JP4715003B2 - 層状パンの製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デニッシュペーストリー、クロワッサン等に代表される層状パンの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、デニッシュペーストリー、クロワッサン等の層状パンを製造するには、折り込み用油脂をパン生地内部に包み込んだ後、折り重ねて展延していく操作を行なっていた。
この折り込み操作の結果、生地層と油脂層からなる積層構造が形成される。一般的に折り込み用油脂は、シート状に成型された油脂分が85重量%のバターやマーガリン或いは大部分が油脂から構成されるショートニングが使用され、積層構造を維持するため折り込み用油脂は通常生地中の小麦粉に対して30〜60重量部使用され、必然的に焼成された従来のデニッシュペーストリー、クロワッサン等の層状パンは油っぽいものとなっていた。
【0003】
又、デニッシュペーストリー、クロワッサン等の層状パンを製造するには、折り込み用油脂をパン生地内部に包み込んだ後、折り重ねて展延する操作を繰り返すという煩雑な作業をとっていた。
即ち、一般的な方法として、▲1▼生地作り、▲2▼生地冷却寝かせ(リタード)、▲3▼油脂折り込み(3×4)、▲4▼生地冷却寝かせ(リタード)、▲5▼折り込み(3×1)、▲6▼成型、という操作を行っていた。
この煩雑な作業のために層状パンの種類もデニッシュペーストリー、クロワッサンに限られたものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、油っぽくなくパン生地の表面がはがれにくくソフトな食感を有するデニッシュペーストリー、クロワッサン等の層状パンを製造する方法及びその製造法において煩雑な作業を短縮して生産性を高めた方法並びにこの短縮した方法により簡単に種々なパン生地に折り込み用油脂を包むことができ、多様な層状パンを製造する方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決する為の手段】
本発明者らは、上記の課題に対して鋭意検討を行った結果、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、油脂分が50〜70重量%及び水分が25〜45重量%である、油中水型の油脂組成物をパン生地に折り込むことを特徴とし、折り込み後リタードが2回未満であり、油中水型の油脂組成物中に澱粉が1〜4重量%含まれる、デニッシュペーストリー、クロワッサン等の層状パンの製造法である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の油中水型の油脂組成物に使用する油脂原料としては例えば、菜種油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、ゴマ油、月見草油、パーム油、シア脂、サル脂、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油等の植物性油脂並びに乳脂、牛脂、ラード、魚油、鯨油等の動物性油脂が例示でき、上記油脂類の単独又は混合油或いはそれらの硬化、分別、エステル交換等を施した加工油脂が適する。これらの油脂を使用した油中水型の油脂組成物の油脂の融点が15〜45℃のものが良い。油脂の融点が15℃未満の場合は、生地に油脂が融解して生地と油脂の層が形成し難くなる。油脂の融点が45℃を超える場合は、油脂を混合した生地が硬くなり展延性が悪くなる。
【0007】
本発明の油中水型の油脂組成物の油脂分の割合は、油脂組成物全量に対し、50〜70重量%、好ましくは55〜70重量%の割合で配合される。下限未満であると、油中水型の油脂組成物を得ることが困難になり、合成乳化剤を使用しない場合は更に難しくなる。一方、上限を超えると層状パンに使用した際油っぽくなり改良効果が十分に得られなくなる。
【0008】
本発明の油中水型の油脂組成物の水分の量は、油脂組成物全量に対し、25〜45重量%の割合で配合される。下限未満であると、ソフトな食感が得られなくなる。一方、上限を超えると、油中水型の油脂組成物を得ることが困難になる。
【0009】
本発明のパン生地とは小麦粉、イースト、水を主原料として捏ねて発酵させた生地をいう。具体的には、食パン生地、バターロール生地、菓子パン生地及びこれらの生地を種々な割合で配合したもので良い。
【0010】
本発明の油中水型の油脂組成物をパン生地に折り込む際の油脂組成物の折り込み量は、パン生地中の小麦粉100部に対して25〜45部折り込むのが良い。好ましくは28〜42部が良い。下限未満では層状パンの期待される層が得られない。上限を超える場合はパン生地表面に油脂が析出してきて均一な層状構造が得られにくくなる。
【0011】
本発明の層状パンの製造法としては、通常のデニッシュペーストリー、クロワッサンの製造法と何ら変わりがなく油中水型の油脂組成物をパン生地内部に包み込んだ後、折り重ねて展延していくが、従来はリタードを2回以上取る必要があったが、本発明では2回未満で良く作業性が大幅に短縮されたものとなっている。それ以降の焼成は通常の層状パンの製造法で良い。
【0012】
本発明の油中水型の油脂組成物は油脂組成物中に澱粉が1〜4重量%含まれるのが良い。少なすぎると、層状パンの食感改良効果が薄れ特徴の少ないものとなり、多すぎると該澱粉の影響が大きくなりすぎ、層状パンの食感が悪くなる。本発明で使用する澱粉としては、澱粉の由来はコメ、小麦、タピオカ、馬鈴薯、コーンスターチ等が例示でき、これらの澱粉の単独又は混合物が良い。好ましくはウルチ米澱粉を使用するのが望ましく、層状パンに使用した場合程良いソフトな食感が得られる。より好ましくはアルファー化澱粉が良い。これらアルファー化澱粉は市販のものを購入してもよいし、また澱粉を水に分散し加熱することにより容易に得ることができる。この場合の加熱条件は澱粉の種類によっても異なるが、馬鈴薯澱粉で70℃で30分間程度、最もアルファー化の遅い小麦澱粉でも95℃にて1時間程度加熱することにより得ることができる。アルファー化した澱粉を使用することで油中水型の油脂組成物を製造するに際して、製造時の加熱時に粘度の上昇が少なく製造し易くなる。
【0013】
本発明の油中水型の油脂組成物を製造するには、例えば、溶解した油相成分にアルファー化した澱粉を添加分散させる。次に水相成分を油相成分に混合させ乳化物を調製し、ボテーターまたはコンビネーターのような従来公知の混捏機を用いて急冷混捏することによって得ることができる。また、澱粉を油相に添加せず、水相に添加して急冷混捏することによっても同様なものが得られる。
【0014】
本発明の油中水型の油脂組成物を製造するに際して、従来より使用されてきた蔗糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルおよび酢酸モノグリセリド、酒石酸モノグリセリド、酢酸酒石酸混合モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、乳酸モノグリセリド、コハク酸モノグリセリド、リンゴ酸モノグリセリド等各種有機酸モノグリセリドのような合成乳化剤を使用しても、使用しなくてもどちらでも良い。これらの合成乳化剤を使用した場合は、油中水型の油脂組成物を容易に得ることができる。
【0015】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示し本発明をより詳細に説明するが、本発明の精神は以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、%及び部は重量基準を意味する。
【0016】
実験例1
魚硬化油75.0%、米糠硬化油8.0%、菜種油17.0%からなる油脂成分60.0部に卵黄レシチン0.2部を溶解させた油相に、アルファ化したウルチ米澱粉2. 5部を分散させる。そこに、水36.3部に食塩1.0部を加えた水相を徐々に添加し、約50℃でホモミキサーにて攪拌し、ウルチ米澱粉が膨潤した状態で混合乳化させた後、コンビネーターで急冷混捏して油中水型の油脂組成物を調製した。このときの油脂成分の融点は36.5℃であった。
【0017】
折り込み油脂として、実験例1油脂組成物を使用した、折り込み後リタードが1回である、各種パン生地での層状パンの実施例を実施例1〜実施例5に示した。
【0018】
実施例1
表1の実施例1の配合において、実験例1油脂組成物以外の原料を低速5分間ミキシングを行い、捏ね上げ温度26℃の生地を作成した(通常の食パン生地)。次に生地を1831gに分割した後ー10℃で2時間生地冷却寝かせ(リタード)を行った後、実験例1油脂組成物を400g折り込み、リバースシーターで3つ折り1回後、4つ折り1回を行ない、パン生地の厚さ3mmまで展延した。この生地をロール巻きにして70g毎にカットし切り口を上面にして、33℃/湿度75%のホイロで1時間醗酵させ、上火200℃、下火180℃で11分間焼成した。実施例1に係る層状パンを得た。評価としては、作業性は良好であった。得られた層状パンは生地表面がはがれにくく良好で、油っぽくなく、ソフトな食感であった。
【0019】
実施例2
表1の実施例2の配合において、実験例1油脂組成物以外の原料を低速5分間ミキシングを行い、捏ね上げ温度26℃の生地を作成した(通常のバターロール生地)。次に生地を1896gに分割した後ー10℃で2時間生地冷却寝かせ(リタード)を行った後、実験例1油脂組成物を400g折り込み、リバースシーターで3つ折り1回後、4つ折り1回を行ない、パン生地の厚さ3mmまで展延した。この生地をロール巻きにして70g毎にカットし切り口を上面にして、33℃/湿度75%のホイロで1時間醗酵させ、上火200℃、下火180℃で11分間焼成した。実施例2に係る層状パンを得た。評価としては、作業性は良好であった。得られた層状パンは生地表面がはがれにくく良好で、油っぽくなく、ソフトな食感であった。
【0020】
実施例3
表1の実施例3の配合において、実験例1油脂組成物以外の原料を低速5分間ミキシングを行い、捏ね上げ温度26℃の生地を作成した(通常のバターロール生地)。次に生地を1936gに分割した後ー10℃で2時間生地冷却寝かせ(リタード)を行った後、実験例1油脂組成物を400g折り込み、リバースシーターで3つ折り1回後、4つ折り1回を行ない、パン生地の厚さ3mmまで展延した。この生地をロール巻きにして70g毎にカットし切り口を上面にして、33℃/湿度75%のホイロで1時間醗酵させ、上火200℃、下火180℃で11分間焼成した。実施例3に係る層状パンを得た。評価としては、作業性は良好であった。得られた層状パンは生地表面がはがれにくく良好で、油っぽくなく、ソフトな食感であった。
【0021】
実施例4
表1の実施例4の配合において、実験例1油脂組成物以外の原料を低速5分間ミキシングを行い、捏ね上げ温度26℃の生地を作成した(通常の菓子パン生地)。次に生地を1891gに分割した後ー10℃で2時間生地冷却寝かせ(リタード)を行った後、実験例1油脂組成物を400g折り込み、リバースシーターで3つ折り1回後、4つ折り1回を行ない、パン生地の厚さ3mmまで展延した。この生地をロール巻きにして70g毎にカットし切り口を上面にして、33℃/湿度75%のホイロで1時間醗酵させ、上火200℃、下火180℃で11分間焼成した。実施例4に係る層状パンを得た。評価としては、作業性は良好であった。得られた層状パンは生地表面がはがれにくく良好で、油っぽくなく、ソフトな食感であった。
【0022】
実施例5
表1の実施例5の配合において、実験例1油脂組成物以外の原料を低速5分間ミキシングを行い、捏ね上げ温度26℃の生地を作成した(通常の菓子パン生地)。次に生地を1969gに分割した後ー10℃で2時間生地冷却寝かせ(リタード)を行った後、実験例1油脂組成物を400g折り込み、リバースシーターで3つ折り1回後、4つ折り1回を行ない、パン生地の厚さ3mmまで展延した。この生地をロール巻きにして70g毎にカットし切り口を上面にして、33℃/湿度75%のホイロで1時間醗酵させ、上火200℃、下火180℃で11分間焼成した。実施例5に係る層状パンを得た。評価としては、作業性は良好であった。得られた層状パンは生地表面がはがれにくく良好で、油っぽくなく、ソフトな食感であった。
【0023】
表1に実施例1〜実施例5の配合、製造法及び評価を纏めた。
【表1】
【0024】
デニッシュペーストリー、クロワッサンの配合において、折り込み油脂として実験例1油脂組成物を使用しリタード1回と通常のマーガリンの様な油脂分配合(商品名、アートピア200:不二製油(株)製、油分85%)を使用したリタード1回とリタード2回で調製した層状パンの例を表2に示した。
【0025】
実施例6
表2の実施例6の配合において、実験例1油脂組成物以外の原料を低速5分間ミキシングを行い、捏ね上げ温度26℃の生地を作成した(通常のバターロール生地)。次に生地を1828gに分割した後ー10℃で2時間生地冷却寝かせ(リタード)を行った後、実験例1油脂組成物を400g折り込み、リバースシーターで3つ折り1回後、4つ折り1回を行ない、パン生地の厚さ3mmまで展延した。この生地をロール巻きにして70g毎にカットし切り口を上面にして、33℃/湿度75%のホイロで1時間醗酵させ、上火200℃、下火180℃で11分間焼成した。実施例6に係る層状パン(デニッシュペーストリーと呼ぶ)を得た。評価としては、作業性は良好であった。得られた層状パン(デニッシュペーストリーと呼ぶ)は生地表面がはがれにくく良好で、油っぽくなく、ソフトな食感であった。
【0026】
実施例7
表2の実施例7の配合において、実験例1油脂組成物以外の原料を低速5分間ミキシングを行い、捏ね上げ温度26℃の生地を作成した(通常の食パン生地とバターロール生地の中間生地)。次に生地を1785gに分割した後ー10℃で2時間生地冷却寝かせ(リタード)を行った後、実験例1油脂組成物を400g折り込み、リバースシーターで3つ折り1回後、4つ折り1回を行ない、パン生地の厚さ3mmまで展延した。この生地を55g毎にクロワッサン成型した後、33℃/湿度75%のホイロで1時間醗酵させ、上火200℃、下火180℃で11分間焼成した。実施例7に係る層状パン(クロワッサンと呼ぶ)を得た。評価としては、作業性は良好であった。得られた層状パン(クロワッサンと呼ぶ)は生地表面がはがれにくく良好で、油っぽくなく、ソフトな食感であった。
【0027】
比較例1
表2の比較例1の配合において、アートピア200以外の原料を低速5分間ミキシングを行い、捏ね上げ温度26℃の生地を作成した(通常のバターロール生地)。次に生地を1828gに分割した後ー10℃で2時間生地冷却寝かせ(リタード)を行った後、アートピア200を400g折り込み、リバースシーターで3つ折り1回後、4つ折り1回を行ない、パン生地の厚さ3mmまで展延した。この生地をロール巻きにして70g毎にカットし切り口を上面にして、33℃/湿度75%のホイロで1時間醗酵させ、上火200℃、下火180℃で11分間焼成した。比較例1に係る層状パン(デニッシュペーストリーと呼ぶ)を得た。評価としては、作業性は良好であった。得られた層状パン(デニッシュペーストリーと呼ぶ)は生地表面がはがれやすく、油っぽく、食感がソフトでなかった。
【0028】
比較例2
比較例1と同様な配合で(通常のデニッシュペーストリー配合)リバースシーターで3つ折り1回後、4つ折り1回を行なうまでは比較例1と同様な処理を行い、その後ー10℃で4時間生地冷却寝かせ(リタード)を行った後、3つ折り1回を行ない、パン生地の厚さ3mmまで展延した(通常のデニッシュペーストリー調製作業)。この生地をロール巻きにして70g毎にカットし切り口を上面にして、33℃/湿度75%のホイロで1時間醗酵させ、上火200℃、下火180℃で11分間焼成した。比較例2に係る層状パン(デニッシュペーストリーと呼ぶ)を得た。評価としては、作業性はリタード2回で悪かった。得られた層状パン(デニッシュペーストリーと呼ぶ)は生地表面が少しはがれやすく、従来のデニッシュと同じ様に油っぽく、食感もソフトでなかった。
【0029】
表2に実施例6、実施例7、比較例1、比較例2の配合、製造法及び評価を纏めた。
【表2】
【0030】
折り込み油脂として実験例1油脂組成物を使用した、小麦粉に対する折り込み油脂量の検討を実施例8、実施例9、比較例3及び比較例4で行った。
【0031】
実施例8
表3の実施例8の配合において、実験例1油脂組成物以外の原料を低速5分間ミキシングを行い、捏ね上げ温度26℃の生地を作成した(通常のバターロール生地)。次に生地を1885gに分割した後ー10℃で2時間生地冷却寝かせ(リタード)を行った後、実験例1油脂組成物を420g折り込み、リバースシーターで3つ折り1回後、4つ折り1回を行ない、パン生地の厚さ3mmまで展延した。この生地をロール巻きにして70g毎にカットし切り口を上面にして、33℃/湿度75%のホイロで1時間醗酵させ、上火200℃、下火180℃で11分間焼成した。実施例8に係る層状パンを得た。評価としては、作業性は良好であった。得られた層状パンは生地表面のはがれが良好で、油っぽくなく、ソフトな食感であった。
【0032】
実施例9
表3の実施例9の配合において、実験例1油脂組成物以外の原料を低速5分間ミキシングを行い、捏ね上げ温度26℃の生地を作成した(通常のバターロール生地)。次に生地を1885gに分割した後ー10℃で2時間生地冷却寝かせ(リタード)を行った後、実験例1油脂組成物を280g折り込み、リバースシーターで3つ折り1回後、4つ折り1回を行ない、パン生地の厚さ3mmまで展延した。この生地をロール巻きにして70g毎にカットし切り口を上面にして、33℃/湿度75%のホイロで1時間醗酵させ、上火200℃、下火180℃で11分間焼成した。実施例8に係る層状パンを得た。評価としては、作業性は良好であった。得られた層状パンは生地表面のはがれが良好で、油っぽくなく、ソフトな食感であった。
【0033】
比較例3
表3の比較例3の配合において、実験例1油脂組成物以外の原料を低速5分間ミキシングを行い、捏ね上げ温度26℃の生地を作成した(通常のバターロール生地)。次に生地を1885gに分割した後ー10℃で2時間生地冷却寝かせ(リタード)を行った後、実験例1油脂組成物を500g折り込み、リバースシーターで3つ折り1回後、4つ折り1回を行ない、パン生地の厚さ3mmまで展延した。この生地をロール巻きにして70g毎にカットし切り口を上面にして、33℃/湿度75%のホイロで1時間醗酵させ、上火200℃、下火180℃で11分間焼成した。比較例3に係る層状パンを得た。評価としては、作業性は良好であった。得られた層状パンは生地表面が少しはがれやすく、均一な層状構造が得られなかった。
【0034】
比較例4
表3の比較例4の配合において、実験例1油脂組成物以外の原料を低速5分間ミキシングを行い、捏ね上げ温度26℃の生地を作成した(通常のバターロール生地)。次に生地を1885gに分割した後ー10℃で2時間生地冷却寝かせ(リタード)を行った後、実験例1油脂組成物を200g折り込み、リバースシーターで3つ折り1回後、4つ折り1回を行ない、パン生地の厚さ3mmまで展延した。この生地をロール巻きにして70g毎にカットし切り口を上面にして、33℃/湿度75%のホイロで1時間醗酵させ、上火200℃、下火180℃で11分間焼成した。比較例4に係る層状パンを得た。評価としては、作業性で油脂の折り込み状態が少し悪かった。得られた層状パンの層状構造が少なかった。
【0035】
表3に実施例8、実施例9、比較例3、比較例4の配合、製造法及び評価を纏めた。
【表3】
【0036】
【発明の効果】
従来の層状パンの製造法と比較して、リタードという煩雑な作業を短縮した簡単な方法で、種々なパン生地に折り込み用油脂を包むことができ、多様な層状パンを製造する方法を提供できることが可能になったのである。
Claims (3)
- 油脂分が50〜70重量%及び水分が25〜45重量%であり且つウルチ米澱粉が1〜4重量%含まれる、油中水型の油脂組成物をパン生地に折り込むことを特徴とし、油脂組成物の折り込み量が、パン生地中の小麦粉100部に対して28〜42部であり、折り込み生地の油脂層が12層である、層状パンの製造法。
- 折り込み後リタードが2回未満である、請求項1記載の層状パンの製造法。
- ウルチ米澱粉がアルファー化した澱粉である、請求項1記載の層状パンの製造法。
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