光導波路部品)という。
なお、ここでは下部電極をプリズム型電極としているが、これに限られるものではなく、スラブ光導波路の上下を挟み込むように電極を設け、少なくとも一方の電極をプリズム型電極にすれば良い。
そして、上部電極及び下部電極によってスラブ光導波路に電圧を印加し、スラブ光導波路の屈折率を変化させることで、電気光学効果を利用して、共通光導波路7を伝搬してきた光信号の伝搬方向を変えることができるようになっている。
このため、入力側光偏向素子2Aで伝搬方向が変えられ、共通光導波路7を伝搬してきた光信号の伝搬方向を、出力側光偏向素子3Aによって再び変えることで、光信号を、集光レンズ8を介して出力チャネル光導波路9に結像させることができるようになる。
このように、本実施形態では、3つのスラブ光導波路部品(スラブ光導波路基板,入力側光偏向素子アレイ,出力側光偏向素子アレイ)のうち両端側に位置する2つのスラブ光導波路部品(入力側光偏向素子アレイ,出力側光偏向素子アレイ)が、電気光学材料によって形成されている。
このように構成される光スイッチモジュールでは、各入力側光偏向素子2A及び各出力側光偏向素子3Aに印加する電圧を制御することによって、いずれか一の入力チャネル光導波路4から入力された光信号の経路を選択して、いずれか一の出力チャネル光導波路9から出力させることが可能である。
なお、本実施形態では、スラブ光導波路基板1を、複数の入力チャネル光導波路及び複数の出力チャネル光導波路を備えるものとして構成しているが、これに限られるものではない。例えば、スラブ光導波路基板1を、入力チャネル光導波路及び出力チャネル光導波路を備えないものとして構成し、その代わりに、入力ファイバアレイ及び出力ファイバアレイをレンズ(コリメートレンズ,集光レンズ)が設けられている領域に接続するようにしても良い。
ところで、本実施形態にかかる光モジュールは、上述の光スイッチとして機能する本来の構成に加え、各スラブ光導波路部品の位置合わせを行なうために用いられる補助構造(位置合わせ用構造)が備えられている。
つまり、本実施形態では、図1(A),(B)に示すように、位置合わせ用補助構造として、スラブ光導波路基板1を、上述の光スイッチとして機能する領域の両側方領域のそれぞれに、位置合わせ用入射チャネル光導波路20,位置合わせ用コリメートレンズ21,位置合わせ用チャネル光導波路22,位置合わせ用開口部23,位置合わせ用テーパ光導波路24,位置合わせ用出射チャネル光導波路25を備えるものとして構成している。
ここで、位置合わせ用入射チャネル光導波路20は、図示しない入力ファイバアレイから入射された光(入射光)を、入力側の凹部6Aに配置された入力側光偏向素子アレイ2へ導くようになっている。位置合わせ用入射チャネル光導波路20は、複数の入力チャネル光導波路4の両側に1つずつ設けられている。
なお、図示しない入力ファイバアレイとの接続を容易にし、作業効率を向上させるためには、位置合わせ用入射チャネル光導波路20は、幅方向でマルチモードになるマルチモード光導波路として構成するのが好ましい。本実施形態のように、スラブ光導波路部品同士の位置合わせを行なう場合には、マルチモード光導波路とすることで幅方向の位置合わせ精度が多少悪くなったとしても問題ない。一方、位置合わせ用コリメートレンズ21を介して出射されるコリメート光として良好なコリメート光を得るためには、位置合わせ用入射チャネル光導波路20は、幅方向でシングルモードになるシングルモード光導波路として構成するのが好ましい。
位置合わせ用コリメートレンズ21は、位置合わせ用入射チャネル光導波路20を導かれた入射光をコリメート光にするものであり、複数のコリメートレンズ5の両側に1つずつ設けられている。
位置合わせ用チャネル光導波路22は、スラブ光導波路7の両側に1つずつ設けられており、コリメート光の幅と同程度の幅を有し、コリメート光を導くようになっている。つまり、位置合わせ用チャネル光導波路22は、位置合わせ用コリメートレンズ21から出射されるコリメート光が通過する位置に、コリメート光の幅と同程度の幅を有する幅広のチャネル光導波路として形成されている。これにより、スラブ光導波路7の横方向の位置合わせ精度が緩やかであるメリットを生かしつつ、位置合わせのための光をより高精度に検出することが可能になる。
位置合わせ用開口部23は、位置合わせ用チャネル光導波路22を横切るように形成されている。位置合わせ用開口部23は、一端側(ここでは入力側)から入射される光(コリメート光)を光検出器30へ向けて出射させうる反射面23Aを有する。そして、この反射面23Aで反射し、外部へ出射された光を光検出器30(例えばフォトダイオードを備えるパワーメータなど)で検出し、検出された光(検出光)をモニタすることで、入力側光偏向素子2の位置合わせを行なえるようになっている。
このため、位置合わせ用開口部23の反射面23Aで反射して出射された光を検出できるような位置に光検出器30を配置しておく。
また、位置合わせ用開口部23は、位置合わせに用いられる光を透過しうる材料(透明材料)によって充填されている。ここでは、位置合わせ用開口部23は、スラブ光導波路基板(この基板に備えられるスラブ光導波路が中間スラブ光導波路部品として機能する)1のコア層と同程度の屈折率を有する透明材料によって充填されている。
このように、位置合わせ用開口部23に透明材料を充填することで、位置合わせ用チャネル光導波路22を伝搬する光が位置合わせ用開口部23の反射面23Aで反射せずに、透過するようにし(即ち、位置合わせに用いられる光の光路を切り換えて)、位置合わせ用テーパ光導波路24を経由して位置合わせ用出射チャネル光導波路25へ導かれるようにすることができる。これにより、一端側(ここでは入力側)から光を入射させ、他端側(ここでは出力側)に配置する出力側光偏向素子3を通過して、位置合わせ用出射チャネル光導波路25から出射された光を光検出器(図示せず)で検出し、検出された光(検出光)をモニタすることで、出力側光偏向素子3の位置合わせを行なえるようになっている。
このため、位置合わせ用出射チャネル光導波路25から出射された光を検出できるような位置に光検出器を配置しておく。なお、位置合わせ用出射チャネル光導波路25から出射される光は光ファイバを介して取り出すことになるため、例えばフォトダイオードによって光の強度を検出する光検出器だけでなく、例えばカメラによって光の輝度を検出する光検出器など、種々の光検出器を用いることができるようになる。
ここでは、位置合わせ用開口部23としてスリットを形成している。スリットの壁面とコリメート光(入射光)の伝搬方向とのなす角度は45度にしている。このように、スリットを斜め45度の角度を有するものとすることで、入射光の伝搬方向に対してほぼ直交する方向へ出射させることができるため、光検出器30の位置決めが容易となる。また、スリットは、スラブ光導波路を構成する上部クラッド層の表面から少なくともコア層に達する深さを有するものとしている。
これにより、位置合わせ用チャネル光導波路22を伝搬するコリメート光は、スリットの45度の壁面で全反射し、外部に設けられた光検出器30へ導かれることになる。一方、スリットに透明材料が充填されると、コリメート光はスリットを全透過し、後方(出力側)に設けられた光検出器へ導かれることになる。
なお、スリットは、位置合わせ用チャネル光導波路22を伝搬する光を外部(側方)へ出射させうる程度の角度を有するものとして構成すれば良い。また、例えば図1(A)中、二点鎖線で示すように、図1(A)中、下側の位置合わせ用チャネル光導波路22上に形成されるスリットの角度を変えて、図1(A)中、上側へ反射光を出射させるようにしても良い。また、スリットは、位置合わせ用チャネル光導波路22上の任意の位置に設けることができる。
位置合わせ用テーパ光導波路24は、出力側の凹部6Bに配置された出力側光偏向素子アレイ3から出射されるコリメート光を集光するものであり、複数の集光レンズ8の両側に1つずつ設けられている。このように集光構造をテーパ光導波路にすることで、光を効率良く集光させることができるようになる。つまり、集光構造をレンズにすると、位置合わせ用出射チャネル光導波路25の形成に用いるマスクと異なるマスクを用いることになるため、位置合わせ用出射チャネル光導波路25との位置合わせが難しいが、テーパ光導波路とし、位置合わせ用出射チャネル光導波路25と同時に形成できるようにすることで、精確に位置合わせを行なえるようになり、光を効率良く集光させることができるようになる。
位置合わせ用出射チャネル光導波路25は、位置合わせ用テーパ光導波路24によって集光された光を、図示しない出力ファイバアレイへ導くようになっている。位置合わせ用出射チャネル光導波路25は、複数の出力チャネル光導波路9の両側に1つずつ設けられている。ここで、位置合わせ用出射チャネル光導波路25は、幅方向でマルチモードになるマルチモード光導波路として構成するのが好ましい。これにより、図示しない出力ファイバアレイへの接続が容易になり、作業効率を向上させることができる。本実施形態のように、スラブ光導波路部品同士の位置合わせを行なう場合には、マルチモード光導波路とすることで幅方向の位置合わせ精度が多少悪くなったとしても問題ない。
なお、本実施形態では、3つのスラブ光導波路部品1,2,3を備えるものとして光モジュールを構成しているが、これに限られるものではなく、3つ以上のスラブ光導波路部品を備えるものとして構成しても良い。この場合、少なくとも3つのスラブ光導波路部品のうち中間に位置する中間スラブ光導波路部品を、位置合わせ用開口部を備えるものとして構成すれば良い。
次に、本実施形態にかかる光モジュール(光スイッチモジュール)の製造方法について説明する。
以下、スラブ光導波路基板の製造方法、光偏向素子アレイの製造方法、光モジュール(光スイッチモジュール)の製造方法の順に説明する。
[スラブ光導波路基板の製造方法]
まず、例えばシリコン基板上に、例えば熱酸化法やMOCVD法などによって石英を堆積させて、スラブ光導波路基板1の下部クラッド層を形成する(図2参照)。なお、下部クラッド層を兼ねた石英基板を用いても良い。
次に、下部クラッド層上に、例えばMOCVD法などによって、ガリウムGaをドープして屈折率を調整した石英を堆積させて、コア層を形成する(図2参照)。
次いで、例えばRIEなどによって、入力チャネル光導波路領域及び出力チャネル光導波路領域に形成されているコア層をチャネル状にパターニングする(図1参照)。同時に、入力チャネル光導波路領域及び出力チャネル光導波路領域の両側の領域に形成されているコア層をチャネル状にパターニングするとともに、集光レンズ領域の両側の領域に形成されているコア層をテーパ状にパターニングする(図1参照)。
そして、コア層上に、例えば下部クラッド層の形成方法と同様の方法によって石英を堆積させて、上部クラッド層を形成する(図2参照)。これにより、シリコン基板上に、入力チャネル光導波路4及び出力チャネル光導波路9が形成されるとともに、位置合わせ用入射チャネル光導波路20、位置合わせ用出射チャネル光導波路25及び位置合わせ用テーパ光導波路24が形成される(図1参照)。
その後、例えばRIEなどによって、コリメートレンズ領域及び集光レンズ領域に形成されているスラブ光導波路を加工して、複数のコリメートレンズ5(二次元レンズ)及び複数の集光レンズ8(二次元レンズ)を形成するとともに、入力側光偏向素子アレイ2及び出力側光偏向素子アレイ3を実装するための入力側及び出力側の凹部(溝部)6を同時に形成する(図2参照)。これにより、入力側の凹部6Aと出力側の凹部6Bとの間に、スラブ光導波路としての共通光導波路7が形成される(図1参照)。
さらに、これらのレンズ5,8や凹部6の形成と同時に、例えばRIEなどによって、コリメートレンズ領域及び集光レンズ領域の両側の領域に形成されているスラブ光導波路を加工して、位置合わせ用コリメートレンズ21(二次元レンズ)を形成するとともに、スラブ光導波路領域の両側の領域に形成されているスラブ光導波路を加工して、位置合わせ用開口部23(ここでは45度の角度の反射面を有するスリット)を形成する。
なお、例えばRIEなどによって加工されたコリメートレンズ5や集光レンズ8を構成する溝部には、コア層の材料よりも屈折率の低い材料を充填するのが好ましい。
なお、ここでは、スラブ光導波路基板を石英によって製造するようにしているが、これに限られるものではなく、ポリマーによって製造しても良い。
[光偏向素子アレイの製造方法]
まず、ニオブNbをドープして導電性を付与したSrTiO3基板(導電性基板;これは電極として機能しうる)上に、例えばゾルゲル法、PLD法(パルスレーザ堆積法)、MOCVD法などによって、例えばPLZT(PbxLa1-x(ZryTi1-y3))を堆積させて、下部クラッド層を形成する(図2参照)。
次に、下部クラッド層上に、例えばPZT(Pb(ZryTi1-y3))もしくは屈折率の大きい(組成が異なる)PLZTを同様の方法で堆積させて、コア層を形成する。
そして、コア層上に、例えば下部クラッドと同じPLZTを堆積させて、上部クラッド層を形成する。
このようにして電気光学効果を有する材料によってスラブ光導波路を作製した後、上部クラッド層上に、例えばスパッタ法とフォトリソグラフィ法によって、プリズム状に金属膜を形成し、所定のサイズに研磨して、一対のプリズム型電極を1個又は複数個直列に形成する(図2参照)。これにより、複数の光偏向素子2A,3Aを備える光偏向素子アレイ(入力側光偏向素子アレイ2,出力側光偏向素子アレイ3)が製造される。
[光モジュール(光スイッチモジュール)の製造方法]
上述のようにして製造されたスラブ光導波路基板1の入力側及び出力側の凹部6A,6Bのそれぞれに、光偏向素子アレイ2,3をはめ込んで接着・固定する。これにより、スラブ光導波路基板1上に入力側光偏向素子アレイ2及び出力側光偏向素子アレイ3を実装した光モジュール(光スイッチモジュール)が製造される。
本実施形態では、このようにしてスラブ光導波路基板1上に入力側光偏向素子アレイ2及び出力側光偏向素子アレイ3を実装する際に、以下のようにして、スラブ光導波路基板1,入力側光偏向素子アレイ2,出力側光偏向素子アレイ3の位置合わせ(アライメント)を行なうようにしている。
つまり、まず、図1(A)に示すように、スラブ光導波路基板(この基板に備えられるスラブ光導波路が中間スラブ光導波路部品として機能する)1の入力側の凹部6Aに入力側光偏向素子アレイ(前段スラブ光導波路部品)2を配置する。この場合、スラブ光導波路基板1と入力側光偏向素子アレイ2が並べて配置されることになる。
次いで、図1(A)に示すように、一端側(ここでは入力側)から位置合わせ用入射チャネル光導波路20に光を入射させる。
入射された光は、位置合わせ用コリメートレンズ21でコリメート光にされ、入力側光偏向素子アレイ2の光偏向素子が設けられていない両側方を通じて位置合わせ用チャネル光導波路22へ入射し、位置合わせ用開口部23(ここではスリット)の反射面23Aで反射して外部(側方)へ出射される。
そして、外部(側方)へ出射された光を光検出器30で検出し、検出された光をモニタしながら、入力側光偏向素子アレイ2とスラブ光導波路基板1との位置合わせを行なう。
このようにして位置合わせを行なった後、入力側光偏向素子アレイ2をスラブ光導波路基板1の凹部6Aに例えば紫外線硬化性樹脂(UV樹脂)や熱硬化性樹脂などの接着剤で固定する。
次に、図1(B)に示すように、位置合わせ用開口部23に、入射光を透過しうる材料を入れる。ここでは、スラブ光導波路基板1のコア層と同程度の屈折率を有する透明材料を充填する。
次いで、スラブ光導波路基板1の出力側の凹部6Bに出力側光偏向素子アレイ3を配置する。この場合、スラブ光導波路基板1及び入力光偏向素子アレイ2に対して出力光偏向素子アレイ3が並べて配置されることになる。
そして、再度、一端側(ここでは入力側)から光を入射させる。このように、各光偏向素子アレイ2,3の位置合わせを行なうのに、同じ側から光を入射させれば良いため、位置合わせを容易に行なえる。
入射された光は、位置合わせ用コリメートレンズ21でコリメート光にされ、入力側光偏向素子アレイ2の光偏向素子が設けられていない両側の領域を通じて位置合わせ用チャネル光導波路22に入射する。
次いで、透明材料が充填された位置合わせ用開口部23を透過して、位置合わせ用チャネル光導波路22を伝搬し、出力側光偏向素子アレイ3の光偏向素子が設けられていない両側の領域を通じて位置合わせ用テーパ光導波路24に入射する。
その後、位置合わせ用テーパ光導波路24で集光され、位置合わせ用出射チャネル光導波路25を介して後方(出力側)へ出射される。
そして、後方へ出射された光を光検出器(図示せず)で検出し、検出された光をモニタしながら、出力側光偏向素子アレイ3とスラブ光導波路基板1との位置合わせを行なう。
このようにして位置合わせを行なった後、出力側光偏向素子アレイ3をスラブ光導波路基板1の凹部6Bに例えば紫外線硬化性樹脂(UV樹脂)や熱硬化性樹脂などの接着剤で固定する。
なお、本実施形態では、スラブ光導波路基板1の凹部に光偏向素子を実装して光モジュールを製造する場合を説明したが、光モジュールの製造方法はこれに限られるものではない。
例えば、少なくとも3つのスラブ光導波路部品を組み立てて光モジュールを製造する場合、まず、前段スラブ光導波路部品と、位置合わせ用開口部を有する中間スラブ光導波路部品とを並べて配置し、前段スラブ光導波路部品と中間スラブ光導波路部品との位置合わせを行ない、位置合わせ用開口部に透明材料を充填し、前段スラブ光導波路部品及び中間スラブ光導波路部品に対して後段スラブ光導波路部品を並べて配置し、前段スラブ光導波路部品及び中間スラブ光導波路部品と、後段スラブ光導波路部品との位置合わせを行なうようにすれば良い。
また、中間スラブ光導波路部品を複数備える光モジュールを製造する場合には、一の中間スラブ光導波路部品の位置合わせを行ない、一の中間スラブ光導波路部品の位置合わせ用開口部に透明材料を充填した後、一端側から光を入射させ、透明材料が充填された一の中間スラブ光導波路の位置合わせ用開口部を透過し、前段スラブ光導波路部品及び一の中間スラブ光導波路部品に対して並べて配置された他の中間スラブ光導波路部品の位置合わせ用開口部の反射面を介して出射された光をモニタしながら、前段スラブ光導波路部品及び一の中間スラブ光導波路部品に対して他の中間スラブ光導波路部品の位置合わせを行なうようにすれば良い。
したがって、本実施形態にかかる光モジュール及びその製造方法、並びに、スラブ光導波路基板によれば、少なくとも3つのスラブ光導波路部品1,2,3を、より高精度かつ簡易に位置合わせ(特に上下方向の位置合わせ)して接合できるようになるという利点がある。この結果、少なくとも3つのスラブ光導波路部品1,2,3を組み立てて光モジュールを作製する場合に、伝搬損失の低い光モジュールを実現できることになる。
なお、上述の実施形態では、位置合わせ用開口部23の反射面23Aで反射して外部に出射された光を検出して、前段光偏向素子アレイの位置合わせを行なった後、位置合わせ用開口部23に入射光を透過しうる透明材料を入れ、透明材料が入れられた位置合わせ用開口部23を透過して外部に出射された光を検出して、後段光偏向素子アレイの位置合わせを行なうようにしているが、これに限られるものではない。
例えば、最初に、位置合わせ用開口部23に、入射光を透過しうる材料として、入射光の一部を反射し、一部を透過する材料(例えば入射光を50%反射する材料)を入れ、前段光偏向素子アレイの位置合わせと後段光偏向素子アレイの位置合わせとを同時に行なうようにしても良い。例えば、位置合わせ用開口部23としてのスリットにフィルタ(例えば50%反射のハーフミラー)を入れても良い。この場合、光モジュールは、位置合わせ用開口部23に入射光を透過しうる材料が入れられたものとなる。
また、上述の実施形態では、位置合わせを精確に行なえるように、スラブ光導波路基板1の両側方領域にそれぞれ位置合わせ用補助構造を設けているが、これに限られるものではない。例えば、いずれか一方のみに設けても良いし、上述の光スイッチとして機能する領域の上方又は下方に設けても良い。
また、上述の実施形態では、本発明を、スラブ光導波路基板1に光偏向素子2,3を実装した光スイッチモジュールに適用した場合を例に説明しているが、本発明を適用しうる複数のスラブ光導波路部品からなる光モジュールは、これに限られるものではない。例えば、スラブ光導波路基板1に光変調素子や半導体レーザなどの他の光素子(スラブ光導波路部品)を実装した光モジュールに本発明を適用することもできる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することができる。
(付記1)
少なくとも3つのスラブ光導波路部品を備え、
前記少なくとも3つのスラブ光導波路部品のうち中間に位置する中間スラブ光導波路部品が、一端側から入射される光を光検出器へ向けて出射させうる反射面を有する位置合わせ用開口部を備え、
前記位置合わせ用開口部に、前記一端側から光を入射させて他のスラブ光導波路部品の位置合わせを行なえるように、前記一端側から入射された光を透過しうる材料が入れられていることを特徴とする、光モジュール。
(付記2)
他のスラブ光導波路部品を実装するための複数の凹部を有し、前記複数の凹部の間にスラブ光導波路を備えるスラブ光導波路基板を備え、
前記スラブ光導波路基板が、
一の凹部に配置されたスラブ光導波路部品へ光を導く位置合わせ用入射チャネル光導波路と、
前記位置合わせ用入射チャネル光導波路を導かれた光をコリメート光にする位置合わせ用コリメートレンズと、
前記スラブ光導波路の側方に設けられ、前記コリメート光の幅と同程度の幅を有し、前記コリメート光を導く位置合わせ用チャネル光導波路と、
他の凹部に配置されたスラブ光導波路部品から出射されるコリメート光を集光する位置合わせ用テーパ光導波路と、
前記位置合わせ用テーパ光導波路によって集光された光を導く位置合わせ用出射チャネル光導波路とを備え、
前記スラブ光導波路基板のスラブ光導波路が、前記中間スラブ光導波路部品として機能し、
前記位置合わせ用開口部が、前記位置合わせ用チャネル光導波路を横切るように形成されていることを特徴とする、付記1記載の光モジュール。
(付記3)
前記少なくとも3つのスラブ光導波路部品のうち両端側に位置する2つのスラブ光導波路部品が、電気光学材料によって形成されていることを特徴とする、付記1又は2記載の光モジュール。
(付記4)
前記位置合わせ用開口部が、スリットであることを特徴とする、付記1〜3のいずれか1項に記載の光モジュール。
(付記5)
前記位置合わせ用入射チャネル光導波路及び前記位置合わせ用出射チャネル光導波路の少なくとも一方が、マルチモード光導波路として構成されていることを特徴とする、付記1〜4のいずれか1項に記載の光モジュール。
(付記6)
前記一の凹部に配置されたスラブ光導波路部品が、電気光学効果を利用して光の伝搬方向を変える前段光偏向素子アレイであり、
前記他の凹部に配置されたスラブ光導波路部品が、電気光学効果を利用して前記中間スラブ光導波路部品を伝搬してきた光の伝搬方向を変える後段光偏向素子アレイであり、
前記中間スラブ光導波路部品が、前記一の凹部に配置された前記前段光偏向素子アレイへ光を導く複数の入力チャネル光導波路と、前記複数の入力チャネル光導波路を導かれたそれぞれの光をコリメート光にする複数のコリメートレンズと、前記他の凹部に配置された前記後段光偏向素子アレイから出力されるそれぞれのコリメート光を集光する複数の集光レンズと、前記複数の集光レンズによって集光された光を導く複数の出力チャネル光導波路とを備え、
一の入力チャネル光導波路から入力された光の経路を切り換えて一の出力チャネル光導波路へ出力する光スイッチとして機能することを特徴とする、付記2〜5のいずれか1項に記載の光モジュール。
(付記7)
前段スラブ光導波路部品と、位置合わせ用開口部を有する中間スラブ光導波路部品とを並べて配置し、
一端側から光を入射させ、前記位置合わせ用開口部の反射面を介して出射された光をモニタしながら、前記前段スラブ光導波路部品と前記中間スラブ光導波路部品との位置合わせを行ない、
前記位置合わせ用開口部に、前記中間スラブ光導波路部品のコア層と同程度の屈折率を有する透明材料を充填し、
前記一端側から光を入射させ、前記透明材料が充填された前記位置合わせ用開口部を透過した光をモニタしながら、前記前段スラブ光導波路部品及び前記中間スラブ光導波路部品に対して並べて配置された後段スラブ光導波路部品の位置合わせを行なうことを特徴とする、光モジュールの製造方法。
(付記8)
前記中間スラブ光導波路部品を複数備える光モジュールを製造する場合、一の中間スラブ光導波路部品の位置合わせを行ない、前記一の中間スラブ光導波路部品の位置合わせ用開口部に前記透明材料を充填した後、前記一端側から光を入射させ、前記透明材料が充填された前記一の中間スラブ光導波路の位置合わせ用開口部を透過し、前記前段スラブ光導波路部品及び前記一の中間スラブ光導波路部品に対して並べて配置された他の中間スラブ光導波路部品の位置合わせ用開口部の反射面を介して出射された光をモニタしながら、前記前段スラブ光導波路部品及び前記一の中間スラブ光導波路部品に対して前記他の中間スラブ光導波路部品の位置合わせを行なうことを特徴とする、付記7記載の光モジュールの製造方法。
(付記9)
前記中間スラブ光導波路部品が、
前記前段スラブ光導波路部品及び前記後段スラブ光導波路部品を実装するための2つの凹部を有し、前記2つの凹部の間に設けられるスラブ光導波路を備えるスラブ光導波路基板であり、
一の凹部に配置された前記前段スラブ光導波路部品へ光を導く位置合わせ用入射チャネル光導波路と、
前記位置合わせ用入射チャネル光導波路を導かれた光をコリメート光にする位置合わせ用コリメートレンズと、
前記スラブ光導波路の側方に設けられ、前記コリメート光の幅と同程度の幅を有し、前記コリメート光を導く位置合わせ用チャネル光導波路と、
他の凹部に配置された前記後段スラブ光導波路部品から出射されるコリメート光を集光する位置合わせ用テーパ光導波路と、
前記テーパ光導波路によって集光された光を導く位置合わせ用出射チャネル光導波路とを備え、
前記位置合わせ用開口部が、前記位置合わせ用チャネル光導波路を導かれた光を外部へ向けて出射させうる反射面を有するものとして構成されていることを特徴とする、付記7記載の光モジュールの製造方法。
(付記10)
前記前段スラブ光導波路部品が、電気光学効果を利用して光の伝搬方向を変える前段光偏向素子アレイであり、
前記後段スラブ光導波路部品が、電気光学効果を利用して前記中間スラブ光導波路部品を伝搬してきた光の伝搬方向を変える後段光偏向素子アレイであり、
前記中間スラブ光導波路部品が、前記一の凹部に配置された前記前段光偏向素子アレイへ光を導く複数の入力チャネル光導波路と、前記複数の入力チャネル光導波路を導かれたそれぞれの光をコリメート光にする複数のコリメートレンズと、前記他の凹部に配置された前記後段光偏向素子アレイから出力されるそれぞれのコリメート光を集光する複数の集光レンズと、前記複数の集光レンズによって集光された光を導く複数の出力チャネル光導波路とを備えることを特徴とする、付記9記載の光モジュールの製造方法。
(付記11)
複数のスラブ光導波路部品を実装するための複数の凹部と、
前記凹部の間に設けられるスラブ光導波路と、
一の凹部に配置される前記スラブ光導波路部品へ光を導く位置合わせ用入射チャネル光導波路と、
前記位置合わせ用入射チャネル光導波路を導かれた光をコリメート光にする位置合わせ用コリメートレンズと、
前記スラブ光導波路の側方に設けられ、前記コリメート光の幅と同程度の幅を有し、前記コリメート光を導く位置合わせ用チャネル光導波路と、
他の凹部に配置される前記スラブ光導波路部品から出射されるコリメート光を集光する位置合わせ用テーパ光導波路と、
前記位置合わせ用テーパ光導波路によって集光された光を導く位置合わせ用出射チャネル光導波路と、
前記位置合わせ用チャネル光導波路を導かれた光を外部へ向けて出射させうる反射面を有する位置合わせ用開口部とを備えることを特徴とする、スラブ光導波路基板。
(A),(B)は本発明の一実施形態にかかる光モジュール及びその製造方法、並びにスラブ光導波路基板を説明するための模式的平面図である。 (A),(B)は従来の光スイッチモジュールの構成を示す模式図であって、(A)は平面図、(B)は断面図である。
符号の説明
1 スラブ光導波路基板(スラブ光導波路部品)
2 入力側光偏向素子アレイ(スラブ光導波路部品)
2A 入力側光偏向素子
3 出力側光偏向素子アレイ(スラブ光導波路部品)
3A 出力側光偏向素子
4 入力チャネル光導波路
5 コリメートレンズ
6 凹部
6A 入力側の凹部
6B 出力側の凹部
7 スラブ光導波路
8 集光レンズ
9 出力チャネル光導波路
20 位置合わせ用入射チャネル光導波路
21 位置合わせ用コリメートレンズ
22 位置合わせ用チャネル光導波路
23 位置合わせ用開口部
23A 反射面
24 位置合わせ用テーパ光導波路
25 位置合わせ用出射チャネル光導波路
30 光検出器

Claims (3)

  1. 他のスラブ光導波路部品を実装するための複数の凹部を有し、前記複数の凹部の間にスラブ光導波路を備えるスラブ光導波路基板を備え、
    前記スラブ光導波路基板が、
    一の凹部に配置されたスラブ光導波路部品へ光を導く位置合わせ用入射チャネル光導波路と、
    前記位置合わせ用入射チャネル光導波路を導かれた光をコリメート光にする位置合わせ用コリメートレンズと、
    前記スラブ光導波路の側方に設けられ、前記コリメート光の幅と同程度の幅を有し、前記コリメート光を導く位置合わせ用チャネル光導波路と、
    他の凹部に配置されたスラブ光導波路部品から出射されるコリメート光を集光する位置合わせ用テーパ光導波路と、
    前記位置合わせ用テーパ光導波路によって集光された光を導く位置合わせ用出射チャネル光導波路とを備え、
    一端側から入射される光を光検出器へ向けて出射させうる反射面を有する位置合わせ用開口部が、前記位置合わせ用チャネル光導波路を横切るように形成されており、
    前記位置合わせ用開口部に、前記コリメート光を入射させて他のスラブ光導波路部品の位置合わせを行なえるように、前記コリメート光を透過しうる材料が入れられていることを特徴とする、光モジュール
  2. 前段スラブ光導波路部品と、位置合わせ用開口部を有する中間スラブ光導波路部品とを並べて配置し、
    一端側から光を入射させ、前記位置合わせ用開口部の反射面を介して出射された光をモニタしながら、前記前段スラブ光導波路部品と前記中間スラブ光導波路部品との位置合わせを行ない、
    前記位置合わせ用開口部に、前記中間スラブ光導波路部品のコア層と同程度の屈折率を有する透明材料を充填し、
    前記一端側から光を入射させ、前記透明材料が充填された前記位置合わせ用開口部を透過した光をモニタしながら、前記前段スラブ光導波路部品及び前記中間スラブ光導波路部品に対して並べて配置された後段スラブ光導波路部品の位置合わせを行なうことを特徴とする、光モジュールの製造方法。
  3. 複数のスラブ光導波路部品を実装するための複数の凹部と、
    前記凹部の間に設けられるスラブ光導波路と、
    一の凹部に配置される前記スラブ光導波路部品へ光を導く位置合わせ用入射チャネル光導波路と、
    前記位置合わせ用入射チャネル光導波路を導かれた光をコリメート光にする位置合わせ用コリメートレンズと、
    前記スラブ光導波路の側方に設けられ、前記コリメート光の幅と同程度の幅を有し、前記コリメート光を導く位置合わせ用チャネル光導波路と、
    他の凹部に配置される前記スラブ光導波路部品から出射されるコリメート光を集光する位置合わせ用テーパ光導波路と、
    前記位置合わせ用テーパ光導波路によって集光された光を導く位置合わせ用出射チャネル光導波路と、
    前記位置合わせ用チャネル光導波路を導かれた光を外部へ向けて出射させうる反射面を有する位置合わせ用開口部とを備えることを特徴とする、スラブ光導波路基板。
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