JP2008025710A - 油圧制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 フェールセーフ弁とダンパ弁の機能を持たせたまま、軸穴を減らして油圧制御装置のコンパクト化を図る。
【解決手段】 第1パイロット油路5に設けられたダンパ/フェールセーフ弁61は、第1パイロット油路5に生じる駆動油圧により軸方向の一方へ変位し、第2調圧油路7に生じる駆動油圧により軸方向の他方へ変位するダンパスプール62を備える。第1パイロット油路5に生じた圧力脈動はダンパスプール62が変位することで緩和される。また、第2調圧油路7に駆動油圧が生じた際、第2調圧油路7に生じた駆動油圧によりダンパスプール62を他方へ変位して第1パイロット油路5を遮断して2重係合を防止する。このダンパ/フェールセーフ弁61は、ダンパ軸穴63が1つで済むため、油圧制御装置の体格をコンパクトにできる。
【選択図】 図1
【解決手段】 第1パイロット油路5に設けられたダンパ/フェールセーフ弁61は、第1パイロット油路5に生じる駆動油圧により軸方向の一方へ変位し、第2調圧油路7に生じる駆動油圧により軸方向の他方へ変位するダンパスプール62を備える。第1パイロット油路5に生じた圧力脈動はダンパスプール62が変位することで緩和される。また、第2調圧油路7に駆動油圧が生じた際、第2調圧油路7に生じた駆動油圧によりダンパスプール62を他方へ変位して第1パイロット油路5を遮断して2重係合を防止する。このダンパ/フェールセーフ弁61は、ダンパ軸穴63が1つで済むため、油圧制御装置の体格をコンパクトにできる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、第1油圧制御対象と第2油圧制御対象の両方へ駆動油圧が同時に与えられる不具合を回避可能で、且つ第1油圧制御対象に与えられる駆動油圧の圧力脈動を緩和可能な油圧制御装置に関する。
(2重係合防止の説明)
第1油圧制御対象と第2油圧制御対象の両方へ駆動油圧が同時に与えられる不具合を回避可能な油圧制御装置の一例として、自動変速機の油圧制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
自動変速機は、クラッチやブレーキ等の複数の摩擦係合装置を備え、車両走行状態(乗員の運転状態を含む)に応じて適宜任意の摩擦係合装置を作動させて、車両走行状態に応じた変速段を達成する。自動変速機には、複数の摩擦係合装置が同時に係合すると不具合が生じるものがある。
第1油圧制御対象と第2油圧制御対象の両方へ駆動油圧が同時に与えられる不具合を回避可能な油圧制御装置の一例として、自動変速機の油圧制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
自動変速機は、クラッチやブレーキ等の複数の摩擦係合装置を備え、車両走行状態(乗員の運転状態を含む)に応じて適宜任意の摩擦係合装置を作動させて、車両走行状態に応じた変速段を達成する。自動変速機には、複数の摩擦係合装置が同時に係合すると不具合が生じるものがある。
以下では図11を参照して、同時に係合すると不具合が生じる複数の摩擦係合装置を、第1摩擦係合装置CL1と第2摩擦係合装置CL2と称して説明する。
第1摩擦係合装置CL1は、第1調圧弁1から第1調圧油路2を介して駆動油圧が与えられることで係合する。この第1調圧弁1は第1弁駆動油室3を備え、第1パイロット弁4から第1パイロット油路5を介して駆動油圧が与えられることで作動する。
即ち、第1パイロット弁4が作動して、第1パイロット弁4から駆動油圧が第1調圧弁1に与えられることで第1調圧弁1が作動し、第1調圧弁1から第1摩擦係合装置CL1に駆動油圧が与えられて第1摩擦係合装置CL1が係合する。
第1摩擦係合装置CL1は、第1調圧弁1から第1調圧油路2を介して駆動油圧が与えられることで係合する。この第1調圧弁1は第1弁駆動油室3を備え、第1パイロット弁4から第1パイロット油路5を介して駆動油圧が与えられることで作動する。
即ち、第1パイロット弁4が作動して、第1パイロット弁4から駆動油圧が第1調圧弁1に与えられることで第1調圧弁1が作動し、第1調圧弁1から第1摩擦係合装置CL1に駆動油圧が与えられて第1摩擦係合装置CL1が係合する。
同様に、第2摩擦係合装置CL2は、第2調圧弁6から第2調圧油路7を介して駆動油圧が与えられることで係合する。この第2調圧弁6は第2弁駆動油室8を備え、第2パイロット弁(図示しない)から第2パイロット油路9を介して駆動油圧が与えられることで作動する。
即ち、第2パイロット弁が作動して、第2パイロット弁から駆動油圧が第2調圧弁6に与えられることで第2調圧弁6が作動し、第2調圧弁6から第2摩擦係合装置CL2に駆動油圧が与えられて第2摩擦係合装置CL2が係合する。
即ち、第2パイロット弁が作動して、第2パイロット弁から駆動油圧が第2調圧弁6に与えられることで第2調圧弁6が作動し、第2調圧弁6から第2摩擦係合装置CL2に駆動油圧が与えられて第2摩擦係合装置CL2が係合する。
第2摩擦係合装置CL2の係合中に第1摩擦係合装置CL1の係合を防止するフェールセーフ弁J1は、第2調圧油路7(第2油路の一例)に駆動油圧が生じると、図11中の四角枠A内に示すように、第2調圧油路7に生じる駆動油圧により第1パイロット油路5(第1油路の一例)を遮断するものであり、第1パイロット油路5の駆動油圧により変位して第1パイロット油路5を遮断するフェールセーフスプールJ2を備える。
(圧力脈動防止の説明)
第1油圧制御対象に与えられる駆動油圧の圧力脈動を緩和可能な油圧制御装置の一例として、自動変速機の油圧制御装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
自動変速機は、上述したように、クラッチやブレーキ等の複数の摩擦係合装置を備える。
摩擦係合装置は、摩擦係合部の摩擦材が摩耗したり、変速機の油(ATF)の劣化が進むと、摩擦係合部のスリップ制御中にスティックスリップが生じ、これに起因する駆動系のトルク変動(所謂、ジャダ)が発生することがある。
第1油圧制御対象に与えられる駆動油圧の圧力脈動を緩和可能な油圧制御装置の一例として、自動変速機の油圧制御装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
自動変速機は、上述したように、クラッチやブレーキ等の複数の摩擦係合装置を備える。
摩擦係合装置は、摩擦係合部の摩擦材が摩耗したり、変速機の油(ATF)の劣化が進むと、摩擦係合部のスリップ制御中にスティックスリップが生じ、これに起因する駆動系のトルク変動(所謂、ジャダ)が発生することがある。
ここで、第1摩擦係合装置CL1にジャダが発生する例を説明する。
第1摩擦係合装置CL1の油圧(具体的には摩擦係合装置を駆動する油圧アクチュエータのサーボ室内の油圧)が変動し、この変動が第1調圧弁1および第1パイロット油路5を介して第1パイロット弁4に伝達されると、第1パイロット弁4のパイロットスプール34が振動する。
ジャダが発生するスリップ制御中は、ドライバビリティを確保する上で特に高い精度が要求されるが、そのスリップ制御中に第1パイロット弁4のパイロットスプール34が振動することで、ドライバビリティが低下してしまう。
第1摩擦係合装置CL1の油圧(具体的には摩擦係合装置を駆動する油圧アクチュエータのサーボ室内の油圧)が変動し、この変動が第1調圧弁1および第1パイロット油路5を介して第1パイロット弁4に伝達されると、第1パイロット弁4のパイロットスプール34が振動する。
ジャダが発生するスリップ制御中は、ドライバビリティを確保する上で特に高い精度が要求されるが、そのスリップ制御中に第1パイロット弁4のパイロットスプール34が振動することで、ドライバビリティが低下してしまう。
第1パイロット弁4におけるパイロットスプール34の振動を防止するダンパ弁J3は、第1パイロット油路5における駆動油圧の圧力脈動を緩和するものであり、第1パイロット油路5に生じる圧力脈動によりダンパスプールJ4が変位することで、第1パイロット油路5における駆動油圧の圧力脈動を吸収して緩和する。
(従来技術の問題点)
ここで、自動変速機に用いられる油圧制御装置は、自動変速機の狭いスペース内に搭載される。このため、油圧制御装置を常にコンパクト化する要求がある。
しかし、2重係合を防止するフェールセーフ弁J1と、圧力脈動を吸収するダンパ弁J3とは、上述したようにそれぞれ別の機能を独立して果たすものであった。このため、油圧制御装置にフェールセーフ弁J1とダンパ弁J3の両方を設けるには、油圧制御装置に、フェールセーフ弁J1を設けるための軸穴J5と、ダンパ弁J3を設けるための軸穴J6とを設ける必要があり、油圧制御装置の体格(具体的には、油圧サーキットを成すケースの体格)が大型化してしまう。
特開平9−303547号公報
特開2002−81533号公報
ここで、自動変速機に用いられる油圧制御装置は、自動変速機の狭いスペース内に搭載される。このため、油圧制御装置を常にコンパクト化する要求がある。
しかし、2重係合を防止するフェールセーフ弁J1と、圧力脈動を吸収するダンパ弁J3とは、上述したようにそれぞれ別の機能を独立して果たすものであった。このため、油圧制御装置にフェールセーフ弁J1とダンパ弁J3の両方を設けるには、油圧制御装置に、フェールセーフ弁J1を設けるための軸穴J5と、ダンパ弁J3を設けるための軸穴J6とを設ける必要があり、油圧制御装置の体格(具体的には、油圧サーキットを成すケースの体格)が大型化してしまう。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、フェールセーフ弁とダンパ弁の機能を持たせたまま、軸穴を減らしてコンパクト化を図ることができる油圧制御装置の提供にある。
〔請求項1の手段〕
請求項1に記載の油圧制御装置のダンパ/フェールセーフ弁は、軸方向に移動可能なダンパスプールによって、第1油路に生じた駆動油圧の圧力脈動を吸収緩和するダンパ弁の機能と、第2油路に生じた駆動油圧により第1油路を遮断するフェールセーフ弁の機能とを果たす。
このため、ダンパスプールを軸方向に移動可能に支持する軸穴が1つで済む。これにより、油圧制御装置のコンパクト化を図ることができるとともに、軸穴の加工コストを抑えることができる。
請求項1に記載の油圧制御装置のダンパ/フェールセーフ弁は、軸方向に移動可能なダンパスプールによって、第1油路に生じた駆動油圧の圧力脈動を吸収緩和するダンパ弁の機能と、第2油路に生じた駆動油圧により第1油路を遮断するフェールセーフ弁の機能とを果たす。
このため、ダンパスプールを軸方向に移動可能に支持する軸穴が1つで済む。これにより、油圧制御装置のコンパクト化を図ることができるとともに、軸穴の加工コストを抑えることができる。
〔請求項2の手段〕
請求項2に記載の油圧制御装置は、ダンパスプールを移動可能に支持する軸穴の内部に、第1油路との連通部を介してダンパスプールと対向配置された補助ダンパスプールを備える。
第2油路に駆動油圧が生じてダンパスプールが軸方向の他方(ダンパスプールが第1油路を遮断する方向)に移動した際、ダンパスプールが補助ダンパスプールを軸方向の他方へ変位させることで、ダンパスプールが第1油路を遮断するストローク量を確保でき、ダンパスプールによって第1油路を確実に遮断できる。
また、第1油路に駆動油圧が生じる際、ダンパスプールとともに補助ダンパスプールもダンパ弁の機能を果たすため、第1油路の圧力脈動を吸収緩和する効果を高めることができる。
請求項2に記載の油圧制御装置は、ダンパスプールを移動可能に支持する軸穴の内部に、第1油路との連通部を介してダンパスプールと対向配置された補助ダンパスプールを備える。
第2油路に駆動油圧が生じてダンパスプールが軸方向の他方(ダンパスプールが第1油路を遮断する方向)に移動した際、ダンパスプールが補助ダンパスプールを軸方向の他方へ変位させることで、ダンパスプールが第1油路を遮断するストローク量を確保でき、ダンパスプールによって第1油路を確実に遮断できる。
また、第1油路に駆動油圧が生じる際、ダンパスプールとともに補助ダンパスプールもダンパ弁の機能を果たすため、第1油路の圧力脈動を吸収緩和する効果を高めることができる。
〔請求項3の手段〕
請求項3に記載の油圧制御装置のダンパスプールは、第1油路の油圧を受ける受圧径より、第2油路の油圧を受ける受圧径が大径に設けられている。
これにより、第2油路に生じる駆動油圧によるダンパスプールの駆動力を高めることができる。このため、第2油路の駆動油圧が低い場合であっても、第2油路に生じた駆動油圧により第1油路を遮断することができる。
請求項3に記載の油圧制御装置のダンパスプールは、第1油路の油圧を受ける受圧径より、第2油路の油圧を受ける受圧径が大径に設けられている。
これにより、第2油路に生じる駆動油圧によるダンパスプールの駆動力を高めることができる。このため、第2油路の駆動油圧が低い場合であっても、第2油路に生じた駆動油圧により第1油路を遮断することができる。
〔請求項4の手段〕
請求項4に記載の油圧制御装置のダンパ/フェールセーフ弁は、ダンパスプールが第1油路を遮断する際、第1油圧制御対象を低圧側に連通させるドレン手段を備える。
これにより、第1油路に駆動油圧が生じた状態で、ダンパスプールが第1油路を遮断しても、第1油圧制御対象を低圧にでき、第1油圧制御対象と第2油圧制御対象に同時に駆動油圧が発生することによる不具合(例えば、自動変速機の2重係合)を回避できる。
請求項4に記載の油圧制御装置のダンパ/フェールセーフ弁は、ダンパスプールが第1油路を遮断する際、第1油圧制御対象を低圧側に連通させるドレン手段を備える。
これにより、第1油路に駆動油圧が生じた状態で、ダンパスプールが第1油路を遮断しても、第1油圧制御対象を低圧にでき、第1油圧制御対象と第2油圧制御対象に同時に駆動油圧が発生することによる不具合(例えば、自動変速機の2重係合)を回避できる。
〔請求項5の手段〕
請求項5に記載の油圧制御装置の第1油圧制御対象は、自動変速機に設けられた第1摩擦係合装置へ駆動油圧を発生させる第1調圧弁における第1弁駆動油室であり、第1油圧制御弁は、第1弁駆動油室に駆動油圧を与える第1パイロット弁である。
これにより、第1摩擦係合装置にジャダが発生して、第1摩擦係合装置の油圧が変動しても、第1パイロット弁に通じる第1油路においてダンパ/フェールセーフ弁が圧力脈動を吸収緩和する。これにより、ジャダの発生によって第1パイロット弁が振動する不具合が回避され、ドライバビリティの低下を防ぐことができる。
請求項5に記載の油圧制御装置の第1油圧制御対象は、自動変速機に設けられた第1摩擦係合装置へ駆動油圧を発生させる第1調圧弁における第1弁駆動油室であり、第1油圧制御弁は、第1弁駆動油室に駆動油圧を与える第1パイロット弁である。
これにより、第1摩擦係合装置にジャダが発生して、第1摩擦係合装置の油圧が変動しても、第1パイロット弁に通じる第1油路においてダンパ/フェールセーフ弁が圧力脈動を吸収緩和する。これにより、ジャダの発生によって第1パイロット弁が振動する不具合が回避され、ドライバビリティの低下を防ぐことができる。
最良の形態1の油圧制御装置は、自動変速機に搭載されるものであり、第1油圧制御対象へ第1油路を介して駆動油圧を発生させる第1油圧制御弁と、第2油圧制御対象へ第2油路を介して駆動油圧を発生させる第2油圧制御弁と、第1油路に生じる駆動油圧により軸方向の一方へ変位し、第2油路に生じる駆動油圧により軸方向の他方へ変位するダンパスプールを備えるダンパ/フェールセーフ弁とを具備する。
このダンパ/フェールセーフ弁は、第1油路に駆動油圧が生じた際、第1油路に生じた駆動油圧の圧力脈動をダンパスプールが変位することで緩和する。
またダンパ/フェールセーフ弁は、第2油路に駆動油圧が生じた際、第2油路に生じた駆動油圧によりダンパスプールを軸方向の他方へ変位させて、ダンパスプールにより第1油路を遮断する。
即ち、ダンパ/フェールセーフ弁は、軸方向に移動可能なダンパスプールによって、第1油路に生じた駆動油圧の圧力脈動を吸収緩和するダンパ弁の機能と、第2油路に生じた駆動油圧により第1油路を遮断するフェールセーフ弁の機能とを果たす。
このため、ダンパスプールを軸方向に移動可能に支持する軸穴が1つで済み、油圧制御装置のコンパクト化を図ることができるとともに、軸穴の加工コストを抑えることができる。
このダンパ/フェールセーフ弁は、第1油路に駆動油圧が生じた際、第1油路に生じた駆動油圧の圧力脈動をダンパスプールが変位することで緩和する。
またダンパ/フェールセーフ弁は、第2油路に駆動油圧が生じた際、第2油路に生じた駆動油圧によりダンパスプールを軸方向の他方へ変位させて、ダンパスプールにより第1油路を遮断する。
即ち、ダンパ/フェールセーフ弁は、軸方向に移動可能なダンパスプールによって、第1油路に生じた駆動油圧の圧力脈動を吸収緩和するダンパ弁の機能と、第2油路に生じた駆動油圧により第1油路を遮断するフェールセーフ弁の機能とを果たす。
このため、ダンパスプールを軸方向に移動可能に支持する軸穴が1つで済み、油圧制御装置のコンパクト化を図ることができるとともに、軸穴の加工コストを抑えることができる。
本発明を車両用自動変速機の油圧制御装置に適用した実施例1を、図1〜図3を参照して説明する。なお、この実施例1では、先ず本発明を適用する「油圧制御装置の基本構成」を説明し、その後で本発明の要部にかかる「実施例1の特徴」を説明する。
〔油圧制御装置の基本構成〕
自動変速機は、車両走行用の出力を発生するエンジンの出力回転比の変更、回転方向の変更、車種に応じて2輪と4輪の切換を行うものであり、これらを行うために複数の摩擦係合装置(多板式油圧クラッチ、多板式油圧ブレーキ等)を搭載するとともに、複数の摩擦係合装置の係脱を車両走行状態に応じてコントロールする油圧制御装置を備える。
自動変速機は、車両走行用の出力を発生するエンジンの出力回転比の変更、回転方向の変更、車種に応じて2輪と4輪の切換を行うものであり、これらを行うために複数の摩擦係合装置(多板式油圧クラッチ、多板式油圧ブレーキ等)を搭載するとともに、複数の摩擦係合装置の係脱を車両走行状態に応じてコントロールする油圧制御装置を備える。
各摩擦係合装置は、摩擦係合部(多板等)と、この摩擦係合部の係脱を行う油圧アクチュエータとから構成されるものであり、油圧制御装置は、各摩擦係合装置の係脱をコントロールする手段として、各油圧アクチュエータの駆動油圧を制御するために、複数の油圧制御弁を搭載している。
複数の摩擦係合装置の中には、同時に係合すると不具合が生じるものがある。同時に係合すると不具合が生じる摩擦係合装置を、第1摩擦係合装置CL1と第2摩擦係合装置CL2と称して説明する。
複数の摩擦係合装置の中には、同時に係合すると不具合が生じるものがある。同時に係合すると不具合が生じる摩擦係合装置を、第1摩擦係合装置CL1と第2摩擦係合装置CL2と称して説明する。
(第1摩擦係合装置CL1の油圧制御系の説明)
第1摩擦係合装置CL1は、第1調圧弁1から第1調圧油路2を介して駆動油圧が与えられることで係合する。この第1調圧弁1は第1弁駆動油室3を備え、第1パイロット弁4から第1パイロット油路5を介して駆動油圧が与えられることで作動する。
即ち、第1パイロット弁4が作動して、第1パイロット弁4から駆動油圧が第1調圧弁1に与えられることで第1調圧弁1が作動し、第1調圧弁1から第1摩擦係合装置CL1に駆動油圧が与えられて第1摩擦係合装置CL1が係合する。
第1摩擦係合装置CL1は、第1調圧弁1から第1調圧油路2を介して駆動油圧が与えられることで係合する。この第1調圧弁1は第1弁駆動油室3を備え、第1パイロット弁4から第1パイロット油路5を介して駆動油圧が与えられることで作動する。
即ち、第1パイロット弁4が作動して、第1パイロット弁4から駆動油圧が第1調圧弁1に与えられることで第1調圧弁1が作動し、第1調圧弁1から第1摩擦係合装置CL1に駆動油圧が与えられて第1摩擦係合装置CL1が係合する。
(第2摩擦係合装置CL2の油圧制御系の説明)
第2摩擦係合装置CL2は、第2調圧弁6から第2調圧油路7を介して駆動油圧が与えられることで係合する。この第2調圧弁6は第2弁駆動油室8を備え、第2パイロット弁(図示しない)から第2パイロット油路9を介して駆動油圧が与えられることで作動する。
即ち、第2パイロット弁が作動して、第2パイロット弁から駆動油圧が第2調圧弁6に与えられることで第2調圧弁6が作動し、第2調圧弁6から第2摩擦係合装置CL2に駆動油圧が与えられて第2摩擦係合装置CL2が係合する。
第2摩擦係合装置CL2は、第2調圧弁6から第2調圧油路7を介して駆動油圧が与えられることで係合する。この第2調圧弁6は第2弁駆動油室8を備え、第2パイロット弁(図示しない)から第2パイロット油路9を介して駆動油圧が与えられることで作動する。
即ち、第2パイロット弁が作動して、第2パイロット弁から駆動油圧が第2調圧弁6に与えられることで第2調圧弁6が作動し、第2調圧弁6から第2摩擦係合装置CL2に駆動油圧が与えられて第2摩擦係合装置CL2が係合する。
(第1調圧弁1と第2調圧弁6の説明)
第1調圧弁1と第2調圧弁6は、基本構成が同じものであり、以下では各手段の符号を共通で説明する。
第1、第2調圧弁1、6は、それぞれ三方弁構造を持つスプール弁であり、調圧軸穴11、調圧スプール12および調圧スプリング13で構成される。
第1調圧弁1と第2調圧弁6は、基本構成が同じものであり、以下では各手段の符号を共通で説明する。
第1、第2調圧弁1、6は、それぞれ三方弁構造を持つスプール弁であり、調圧軸穴11、調圧スプール12および調圧スプリング13で構成される。
調圧軸穴11は、油圧制御装置のケース(油圧サーキット)に形成されて調圧スプール12を軸方向へ摺動自在に支持するバルブ挿入穴であり、この調圧軸穴11には、図示しないオイルポンプ(油圧発生手段)から油路や切換弁等を介して入力油圧(オイル)が供給される入力ポート14、第1、第2調圧弁1、6で調圧された油圧が出力される出力ポート15、低圧側(オイルパン等)に連通する排出ポート16、出力ポート15と連通するF/B(フィードバック)ポート17、第1、第2パイロット油路5、9に連通する弁駆動ポート18、およびバネ室呼吸ポート19が設けられている。
入力ポート14、出力ポート15、排出ポート16、F/Bポート17、弁駆動ポート18、バネ室呼吸ポート19等のオイルポートは、調圧軸穴11の側面に形成された穴であり、調圧軸穴11の側面には図示左側から図示右側に向けて、弁駆動ポート18、排出ポート16、出力ポート15、入力ポート14、F/Bポート17、バネ室呼吸ポート19が形成されている。
調圧スプール12は、調圧軸穴11内において軸方向へ摺動自在に配置され、入力ポート14をシールする入力シールランド21、排出ポート16をシールする排出シールランド22を備える。そして、入力シールランド21と排出シールランド22の間に、出力ポート15に連通する分配室が形成される。
また、調圧スプール12は、入力シールランド21の図示右側に、入力シールランド21より小径のF/Bランド23を備える。そして、入力シールランド21とF/Bランド23の間に、F/Bポート17に連通するF/B室が形成される。なお、出力ポート15と連通するF/Bポート17にはオリフィスが設けられており、F/B室内に適切なF/B油圧が発生するようになっている。
また、調圧スプール12は、入力シールランド21の図示右側に、入力シールランド21より小径のF/Bランド23を備える。そして、入力シールランド21とF/Bランド23の間に、F/Bポート17に連通するF/B室が形成される。なお、出力ポート15と連通するF/Bポート17にはオリフィスが設けられており、F/B室内に適切なF/B油圧が発生するようになっている。
このため、F/B室に印加される油圧(出力圧)が大きくなるに従って入力シールランド21とF/Bランド23のランド差による差圧により、調圧スプール12には図示左側(閉弁方向)に変位する軸力が発生する。これによって、調圧スプール12の変位が安定し、入力圧の変動により出力圧が変動するのを防ぐことができる。
調圧スプリング13は、調圧スプール12を図示左側(閉弁方向)に付勢する筒状に螺旋形成されたコイルスプリングであり、調圧軸穴11の図示右側のバネ室内に圧縮された状態で配置される。
一方、ストッパ24aによって調圧軸穴11の図示左側に装着されたプラグ24は、調圧スプリング13および調圧スプール12を調圧軸穴11に組付けた後に、調圧軸穴11内の左側を閉塞する手段であり、このプラグ24と調圧スプール12との間に第1、第2弁駆動油室3、8が形成される。
一方、ストッパ24aによって調圧軸穴11の図示左側に装着されたプラグ24は、調圧スプリング13および調圧スプール12を調圧軸穴11に組付けた後に、調圧軸穴11内の左側を閉塞する手段であり、このプラグ24と調圧スプール12との間に第1、第2弁駆動油室3、8が形成される。
(第1パイロット弁4と第2パイロット弁の説明)
第1パイロット弁4と第2パイロット弁は、基本構成が同じものであり、この実施例では第2パイロット弁を図示しないが、第2パイロット弁も第1パイロット弁4と同様の構成を備えるものである。
第1パイロット弁4と第2パイロット弁は、三方弁構造を持つパイロットスプール弁31と、このパイロットスプール弁31を駆動するリニアソレノイド32とからなる。なお、この実施例ではスプール弁構造を備える例を示すが、ボール弁などの他の弁形状の三方弁であっても良い。
第1パイロット弁4と第2パイロット弁は、基本構成が同じものであり、この実施例では第2パイロット弁を図示しないが、第2パイロット弁も第1パイロット弁4と同様の構成を備えるものである。
第1パイロット弁4と第2パイロット弁は、三方弁構造を持つパイロットスプール弁31と、このパイロットスプール弁31を駆動するリニアソレノイド32とからなる。なお、この実施例ではスプール弁構造を備える例を示すが、ボール弁などの他の弁形状の三方弁であっても良い。
パイロットスプール弁31は、上述した第1、第2調圧弁1、6と基本構成が同じものであり、スリーブ33、パイロットスプール34およびパイロットスプリング35で構成される。
スリーブ33は、図示しない油圧制御装置のケース内に挿入されるものであり、略円筒形状を呈する。
スリーブ33には、パイロットスプール34を軸方向へ摺動自在に支持する挿通穴、図示しないオイルポンプから油路や切換弁等を介して入力油圧が供給されるパイロット入力ポート36、第1、第2パイロット油路5、9に連通するパイロット出力ポート37、低圧側(オイルパン等)に連通するパイロット排出ポート38、パイロット出力ポート37と連通するパイロットF/Bポート39、バネ室呼吸ポート40およびダイアフラム室呼吸用ポート41が形成されている。
スリーブ33は、図示しない油圧制御装置のケース内に挿入されるものであり、略円筒形状を呈する。
スリーブ33には、パイロットスプール34を軸方向へ摺動自在に支持する挿通穴、図示しないオイルポンプから油路や切換弁等を介して入力油圧が供給されるパイロット入力ポート36、第1、第2パイロット油路5、9に連通するパイロット出力ポート37、低圧側(オイルパン等)に連通するパイロット排出ポート38、パイロット出力ポート37と連通するパイロットF/Bポート39、バネ室呼吸ポート40およびダイアフラム室呼吸用ポート41が形成されている。
パイロット入力ポート36、パイロット出力ポート37、パイロット排出ポート38、パイロットF/Bポート39、バネ室呼吸ポート40、ダイアフラム室呼吸用ポート41等のオイルポートは、スリーブ33の側面に形成された穴であり、スリーブ33の側面には図示左側から図示右側に向けて、バネ室呼吸ポート40、パイロット排出ポート38、パイロット出力ポート37、パイロット入力ポート36、パイロットF/Bポート39、ダイアフラム室呼吸用ポート41が形成されている。
パイロットスプール34は、スリーブ33内に摺動自在に配置され、パイロット入力ポート36をシールするパイロット入力シールランド42、パイロット排出ポート38をシールするパイロット排出シールランド43を備える。そして、パイロット入力シールランド42とパイロット排出シールランド43の間に、パイロット出力ポート37に連通するパイロット分配室が形成される。
また、パイロットスプール34は、パイロット入力シールランド42の図示右側に、パイロット入力シールランド42より小径のパイロットF/Bランド44を備える。そして、パイロット入力シールランド42とパイロットF/Bランド44の間に、パイロットF/Bポート39に連通するパイロットF/B室が形成される。なお、パイロットF/Bポート39にはオリフィスが設けられており、パイロットF/B室内に適切なF/B油圧が発生するようになっている。
また、パイロットスプール34は、パイロット入力シールランド42の図示右側に、パイロット入力シールランド42より小径のパイロットF/Bランド44を備える。そして、パイロット入力シールランド42とパイロットF/Bランド44の間に、パイロットF/Bポート39に連通するパイロットF/B室が形成される。なお、パイロットF/Bポート39にはオリフィスが設けられており、パイロットF/B室内に適切なF/B油圧が発生するようになっている。
このため、パイロットF/B室に印加される油圧(出力圧)が大きくなるに従ってパイロット入力シールランド42とパイロットF/Bランド44のランド差による差圧により、パイロットスプール34には図示右側に変位する軸力が発生する。これによって、パイロットスプール34の変位が安定し、入力圧の変動により出力圧が変動するのを防ぐことができる。
なお、パイロットスプール34は、パイロットスプリング35のバネ荷重と、リニアソレノイド32による駆動力(パイロットスプール34に与えられる軸力)と、パイロット入力シールランド42とパイロットF/Bランド44のランド差による軸力とが釣り合う位置で静止するものである。
なお、パイロットスプール34は、パイロットスプリング35のバネ荷重と、リニアソレノイド32による駆動力(パイロットスプール34に与えられる軸力)と、パイロット入力シールランド42とパイロットF/Bランド44のランド差による軸力とが釣り合う位置で静止するものである。
また、パイロットスプール34には、リニアソレノイド32の内部にまで伸びるシャフト45が設けられている。このシャフト45の図示右側は、後述するプランジャ52に当接して、プランジャ52がパイロットスプール34を直接駆動するように設けられている。
パイロットスプリング35は、パイロットスプール34を図示右側(開弁側)に付勢する筒状に螺旋形成されたコイルスプリングであり、スリーブ33の図示左側のバネ室内に圧縮された状態で配置される。このパイロットスプリング35は、一端がスリーブ33の挿通穴の図示左端に螺合する調整ネジ46の底面に当接し、他端がパイロットスプール34の図示左端に当接するものであり、調整ネジ46の螺合量(ねじ込み量)により、パイロットスプリング35のバネ荷重が調整できるようになっている。
リニアソレノイド32は、コイル51、プランジャ(ムービングコア)52、ステータ53、ヨーク54、コネクタ55を備える。
コイル51は、通電されると磁力を発生して、プランジャ52と磁気固定子(ステータ53、ヨーク54)を通る磁束ループを形成させるものであり、樹脂ボビンの周囲に絶縁被膜線を多数巻回したものである。
コイル51は、通電されると磁力を発生して、プランジャ52と磁気固定子(ステータ53、ヨーク54)を通る磁束ループを形成させるものであり、樹脂ボビンの周囲に絶縁被膜線を多数巻回したものである。
プランジャ52は、略円柱形状を呈した磁性体金属(例えば、鉄:磁気回路を構成する強磁性材料)である。この実施例では、プランジャ52がステータ53の内周面と直接摺動するタイプを示すが、カップ材を介してプランジャ52がステータ53に摺接するタイプであっても良い。
また、プランジャ52は、シャフト45の先端と直接当接しており、パイロットスプール34に伝わるパイロットスプリング35のバネ荷重によってパイロットスプール34とともにプランジャ52も開弁側(図示右側)に付勢されている。
なお、プランジャ52内を軸方向に貫通する孔は、プランジャ52の両端の室内を連通する呼吸孔である。
また、プランジャ52は、シャフト45の先端と直接当接しており、パイロットスプール34に伝わるパイロットスプリング35のバネ荷重によってパイロットスプール34とともにプランジャ52も開弁側(図示右側)に付勢されている。
なお、プランジャ52内を軸方向に貫通する孔は、プランジャ52の両端の室内を連通する呼吸孔である。
ステータ53は、磁性体金属(例えば、鉄:磁気回路を構成する強磁性材料)よりなり、プランジャ52を軸方向へ磁気吸引する吸引部と、プランジャ52の周囲を覆ってプランジャ52と径方向の磁束の受け渡しを行う摺動部とを備え、吸引部と摺動部は磁気遮断溝(磁気抵抗が大きくなる部分)を介して磁気的に遮断されている。
ステータ53の内周には、プランジャ52を軸方向に摺動可能に支持する軸方向穴が形成されている。この軸方向穴は、ステータ53の一端から他端に向けて同径の貫通穴である。
ステータ53の内周には、プランジャ52を軸方向に摺動可能に支持する軸方向穴が形成されている。この軸方向穴は、ステータ53の一端から他端に向けて同径の貫通穴である。
ステータ53の図示左側の吸引部は、スリーブ33とコイル51との間に挟まれて、ヨーク54の開口部と磁気的に結合されており、コイル51の発生した磁力によってプランジャ52を閉弁側(図示左側)に磁気吸引する。
また、吸引部は、プランジャ52を磁気吸引した際にプランジャ52と軸方向に交差する部分に筒部を備える。この筒部の外周面は、テーパ形状に設けられており、プランジャ52のストローク量に対して磁気吸引力が変化しないように設けられている。
また、吸引部は、プランジャ52を磁気吸引した際にプランジャ52と軸方向に交差する部分に筒部を備える。この筒部の外周面は、テーパ形状に設けられており、プランジャ52のストローク量に対して磁気吸引力が変化しないように設けられている。
ステータ53の図示右側の摺動部は、プランジャ52の略全周を覆う略円筒形状を呈するものであり、ヨーク54の底部と磁気的に結合されている。この摺動部は、プランジャ52と直接摺動してプランジャ52を軸方向に摺動自在に支持するとともに、プランジャ52と径方向の磁束の受け渡しを行うものである。
ヨーク54は、コイル51の周囲を覆って磁束を流す略カップ状に形成された磁性体金属(例えば、鉄:磁気回路を構成する強磁性材料)であり、開口端部に形成された爪部をカシメることでスリーブ33と強固に結合される。
ヨーク54は、コイル51の周囲を覆って磁束を流す略カップ状に形成された磁性体金属(例えば、鉄:磁気回路を構成する強磁性材料)であり、開口端部に形成された爪部をカシメることでスリーブ33と強固に結合される。
パイロットスプール弁31とリニアソレノイド32の連結部分には、スリーブ33内とリニアソレノイド32内を区画するダイアフラム56が設けられている。ダイアフラム56は、略リング形状のゴム製であり、外周部がスリーブ33とステータ53の間に挟み付けられ、中心部がシャフト45の外周に形成された溝に嵌め合わされてスリーブ33内のオイルやコンタミがリニアソレノイド32の内部に侵入するのを防ぐものである。
コネクタ55は、電磁油圧制御弁を制御する電子制御装置(図示しない)と接続線を介して電気的な接続を行う接続手段であり、その内部にはコイル51の両端にそれぞれ接続される端子が配置されている。
なお、電子制御装置は、第1パイロット弁4および第2パイロット弁のリニアソレノイド32を車両走行状態に応じて独立制御するものであり、デューティ比制御によってリニアソレノイド32の通電量(電流値)を制御することで、パイロットスプリング35のバネ荷重に抗してプランジャ52およびパイロットスプール34の軸方向の位置をリニアに変位させて入力側シール長と排出側シール長の比率を制御し、第1パイロット油路5および第2パイロット油路9を介して第1、第2弁駆動油室3、8の油圧を制御する。
なお、電子制御装置は、第1パイロット弁4および第2パイロット弁のリニアソレノイド32を車両走行状態に応じて独立制御するものであり、デューティ比制御によってリニアソレノイド32の通電量(電流値)を制御することで、パイロットスプリング35のバネ荷重に抗してプランジャ52およびパイロットスプール34の軸方向の位置をリニアに変位させて入力側シール長と排出側シール長の比率を制御し、第1パイロット油路5および第2パイロット油路9を介して第1、第2弁駆動油室3、8の油圧を制御する。
〔実施例1の特徴〕
上述したように、第1摩擦係合装置CL1と第2摩擦係合装置CL2が同時に係合すると不具合が生じる。このため、油圧制御装置に第1摩擦係合装置CL1と第2摩擦係合装置CL2の同時係合を防止するフェールセーフ弁を搭載する要求がある。
また、第1摩擦係合装置CL1においてジャダが生じると、第1摩擦係合装置CL1の油圧が変動し、圧力脈動が第1調圧弁1および第1パイロット油路5を介して第1パイロット弁4に伝達され、第1パイロット弁4のパイロットスプール34が振動してドライバビリティが低下してしまう。このため、油圧制御装置に第1パイロット油路5の圧力脈動を吸収緩和するダンパ弁を搭載する要求がある。
一方、油圧制御装置は、自動変速機の狭いスペース内に搭載されるため、常にコンパクト化する要求がある。しかし、フェールセーフ弁とダンパ弁の両方を設けると、油圧制御装置の体格が大型化してしまう。
上述したように、第1摩擦係合装置CL1と第2摩擦係合装置CL2が同時に係合すると不具合が生じる。このため、油圧制御装置に第1摩擦係合装置CL1と第2摩擦係合装置CL2の同時係合を防止するフェールセーフ弁を搭載する要求がある。
また、第1摩擦係合装置CL1においてジャダが生じると、第1摩擦係合装置CL1の油圧が変動し、圧力脈動が第1調圧弁1および第1パイロット油路5を介して第1パイロット弁4に伝達され、第1パイロット弁4のパイロットスプール34が振動してドライバビリティが低下してしまう。このため、油圧制御装置に第1パイロット油路5の圧力脈動を吸収緩和するダンパ弁を搭載する要求がある。
一方、油圧制御装置は、自動変速機の狭いスペース内に搭載されるため、常にコンパクト化する要求がある。しかし、フェールセーフ弁とダンパ弁の両方を設けると、油圧制御装置の体格が大型化してしまう。
そこで、この実施例の油圧制御装置は、上記の問題点を解決するダンパ/フェールセーフ弁61を搭載する。
ここで、請求項記載の各手段に対応する本実施例の各手段を説明する。
この実施例において、
第1油圧制御対象:第1弁駆動油室3
第1油路:第1パイロット油路5
第1油圧制御弁:第1パイロット弁4
第2油圧制御対象:第2摩擦係合装置CL2
第2油路:第2調圧油路7
第2油圧制御弁:第2調圧弁6
である。
ここで、請求項記載の各手段に対応する本実施例の各手段を説明する。
この実施例において、
第1油圧制御対象:第1弁駆動油室3
第1油路:第1パイロット油路5
第1油圧制御弁:第1パイロット弁4
第2油圧制御対象:第2摩擦係合装置CL2
第2油路:第2調圧油路7
第2油圧制御弁:第2調圧弁6
である。
ダンパ/フェールセーフ弁61は、第1パイロット油路5に生じる駆動油圧により軸方向の一方(図示右側)へ変位し、第2調圧油路7に生じる駆動油圧により軸方向の他方(図示左側)へ変位するダンパスプール62を備える。
このダンパ/フェールセーフ弁61は、第1パイロット油路5に駆動油圧が生じた際に、第1パイロット油路5に生じた駆動油圧の圧力脈動をダンパスプール62が変位することで緩和する。また、ダンパスプール62は、第2調圧油路7に駆動油圧が生じた際、第2調圧油路7に生じた駆動油圧によりダンパスプール62を他方へ変位して第1パイロット油路5を遮断する。
このダンパ/フェールセーフ弁61は、第1パイロット油路5に駆動油圧が生じた際に、第1パイロット油路5に生じた駆動油圧の圧力脈動をダンパスプール62が変位することで緩和する。また、ダンパスプール62は、第2調圧油路7に駆動油圧が生じた際、第2調圧油路7に生じた駆動油圧によりダンパスプール62を他方へ変位して第1パイロット油路5を遮断する。
また、ダンパ/フェールセーフ弁61は、ダンパスプール62を移動可能に支持するダンパ軸穴63の内部に、第1パイロット油路5との連通部を介してダンパスプール62と対向配置された補助ダンパスプール64を備える。
この補助ダンパスプール64は、第1パイロット油路5に生じる駆動油圧によりダンパスプール62とは異なる方向(図示左側)へ変位して、第1パイロット油路5に生じた駆動油圧の圧力脈動を緩和する。
この補助ダンパスプール64は、第1パイロット油路5に生じる駆動油圧によりダンパスプール62とは異なる方向(図示左側)へ変位して、第1パイロット油路5に生じた駆動油圧の圧力脈動を緩和する。
次に、ダンパ/フェールセーフ弁61の具体的構成を説明する。
ダンパ/フェールセーフ弁61は、ダンパ軸穴63、ダンパスプール62、補助ダンパスプール64、ダンパスプリング65および補助ダンパスプリング66で構成される。
ダンパ軸穴63は、油圧制御装置のケースに形成されてダンパスプール62および補助ダンパスプール64を軸方向へ摺動自在に支持するバルブ挿入穴である。
このダンパ軸穴63の図示左端は、ダンパ軸穴63の底、即ち油圧制御装置のケースによって閉塞されている。一方、このダンパ軸穴63の図示右側は、プラグ67によって閉塞されている。このプラグ67は、ストッパ67aによってダンパ軸穴63の開口部に装着されるものであり、ダンパ軸穴63の内部にダンパスプール62、補助ダンパスプール64、ダンパスプリング65および補助ダンパスプリング66を組付けた後、ダンパ軸穴63の開口部を閉塞する。
ダンパ/フェールセーフ弁61は、ダンパ軸穴63、ダンパスプール62、補助ダンパスプール64、ダンパスプリング65および補助ダンパスプリング66で構成される。
ダンパ軸穴63は、油圧制御装置のケースに形成されてダンパスプール62および補助ダンパスプール64を軸方向へ摺動自在に支持するバルブ挿入穴である。
このダンパ軸穴63の図示左端は、ダンパ軸穴63の底、即ち油圧制御装置のケースによって閉塞されている。一方、このダンパ軸穴63の図示右側は、プラグ67によって閉塞されている。このプラグ67は、ストッパ67aによってダンパ軸穴63の開口部に装着されるものであり、ダンパ軸穴63の内部にダンパスプール62、補助ダンパスプール64、ダンパスプリング65および補助ダンパスプリング66を組付けた後、ダンパ軸穴63の開口部を閉塞する。
ダンパ軸穴63には、第1パイロット弁4のパイロット出力ポート37と第1パイロット油路5を介して接続される第1油路インポート71、第1調圧弁1の第1弁駆動油室3と第1パイロット油路5を介して接続される第1油路アウトポート72、および第2調圧油路7と接続油路7’を介して連通するフェールセーフポート73が形成されている。
第1油路インポート71、第1油路アウトポート72およびフェールセーフポート73は、ダンパ軸穴63の側面に形成された穴であり、ダンパ軸穴63の軸方向の中間部に第1油路インポート71と第1油路アウトポート72が開口し、ダンパ軸穴63の図示右側にフェールセーフポート73が開口する。
具体的に第1油路インポート71は、第1油路アウトポート72より僅かに図示左側で開口するように軸方向へずらして設けられている。
第1油路インポート71、第1油路アウトポート72およびフェールセーフポート73は、ダンパ軸穴63の側面に形成された穴であり、ダンパ軸穴63の軸方向の中間部に第1油路インポート71と第1油路アウトポート72が開口し、ダンパ軸穴63の図示右側にフェールセーフポート73が開口する。
具体的に第1油路インポート71は、第1油路アウトポート72より僅かに図示左側で開口するように軸方向へずらして設けられている。
ダンパスプール62は、図示左側が閉塞され図示右側が開口した有底筒状を呈し、筒体の内部はダンパスプリング65のバネガイドの機能を果たす。ダンパスプール62の外周面は、微小の摺動クリアランスを介してダンパ軸穴63内に支持されるものであり、ダンパ軸穴63の内部においてダンパスプール62が第1パイロット油路5と第2調圧油路7(接続油路7’)の連通を常に遮断する構造になっている。
また、ダンパスプール62の図示左側の端面は、補助ダンパスプール64の端面に当接する突起部を備え、ダンパスプール62と補助ダンパスプール64とが当接した状態において突起部の周囲に油圧空間(環状油路)74が形成される。なお、ダンパスプール62と補助ダンパスプール64の間に油圧空間74を形成するための突起部は、補助ダンパスプール64側に設けても良いし、ダンパスプール62と補助ダンパスプール64の両方に設けても良い。
また、ダンパスプール62の図示左側の端面は、補助ダンパスプール64の端面に当接する突起部を備え、ダンパスプール62と補助ダンパスプール64とが当接した状態において突起部の周囲に油圧空間(環状油路)74が形成される。なお、ダンパスプール62と補助ダンパスプール64の間に油圧空間74を形成するための突起部は、補助ダンパスプール64側に設けても良いし、ダンパスプール62と補助ダンパスプール64の両方に設けても良い。
ダンパスプール62の図示右側のダンパ軸穴63内に形成されるダンパスプール駆動油室75は、フェールセーフポート73および接続油路7’を介して第2調圧油路7と連通している。このため、ダンパスプール駆動油室75が第2調圧油路7および第2調圧弁6を介して排圧されている状態で、第1パイロット油路5に駆動油圧が生じ、さらに駆動油圧にジャダの影響で圧力脈動が生じる状態では、ダンパスプール62がスムーズに軸方向へ移動する。このため、この実施例では、ダンパスプール62を筒状に設けることで軸方向の摺動距離を長くして、ダンパスプール62の移動に抵抗力を与え、ダンパスプール62による圧力脈動のダンパ効率(減衰率)を高めるようにしている。
補助ダンパスプール64は、大径部と小径部とからなる。大径部の外周面は、微小の摺動クリアランスを介してダンパ軸穴63内に支持される。小径部は、補助ダンパスプリング66のバネガイドの機能を果たすとともに補助ダンパスプール64の図示左側への最大ストローク量を規制する。
補助ダンパスプール64の図示左側のダンパ軸穴63内に形成される補助バネ室は、大径部の周囲の摺動クリアランスを介してのみ外部(油圧空間74側)と連通するようになっており、摺動クリアランスを調整することで補助ダンパスプール64の移動に抵抗力を与え、補助ダンパスプール64による圧力脈動のダンパ効率を高めるようにしている。なお、大径部の周囲にオリフィス溝を形成したり、大径部を貫通するオリフィス孔を設けて補助ダンパスプール64によるダンパ効率を調整しても良い。
補助ダンパスプール64の図示左側のダンパ軸穴63内に形成される補助バネ室は、大径部の周囲の摺動クリアランスを介してのみ外部(油圧空間74側)と連通するようになっており、摺動クリアランスを調整することで補助ダンパスプール64の移動に抵抗力を与え、補助ダンパスプール64による圧力脈動のダンパ効率を高めるようにしている。なお、大径部の周囲にオリフィス溝を形成したり、大径部を貫通するオリフィス孔を設けて補助ダンパスプール64によるダンパ効率を調整しても良い。
ダンパスプリング65は、ダンパスプール62を図示左側(第1油路インポート71を閉じる閉弁方向)に付勢する筒状に螺旋形成されたコイルスプリングであり、ダンパスプール駆動油室75内に圧縮された状態で配置される。
補助ダンパスプリング66は、補助ダンパスプール64およびダンパスプール62を図示右側(第1油路インポート71を開く開弁方向)に付勢する筒状に螺旋形成されたコイルスプリングであり、補助バネ室内に圧縮された状態で配置される。
ダンパスプリング65と補助ダンパスプリング66のバネ力は、第1パイロット油路5および第2調圧油路7に油圧付加が全く加えられていない状態(図1の状態)の時、第1油路インポート71と油圧空間74が連通するとともに、油圧空間74と第1油路アウトポート72がダンパスプール62に形成されたノッチ(切欠部)等により微小開度で連通するように設定されている。
補助ダンパスプリング66は、補助ダンパスプール64およびダンパスプール62を図示右側(第1油路インポート71を開く開弁方向)に付勢する筒状に螺旋形成されたコイルスプリングであり、補助バネ室内に圧縮された状態で配置される。
ダンパスプリング65と補助ダンパスプリング66のバネ力は、第1パイロット油路5および第2調圧油路7に油圧付加が全く加えられていない状態(図1の状態)の時、第1油路インポート71と油圧空間74が連通するとともに、油圧空間74と第1油路アウトポート72がダンパスプール62に形成されたノッチ(切欠部)等により微小開度で連通するように設定されている。
本発明にかかる実施例の作動例を図2、図3を参照して説明する。
(第1摩擦係合装置CL1が係合する場合:ダンパ作動時:図2参照)
第1摩擦係合装置CL1が係合する場合、第1パイロット弁4の発生する駆動油圧が、第1パイロット油路5を介して第1弁駆動油室3に与えられ、第1調圧弁1の調圧スプール12が図示右側に変位して、第1調圧弁1から第1調圧油路2を介して第1摩擦係合装置CL1に係合のための駆動油圧を与える。
(第1摩擦係合装置CL1が係合する場合:ダンパ作動時:図2参照)
第1摩擦係合装置CL1が係合する場合、第1パイロット弁4の発生する駆動油圧が、第1パイロット油路5を介して第1弁駆動油室3に与えられ、第1調圧弁1の調圧スプール12が図示右側に変位して、第1調圧弁1から第1調圧油路2を介して第1摩擦係合装置CL1に係合のための駆動油圧を与える。
正常運転時において第1摩擦係合装置CL1が係合する場合、第2摩擦係合装置CL2は非係合であり、ダンパスプール駆動油室75は第2調圧弁6を介して排圧される。
この状態で第1摩擦係合装置CL1の係合のために第1パイロット弁4が第1パイロット油路5に駆動油圧を出力すると、図2に示すように、第1パイロット弁4から第1パイロット油路5に与えられた駆動油圧により、ダンパスプール62と補助ダンパスプール64が互いに離れる方向へ変位する。このダンパスプール62と補助ダンパスプール64の距離は、第1パイロット油路5に与えられる駆動油圧が大きくなるほど長くなり、第1パイロット油路5に与えられる駆動油圧が小さくなるほど短くなる。
この状態で第1摩擦係合装置CL1の係合のために第1パイロット弁4が第1パイロット油路5に駆動油圧を出力すると、図2に示すように、第1パイロット弁4から第1パイロット油路5に与えられた駆動油圧により、ダンパスプール62と補助ダンパスプール64が互いに離れる方向へ変位する。このダンパスプール62と補助ダンパスプール64の距離は、第1パイロット油路5に与えられる駆動油圧が大きくなるほど長くなり、第1パイロット油路5に与えられる駆動油圧が小さくなるほど短くなる。
ここで、第1摩擦係合装置CL1にジャダが発生すると、第1摩擦係合装置CL1の油圧(具体的には第1摩擦係合装置CL1を駆動する油圧アクチュエータのサーボ室内の油圧)が変動し、圧力脈動が第1調圧油路2を介して第1調圧弁1に伝わり、第1調圧弁1の調圧スプール12が振動する。ジャダの影響で調圧スプール12が振動すると第1弁駆動油室3の容積が変動し、第1パイロット油路5の駆動油圧に圧力脈動が生じる。
このように、第1パイロット油路5に圧力脈動が生じた場合、圧力脈動に応じてダンパスプール62および補助ダンパスプール64が変位することで、第1パイロット油路5における駆動油圧の圧力脈動を吸収緩和する。
これにより、第1パイロット弁4のパイロットスプール34の振動の発生が抑えられ、ドライバビリティの低下を防ぐことができる。
なお、この実施例では、ジャダの影響により圧力脈動が生じる例を示すが、ジャダ以外の影響による圧力脈動を吸収緩和できることはいうまでもない。
このように、第1パイロット油路5に圧力脈動が生じた場合、圧力脈動に応じてダンパスプール62および補助ダンパスプール64が変位することで、第1パイロット油路5における駆動油圧の圧力脈動を吸収緩和する。
これにより、第1パイロット弁4のパイロットスプール34の振動の発生が抑えられ、ドライバビリティの低下を防ぐことができる。
なお、この実施例では、ジャダの影響により圧力脈動が生じる例を示すが、ジャダ以外の影響による圧力脈動を吸収緩和できることはいうまでもない。
(第2摩擦係合装置CL2が係合する場合:フェールセーフ作動時:図3参照)
第2摩擦係合装置CL2が係合する場合、第2パイロット弁の発生する駆動油圧が、第2パイロット油路9を介して第2弁駆動油室8に与えられ、第2調圧弁6の調圧スプール12が図示右側に変位して、第2調圧弁6から第2調圧油路7を介して第2摩擦係合装置CL2に係合のための駆動油圧を与える。
第2調圧油路7に駆動油圧が与えられると、第2調圧油路7に与えられた駆動油圧がダンパ/フェールセーフ弁61のダンパスプール駆動油室75に与えられ、ダンパスプール62および補助ダンパスプール64を図示左側へ変位させる。これによって、第1パイロット油路5がダンパスプール62によって完全に遮断される。
第2摩擦係合装置CL2が係合する場合、第2パイロット弁の発生する駆動油圧が、第2パイロット油路9を介して第2弁駆動油室8に与えられ、第2調圧弁6の調圧スプール12が図示右側に変位して、第2調圧弁6から第2調圧油路7を介して第2摩擦係合装置CL2に係合のための駆動油圧を与える。
第2調圧油路7に駆動油圧が与えられると、第2調圧油路7に与えられた駆動油圧がダンパ/フェールセーフ弁61のダンパスプール駆動油室75に与えられ、ダンパスプール62および補助ダンパスプール64を図示左側へ変位させる。これによって、第1パイロット油路5がダンパスプール62によって完全に遮断される。
この第2摩擦係合装置CL2のみが係合する状態で、予期せぬ何らかの要因により第1パイロット弁4が駆動油圧を発生した場合、上述したように、第1パイロット油路5はダンパスプール62によって完全に遮断されているため、第1調圧弁1の第1弁駆動油室3に駆動油圧は発生せず、第1摩擦係合装置CL1が係合する不具合が回避される。即ち、2重係合が防止される。
(実施例1の効果)
油圧制御装置に設けられたダンパ/フェールセーフ弁61は、第1摩擦係合装置CL1が係合する場合に第1パイロット油路5に生じた駆動油圧の圧力脈動を吸収緩和するダンパ弁の機能を果たし、第2摩擦係合装置CL2が係合する場合に第2調圧油路7に生じた駆動油圧により第1パイロット油路5を遮断するフェールセーフ弁の機能とを果たす。
このダンパ/フェールセーフ弁61は、ダンパスプール62および補助ダンパスプール64を軸方向に移動可能に支持するダンパ軸穴63が1つで済む。即ち、従来では、ダンパ弁の軸穴と、フェールセーフ弁の軸穴とが必要であったが、ダンパ/フェールセーフ弁61では軸穴の数がダンパ軸穴63の1つで済む。
これにより、ダンパ弁の機能とフェールセーフ弁の機能の両方を油圧制御装置に設けても、油圧制御装置の体格(具体的には、油圧サーキットを成すケースの体格)が大型化する不具合がない。即ち、ダンパ/フェールセーフ弁61を用いることにより、油圧制御装置のコンパクト化を図ることができる。
油圧制御装置に設けられたダンパ/フェールセーフ弁61は、第1摩擦係合装置CL1が係合する場合に第1パイロット油路5に生じた駆動油圧の圧力脈動を吸収緩和するダンパ弁の機能を果たし、第2摩擦係合装置CL2が係合する場合に第2調圧油路7に生じた駆動油圧により第1パイロット油路5を遮断するフェールセーフ弁の機能とを果たす。
このダンパ/フェールセーフ弁61は、ダンパスプール62および補助ダンパスプール64を軸方向に移動可能に支持するダンパ軸穴63が1つで済む。即ち、従来では、ダンパ弁の軸穴と、フェールセーフ弁の軸穴とが必要であったが、ダンパ/フェールセーフ弁61では軸穴の数がダンパ軸穴63の1つで済む。
これにより、ダンパ弁の機能とフェールセーフ弁の機能の両方を油圧制御装置に設けても、油圧制御装置の体格(具体的には、油圧サーキットを成すケースの体格)が大型化する不具合がない。即ち、ダンパ/フェールセーフ弁61を用いることにより、油圧制御装置のコンパクト化を図ることができる。
また、上述したように、従来では、ダンパ弁の軸穴と、フェールセーフ弁の軸穴とが必要であったが、軸穴の数がダンパ軸穴63の1つで済むため、軸穴の加工数を減らすことができ、軸穴の加工コストを抑えることができる。
さらに、ダンパ/フェールセーフ弁61がダンパ弁として機能する際に、ダンパスプール62と補助ダンパスプール64の2つによって圧力脈動を緩和するため、第1パイロット油路5における圧力脈動の吸収緩和効果を高めることができる。
さらに、ダンパ/フェールセーフ弁61がダンパ弁として機能する際に、ダンパスプール62と補助ダンパスプール64の2つによって圧力脈動を緩和するため、第1パイロット油路5における圧力脈動の吸収緩和効果を高めることができる。
実施例2を図4〜図6を参照して説明する。なお、以下の実施例において上記実施例1と同一符号は同一機能物を示すものである。
上記の実施例1では、ダンパスプール62の図示左側の径寸法と、図示右側の径寸法とを同径に設けた。第2摩擦係合装置CL2を係合するため駆動油圧(第2調圧油路7に発生する駆動油圧)は、第1調圧弁1を作動させるために第1弁駆動油室3に与えられる駆動油圧(第1パイロット油路5に発生する駆動油圧)より大きい。このため、実施例1では、ダンパスプール62の図示左側の径寸法と、図示右側の径寸法とを同径に設けても、フェールセーフ弁の機能を果たすことができる。
しかし、実施例1では、第2調圧油路7に発生する駆動油圧が、第1パイロット油路5に発生する駆動油圧より大きくなるまで、フェールセーフ弁の機能を果たさない。
上記の実施例1では、ダンパスプール62の図示左側の径寸法と、図示右側の径寸法とを同径に設けた。第2摩擦係合装置CL2を係合するため駆動油圧(第2調圧油路7に発生する駆動油圧)は、第1調圧弁1を作動させるために第1弁駆動油室3に与えられる駆動油圧(第1パイロット油路5に発生する駆動油圧)より大きい。このため、実施例1では、ダンパスプール62の図示左側の径寸法と、図示右側の径寸法とを同径に設けても、フェールセーフ弁の機能を果たすことができる。
しかし、実施例1では、第2調圧油路7に発生する駆動油圧が、第1パイロット油路5に発生する駆動油圧より大きくなるまで、フェールセーフ弁の機能を果たさない。
上記の不具合を回避するために、この実施例2のダンパ/フェールセーフ弁61では、図4に示すように、ダンパスプール62の図示右側の径寸法を大きく設けた。即ち、実施例2のダンパスプール62は、第1パイロット油路5の油圧を受ける図示左側の受圧径より、第2調圧油路7の油圧を受ける図示右側の受圧径を大径に設けた。
このように設けることにより、第2調圧油路7に生じる駆動油圧によるダンパスプール62の駆動力を高めることができる。このため、第2調圧油路7に駆動油圧が生じた際、図6に示すように、第2調圧油路7に発生した駆動油圧が第1パイロット油路5に発生する駆動油圧より低い状態からダンパスプール62および補助ダンパスプール64を図示左側へ変位させて第1パイロット油路5を遮断してフェールセーフ弁の機能を果たすことができる。
このように設けることにより、第2調圧油路7に生じる駆動油圧によるダンパスプール62の駆動力を高めることができる。このため、第2調圧油路7に駆動油圧が生じた際、図6に示すように、第2調圧油路7に発生した駆動油圧が第1パイロット油路5に発生する駆動油圧より低い状態からダンパスプール62および補助ダンパスプール64を図示左側へ変位させて第1パイロット油路5を遮断してフェールセーフ弁の機能を果たすことができる。
実施例3を図7〜図9を参照して説明する。
第1摩擦係合装置CL1の係合中に、予期せぬ不具合が生じて第2摩擦係合装置CL2が係合を開始する可能性がある。
上記の実施例1、2では、第2摩擦係合装置CL2の係合のために第2調圧油路7に駆動油圧が与えられると、ダンパ/フェールセーフ弁61がフェールセーフ弁の機能を果たして第1パイロット油路5を遮断する。
第1摩擦係合装置CL1の係合中に、予期せぬ不具合が生じて第2摩擦係合装置CL2が係合を開始する可能性がある。
上記の実施例1、2では、第2摩擦係合装置CL2の係合のために第2調圧油路7に駆動油圧が与えられると、ダンパ/フェールセーフ弁61がフェールセーフ弁の機能を果たして第1パイロット油路5を遮断する。
しかし、上記の実施例1、2では、第1摩擦係合装置CL1の係合中にダンパ/フェールセーフ弁61が第1パイロット油路5を遮断すると、第1弁駆動油室3の駆動油圧が排出されない状態となり、第1摩擦係合装置CL1が係合したままの状態となる可能性がある。即ち、第1摩擦係合装置CL1の係合中にダンパ/フェールセーフ弁61がフェールセーフ弁として機能しても、2重係合を防止することができない。
上記の不具合を回避するために、この実施例3のダンパ/フェールセーフ弁61は、図9に示すように、ダンパスプール62が第1パイロット油路5を遮断する際、第1弁駆動油室3を低圧側に連通させるドレン手段81を備える。
ドレン手段81を具体的に説明する。
この実施例のダンパ/フェールセーフ弁61は、ダンパスプール62とは別に、第2調圧油路7から与えられる油圧により、ダンパスプール62を図示左側へ変位させる独立スプール82を備え、ダンパスプール62と独立スプール82との間にダンパスプリング65が配置される構造を採用している。なお、この実施例3の独立スプール82は、実施例2と同様、ダンパスプール駆動油室75における受圧径が大径化して設けられる。
ドレン手段81を具体的に説明する。
この実施例のダンパ/フェールセーフ弁61は、ダンパスプール62とは別に、第2調圧油路7から与えられる油圧により、ダンパスプール62を図示左側へ変位させる独立スプール82を備え、ダンパスプール62と独立スプール82との間にダンパスプリング65が配置される構造を採用している。なお、この実施例3の独立スプール82は、実施例2と同様、ダンパスプール駆動油室75における受圧径が大径化して設けられる。
一方、ダンパ軸穴63の軸方向の中間部には、低圧側に連通するダンパドレンポート83が形成されている。
また、ダンパスプール62には、ダンパスプール62が第1パイロット油路5を遮断する時のみに、第1油路アウトポート72とダンパドレンポート83を連通させる可動ドレン通路が形成されている。
この実施例における具体的な可動ドレン通路は、ダンパスプール62の軸方向の中間部において軸方向にずれて形成された2つの内外貫通ポート84、85と、ダンパスプール62の内部(ダンパスプール62と独立スプール82の間の空間)とによって構成される。図示左側の内外貫通ポート84は、図9に示されるように、ダンパスプール62が第1パイロット油路5を遮断する際に、第1油路アウトポート72とダンパスプール62内とを連通させる。また、図示右側の内外貫通ポート85は、ダンパスプール62が第1パイロット油路5を遮断する際に、ダンパスプール62内とダンパドレンポート83とを連通させる。
また、ダンパスプール62には、ダンパスプール62が第1パイロット油路5を遮断する時のみに、第1油路アウトポート72とダンパドレンポート83を連通させる可動ドレン通路が形成されている。
この実施例における具体的な可動ドレン通路は、ダンパスプール62の軸方向の中間部において軸方向にずれて形成された2つの内外貫通ポート84、85と、ダンパスプール62の内部(ダンパスプール62と独立スプール82の間の空間)とによって構成される。図示左側の内外貫通ポート84は、図9に示されるように、ダンパスプール62が第1パイロット油路5を遮断する際に、第1油路アウトポート72とダンパスプール62内とを連通させる。また、図示右側の内外貫通ポート85は、ダンパスプール62が第1パイロット油路5を遮断する際に、ダンパスプール62内とダンパドレンポート83とを連通させる。
このように設けられることにより、ダンパスプール62が第1パイロット油路5を遮断する際は、第1弁駆動油室3の駆動油圧が第1油路アウトポート72→図示左側の内外貫通ポート84→ダンパスプール62内→図示右側の内外貫通ポート85→ダンパドレンポート83を介して排圧されることになり、第1摩擦係合装置CL1の係合状態が解除される。
これにより、第1摩擦係合装置CL1の係合中にダンパ/フェールセーフ弁61がフェールセーフ弁として機能しても、2重係合が防止される。
なお、可動ドレン通路は、本実施例に限定されるものでなく、ダンパスプール62の外周に溝を設けるなど、他の手段を採用しても良い。
これにより、第1摩擦係合装置CL1の係合中にダンパ/フェールセーフ弁61がフェールセーフ弁として機能しても、2重係合が防止される。
なお、可動ドレン通路は、本実施例に限定されるものでなく、ダンパスプール62の外周に溝を設けるなど、他の手段を採用しても良い。
実施例4を図10を参照して説明する。
この実施例4は、実施例3で示したダンパスプール62に代えて、従来技術で示したダンパスプールJ4(図11参照)を用いたものである。
この実施例4では上記実施例3の効果を得ることはできないが、受圧径が大径に設けられた独立スプール82の採用によって実施例2と同様の効果を得ることができる。
そして、従来から用いられていた既存のダンパスプールJ4をそのまま用いることにより、部品の変更を少なくでき、コスト上昇を抑えることができる。
この実施例4は、実施例3で示したダンパスプール62に代えて、従来技術で示したダンパスプールJ4(図11参照)を用いたものである。
この実施例4では上記実施例3の効果を得ることはできないが、受圧径が大径に設けられた独立スプール82の採用によって実施例2と同様の効果を得ることができる。
そして、従来から用いられていた既存のダンパスプールJ4をそのまま用いることにより、部品の変更を少なくでき、コスト上昇を抑えることができる。
〔変形例〕
上記の実施例では、第1、第2調圧弁1、6の一例として、第1、第2弁駆動油室3、8に駆動油圧が与えられていない時に、入力ポート14と出力ポート15の連通度合が最小(閉鎖)になるとともに、出力ポート15と排出ポート16の連通度合が最大になるタイプを示した。
しかるに、第1、第2調圧弁1、6の一方、あるいは両方を、第1、第2弁駆動油室3、8に駆動油圧が与えられていない時に、入力ポート14と出力ポート15の連通度合が最大になるとともに、出力ポート15と排出ポート16の連通度合が最小(閉鎖)になるタイプを用いても良い。
上記の実施例では、第1、第2調圧弁1、6の一例として、第1、第2弁駆動油室3、8に駆動油圧が与えられていない時に、入力ポート14と出力ポート15の連通度合が最小(閉鎖)になるとともに、出力ポート15と排出ポート16の連通度合が最大になるタイプを示した。
しかるに、第1、第2調圧弁1、6の一方、あるいは両方を、第1、第2弁駆動油室3、8に駆動油圧が与えられていない時に、入力ポート14と出力ポート15の連通度合が最大になるとともに、出力ポート15と排出ポート16の連通度合が最小(閉鎖)になるタイプを用いても良い。
上記の実施例では、第1パイロット弁4および第2パイロット弁の一例として、リニアソレノイド32がOFF時に、パイロット入力ポート36とパイロット出力ポート37の連通度合が最大になるとともに、パイロット出力ポート37とパイロット排出ポート38の連通度合が最小(閉鎖)になるN/O(ノーマリオープン)タイプの三方電磁弁を示した。
しかるに、第1パイロット弁4と第2パイロット弁の一方、あるいは両方を、リニアソレノイド32がOFF時に、パイロット入力ポート36とパイロット出力ポート37の連通度合が最小(閉鎖)になるとともに、パイロット出力ポート37とパイロット排出ポート38の連通度合が最大になるN/C(ノーマリクローズ)タイプの三方電磁弁を用いても良い。
しかるに、第1パイロット弁4と第2パイロット弁の一方、あるいは両方を、リニアソレノイド32がOFF時に、パイロット入力ポート36とパイロット出力ポート37の連通度合が最小(閉鎖)になるとともに、パイロット出力ポート37とパイロット排出ポート38の連通度合が最大になるN/C(ノーマリクローズ)タイプの三方電磁弁を用いても良い。
上記の実施例では、第1パイロット油路5にダンパ/フェールセーフ弁61を設ける例を示したが、第1調圧油路2にダンパ/フェールセーフ弁61を設けても良い。即ち、摩擦係合装置に通じる油路の圧力脈動の緩和とフェールセーフによる遮断を行うように設けても良い。
上記の実施例では、第2調圧油路7に生じる駆動油圧によりダンパ/フェールセーフ弁61をフェールセーフ弁として作動させる例を示したが、上記実施例2〜4で示したように、第2油路からの受圧径を大きくするなどのダンパスプール62の駆動力を高める手段を採用して、第2パイロット油路9に生じる駆動油圧によりダンパ/フェールセーフ弁61をフェールセーフ弁として作動させても良い。
上記の実施例では、第2調圧油路7に生じる駆動油圧によりダンパ/フェールセーフ弁61をフェールセーフ弁として作動させる例を示したが、上記実施例2〜4で示したように、第2油路からの受圧径を大きくするなどのダンパスプール62の駆動力を高める手段を採用して、第2パイロット油路9に生じる駆動油圧によりダンパ/フェールセーフ弁61をフェールセーフ弁として作動させても良い。
上記の実施例では、第1パイロット弁4と第1調圧弁1を用いて第1摩擦係合装置CL1の係脱を制御する例を示したが、第1調圧弁1をリニアソレノイド32で直接駆動する電磁調圧弁を用いても良い。
同様に、上記の実施例では、第2パイロット弁と第2調圧弁6を用いて第2摩擦係合装置CL2の係脱を制御する例を示したが、第2調圧弁6をリニアソレノイド32で直接駆動する電磁調圧弁を用いても良い。
また、上記の実施例で示したリニアソレノイド32に代えて、他の電動アクチュエータ(例えば、ピエゾスタックを用いたピエゾアクチュエータ、電動モータ等)を用いても良い。
上記の実施例では、自動変速機の油圧制御装置に用いられる油圧制御弁に本発明を適用する例を示したが、自動変速機以外の他の油圧制御装置に本発明を適用しても良い。
同様に、上記の実施例では、第2パイロット弁と第2調圧弁6を用いて第2摩擦係合装置CL2の係脱を制御する例を示したが、第2調圧弁6をリニアソレノイド32で直接駆動する電磁調圧弁を用いても良い。
また、上記の実施例で示したリニアソレノイド32に代えて、他の電動アクチュエータ(例えば、ピエゾスタックを用いたピエゾアクチュエータ、電動モータ等)を用いても良い。
上記の実施例では、自動変速機の油圧制御装置に用いられる油圧制御弁に本発明を適用する例を示したが、自動変速機以外の他の油圧制御装置に本発明を適用しても良い。
CL1 第1摩擦係合装置
CL2 第2摩擦係合装置(第2油圧制御対象の一例)
1 第1調圧弁
2 第1調圧油路
3 第1弁駆動油室(第1油圧制御対象の一例)
4 第1パイロット弁(第1油圧制御弁の一例)
5 第1パイロット油路(第1油路の一例)
6 第2調圧弁(第2油圧制御弁の一例)
7 第2調圧油路(第2油路の一例)
8 第2弁駆動油室
9 第2パイロット油路
61 ダンパ/フェールセーフ弁
62 ダンパスプール
63 ダンパ軸穴(軸穴)
64 補助ダンパスプール
81 ドレン手段
CL2 第2摩擦係合装置(第2油圧制御対象の一例)
1 第1調圧弁
2 第1調圧油路
3 第1弁駆動油室(第1油圧制御対象の一例)
4 第1パイロット弁(第1油圧制御弁の一例)
5 第1パイロット油路(第1油路の一例)
6 第2調圧弁(第2油圧制御弁の一例)
7 第2調圧油路(第2油路の一例)
8 第2弁駆動油室
9 第2パイロット油路
61 ダンパ/フェールセーフ弁
62 ダンパスプール
63 ダンパ軸穴(軸穴)
64 補助ダンパスプール
81 ドレン手段
Claims (5)
- (a)第1油圧制御対象へ第1油路を介して駆動油圧を発生させる第1油圧制御弁と、
(b)第2油圧制御対象へ第2油路を介して駆動油圧を発生させる第2油圧制御弁と、
(c)前記第1油路に生じる駆動油圧により軸方向の一方へ変位し、前記第2油路に生じる駆動油圧により軸方向の他方へ変位するダンパスプールを備え、
前記第1油路に駆動油圧が生じた際、前記第1油路に生じた駆動油圧の圧力脈動を前記ダンパスプールが変位することで緩和し、
前記第2油路に駆動油圧が生じた際、前記第2油路に生じた駆動油圧により前記ダンパスプールを軸方向の他方へ変位させて、当該ダンパスプールにより前記第1油路を遮断するダンパ/フェールセーフ弁と、
を具備する油圧制御装置。 - 請求項1に記載の油圧制御装置において、
前記ダンパスプールを移動可能に支持する軸穴の内部に、前記第1油路との連通部を介して前記ダンパスプールと対向配置された補助ダンパスプールを備え、
この補助ダンパスプールは、前記第1油路に生じる駆動油圧により前記ダンパスプールとは異なる方向へ変位して、前記第1油路に生じた駆動油圧の圧力脈動を緩和することを特徴とする油圧制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載の油圧制御装置において、
前記ダンパスプールは、前記第1油路の油圧を受ける受圧径より、前記第2油路の油圧を受ける受圧径が大径に設けられていることを特徴とする油圧制御装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の油圧制御装置において、
前記ダンパ/フェールセーフ弁は、前記ダンパスプールが前記第1油路を遮断する際、前記第1油圧制御対象を低圧側に連通させるドレン手段を備えることを特徴とする油圧制御装置。 - 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の油圧制御装置において、
前記第1油圧制御対象は、自動変速機に設けられた第1摩擦係合装置へ駆動油圧を発生させる第1調圧弁における第1弁駆動油室であり、
前記第1油圧制御弁は、前記第1弁駆動油室に駆動油圧を与える第1パイロット弁であることを特徴とする油圧制御装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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