JP4714168B2 - ドアハンドル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等に使用されるいわゆるグリップ式のドアハンドル装置に関する。
この種の従来のドアハンドル装置としては、特許文献1に開示されたものがある。このドアハンドル装置50は、図8に示すように、ドアパネル51の内面側に固定されたベース部材52と、ドアパネル51の外面側に配置されたグリップ式のハンドル本体53と、ハンドル本体53の他端側の近傍位置に配置され、ベース部材52に固定されたエスカッション54とを備えている。
ハンドル本体53の一端側には支持アーム部53aが突設され、この支持アーム部53aがドアパネル51の孔51aより内面側に挿入されている。ドアパネル51の内面側に挿入された支持アーム部53aは、ベース部材52の支持受部52aに回転自在に支持されている。ハンドル本体53は、この支持アーム部53aの回転支点を中心としてドア閉位置とドア開位置との間で回転操作される。ハンドル本体53の他端側にはリンク用アーム部53bが突設され、このリンク用アーム部53bがドアパネル51の孔51bより内面側に挿入されている。ドアパネル51の内面側に挿入されたリンク用アーム部53bは、ベルクランク55に係合されている。ハンドル本体53がドア閉位置からドア開位置に操作されると、このハンドル操作がベルクランク55等を介してドアロック機構(図示せず)に伝達されるようになっている。
ベース部材52には、その支持受部52aの近傍にガタ付き防止アーム部52bが設けられている。このガタ付き防止アーム部52bは、撓み変形による復帰力によってハンドル本体53の支持アーム部53aの突起部53cをエスカッション54側に付勢している。この付勢力によってハンドル本体53の他端側端面53e(詳細には係止突出面53d)は、エスカッション54の対向面54aに押圧されている。
ハンドル本体53はエスカッション54側への変移がエスカッション54によって規制されることによってベース部材52の支持受部52aに回転自在に支持されているが、ハンドル本体53がスムーズに回転できるようにエスカッション54との間には所定のクリアランスが存在する。このクリアランスによってハンドル本体53の支持アーム部53aは、ベース部材52の支持受部52aにガタ付きをもって支持されるが、ハンドル本体53をエスカッション54に押圧することによってガタ付きに起因する異音の発生等を防止している。
特開2003−247356号公報
しかしながら、従来のドアハンドル装置50では、ハンドル本体53がドア閉位置よりドア開位置に回転すると、支持アーム部53aの突起部53cがガタ付き防止アーム部52bより離間する方向に変移するため、ハンドル本体53をエスカッション54側に付勢しなくなる。従って、ドア閉位置以外ではハンドル本体53のガタ付きを有効に防止できないという問題がある。
そこで、本発明は、ハンドル本体の全ての回転位置でハンドル本体のガタ付きを有効に防止できるドアハンドル装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する請求項1の発明は、ドアパネルの内面側に固定されたベース部材と、前記ドアパネルの外面側に配置され、前記ベース部材に一端側が回転自在に支持されたハンドル本体と、前記ハンドル本体の他端側に近接配置され、前記ベース部材に固定されたエスカッションとを備えたドアハンドル装置であって、前記エスカッションに前記ハンドル本体の他端側に向かって開口する部材収容室と、前記部材収容室内に配置される付勢手段と、前記部品収容室内に配置され、前記付勢手段の付勢力によって前記ハンドル本体の他端側端面に当接し、且つ他端側から前記一端側に向かって前記ハンドル本体を付勢保持するガタ付き防止部材とを備えたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載のドアハンドル装置であって、前記付勢手段は、前記ガタ付き防止部材に一体に設けられた弾性アーム部であることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1記載のドアハンドル装置であって、前記付勢手段は、スプリングであることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項記載のドアハンドル装置であって、前記ガタ付き防止部材と前記エスカッションにはいずれか一方に抜止突起が、他方に係合部がそれぞれ係合可能に設けられたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、ハンドル本体をドア閉位置からドア開位置に移動してもガタ付き防止部材がハンドル本体の他端側端面を押圧するため、ハンドル本体の全ての回転位置でハンドル本体のガタ付きを有効に防止できる。これによって、ガタ付きに起因する異音の発生等の不具合を確実に防止できる。
又、ガタ付き防止部材は、エスカッションとは別部材であるため、エスカッションのように表面に金属メッキを施す必要がなく、しかも、ハンドル本体との摩擦が極力小さい材質にて形成することができるため、金属メッキが剥がれることに起因する異音の発生を防止できると共に、ハンドル本体の操作抵抗の増大を極力抑制することができる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、エスカッションの内部にガタ付き防止部材のみを配置すれば良いため、組み付け性が良い。
請求項3の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、スプリングによってガタ付き防止部材を付勢するため、安定した付勢力でガタ付き防止部材を付勢でき、しかも、耐久性に優れた構造とすることができる。
請求項4の発明によれば、請求項1〜請求項3の発明の効果に加え、ガタ付き防止部材をエスカッションの部材収容室に挿入すればガタ付き防止部材を作業者が保持しなくてもエスカッションから脱落することがないため、ガタ付き防止部材及びエスカッションの組み付け作業が容易である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図5は本発明の第1実施形態を示し、図1はドアハンドル装置の分解斜視図、図2はドアハンドル装置の要部平面図、図3は図2のA−A線断面図、図4は図2のB−B線断面図、図5(a)はガタ付き防止部材の平面図、図5(b)はガタ付き防止部材の側面図、図5(c)はガタ付き防止部材の正面図である。
図1〜図4に示すように、ドアハンドル装置1Aは、自動車のアウトドアハンドルに適用され、ドアパネル2の内面側に固定されたベース部材3と、ドアパネル2の外面側に配置されたグリップ式のハンドル本体4と、ハンドル本体4の他端側の近傍位置に配置され、ベース部材3に固定されたエスカッション5とを備えている。
ドアパネル2には、ベース部材3が固定された中央箇所に内面側に窪む円弧凹部2aが形成されている。この円弧凹部2aによってハンドル本体4とドアパネル2との間に十分な空間が形成され、ハンドル本体4の握持が可能になっている。ドアパネル2の円弧凹部2aの左右には、孔2b,2cがそれぞれ形成されている。この各孔2b,2cの周縁の外面側には、ガスケット6,7がそれぞれ装着されている。
ハンドル本体4は、合成樹脂材にて形成され、表面に金属メッキが施されている。ハンドル本体4の内部には、アンテナ8が収容されている。ハンドル本体4は、その一端側に一体に形成された支持アーム部4aを有する。この支持アーム部4aは、ドアパネル2の孔2bより内面側に挿入されている。ドアパネル2の内面側に挿入された支持アーム部4aは、ベース部材3の支持受部3aに回転自在に支持されている。ハンドル本体4は、この支持アーム部4aの回転中心を中心としてドア閉位置とドア開位置との間で回転操作される。ハンドル本体4は、その他端側に一体に形成されたリンク用アーム部4bを有する。このリンク用アーム部4bは、ドアパネル2の孔2cより内面側に挿入されている。ドアパネル2の内面側に挿入されたリンク用アーム部4bは、ベルクランク9に係合されている。ハンドル本体4がドア閉位置からドア開位置に操作されると、このハンドル操作がベルクランク9等を介してドアロック機構(図示せず)に伝達されるようになっている。他端側端面4cは、支持アーム部4aの回転中心を中心とする円弧状に形成され、ドア閉位置とドア開位置との間で回転操作された際に、他端側端面4cとエスカッション5との間隔が一定になるように構成されている。
エスカッション5は、合成樹脂材にて形成され、表面に金属メッキが施されている。エスカッション5は、通常では、外観上の配慮からハンドル本体4と同一の材料にて形成される。エスカッション5は、ドアパネル2の内面側でベース部材3にボルト20によって固定されている。エスカッション5は、ハンドル本体4の他端側端面4cの近接位置で、ドアパネル2の孔2cより外面側に突出している。この突出している箇所の内部には、部材収容室5aがハンドル本体4の他端側端面4cに向かって開口するように形成されている。この部材収容室5aのハンドル本体4に対向する側は、開口部5bによって開放されている。又、部材収容室5aの底壁5cには、係合部としての抜止孔5dが形成されている。
ガタ付き防止部材10は、エスカッション5の部材収容室5a内を移動可能に配置されている。ガタ付き防止部材10は、図5(a)〜(c)に詳しく示すように、ハンドル本体4との摩擦抵抗が小さい材質にて形成され、且つ、エスカッション5とは異なり表面に金属メッキが施されていない。ガタ付き防止部材10は、その底面側には抜止突起10aが設けられており、この抜止突起10aが抜止孔5dに挿入されている。ガタ付き防止部材10は、抜止突起10aが抜止孔5d内を移動できる範囲で移動自在に配置されているが、抜止突起10aが抜止孔5dの孔面に突き当たる位置以上には開口部5b側に移動できない。これによって、ガタ付き防止部材10は部材収容室5aより脱落しないようになっている。
又、ガタ付き防止部材10には、それぞれV字状に形成された付勢手段である一対の弾性アーム部11が一体に設けられている。この一対の弾性アーム部11の先端は、弾性アーム部11の撓み変形状態でエスカッション5の受面5eに当接されている。この一対の弾性アーム部11の撓み復帰力によってガタ付き防止部材10は、開口部5bより突出してハンドル本体4の他端側端面4cを押圧している。
上記構成において、操作者がハンドル本体4をドア閉位置からドア開位置に回転操作したり、ドア開位置からドア閉位置に回転操作する。すると、ハンドル本体4の他端側端面4cは支持アーム部4aの回転中心を中心とする回転軌跡に沿って移動するが、他端側端面4cとエスカッション5との間隔は一定になるよう設定されているため、移動する他端側端面4cをガタ付き防止部材10が一対の弾性アーム部11による一定の付勢力によって常に押圧する。従って、ハンドル本体4の全ての回転位置でハンドル本体4のガタ付きを有効に防止できる。これによって、ガタ付きに起因する異音の発生等の不具合を確実に防止できる。
又、ガタ付き防止部材10は、エスカッション5とは別部材であるため、上記の如く、エスカッション5のように表面に金属メッキを施す必要がなく、しかも、ハンドル本体4との摩擦が極力小さい材質にて形成することができるため、金属メッキが剥がれることに起因する異音の発生を防止できると共に、ハンドル本体4の操作抵抗の増大を極力抑制することができる。
この第1実施形態では、付勢手段は、ガタ付き防止部材10に一体に設けられた一対の弾性アーム部11であるので、エスカッション5の内部にガタ付き防止部材10のみを配置すれば良いため、組み付け性が良い。
この第1実施形態では、ガタ付き防止部材10は、エスカッション5の部材収容室5aに収容されており、且つ、ガタ付き防止部材10に抜止突起10aが、エスカッション5に抜止孔5dがそれぞれ設けられているので、ガタ付き防止部材10をエスカッション5の部材収容室5aに挿入すれば作業者がガタ付き防止部材10を保持しなくてもエスカッション5から脱落することがない。従って、ガタ付き防止部材10及びエスカッション5の組み付け作業が容易である。尚、この第1実施形態とは逆に、ガタ付き防止部材10に抜止孔を、エスカッション5に抜止突起をそれぞれ設けても良いことはもちろんである。
図6及び図7は本発明の第2実施形態を示し、図6はドアハンドル装置の要部平面図、図7は図6のC−C線断面図である。
図6及び図7に示すように、この第2実施形態に係るドアハンドル装置1Bは、前記第1実施形態のものと比較するに、ガタ付き防止部材12とその付勢手段の構成のみが相違する。つまり、この第2実施形態では、ガタ付き防止部材12は、付勢手段が一体に形成されていない。付勢手段は、エスカッション5の部材収容室5aに収容され、ガタ付き防止部材12をハンドル本体4側に付勢するスプリング13にて構成されている。他の構成は、前記第1実施形態と同様であるため、図面の同一構成箇所に同一符号を付してその説明を省略する。
この第2実施形態においても、前記第1実施形態と同様の作用によって、ハンドル本体4の全ての回転位置でハンドル本体4のガタ付きを有効に防止でき、ガタ付きに起因する異音の発生等の不具合を確実に防止できる。
又、この第2実施形態では、付勢手段は、スプリング13であるので、安定した付勢力でガタ付き防止部材12を付勢でき、しかも、耐久性に優れた構造とすることができる。
尚、付勢手段は、前記各実施形態では弾性体の撓み復帰力やスプリングのスプリング力を利用したが、磁石の磁力を利用しても良い。
本発明の第1実施形態を示し、ドアハンドル装置の分解斜視図である。 本発明の第1実施形態を示し、ドアハンドル装置の要部平面図である。 本発明の第1実施形態を示し、図2のA−A線断面図である。 本発明の第1実施形態を示し、図2のB−B線断面図である。 本発明の第1実施形態を示し、(a)はガタ付き防止部材の平面図、(b)はガタ付き防止部材の側面図、(c)はガタ付き防止部材の正面図である。 本発明の第2実施形態を示し、ドアハンドル装置の要部平面図である。 本発明の第2実施形態を示し、図6のC−C線断面図である。 従来例のドアハンドル装置の断面図である。
符号の説明
1A,1B ドアハンドル装置
2 ドアパネル
3 ベース部材
4 ハンドル本体
4c 他端側端面
5 エスカッション
5a 部材収容室
5d 抜止孔(係合部)
10 ガタ付き防止部材
10a 抜止突起
11 弾性アーム部(付勢手段)
12 ガタ付き防止部材
13 スプリング(付勢手段)

Claims (4)

  1. ドアパネルの内面側に固定されたベース部材と、前記ドアパネルの外面側に配置され、前記ベース部材に一端側が回転自在に支持されたハンドル本体と、前記ハンドル本体の他端側に近接配置され、前記ベース部材に固定されたエスカッションとを備えたドアハンドル装置であって、
    前記エスカッションに前記ハンドル本体の他端側に向かって開口する部材収容室と、
    前記部材収容室内に配置される付勢手段と、
    前記部品収容室内に配置され、前記付勢手段の付勢力によって前記ハンドル本体の他端側端面に当接し、且つ他端側から前記一端側に向かって前記ハンドル本体を付勢保持するガタ付き防止部材とを備えたことを特徴とするドアハンドル装置。
  2. 請求項1記載のドアハンドル装置であって、
    前記付勢手段は、前記ガタ付き防止部材に一体に設けられた弾性アーム部であることを特徴とするドアハンドル装置。
  3. 請求項1記載のドアハンドル装置であって、
    前記付勢手段は、スプリングであることを特徴とするドアハンドル装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項記載のドアハンドル装置であって、
    前記ガタ付き防止部材と前記エスカッションにはいずれか一方に抜止突起が、他方に係合部がそれぞれ係合可能に設けられたことを特徴とするドアハンドル装置。
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