JP4716731B2 - シャペロニン10免疫抑制 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、移植片対宿主病ならびに他の移植関連の免疫学的反応および疾患に関する。より具体的には、本発明は、シャペロニン10を用いる移植片対宿主病の予防的および治療的処置の方法に関する。
発明の背景
移植片対宿主病(GVHD)は、免疫適格細胞が個体へ導入された場合、例えば、骨髄または幹細胞移植中に、発生しうる状態である。GVHDとは、新しく移植された細胞が宿主組織に対する拒絶応答を開始する免疫学的過程を指す。GVHDは、骨髄組織、造血幹細胞、非放射線放射血液製剤およびリンパ組織を含む固形臓器の移植または輸血後、発生しうる。
GVHDの2つの型、急性および慢性がある。急性GVHDは、移植後最初の3ヶ月以内に発生し、臨床症状は、皮膚炎、腸炎および肝炎を含む。慢性GVHDは、通常、移植から3ヶ月後に発生し、皮膚、胃腸管および肝臓のような多数の臓器ならびに組織に影響を及ぼす自己免疫症候群である。
ドナーT細胞は、GVHD発生を誘発する原因である。ドナーT細胞は、宿主細胞抗原を外来として認識し、次には先天性免疫系の細胞を活性化しうるサイトカインを増殖かつ放出することにより応答する。
同種骨髄移植または造血細胞移植は、相変わらず、白血病、骨髄腫、リンパ腫および再生不良性貧血のような血液悪性腫瘍の処置として最も効果的な治療的療法である。いくつかの急性GVHDは、骨髄移植の間の死亡率および罹患率の根本原因である。慢性GVHDはまた、死に至り、生存者は、しばしば、重度の障害をもつ。
免疫抑制薬は、急性および慢性GVHDの予防、治療的処置ならびに管理に大きな役割を果たす。薬剤は、移植の前および後に患者へ投与されうる。GVHDの治療的処置に用いられる現在の薬剤は、シクロスポリン、メトトレキセート、タクロリムス、サクロリムス、ミコフェノール酸モフェチルおよびステロイドを含む。免疫抑制療法は、しばしば、最大効果のための薬物の組み合わせの投与を含む。
シャペロニン10(cpn10)は、細菌からヒトまで様々な生物体に存在し、現存の最も進化的安定なタンパク質の一つであるタンパク質の熱ショックファミリー(シャペロン)のメンバーである。シャペロン分子は、他のタンパク質の翻訳後折り畳み、ターゲティングおよび組み立てに関与するが(Hartman et al., 1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89, 3394-8)、それ自体は最終の組み立てられた構造の一部を形成しない(Ellis et al, 1991, Annu. Rev. Biochem. 60, 321-47)。これらのタンパク質は、正常細胞において必須の役割を果たすが、それらの産生は、細胞ストレス(例えば、代謝性破壊、感染、炎症、形質転換)の間、上方制御される。
シャペロニン10は妊娠初期因子(EPF)と同じアミノ酸配列を有することが、意外にも発見された(Morton et al.、国際公報WO 95/15338)。EPFは、受精の6〜24時間以内に母親の血清に現れる妊娠関連物質である(Morton et al., 1974, Nature, 249; 459-460およびMorton et al., 1976, Proc. R. Soc. Lond., 193; 413-9)。それは、少なくとも妊娠の前半に存在し、継続的な胚発生および生存に必須である(Morton et al., 1987, Current Topics in Developmental Biology 23; 73-92)。EPFが多くの生理的機能をもち、かつそれの産生が妊娠に限定されないことは、今や明らかである。
EPFは免疫抑制剤として作用し、リンパ球から抑制因子を放出させ(Rolfe et al., 1988, Clin. Exp. Immunol. 73, 219-225)、かつ免疫抑制性抗リンパ球血清のロゼット阻害性質を増大させうる(Morton et al., 1974 および 1976、前記)ことが、報告された。EPFは、マウスにおいてトリニトロクロロベンゼンに対する遅延型過敏反応を抑制し(Noonan et al., 1979, Nature, 278, 649-51)、分裂促進因子誘発性リンパ球増殖を抑制し(Athanasas-Platsis, 1993, PhD Thesis, The University of Queensland)、かつCD4+ T細胞によるIFN-γ産生を抑制することができる。
しかしながら、EPFまたはcpn10が、移植において、および特にGVHDの予防において、免疫抑制剤として見込みがあるのかどうかに関する直接的な証拠はなかった。シャペロニン60、関連熱ショックタンパク質、もまた免疫抑制剤として作用しうるのだが、GVHDにおいて少しの治療的効果ももつことを示されなかった。実際、先行技術により、熱ショックタンパク質が移植に有害影響を及ぼしうることが開示されている(Ogita et al., 2000, Transplantation, 69, 2273-2277)。
発明の目的
本発明者らは、GVHDの治療的処置および管理のために現在用いられている免疫抑制薬が以下の重大な欠点をもつことを理解した:
(i)それらは、重篤な副作用(例えば、調整のために追加の薬物を必要としうる高血圧、患者の40%までにも起こり、しばしば、その毒性を制限する薬物の最適下限の用量を投与するのを医者に余儀なくさせる腎臓毒性、震顫、頭痛、抑鬱、感覚異常、視覚障害および発作のような中枢神経作用、細菌、真菌またはウイルス感染のリスクの増加、癌、特に皮膚癌、のリスクの増加、食欲不振、悪心、ならびに育毛の増加)を引き起こす;
(ii)GVHDは、患者の有意な割合において薬物に対して耐性であり、複合薬療法が必要とされる;
(iii)薬物は非常に高価である;および
(iv)薬物は、抗生物質、NSAID、抗癲癇薬、および抗真菌剤のような他の治療薬、風疹およびポリオのような免疫処置、ならびにグレープフルーツ(シクロスポリンの場合)のような天然の食物と逆相互作用を実証した。
それゆえに、現在有効な処置よりも副作用が少なく、かつ市場で現在流通している薬物に対して耐性を示す患者においてより効力がある、GVHDを処置および管理する新しい薬物の開発が大いに必要とされている。
本発明者らは、予想外にも、cpn10が、GVHDの処置および管理において新しい療法として非常に大きい臨床的可能性をもっていることを発見した。
発明の概要
本発明は、広くには、移植におけるcpn10の使用に、および特に、移植片対宿主病の治療および/または予防に、向けられる。
広い形での本発明は、cpn10の、ドナーおよび/もしくはレシピエント動物、またはドナー由来の細胞、組織もしくは器官への投与を提供するが、特に有利な形での本発明は、ドナーおよびレシピエント動物の両方の処置を提供する。
それゆえに、第一局面において、本発明は、以下の段階を含む、移植片対宿主病(GVHD)を治療的または予防的に処置する方法を提供する:
(i)シャペロニン10(cpn10)またはcpn10の誘導体の薬学的有効量をドナー動物、またはそれから得られる細胞、器官もしくは組織に投与する段階;および
(ii)cpn10またはcpn10の誘導体の薬学的有効量をレシピエント動物に投与し、それにより1つもしくは複数の細胞、組織または器官のレシピエント動物への移植後、1つもしくは複数のGVHDの症状を遅延させる、寛解させる、抑制する、または軽減させる段階。
好ましくは、cpn10またはcpn10の誘導体の薬学的有効量は、段階(ii)の前および後の両方でレシピエント動物に投与される。
好ましくは、動物に投与されるcpn10またはcpn10の誘導体の薬学的有効量は、1 kg/体重あたり0.1 mg〜100 mgの範囲内である。より好ましくは、それは、1 kg/体重あたり0.1 mg〜10 mgの範囲内である。
好ましくは、動物は哺乳動物である。
好ましくは、動物はヒトである。
適切には、細胞、組織または器官は、骨髄であるか、または骨髄由来である。
適切には、GVHDを治療的または予防的に処置する方法は、シクロスポリン、タクロリムス、シロリムス、ミコフェノール酸モフェチルおよびメトトレキセートからなる群より選択される、少なくとも1つの他の免疫抑制剤をそのドナー動物および/またはそのレシピエント動物に投与する段階をさらに含む。
適切には、GVHDを治療的または予防的に処置する方法は、ステロイドをそのドナー動物および/またはそのレシピエント動物に投与する段階をさらに含む。
第二局面において、cpn10またはcpn10の誘導体の薬学的有効量をその動物に投与し、それによりその動物においてTNFαの産生を阻害する、抑制する、または低下させる段階を含む、動物においてTNFα産生を阻害する、抑制する、または低下させる方法が提供される。
好ましくは、動物は哺乳動物である。
好ましくは、動物はヒトである。
この局面に従って、本発明はまた、動物から得られる1つもしくは複数の細胞、組織または器官によるTNFα産生を阻害する、抑制する、または低下させる方法であって、cpn10またはcpn10の誘導体の薬学的有効量をその細胞、組織または器官に投与し、それによりその動物によるTNFαの産生を阻害する段階を含む方法を提供する。
第三局面において、本発明は、cpn10またはcpn10の誘導体の薬学的有効量を動物に投与し、それによりその動物においてIL-10の産生を誘導する、増大させる、または増加させる段階を含む、動物においてIL-10産生を誘導する、増大させる、または増加させる方法を提供する。
好ましくは、動物は哺乳動物である。
好ましくは、動物はヒトである。
この局面に従って、本発明はまた、動物から得られる1つもしくは複数の細胞、組織または器官によるIL-10産生を誘導する、増大させる、または増加させる方法であって、cpn10またはcpn10の誘導体の薬学的有効量をその細胞、組織または器官に投与し、それによりその動物によるIL-10の産生を誘導する段階を含む方法を提供する。
第四局面において、cpn10またはcpn10の誘導体の薬学的有効量、および薬学的に許容される担体、賦形剤または希釈剤を含む前記の局面のいずれかの方法による使用のための薬学的組成物が提供される。
好ましくは、少なくとも1つの他の免疫抑制剤は、免疫抑制薬、またはBリンパ球もしくはTリンパ球もしくはそれらの活性化を仲介する表面受容体に対して作製された特異的抗体である。
好ましくは、免疫抑制薬は、シクロスポリン、タクロリムス、シロリムス、ミコフェノール酸モフェチルおよびメトトレキセートのいずれか1つである。
第五局面において、ステロイドをさらに含む第四局面の薬学的組成物が提供される。
好ましくは、そのcpn10タンパク質は、図1(SEQ ID NO:1)に示されたアミノ酸配列を有する。
本明細書を通して、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、および「含む(comprising)」は、排他的というよりむしろ、包含的に用いられ、言明された完全体または完全体の群の包含を意味するが、任意の他の完全体または完全体の群の排除を意味しないことが理解される。
発明の詳細な説明
本発明者らは、cpn10がインビボのマウス移植モデルにおいて有意な免疫抑制活性を有すること、およびcpn10処置がGVHDに罹患しているマウスの生存率を増加させることを実証した。これは、cpn10の有益な免疫抑制効果およびインビボのGVHDモデルにおける生存率の増加の初めての実証である。
cpn10処置の有効性は、ドナーおよびレシピエント動物の両方が移植工程の前にcpn10で処置される場合には、増加する。本発明はまた、cpn10が、リポ多糖媒介性TNFα分泌を阻害し、かつマウスマクロファージにおけるIL-10産生を促進することを実証している。IL-10は、LPSに対する適応的および先天性免疫応答の強力な阻害物質である、強力な免疫抑制性サイトカインである。
同種骨髄移植(BMT)後の急性GVHDは、ドナーT細胞が不同性宿主抗原を認識し、Th1顕性様式で分化する、T細胞媒介性疾患である。その結果生じたT細胞由来Th1サイトカインは、それらがリポ多糖(LPS)と接触する場合、細胞壊死性量の炎症性サイトカイン(例えば、TNFα)を放出するドナー単核細胞を刺激する。LPSは、GVHDにより、および以前の放射線放射により損傷している胃腸粘膜を通して漏出する。それゆえに、TNFαは、無調節な細胞障害性サイトカイン産生と共に、宿主組織においてアポトーシスを誘導する。BMTモデルにおけるGVHD死亡は、T細胞指向性免疫抑制により、特にIL-2生成を阻害する薬剤により阻止される。
本発明は、骨髄移植に関して例証されている。しかしながら、その概念は、宿主において免疫応答を惹起することができる免疫適格細胞を含む他の細胞、組織および器官に適用可能であることは、認識されている。そのような細胞、組織および器官の非限定的例は、肝臓、肺、心臓、腎臓ならびに幹細胞および前駆細胞を含む。
本明細書に記載されている本発明は、任意の動物に広く適用可能でありうるが、特に、哺乳動物、および好ましくはヒトへ向けられる。例えば、本発明は、家畜、飼い慣らされた動物、実験動物およびパフォーマンス動物(例えば、競走馬およびラクダ)における移植へ向けられうる。
本発明の目的のために、「単離された」とは、その自然状態から取り出された、またはそうでなければヒトの操作を受けた材料を意味する。単離された材料は、それの自然状態において普通、それに付随している構成要素を実質的にもしくは本質的に含まないか、またはそれの自然状態において普通、それに付随している構成要素と共に人工的状態にあるように操作されうる。単離された材料は、天然型、化学合成型または組換え型をとりうる。
「タンパク質」とは、アミノ酸ポリマーを意味する。アミン酸は、当技術分野においてよく理解されているが、天然または非天然のアミノ酸、D-およびL-アミノ酸でありうる。
「ペプチド」は、50個以下のアミノ酸を有するタンパク質である。
「ポリペプチド」は、50個より多いアミノ酸を有するタンパク質である。
本明細書に用いられる場合の用語「核酸」は、一本鎖または二本鎖のmRNA、RNA、cRNA、RNAi、ならびにcDNAおよびゲノムDNAを含めてのDNAを示す。
「免疫抑制剤」とは、移植された同種もしくは異種の細胞、組織または器官に対する自己免疫または免疫応答を予防的または治療的に抑制することができるか、または移植片対宿主病を抑制するための薬剤を意味する。
好ましくは、個体に投与されたcpn10の薬学的有効量は、0.1 mg〜100 mgの範囲内である。
より好ましくは、個体に投与されたcpn10の薬学的有効量は、0.1 mg〜10 mgの範囲内である。
前記の薬学的有効量は、典型的な70 kgヒトに関して計算されていることは、当業者に認識されている。従って、用量は、個体の体重、年齢、性別、一般的健康状態および適性、ならびに個体が受ける任意の他の処置に依存して変化しうる。さらに、投与されるcpn10の量は、投与の頻度およびタイミングと互いに依存する。
前記のcpn10の薬学的有効量は、動物、例えば、飼い慣らされた動物および家畜に投与されうることも認識されている。用量は、当業者にとって明らかではあるが、動物の体重および種類に依存して変化するものである。
ヒトまたは他の動物に投与されるcpn10は、限定されないが、組換えcpn10(SEQ ID NO:1)、天然cpn10、ペグ化(pegylated)cpn10、組換えcpn10-GSMまたは任意の他のcpn10の誘導体タンパク質を含む、単離されたcpn10の任意の型でありうる。
適するcpn10ヌクレオチドおよびアミノ酸の配列は、当技術分野においてよく知られているが、便宜上、当業者は以下の哺乳動物cpn10配列を参照する:
(i)ヒトcpn10(NCBI Entrezアクセッション番号U07550; Chen et al., 1994, Biochim. Biophys. Acta, 1219, 189-190)
(ii)マウスcpn10(NCBI Entrezアクセッション番号U09659; Dickson et al., 1994, J. Biol. Chem., 269, 26858-864);および
(iii)ラットcpn10(NCBI Entrezアクセッション番号X71429; Ryan et al., 1994, FEBS Lett., 337, 152-156)。
ドナーおよびレシピエントの両方が移植工程の前にcpn10で処置されうる。
好ましくは、ドナーは、移植工程の前に7日間以内の間、cpn10処置を受ける。より好ましくは、ドナーは、移植工程の前に2日〜5日間、cpn10処置を受ける。
好ましくは、レシピエントは、移植工程の前に7日間以内の間、およびその工程後に90日間以内の間、cpn10処置を受ける。より好ましくは、レシピエントは、移植工程の前に2日〜5日間、およびその工程後に60日間以内の間、cpn10処置を受ける。よりいっそう好ましくは、レシピエントは、移植工程の前に2日〜5日間、その工程後に10日〜30日間、cpn10処置を受ける。
本明細書に用いられる場合、本発明の「誘導体」タンパク質は、例えば、他の化学的部分との結合もしくは複合体化により、または融合パートナータンパク質を含めた、当技術分野において理解されているような翻訳後修飾技術により、変化させられたcpn10タンパク質のようなタンパク質である。
本発明により企図される他の誘導体は、限定されないが、ペグ化、側鎖への修飾、ペプチド、ポリペプチドもしくはタンパク質合成中での非天然アミノ酸および/またはそれらの誘導体の取り込み、ならびに架橋剤の使用、および本発明のポリペプチド、断片および変異体に高次構造的制限を課す他の方法を含む。本発明により企図される側鎖修飾の例は、無水酢酸でのアシル化;無水コハク酸およびテトラヒドロフタル酸無水物でのアミノ基のアシル化;メチルアセトイミデートでのアミジン化;シアン酸塩でのアミノ基のカルバモイル化;ピリドキサール-5-リン酸、続いてNaBH4での還元でのリジンのピリドキシル化;アルデヒドとの反応、続いてNaBH4での還元による還元アルキル化;ならびに、2,4,6-トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)でのアミノ基のトリニトロベンジル化によるような、アミノ基の修飾を含む。
カルボキシル基は、O-アシルイソウレア形成によるカルボジイミド活性化、続いて、例として、対応するアミドへのその後の誘導体化により修飾されうる。
アルギニン残基のグアニジン基は、2,3-ブタンジオン、フェニルグリオキサールおよびグリオキサールのような試薬との複素環式縮合生成物の形成により修飾されうる。
スルフィドリル基は、過ギ酸のシステイン酸への酸化;4-クロロマーキュリフェニルスルホン酸、4-クロロマーキュリベンゾエート;2-クロロマーキュリ-4-ニトロフェノール、塩化フェニル水銀および他の水銀剤を用いる水銀誘導体の形成;他のチオール化合物との混合ジスルフィドの形成;マレイミド、無水マレイン酸または他の置換型マレイミドとの反応;ヨード酢酸またはヨードアセトアミドでのカルボキシメチル化;およびアルカリ性pHにおけるシアン酸塩でのカルバモイル化のような方法により修飾されうる。
トリプトファン残基は、例えば、2-ヒドロキシ-5-ニトロベンジルブロミドもしくはハロゲン化スルホニルでのインドール環のアルキル化により、またはN-ブロモスクシンイミドでの酸化により、修飾されうる。
チロシン残基は、3-ニトロチロシン誘導体を形成するテトラニトロメタンでのニトロ化により修飾されうる。
ヒスチジン残基のイミダゾール環は、ジエチルピロカルボネートでのN-カルボエトキシル化により、またはヨード酢酸誘導体でのアルキル化により修飾されうる。
ペプチド合成中に非天然アミノ酸および誘導体を取り込むことの例は、限定されないが、4-アミノ酪酸、6-アミノヘキサン酸、4-アミノ-3-ヒドロキシ-5-フェニルペンタン酸、4-アミノ-3-ヒドロキシ-6-メチルヘプタン酸、t-ブチルグリシン、ノルロイシン、ノルバリン、フェニルグリシン、オルニチン、ザルコシン、2-チエニルアラニンおよび/またはアミノ酸のD-異性体を含む。
誘導体はまた、融合パートナーおよびエピトープタグを含みうる。融合パートナーの既知の例は、限定されないが、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)、ヒトIgGのFc部分、マルトース結合タンパク質(MBP)およびヘキサヒスチジン(HIS6)を含み、それらはアフィニティークロマトグラフィーによる融合タンパク質の単離に特に有用である。アフィニティークロマトグラフィーによる融合ポリペプチド精製の目的で、アフィニティークロマトグラフィーについて関連するマトリックスは、それぞれ、グルタチオン-、アミロース-、およびニッケル-またはコバルト-結合型樹脂である。多くのそのようなマトリックスは、(HIS6)融合パートナーと有用なQIAexpress(商標)システム(Qiagen)、およびPharmacia GST精製システムのような「キット」の形で入手できる。
融合パートナーの一つの特定の例は、Ryan et al. (前記)に記載されているような、GSTである。いくつかの場合において、融合パートナーはまた、第Xa因子またはトロンビンについてのようなプロテアーゼ切断部位を有し、それらは、関連したプロテアーゼが本発明の融合ポリペプチドを部分的に消化し、それにより本発明の組換えポリペプチドをそれから遊離させるのを可能にする。遊離したポリペプチドは、その後、次のクロマトグラフィー分離により融合パートナーから単離されうる。例えば、GST-cpn10の切断において、誘導体GSM-cpn10タンパク質が生成される。
本発明による融合パートナーはまた、それらの範囲内に「エピトープタグ」を含み、それらは、通常、特異的抗体が利用できる短いペプチド配列である。特異的モノクローナル抗体が容易に利用できるエピトープタグの既知の例は、c-myc、赤血球凝集素およびFLAGタグを含む。
本発明のcpn10タンパク質(断片、変異体、誘導体および相同体を含む)は、化学合成および組換え発現を含む、当業者に公知の任意の適する方法により調製されうる。
好ましくは、cpn10は組換えcpn10である。
例えば、組換えcpn10タンパク質は、以下の段階を含む方法により調製されうる:
(i)1つまたは複数の制御ヌクレオチド配列に機能的に連結された、cpn10をコードする単離された核酸を発現ベクター中に含む、発現構築物を調製する段階;
(ii)適する宿主細胞を発現構築物でトランスフェクションまたは形質転換する段階;および
(iii)その宿主細胞において組換えタンパク質を発現させる段階。
「発現ベクター」は、プラスミドのような自己複製する染色体外ベクターか、または宿主ゲノムへ統合されるベクターのいずれかでありうる。
「機能的に連結された」とは、その制御ヌクレオチド配列が、転写を開始、制御、または調節するように、本発明の組換え核酸に対して位置していることを意味する。
制御ヌクレオチド配列は、一般的に、発現に用いられる宿主細胞に適切なものである。適切な発現ベクターおよび適した制御配列の多数の型が、様々な宿主細胞について当技術分野において知られている。典型的には、その1つまたは複数の制御ヌクレオチド配列は、限定されないが、プロモーター配列、リーダーまたはシグナル配列、リボソーム結合部位、転写開始および終結配列、翻訳開始および終結配列、スプライスドナー/アクセプター配列、ならびにエンハンサーまたはアクチベーター配列を含みうる。
当技術分野において公知であるような構成的または誘導的プロモーターが、本発明により企図され、例えば、テトラサイクリン抑制性およびメタロチオニン誘導性プロモーターを含む。プロモーターは、天然に存在するプロモーターかまたは1つより多いプロモーターの要素を結合するハイブリッドプロモーターのいずれかでありうる。
好ましい態様において、発現ベクターは、形質転換された宿主細胞の選択を可能にする選択マーカー遺伝子を含む。選択マーカー遺伝子は、当技術分野においてよく知られており、用いられる宿主細胞で異なるものである。
発現に適した宿主細胞は、限定されないが、大腸菌(Escherichia coli)(例えば、DH5α)、酵母細胞、バキュロウイルス発現系で利用されるSF9細胞、CHO細胞、COS、CV-1および293細胞のような、原核細胞または真核細胞でありうる。
組換えcpn10タンパク質は、例えば、参照として本明細書に組み入れられている、Sambrook et al., MOLECULAR CLONING. A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Press, 1989)、特に第16章および17章;参照として本明細書に組み入れられている、CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY Eds. Ausubel et al., (John Wiley & Sons, Inc. 1995-1999)、特に第10章および16章;ならびに、参照として本明細書に組み入れられている、CURRENT PROTOCOLS IN PROTEIN SCIENCE eds. Coligan et al., (John Wiley & Sons, Inc. 1995-1999)、特に第1章、5章および6章に記載されているような、標準的プロトコールを用いて当業者により都合よく調製されうる。
pGEX系を用いる組換え合成cpn10の産生および精製の例は、WO 95/15338に提供されている。活性cpn10を産生することが知られる高収量細菌発現系(Ryan et al.、前記)が、本明細書に記載された実験に用いられるcpn10(SEQ ID NO:1)を産生するために用いられた。
薬学的組成物
本発明は、細胞、組織もしくは器官移植により引き起こされる疾患または病状、特にGVHD、の治療的処置のためのcpn10の使用を提供する。
本発明はまた、cpn10またはcpn10の誘導体を含む薬学的組成物を提供する。
適切には、薬学的組成物は、適当な薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む。
適切には、薬学的組成物は、cpn10またはcpn10の誘導体、薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤、および少なくとも1つの他の免疫抑制剤を含む。好ましくは、他の免疫抑制剤は、免疫抑制薬、またはBリンパ球もしくはTリンパ球、もしくはそれらの活性化を仲介する表面受容体に対して作製された特異的抗体である。より好ましくは、免疫抑制剤は、シクロスポリン、タクロリムス、シロリムス、ミコフェノール酸モフェチルおよびメトトレキセートのいずれか1つである。薬学的組成物はまた、ステロイドを含みうる。
「薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤」とは、全身投与に安全に用いられうる、固体もしくは液体の増量剤、希釈剤またはカプセル化する物質を意味する。特定の投与経路に依存して、当技術分野において既知の様々な担体が用いられうる。これらの担体は、糖、デンプン、セルロースおよびそれの誘導体、麦芽、ゼラチン、タルク、硫酸カルシウム、植物油、合成油、ポリオール、アルギン酸、リン酸緩衝溶液、乳化剤、等張食塩水ならびに塩酸塩、臭化物および硫酸塩を含む無機酸塩のような塩、酢酸塩、プロピオン酸およびマロン酸塩のような有機酸、ならびに発熱物質なしの水を含む群より選択されうる。
薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を記載する有用な参照文献は、参照として本明細書に組み入れられている、Remington's Pharmaceutical Sciences (Mack Publishing Co. N.J. USA, 1991)である。
任意の安全な投与経路が、本発明の組成物を患者に供給するするために用いられうる。例えば、経口、直腸、腸管外、舌下、口腔、静脈内、関節内、筋肉内、皮内、皮下、吸入、眼内、腹腔内、脳室内、経皮的などが用いられうる。筋肉内および皮下注射は、例えば、免疫原性組成物、ワクチンおよびDNAワクチンの投与に適している。
剤形は、錠剤、分散液、懸濁液、注射剤、溶液、シロップ、トローチ、カプセル、坐剤、エアゾール、経皮パッチなどを含む。これらの剤形はまた、この目的のために特別に設計された注射するもしくは埋め込む放出制御装置、またはこの様式で追加的に行うために改変されたインプラントの他の形を含みうる。治療剤の放出制御は、同じものを、例えば、アクリル樹脂、蝋、高級脂肪族アルコール、ポリ乳酸およびポリグリコール酸、ならびにヒドロキシプロピルメチルセルロースのような特定のセルロース誘導体を含む疎水性ポリマーでコーティングすることにより実施される。さらに、放出制御は、他のポリマーマトリックス、リポゾームおよび/またはミクロスフィアを用いることにより実施される。
上の組成物は、剤形に適合した様式で、かつ薬学的に有効であるような量で投与されうる。患者に投与される用量は、本発明との関係においては、適切な期間に渡って患者に有益な応答を与えるのに十分であるべきである。投与されるべき薬剤の量は、処置される対象の年齢、性別、体重および一般的健康状態、医者の判断に依存する要因を含めて、対象に依存しうる。
本発明がより容易に理解され、かつ実践的効果が示されるように、当業者は、以下の非限定的例を参照する。
実施例
方法
移植
マウスにHill et al., 1997, Blood, 90, 3204-3213およびHill et al., 1999, J. Clin. Invest., 104, 459-467に記載されているような標準的プロトコールに従って移植した。0日目において、B6D2F1マウスは、胃腸毒性を最小限にするために3時間隔てられた2回で1400 cGy放射線全身照射(TBI)、137Cs線源)を受けた。5×106個の骨髄細胞、およびB6マウス(同種異系)またはB6D2F1マウス(同系)由来の2×106個のナイロンウール精製された脾臓のドナーT細胞を0.25 mlのLeibovitz's L-15培地に再懸濁し、照射を受けたレシピエントへ静脈内注射した。
組換えcpn10の調製
XL1-Blue大腸菌細胞を発現ベクターpPL550を用いてcpn10で形質転換し、37℃で増殖させた。指数関数的増殖にある細胞を、4時間、42℃への温度上昇によりタンパク質を発現させるように誘導した。細胞をペレット状にし、30 ml 0.025 M トリスHCl pH 8.0に再懸濁し、-30℃で保存した。
1 L培養物からの細胞ペレットを解凍し、細胞をリゾチームで溶解し(100 μg/ml;37℃で15分間)、続いて超音波処理し(5×10秒、4℃)、細胞砕片を遠心分離(30分、4℃、48384×g)により除去した。
cpn10をイオン交換および疎水性相互作用クロマトグラフィーにより清澄化溶解物から精製した。タンパク質を、10%〜20%トリス-トリシンゲル上でのSDS-PAGE(100×100×1 mm;Novex)を用いてカラム画分において〜10 kDaバンドとして同定した。
溶解物を、8 ml/分の流速で流出緩衝液として0.025 M トリスHCl pH 8.0を用いて、Macroprep HighQ (BIO-RAD)の200 ml カラムへ適用した。結合しない画分を保持し、pHを6.8に調整した。試料を、2 ml/分の流速で流出緩衝液として0.025 M リン酸ナトリウム緩衝液、pH 6.8を用いて、5 ml EconoPac Sカートリッジ(BIO-RAD)へ適用した。カラムを、0.025 M リン酸ナトリウム緩衝液、pH 6.8において0→1 M NaClの勾配で溶出し、2 ml/分で30分を超えて適用した。
cpn10含有画分をプールし、0.05 M リン酸ナトリウム緩衝液、pH 6.8における3 M (NH4)2SO4の等量を添加した。試料を、2 ml/分の流速で流出緩衝液として0.05 M リン酸ナトリウム緩衝液、pH 6.8における1.5 M (NH4)2SO4を用いて、5 ml Econo-pac Methyl HICカートリッジへ適用した。カラムを、0.05 M リン酸ナトリウム緩衝液、pH 6.8において1.5→0 M (NH4)2SO4の勾配で溶出し、2 ml/分で15分を超えて適用した。
cpn10含有画分をプールし、生理食塩水に対して一晩透析し、適当なアリコートに分配し、-30℃で保存した。
cpn10処置
組換えヒトcpn10を注射前にPBSに希釈した。記載されているように、BMTの前または後に、マウスを、それぞれの日にcpn10(10 μg/回または100 μg/回)を皮下注射した。対照群からのマウスは、希釈剤のみの注射を受けた。
GVHDの評価
全身性GVHDの程度は、生存率により、および5つの臨床的パラメーター:体重減少、姿勢(背中の曲がり)、活動、毛皮質感、および皮膚完全性における変化を合計する得点システム(最大指数=10)により評価された(Cooke et al., 1996, Blood, 88,3230-3239; Hill et al., 1999, J. Clin. Invest., 104:459-467)。個々のマウスに耳標を付け、各基準について0から2まで毎週、採点した。重症の臨床的GVHDをもつ動物(得点>6)を倫理指針に従って屠殺し、死亡の日は、次の日であるとみなした。
統計学的解析
生存曲線をカプラン-マイヤー推定値を用いてプロットし、ログランク解析により比較した。臨床的得点の統計学的解析のためにマン-ホイットニーU検定を用いた。P<0.05は、統計学的に異なるとみなされた。
実施例1-インビトロのマウスマクロファージ実験
インビトロ実験を、生理学的細胞集団におけるcpn10の効果を測定するために行った。
マウス
雌C57BL/6(B6、H-2b、Ly-5.2+)、B6 Ptprca Ly-5a(H-2b、Ly-5.1+)およびB6D2F1(H-2b/d、Ly-5.2+)マウスをAustralian Research Centre(Perth, Western Australia, Australia)から購入した。C57BL/6 IL-10-/-マウス(B6、H-2b、Ly-5.2+)はthe Australian National University(Canberra, Australia)より供給された。移植レシピエントとして用いられるマウスの齢は、8週と14週の間の範囲であった。マウスは、滅菌されたマイクロアイソレーターケージで飼育され、移植後最初の2週間、酸性化加圧滅菌水(pH 2.5)および標準固形飼料を受けた。
骨髄移植
マウスに標準的プロトコールに従って移植した(Hill et al., 1997、前記)。簡単には、1日目に、B6D2F1マウスは、胃腸毒性を最小限にするために3時間隔てた2回に分割された1300 cGy放射線全身照射(108 cGy/分での137Cs線源)を受けた。ドナー骨髄(動物あたり5×106個)および脾臓T細胞(動物あたり3×106個)を0.25 mlのLeibovitz's L-15培地(Gibco BRL, Gaithersburg MD)に再懸濁し、レシピエントへ静脈内注射した。生存を毎日モニターし、GVHD臨床的得点を毎週、測定した。cpn10または対照希釈剤を動物あたり100 μgの用量で皮下注射した。全身性GVHDの程度は、上記のように評価された。
細胞培養
通して用いられる培地は、50ユニット/ml ペニシリン、50 μg/ml ストレプトマイシン、2 mM L-グルタミン、1 mM ピルビン酸ナトリウム、0.1 mM 非必須アミノ酸、0.02 mM β-メルカプトエタノール、および10 mM HEPESを追加した10% FCS/IMDM(JRH Biosciences, Lenexa, KS)であった。実験は、5% CO2を補充した加湿インキュベーターにおいて、pH 7.75かつ37℃で行われた。
インビトロLPS刺激実験について、腹腔マクロファージまたは脾細胞をLPSの段階的濃度で刺激し、TNFαおよびIL-10をそれぞれ、5時間目および48時間目に、培養上清において測定した。インビトロ同種抗原実験について、精製されたC57BL/6 T細胞を、105個の放射線照射(2000 cGy)B6D2F1腹腔マクロファージ(一次MLC)と共に96ウェルプレート(Becton Dickinson, Franklin Lakes, NJ)で培養し、72時間目に上清を回収した。その後、培養物を3H-チミジン(ウェルあたり1 μCi)でパルスし、増殖を16時間後、1205 Betaplateリーダー(Wallac, Turku, Finland)で測定した。インビトロ分裂促進因子刺激について、精製されたC57BL/6 T細胞を、モノクローナルCD3およびCD28でプレコーティングされた平底型96ウェルプレートで、10 μg/mlの最終濃度に培養した。上清を48時間目に回収し、培養物を3H-チミジン(ウェルあたり1 μCi)でパルスした。増殖を16時間後に測定した。
サイトカインELISA
IFNγ、IL-10、IL-4およびTNFαアッセイに用いられる抗体は、PharMingen(San Diego, CA)から購入し、アッセイは、製造会社のプロトコールに従って行われた。簡単には、試料は1:3〜1:24に希釈され、サイトカインは特異的一次モノクローナル抗体(mAb)により捕捉され、ビオチン標識二次mAbにより検出された。ビオチン標識アッセイは、ストレプトアビジンおよび基質(Kirkegaard and Perry laboratories, Gaithersburg, MD)で顕出された。プレートは、Spectraflour Plusマイクロプレートリーダー(Tecan, Durham, NC)を用いて450 nmで読まれた。組換えサイトカイン(PharMingen)は、ELSAアッセイについての標準として用いられた。試料および標準は、二連で実行され、アッセイの感度は、IFNγについて0.063 U/ml、IL-10、IL-4およびTNFαについて15 pg/mlであった。
結果
cpn10のインビボ投与は、腹腔マクロファージのTNFαを産生する能力を低下させた(図2A)。B6マウス(n=3)をcpn10(毎日1回、100 μg)(cpn10+)または対照希釈剤(cpn10-)で5日間、処置した。処置群内の個々の動物から、腹腔マクロファージを6日目に腹腔洗浄により回収し、プールした。細胞を、LPSの非存在下(示さず)または存在下(1 μg/ml)において、2×105個/ウェルで蒔いた。培養上清を5時間目に回収し、TNFαのレベル(pg/ml)をELISAにより評価した。結果は、CD11b染色に基づく105個のマクロファージあたりの産生に対して標準化される。図2Aは、2つの同一実験からのデータを示している。TNFαのLPS誘導分泌は、これらの細胞から40%、低下した。
cpn10でのインビボ処置は、脾細胞からのIL-10産生を増加させた(図2B)。B6マウスを上記のように、cpn10または対照希釈剤のいずれかで処置した。LPSの非存在下(示さず)または存在下(10 μg/ml)における5×105個/ウェルでの培養の前に、処置群内の個々の動物から、脾細胞を6日目に回収し、プールした。培養上清を48時間目に回収し、IL-10のレベル(pg/ml)をELISAにより測定した。2つの同一実験からのデータは、図2Bに示されている。IL-10産生の有意な増加が対照動物と比較して観察された。
cpn10でのインビボ処置は、IL10-/-腹腔マクロファージからのTNFα産生を低下させた(図2C)。IL10-/- B6マウスをcpn10または対照希釈剤で処置し、処置群内の個々の動物から、腹腔マクロファージを6日目に腹腔洗浄により回収し、プールした。LPSの非存在下(LPS 0)または存在下(0.1 μg/ml、1 μg/mlおよび10 μg/ml)における培養の5時間後、TNFαの量を培養上清において測定した。LPS誘導TNFα産生におけるcpn10媒介による低下(図2A)は、cpn10処置されたIL-10-/-マウス由来の腹腔マクロファージがインビトロでLPSで刺激された場合、TNFα分泌における同様の低下が観察されたので、IL-10を必要としない。このように、TNFα分泌の低下およびIL-10産生の増加は、cpn10処置の独立した結果であるように思われる。
cpn10処置は、T細胞IFNγまたはIL-4分泌に影響を及ぼさないように思われた。以前の報告は、cpn10が分裂促進因子に応答してT細胞増殖を阻害することができることを示唆した(Morton H. 1998 Immunol. Cell Biol., 76, 483-496)。Th1免疫応答は、通常、TNFαおよびIFNγのような炎症誘発性サイトカインを特徴とする。Th2応答は、IL-4およびIL-10分泌を含み、制御性T細胞(Treg)応答は、IL-10およびTGFβ産生を特徴とする。Th2およびTreg応答は増殖を抑制し、かつTh1応答はサイトカイン産生を抑制するため、T細胞分化に影響を及ぼすcpn10の能力が調べられた。
cpn10のインビボ投与は、同種抗原に対するTリンパ球の増殖応答に影響を及ぼさなかった(図2D)。B6マウス(n=3)をcpn10または対照希釈剤の毎日の注射で処置した。脾細胞由来T細胞集団を、混合リンパ球培養(MLC)において7日間、インビトロで同種脾細胞で刺激した。精製されたT細胞(0.5×105個/ウェル、1×105個/ウェル、および2×105個/ウェル)を、放射線照射された同種B6D2F1腹腔マクロファージ(0.5×105個/ウェル)で刺激し、増殖を、標準3[H]チミジン取り込みアッセイにより72時間目に測定した。図2Dにプロットされた値は、三連のウェルの平均±SEを表している。これらのMLC内のT細胞の増殖がcpn10処置された動物と対照動物の間で有意には異ならず、そのcpn10がT細胞増殖制御因子ではないことを示した。
図2E〜Gは、cpn10のインビボ投与のT細胞分化への効果を示している。B6動物を上記のようにインビボでcpn10で処置した。cpn10処置および媒体処置された動物由来のT細胞(2×106個/ウェル)を放射線照射された同種B6D2F1脾細胞(3×106個/ウェル)で7日間の培養において刺激した(一次混合リンパ球培養)。7日目に、T細胞を回収し、T細胞を刺激するCD3およびCD28に対するプレート結合抗体で再刺激した。培養上清を24時間目に回収し、IFNγ、IL4およびIL-10の濃度をELISAにより測定した。図4E〜Gにおける濃度値は、三連のウェルの平均±SEを表している。
T細胞IL-4分泌もIFNγ分泌のいずれも、cpn10処置された動物と対照動物の間で有意には異ならず、cpn10がTh1/Th2均衡に影響を及ぼさないことを示唆した。
対照的に、T細胞IL-10分泌は、有意に上昇した(図2G)。IL-10分泌における同様の上昇はまた、cpn10処置が、インビボよりむしろ、インビトロでの細胞培養中(MLC)に行われた場合に観察され、増殖、IFNγおよびIL-4は再度、影響されなかった(データは示さず)。これらのデータは、cpn10が、LPSおよび同種抗原での刺激に応答してIL-10産生を増大させうることを示し、cpn10により増大したIL-10産生が、部分的に、T細胞由来IL-10からによりうることを示唆している。
実施例2-インビボGVDHにおけるcpn10での移植前および後の処置の効果
移植前後の期間におけるcpn10の投与がGVHDを防ぐことができるかどうかを調べるためにインビボ実験を行った。
cpn10の処置後投与
ドナーB6マウス由来の骨髄細胞(5×106個/動物)および精製されたT細胞(上記)を、致死的な放射線を浴びた(1100 cGy)B6D2F1レシピエントマウス(同種異系群)へ移植した。同系対照群におけるB6D2F1レシピエントは、B6D2F1骨髄およびT細胞の等用量を受けた。移植後の期間(0〜21日目)に、動物に媒体(同系、n=8および同種異系対照群、n=10)またはcpn10(10 μg/動物/日および100 μg/動物/日:cpn10 10 μg/日、同種異系、n=10およびcpn10 100 μg/日、同種異系、n=10)のいずれかを皮下注射した。GVHD臨床的得点(上記のような)を生存している動物においてGVHDの重症度の尺度として測定した。臨床的に軽いGVHDは、媒体処置された同種異系対照と比較して、cpn10の100 μg/日を注射された同種異系動物において14日目および21日目に観察された(**P<0.01)。媒体を注射された同種異系群とcpn10を注射された同種異系群の間に、生存のパーセントにおける有意差はなかった。図3は、カプラン-マイヤー解析によるマウス生存曲線を示している。
骨髄移植(BMT)のcpn10の投与は、GVHD死亡を防ぐことができず、GVHD臨床的得点により測定されるような罹患率を一時的に低下させただけであった(図3B)。臨床的に軽いGVHDは、媒体処置された同種異系対照と比較して、100 μg/日のcpn10を注射された同種異系動物において14日目および21日目に観察された(**P<0.01)。
cpn10の処置前投与
レシピエントB6D2F1およびドナーB6マウスを、cpn10(100 μg/日/皮下)または対照希釈剤のいずれかで、移植前の5日間、処置した。B6ドナーマウスから6日目に回収された骨髄(5×106個/動物)およびT細胞(3×106個/動物)を、致死的な放射線を浴びたB6D2F1レシピエントへ移植した。レシピエントの5つの群が形成された:
群1:同系B6D2F1骨髄およびT細胞で移植されたB6D2F1を表す同系対照(n=8)。
群2:希釈剤で前処置されたB6ドナー由来の細胞で移植された、希釈剤で前処理されたB6D2F1レシピエントからなる、同種異系対照(n=10)。
群3:前処置された同種異系レシピエント(n=10)、レシピエントB6D2F1マウスは、cpn10で移植前に処置され、かつ媒体で前処置されたB6ドナー細胞で移植された。
群4:cpn10で前処置されたB6ドナー(前処置された同種異系ドナー、n=10)からの移植を受けた、希釈剤のみで前処置されたレシピエントB6D2F1マウス。
群5:B6D2F1レシピエントおよびB6ドナーマウスの両方が、移植の前にcpn10で前処置された(前処置された同種異系レシピエントおよびドナー、n=10)。
上記のGVHD臨床的得点が、生存している動物におけるGVHD重症度の尺度として測定された。
同種異系対照群と比較して、有意により低い臨床的得点が、群5(レシピエントおよびドナーの両方が移植前にcpn10で前処置された)において7日目に観察された(図4B、***P<0.001)。図4は、カプラン-マイヤー解析によるマウス生存曲線を示している。
移植のの5日間の移植ドナーおよびレシピエントへのcpn10の投与は、有意にGVHD死亡を遅らせた(P<0.01、同種異系対照に対して)。さらに、臨床的得点により測定されるGVHDの重症度もまた、BMT後初期に低下した。BMT前に投与される場合のcpn10のGVHD死亡を遅らせる能力は、本明細書に記載される抗炎症効果、すなわち、TNFα産生の制限と一致している(Hill et al., 1998 J. Clin. Invest., 102, 115-123; Hill et al., 1997、前記)。BMT後でのcpn10投与がGVHDの発生を防ぐことができないことは、図3に特徴付けられているように、この実施例に用いられた用量およびスケジューリングにおけるT細胞活性および分化への効果の欠如と一致している。
これらのモデルにおける移植コンディショニング(致死線量照射)は、進行性胃腸管損傷、LPS漏出、および炎症性サイトカイン生成の過程を引き起こし、それが次には、胃腸管損傷をさらに誘発し、その過程が正のフィードバックループとして続く。その過程は、放射線傷害から消化管を保護する薬物(IL-11およびケラチン生成細胞成長因子;Krijanovski et al., 1999, Blood, 94, 825-831)、直接的LPSアンタゴニスト(Cooke et al., 2001, J. Clin. Invest., 107, 1581-1589)、またはTNFα自身の阻害剤(Hill et al., 1997、前記)により遮断されうる。しかしながら、これらの薬剤は、TNFαが完全に中和されることがない限り、またはT細胞活性化および分化への追加の効果がない限り、GVHDを防ぐというよりむしろ遅らせる傾向にある。このように、cpn10の投与によるGVHD死亡における遅延は、BMT後初期でのLPSシグナル伝達およびその後のTNFα産生の制限と一致しているが、その後の同種異系反応性T細胞機能に影響を与えることができないことにも一致している。
それゆえに、cpn10は、GVHDの処置において重要な治療薬になる可能性をもっている。ドナーおよびレシピエントの両方が、移植工程の前にcpn10を投与される場合に観察されるGVHD処置の効果の増加は、TNFαが、移植後の期間、両方の組織または器官の源から生じているという事実と一致している(Cooke et al., 2000, J. Immunol., 165, 6612-6619; Speiser et al., 1997, J. Immunol., 158, 5185-5190)。
さらに、cpn10は、二次適応的免疫応答を制限する伝統的な免疫抑制剤と併用してのGVHDの処置に有用でありうる。
本明細書を通して、任意の1つの態様または特定の特徴の集合に本発明を限定することなく、本発明の好ましい態様を記載することを目的とした。それゆえに、本開示を照らして、様々な改変および変化が、本発明の範囲から逸脱することなく、例示された特定の態様においてなされうることは、当業者に認識されている。
本明細書に参照されたすべてのコンピュータープログラム、アルゴリズム、特許および科学文献は、参照として本明細書に組み入れられている。
cpn10タンパク質のアミノ酸配列(SEQ ID NO:1)。 マウス腹腔マクロファージのLPSおよび同種抗原に誘導される誘発性応答、ならびにT細胞分化へのインビボcpn10処置の効果。 骨髄移植およびcpn10の移植後処置の後のマウスの生存率。移植後期間において(0〜21日目)、動物は、媒体(同系、n=8および同種異系対照群、n=10)またはcpn10(10 μg/動物/日および100 μg/動物/日:cpn10 10 μg/日、同種異系、n=10およびcpn10 100 μg/日、同種異系、n=10)のいずれかを皮下に注射された。B. 時間に対してプロットされたマウスGVHD臨床的得点(0日〜45日間;**P<0.01)。 骨髄移植およびcpn10の移植前処置の後のマウスの生存率。レシピエントおよびドナーマウスは、cpn10(100 μg/日)または対照希釈剤の皮下注射で、移植前の5日間、処置された。その後、動物の5つの群が形成された:群1:同系B6D2F1骨髄およびT細胞で移植されたB6D2F1を表す同系対照(n=8);群2:希釈剤で前処置されたB6ドナー由来の細胞で移植された、希釈剤で前処理されたB6D2F1レシピエントからなる、同種異系対照(n=10);群3:前処置された同種異系レシピエント(n=10)、レシピエントB6D2F1マウスは、cpn10で移植前に処置され、かつ媒体で前処置されたB6ドナー細胞で移植された;群4:cpn10で前処置されたB6ドナー(同種異系:前処置されたドナー、n=10)由来の移植を受けた、希釈剤のみで前処置されたレシピエントB6D2F1マウス;および群5:B6D2F1レシピエントおよびB6ドナーマウスの両方が、移植の前にcpn10で前処置された(同種異系:前処置されたレシピエントおよびドナー、n=10)。(P<0.01、同種異系対照に対して)。B. 時間に対してプロットされたマウスGVHD臨床的得点(0〜30日間;***P<0.001)。

Claims (5)

  1. SEQ ID NO:1に示されるアミノ酸配列を含むシャペロニン10(cpn10の薬学的有効量、および薬学的に許容される担体、賦形剤または希釈剤を含む薬学的組成物。
  2. 少なくとも1つの他の免疫抑制剤をさらに含む、請求項1記載の薬学的組成物。
  3. 他の免疫抑制剤がシクロスポリン、タクロリムス、シロリムス、ミコフェノール酸モフェチルおよびメトトレキセートのいずれか1つである、請求項2記載の薬学的組成物。
  4. SEQ ID NO:1に示されるアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチド。
  5. 移植片対宿主病に対する医薬の製造における、請求項4記載のポリペプチドの使用。
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