JP4715618B2 - パイロット式バルブ装置 - Google Patents
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Description
このパイロット式バルブ装置は、油圧制御室J1の油圧に応じてスプール(弁体の一例)J2が変位するメインバルブJ3と、油圧制御室J1の油圧を制御するパイロットバルブJ4とを備えるものであり、パイロットバルブJ4の出力油圧が調圧信号油路J5を介してメインバルブJ3の油圧制御室J1に供給される構造を採用している。
図6に示すように、パイロット式バルブ装置では、油圧制御室J1および調圧信号油路J5は閉回路となっているため、油圧は変位するものの、オイルは一方向へ流れない構造になっている。
このため、閉回路内に侵入したコンタミ(異物)が閉回路内で堆積し続けてしまう問題がある。
この特許文献1の技術は、メインバルブJ3の入力ポートJ6に油圧の供給がなされていない時に、パイロットバルブJ4のリニアソレノイドJ7にディザ電流を与えて、油圧制御室J1に供給する油圧を小刻みに変動させることで、メインバルブJ3のスプールJ2を振動させて、コンタミの噛み込みを防ぐ技術である。
しかし、メインバルブJ3のスプールJ2を小刻みに振動させる技術は、油圧制御室J1内のコンタミをスプールJ2で蹴散らす程度であり、閉回路内に侵入したコンタミは根本的に排出されないため、高い信頼性を得ることができない。
請求項1に記載のパイロット式バルブ装置は、パイロットバルブから油圧制御室に供給する油圧を所定油圧以上に上昇させることで、弁体を変位させて油圧制御室とコンタミ排出ポートとを連通させ、パイロットバルブから油圧制御室に供給されたオイルをコンタミ排出ポートから排出させる閉回路解除動作を行う。
このような閉回路解除動作によって、パイロットバルブから出力されたオイルが油圧制御室を通ってコンタミ排出ポートから排出されるため、パイロットバルブからメインバルブの油圧制御室に通じる調圧信号油路および油圧制御室にコンタミが侵入したとしても、そのコンタミをオイルの流れによってコンタミ排出ポートから強制的に排出することができる。
これによって、パイロットバルブからメインバルブの油圧制御室に通じる調圧信号油路および油圧制御室にコンタミが堆積する不具合を回避でき、高い信頼性を得ることができる。
請求項2に記載のパイロット式バルブ装置におけるメインバルブは、油圧制御室内を弁体側の第1制御室と、弁体とは異なる側の第2制御室とに区画し、油圧制御室内において弁体の移動方向へ移動可能に配置された区画弁を備える。
そして、第2制御室に第1制御室より高い油圧を供給するとともに、第1制御室の供給油圧と第2制御室の供給油圧の加算油圧を所定油圧以上に上昇させることで、区画弁とともに弁体を変位させて第1制御室とコンタミ排出ポートとを連通させ、パイロットバルブから第1制御室に供給されたオイルをコンタミ排出ポートから排出させる閉回路解除動作を行う。
このように、油圧制御室を第1制御室と第2制御室に分け、第2制御室に高い油圧を与えることで閉回路解除動作を行わせることができるため、第2制御室に供給する油圧を、パイロットバルブとは異なる手段で得ることが可能となる。
請求項3に記載のパイロット式バルブ装置のメインバルブは、自動変速機の摩擦係合装置の油圧アクチュエータへ摩擦要素の係合油圧を発生する調圧弁であり、油圧制御室に供給する油圧を所定油圧以上にして閉回路解除動作を行う際は、油圧を発生するオイルポンプから油圧アクチュエータに至る油路が、メインバルブ以外の油圧切換手段により遮断されている時である。
これにより、摩擦係合装置の油圧アクチュエータにメインバルブ以外の油圧切換手段により油圧が供給されない状態において閉回路解除動作のために弁体が移動することになり、閉回路解除動作中に非係合であるべき摩擦要素が係合する不具合が起こらない。
そして、メインバルブは、油圧制御室内と連通可能なコンタミ排出ポートを備え、パイロットバルブから油圧制御室に供給する油圧を所定油圧以上に上昇させることで、弁体を変位させて油圧制御室とコンタミ排出ポートとを連通させ、パイロットバルブから油圧制御室に供給されたオイルをコンタミ排出ポートから排出させる閉回路解除動作を行う。
自動変速機は、車両走行用の出力を発生するエンジンの出力回転比の変更、回転方向の変更、車種に応じて2輪と4輪の切換を行うものであり、これらの実現を行うために複数の摩擦係合装置(多板式油圧クラッチ、多板式油圧ブレーキ等)を搭載するとともに、各摩擦係合装置の係脱をコントロールする油圧制御装置を備える。
各摩擦係合装置は、摩擦要素(多板等)と、この摩擦要素の係脱を行う油圧アクチュエータとから構成されるものであり、油圧制御装置は、各摩擦係合装置の係脱をコントロールする手段として、各油圧アクチュエータの供給油圧を制御するために、複数の油圧制御弁を搭載している。
(メインバルブ1の説明)
メインバルブ1は、後述する油圧制御室17の油圧に応じて弁体が変位するスプール弁である。なお、この実施例では、油圧制御室17に油圧の供給がない時に、後述する入力ポート6と出力ポート7の連通度合が最小(閉鎖)になるとともに、後述する出力ポート7と排出ポート8の連通度合が最大になるタイプを示すが、逆に油圧制御室17に油圧の供給がない時に、後述する入力ポート6と出力ポート7の連通度合が最大になるとともに、後述する出力ポート7と排出ポート8の連通度合が最小(閉鎖)になるタイプであっても良い。
メインバルブ室3は、油圧制御装置のケース(油圧サーキット)に形成されたスプール4を軸方向へ摺動自在に支持する穴であり、図示しないオイルポンプ(油圧発生手段)から油路や切換弁等を介して入力油圧(オイル)が供給される入力ポート6、メインバルブ1で調圧された出力油圧が出力される出力ポート7、低圧側(オイルパン等)に連通する排出ポート8、出力ポート7と連通するF/B(フィードバック)ポート9、パイロットバルブ2の出力油圧が油圧制御装置に形成された調圧信号油路10を介して供給される信号圧入力ポート11、およびバネ室呼吸用ポート12が形成されている。
なお、本発明にかかるコンタミ排出ポート51については後述する。
また、スプール4は、入力シールランド13の図1右側に、入力シールランド13より小径のF/Bランド15を備える。そして、入力シールランド13とF/Bランド15の間に、F/Bポート9に連通するF/B室が形成される。なお、F/Bポート9にはオリフィスが設けられており、F/B室内に適切なF/B油圧が発生するようになっている。
一方、ストッパ16aによってメインバルブ室3の図1左側に装着されたプラグ16は、リターンスプリング5およびスプール4をメインバルブ室3に組付けた後に、メインバルブ室3内の左側を閉塞する手段であり、このプラグ16とスプール4との間に油圧制御室17が形成される。
パイロットバルブ2は、三方弁構造を持つパイロット三方弁21と、このパイロット三方弁21を駆動するリニアソレノイド22とからなる。なお、この実施例でパイロット三方弁21の一例としてスプール弁構造を示すが、ボール弁などの他の弁形状の三方弁であっても良い。
パイロット三方弁21は、上述したメインバルブ1と基本構成が同じものであり、この実施例では、リニアソレノイド22がOFF時に、後述するパイロット入力ポート26とパイロット出力ポート27の連通度合が最大になるとともに、後述するパイロット出力ポート27とパイロット排出ポート28の連通度合が最小(閉鎖)最大になるN/O(ノーマリオープン)タイプの三方電磁弁を示すが、逆にリニアソレノイド22がOFF時に、後述するパイロット入力ポート26とパイロット出力ポート27の連通度合が最小(閉鎖)になるとともに、後述するパイロット出力ポート27とパイロット排出ポート28の連通度合が最大になるN/C(ノーマリクローズ)タイプの三方電磁弁であっても良い。
スリーブ23は、図示しない油圧制御装置のケース内に挿入されるものであり、略円筒形状を呈する。
スリーブ23には、パイロットスプール24を軸方向へ摺動自在に支持する挿通穴、図示しないオイルポンプ(油圧発生手段)から油路や切換弁等を介して入力油圧(オイル)が供給されるパイロット入力ポート26、メインバルブ1の信号圧入力ポート11と調圧信号油路10を介して連通し、パイロットバルブ2で調圧された出力油圧をメインバルブ1の油圧制御室17に出力するパイロット出力ポート27、低圧側(オイルパン等)に連通するパイロット排出ポート28、パイロット出力ポート27と連通するパイロットF/Bポート29、バネ室呼吸用ポート30およびダイアフラム室呼吸用ポート31が形成されている。
また、パイロットスプール24は、パイロット入力シールランド33の図1右側に、パイロット入力シールランド33より小径のパイロットF/Bランド35を備える。そして、パイロット入力シールランド33とパイロットF/Bランド35の間に、パイロットF/Bポート29に連通するパイロットF/B室が形成される。なお、パイロットF/Bポート29にはオリフィスが設けられており、パイロットF/B室内に適切なF/B油圧が発生するようになっている。
なお、パイロットスプール24は、パイロットスプリング25のバネ荷重と、リニアソレノイド22による駆動力(パイロットスプール24に与えられる軸力)と、パイロット入力シールランド33とパイロットF/Bランド35のランド差による軸力とが釣り合う位置で静止するものである。
コイル41は、通電されると磁力を発生して、プランジャ42と磁気固定子(ステータ43、ヨーク44)を通る磁束ループを形成させるものであり、樹脂ボビンの周囲に絶縁被膜線を多数巻回したものである。
また、プランジャ42は、シャフト36の先端と直接当接しており、パイロットスプール24に伝わるパイロットスプリング25のバネ荷重によってパイロットスプール24とともにプランジャ42も開弁側(図1右側)に付勢されている。
なお、プランジャ42内を軸方向に貫通する孔は、プランジャ42の両端の室内を連通する呼吸孔である。
ステータ43の内周には、プランジャ42を軸方向に摺動可能に支持する軸方向穴が形成されている。この軸方向穴は、ステータ43の一端から他端に向けて同径の貫通穴である。
また、吸引部は、プランジャ42を磁気吸引した際にプランジャ42と軸方向に交差する部分に筒部を備える。この筒部の外周面は、テーパ形状に設けられており、プランジャ42のストローク量に対して磁気吸引力が変化しないように設けられている。
ヨーク44は、コイル41の周囲を覆って磁束を流す略カップ状に形成された磁性体金属(例えば、鉄:磁気回路を構成する強磁性材料)であり、開口端部に形成された爪部をカシメることでスリーブ23と強固に結合される。
なお、電子制御装置は、デューティ比制御によってリニアソレノイド22のコイル41へ供給する通電量(電流値)を制御するものであり、コイル41への通電量を制御することによって、パイロットスプリング25のバネ荷重に抗してプランジャ42およびパイロットスプール24の軸方向の位置をリニアに変位させることで、入力側シール長と排出側シール長の比率を制御し、パイロット出力ポート27に発生するオイルの出力圧、即ち油圧制御室17の油圧を制御する。
油圧制御装置に搭載される油圧制御弁は、上述したように、メインバルブ1とパイロットバルブ2とで構成される。
この実施例1の油圧制御弁は、パイロットバルブ2からメインバルブ1の油圧制御室17に通じる調圧信号油路10、および油圧制御室17からコンタミを強制的に排出するために、次の技術を採用している。
コンタミ排出ポート51は、出力ポート7の吐出油圧が通常の調圧範囲内では、排出シールランド14によって閉塞される。
しかるに、パイロットバルブ2から油圧制御室17に通常の調圧範囲よりも大きい油圧(所定油圧以上の一例)が供給されて、スプール4の位置が通常調圧範囲よりもさらに開弁側に移動することで、油圧制御室17内においてコンタミ排出ポート51が開口するように設けられている。即ち、油圧制御室17に供給される信号油圧が、通常の調圧範囲よりも大きくなると、パイロットバルブ2から油圧制御室17に供給されたオイルをコンタミ排出ポート51から排出する閉回路解除動作を行うように設けられている。
具体的にこの実施例のパイロットバルブ2は、上述したようにN/Oタイプであるため、電子制御装置は、閉回路解除動作を実行する際に、リニアソレノイド22をOFFして、油圧制御室17に供給する信号油圧を通常の調圧範囲よりも大きくするように設けられている。
具体的に、この実施例の電子制御装置は、図2(c)に示すように、メインバルブ1の入力ポート6に油圧の供給がなされていない時に、油圧制御室17に供給する油圧を所定油圧以上にして閉回路解除動作を行うように設けられている。即ち、電子制御装置は、マニュアル弁等の油圧切換手段によってメインバルブ1の入力ポート6に油圧の供給がなされていない時で、且つ所定の運転条件が成立した場合や、外部からのコンタミ排出の運転指示等が与えられた場合にだけ、閉回路解除動作を行うように設けられている。
(調圧状態)
電子制御装置が摩擦係合装置の供給油圧の調圧を行う場合、図示しないマニュアル弁等の油圧切換手段によってメインバルブ1の入力ポート6に油圧の供給がなされており、パイロットバルブ2のリニアソレノイド22は電子制御装置から通常の調圧範囲の通電を受ける。
これによって、図2(a)に示すように、油圧制御室17の油圧が通常の調圧範囲内で変化し、スプール4も通常の調圧範囲内で変化して、摩擦係合装置に与えられる油圧が調圧される。
電子制御装置が摩擦係合装置の供給油圧の調圧を行わない場合、図示しないマニュアル弁等の油圧切換手段によってメインバルブ1の入力ポート6には油圧の供給がなされておらず、パイロットバルブ2のリニアソレノイド22は電子制御装置から調圧停止の通電を受ける。具体的にこの実施例では、パイロットバルブ2がN/Oタイプであるため、リニアソレノイド22に大きな駆動電流が与えられて、パイロット入力ポート26がパイロット入力シールランド33によって閉塞されてパイロット出力ポート27からの油圧の発生が停止される。
これによって、図2(b)に示すように、メインバルブ1の油圧制御室17には信号油圧が与えられなくなり、摩擦係合装置に供給したオイルが出力ポート7→排出ポート8を通って排出される状態となる。
上記非調圧状態で、且つ所定の運転条件が成立した場合や、外部からのコンタミ排出の運転指示等が与えられて閉回路解除動作を行う場合、非調圧状態であるためメインバルブ1の入力ポート6には油圧の供給がなされておらず、パイロットバルブ2は電子制御装置から「油圧制御室17に供給する油圧を所定油圧以上」にするための通電を受ける。具体的にこの実施例では、パイロットバルブ2がN/Oタイプであるため、リニアソレノイド22の通電が停止される。これにより、パイロット排出ポート28がパイロット排出シールランド34によって閉塞されて、パイロット入力ポート26とパイロット出力ポート27が連通して、パイロット出力ポート27から油圧制御室17に「通常の調圧範囲よりも大きい油圧」が供給される。
これによって、図2(c)に示すように、メインバルブ1のスプール4のストローク位置が、通常調圧範囲よりも開弁側に移動して、油圧制御室17内においてコンタミ排出ポート51が開口し、油圧制御室17に供給されたオイルがコンタミ排出ポート51から排出される閉回路解除動作を実行する。
実施例1の油圧制御弁(パイロット式バルブ装置の一例)は、上述したように、パイロットバルブ2から油圧制御室17に供給する油圧を所定油圧以上に上昇させることで、スプール4を通常調圧範囲よりもさらにストロークさせて、油圧制御室17とコンタミ排出ポート51とを連通させ、パイロットバルブ2から油圧制御室17に供給されたオイルをコンタミ排出ポート51から排出させる閉回路解除動作を実行する。
この閉回路解除動作によって、パイロットバルブ2から出力されたオイルが油圧制御室17を通ってコンタミ排出ポート51から排出されるため、パイロットバルブ2からメインバルブ1の油圧制御室17に通じる調圧信号油路10、および油圧制御室17にコンタミが侵入したとしても、そのコンタミをオイルの流れによってコンタミ排出ポート51から強制的に排出することができる。
このため、従来は閉回路になっていた「パイロットバルブ2〜油圧制御室17」にコンタミが侵入したとしても、侵入したコンタミを閉回路解除動作によって強制排出することができ、高い信頼性を得ることができる。
また、この実施例では、メインバルブ1の入力ポート6に油圧の供給がなされていない時に閉回路解除動作を実行する。
このため、閉回路解除動作中にメインバルブ1から摩擦係合装置の油圧アクチュエータに係合油圧を供給する不具合を回避することができる。即ち、運転状態に不適切な摩擦係合装置が係合する不具合を確実に回避できる。
この実施例2は、メインバルブ1の油圧制御室17内を、スプール4側(図3右側)の第1制御室17aと、スプール4とは異なる側の第2制御室17bとに区画する区画弁52が配置されている。この区画弁52は、スプール4と同様、メインバルブ室3内において軸方向へ摺動自在に支持されるものである。
メインバルブ室3には、パイロットバルブ2の出力油圧を第1制御室17aに導くための信号圧入力ポート11の他に、第2制御室17bへ「通常の調圧範囲よりも大きい油圧」を与える第2入力ポート53が設けられている。
一方、第2制御室17bへ「通常の調圧範囲よりも大きい油圧」を与える手段は、パイロットバルブ2とは異なる第2油圧発生手段を採用している。
この第2油圧発生手段は、実施例1と同様、メインバルブ1の入力ポート6に油圧の供給がなされていない時に第2入力ポート53から第2制御室17bへ「通常の調圧範囲よりも大きい油圧」を与える手段である。
(調圧状態)
電子制御装置が摩擦係合装置の供給油圧の調圧を行う場合、図示しないマニュアル弁等の油圧切換手段によってメインバルブ1の入力ポート6に油圧の供給がなされており、パイロットバルブ2のリニアソレノイド22は電子制御装置から通常の調圧範囲の通電を受ける。
この時(オイルポンプからメインバルブ1の入力ポート6に油圧が供給される時)、第2油圧発生手段は、第2制御室17bに油圧を発生しない。
これによって、図3(a)に示すように、第1制御室17aの油圧が通常の調圧範囲内で変化し、スプール4も通常の調圧範囲内で変化して、摩擦係合装置に与えられる油圧が調圧される。
電子制御装置が摩擦係合装置の供給油圧の調圧を行わない場合、図示しないマニュアル弁等の油圧切換手段によってメインバルブ1の入力ポート6には油圧の供給がなされておらず、パイロットバルブ2のリニアソレノイド22は電子制御装置から調圧停止の通電を受け、パイロット出力ポート27からの油圧の発生が停止される。
この時(オイルポンプからメインバルブ1の入力ポート6に油圧が供給されていない時で、閉回路解除動作を実行しない時)、第2油圧発生手段は、第2制御室17bに油圧を発生しない。
これによって、図3(b)に示すように、メインバルブ1の第1制御室17aおよび第2制御室17bには油圧が与えられなくなり、摩擦係合装置に供給したオイルが出力ポート7→排出ポート8を通って排出される状態となる。
電子制御装置が摩擦係合装置の供給油圧の調圧を行わない場合、図示しないマニュアル弁等の油圧切換手段によってメインバルブ1の入力ポート6には油圧の供給がなされていない。
この状態で、第2油圧発生手段が第2制御室17bに「パイロットバルブ2の調圧油圧よりも大きい油圧」を発生するとともに、パイロットバルブ2が電子制御装置からコンタミ排出のための所定量の通電を受けると、図3(c)に示すように、メインバルブ1のスプール4のストローク位置が、通常調圧範囲よりも開弁側に移動して、油圧制御室17内においてコンタミ排出ポート51が開口するとともに、パイロット出力ポート27から第1制御室17aに供給されたオイルがコンタミ排出ポート51から排出される閉回路解除動作を実行する。
実施例2の油圧制御弁(パイロット式バルブ装置の一例)は、摩擦係合装置の非係合時に、パイロットバルブ2から第1制御室17aに供給されたオイルをコンタミ排出ポート51から排出させる閉回路解除動作を実行するため、実施例1と同様の効果を得ることができる。
また、実施例2の油圧制御弁は、上述したように、油圧制御室17を第1制御室17aと第2制御室17bに分け、第2制御室17bに高い油圧を与えることで閉回路解除動作を行わせることができる。このため、第2制御室17bに供給する油圧を、パイロットバルブ2とは異なる第2油圧発生手段によって得ることができ、パイロットバルブ2を通常以上の油圧吐出能力にする必要がない。即ち、既存のパイロットバルブ2を使用することができ、コストの上昇を抑えることができる。
この実施例3は、既存の油圧制御装置に、油圧制御室17を第1制御室17aと第2制御室17bに分けた油圧制御弁(パイロット式バルブ装置の一例)を用いる例を示すものである。
図4に示す油圧制御装置は、第1〜第5油圧制御弁(パイロット式バルブ装置の一例)を搭載するものであり、第1油圧制御弁(第1メインバルブ1a+第1パイロットバルブ2a)は第1ブレーキ(摩擦係合装置の一例)B1、第2油圧制御弁(第2メインバルブ1b+第2パイロットバルブ2b)は第2ブレーキ(摩擦係合装置の一例)B2、第3油圧制御弁(第3メインバルブ1c+第3パイロットバルブ2c)は第1クラッチC1(摩擦係合装置の一例)、第4油圧制御弁(第4メインバルブ1d+第4パイロットバルブ2d)は第2クラッチC2(摩擦係合装置の一例)、第5油圧制御弁(第5メインバルブ1e+第5パイロットバルブ2e)は2輪と4輪の駆動輪の切換を行う2輪/4輪切換クラッチ(摩擦係合装置の一例)TRの切換油圧を発生するものである。
このように設けることで、マニュアル弁61がDレンジの時(第1ブレーキB1に通じる油路が第2切換弁63によって遮断された状態の時)に、第1切換弁62から第1メインバルブ1aの第2制御室17bに所定油圧以上の油圧が供給され、第1油圧制御弁において実施例2の図3(c)で示した閉回路解除動作が行われる。
上記実施例3では、第1油圧制御弁に実施例2の技術を用いる例を示した。
これに対し、この実施例4は、第2〜第4油圧制御弁に実施例2の技術を用いるものである。
この油圧制御装置は、マニュアル弁61がR(リバース)レンジの時、(1)オイルポンプ→マニュアル弁61→第2油圧制御弁の第2メインバルブ1b→第2ブレーキB2に通じる油路、(2)オイルポンプ→マニュアル弁61→第3油圧制御弁の第3メインバルブ1c→第1クラッチC1に通じる油路、(3)オイルポンプ→マニュアル弁61→第4油圧制御弁の第4メインバルブ1d→第2クラッチC2に通じる油路は、マニュアル弁61によって遮断された状態となる。即ち、Rレンジの時は、第2〜第4メインバルブ1b〜1dの作動に関わらず、マニュアル弁61によって第2ブレーキB2および第1、第2クラッチC1、C2へ油圧は供給されない。
このように設けることで、マニュアル弁61がRレンジの時(第2〜第4メインバルブ1b〜1dに通じる油路がマニュアル弁61によって遮断された状態の時)に、マニュアル弁61から第2〜第4メインバルブ1b〜1dの各第2制御室17bに所定油圧以上の油圧が供給され、第2〜第4油圧制御弁において実施例2の図3(c)で示した閉回路解除動作が行われる。
この実施例5は、実施例3、4を組み合わせるとともに、2輪/4輪切換クラッチTRの切換を実施する第5油圧制御弁に、実施例1の技術を適用したものである。
これによって、油圧制御装置に搭載される第1〜第5油圧制御弁の全てに閉回路解除動作を実行させることができる。
上記の実施例では、パイロットバルブ2にリニアソレノイド22を用いる例を示したが、他の電動アクチュエータ(例えば、ピエゾスタックを用いたピエゾアクチュエータ、電動モータ等)を用いても良い。
上記の実施例では、自動変速機の油圧制御装置に用いられる油圧制御弁に本発明を適用する例を示したが、自動変速機以外の他の油圧制御弁に本発明を適用しても良い。
上記の実施例では、メインバルブ1の一例として3方弁構造を示したが、3方弁に限定されるものではなく、開閉弁(2方弁)や4方弁など、他の構造を採用するメインバルブ1に本発明を適用しても良い。
2 パイロットバルブ
4 スプール(弁体)
17 油圧制御室
17a 第1制御室
17b 第2制御室
51 コンタミ排出ポート
52 区画弁
61 マニュアル弁(メインバルブ以外の油圧切換手段)
62 第1切換弁(メインバルブ以外の油圧切換手段)
Claims (3)
- 油圧制御室の油圧に応じて弁体が変位するメインバルブと、
前記油圧制御室の油圧を制御するパイロットバルブと、
を備えるパイロット式バルブ装置において、
前記メインバルブは、前記油圧制御室内と連通可能なコンタミ排出ポートを備え、
前記パイロットバルブから前記油圧制御室に供給する油圧を所定油圧以上に上昇させることで、前記弁体を変位させて前記油圧制御室と前記コンタミ排出ポートとを連通させ、前記パイロットバルブから前記油圧制御室に供給されたオイルを前記コンタミ排出ポートから排出させる閉回路解除動作を行うことを特徴とするパイロット式バルブ装置。 - 請求項1に記載のパイロット式バルブ装置において、
前記メインバルブは、前記油圧制御室内を前記弁体側の第1制御室と、前記弁体とは異なる側の第2制御室とに区画し、前記油圧制御室内において前記弁体の移動方向へ移動可能に配置された区画弁を備え、
前記第2制御室に前記第1制御室より高い油圧を供給するとともに、前記第1制御室の供給油圧と前記第2制御室の供給油圧の加算油圧を所定油圧以上に上昇させることで、前記区画弁とともに前記弁体を変位させて前記第1制御室と前記コンタミ排出ポートとを連通させ、前記パイロットバルブから前記第1制御室に供給されたオイルを前記コンタミ排出ポートから排出させる閉回路解除動作を行うことを特徴とするパイロット式バルブ装置。 - 請求項1または請求項2に記載のパイロット式バルブ装置において、
前記メインバルブは、自動変速機の摩擦係合装置の油圧アクチュエータへ摩擦要素の係合油圧を発生する調圧弁であり、
前記油圧制御室に供給する油圧を所定油圧以上にして閉回路解除動作を行う際は、油圧を発生するオイルポンプから前記油圧アクチュエータに至る油路が、前記メインバルブ以外の油圧切換手段により遮断されている時であることを特徴とするパイロット式バルブ装置。
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