以下に、本発明の第1実施形態について図面をもとに説明する。
図1は遊技機1の正面図である。遊技機1は、図1に示すように、当該遊技機1の筐体である外枠3と、開閉自在に外枠3に取り付けられた内枠5とを備えている。
そして内枠5には、遊技者に遊技を提供する遊技盤7と、遊技盤7上に遊技球を発射するためのハンドル9と、遊技盤7における遊技の結果として当該遊技機1から賞品として払い出される遊技球(賞品球)を貯留する上受け皿11と、上受け皿11から排出される遊技球を受ける下受け皿13とが設けられている。
ここで遊技盤7には、数字や模様を要素とした複数の特別図柄などの画像を表示する図柄表示装置20と、特別図柄の変動表示を開始させるために、遊技者が遊技球を投入する始動入賞口を備える始動入賞装置31と、大当り遊技時に開放される大入賞口を備える可動入賞装置33とが設けられている。尚、始動入賞装置31は、所謂チューリップ式からなり、図中左右方向に開閉動作する1対の可動片31aを備えている。そして、可動入賞装置33は、図中手前方向に傾倒動作して当該可動入賞装置33の大入賞口を開放する開閉板33aを備えている。
また遊技盤7には、7セグメントLEDを備えた数字表示器からなり、1桁の数字からなる普通図柄(本実施形態では、0〜9の数字)を変動表示する普通図柄表示装置35と、普通図柄の変動表示が保留されていることを遊技者に示す4つの普通図柄保留ランプ37と、遊技球の通過を検出する始動ゲート39とが設けられている。尚、4つの普通図柄保留ランプ37は、普通図柄の変動表示の保留数(本実施形態では、最大4つまで)と同じ数だけ点灯される。また、普通図柄表示装置35は、遊技球が始動ゲート39を通過すると、普通図柄(本実施形態では、0〜9の数字)の変動表示を開始する。ここで、遊技機1は、上述した始動入賞装置31の可動片31aを通常閉じている。そして、普通図柄表示装置35に表示される普通図柄が予め指定された普通図柄(本実施形態では「7」)で停止表示されたときに可動片31aを開く(即ち、始動入賞口を開放する)一方、始動入賞装置31に遊技球が投入されたり、予め設定された時間が経過すると再び閉じるようにされている。
また図柄表示装置20は、特別図柄を変動表示する液晶表示ディスプレイ(LCD)21,23と、特別図柄の変動表示が保留されていることを遊技者に示す4つの特別図柄保留ランプ25と、LCD23を移動させる移動装置27(図2参照)と、LCD21及び特別図柄保留ランプ25を収納して、遊技盤7上に固定する本体枠29とから構成される。
尚、LCD21は、矩形状の開口部21bが中央に形成された表示画面21aを備えている。そしてLCD23は、この開口部21b内を移動可能に配置されている。
図2は移動装置27の構成を示す斜視図、図3(a)は図2のA−A断面部を示す図、図3(b)は図2のB−B断面部を示す図である。
図2に示すように、移動装置27は、LCD23を支持するための支持板51と、LCD23の表示画面の裏面側においてLCD23に一端が連結されるとともに、支持板51に他端が連結された連結棒52,53,54,55と、連結棒52,53,54,55それぞれを支持板51に連結された状態に保持するためのEリング56a,56b,56c,56dと、連結棒52,53,54,55それぞれをLCD23に連結する自在継手57a,57b,57c,57dと、連結棒52,53,55を互いに平行な状態に保持したままY軸方向(後述)に傾動させるY軸方向駆動部58と、連結棒52,53,55を互いに平行な状態に保持したままX軸方向(後述)に傾動させるX軸方向駆動部59と、支持板51をZ軸方向(後述)に移動させるZ軸方向駆動部60とから構成される。
尚、X軸方向は遊技盤7の面に沿った水平方向(図1における左右方向)、Y軸方向は遊技盤7の面に沿った垂直方向(図1における上下方向)、Z軸方向は遊技盤7の面に垂直な方向である。
これらのうち支持板51には、連結棒52,53,54,55それぞれを連結するための連結孔51a,51b,51c,51dが形成されている。
また連結棒52は、円柱状の棒本体部52aと、棒本体部52aの他端から軸方向に沿って棒本体部52aから遠ざかる方向に向けて径が徐々に小さくなる円錐部52bと、円錐部52bの頂点部分から軸方向に沿って棒本体部52aから遠ざかる方向に向けて突出し、連結孔51aに挿入可能な径を有する円柱状の挿入部52cと、棒本体部52aの円周面上に突出して形成され、Y軸方向駆動部58と一体にY軸方向へ移動可能に連結するための開口部を備えたY軸連結部52dと、棒本体部52aの円周面上に突出して形成され、X軸方向駆動部59と一体にX軸方向へ移動可能に連結するための開口部を備えたX軸連結部52eから構成される。
また連結棒53(55)は、連結棒52と同様に、棒本体部53a(55a),円錐部53b(55b),挿入部53c(55c),Y軸連結部53d(55d)及びX軸連結部53e(55e)から構成される。なお図2では、図面を見易くするために、Y軸連結部55d及びX軸連結部55eを省略している(Y軸連結部55d及びX軸連結部55eについては、図3(a),図3(b)参照。)。
また連結棒54は、棒本体部54a,円錐部54b及び挿入部54cから構成される。
そして、挿入部52c(53c,54c,55c)を連結孔51a(51b,51c,51d)に挿入された状態に保持するために、Eリング56a(56b,56c,56d)が挿入部52c(53c,54c,55c)の円周面上に取り付けられる。また、自在継手57a(57b,57c,57d)は、棒本体部52a(53a,54a,55a)の一端とLCD23とを連結する。
尚、連結棒52,53,54,55は、軸方向の長さが互いに等しいとともに、互いが平行に配置される。そして連結孔51a,51b,51c,51dは、支持板51の面上において、四角形の頂点となるように配置されている。つまり連結棒55は、連結棒52及び連結棒53を含む平面(図2では、連結孔51a及び連結孔51bを含み、且つZ軸方向に平行な平面に相当する)から外れた位置に配置される。
更にY軸方向駆動部58は、図3(a)に示すように、Y軸連結部52d,53d,55dそれぞれの開口部に挿入される連結アーム58a,58b,58cと、連結アーム58a,58b,58cを支持するY軸連結本体部58dとからなるY軸移動連結部と、このY軸移動連結部に固設されたラック58eと、出力軸に固設されたウォーム58fがラック58eと噛合する位置に配置されたステッピングモータ58gとから構成される。尚、ステッピングモータ58gが駆動するとY軸移動連結部がY軸方向に移動するように、ラック58e及びウォーム58fは配置されている。
またX軸方向駆動部59は、図3(b)に示すように、X軸連結部52e,53e,55eそれぞれの開口部に挿入される連結アーム59a,59b,59cと、連結アーム59a,59b,59cを支持するX軸連結本体部59dとからなるX軸移動連結部と、このX軸移動連結部に固設されたラック59eと、出力軸に固設されたウォーム59fがラック59eと噛合する位置に配置されたステッピングモータ59gとから構成される。尚、ステッピングモータ59gが駆動するとX軸移動連結部がX軸方向に移動するように、ラック59e及びウォーム59fは配置されている。
またZ軸方向駆動部60は、図2に示すように、支持板51が取り付けられ、支持板51をZ軸方向に移動させるZ軸移動機構60aと、Z軸移動機構60aの駆動源としてのステッピングモータ60bとから構成される。
このように構成された移動装置27では、連結棒52,53,54,55は、LCD23に対して回動及び傾動可能にLCD23に一端が連結されるとともに、支持板51に対して回動及び傾動可能に支持板51に他端が連結される。
そしてステッピングモータ58g(59g)が駆動すると、連結棒52,53,55は、互いに平行な状態を保持したままY軸方向(X軸方向)に傾動する。
またステッピングモータ60bが駆動すると、連結棒52,53,55は、互いに平行な状態を保持したままZ軸方向に移動する。
このため、LCD23のX,Y,Z軸方向への移動時には、LCD23の表示画面はLCD21の表示画面21aに対して平行に保持される。
次に、遊技機1における制御系統の構成を図4に基づいて説明する。図4は、遊技機1の制御系統の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、遊技機1には、CPUやROM、RAMなどを搭載してなり、当該遊技機1における遊技を統括する主制御基板100が具備され、この主制御基板100に、CPUやROM、RAMなどを搭載してなる各種制御基板や、各種装置を接続して当該遊技機1の制御系統が構築されている。
即ち主制御基板100には、まず、遊技球が始動ゲート39を通過したことを検出するゲートセンサ81と、始動入賞装置31の始動入賞口に遊技球が投入されたことを検出する始動口センサ82と、始動入賞装置31の可動片31aを駆動するソレノイド83とが接続されている。
また主制御基板100には、可動入賞装置33の大入賞口における特定領域に遊技球が投入されたことを検出する特定領域センサ84と、可動入賞装置33の大入賞口における特定領域とは別の一般領域に遊技球が投入されたことを検出するカウントセンサ85と、可動入賞装置33の開閉板33aを駆動するソレノイド86とが接続されている。
また主制御基板100には、上受け皿11への賞品球の払出を行う払出装置115を制御する賞球制御基板110と、遊技機1に設置されたスピーカ125を介して声や効果音,音楽などを出力する音声制御基板120と、特別図柄保留ランプ25及び普通図柄保留ランプ37を点灯させるランプ制御基板130とが接続されている。
更に主制御基板100には、LCD21,23に特別図柄や遊技に関わる各種画像を表示したり、普通図柄表示装置35に普通図柄を表示したり、ステッピングモータ58g,59g,60bを駆動する図柄制御基板140が接続されている。
そして、この制御系統では、主制御基板100のCPUが、遊技に連動して遊技者に付与すべき特典を抽選し、抽選結果に応じたコマンドを上述の各種制御基板や各種装置に送信する一方、これら各種制御基板や各種装置が、このコマンドに従って動作し、普通図柄や特別図柄を変動表示して抽選結果の通知を行ったり、抽選結果に応じた遊技を実行する。
また主制御基板100のRAMには、遊技態様をランダムに設定するための乱数カウンタC1〜C8と、特別図柄変動表示の保留されている数(以降、特別保留数と称す)を示す保留数カウンタC11とが設けられている。
そして各種乱数カウンタC1〜C8の内、大当り判定用カウンタC1は大当りか否かを抽選するカウンタであり、本実施形態では0〜629の整数値をとる。
また左停止用図柄決定用カウンタC2,中停止用図柄決定用カウンタC3,右停止用図柄決定用カウンタC4はそれぞれ、LCD21,23に表示される3つの特別図柄の内の左図柄,中図柄,右図柄の図柄作成に使用するカウンタであり、本実施形態では0〜13の整数値をとる。
またリーチ判定用カウンタC5は、特別図柄の組合せをハズレ図柄とする場合に、リーチハズレとするか否かを抽選するカウンタであり、本実施形態では0〜11の整数値をとる。
またリーチ図柄態様決定用カウンタC6は、リーチを示す特別図柄の組み合わせを決定するためのカウンタであり、本実施形態では0〜62の整数値をとる。
また大当り図柄決定用カウンタC7は、大当りを示す特別図柄の組み合わせを決定するためのカウンタであり、本実施形態では0〜13の整数値をとる。
また変動パターン決定用カウンタC8は、特別図柄の変動パターンを決定するためのカウンタであり、本実施形態では0〜51の整数値をとる。
また主制御基板100のRAMには、遊技機1の動作状態を示す各種状態フラグF1〜F4と、大当り判定の結果を示す大当り判定フラグF11とが設けられている。
そして各種状態フラグF1〜F4は、特別図柄の変動表示がされていない状態を示す待機中フラグF1,特別図柄の変動表示中であることを示す図柄変動中フラグF2,特別図柄の変動表示が停止して停止図柄が確定した状態を示す確定中フラグF3,大当り遊技中であることを示す大当り中フラグF4である。尚、以下の説明において、フラグをセットするとは、そのフラグの値を1にすることを示し、フラグをクリアするとは、そのフラグの値を0にすることを示す。
また主制御基板100のRAMには、大当り判定用カウンタC1から取得した乱数を最大4個格納する大当り判定乱数記憶領域M1と、リーチ判定用カウンタC5から取得した乱数を最大4個格納するリーチ判定乱数記憶領域M5と、リーチ図柄態様決定用カウンタC6から取得した乱数を最大4個格納するリーチ図柄判定乱数記憶領域M6と、変動パターン決定用カウンタC8から取得した乱数を最大4個格納する変動パターン判定乱数記憶領域M8とが設けられている。
そして主制御基板100のCPUは、遊技機1で遊技者により行われる遊技に関わる制御を実行する遊技処理と、LCD21,23に表示される3つの特別図柄の図柄を作成する特別図柄作成処理とをそれぞれ独立に実行する。
また賞球制御基板110のCPUは、大当り遊技時に可動入賞装置33の大入賞口へ遊技球が投入されると、所定数(例えば、15個)の賞品球を払出装置115に払い出させる一方、通常の遊技時や大当り遊技時に始動入賞装置31へ遊技球が投入された場合においても、所定数(例えば、5個)の賞品球を払出装置115に払い出させる。
まず以下に、主制御基板100のCPUが実行する遊技処理の手順を、図5を用いて説明する。但し、普通図柄の変動表示やこれに伴う遊技(つまり、始動入賞装置31の始動口の開放)に関わる処理については、周知のパチンコ遊技機と同様であるため、ここでは説明を省略する。図5は、遊技処理を表すフローチャートである。尚、この遊技処理は、主制御基板100のCPUが起動(電源オン)している間に、所定時間毎(例えば2ms毎)に繰り返し実行される処理である。
この遊技処理においては、主制御基板100のCPUは、まずS10にて、カウンタC1〜C8のそれぞれの値をインクリメント(1加算)する。但し、インクリメントした値が、それぞれのカウンタの最大値を越える(例えば、変動パターン決定用カウンタC8において、カウンタ値が52になる)場合には、その値を0に書き換える。
次にS20にて、後述するS30〜S40の処理において1周期前(即ち、2ms前)に作成されたコマンドを、コマンドの対象となる制御基板,装置に送信する。そして、S30にて、特別図柄の変動表示と大当り抽選を制御するための図柄表示処理を行う。更に、S40にて、大当り遊技中の遊技機1の動作を制御するための可動入賞装置動作処理を行う。そして、当該遊技処理を終了する。
次に、S30において行われる図柄表示処理を、図6及び図7を用いて説明する。図6は図柄表示処理の前半部分、図7は図柄表示処理の後半部分を表すフローチャートである。 尚、図柄表示処理は、S110〜S140の処理(以降、保留処理と称す)、S150〜S210の処理(以降、待機中処理と称す)、S220〜S250の処理(以降、変動中処理と称す)、S260〜S300の処理(以降、確定中処理と称す)に大別される。即ち、保留処理は始動信号を受信した時の処理、待機中処理は待機中フラグF1がセットされている時の処理、変動中処理は図柄変動中フラグF2がセットされている時の処理、確定中処理は確定中フラグF3がセットされている時の処理である。
この図柄表示処理を実行すると、主制御基板100のCPUは、まずS110にて、始動口センサ82から遊技球の検出信号(始動信号)を受信したか否かを判断する。ここで、始動信号を受信していない場合には(S110:NO)、S150に移行する。一方、始動信号を受信した場合には(S110:YES)、S120に移行する。
そしてS120にて、保留数カウンタC11の値(特別保留数)が4に等しいか否かを判断する。即ち、図柄変動表示の保留が可能であるか否かを判断する。ここで、4に等しければ、保留不能と判断し(S120:YES)、S150に移行する。一方、4に等しくなければ、保留可能と判断し(S120:NO)、S130に移行して、保留数カウンタC11をインクリメントする。そしてS140にて、後述の大当り抽選(S180)及び図柄変動パターン設定(S190)で用いるために、大当り判定用カウンタC1,リーチ判定用カウンタC5,リーチ図柄態様決定用カウンタC6及び変動パターン決定用カウンタC8の値を、それぞれ大当り判定乱数記憶領域M1,リーチ判定乱数記憶領域M5,リーチ図柄判定乱数記憶領域M6及び変動パターン判定乱数記憶領域M8に格納する。その後、S150に移行する。
そしてS150に移行すると、待機中フラグF1がセットされているか否かを判断する。ここで、待機中フラグF1がセットされていない場合には(S150:NO)、S220に移行する。一方、待機中フラグF1がセットされている場合には(S150:YES)、S160に移行して、保留数カウンタC11の値(特別保留数)が0に等しいか否かを判断する。
ここで、0に等しい、即ち、図柄変動表示の保留がない場合には(S160:YES)、当該図柄表示処理を終了する。一方、0に等しくない、即ち、図柄変動表示の保留がある場合には(S160:NO)、S170にて、保留数カウンタC11をデクリメント(1減算)し、S180に移行し、大当り抽選を行う。
即ちS180では、大当り判定乱数記憶領域M1に格納されている乱数の内で最も早く格納された乱数を取得し、この乱数に基づいて、大当りか否かを判定する。即ち、取得した乱数の値と、予め設定されている大当り乱数値(本実施形態では「7」。大当り確率は「1/630」)とを比較する。そして、両者が一致する場合に大当りであると判定し、大当り判定フラグF11をセットする。
そしてS180の処理が終了すると、S190にて、図柄変動パターン設定を行う。即ち、リーチ判定乱数記憶領域M5,リーチ図柄判定乱数記憶領域M6及び変動パターン判定乱数記憶領域M8に格納されている乱数の内で、それぞれ最も早く格納された乱数を取得し、この取得した3つの乱数の値と、S180の大当り抽選処理において決定された大当り判定フラグF11の値とをもとに、特別図柄の組合せを決定する。
つまり、大当り判定フラグF11がセットされていない場合には(F11=0)、リーチ判定乱数記憶領域M5,リーチ図柄判定乱数記憶領域M6から取得した値に基づいて、ハズレ図柄種類を、「リーチにならないハズレ」,「±1図柄で停止するリーチハズレ」,「±1図柄以外で停止するリーチハズレ」の何れかに決定する。そして、決定されたハズレ図柄種類に応じて、後述する図柄格納バッファに格納された上記3種類のハズレ図柄の組合せの中から、決定されたハズレ図柄種類に対応した特別図柄の組合せを取得する。更に、変動パターン判定乱数記憶領域M8から取得した値(以降、取得変動パターン判定値とも称す)に基づいて、図柄変動パターン(スーパーリーチ,ノーマルリーチなど)と、変動表示中のLCD23の移動態様を示す移動パターン及び停止位置を設定する。
一方、大当り判定フラグF11がセットされている場合には(F11=1)、図柄格納バッファから大当り図柄種類に対応した特別図柄の組合せを取得する。更に、変動パターン判定乱数記憶領域M8から取得した値に基づいて、図柄変動パターン(スーパーリーチ,ノーマルリーチなど)と、LCD23の移動パターン及び停止位置を設定する。
尚、移動パターンと停止位置は、変動パターン決定用カウンタC8の値と大当り判定フラグF11の値とに応じて予め設定されている。即ち、取得変動パターン判定値により決定される図柄変動パターン(スーパーリーチ,ノーマルリーチなど)に応じて、LCD21,23による図柄変動パターンの表示に連動して、LCD23が開口部21b内を遊技盤7の面に沿って移動(即ち、X軸方向,Y軸方向の移動)したり(図8(a),(b),(c),(d)参照)、遊技盤7の面から突出した状態になるように移動したり(図8(e),(f)参照)、遊技盤7の面から没した状態になるように移動する(図8(g),(h)参照)ように、移動パターンが設定される。
尚、図8(a),(c),(e),(g)はLCD21,23の正面図、図8(b),(d),(f),(g)はLCD21,23の側面図である。そして図8(a),(b)はLCD23が開口部21b内においてLCD21と非接触の状態、図8(c),(d)はLCD23が開口部21b内においてLCD21と接触した状態、図8(e),(f)はLCD23が遊技盤7の面から突出した状態、図8(g),(h)はLCD23が遊技盤7の面から没した状態を示す(図8(g)においてLCD23の輪郭は破線で示されているが、これは、LCD23が没した状態であるために遊技者側から見え難くなっていることを示している。)。
更に、大当たりの場合(F11=1)には、例えば図9(a),(b),(c)に示すように、同一数字(図8では「7」)の左図柄,中図柄,右図柄が同一直線上に並んだ状態(図中の1点鎖線参照)となるように、LCD23の停止位置が設定される。一方、ハズレの場合(F11=0)には、例えば図9(d)に示すように、左図柄,中図柄,右図柄が同一数字(図9では「7」)であったとしても、この3つの図柄が同一直線上に並んでいない状態(図中の1点鎖線参照)となるように、LCD23の停止位置が設定される。
そしてS190の処理が終了すると、S200にて、S190で取得した特別図柄組合せと、S190で設定した図柄変動パターン,移動パターン及び停止位置に基づいて、LCD21の特別図柄の変動パターン及び停止表示する特別図柄組合せを指示する第1図柄変動パターン・コマンドと、LCD23の特別図柄の変動パターン及び停止表示する特別図柄組合せを指示する第2図柄変動パターン・コマンドと、LCD23の移動パターン及び停止位置を指示する移動パターン・コマンドとを作成する。即ち、S20の処理にて、この第1,2図柄変動パターン・コマンドと移動パターン・コマンドが図柄制御基板140に送信されることによって、図柄制御基板140は、特別図柄の変動表示をLCD21,23に開始させるとともに、移動装置27にLCD23の移動を開始させる。
その後S210にて、待機中フラグF1をクリアするとともに、図柄変動中フラグF2をセットし、当該図柄表示処理を終了する。
またS150に戻り、待機中フラグF1がセットされていない場合には(S150:NO)、S220に移行して、図柄変動中フラグF2がセットされているか否かを判断する。
ここで、変動中フラグF2がセットされていない場合には(S220:NO)、S260に移行する。一方、図柄変動中フラグF2がセットされている場合には(S220:YES)、S230にて、図柄変動開始から所定時間(例えば20秒)(以降、図柄変動時間と称す)が経過したか否かを判断する。ここで、図柄変動時間が経過していない場合には(S230:NO)、S260に移行する。一方、図柄変動時間が経過した場合には(S230:YES)、S240にて、図柄変動表示を停止するための図柄停止コマンドを作成する。即ち、S20の処理にて、この図柄停止コマンドが図柄制御基板140に送信されることによって、LCD21,23は特別図柄を上記図柄変動パターン・コマンドで指示された特別図柄組合せで停止表示するとともに、移動装置27はLCD23を移動パターン・コマンドで指示された停止位置で停止させる。その後S250にて、図柄変動中フラグF2をクリアするとともに、確定中フラグF3をセットし、当該図柄表示処理を終了する。
そしてS260に移行した場合には、確定中フラグF3がセットされているか否かを判断する。ここで、確定中フラグF3がセットされていない場合には(S260:NO)、当該図柄表示処理を終了する。一方、確定中フラグF3がセットされている場合には(S260:YES)、S270にて、図柄変動停止から所定時間(例えば2秒)(以降、確定時間と称す)が経過したか否かを判断する。
ここで、確定時間が経過していないと判断すると(S270:NO)、当該図柄表示処理を終了する。一方、確定時間が経過したと判断すると(S270:YES)、S280にて、大当り判定フラグF11がセットされているか否かを判断する。ここで、大当り判定フラグF11がセットされている場合には(S280:YES)、S290にて、確定中フラグF3をクリアするとともに、大当り中フラグF4をセットして、当該図柄表示処理を終了する。
一方、大当り判定フラグF11がセットされていない場合には(S280:NO)、S300にて、確定中フラグF3をクリアするとともに、待機中フラグF1をセットして、当該図柄表示処理を終了する。
次に、S40において行われる可動入賞装置動作処理の概略を説明する。この可動入賞装置動作処理は、大当り中フラグF4がセットされている時に実行される処理であり、大当り遊技のラウンドでは大入賞口を開放し、インターバルでは大入賞口を閉鎖する。そして、大当り遊技が終了すると、大当り中フラグF4及び大当り判定フラグF11をクリアするとともに、待機中フラグF1をセットして、当該可動入賞装置動作処理を終了する。
次に、主制御基板100のCPUが実行する特別図柄作成処理の手順を説明する。尚、この特別図柄作成処理は、主制御基板100のCPUが起動(電源オン)している間に、所定時間毎(例えば4ms毎)に繰り返し実行される処理である。
この特別図柄作成処理が実行されると、まず、左停止用図柄決定用カウンタC2,中停止用図柄決定用カウンタC3,右停止用図柄決定用カウンタC4の値を取得し、この取得した値に基づいて、「リーチにならないハズレ」,「±1図柄で停止するリーチハズレ」,「±1図柄以外で停止するリーチハズレ」の3種類のハズレ図柄を決定し、主制御基板100のRAMに設けられた図柄格納バッファに格納する。例えば、「リーチにならないハズレ」は「7・5・3」、「±1図柄で停止するリーチハズレ」は「7・7・6」、「±1図柄以外で停止するリーチハズレ」は「7・7・1」といったハズレ図柄の組合せが決定される。その後、大当り図柄決定用カウンタC7の値を取得し、この取得した値に基づいて大当り図柄を決定し、図柄格納バッファに格納する。即ち、大当り図柄には、「1・1・1」,「2・2・2」,・・・「13・13・13」,「14・14・14」の14種類図柄が存在し、これらの中から大当り図柄決定用カウンタC7の値に基づいて、1つの大当り図柄を決定する。そして、特別図柄作成処理を終了する。
このように構成された第1実施形態の遊技機1では、LCD21は、第1図柄変動パターン・コマンドで指示される変動パターンで特別図柄を遊技に連動して変動表示させ、その後に、第1図柄変動パターン・コマンドで指示される特別図柄組合せで特別図柄を停止表示させる。またLCD23は、第2図柄変動パターン・コマンドで指示される変動パターンで特別図柄を遊技に連動して変動表示させ、その後に、第2図柄変動パターン・コマンドで指示される特別図柄組合せで特別図柄を停止表示させる。
更に移動装置27は、移動パターン・コマンドで指示される移動パターンでLCD23を遊技に連動して移動させ、その後に、移動パターン・コマンドで指示される停止位置でLCD23を停止させる。
即ち、遊技者は、LCD21が停止表示する特別図柄と、LCD23が停止表示する特別図柄と、LCD23が停止する停止位置とによって形成される大当り図柄またはハズレ図柄によって、大当りか否かを確認する。
このため、遊技者は、大当りになるか否かを確認するために、LCD21及びLCD23が変動表示する特別図柄に関心を持つことに加えて、LCD23の移動にも関心をもって、遊技を行う。即ち、特別図柄の変動表示における遊技者の関心事が増え、変動表示中の遊技性を向上させることができる。
またLCD23は、互いに直交する3軸(X,Y,Z軸方向)で構成される3次元空間内を移動可能である。つまり、LCD23は空間的に様々な位置に移動できるため、特別図柄を変動表示する際の表現の多彩化を図ることができる。
またLCD23の表示画面は、LCD21の表示画面21aに対して平行に保持される。つまり、LCD21の表示画面21a及びLCD23の表示画面は、LCD23の移動する位置に関わらず一定の角度で遊技者に対して特別図柄を表示することができる。
即ち、LCD23の移動する位置によっては、LCD21の表示画面21aが遊技者に対して図柄を表示する角度と、LCD23の表示画面が遊技者に対して図柄を表示する角度とがずれることにより、LCD21とLCD23とが一体となって表示する特別図柄が遊技者にとって見え難くなるということを防止できる。
以上説明した第1実施形態において、図6のS110,S140及びS180の処理は本発明における抽選手段、図5のS40の処理,可動入賞装置33は本発明における大当り遊技提供手段、LCD21及び図柄制御基板140は本発明における第1図柄表示装置、LCD23及び図柄制御基板140は本発明における第2図柄表示装置、移動装置27は本発明における移動手段、図柄制御基板140は本発明における移動制御手段、図6のS110,S140及びS190の処理は本発明における変動表示設定手段である。
また、図6のS110の処理における条件は本発明における抽選条件、大当り確率は本発明における抽選確率、特別図柄は本発明における図柄、第1図柄変動パターン・コマンドで指示される変動パターンは本発明における第1所定変動表示態様、第1図柄変動パターン・コマンドで指示される特別図柄組合せは本発明における第1所定停止図柄、第2図柄変動パターン・コマンドで指示される変動パターンは本発明における第2所定変動表示態様、第2図柄変動パターン・コマンドで指示される特別図柄組合せは本発明における第2所定停止図柄、開口部21bは本発明における移動領域、移動パターン・コマンドで指示される移動パターンは本発明における所定移動態様、移動パターン・コマンドで指示される停止位置は本発明における所定停止位置である。
また、X軸方向は本発明における第1方向、Y軸方向は本発明における第2方向、Z軸方向は本発明における第3方向、連結棒52は本発明における第1連結棒、連結棒53は本発明における第2連結棒、連結棒55は本発明における第3連結棒、Y軸方向駆動部58及びX軸方向駆動部59は本発明における第1駆動手段である。
(第2実施形態)
以下に、本発明の第2実施形態について図面をもとに説明する。尚、第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
第2実施形態における遊技機1は、移動装置27の代わりに移動装置127が取り付けられていること以外は、第1実施形態における遊技機1と同じである。
図10は移動装置127の構成を示す斜視図である。
図10に示すように、移動装置127は、LCD23を支持するための支持板151と、LCD23の表示画面の裏面側においてLCD23に一端が固定されるとともに、支持板151に他端が連結された連結棒152と、連結棒152を支持板151に連結された状態に保持するためのEリング156aと、連結棒152をY軸方向に傾動させるY軸方向駆動部158と、連結棒152をX軸方向に傾動させるX軸方向駆動部159と、支持板151をZ軸方向に移動させるZ軸方向駆動部60(不図示)とから構成される。
これらのうち支持板151には、連結棒152を連結するための連結孔151aが形成されている。
また連結棒152は、円柱状の棒本体部152aと、棒本体部152aの一端から軸方向に沿って棒本体部152aから遠ざかる方向に向けて径が徐々に小さくなる円錐部152bと、円錐部152bの頂点部分から軸方向に沿って棒本体部152aから遠ざかる方向に向けて突出し、連結孔151aに挿入可能な径を有する円柱状の挿入部152cと、X軸方向に棒本体部152aを貫通し、Y軸方向駆動部158と一体にY軸方向へ移動可能に連結するための開口部を備えたY軸連結部152dと、Y軸方向に棒本体部152aを貫通し、X軸方向駆動部159と一体にX軸方向へ移動可能に連結するための開口部を備えたX軸連結部152eとから構成される。
そして、挿入部152cを連結孔151aに挿入された状態に保持するために、Eリング156aが挿入部152cの円周面上に取り付けられる。
更にY軸方向駆動部158は、Y軸連結部152dの開口部に挿入される連結アーム158aと、連結アーム158aを支持するY軸連結本体部158dとからなるY軸移動連結部と、Y軸移動連結部に固設されたラック58eと、出力軸に固設されたウォーム58fがラック58eと噛合する位置に配置されたステッピングモータ58gとから構成される。尚、ステッピングモータ58gが駆動するとY軸移動連結部がY軸方向に移動するように、ラック58e及びウォーム58fは配置されている。
またX軸方向駆動部159は、X軸連結部152eの開口部に挿入される連結アーム159aと、連結アーム159aを支持するX軸連結本体部159dとからなるX軸移動連結部と、X軸移動連結部に固設されたラック59eと、出力軸に固設されたウォーム59fがラック59eと噛合する位置に配置されたステッピングモータ59gとから構成される。尚、ステッピングモータ59gが駆動するとX軸連結本体部159dがX軸方向に移動するように、ラック59e及びウォーム59fは配置されている。
このように構成された移動装置127では、連結棒152は、支持板151に対して回動及び傾動可能に支持板151に他端が連結される。そしてステッピングモータ58g(59g)が駆動すると、連結棒152はY軸方向(X軸方向)に傾動する。
またステッピングモータ60bが駆動すると、連結棒152はZ軸方向に移動する。
このため、LCD23を、X,Y,Z軸方向に移動させることができる。
尚、X軸方向に棒本体部152aを貫通する開口部(Y軸連結部152d)に、X軸方向に伸びる連結アーム158aが挿入されている。また、Y軸方向に棒本体部152aを貫通する開口部(X軸連結部152e)に、Y軸方向に伸びる連結アーム159aが挿入されている。このため、連結棒152は、Y軸方向またはX軸方向に傾動する際に、連結アーム158a,159aにより規制されて、連結棒152の軸を中心に回転することができない。つまり、LCD23の移動時に、LCD23の表示画面が、連結棒152の軸を中心に回転するということはない。
このように構成された本実施形態の遊技機1では、LCD23は1本の連結棒152を介して支持板151に支持されているため、移動装置127の構成を簡略化できる。
以上説明した第2実施形態において、連結棒152は本発明における第4連結棒、Y軸方向駆動部158及びX軸方向駆動部159は本発明における第2駆動手段である。
(第3実施形態)
以下に、本発明の第3実施形態について図面をもとに説明する。尚、第3実施形態では、第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
第3実施形態の遊技機1は、図柄表示装置20の代わりに図柄表示装置220が取り付けられていること以外は、第1実施形態の遊技機1と同じである。
図11(a)は図柄表示装置220の表示画面の構成を示す正面図、図11(b)はLCD23がLCD227を押圧している状態を示す正面図である。
図柄表示装置220は、LCD21が省略され、特別図柄を変動表示するLCD221,222,225,227が追加されていること以外は、第1実施形態の図柄表示装置20と同じである。
これらのうち、LCD225は矩形状の表示画面225aを備え、LCD23の右側(図11(a)における右側)に配置される。同様にLCD227は矩形状の表示画面227aを備え、LCD23の左側(図11(a)における左側)に配置される。
更にLCD221,222はそれぞれ矩形状の表示画面221a,222aを備え、LCD225,227とともにLCD23を取り囲むように、LCD221はLCD23の上側(図11(a)における上側)、LCD222はLCD23の下側(図11(a)における下側)に配置される。
更に、LCD225の移動をガイドするためのガイドレール221b,222bがそれぞれ、LCD221の下端縁部及びLCD222の上端縁部に沿って設けられている。即ち、LCD225の上端縁部及び下端縁部はそれぞれガイドレール221b,222bにより摺動可能に支持される。
尚、図11(a)に示すように、LCD221,222の右端縁とLCD225の右端縁とが同一直線上で一致するようにLCD225が配置されている時の、LCD225の左端縁の位置を第1基準位置P1とする。そしてガイドレール221b(222b)は、第1基準位置P1からLCD221(222)の右端縁までの間に形成されている。即ち、LCD225の左方向への移動は、ガイドレール221b,222bの左端位置(即ち、第1基準位置P1)によって規制される。
また同様に、LCD227の移動をガイドするためのガイドレール221c,222cがそれぞれ、LCD221の下端縁部及びLCD222の上端縁部に沿って設けられている。即ち、LCD227の上端縁部及び下端縁部はそれぞれガイドレール221c,222cにより摺動可能に支持される。
尚、図11(a)に示すように、LCD221,222の左端縁とLCD227の左端縁とが同一直線上で一致するようにLCD227が配置されている時の、LCD227の右端縁の位置を第2基準位置P2とする。そしてガイドレール221c(222c)は、第2基準位置P2からLCD221(222)の左端縁までの間に形成されている。即ち、LCD227の右方向への移動は、ガイドレール221c,222cの右端位置(即ち、第2基準位置P2)によって規制される。
更にLCD225には、LCD225の左端縁が第1基準位置P1に復帰する方向にLCD225を付勢する付勢バネ225bが取り付けられている。
同様にLCD227には、LCD227の右端縁が第2基準位置P2に復帰する方向にLCD227を付勢する付勢バネ227bが取り付けられている。
このように構成された図柄表示装置220では、LCD225(227)は、LCD23により右方向(左方向)へ押圧されることにより、右方向(左方向)へ移動するとともに、LCD23による押圧が解除されると、第1基準位置P1(第2基準位置P2)に復帰する。そして、図柄表示装置20の前面には、LCD221,222,225,227により取り囲まれる矩形状の開口部229が形成され、LCD23は、この開口部229内を移動可能となる。
図12は、第3実施形態の遊技機1の制御系統の構成を示すブロック図である。
図12に示すように、第3実施形態の遊技機1は、LCD21が省略され、LCD221,222,225,227が追加されていること以外は、第1実施形態の遊技機1と同じである。
即ち、LCD221,222,225,227が図柄制御基板140に接続される。そして図柄制御基板140は、LCD221,222,225,227に特別図柄や遊技に関わる各種画像を表示させる。
次に、主制御基板100のCPUが実行する処理を説明する。尚、第3実施形態においては、図柄表示処理の一部分が第1実施形態と異なる。
そこで、第3実施形態における図柄表示処理を説明する。第3実施形態の図柄表示処理において第1実施形態と異なるのは、S200の処理である。
即ち、S190の処理が終了すると、S200にて、S190で取得した特別図柄組合せと、S190で設定した図柄変動パターン,移動パターン及び停止位置に基づいて、LCD221の特別図柄の変動パターン及び停止表示する特別図柄組合せを指示する第1図柄変動パターン・コマンドと、LCD23の特別図柄の変動パターン及び停止表示する特別図柄組合せを指示する第2図柄変動パターン・コマンドと、LCD23の移動パターン及び停止位置を指示する移動パターン・コマンドと、LCD222の特別図柄の変動パターン及び停止表示する特別図柄組合せを指示する第3図柄変動パターン・コマンドと、LCD225の特別図柄の変動パターン及び停止表示する特別図柄組合せを指示する第4図柄変動パターン・コマンドと、LCD227の特別図柄の変動パターン及び停止表示する特別図柄組合せを指示する第5図柄変動パターン・コマンドとを作成する。即ち、S20の処理にて、この第1,2,3,4,5図柄変動パターン・コマンドと移動パターン・コマンドが図柄制御基板140に送信されることによって、図柄制御基板140は、特別図柄の変動表示をLCD221,222,23,225,227に開始させるとともに、移動装置27にLCD23の移動を開始させる。
尚、S240の処理で作成された図柄停止コマンドが図柄制御基板140に送信されることによって、LCD221,222,23,225,227は特別図柄を上記図柄変動パターン・コマンドで指示された特別図柄組合せで停止表示するとともに、移動装置27はLCD23を移動パターン・コマンドで指示された停止位置で停止させる。
このように構成された第3実施形態の遊技機1では、LCD225,227がLCD23に押圧されることにより、LCD225,227は、押圧された方向へ移動する。
このため、LCD23に押圧されることでLCD225,227が移動することを利用して、LCD221,222,23,225,227が一体となって特別図柄を変動表示する際の表現の多彩化を図ることができる。
例えば図11(b)に示すように、リーチ表示時の演出として、坂243を転がる球241をLCD221が表示し、LCD225を左方向に押す人間245をLCD23が表示し、球241が通過可能な幅を有する通路入口247aと、球241が通過不可能な幅を有する通路入口247b,247cとをLCD225が表示し、球241が入賞すると大当りとなる大当り入賞口251aと、球241が入賞するとハズレとなるハズレ入賞口251bと、球241を大当り入賞口251aまたはハズレ入賞口251bに導く球通路249とをLCD227が表示するようにしてもよい。
即ち、球241の落下位置と通路入口247bの位置とが一致すれば、球241は球通路249を通過し、その後の、大当り入賞口251aまたはハズレ入賞口251bへの入賞によって、大当りまたはハズレが確定する。一方、球241の落下位置と通路入口247bの位置とが一致しなかった場合には、球241は球通路249を通過することができず、この時点でハズレが確定する。つまり、LCD227の移動によって大当りの期待度を変化させるという演出を行っている。
また、LCD23によるLCD225(227)の押圧が解除されると、付勢バネ225b(227b)の付勢力により、LCD225(227)が第1基準位置P1(第2基準位置P2)に復帰する。このため、LCD225(227)を第1基準位置P1(第2基準位置P2)に復帰させるための機構を、モータなどの駆動源を用いることなく、簡便に構成することができる。
以上説明した第3実施形態において、LCD225,227は本発明における第3図柄表示装置、ガイドレール221b,222b,221c,222cは本発明における押圧移動手段、付勢バネ225b,227bは本発明における付勢手段、第1基準位置P1,第2基準位置P2は本発明における基準位置である。
(変形例)
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採ることができる。
例えば、上記第1実施形態においては、4本の連結棒でLCD23を移動可能に支持するものを示したが、3本以上であれば、何本の連結棒を備えていてもよい。
また上記第1実施形態においては、互いに直交する3軸(即ち、X,Y,Z軸)でそれぞれ独立に移動可能に構成されるものを示したが、1軸(例えばZ軸)或いは2軸(例えばX,Y軸)のみ移動可能に構成してもよい。
また上記実施形態においては、大当り抽選毎の大当り確率(本実施形態では「1/630」)が常に一定であるもの(いわゆる完全確率方式)を示した。しかし、大当たり個数が決まった福引のように、ハズレを引くほどその後の大当り確率が高くなる抽選方式を採用してもよい。
また上記第1実施形態においては、同一数字の左図柄,中図柄,右図柄が同一直線上に並んだ状態で大当りとなるものを示したが、図13に示すように、LCD21及びLCD23が一体となって所定の図柄(図13ではハート形)を表示する場合には(図13(a)参照)大当りとし、所定の図柄を表示しない場合には(図13(b)参照。ハート形がLCD21とLCD23との間で分断されており、ハート形を形成していない。)ハズレとするようにしてもよい。
また上記第1実施形態においては、開口部21b内に1つのLCD23が配置されたものを示したが、開口部21b内に複数のLCD23が配置されたものであってもよい。
例えば図14(a)に示すように、開口部21b内に3つのLCD23を配置して、3つのLCD23をそれぞれ独立に移動可能に構成するとともに、それぞれ独立に様々な色で表示画面を発光可能に構成する。
このように構成された遊技機1において、例えば図15(a)〜図15(d)に示す状態ではハズレとし、図15(e)〜図15(g)に示す状態では大当りとするようにしてもよい。
即ち、3つのLCD23が同一直線上に並んでいても同一色で表示していない場合(図15(a)参照)、3つのLCD23が同一直線上に並んでいても色変線(1つのLCD23の表示画面において色が変化している境界線)がずれている場合(図15(b)参照)、3つのLCD23が同一色で表示していても同一直線上に並んでいない場合(図15(c)参照)、3つのLCD23が同一色で表示していても、1つのLCD23が他の2つのLCD23から離れている場合(図15(d)参照)にはハズレとなる。
また、3つのLCD23が同一直線上に並び且つ同一色で表示している場合(図15(e)参照)、3つのLCD23が同一直線上に等間隔で離れて並び且つ同一色で表示している場合(図15(f)参照)、3つのLCD23が同一直線上に並び且つ色変線が一致している場合(図15(g)参照)には大当りとなる。
また図14(b)に示すように、開口部21b内に、縦3×横3の計9つのLCD23を配置して、9つのLCD23をそれぞれ独立に移動可能に構成するとともに、9つのLCD23及びLCD21をそれぞれ独立に様々な数字や記号を表示画面に表示可能に構成する。
このように構成された遊技機1において、例えば図16(a)〜図16(f)に示すように、3つの同一数字が同一直線上に並んでいる状態では大当りとするようにしてもよい。
また図16(g)に示すように、「0,1,2,・・・,9」の数字と、「+,−,=」などの数式記号とを用いて、9つのLCD23及びLCD21が一体となって数式を表示し、正しい数式を表示している場合には大当りとするようにしてもよい。尚、図16(g)では、「5+2=7」と「8−4=3」の数式が表示されている。つまり「5+2=7」は大当りで、「8−4=3」はハズレを示す数式である。そして、この表示画面は大当りを示す数式を少なくとも1つ含むため、大当りを示す画面となる。
また上記第3実施形態においては、LCD225の左端縁が第1基準位置P1に位置するとともに、LCD227の右端縁が第2基準位置P2に位置している(以降、基準状態と称す)時に、LCD221,222,225,227により取り囲まれる矩形状の開口部229の表面積は、LCD23の表示画面の面積より大きいものを示したが、図17(a)に示すように、LCD23の表示画面が、基準状態時のLCD221,222,225,227により取り囲まれる開口部に一致するようにしてもよい。
このように構成された遊技機1では、基準状態時にはLCD221,222,225,227及びLCD23により、1つの連続した表示画面を形成する。このため、特別図柄の変動表示を、従来の図柄表示装置(つまり、表示画面を1つのみ備える表示装置)と同様に行うことができる。
またLCD23に押圧されることでLCD225,227が移動することを利用して、LCD221,222,23,225,227が一体となって特別図柄を変動表示する際の表現の多彩化を図ることができる。
例えばリーチ表示時の演出として、図17(b)〜図17(d)に示すように、通路を通過する球の行き先によって、大当りか否かを示すゲームを表示してもよい。
具体的には、まず図17(b)に示すように、基準状態時において、球261が通過する上部通路263をLCD221が表示し、球261が入賞すると大当りとなる大当り入賞口275aと、球261が入賞するとハズレとなるハズレ入賞口275bと、大当り入賞口275aへ球261を誘導する大当り通路271と、ハズレ入賞口275bへ球261を誘導するハズレ通路273とをLCD222が表示する。
また、上部通路263から大当り通路271またはハズレ通路273へ球261を誘導する中間通路267をLCD23が表示し、上部通路263からハズレ通路273へ球261を誘導する中間通路269をLCD225が表示し、球261が入賞するとハズレとなるハズレ入賞口275cと、上部通路263からハズレ入賞口275cへ球261を誘導するハズレ通路265とをLCD227が表示する。
この表示状態では、上部通路263と、ハズレ通路265及び中間通路267,269とが連通するとともに、中間通路267,269はハズレ通路273と連通している。このため基準状態が継続すると、球261はハズレ入賞口275cまたはハズレ入賞口275bに入賞し、ハズレが確定する。
一方、球261がハズレ通路265または中間通路267,269を通過する前に、LCD23がLCD227を左方向へ押動して、図17(c)に示すように、上部通路263と、ハズレ通路265及び中間通路267とが連通しなくなると、球261は中間通路269を通過する。
その後にこの状態が継続すると、中間通路269を通過する球261は、ハズレ通路273を通過してハズレ入賞口275bに入賞するために、ハズレが確定する。
一方、球261がハズレ通路273を通過する前に、LCD23がLCD225を右方向へ押動して、図17(d)に示すように、中間通路269が大当り通路271と連通すると、球261は大当り通路271を通過して大当り入賞口275aに入賞するために、大当りが確定する。
つまり、LCD225,227の移動によって大当りの期待度を変化させるという演出を行っている。
1…遊技機、3…外枠、5…内枠、7…遊技盤、9…ハンドル、11…上受け皿、13…下受け皿、20,220…図柄表示装置、21,23,221,222,225,227…LCD、21a,221a,222a,225a,227a…表示画面、21b,229…開口部、25…特別図柄保留ランプ、27,127…移動装置、29…本体枠、31…始動入賞装置、31a…可動片、33…可動入賞装置、33a…開閉板、35…普通図柄表示装置、37…普通図柄保留ランプ、39…始動ゲート、51,151…支持板、51a,51b,51c,51d,151a…連結孔、52,53,54,55,152…連結棒、52a,53a,54a,55a,152a…棒本体部、52b,53b,54b,55b,152b…円錐部、52c,53c,54c,55c,152c…挿入部、52d,53d,55d,152d…Y軸連結部、52e,53e,55e,152e…X軸連結部、56a,56b,56c,56d,156a…Eリング、57a,57b,57c,57d…自在継手、58,158…Y軸方向駆動部、58a,58b,58c,59a,59b,59c,158a,159a…連結アーム、58d,158d…Y軸連結本体部、58e,59e…ラック、58f,59f…ウォーム、58g,59g,60b…ステッピングモータ、59,159…X軸方向駆動部、59d,159d…X軸連結本体部、60…Z軸方向駆動部、60a…Z軸移動機構、81…ゲートセンサ、82…始動口センサ、83…ソレノイド、84…特定領域センサ、85…カウントセンサ、86…ソレノイド、100…主制御基板、110…賞球制御基板、115…払出装置、120…音声制御基板、125…スピーカ、130…ランプ制御基板、140…図柄制御基板、221b,221c,222b,222c…ガイドレール、225b,227b・・・付勢バネ。