JP4716111B2 - 物品収納棚 - Google Patents
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Description
そして、このような物品収納棚において、従来では、棚前後方向に隣接する一対の支柱に亘ってラチスを架設した剛性支柱枠を棚横幅方向に並べて棚構成体を形成し、その棚構成体に垂直ブレースを装着することにより、物品収納棚が剛性に構成されていた(例えば、特許文献1参照。)。
ちなみに、剛性支柱枠を構成する棚前後方向に隣接する支柱間、並びに、棚横幅方向に隣接する剛性支柱枠間に亘って水平材が架設されている。
そこで、棚前後方向並びに棚横幅方向に並ぶ支柱に接続されているラチス又は垂直ブレースを取り外して棚構成体の全体を可変形構造に形成し、その変形振動を減衰する減衰機構を棚構成体に装着させて、棚構成体の変形振動と減衰機構による変形振動の減衰とにより物品収納棚の下部の揺れが上部に伝わり難くなるように構成して、地震等により物品収納棚が揺れた際の物品収納棚の上部における振幅量を抑えることが考えられるが、ラチスや垂直ブレースを取り外すことにより物品収納棚の強度が低下してしまうため、その低下した強度をラチスや垂直ブレースに代えて装着する減衰機構にて補う必要があるものであり、減衰機構にて物品収納棚の強度を補うことにより、棚構成体は変形振動し難くなり減衰機構は変形振動を減衰させ難くなるので、地震等、特に、中小地震のように変形振動のエネルギーが比較的小さい地震等により物品収納棚が揺れた場合に物品収納棚の下部の揺れが上部に伝わり易く、物品収納棚の上部における振幅量を小さく抑えることができないものとなる。
前記ラチスの非設置により可変形構造とし、且つ、その変形振動を減衰する減衰機構が装着された可変形棚部分と、前記棚構成体の他の部分とが、水平方向に並ぶ状態で前記左右水平材によって接続され、
前記可変形棚部分が、前記支柱のうちの棚前後方向に隣接する支柱に亘って減衰機構を架設した可変形支柱枠にて構成され、
前記棚構成体が、前記可変形支柱枠と、前記支柱のうちの棚前後方向に隣接する支柱に亘って前記ラチスを架設した剛性支柱枠とを、それら夫々における一対の支柱を棚前後方向に位置させた状態で且つ前記剛性支柱枠と前記可変形支柱枠とを交互に位置させた状態で棚横幅方向に並べて構成されている点にある。
つまり、棚前後方向並びに棚横幅方向に並ぶ支柱にラチス及び水平材が接続されて棚構成体が構成され、その棚構成体に垂直ブレースが設置されて、物品収納棚は十分な強度が備えられており、このように十分な強度が備えられている棚構成体の水平方向の一部に、ラチスが設置されていない変形振動が可能な可変形構造の可変形棚部分が形成され、その可変形棚部分に減衰機構が装着されている。
従って、ラチスの非設置により棚構成体の水平方向の一部が可変形構造とされながらも、その可変形構造とされた可変形棚部分は棚構成体の水平方向の一部に備えられているだけなので、棚構成体における可変形棚部分以外の棚部分にて物品収納棚に十分な強度が確保し易いものであり、また、十分な強度を確保した物品収納棚における可変形棚部分に減衰機構を装着することにより、減衰機構にて物品収納棚の強度を補う必要がないため、可変形棚部分は変形振動し易くなり減衰機構は変形振動を減衰させ易くなるので、地震、特に、中小地震のように変形振動のエネルギーが比較的小さい地震等により物品収納棚が揺れた場合でも物品収納棚の下部の揺れが上部に伝わり難くなり、物品収納棚の上部における振幅量を小さく抑えることができ、もって、地震等の際に上部における振幅量を小さく抑えることができる物品収納棚を提供することができるに至った。
また、剛性支柱枠の間に可変形支柱枠を位置させた状態で可変形支柱枠と剛性支柱枠とを棚横幅方向に並べて構成されており、ラチスを架設した剛性に構成した剛性支柱枠の間に可変形支柱枠を位置させることで物品収納棚に十分な強度を確保し易くなる。
以下、本発明にかかる物品収納棚を自動倉庫に適応した例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、自動倉庫は、物品を収納する物品収納棚1と棚横幅方向に沿って走行するスタッカークレーン2とを備え、スタッカークレーン2にて物品を物品収納棚1と収納棚1の横側方に設けられた荷受台3との間で搬送するように構成されている。
そして、図1及び図3に示すように、対向する棚列aの間の夫々には、物品搬送用のフォーク装置2aを昇降自在に備えたスタッカークレーン2が下部レール8並びに上部レール9に沿って走行可能に設けられている。尚、各棚列aにおける棚前後方向のスタッカークレーン存在側が前側、スタッカークレーン存在側とは反対側を後側とする。
そして、図4に示すように、可変形棚部分Bが、前記支柱4のうちの隣接する支柱4に亘ってオイルダンパ12を架設した可変形支柱枠13にて構成され、図6に示すように、前記棚構成体Aが、前記可変形支柱枠13と、前記支柱4のうちの隣接する支柱4に亘って前記ラチス5を架設した剛性支柱枠14とを、それら夫々における一対の支柱4を棚前後方向に位置させた状態で且つ前記剛性支柱枠14の間に前記可変形支柱枠13を位置させた状態で棚横幅方向に並べて構成されている。
また、図6に示すように、棚構成体Aには、可変形支柱枠13や剛性支柱枠14を棚横幅方向に並べて構成された棚列aが棚前後方向に複数並べられており、換言すると、棚構成体Aは、複数の棚列aを棚前後方向に並べて構成され、前記複数の棚列aの夫々が、前記可変形支柱枠13と前記支柱4のうちの隣接する支柱4に亘って前記ラチス5を架設した剛性支柱枠14とを、それら夫々における一対の支柱4を棚前後方向に位置させた状態で且つ前記剛性支柱枠14の間に前記可変形支柱枠13を位置させた状態で棚横幅方向に並べて構成され、且つ、各棚列aにおける前記可変形支柱枠13の棚横幅方向での位置が同じ位置となるように構成されている。
尚、棚構成体Aに垂直ブレース7とオイルダンパ12とが装着されて物品収納棚1が構成されるものであり、物品収納棚1はオイルダンパ12を装着しない状態で十分な強度が備えられている。
図4に示すように、前記可変形支柱枠13は、棚前後方向に隣接する一対の支柱4と、この一対の支柱4に亘って架設された水平姿勢の複数の前後水平材15とを備えて構成されており、ラチス5は設置されていない。そして、可変形支柱枠13には、一対の支柱4に亘って傾斜姿勢に架設する状態で複数のオイルダンパ12を装着するように構成されている。
また、図6に示すように、各棚列aは、可変形支柱枠13と剛性支柱枠14とが等間隔に並べられており、各棚列aにおける剛性支柱枠14の棚横幅方向での位置が同じ位置となり、各棚列aにおける可変形支柱枠13の棚横幅方向での位置も同じ位置となるように構成されている。
この棚列連結枠17は、対向する一対の棚列a夫々における前側の支柱4の上端に連結された一対の左右枠部分17aと、これら一対の左右枠部分17aに亘って架設された前後枠部分17bとで構成されており、この棚列連結枠17には、前記上部レール9が支持されている。
尚、前記前後水平材15、左右水平材16、棚列連結枠17及び支柱つなぎ18が水平材6に相当する。
以下、可変形棚部分Bを、可変形棚列a1として構成した場合について図面に基づいて説明する。
尚、本発明の実施形態と同様に構成されるものについては、本発明の実施形態と同じ符号を付け、説明は省略する。
そして、一対の剛性棚列a2を棚構成体Aの棚前後方向の両端部に位置させ、一対の可変形棚列a1を一対の剛性棚列a2の間に位置するように、剛性棚列a2と可変形棚列a1とが棚前後方向に並設されている。
ちなみに、可変形棚列a1における可変形支柱枠13と剛性棚列a2における剛性支柱枠14とは棚横幅方向に等間隔に並べられている。
また、可変形棚列a1においては、棚横幅方向に並置された一対の可変形支柱枠13に亘って垂直ブレース7が架設されており、具体的には、一対の可変形支柱枠13における一方の可変形支柱枠13の後側の支柱4と他方の可変形支柱枠13の後側の支柱4とに亘って複数の垂直ブレース7が傾斜姿勢に設置されている。尚、垂直ブレース7が設置される一対の可変形支柱枠13の間には、垂直ブレース7が接続されない可変形支柱枠13が位置している。
以下、本発明に係る可変形棚部分Bを、ブレース非設置棚部分21として構成した場合について図面に基づいて説明する。
尚、本発明の実施形態及び第1参考実施形態と同様に構成されるものについては、本発明の実施形態及び第1参考実施形態と同じ符号を付け、説明は省略する。
そして、前記可変形棚部分Bが、前記支柱4のうちの隣接する支柱4に亘って前記ラチス5を架設した剛性支柱枠14をそれが備える一対の支柱4を棚前後方向に位置させた状態で棚横幅方向に並置し、且つ、前記剛性支柱枠14間に亘って前記減衰ブレース20を架設したブレース非設置棚部分21として構成されている。
また、前記棚構成体Aが、前記ブレース非設置棚部分21と、前記支柱4のうちの隣接する支柱4に亘って前記ラチス5を架設した剛性支柱枠14をそれが備える一対の支柱4を棚前後方向に位置させた状態で棚横幅方向に並置し且つ前記剛性支柱枠14間に亘って配設する前記垂直ブレース7を設置するブレース設置棚部分22とを、前記ブレース設置棚部分22の間に前記ブレース非設置棚部分21を位置させる状態で、棚横幅方向に並べて構成されている。
つまり、物品収納棚1は、棚構成体Aに垂直ブレース7と減衰ブレース20とが装着されることにより構成されるものであり、物品収納棚1に減衰ブレース20を装着しない状態で十分な強度が備えられている。
また、ブレース非設置棚部分21は、棚横幅方向に並置された3つの剛性支柱枠14と、隣接する剛性支柱枠14に亘って架設された左右水平材16とを備え、棚横幅方向の一端側に位置する剛性支柱枠14における後側の支柱4と棚横幅方向の他端側に位置する剛性支柱枠14における後側の支柱4とに亘って複数の減衰ブレース20を架設するように構成されている。
そして、一対のブレース設置棚部分22の間に1つのブレース非設置棚部分21を位置させるように、一対のブレース設置棚部分22と1つのブレース非設置棚部分21とが棚横幅方向に並べられており、一対のブレース設置棚部分22夫々の棚横幅方向のブレース非設置棚部分21が位置する側とは反対側には剛性支柱枠14が位置している。つまり、各剛性棚列a2は、一対のブレース設置棚部分22と1つのブレース非設置棚部分21と一対の剛性支柱枠14とを備えて構成されている。
そして、ブレース設置棚部分22並びにブレース非設置棚部分21に備えられる3つの剛性支柱枠14における中央に位置する剛性支柱枠14には、垂直ブレース7及び減衰ブレース20が連結されていない。また、ブレース設置棚部分22やブレース非設置棚部分21を構成しない一対の剛性支柱枠14にも、垂直ブレース7及び減衰ブレース20が連結されていない。
(1) 上記本発明の実施形態では、各棚列aにおける可変形支柱枠13の棚横幅方向での位置が同じ位置となるように可変形支柱枠13を配設したが、各棚列aにおける可変形支柱枠13の棚横幅方向での位置を異ならす、又は、各棚列aにおける可変形支柱枠13の棚横幅方向での位置が同じものと異なるものとを混在させてもよい。
つまり、上記本発明の実施形態では、各棚列aにおける剛性支柱枠14と可変形支柱枠13との順序を同じとしたが、この順序を各棚列aにおいて異なるようにしてもよい
上記実施の形態では、減衰ブレース20を棚横幅方向に並置された剛性支柱枠14間に亘って架設したが、剛性支柱枠14と左右水平材16とに亘って減衰ブレース20を架設してもよく、また、上下方向に間隔を隔てて備えられた一対の左右水平材16間に亘って減衰ブレース20を架設してもよい。
つまり、図11(a)、(b)に示すように、可変形支柱枠13の下部にのみオイルダンパ12を装着する、又は、図11(c)に示すように、可変形支柱枠13の上部にのみオイルダンパ12を装着するようにしてもよい。また、例えば、可変形支柱枠13の下部にのみオイルダンパ12を装着する場合に、図11(a)に示すように、可変形支柱枠13の最下部に1つのオイルダンパ12を装着する、又は、図11(b)に示すように、可変形支柱枠13の下部に2つのオイルダンパ12を上下方向に並べて装着するようにしてもよい。
尚、可変形支柱枠13の高さ方向の一部にのみオイルダンパ12を装着する形態は、図11に示したような形態に限定されるものではなく、例えば、可変形支柱枠13の上部と下部とに間隔を隔てるように2つのオイルダンパ12を上下方向に振り分けて装着する等、適宜変更したものでもよい。また、上記したように可変形支柱枠13の高さ方向の一部にのみオイルダンパ12を装着する場合、可変形支柱枠におけるオイルダンパが設けられていない部分に適宜前後水平材15を架設して可変形支柱枠13を図11に示すように梯子状に形成してもよい。
4 支柱
5 ラチス
6 水平材
7 垂直ブレース
12 減衰機構
13 可変形支柱枠
14 剛性支柱枠
20 減衰機構
21 ブレース非設置棚部分
22 ブレース設置棚部分
A 棚構成体
a 棚列
a1 可変形棚列
a2 剛性棚列
B 可変形棚部分
Claims (2)
- 棚前後方向に並ぶ支柱に、上下方向に沿って配設されるラチス及び水平方向に沿って配設される水平材としての前後水平材が接続され、且つ、棚横幅方向に並ぶ支柱に、水平方向に沿って配設される水平材としての左右水平材が接続されて棚構成体が形成され、その棚構成体における後側に、上下方向に沿って配設される垂直ブレースが装着された物品収納棚であって、
前記ラチスの非設置により可変形構造とし、且つ、その変形振動を減衰する減衰機構が装着された可変形棚部分と、前記棚構成体の他の部分とが、水平方向に並ぶ状態で前記左右水平材によって接続され、
前記可変形棚部分が、前記支柱のうちの棚前後方向に隣接する支柱に亘って減衰機構を架設した可変形支柱枠にて構成され、
前記棚構成体が、前記可変形支柱枠と、前記支柱のうちの棚前後方向に隣接する支柱に亘って前記ラチスを架設した剛性支柱枠とを、それら夫々における一対の支柱を棚前後方向に位置させた状態で且つ前記剛性支柱枠と前記可変形支柱枠とを交互に位置させた状態で棚横幅方向に並べて構成されている物品収納棚。 - 前記棚構成体が、複数の棚列を棚前後方向に並べて構成され、
前記複数の棚列の夫々が、前記可変形支柱枠と前記支柱のうちの隣接する支柱に亘って前記ラチスを架設した剛性支柱枠とを、それら夫々における一対の支柱を棚前後方向に位置させた状態で且つ前記剛性支柱枠の間に前記可変形支柱枠を位置させた状態で棚横幅方向に並べて構成され、且つ、各棚列における前記可変形支柱枠の棚横幅方向での位置が同じ位置となるように構成されている請求項1記載の物品収納棚。
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