JP2017112979A - デニッシュブレッド及びその製造方法 - Google Patents

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【課題】焼成後に冷凍しても水分蒸発が抑えられるため、パサパサになることも端部が硬くなることもなく、デニッシュブレッドの良好な食感を楽しむことができ、薄い生地であっても、安定した成形が可能となるデニッシュブレッドを提供する。【解決手段】油脂重量が捏ね上げ生地重量に対して15〜24重量%の油脂と、捏ね上げ生地とを、層状に重ねた折り込み生地を、厚さ2.5〜3.5mmに圧延する折り込み生地製造工程と、該折り込み生地を一方の辺の長さが100〜160mmの長方形にカットして、該辺の一片を軸にして他方の該辺が、該生地の表に重なるように折り、長辺が100〜160mmで短辺が三つ折りに重なった略楕円柱状に成形する生地成形工程とを有する、該短辺に位置するカット面が、該成形後の生地の両側に対向して位置し、該成形後の生地を焼成した全表面積に対するカット面の面積の割合が10〜21%であるデニッシュブレッド。【選択図】図1

Description

本発明は、デニッシュブレッド及びその製造方法に関するものである。
近年、一般家庭用や、パン小売店・飲食店等の業務用として、保存性、流通性、利用時に必要量をおいしく食べることのできる等利便性の良い、冷凍で流通するパンの需要が高まっており、折り込み生地を用いたクロワッサンやパン・オ・ショコラ、デニッシュペストリー等は、特に人気がある。
ここで、冷凍で流通するパンには、パン生地を1次発酵して成形後冷凍したものやパン生地を1次発酵して成形、2次発酵後に冷凍した未焼成冷凍パン、パン生地を1次発酵して成形、2次発酵、焼成後に冷凍した焼成済冷凍パンなど、いろいろなタイプのものがある。
未焼成冷凍パンは、解凍・発酵してオーブントースターや、オーブン、電子レンジ等のマイクロ波装置等を用いて焼成するだけで、喫食時のタイミングに合わせて簡便に提供することができる。
焼成済冷凍パンは、解凍するのみで簡便に食することができる。また、至急食したい場合や、焼きたてのものと同様の香り、食感等のおいしさを求める場合は、オーブントースターや、オーブン、電子レンジ等のマイクロ波装置等を用いて、再加熱することができる。
ここで、折り込み生地は、他のパン生地と異なり、小麦粉、塩、水、イースト等を混合した捏ね上げ生地で、バター等の油脂を包み込んだものを、折りたたみ、捏ね上げ生地と油脂が複数重なった層状の生地である。
そのため、折り込み生地のパンは、焼成時に成形した生地が加熱されると、複数層に折りたたまれた捏ね上げ生地の間に挟まれた油脂が溶け出して油脂膜を作り、さらに生地が高温となることにより、油脂中の水分及び捏ね上げ生地中の水分が水蒸気となって蒸発するときの水蒸気圧で、上層の捏ね上げ生地が押し上げられ、油脂で揚げたように焼けた捏ね上げ生地が一層一層分かれて、ハラハラと香ばしく崩れる、独特の食感と、香り、味わいをもたらす。
一方、折り込み生地をカット・成形・発酵後冷凍した焼成前冷凍パンや、折り込み生地をカット・成形・発酵・焼成後冷凍した焼成済冷凍パンは、捏ね上げ生地と油脂の間に空気の通る層ができるため、保存、流通中でも乾燥しやすく、水分が失われてパサパサと硬くなる部分と、ハラハラと崩れ落ちる部分ができ、味や、食感、外観等を損ねるという問題がある。
そこで、下記特許文献1は、層状パンの老化防止方法を開示する層状パンの製造方法に関するものである。具体的には、固型脂係数が10℃で20以上、20℃で45以下の油脂85〜60重量部中に、砂糖、ブドー糖、果糖、乳糖等の糖類の20〜60%の水溶液15〜40重量部を、油中水型に直径10μ下の粒子に乳化させた可塑性油脂組成物を、主として小麦粉、水、イーストからなるパン生地と交互に層状に配した後、これを成形発酵、焼成することを特徴とする層状パンの製造方法である。
この発明により、油脂中で水に溶解した糖類を微粒子の状態に乳化させ、糖の水溶液を油脂中に完全に包み込み、糖の水溶液を完全に包み込んだ油脂組成物を、パン生地と交互に薄膜状の多数の層となした後、この生地を成形焼成する事により、従来の層状パンの製法では作る事のできなかった含水量の多い経日的に軟らかさを長く維持する老化の遅い高品質の層状のパンを容易に製造できる。
また、下記特許文献2は、層状パンの製造方法に関するものである。具体的には、油脂分が50〜70重量%及び水分が25〜45重量%である、油中水型の油脂組成物をパン生地に折り込むことを特徴とし、折り込み後リタードが2回未満であり、油中水型の油脂組成物中に澱粉が1〜4重量%含まれる、デニッシュペストリー、クロワッサン等の層状パンの製造法である。
この発明により、従来の層状パンの製造法と比較して、リタードという煩雑な作業を短縮した簡単な方法で、種々なパン生地に折り込み用油脂を包むことができ、本発明の層状パンは生地表面がはがれにくく良好で、油っぽくなく、ソフトな食感が得られる。
さらに、下記特許文献3は、層状パンの製造方法及び層状パンに関するものである。具体的には、冷凍で可食な層状パンの製造方法であって、生地層と油脂層とが交互に積層された層状パン生地を製造する生地製造工程と、前記層状パン生地を成形し、成形体を製造する成形工程と、当該成形体中の前記生地層と前記油脂層からなる積層構造の積層面に対して切断面が垂直になるように切断する切断工程と、切断した成形体の切断面を底面にした状態で静置する静置工程と、静置した前記成形体を発酵する発酵工程と、発酵した成形体を焼成し、層状パンを製造する焼成工程と、焼成後の層状パンを冷凍する焼成後冷凍工程と、を有することを特徴とする層状パンの製造方法である。
この発明により、冷凍したままでもパン部分が硬すぎず、サクサクした生地の食感を楽しむことができる、おやつや食後のデザートに適したおいしく新しい層状パンを製造することができる。
特開昭56−51948号公報(層状パンの製造方法) 特開2002−272361号公報(層状パンの製造法) 特開2015−77094号公報(層状パンの製造方法及び層状パン)
しかし、前記特許文献1の発明は、実施例2に記載のとおり、最終生地の厚さ3mmに延ばし、底辺12cm、高さ15cmの三角形にカット成形の生地を巻き込んで通常の三日月型のクロワッサンに成形した場合、生地の断面が表面積に比して多く、焼成後はさらに断面の捏ね上げ生地層が浮き上がり、外部空気との接触面積が増大し水分蒸散が早く、乾燥するという問題がある。
また、前記特許文献2の発明は、冷凍パンにした場合の乾燥に関する検討がなされておらず、その効果は不明である。
さらに、前記特許文献3の発明は、三角形の生地を巻き込み、積層面に対して切断面が垂直になるように切断した冷凍クロワッサンであるため、捏ね上げ生地層と油脂層の断面が随所にでき、生地の焼成後は断面の捏ね上げ生地層が浮き上がり、外気との接触面積が増大し水分蒸散が早く、乾燥しやすいという問題がある。
本発明者は、鋭意努力した結果、通常のパンと比べ、水分が多く失われパサパサとなり、端部が硬くなりやすいデニッシュブレッドの、全表面積に対するカット面の割合や焼成前の生地の厚さ、層状の生地を作る工程で使用する油脂の量などを適切に調整することにより、失われる水分量を減らし、端部分も硬くならず、良好な食感を得られることを見出し、これらの知見に基づき、更に検討を加えた結果、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下に関する。
[1]油脂重量が捏ね上げ生地重量に対して15重量%から24重量%の油脂と、捏ね上げ生地とを、層状に重ねた折り込み生地を、厚さ2.5mmから3.5mmに圧延する折り込み生地製造工程と、該折り込み生地を一方の辺の長さが100mmから160mmの長方形にカットして、該辺の一片を軸にして他方の該辺が、該生地の表に重なるように折り、長辺が100mmから160mmで短辺が三つ折りに重なった略楕円柱状に成形する生地成形工程とを有する、該短辺に位置するカット面が、該成形後の生地の両側に対向して位置し、該成形後の生地を焼成した全表面積に対するカット面の面積の割合が10%から21%であることを特徴とするデニッシュブレッドの製造方法。
[2]短辺の長さが24mmから52mmである、[1]記載のデニッシュブレッドの製造方法。
[3]生地は、成形後、発酵、焼成をした、[1]又は[2]記載のデニッシュブレッドの製造方法。
[4]生地は、発酵後冷凍した、[1]乃至[3]記載のデニッシュブレッドの製造方法。
[5]油脂重量が捏ね上げ生地重量に対して15重量%から24重量%の油脂と、捏ね上げ生地とを、層状に重ねた折り込み生地を、厚さ2.5mmから3.5mmに圧延し、該折り込み生地を一方の辺の長さが100mmから160mmの長方形にカットして、該辺の一片を軸にして他方の該辺が、該生地の表に重なるように折り、長辺が100mmから160mmで短辺が三つ折りに重なった略楕円柱状に成形され、該短辺に位置するカット面が、該成形後の生地の両側に対向して位置し、該成形後の生地を焼成した全表面積に対するカット面の面積の割合が10%から21%であることを特徴とするデニッシュブレッド。
[6]短辺の長さが24mmから52mmである、[5]記載のデニッシュブレッド。
[7]生地は、成形後、発酵、焼成をした、[5]又は[6]記載のデニッシュブレッド。
[8]生地は、発酵後冷凍した、[5]乃至[7]記載のデニッシュブレッド。
本発明のデニッシュブレッドは、デニッシュブレッドの全表面積に対するカット面の割合や焼成前の生地の厚さ、層状の生地を作る工程で使用する油脂の量などを適切に調整することにより、焼成後に冷凍しても水分蒸発が抑えられるため、パサパサになることも端部が硬くなることもなく、デニッシュブレッドの良好な食感を楽しむことができる。さらに、本発明の構成とすることにより、薄い生地であっても、生地の暴れも抑えることができ、安定した成形が可能となる。
本発明のデニッシュブレッドの1実施例を示す斜視図である。 本発明のデニッシュブレッドの1実施例を示す冷凍したデニッシュブレッドの斜視図である。 本発明のデニッシュブレッドの1実施例を示す冷凍したデニッシュブレッドの正面図である。 本発明のデニッシュブレッドの1実施例を示す冷凍したデニッシュブレッドの背面図である。 本発明のデニッシュブレッドの1実施例を示す冷凍したデニッシュブレッドの平面図である。 本発明のデニッシュブレッドの1実施例を示す冷凍したデニッシュブレッドの底面図である。 本発明のデニッシュブレッドの1実施例を示す冷凍したデニッシュブレッドの右側面図である。 本発明のデニッシュブレッドの1実施例を示す冷凍したデニッシュブレッドの左側面図である。 本発明のデニッシュブレッドの1実施例を示す冷凍したデニッシュブレッドのA−A断面図である。 本発明のデニッシュブレッドの1実施例を示す冷凍したデニッシュブレッドのB−B断面図である。 本発明のデニッシュブレッドの1実施例を示す冷凍したデニッシュブレッドのC−C断面図である。 本発明のデニッシュブレッドの1実施例を示す冷凍したデニッシュブレッドの断面部分を表す参考平面図である。
以下本発明を実施するための形態について説明するが、本発明はこれに限定されたものでないことは、言うまでもない。
本発明において「%」とは、すべて「重量%」を意味する。本発明において、特に示した場合を除き、生地の配合は、配合中の粉の総重量を100%として、その他の材料を配合中の粉の総重量に対する割合で表す、製パン独特の表示方法である「ベーカーズパーセント」で表す。
本発明において「デニッシュブレッド」とは、層状の構造を有しており、穀物粉生地(本発明において「捏ね上げ生地」という。)とロールイン油脂組成物(本発明において「油脂」という。)を交互に積層した生地(本発明において「折り込み生地」という。)を、略長方形を三つ折りにして成形し、焼成したパンである。このような層状構造を有するパンは、層状のパン生地に含まれる油脂層がオーブンで急激に加熱された際、油脂中に含まれる水分が蒸発し、その水蒸気圧で層状のパン生地の層が離れて持ち上がることにより形成される。
本発明において「焼成済デニッシュブレッド」とは、折り込み生地製造工程、成形工程、発酵工程、焼成工程を有したデニッシュブレッドをいう。
本発明において「焼成済冷凍デニッシュブレッド」とは、折り込み生地製造工程、成形工程、発酵工程、焼成工程、冷凍工程を有したデニッシュブレッドをいう。
[折り込み生地製造工程]
本発明のデニッシュブレッドは、主原料となる穀物粉に、油脂、水、及びイースト、食塩等の各種副原料を加え、混捏して得られる捏ね上げ生地を、成形、発酵することにより製造する。また、発酵後焼成したり、発酵後又は焼成後冷凍することもできる。
上記穀物粉としては特に限定されるものではなく、例えば、小麦、ライ麦、大麦、米、トウモロコシ等の粉が挙げられる。なかでも安価に入手可能であることから、小麦粉が好ましく、強力粉と薄力粉とを組み合わせて用いることが好ましい。
捏ね上げ生地の副材料としては、チーズやベーコン・ハム等の肉製品、玉ねぎなどの野菜、こしょうやとうがらし等の香辛料を混捏してもよい。
また、油脂原材料としては、バター、マーガリン、ショートニング等が挙げられる。油脂の副原料としては、デンプン類、加工デンプン類、糖類等が挙げられる。
また、本発明におけるデニッシュブレッドは、捏ね上げ生地に、穀物粉を主体とする生地のみからなるものであってもよく、果物や野菜、それらの加工品、チョコレート、クリーム、餡、惣菜等のフィリングを内包したものであってもよい。
本発明において、捏ね上げ生地層と油脂層とが交互に積層された折り込み生地を製造する方法としては、層状のパンの製造における定法を用いることができる。その方法は特に限定されないが、例えば、シート状の油脂を、同じくシート状の捏ね上げ生地に重ね合わせた後、1回以上折り込み/折り重ねしたものを展延するという操作を繰り返すことにより、捏ね上げ生地層と油脂層が交互に積層した層状の折り込み生地を得ることができる。
本発明において、生地に折り込む油脂は、限定されるものではないが、シート状、ブロック状、チップ状等の形状のバター、マーガリン、ファットスプレッド、ショートニング等、通常折り込み油脂として使用される油脂組成物を好ましく使用できる。
折り込み油脂の量は、通常、対捏ね上げ生地重量で25重量%から30重量%程度使用されるが、本発明のデニッシュブレッドにおいては、対捏ね上げ生地重量で15重量%から24重量%が好ましく、より好ましくは18重量%から22重量%、最も好ましくは20重量%である。
これにより、油脂層、捏ね上げ生地層間の厚みが抑えられ、焼成済冷凍デニッシュブレッドを再加熱した際に、端部が立ちにくくなり、折り込み生地内からの水分蒸発を抑制することができる。
なお、通常のクロワッサンやパン・オ・ショコラ、デニッシュペストリー等の層状折り込み生地を作る工程で使用する油脂量は、本発明のデニッシュブレッドの油脂量より多いため、捏ね上げ生地層と油脂層の前記作用により、層間が広くなる。
また、本発明において、限定されるものではないが、展延されて最終的に得られる板状の生地の厚みは、2.5mmから3.5mmであることが好ましく、より好ましくは、2.7mmから3.3mm、最も好ましくは3mmである。クロワッサンやデニッシュペストリーは一般に、層感を出すこと、端部をきれいに立たせて見栄えをよくすることが要求されるため、4mmから5mmとやや厚めにされるが、本発明のデニッシュブレッドの場合、この厚さでは端部が硬くなりすぎるため、板状の生地の厚さを上記の範囲とすることにより、焼成済冷凍デニッシュブレッドを再加熱した際に、端部が硬くなることを抑制することができる。
[成形工程]
前記生地製造工程により得られた折り込み生地は、成形工程において、まず略長方形に成形される。生地の形を略長方形にすることで、その後の製造工程における生地の暴れを抑えることができ、形のよいデニッシュブレッドを得ることができる。
略長方形にカットされた板状の生地の一辺の長さは100mmから160mmであることが好ましく、より好ましくは110mmから130mmである。また、略長方形にカットされた板状の生地のもう一方の辺の長さは、限定されるものではないが、70mmから105mmであることが好ましく、より好ましくは70mmから100mm、さらに好ましくは78mmから100mmである。このように略長方形にカットした板状の生地を、三つ折りにして筒状のデニッシュブレッドを成形する。
本明細書において「長辺」とは、「略長方形の生地を三つ折り成形した後にデニッシュブレッドの長手方向の長さとなる辺」をいう。具体的には、図3又は、図4の図に向かって横幅の辺を指す。
また、「短辺」とは、「生地を三つ折り成形した後に三つ折りに重なった、デニッシュブレッドの短手方向の長さとなる辺」をいう。具体的には、図7又は、図8の図に向かって横幅の辺を指す。
また、「カット面」とは、「生地を三つ折り成形した後に三つ折りに重なった、デニッシュブレッドの短手方向の両面」をいう。具体的には、図7、図8の面を指す。
長辺の長さは100mmから160mmであることが好ましく、より好ましくは110mmから130mmである。また、短辺の長さは、限定されるものではないが、24mmから52mmであることが好ましく、より好ましくは25mmから45mmである。
通常、クロワッサンやデニッシュペストリー等の層状パンは、その層の部分がおいしさのポイントであり、生地全体の割合に対して層の比率を大きくするために、三角の生地にしてロールし、三日月型のクロワッサン状に成形することで、断面を強調し、多層にすることができる。
一方、本発明のデニッシュブレッドは、生地を多積層にはせずに、長方形の生地を三つ折りにして、生地層が重なる部分を少なくした。
そして、長方形の生地を三つ折りにして生地の重なりを作ることにより、生地表面を張らせ、かつ、長方形とすることにより、カット面が、デニッシュブレッドの両側に対向して位置し、カット面の面積に対して全表面積の比率が大きくなるように成形することができ、保存時の乾燥を防ぐことができる。
生地表面を張らせた効果により、図10のB−B断面に対して中央部の図11のC−C断面のほうが、気泡が大きく、高さがあり、面積が広い。
従来、クロワッサン生地を棒状のチョコレートを三つ折りの芯にして巻いたパン・オ・ショコラの形状は略楕円柱状であるが、これはチョコレートを巻き込むためである。一方、本発明のデニッシュブレッドは、より細長い略楕円柱の形状をとることにより、乾燥防止、保型性等の長期安定性が高めることが可能となった。
[発酵工程]
本発明は、前記成形工程の次に、成形した生地を発酵する発酵工程をとることができる。本発酵工程は、いわゆる最終発酵(ホイロ)をいい、例えば、25℃から32℃で50分から70分間程度発酵させることができる。
[焼成工程]
本発明は、前記発酵工程の次に、発酵生地を焼成し、デニッシュブレッドを製造する焼成工程を有する。焼成方法は特に限定されず、常法の焼成方法で焼成できる。図1に本発明のデニッシュブレッドの1実施例を示す斜視図を表す。
焼成後のデニッシュブレッド全表面積に対する焼成後のカット面の面積の割合が、10%から21%、好ましくは11%から17%のとき、焼成後冷凍デニッシュブレッドから水分が過剰に失われることがなく、良好な食感が得られることが検証された。
[冷凍工程]
本発明は、前記焼成工程の次に、成形後、発酵後、又は、焼成後のデニッシュブレッドを冷凍する冷凍工程を有することができる。図2から図12に本発明のデニッシュブレッドの1実施例を示す冷凍したデニッシュブレッドの各図を表す。
焼成後冷却工程においては焼成後の層状パンを放冷した後、例えば−35℃で急速冷凍する方法が挙げられる。
本発明のデニッシュブレッドは、長期間冷凍した場合でも水分蒸発が抑えられることから、パサパサになることも端部が硬くなることもなく、デニッシュブレッドの良好な食感を楽しむことができる。
さらに、本発明の構成とすることにより、薄い生地であっても、生地の暴れも抑えることができ、安定した成形が可能となる。
下記表1のとおり、重量比、小麦粉(強力粉)100%、イースト4.66%、水48%、上白糖10.67%、食塩1.87%、全卵6.66%、マーガリン4%、折り込みマーガリン35%、で配合した原材料により、常法で折り込み生地を作成した。折り込み作業にあたっては、四つ折りを二回行って16層の生地とした。生地の厚さは3mmとした。また、折り込みマーガリンの対捏ね上げ生地重量%は20%とした。
この生地から、40mm×100mm、60mm×100mm、80mm×100mm、120mm×100mm、140mm×100mm、160mm×100mm、180mm×100mmの略長方形を10枚ずつ切断した。各々の略長方形の生地につき、短辺がそれぞれ100mmとなり、三つ折り成形後の長い辺にあたる長辺(40mm、60mm、80mm、120mm、140mm、160mm、180mm)が中央で一部重なり合うように三つ折りにして、生地の一部が重なった筒状のデニッシュブレッドとした。
得られたデニッシュブレッドを28℃で約70分発酵させた後、210℃のオーブンで12分焼成した(図1)。さらに得られた焼成済デニッシュブレッドを室温で30℃まで冷却した後、−35℃で急速冷凍した。これらを−25℃で70日間冷凍保管した(図2から図12)後、自然解凍し、トースターで温めた。
得られたデニッシュブレッドを、全表面積(図3から図8の表面積の和)と側面積(カット面の面積:図7と図8の側面積の和)を測定した後、よく訓練されたパネル5名による官能評価に供した。測定結果と官能評価の結果を表2に示す。
下記表2中、水分保持評価において、◎は、水分状態は良好、○は、水分状態を気にせず食することができる、△は、水分状態が食感に影響している、×は、食に適さない、を示す。
焼成前の長手方向の長さは、40mm、60mm、80mm、100mm、120mm、140mm、160mm、180mmとした。焼成後カット面の面積はそれぞれ、3107.0mm、3544.6mm、3360.2mm、3287.4mm、2906.2mm、3121.2mm、3079.6mm、3508.8mm2、となった。焼成後全表面積(mm)はそれぞれ、10043.5mm、14943.7mm、16761.9mm、19308.6mm、21494.3mm、24883.9mm、28473.5mm、34545.6mmとなった。さらに、焼成後カット面の割合はそれぞれ、30.9%、23.7%、20.0%、17.0%、13.5%、12.5%、10.8%、10.2%であった。水分保持評価はそれぞれ、×全体の水分がなく非常に硬い、×全体の水分がなく硬い、△端部が硬くパサつきが強い、○ややパサつきを感じるが良好、◎良好、○良好、○ややネチャつきを感じるが良好、×ネチャつきが強い、であった。
[評価結果]
デニッシュブレッドの水分保持評価は、焼成後デニッシュブレッドの全表面積に対するカット面の面積の比率が10.8%から17.0%のとき良好となり、適切な比率であることが明らかになった。
本発明により、焼成後に冷凍しても水分蒸発が抑えられることから、パサパサになることも端部が硬くなることもなく、デニッシュブレッドの良好な食感を楽しむことができる。さらに、本発明の構成とすることにより、薄い生地であっても、生地の暴れも抑えることができ、安定したデニッシュブレッドを製造することができる。

Claims (8)

  1. 油脂重量が捏ね上げ生地重量に対して15重量%から24重量%の油脂と、捏ね上げ生地とを、層状に重ねた折り込み生地を、厚さ2.5mmから3.5mmに圧延する折り込み生地製造工程と、該折り込み生地を一方の辺の長さが100mmから160mmの長方形にカットして、該辺の一片を軸にして他方の該辺が、該生地の表に重なるように折り、長辺が100mmから160mmで短辺が三つ折りに重なった略楕円柱状に成形する生地成形工程とを有する、該短辺に位置するカット面が、該成形後の生地の両側に対向して位置し、該成形後の生地を焼成した全表面積に対するカット面の面積の割合が10%から21%であることを特徴とするデニッシュブレッドの製造方法。
  2. 短辺の長さが24mmから52mmである、請求項1記載のデニッシュブレッドの製造方法。
  3. 生地は、成形後、発酵、焼成をした、請求項1又は請求項2記載のデニッシュブレッドの製造方法。
  4. 生地は、発酵後冷凍した、請求項1乃至請求項3記載のデニッシュブレッドの製造方法。
  5. 油脂重量が捏ね上げ生地重量に対して15重量%から24重量%の油脂と、捏ね上げ生地とを、層状に重ねた折り込み生地を、厚さ2.5mmから3.5mmに圧延し、該折り込み生地を一方の辺の長さが100mmから160mmの長方形にカットして、該辺の一片を軸にして他方の該辺が、該生地の表に重なるように折り、長辺が100mmから160mmで短辺が三つ折りに重なった略楕円柱状に成形され、該短辺に位置するカット面が、該成形後の生地の両側に対向して位置し、該成形後の生地を焼成した全表面積に対するカット面の面積の割合が10%から21%であることを特徴とするデニッシュブレッド。
  6. 短辺の長さが24mmから52mmである、請求項5記載のデニッシュブレッド。
  7. 生地は、成形後、発酵、焼成をした、請求項5又は請求項6記載のデニッシュブレッド。
  8. 生地は、発酵後冷凍した、請求項5乃至請求項7記載のデニッシュブレッド。
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