JP2018002205A - ラック倉庫用パレット - Google Patents
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Abstract
Description
物流用自動ラック倉庫では、パレットを介して荷物がラックに載置されている。ラックには、平行な一対の受桟が他の部材を介設することなく間隔をあけて形成されている。荷物をラックに載置する際には、パレットを一対の受桟の上に載せる。こうすることで、パレットの下面にスタッカークレーンのフォークを挿入することが可能な空間が形成される。以下、本明細書では、このような物流用自動ラック倉庫を「ラック倉庫」と称する。
ラック倉庫に対して大きな水平力(地震力等)が作用すると、ラックに積載された荷物が落下するおそれがある。ラック倉庫内において荷物が落下すると、荷物そのものの損傷だけではなく、ラックや周辺機器等の損壊を引き起こす場合がある。
また、特許文献1には、受桟の前端部に落下防止部材を取り付けることで、前面側が後面側よりも高くなるようにパレットを傾斜させて、荷物がラックの前面側から落下することを防止する方法が開示されている。
また、特許文献2には、ラックの支持部材とパレットとの間に傾斜すべり支承を介設しておき、荷物に水平力等が作用した際に傾斜すべり支承上で荷物を滑動させることで、水平力等を吸収する制振構造が開示されている。
さらに、特許文献3には、内蔵された免震層によって水平方向の揺れを吸収することで荷物の落下を防止するパレットが開示されている。
このような観点から、本発明は、荷物の落下防止機能を有する簡易かつ安価なラック倉庫用パレットを提案することを課題とする。
かかるラック倉庫用パレットによれば、前側の腕木にパレット本体の下面が載置されるとともに、受桟の後部に溝の底面が載置されるため、パレット本体の上面は前側よりも後側が低くなるように傾斜する。そのため、パレット本体に上載された荷物がラックの前側(通路側)に落下することを防止できる。また、ラック倉庫用パレットは下面に一対の凹部(溝)が形成されたのみの簡易な構成のため、安価である。また、高価な免震装置や制震装置を多数設置する手間や費用を省略することができる。また、受桟が溝に挿入されることで、ラック倉庫用パレットと受桟とが係合した状態となるので、ラック倉庫用パレットの横方向の移動が抑制される。
なお、本明細書において「前」はラックのスタッカークレーン通路側、「後」は同通路の反対側とする。
かかるラック倉庫用パレットによれば、地震力等の外力によってパレット本体がラックの前側に移動してパレット本体の後端が後側の腕木から外れると、前側の腕木にパレット本体の下面が載置されるとともに、受桟の後部に溝の底面が載置された状態になる。このとき、パレット本体の上面は、前側よりも後側が低くなるように傾斜するため、パレット本体に上載された荷物がラックの前側(通路側)に落下することを防止できる。また、ラック倉庫用パレットは下面に一対の凹部(溝)が形成されたのみの簡易な構成のため、安価である。また、高価な設備を多数設置する手間や費用を省略することができる。地震力によりラックが左右にずれた場合であっても受桟の上方に溝が位置し得るように、溝の幅が受桟の上面の幅に対して十分に大きいため、パレット本体が横方向にずれた後に前側に移動した場合であっても、受桟の後部に溝の底面が載置された状態になる。そのため、パレット本体の上面が傾斜して、荷物が落下し難くなる。
第一の実施形態のラック倉庫用パレット1は、図1に示すように、ラック倉庫用のラック2に載置される。
なお、本明細書において各方向(前後上下左右)は、図1に示す方向に統一する。また、本明細書において「前」はラック2のスタッカークレーン通路側、「後」は同通路の反対側とする。
図2(b)および(c)に示すように、ラック倉庫用パレット1は、左右に隣り合うラック柱23同士の間において、左右の受枠20,20に跨って載置される。すなわち、ラック倉庫用パレット1は、他の部材が介設されることなく間隔をあけて対向する左右一対の受桟21,21に上載される。
第一の実施形態のラック倉庫用パレット1は、図3(a)および(b)に示すように、平面視矩形状で、互いに対向する面(下面11と上面12、前面と後面、左右の側面)が平行な直方体状のパレット本体10により形成されている。すなわち、ラック倉庫用パレット1(パレット本体10)は、水平な面(スラブ等)に載置した際に、上面12が水平になるように構成されている。
パレット本体10の下面11には、ラック2の間隔をあけて対向する一対の受桟21,21の位置に対応して下向きに開口する一対の溝14が形成されている。溝14は、パレット本体10の側面から間隔をあけた位置に形成されている。溝14は、パレット本体10の側面と平行で、かつ、溝14の底面(上面)はパレット本体10の下面11および上面12と平行である。すなわち、溝14は、下面11に対して、一定の深さにより形成されている。
また、本実施形態では、溝14の深さを10〜20mmの範囲内に設定した。こうすることで、ラック倉庫用パレット1をラック2に載置した際のパレット本体10の上面12の傾斜角度が1°程度になる。なお、溝14の深さは10〜20mmに限定されるものではなく、パレットの本体10の上面12の傾斜角度が0.5〜2°の範囲内、好ましくは0.5〜1°の範囲内になるように設定すればよい。
また、ラック倉庫用パレット1の下面11は上面12と平行なため、スタッカークレーンによってラック倉庫用パレット1を輸送しているときや、スラブ等の水平面にラック倉庫用パレット1を載置しているときには、ラック倉庫用パレット1の上面13は水平となる。また、フォークリフトによる輸送時は、開口部10,10からフォークリフト爪を差し込むため、ラック倉庫用パレット1の上面13を水平に維持することができる。
また、パレット本体10は、前後方向の水平力が作用した場合であっても、後側の腕木22にパレット本体10の後端が接触することで、後方にずれることがない。また、ラック倉庫用パレット1に上載された荷物は、ラック2の背面ブレースによって後側に落下することが防止されている。
溝14は、一定の深さであるため、前後の向きを気にすることなく、ラック倉庫用パレット1に荷物を上載させることができる。そのため、引当棚の向き(左右)を意識することなくラック倉庫用パレット1を自動搬送することが可能となり、向きを意識してラック倉庫用パレット1を配置する場合に比べて、作業時間を大幅に短縮することができる。
第二の実施形態のラック倉庫用パレット1は、図5に示すように、ラック倉庫用のラック2に載置される。なお、第二の実施形態で使用するラック2の詳細は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
第二の実施形態のラック倉庫用パレット1は、図3(a)および(b)に示すように、平面視矩形状で、互いに対向する面(下面11と上面12、前面と後面、左右の側面)が平行な直方体状のパレット本体10により形成されている。
この他のパレット本体10の詳細は、第一の実施形態で示したパレット本体10と同様なため、詳細な説明は省略する。
ラック倉庫用パレット1に前後方向の水平力が作用し、ラック倉庫用パレット1が前側にずれると、図6(b)に示すように、パレット本体10の後端が後側の腕木22の上面から落下する。その結果、パレット本体10の下面11が前側の腕木22に載置されるとともに(図6(c))、溝14の後端が受桟21の後部に載置された状態となるので(図6(d))、ラック倉庫用パレット1の上面12は後側が前側よりも低くなるように傾斜する。このとき、パレット本体10の上面12の傾斜角度は、0.5〜2°、好ましくは0.5〜1°を確保していればよい。
ラック倉庫用パレット1が前側にずれると、受桟21がラック倉庫用パレット1の溝14に挿入されるため、左右方向のずれが制限される。
溝14は、一定の深さであるため、前後の向きを気にすることなく、ラック倉庫用パレット1に荷物を上載させることができる。そのため、前後の向きを考慮して荷物を載せる場合に比べて、作業時間を大幅に短縮することができる。
前記各実施形態では、ラック倉庫用パレット1の下面11および上面12が平面を呈していたが、下面11および上面12は、板材を組み合わせることにより形成されたスノコ状であってもよいし、網状であってもよい。
溝14の底面の材質をパレット本体10の下面11の材質と変えることにより、下面11と溝14の底面の摩擦係数を変えることができ、ラック2への載置時(溝14の底面が受桟21と接している状態)と輸送時あるいは搬送時のラック倉庫用パレット1の摩擦係数が変更可能となり、ひいては、輸送時のラック倉庫用パレット1を滑動しにくくするあるいはその逆も可能となる。
前記各実施形態では、パレット本体10に下面11に左右の側面と平行な一対の溝14,14が形成されている場合について説明したが、さらに、前面および後面と平行な一対の溝14,14(合計4本の溝14,14,…)が形成されていてもよい。このようにすれば、前後左右の向きを意識することなく、ラック倉庫用パレット1を自動搬送することができ、ひいては、さらなる作業の効率化を図ることができる。
10 パレット本体
11 下面
12 上面
13 開口
14 溝
2 ラック
20 受枠
21 受桟
22 腕木
23 ラック柱
Claims (2)
- 間隔をあけて対向する左右一対の受桟と前記受桟を支持する前後一対の腕木とを備えるラックに対し、後端が後側の前記腕木よりも前側に位置するように載置されるラック倉庫用パレットであって、
前記各受桟の位置に対応して下向きに開口する一対の溝が下面に形成されたパレット本体を有し、
前記溝は、前記下面に対する深さが一定で、かつ、前記受桟の幅よりも大きな幅を有していることを特徴とする、ラック倉庫用パレット。 - 間隔をあけて対向する左右一対の受桟と前記受桟を支持する前後一対の腕木とを備えるラックに対し、前記前後一対の腕木に載置されるラック倉庫用パレットであって、
前記各受桟の位置に対応して下向きに開口する一対の溝が下面に形成されたパレット本体を有し、
前記溝は、前記下面に対する深さが一定で、かつ、前記本体部が地震力により前記ラックに対して左右にずれた場合であっても前記受桟の上方に位置し得る幅を有していることを特徴とする、ラック倉庫用パレット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016129633A JP6775210B2 (ja) | 2016-06-30 | 2016-06-30 | ラック倉庫用パレット |
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JP2016129633A JP6775210B2 (ja) | 2016-06-30 | 2016-06-30 | ラック倉庫用パレット |
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JP2018002205A true JP2018002205A (ja) | 2018-01-11 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112249489A (zh) * | 2020-10-12 | 2021-01-22 | 林美娟 | 一种化工运输机器用防倾倒装置 |
JP7397478B2 (ja) | 2020-03-09 | 2023-12-13 | 三甲株式会社 | 保管システム |
-
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- 2016-06-30 JP JP2016129633A patent/JP6775210B2/ja active Active
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JP6775210B2 (ja) | 2020-10-28 |
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