JP4714534B2 - 排ガスの処理方法、およびその処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、製造装置(例えば、半導体製造装置、液晶製造装置、またはプラズマエッチング装置)から排出される毒性及び腐食性の激しいガスの除害処理方法、およびその処理装置に関するものである。
近年、半導体産業の技術的発展およびコスト改善により、高機能な電子デバイスを安価に入手できるようになった。そのような半導体産業におけるキーテクノロジーは、シリコンウェハの製造技術と、そのシリコンウェハに対する微細加工技術である。前記電子デバイスには、高集積された安価なシリコンウェハが多く使用されている。
IC用シリコンウェハは、チュコラルスキー法(引き上げ法)を用いて製造されている。近年では、そのインゴットの径は、直径300mmに達する大径のものとなっている。インゴットが製造されると、それは薄くスライスされ、表面が鏡面状に加工された後、様々な半導体デバイスの加工基板として使用される。
シリコンウェハ加工方法のひとつに、化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition:CVD)を用いたシリコン基板上への更なる積層工程がある。CVD法では、エピタキシャル層の成長は、つぎのように行われる。大気から絶縁された反応容器中にシリコンウェハを基板として挿入し、外部からの加熱により所定の温度(例えば、1000℃〜1200℃)まで加熱する。ここで、シリコンソースガス、水素を代表とするキャリアガス、および抵抗率制御用のジボランなどのドーパントガスを導通する。すると、ソースガスはシリコン基板上で水素還元反応・熱分解反応を起こして、塩素、水素原子を放出し、シリコン基板上にエピタキシャル層としてシリコンが積層される。このとき、ドーパントガスも熱分解反応により積層シリコン中に入り、電子デバイス動作上の電荷キャリアとして働く。
最も大量に生産されている半導体デバイスにDRAMがある。DRAM用エピタキシャルシリコンウェーハを製造するために使用されるソースガスとして、トリクロロシラン(SiHCl)が知られている。この物質は、エピタキシャル層の結晶性が良く、成長速度が速い等の理由により用いられている。近年の電子デバイスの低価格化により、エピタキシャル層について、更に高い成長速度が要求されることに加え、シリコンエピタキシャル装置の稼働率を向上することが要求されている。
エピタキシャル成長のために供給されたガスは、その全てが反応容器内で消費されるわけではない。ガスの一部である塩素(Cl)、水素(H)、シリコン(Si)は、成長温度あるいは反応容器内の雰囲気温度によって、さまざまな中間化合物となり、その多くが反応容器から排ガスとして排出される。この排ガスは、毒性・腐食性を備えているため、大気に放出される前に、吸着・湿式(中和)・燃焼等を用いた除害装置による処理を施さなくてはならない。
従来には、シリコンウェハは小口径であったため、そのエピタキシャル工程は縦型、シリンダ型等のバッチ炉が主流であった。このようなバッチ炉では、表面を炭化ケイ素薄膜で被覆したサセプタ(基板保持台座)に、複数枚のシリコン基板を大気中で装填した後、大気から絶縁するためにバッチ炉を閉止し、不活性ガスでバッチ炉内を置換し、更に水素ガスで置換すると共にサセプタを加熱し、前述の工程に従ってエピタキシャル成長工程を実施していた。成長工程の完了後には、シリコンウェハへの加熱を止め、バッチ炉内を不活性ガスで置換した後、バッチ炉を大気に開放し、シリコンウェハを回収していた。
このようにバッチ炉を使用すると、シリコンウェハ総面積に対するバッチ炉の空間容積が大きいため、エピタキシャル層の成長速度は低い一方、バッチ炉内の対流を利用した工程であることから、ソースガスとして投入するシリコン量に対し、シリコンウェハ表面に積層するシリコン量(収率)は高く、従って排ガス中の活性な副生成物量も比較的少なかった。
しかしながら、特にDRAM用シリコンエピタキシャルウェハの製造工程については、その様相が異なってきた。DRAM用素材としてのシリコンエピタキシャルウェハについては、コスト的に大口径のものが要求されることから、前述のように300mmのものが主流となってきている。また、品質要求も厳しいことから、もはやバッチ炉による製造工程では、その品質要求を満足することが不可能となってきた。このため、シリコンウェハを一枚ずつ順次に処理する枚葉炉が用いられるようになっている。
枚葉炉は、バッチ炉と比較すると、エピタキシャル層の品質(平坦度、パーティクル)が高く、大口径ウェハを処理できるという長所を有している。一方、枚葉炉は、対流を利用せず、狭い容積の反応炉で処理することから、ソースガスとして投入するシリコン量に対し、シリコンウェハ表面に積層するシリコン量(収率)が低く、多くの未反応物質、反応副生成物を排ガスとして排出してしまうという欠点がある。枚葉炉から排出される排ガス成分には、非常に活性の高い副生成物の割合が高い。特に、大気と接すると、大気中に含まれる僅かな水分に反応し、小さな衝撃により自然発火するシロキサンが含まれる。排ガスを除害装置に導入する際には、その一部が排気管と除害装置との連結部位において液化・堆積してしまうという問題がある。
上記問題を解決するために、例えば米国特許第4986838号公報、または特許第3476126号公報に開示された技術がある。
このうち、先のものでは、排ガスを除害装置に導入する際に、その連結部位の内壁全体に旋回する水流膜を形成させることにより堆積物の形成を防止しようとする技術が開示されている。しかしながら、水流膜から気相中に発生した僅かな水分と排ガス成分とが反応し、連結部位付近に活性の高い堆積物が発生するのを抑制することができなかった。また、後のものでは、そのような旋回水流膜に加えて、水流膜の表面付近を覆う窒素ガスを導入することにより、水流膜から気相中に発生する水分と排ガス成分との反応を抑制しようとしている。しかし、このような工夫によっても、活性の高い堆積物の発生を抑制することはできていない。
本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造装置(例えば、前述の半導体製造装置をはじめ、同様の課題を有する液晶製造装置、プラズマエッチング装置など)から発生する排ガスを安全に除去するための処理方法、およびその処理装置を提供することにある。
米国特許第4986838号公報 特許第3476126号公報
上記問題を解決するため、第1の発明に係る排ガスの処理方法は、製造装置から排出される排ガスを水層の比重よりも大きい比重を備えた不活性物質層を通過させた後に、水層に導くことで、水と反応させ、固体生成物を形成させることを特徴とする。
「製造装置」とは、半導体製造装置、液晶製造装置、またはプラズマエッチング装置のように、その製造工程において、シロキサンなどの高活性物質を排ガスとして排出する装置を意味している。このうち、「半導体製造装置」とは、CVD法を応用して、シリコンウェハの表面にエピタキシャル層を形成させる装置を意味している。特に、半導体製造装置が枚葉炉の場合には、本発明の効果が大きいものとなる。
「排ガス」とは、製造装置から反応に寄与しなかったものとして排出されるガスを意味している。この排ガスには、高活性物質が含まれているので、従来から除害処理が施されている。特に、装置が半導体製造装置である場合には、エピタキシャル成長のために供給されたガスのうち、エピタキシャル層を形成するために関与しなかったガス、あるいはそれらのガスの中間化合物などを含み、製造装置から排出されたガスを意味している。この排ガスには複数の成分が含まれており、排ガスの一部の成分が、排気配管の内部で変化し、堆積物を形成する。そのような堆積物には、例えばシロキサンのように、危険性が高いものが含まれている。
「不活性物質層」とは、排ガス中の成分(特に、シロキサンなどの高活性物質)と反応することなく、排ガスを水層に導くための層を意味している。不活性物質としては、水層の比重よりも大きい比重を備えた液体が好ましい。そのような液体としては、例えばハロゲン系不活性液体(特に、フッ素系不活性液体)を用いることができる。不活性物質層は、実質的に水分を溶解しないものが好ましい。そのようなものを用いることにより、排ガス排出部から排出された排ガスは、その排ガス排出部付近で固体物を形成することが避けられるので、従来の問題を回避できる。
「水層」とは、排ガスと反応して、安定な固体生成物を形成できる程度の大量の水を供えた層を意味している。水そのものを水層として用いることができるし、水に適当な添加物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのように水をアルカリ性とする物質)を溶解したものを水層として用いることもできる。
「固体生成物」とは、排ガス(成分の一部)と水層の水とが反応して形成されたシリカを意味している。
本発明の方法によれば、製造装置から排出された排ガスは、不活性物質層を通過した後に、上層の水層に到達する。ここで、排ガス(成分の一部)は、水層の水と反応し、シリカを形成して固体生成物となり、安定化する。このとき固体生成物は、多孔状となり、同時に発生する水素ガスの浮力も手伝い水層の表面に至るので、後の処理が容易となる。
第2の発明に係る排ガスの処理装置は、製造装置から排出された排ガスと反応することで前記排ガス成分の一部を固体生成物として安定化させる水層とこの水層の比重よりも大きな比重を備えると共に前記排ガスとは反応しない不活性物質層との二層を貯留可能な混合反応槽と、前記不活性物質層の内部に前記排ガスを排出可能な排ガス排出部とを備えたことを特徴とする。
本発明の処理装置によれば、排ガスは排ガス排出部を通り、不活性物質層を通過した後に、上昇し水層に到達する。ここで、排ガス(成分の一部)は、水層の水と反応し、シリカを形成して固体生成物となり、安定化する。
不活性物質層として、ハロゲン系不活性液体(特に、フッ素系不活性液体)を用いた場合には、固体生成物は多孔状となり、同時に発生する水素ガスの浮力も手伝い水層の表面に至るので、後の処理が容易となる。
本発明においては、排ガスを排ガス排出部から不活性物質層に排出するためには、排ガス側の圧力が不活性物質層側の圧力よりも相対的に大きいことが必要となる。そのための構成として直接的に本発明の装置に設けない場合には、例えば(1)当該装置の下流側にSiO処理用のスクラバーを配置し、更に下流側にファンを設け、このファンで不活性物質層側を陰圧とする構成、(2)当該装置の上流側に真空ポンプを設け、排ガス排出部から吹き込まれる排ガス側を陽圧とする構成、(3)上記ファンを設けて不活性物質側を陰圧としつつ、上記ポンプを設けて排ガス側を陽圧とする構成が考慮される。これらの構成は、本発明に係る装置よりもむしろ、製造装置及び排ガス処理システムの全体に関する構成であるため、各工場の実態に応じることにより、現在あるものに大きな変更を加えることなく実施することができる。
また、第2の発明において、前記排ガス排出部には、前記不活性物質層中で回転するロータと、このロータの側壁に設けられた排ガス排出孔とが設けられていることが好ましい。このような構成とすれば、ロータを回転させつつ、その内部に排ガスを送り込むと、回転するロータの周速と停止している不活性物質との速度差により生じるベルヌーイ効果により、排ガス排出孔から排ガスを不活性物質層に排出することができる。
また、上記構成においては、前記ロータの断面形状は、下方に向かって拡がる略台形状とすることが好ましい。不活性物質層の内部においては、下方の圧力が大きくなる。特に、不活性物質層の比重は水の比重よりも大きいために、不活性物質層内の上下方向において圧力差が大きい。このため、ロータの断面形状を下方に向かって拡がる台形状とすることで、ロータ下方の周速を大きくし、ベルヌーイ効果を大きくすることにより、ロータの側壁全体から排ガスを排出させることができやすくなる。
図1〜図4には、排ガスの処理装置に関する具体例を示した。なお、図1〜図4において、同一の作用を示す構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
図1に示す処理装置1には、水層2とその下方に位置する不活性物質層3(例えば、フッ素系不活性液体)との二層を備えた混合反応槽4が設けられている。混合反応槽4の上部からは、不活性物質層3の内部に排ガスを排出可能なパイプ状の排ガス排出部5が挿入されている。製造装置から排出された排ガス6は、矢印Aから排ガス排出部5に送り込まれ、その先端から不活性物質層3に排出される。すると、排ガス6は、不活性物質層3を通過した後に、水層2まで上昇する。ここで、排ガス成分の一部が、水層2の水と反応しシリカを形成して固体生成物となり、安定する。なお、水層2の上層部分には、更に安全性を高めるために、不活性ガス(例えば、N)を導入しておくことが好ましい(他の具体例、及び実施形態においても同様である)。
図2に示す処理装置1には、混合反応槽4の上部から、不活性物質層3の内部に排ガスを排出可能なロータ7を備えた排ガス排出部5が設けられている。ロータ7は、ほぼ同径の円筒状に形成されている。ロータ7の側壁8には、排ガス排出孔9が設けられている。ロータ7は、混合反応槽4の外側に設けられたモータ10の駆動によって、不活性物質層3中を回転する。製造装置から排出された排ガス6は、矢印Aから排ガス排出部5に送り込まれ、ロータ7の内部に送られる。ロータ7がモータ10によって回転することにより、ベルヌーイ効果によって、排ガス排出孔9から排ガス6が不活性物質層3に排出される。すると、排ガス6は、不活性物質層3を通過した後に、水層2まで上昇する。ここで、排ガス成分の一部が、水層2の水と反応しシリカを形成して固体生成物となり、安定する。
図3に示す処理装置1には、混合反応槽4の下面中央から、不活性物質層3の内部に排ガスを排出可能なロータ7を備えた排ガス排出部5が設けられている。ロータ7の断面形状は、上方から下方に向かって拡がる略台形状とされている。ロータ7の断面形状をこのように構成することにより、ロータ7下方の周速を大きくし、ベルヌーイ効果を大きくすることにより、ロータ7の側壁8全体から排ガスを排出させることができやすくなる。特に、不活性物質層3の比重は水層2の比重よりも大きいために、その圧力差が大きいことから、有効な構成となる。
ロータ7がモータ10によって回転すると、ベルヌーイ効果によって、排ガス排出孔9から排ガス6が不活性物質層3に排出される。すると、排ガス6は、不活性物質層3を通過した後に、水層2まで上昇する。ここで、排ガス成分の一部が、水層2の水と反応しシリカを形成して固体生成物となり、安定する。
図4に示す処理装置1には、混合反応槽4の上面中央から、不活性物質層3の内部に排ガスを排出可能なロータ7を備えた排ガス排出部5が設けられている。ロータ7の断面形状は、上方から下方に向かって拡がる略台形状とされている。混合反応槽4の上面には、湿式スクラバーに連結する連結口11が設けられており、排ガス6のうち、固体生成物を形成しなかった成分が送られる。
ロータ7がモータ10によって回転すると、ベルヌーイ効果によって、排ガス排出孔9から排ガス6が不活性物質層3に排出される。すると、排ガス6は、不活性物質層3を通過した後に、水層2まで上昇する。ここで、排ガス成分の一部が、水層2の水と反応しシリカを形成して固体生成物となり、安定する。
なお、図2〜図4に示すようにロータ7を備える場合には、ロータ7の停止時には、排ガス排出孔9から不活性物質層3を構成する物質が、ロータ7の内部に浸入してくる。このため、ロータ7の内部空間を小さくすることが好ましい。そのような構成としては、例えば後述の実施形態に示すように、ロータ7を二層構造とし、排ガス6は、ロータ7の内層と外層とで囲まれる空間のみを通過させるようにすることが好ましい。このようにすれば、ロータ7の内層には、不活性物質の浸入を回避することができる。
次に、本発明の処理装置を既存の施設に組み込む際の具体的な構成について、図5〜図7を参照しつつ説明する。
図5は、製造装置12から排出される排ガスを本発明の処理装置1にて処理した後、水酸化ナトリウムを含む湿式スクラバー13で塩化水素の一部の吸収と二酸化ケイ素を溶解処理し、更に湿式スクラバー14で塩化水素の処理を完結するという構成を備えた処理システムである。湿式スクラバー14の下流には、排気用のファン15が設けられている。なお、詳細に図示はしないが、製造装置12から湿式スクラバー13までの構成は、複数の枝16に同じように設けられており、最終的にスクラバー14によって、集中的に塩酸処理が行われる。なお、ライン17は、排ガスの非処理系である。このような処理システムにおいては、ファン15の強さによっては、上記処理装置のうち、図1〜図4のいずれの構成も用いることが可能であるが、特に図2〜図4のタイプ(ロータを備えたもの)を用いることができる。なお、工場によっては、湿式スクラバー13は不要とすることも可能である。そのようなシステムの変更は、当業者であれば容易に行うことができる。
図6は、製造装置12から排出される排ガスを処理装置1にて処理した後、二種類の湿式スクラバー13、14により連続的に処理を行い、ファン15により処理後の排ガスを排出するという構成を備えた処理システムである。このようなシステムにおいても、ファン15の強さによっては、上記処理装置のうち、図1〜図4のいずれも用いることが可能であるが、特に図2〜図4のタイプ(ロータを備えたもの)を用いることができる。なお、工場によっては、湿式スクラバー13は不要とすることも可能である。そのような構成の変更は、当業者であれば容易に行うことができる。
図7は、減圧仕様の製造装置12に対して、本発明の処理装置1を配した処理システムである。このシステムでは、真空ポンプ18の下流に処理装置1を設置する。このときには、真空ポンプ18によって下流の圧力が適当に維持されているので、圧力を制御する必要が無く、ファン15やロータ7を設ける必要がない。このため、最小構成の処理システムを構築することもできる(但し、図7中には、ファン15を設けた構成が示してある)。製造装置12から排出される排ガスを真空ポンプ18を介して、処理装置1にて処理した後、二種類の湿式スクラバー13、14により連続的に処理を行い、ファン15により処理後の排ガスを排出する。
このように真空ポンプ18を設けた処理システムにおいては、上記処理装置のうち、図1〜図4のいずれも用いることが可能であるが、ロータ7を備えない図1に示すタイプを用いることができる。なお、工場によっては、湿式スクラバー13は不要とすることも可能である。そのような構成の変更は、当業者であれば容易に行うことができる。
なお、本発明は、上記図1〜図4に示した処理装置の例、及び図5〜図7に示した処理システムの例に限られず、種々に変更して実施することが可能である。
本発明によれば、製造装置(例えば、半導体製造装置、液晶製造装置、プラズマエッチング装置など)から発生する排ガスを安全に処理することができる。また、これらの装置の停止ロスを減少させ、生産効率を向上させることができる。
次に、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は、下記の実施形態によって限定されるものではなく、その要旨を変更することなく、様々に改変して実施することができる。また、本発明の技術的範囲は、均等の範囲にまで及ぶものである。
図8には、本実施形態の排ガスの処理装置20を示した。この処理装置20は、製造装置(例えば、半導体製造装置、液晶製造装置、或いはプラズマエッチング装置が例示されるが、これらに限られず、高活性物質を含有する排ガスを排出するものに広く適用することができる。)から排出される排ガスのライン21に接続されている。
処理装置20には、水層22と不活性物質層23とを貯留可能な混合反応槽24が設けられている。混合反応槽24は、上下で径が異なる大小円筒状のものを中央下端部で連結した形状とされている。ここで、不活性物質層23を貯留する下側部42の内径は、水層22を貯留する上側部43の内径よりも小さく形成されている。なお、両部42、43は、同心状とされている。不活性物質層23に排出された排ガスは、水層22と不活性物質層23との界面Sまで気泡として上昇し、そこで水層22中の水分と反応して固体生成物を形成する。このとき、本実施形態のように下側部42の内径を小さくしておけば、気泡を界面Sの中央部に到達させ、そこで固体生成物を形成させることにより、混合反応槽24の内壁への固体生成物の付着を防止させることができる。
不活性物質層23の比重は、水層22の比重よりも大きくなっており、水層22が上層に位置している。不活性物質層23には、例えばフッ素系不活性液体(例えば、フロリナート(商標名)、ガルデン(商標名))を用いることができる。そのようなフッ素系不活性液体は、水分を溶解しないので、排ガス排出部25の排出孔28付近に固体が生成することを回避することができる。
水層22としては、水(井戸水、水道水など)を用いることができるし、適量の水酸化ナトリウムを溶解した水を用いることもできる。水酸化ナトリウム含有水を水層22として用いた場合には、水面Tより上の混合反応槽24内壁を水酸化ナトリウム溶液で洗浄できるので、水層22中で水酸化ナトリウムに接触せずに水面Tに達した排ガスがあっても、その後、混合反応槽24の内壁に固体を生成することを避けることができる。このことは特に、気泡サイズが大きい場合に有効な構成となる。更に、水酸化ナトリウムにより二酸化ケイ素の溶解処理を同時に行うことができる場合(排ガス量が少なく、且つ気泡が小さい場合)には、上記図5〜図7に示した湿式スクラバー13による処理をなくすことも可能となる。
ライン21に接続される中空軸31は、混合反応槽24の上面中央からほぼ鉛直下方に垂下されている。中空軸31の上下端部は、三個のベアリング32、33、38によって、回転可能に軸止めされている。また、中空軸31の上端には、プーリ34、35及びベルト36を介して、モータ37が設けられている。このモータ37の駆動によって、中空軸31及び後述のロータ26が回転するようになっている。
中空軸31の下端付近には、排ガスを不活性物質層23の内部に排出可能な排ガス排出部25が設けられている。排ガス排出部25には、不活性物質層23中で回転するロータ26が設けられている。ロータ26の側壁27には、全周面に渡って、排ガス排出孔28が設けられている。排ガス排出孔28は、ロータ26内部の排ガスを外方の不活性物質層23に排出するためのものである。
また、ロータ26の内部には、一回り細かい内側ロータ部45が設けられており、全体として二層構造とされている。中空軸31を通った排ガスは、内側ロータ部45と側壁27とによって囲まれた排ガス空間44を通って、外方に排出されるようになっている。ロータ26の回転を停止した状態では、不活性物質層23を構成する物質が、排ガス排出孔28を通じて、ロータ26の内部に浸入してくる。このため、ロータ26の内部を二層構造とし、排ガス空間44をロータ26全体の内部空間よりも小さくすることにより、ロータ内部に浸入する不活性物質の量を減じることができる。ロータ26を回転させると、排ガス空間44に浸入した不活性物質層23は、遠心力によりロータ26の外方に排出される。
ロータ26の断面は、下方に向かって拡がる略台形状に形成されている。このような形状にすることにより、ロータ下方の周速を大きくし、徐々にベルヌーイ効果を大きくすることによって、ロータ26の側壁27全体から排ガスを排出させることができる。本実施形態においては、不活性物質層23の比重は水層22の比重よりも大きいために、不活性物質層23内の上下方向において圧力差が大きいことから、ロータ26の断面を下方に拡がる形状とすることで、より大きな効果を発揮させることができる。
また、混合反応槽24の内壁において、不活性物質層23が貯留される下側部42には、複数の水平整流板29が周方向に沿って設けられている。更に、混合反応槽24の内壁において、水層22が貯留される上側部43から界面S(水層22と不活性物質層23との界面)の下方には、複数の垂直整流板30が鉛直方向に沿って設けられている。ロータ26の回転数が上昇すると、不活性物質層23または水層22の回転が発生し、水面T及び界面Sが不安定となる事態が発生しうる。このため、両整流板29,30により、上記事態の発生を抑制しうる。
また、混合反応槽24の上部には、一対の給水口39及び排水口40が設けられている。両水口39、40は、水平方向に同じ高さに設けられており、その中央部分が、水面Tとほぼ一致するようにして使用される。両水口39、40は、処理装置20の稼働中には閉止しておいても良いし、常時開放状態として用いることもできる。処理装置20が稼働すると、水層22の上面付近には、固体生成物が蓄積してくる。このため、処理装置20が停止した時、または処理装置20の稼働時及び停止時の常時に、給水口39から水を供給することにより、その固体生成物を排水口40から排出することができる。
また、混合反応槽24の上面には、固体生成物を形成しなかった排ガスの一部を排出する排気口41が設けられている。排気口41は、次の処理装置(例えば、湿式スクラバー13、または湿式スクラバー14)に接続されている。
次に、上記のように構成された処理装置20の作動状況を説明する。
製造装置12の駆動により排出された排ガスは、ライン21を通って、中空軸31の内部に送り込まれ、下端部から排ガス空間44まで達することができる。処理装置20のモータ37が動くと、不活性物質層23内のロータ26が回転する。ロータ26を回転させると、まずロータ26の停止中に排ガス空間44に浸入した不活性物質が遠心力によりロータ26の外方に排出される。さらにロータ26の回転数を上げると、ロータ26の周速と不活性物質層23との速度差に応じたエゼクター効果(ベルヌーイ効果)により、ライン21と連通した排ガス空間44から排ガスが吸い出され、不活性物質層23中に気泡となって排出される。
このようにしてロータ26から排出された気泡は、浮力により不活性物質層23を上昇し、水層22との界面Sに達し、そこで初めて多量の水と接触することで固体を生成する。そのような反応としては、例えば SiHCl3 + H2O → SiO2 + H2 + HCl が例示される(但し、本発明においては、固体の生成式は、これには限られない)。ここで生成する固体生成物は、ポーラス(多孔質)であり、かつ同時に発生する水素ガスの作用も合わせ、水層22中を浮上してゆき、ついには水面Tに達する。
混合反応槽24には、給水口39から常時注水されており、固体生成物は水面Tを流れ系外に排出され、適切に処理される。
このように本実施形態によれば、製造装置12から排出される排ガスを水層22の比重よりも大きい比重を備えた不活性物質層23を通過させた後に、水層22に導くことで、水と反応させ固体生成物を形成させることにより、排ガス中の活性物質を安全に除去処理することができる。また、製造装置12の停止ロスを減少させ、生産効率を向上させることができる。特に、製造装置12が半導体製造装置(更に、枚葉炉)である場合には、発明の課題に詳細に説明した理由から、本実施形態の効果は顕著となる。
なお、本実施形態の構成に加えて、中空軸31或いはライン21において処理装置20の付近に、圧力センサを設けると共に、この圧力センサの検出値を圧力コントローラへフィードバックし、設定圧力との差分をインバータを介して、モータ37の回転数を制御する構成とすることができる。そのようにすれば、ライン21内部の排圧変動を押さえることができるので、製造装置12によって製造される半導体の品質を高く維持することができる。
また、界面Sとロータ26上部の間の不活性物質層23中に複数の開口を持つ板材(例えば、パンチング板)を設けることにより、不活性物質層23の界面Sの安定性を向上させることもできる。
本発明の処理装置の一態様を示す図である。 本発明の処理装置の一態様を示す図である。 本発明の処理装置の一態様を示す図である。 本発明の処理装置の一態様を示す図である。 本発明における処理装置を備えた処理系例を示す図である。 本発明における処理装置を備えた処理系例を示す図である。 本発明における処理装置を備えた処理系例を示す図である。 本実施形態の処理装置を示す断面図である。なお、左半分は、混合反応槽の内部を示す断面図であり、右半分は、更にロータ、中空軸の内部を示す断面図である。
符号の説明
1,20…処理装置
2,22…水層
2,23…不活性物質層
4,24…混合反応槽
5,25…排ガス排出部
6…排ガス
7,26…ロータ
8,27…側壁
9,28…排ガス排出孔
10,37…モータ
12…製造装置
18…真空ポンプ

Claims (3)

  1. 製造装置から排出される排ガスと反応することで前記排ガス成分の一部を固体生成物として安定化させる水層とこの水層の比重よりも大きな比重を備えると共に前記排ガスとは反応しない不活性物質層とを上下二層となるように貯留可能な混合反応槽を用いて前記排ガスを処理する方法であって、前記排ガスを前記不活性物質層を通過させた後に、前記水層に導くことで、水と反応させ、固体生成物を形成させることを特徴とする排ガスの処理方法。
  2. 製造装置から排出された排ガスと反応することで前記排ガス成分の一部を固体生成物として安定化させる水層とこの水層の比重よりも大きな比重を備えると共に前記排ガスとは反応しない不活性物質層との二層を貯留可能な混合反応槽と、前記不活性物質層の内部に前記排ガスを排出可能な排ガス排出部とを備えたことを特徴とする排ガスの処理装置。
  3. 前記排ガス排出部には、前記不活性物質層中で回転するロータと、このロータの側壁に設けられた排ガス排出孔とが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の排ガスの処理装置。
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