JP4717031B2 - ホッパー装置及び遊技機 - Google Patents
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Description
なお、括弧内の符号及び図面番号は、発明の実施の形態において用いた符号及び番号を示し、本願発明の技術的範囲を限定するものではない。
(特徴点)
(請求項1)
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項1記載の発明は、メダルを貯留する貯留部(メダル貯留部51)と、複数のメダル孔(63)を有し前記貯留部(51)に貯留されているメダルをメダル出口(68A)から一枚ずつ送り出す回転ディスク(62)と、前記回転ディスク(62)から送り出されるメダルの外周面に当接部(回動軸72A,72B)が当接することにより支点(固定軸71A,71B)を中心に回動しメダルの通過後に原点位置に戻る揺動部材(カウントアーム73A,73B)と、この揺動部材(73A,73B)の回動を検知する検知部(80)とを備えるホッパー装置(ホッパーユニット5)に係る。
ここで、前記メダル出口(68A)は、回転ディスク(62)を支持している基部(66)に設けられた開口部又は凹部とすることができる。そして、メダル孔(63)の内部のメダルは、メダル出口(68A)以外の位置にあっては回転ディスク(62)を支持している基部(66)によってメダル孔(63)の内部に保持されているが、回転ディスク(62)の回転に伴いメダル出口(68A)の位置に移動してくると、所定のストッパ(円柱突起67)によって回転方向への移動を阻止され、メダル孔(63)の外側に設けられた開口部(側面スリット65)からメダル出口(68A)へと押し出されるようになっている。
前記検知部(80)は、受光部及び発光部を有する光センサとすることができ、前記揺動部材(73A,73B)は、前記検知部(80)の受発光部を通過する遮光部(74A,74B)を備えた板状の部材とすることができる。本発明においては、検知部(80)は単数であっても複数であってもよい。
(作用)
本発明において、回転ディスク(62)から送り出されたメダルは、メダル出口(68A)を挟んで配置された二個の揺動部材(73A,73B)のそれぞれの当接部(72A,72B)に当接する。そして、回転ディスク(62)の回転に伴いメダルに与えられる押圧力により、まず第一の揺動部材(73A)の当接部(72A)が押圧されて、第一の揺動部材(73A)が回動する。
また、本発明は、第一の揺動部材(73A)が所定位置まで回動した後に、第二の揺動部材(73B)が回動するようになっているので、第一の揺動部材(73A)が所定位置まで回動していることを検知する検知部(80A)と第二の揺動部材(73B)が所定位置まで回動したことを検知する検知部(80B)とを設け、二つの検知部(80A,80B)が順番通りに検知をしなかった場合には、ホッパー装置(5)や遊技機の制御部がエラー扱いにする(例えば所定の警報を発したり遊技を中断させたりする)ように形成することができる。このように形成した場合には、エラーにならないよう当接部(72A,72B)を故意に押し広げるには、第一の揺動部材(73A)を最大回動可能位置まで回動させた状態を維持したまま、第二の揺動部材(73B)を所定位置まで回動させなければならなくなり、より不正行為の実行が困難になる。
請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項2記載の発明は、前記第一及び第二の各揺動部材(73A,73B)の回動をそれぞれ検知するための二個の検知部(80A,80B)を設け、前記各検知部(80A,80B)が前記各揺動部材(73A,73B)を検知する際の検知時間がそれぞれ異なるように形成されていることを特徴とする。
ここで、各検知部(80A,80B)が各揺動部材(73A,73B)を検知する際の検知時間をそれぞれ異ならせるには、検知部(80A,80B)及び揺動部材(73A,73B)の配置を、最大回動可能角度に差がでるような配置にしたり、揺動部材(73A,73B)の長さや形状をそれぞれ異ならせて、検知部(80A,80B)の位置に到達するまで又は検知部(80A,80B)から離れるまでの時間が異なるようにすることができる。
(請求項3)
請求項3記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項3記載の発明は、前記第一及び第二の各揺動部材(73A,73B)の回動を検知可能な単一の検知部(80)を設け、前記各揺動部材(73A,73B)の回動を前記検知部(80)が所定のタイミングで検知可能に形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、検知部(80)があらかじめ定められたタイミングでON/OFFを繰り返さなかった場合にはエラー扱いとするように形成することにより、不正行為の実行をより困難にすることができる。
請求項4記載の発明は、上記した請求項3記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項4記載の発明は、前記第一の揺動部材(73A)における所定部位(遮光部74A)の揺動軌跡と、前記第二の揺動部材(73B)における所定部位(74B)の揺動軌跡が交差するように、前記第一及び第二の揺動部材(73A,73B)を配置し、前記検知部を前記揺動軌跡の交点に配置してある。そして、前記各揺動部材(73A,73B)の所定部位(74A,74B)は、前記第一及び第二の揺動部材(73A,73B)が回動していない場合と、前記第一の揺動部材(73A)が所定の角度まで回動したが前記第二の揺動部材(73B)は回動していない場合とで、前記検知部(80)の検知状態が変化するとともに、前記第一の揺動部材(73A)が所定の角度まで回動したが前記第二の揺動部材(73B)は回動していない場合と、前記第一の揺動部材(73A)が所定の角度まで回動しかつ前記第二の揺動部材(73B)が所定の角度まで回動した場合においても、前記検知状態が変化するような形状に形成されていることを特徴とする。
ここで、「検知状態が変化する」とは、例えばセンサのON/OFFが切り替わることである。
本発明における各揺動部材(73A,73B)の所定部位(74A,74B)は、例えば検知部(80)としての遮光センサの受発光部の間を通過する遮光片や、発光部の発光する光線が貫通可能な孔又は透明部とすることができる。各所定部位(74A,74B)の形状は、各揺動部材(73A,73B)について異なる物であってもよいし、同一揺動軌跡上にあれば、一の揺動部材(73)に複数あってもよい。例えば一の揺動部材(73A,73B)に遮光片と光透過孔が設けられていてもよい。
本発明は、このような複雑な検知パターンを生成可能とすることができるので、検知部(80)の検知を監視することにより、不正行為の実行をさらに困難にすることができる。
請求項5記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項5記載の発明は、メダルを投入して遊技を行い、入賞の場合にはホッパー装置によってメダルを払い出す遊技機において、前記ホッパー装置として、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のホッパー装置を備えていることを特徴とする。
「遊技機」は、例えばスロットマシンなどであって、遊技機としては、上記構成の他に、複数の図柄を変動表示及び停止表示可能な図柄表示手段(回転リール20)や、当選判定の抽選を行い遊技機の作動を制御するための遊技制御部(遊技制御装置6A)を有していてもよい。
とができる。
(図面の説明)
図1乃至図10は、本発明の実施の形態を示すものである。
図1及び図2はスロットマシンの斜視図、図3乃至図5はホッパーユニットを示す図、図6は払い出しカウンタ装置の斜視図、図7及び図8は払い出しカウンタ装置の作動図、図9及び図10はホッパーユニットの制御に関する図である。
(スロットマシンS)
スロットマシンSは、図1及び図2に示すように、大きく分けて、正面側に開口部10を有する筐体1と、筐体1内部に設けられるリールユニット2と、筐体1の開口部10を開閉可能に塞ぐ前扉3とから構成されている。
筐体1は、図2に示すように、天板11、底板13及び側板14及び裏板からなる正面側に開口する箱であり、高さ方向略中央部には、二つの側板14の間に水平方向に中板12が設けられている。この中板12により上下に仕切られた開口部10の空間のうち、上側の開口上部10Aには、リールユニット2と、制御基板ユニット6とが収納されている。また、前記中板12により上下に仕切られた開口部10の空間のうち、下側の開口下部10Bには、電源ユニット4及びホッパーユニット5が載置されている。
前記リールユニット2は、周囲に複数の図柄(図示せず)を表示した3個の回転リール20と、各回転リール20をそれぞれ回転させるための駆動モータ2Mを有している。
前記電源ユニット4は、スロットマシンSの主電源のON/OFFの切り替えをするためのものである。ホッパーユニット5は、メダルを貯留するとともに払い出すためのものである。ホッパーユニット5の詳細については後述する。
(前扉3)
前扉3は、筐体1に回転自在かつロック可能に形成されている板状の扉であり、図1に示すように、高さ方向中央部にカウンター状の操作部40を有し、操作部40の正面右側端部には、メダルを投入するためのメダル投入口33が設けられている。また、操作部40の上側には上パネル30、操作部40の下側には下パネル34が、それぞれ設けられている。さらに、下パネル34の下方には、入賞等によるメダルが払い出されるメダル払い出し口36と、メダル払い出し口36から払い出されたメダルを貯留可能な下皿35が形成されている。そして、前記メダル投入口33の下方には鍵穴3Aが設けられており、所定の鍵を差し込むことによりロックが解除され、前扉3を開放できるようになっている。
前記操作部40としては、クレジットを減じてメダル投入に代えるためのベットスイッチ41、回転リール20の回転を開始させるためのスタートスイッチ42、回転リール20の回転を停止させるためのストップスイッチ43、クレジットメダルを払い戻すための精算スイッチ44が設けられている。ここで、クレジットとは、遊技に必要な投入メダルをあらかじめ内部(ホッパーユニット5)に貯留しておくことであり、スロットマシンSは、最大50枚までクレジット可能に形成されている。
前記メダルセレクター38は、特に図示しないが、メダルが一枚ずつ通過可能なメダル誘導路を有し、メダル誘導路には通過メダルを検知するための投入センサ380(メダル検知センサ)が設けられている。そして、直径や厚みの異なる正規のものでないメダルが投入された場合や、スロットマシンSがメダル受付状態でない場合(例えばクレジットが50の場合や、回転リール20の回転中など)には、所定のキャンセル装置を作動させて投入されたメダル誘導路から排除し、キャンセルされないメダルが前記投入センサ380により検知されてカウントされるようになっている。
なお、メダル通路39の下方には、背面側(前扉3の裏面側)に開口する下部メダル受け口39Bが形成されており、ホッパーユニット5のメダル排出口53から排出されるメダルを受け入れ、メダル払い出し口36に誘導可能に形成されている。
(制御基板ユニット6)
ここで、制御基板ユニット6について説明する。
遊技制御装置6Aは、スタートスイッチ42及びストップスイッチ43の操作により、回転リール20の回転及び停止を制御するためのものである。
スロットマシンSは、メダルの投入又はベットスイッチ41の操作によりスタートスイッチ42が操作可能となり、スタートスイッチ42の押下によって、回転リール20が回転開始する。なお、スタートスイッチ42の操作時に、当選判定の抽選が行われる。
そして、当選判定の抽選の結果、所定の当選役が当選した当選に係る遊技では、ストップスイッチ43の操作により停止する回転リール20の停止図柄が、極力、当該当選に係る入賞の態様に揃うように、回転リール20の停止が制御される。一方、当選判定の抽選結果がはずれの場合には、停止図柄がいかなる入賞の態様にも揃わないように、回転リール20の停止が制御される。
前記ホッパー制御装置6Bは、前記遊技制御装置6Aからの払い出し指令信号及び後述する払い出しセンサ80の検知信号を受信してホッパーモータ61の駆動を制御するとともに、払い出しセンサ80の検知信号を監視して異常を検知するためのものである。なお、ホッパー制御装置6Bの制御の内容については後述する。
なお、制御装置を、主制御装置(いわゆるメイン基板)と、主制御装置からの信号を受信して作動する副制御装置(いわゆるサブ基板)とから構成し、前記遊技制御装置6A及びホッパー制御装置6Bを主制御装置に、前記演出制御装置6Cを副制御装置に配置することができる。このように、遊技を司る制御装置と演出を司る制御装置を別個に形成することにより、演出制御に当てられるメモリを大幅に増やすことができると共に、演出のみを変更することもできる。また、ホッパー制御装置6Bを副制御装置に配置してもよい。
次に、ホッパーユニット5について、図3乃至図5に基づき詳述する。ここで、図3はホッパーユニット5の正面図、図4は図3のIV−IV線断面図、図5は図4のV−V線断面図をそれぞれ示すものである。
ホッパーユニット5は、図3に示すように、外装箱50と、外装箱50に組み込まれたメダル送り装置60を備えている。
(外装箱50)
外装箱50は、上方が開口する略方形の中空箱であって、メダル送り装置60を支持するとともにメダルを貯留するためのものである。外装箱50の高さ方向略中央部には、外装箱50の内部空間を上下に仕切るベース板52(図5参照)が設けられており、ベース板52にはメダル送り装置60が固定されている。メダル送り装置60は、メダルを一枚ずつ送り出すための回転ディスク62がベース板52の上側に配置され、回転ディスク62を回転させるためのホッパーモータ61がベース板52の下側に配置されている。また、ベース板52の下側には、図5に示すように、メダル送り装置60から送り出されるメダルをカウントするための払い出しカウンタ装置70及び払い出しセンサ80が固定されている。
なお、特に図示しないが、外装箱50の上端部には、メダル貯留部51の上端まで貯まって溢れたメダルを外装箱50の外部に落下又は滑落させるための溢れメダル落下口が設けられており、溢れメダル落下口から落下した溢れメダルは、筐体1の底板15に載置されたオーバーフロータンクT(図2参照)に収納される。
メダル送り装置60は、図4及び図5に示すように、複数のメダル孔63を有する回転ディスク62と、回転ディスク62を支持するための基体66と、回転ディスク62を回転させるためのホッパーモータ61とを備え、回転ディスク62が回転することにより、メダル孔63に嵌ったメダルがメダル排出部53から一枚ずつ排出されるように形成されている。
前記ホッパーモータ61は、ベース板52の下面に固定された駆動装置であって、図5に示すように、モータの駆動軸61Aがベース板52から上側に突出している。ホッパーモータ61は、後述するホッパー制御装置6Bの制御に基づき、払い出しを伴う入賞の場合や、精算スイッチ44が押下されたときに駆動する。
前記メダル孔63は、図4に示すように、メダル一枚の直径よりも僅かに大きい内径を有する丸孔であって、メダル貯留部51に貯留されているメダルが水平状態に一列に重なって嵌り込むようになっている。
前記側面スリット65は、メダル孔63の最下部にあるメダル、すなわち前記係合突起64の上面に乗っているメダルを、後述する基体66の排出凹部68に排出させるための開口部であり、下縁部が係合突起64の上面と面一となるよう形成されている。また、側面スリット65は、図4に示すように、メダル孔63と隣接するメダル孔63の間に位置するように形成されている。
前記基体66は、前記回転ディスク62を支持するための方形板状の部材であり、図5に示すように、外装箱50のベース板52の上面に固定されている。基体66には、中央部に円形の開口部が形成されており、この開口部の下側からホッパーモータ61の駆動軸61Aが突出可能であるとともに、開口部の上側からは回転ディスク62の固定部62Bを嵌入可能に形成されている。
そして、基体66の正面側(図4において下側)右端部には、回転ディスク62を取り付けたとき係合突起64の上面と同じ高さとなるよう係合溝66Aの外周円の外側の上面を切り欠いた排出凹部68が形成されている(図4、図5参照)。排出凹部68における回転ディスク62との境界部分は、回転ディスク62の側面スリット65を外側から塞いでいる係合溝66Aの立壁が無いため、メダル孔63の中のメダルが側面スリット65から外側に移動可能である。この段差部分の側面スリット65の近傍が、回転ディスク62からメダルを排出するためのメダル出口68Aとなっている。排出凹部68は、側面スリット65から排出されたメダルを、ホッパーユニット5のメダル排出部53に誘導するための通路としての機能を果たすものでもある。また、排出凹部68には、後述する払い出しカウンタ装置70の回動軸72A,72Bを下方から突出させかつ回動可能とするための開口部66C,66Dが設けられている。
払い出しカウンタ装置70は、前記排出凹部68において回転ディスク62の側面スリット65から排出されたメダルの通過を検知してカウントするための検知装置である。本実施の形態においては、図4に示すように、払い出しカウンタ装置70を複数設けてあるとともに、払い出しカウンタ装置70の作動を検知する払い出しセンサ80も複数設けてある。
具体的には、払い出しカウンタ装置70としては、図4に示すように、排出凹部68のメダル出口68Aの平面視右側に設けられた第一払い出しカウンタ装置70Aと、メダル出口68Aを挟んで第一払い出しカウンタ装置70Aよりも内側(中心側)に設けられた第二払い出しカウンタ装置70Bが備えられている。
前記固定軸71Aは、メダルに当接する当接部としての回動軸72A及びカウントアーム73Aの回動を支持する支点であるとともに、第一払い出しカウンタ装置70Aを外装箱50に固定するためのものである。回動軸72Aは排出凹部68を通過するメダルに押されて水平方向に位置移動するものであり、回動軸72Aの位置移動に伴いカウントアーム73Aが揺動するようになっている。
前記第一払い出しカウンタ装置70Aの近傍には、図7(A)に示すように、払い出しセンサ80Aが設けられている。払い出しセンサ80Aは、受光部及び発光部を有する光センサであって、発光部からの光線を受光部が受光しているときにはOFF状態であり、発光部からの光線が受光部に達しない場合にON状態となるように設定されている。そして、払い出しセンサ80Aは、回動軸72Aが固定軸71Aを中心に所定の角度まで回動した場合に、カウントアーム73Aの遮光部74Aが発光部からの光線を遮るような位置に配置されている。
なお、払い出しセンサ80の設置位置及びON/OFF切り替えの態様については、上記した例に限られず、外装箱50の内部スペースやカウントアーム73A,73Bの形状によって適宜設定することができる。
ここで、上記構成を有するメダル送り装置60のメダル排出作動について、図7及び図8に基づき説明する。
メダル貯留部51に貯留されているメダルは、底部に貯留されているものから順に回転ディスク62のメダル孔63に嵌り、ホッパーモータ61が駆動開始すると、メダル孔63に嵌っているメダルが回転ディスク62とともに回転方向に移動する。なお、回転ディスク62の回転方向は、図7において時計回りと反対方向である。
メダル孔63の底部に位置しているメダルM(係合突起64の上面及び基体66の上面に乗って移動しているメダル)は、メダル出口68Aの位置まで移動してくると、図7(A)に示すように、円柱突起67A,67Bに衝突する。メダルMは、それ以上回転ディスク62の回転方向に移動できなくなる一方、メダル孔63の垂下壁63Bに押されるので、図7(A)に示す白矢印方向に押圧力を受ける。この方向は第一払い出しカウンタ装置70Aと第二払い出しカウンタ装置70Bの間の位置であって、前述したようにこの部分には係合溝66Aの外周円の側壁が無いので(図5参照)、メダルMは側面スリット65から外側に押し出される。
ここで、メダルMにかかる押圧力は、円柱突起67B及び縁部65Aのメダルとの接点をつないだ線と直交する方向にメダルを押し出す方向に働くのであるが、この力は回動軸72A,72Bには均等にかからず、回動軸72Aの方が回動軸72Bよりも強い力で押圧される。このためメダルMの外側への移動に伴い、先に回動軸72Aが、固定軸71Aを中心に図8(A)の白矢印方向に回動する。このとき、カウントアーム73Aも回動して、遮光部74Aが払い出しセンサ80Aの遮光位置に移動し、センサがONとなる。なお、回動軸72Aが確実に先に回動するように、バネ75Aの弾性をバネ75Bの弾性よりも緩い(伸びやすい)ものにしてもよい。
以上のように、メダル送り装置60からメダルが排出されるときには、二つの払い出しセンサ80A,80Bがメダルの通過を異なるタイミングで検知しているものであるが、これをタイムチャート図で表すと、図10(A)のようになる。なお、図10において「センサA」とは払い出しセンサ80Aを意味し、「センサB」とは払い出しセンサ80Bを意味するものである。
まず、通常のメダル払い出し検知では、最初に払い出しセンサ80AがONになり、その後所定時間T1経過後に払い出しセンサ80BがONになる。それから所定時間T2経過後に払い出しセンサ80AがOFFになり、さらに所定時間T3経過後に払い出しセンサ80BがOFFになる。そして、T1〜T3の合計時間Tが、メダル1枚の通過時間となる。T1〜T3の値は、バネ75A,75Bの強度やメダルの直径や回転ディスク62の回転速度など、諸条件に応じてあらかじめ設定されており、ホッパー制御装置6Bに記憶されている。
さらに、ホッパー制御装置6Bでは、ホッパーモータ61の駆動時には払い出しセンサ80A及び払い出しセンサ80Bの検知信号を逐一監視し、この検知パターンが図10(A)に示すパターン、すなわちあらかじめ設定されている検知パターンと異なるパターンとなった場合には、遊技制御装置6A及び演出制御装置6Cにエラー信号を出力する。例えば、特に図示しないが、二つの払い出しセンサ80のうち片方だけがメダルの通過を検知している(ON/OFFを繰り返している)場合や、二つの払い出しセンサ80の検知間隔が適正でない場合(T1,T2,T3の値があらかじめ設定された許容範囲を超えている)場合である。あるいは、払い出しセンサ80AがONになっているのに払い出しセンサ80BがOFFのままである場合や、払い出しセンサ80Aと払い出しセンサ80Bが同時にONになった場合にも、エラー信号を出力する。上記したような異常が検知されるのは、メダル排出口53でのメダル詰まりや、払い出しカウンタ装置70の不具合(例えばバネ75A,75Bの消耗)が発生している場合の他に、払い出しカウンタ装置70の回動軸72A,72Bがメダルの通過によらず回動した場合(例えば針金などで引っ掛けられた場合)が想定される。
なお、図10(A)では、T1〜T3がほぼ同じ時間であるように示してあるが、これは便宜上このように図示したものであって、実際にはそれぞれ異なる時間であってもよい。このように検知時間を異なるものにすることにより、そのような検知態様を異物挿入などにより人為的に作り出すのは極めて困難になり、よりセキュリティの向上を図ることができる。
また、二つの払い出しカウンタ装置70の各回動軸72A,72Bは、それぞれ異なる方向に回動するように形成されているとともに、回動軸72A,72Bが全開状態でないとメダルが通過できないようになっているので、回動軸72A,72Bの双方に針金などを引っ掛けてそれぞれを所定のタイミングで開閉操作することは非常に困難であり、かかる不正行為を効果的に防止することができる。
(本発明の他の実施の形態)
上記した実施の形態においては、払い出しカウンタ装置70を複数設けるとともに払い出しセンサ80も複数設けてあったが、本発明においては、払い出しカウンタ装置70は複数設け、複数のカウントアーム73A,73Bの回動を単一の払い出しセンサ80によって検知するように形成してもよい。以下、本発明の他の実施の形態について図11に基づき説明するが、スロットマシンSの基本的構成は上記した実施の形態と同様であるので記載を省略する。
この場合も、上記実施の形態と同様に、例えばバネ75A,75Bの弾性を調整するなどして、メダルの通過時において第一払い出しカウンタ装置70Aの回動軸72Aの方が第二払い出しカウンタ装置70Bの回動軸72Bよりも先に回動するような機構的な設計をしておく。また、払い出しセンサ80は、受光部が遮光されている時にはOFFであり受光部の遮光が解除されるとONになるように形成されている。なお、払い出しセンサ80の黒丸印は受発光部の位置を示すものである。
そして、メダルが排出される際には、図11(B)に示すように、先に第一払い出しカウンタ装置70Aの回動軸72Aが白矢印方向に回動し、これに伴いカウントアーム73Aが回動して遮光部74Aが払い出しセンサ80の受発光部から外れる位置まで移動する。このとき払い出しセンサ80はONになる。そして、カウントアーム73Aは図示しないストッパにより、図11(C)の位置でロックされる。さらにメダルが排出方向に移動すると、今度は図11(C)に示すように回動軸72Bが白矢印方向に回動する。これに伴いカウントアーム73Bが回動して、遮光部74Aは払い出しセンサ80の受発光部を遮蔽する位置まで移動する。すなわち、払い出しセンサ80はONからOFFとなる。
ホッパー制御装置6Bは、払い出しセンサ80が最初にONになり、次に所定時間後にOFFになり、再び所定時間後にONになったとき(つまりメダルの直径部分が回動軸72A,72Bの間を通過してカウントアーム73Bが回動し払い出しセンサ80の受発光部から外れたとき)にメダルカウントを行うようにすることができる。そして上記検知パターン以外の検知パターンが生じた場合には、所定のエラー信号を出力する。
なお、払い出しセンサ80による払い出しカウンタ装置70の検知のパターン、換言すればカウントアーム73A,73Bの形状は、図11に示したものに限られない。例えば、特に図示しないが、カウントアーム73Aについては図11に示したものと同様の構成とするとともに、カウントアーム73Bについては、遮光部74Bを側面から鈎状に屈曲して形成し遮光部74Bの付け根部分には光透過孔を設ける。前記屈曲部と光透過孔は、カウントアーム73Bの揺動に伴い同一の軌跡を描くような位置に設けられている。
2 リールユニット 3 前扉
4 電源ユニット 5 ホッパーユニット(払い出し貯留装置)
6 制御基板ユニット
10 開口部 11 天板
12 中板 13 底板
14 側板 20 回転リール
2M リールモータ
30 上パネル 31 図柄表示窓
32 表示装置 32A ランプ
32B 画像表示部 32C スピーカ
33 メダル投入口 34 下パネル
35 下皿 36 メダル払い出し口
38 メダルセレクター 38A メダルシュート
39 メダル通路 39A 上部メダル受け口
39B 下部メダル受け口
40 操作部 41 ベットスイッチ
42 スタートスイッチ 43 ストップスイッチ
44 精算スイッチ
50 外装箱 51 メダル貯留部
52 ベース板 53 メダル排出口
60 メダル送り装置(払い出し装置) 61 ホッパーモータ
62 回転ディスク 62A 外周壁
63 メダル孔 63B 垂下壁
64 係合突起 64A 円周突起
64B 孔突起 65 側面スリット
66 基部 66A,66B 係合溝
66C,66D 開口部 67 円柱突起
68 排出凹部 68A メダル出口
69 ホルダーリング
70 払い出しカウンタ装置 70A 第一払い出しカウンタ装置
70B 第二払い出しカウンタ装置 71A,71B 固定軸(支点)
72A,72B 回動軸(当接部) 73A カウントアーム(第一の揺動部材)
73B カウントアーム(第二の揺動部材)
74A,74B 遮光部(所定部位) 75A,75B バネ
80 払い出しセンサ(検知部) 380 投入センサ
Claims (5)
- メダルを貯留する貯留部と、複数のメダル孔を有し前記貯留部に貯留されているメダルをメダル出口から一枚ずつ送り出す回転ディスクと、前記回転ディスクから送り出されるメダルの外周面に当接部が当接することにより支点を中心に回動しメダルの通過後に原点位置に戻る揺動部材と、この揺動部材の回動を検知する検知部とを備えるホッパー装置において、
前記揺動部材として、第一の揺動部材と第二の揺動部材を備え、
各揺動部材は、各当接部が前記メダル出口を挟んでメダルの直径よりも短い距離をあけて相対向するように設置され、前記メダル出口から送り出されるメダルが前記各当接部間を通過することにより、前記各揺動部材がそれぞれ逆方向に回動可能であり、
前記第一の揺動部材は、前記回転ディスクのメダル送り出し時において、前記第二の揺動部材に先んじて所定の角度だけ回動可能であるとともに、前記所定の角度まで回動したときの前記各当接部間の距離がメダルの直径よりも短いままであるよう設置され、
前記第二の揺動部材は、前記第一の揺動部材が前記所定の角度まで回動した後に、前記各当接部間の距離がメダルを通過可能とする位置となるまで回動可能に形成されていることを特徴とするホッパー装置。 - 前記第一及び第二の各揺動部材の回動をそれぞれ検知するための二個の検知部を設け、前記各検知部が前記各揺動部材を検知する際の検知時間がそれぞれ異なるように形成されていることを特徴とする請求項1記載のホッパー装置。
- 前記第一及び第二の各揺動部材の回動を検知可能な単一の検知部を設け、前記各揺動部材の回動を前記検知部が所定のタイミングで検知可能に形成されていることを特徴とする請求項1記載のホッパー装置。
- 前記第一の揺動部材における所定部位の揺動軌跡と、前記第二の揺動部材における所定部位の揺動軌跡が交差するように、前記第一及び第二の揺動部材を配置し、
前記検知部を前記揺動軌跡の交点に配置し、
前記各揺動部材の所定部位は、前記第一及び第二の揺動部材が回動していない場合と、前記第一の揺動部材が所定の角度まで回動したが前記第二の揺動部材は回動していない場合とで、前記検知部の検知状態が変化するとともに、前記第一の揺動部材が所定の角度まで回動したが前記第二の揺動部材は回動していない場合と、前記第一の揺動部材が所定の角度まで回動しかつ前記第二の揺動部材が所定の角度まで回動した場合においても、前記検知状態が変化するような形状に形成されていることを特徴とする請求項3記載のホッパー装置。 - メダルを投入して遊技を行い、入賞の場合にはホッパー装置によってメダルを払い出す遊技機において、
前記ホッパー装置として、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のホッパー装置を備えていることを特徴とする遊技機。
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