JP4714071B2 - 化粧料 - Google Patents
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Description
化粧料に配合されている老化防止素材は、過酸化脂質抑制剤と細胞賦活剤に大別される。
過酸化脂質抑制作用のある素材としては、α−ヒドロキシ酸、ビタミンA、β−カロチン、ビタミンB12、ビタミンE、また、プラルチン、プラトニンなどの色素類、オウゴン、ルチン、ゴマエキス、茶エキスなどがある。一方、細胞賦活剤としては、ムミネキス、グリコール酸、γ-アミノ酸、シアル酸、ローヤルゼリー、センブリエキス、トウヤク、高麗人参エキスなどが知られている。
コラーゲン合成を促進するものとしては、トランスフォーミンググロースファクター β1、プレートレットデライブドグロースファクター、ベーシックファイブロブラストグロースファクター、インシュリンライクグロースファクター1など各種グロースファクターおよびシルクプロテイン等が知られている。
ヒドロキシプロリン誘導体がマウス肝臓破砕物の酸素消費量を増加させることより、肌の弾力性を保つことのできる化粧品として利用できるとの報告があるが(特許文献1参照)、マウス肝臓破砕物の酸素消費量の増加と肌に対する効果との関係、および化粧品としての有効性に関するデータは一切示されておらず、該報告からヒドロキシプロリンの誘導体が化粧品として有効であると結論づけることはできない。
保湿効果を増強させる目的で、ムチン(特許文献2参照)、あるいは、グリシンベタインとピロリドンカルボン酸またはその塩(特許文献3参照)等にアミノ酸を添加した化粧品の報告がある。該報告において、アミノ酸の例としてヒドロキシプロリンがあげられているが、ヒドロキシプロリンの化粧品としての効果に関するデータは一切示されていない。
ヒドロキシプロリンおよびヒドロキシプロリンのN−アシル誘導体が表皮細胞の増殖を促進する活性、繊維芽細胞におけるコラーゲンの合成を促進する活性を有することは知られておらず、該活性を利用した化粧料は知られていない。
本発明の目的は、ヒドロキシプロリンもしくはヒドロキシプロリンのN−アシル誘導体またはその塩を有効成分とする肌の老化抑制剤および/または肌質改善剤を肌に塗布することからなる肌の老化抑制および/または肌質改善方法を提供することである。
本発明の目的は、肌の老化抑制剤および/または肌質改善剤を製造するためのヒドロキシプロリンもしくはヒドロキシプロリンのN−アシル誘導体またはその塩の使用を提供することである。
本発明の目的は、肌の老化抑制および/または肌質改善のためのヒドロキシプロリンもしくはヒドロキシプロリンのN−アシル誘導体またはその塩の使用を提供することである。
即ち、本発明は以下(1)〜(68)に関する。
(1) ヒドロキシプロリンもしくはヒドロキシプロリンのN−アシル誘導体またはその塩を有効成分とする肌の老化抑制剤および/または肌質改善剤。
(3) ヒドロキシプロリンのN−アシル誘導体が、N−アセチル化誘導体またはN−プロピオニル化誘導体である、上記(1)または(2)記載の肌の老化抑制剤および/または肌質改善剤。
(6) 微生物が、アミコラトプシス属、ダクチロスポランジウム属およびストレプトマイセス属から選ばれる属に属する微生物由来のプロリン3位水酸化酵素またはプロリン4位水酸化酵素遺伝子を導入された微生物である、上記(5)記載の肌の老化抑制剤および/または肌質改善剤。
(8) 肌の老化抑制剤および/または肌質改善剤が、繊維芽細胞のコラーゲン合成促進剤である上記(1)〜(6)のいずれかに記載の肌の老化抑制剤および/または肌質改善剤。
(10) 肌の老化抑制剤および/または肌質改善剤が、しわ形成抑制または改善剤である上記(1)〜(6)のいずれかに記載の肌の老化抑制剤および/または肌質改善剤。
(11) 肌がヒトの肌である上記(1)〜(10)のいずれかに記載の肌の老化抑制剤および/または肌質改善剤。
(13) ヒドロキシプロリンもしくはヒドロキシプロリンのN−アシル誘導体またはその塩が、N−アセチルヒドロキシプロリンまたはその塩である上記(12)記載の化粧料。
(15) ヒドロキシプロリンもしくはヒドロキシプロリンのN−アシル誘導体またはその塩を有効成分とする肌の老化抑制剤および/または肌質改善剤を肌に塗布することからなる肌の老化抑制および/または肌質改善方法。
(17) ヒドロキシプロリンのN−アシル誘導体が、N−アセチル化誘導体またはN−プロピオニル化誘導体である、上記(15)または(16)記載の肌の老化抑制および/または肌質改善方法。
(20) 微生物が、アミコラトプシス属、ダクチロスポランジウム属およびストレプトマイセス属から選ばれる属に属する微生物由来のプロリン3位水酸化酵素またはプロリン4位水酸化酵素遺伝子を導入された微生物である、上記(19)記載の肌の老化抑制および/または肌質改善方法。
(22) 肌の老化抑制および/または肌質改善方法が、繊維芽細胞のコラーゲン合成促進方法である上記(15)〜(20)のいずれかに記載の肌の老化抑制および/または肌質改善方法。
(24) 肌の老化抑制および/または肌質改善方法が、しわ形成抑制または改善方法である上記(15)〜(20)のいずれかに記載の肌の老化抑制および/または肌質改善方法。
(26) ヒドロキシプロリンもしくはヒドロキシプロリンのN−アシル誘導体またはその塩を含有する肌の老化抑制および/または肌質改善用化粧料を肌に塗布することからなる肌の老化抑制および/または肌質改善方法。
(28) ヒドロキシプロリンのN−アシル誘導体が、N−アセチル化誘導体またはN−プロピオニル化誘導体である、上記(26)または(27)記載の肌の老化抑制および/または肌質改善方法。
(31) 微生物が、アミコラトプシス属、ダクチロスポランジウム属およびストレプトマイセス属から選ばれる属に属する微生物由来のプロリン3位水酸化酵素またはプロリン4位水酸化酵素遺伝子を導入された微生物である、上記(30)記載の肌の老化抑制および/または肌質改善方法。
(33) 肌の老化抑制および/または肌質改善方法が、繊維芽細胞のコラーゲン合成促進方法である上記(26)〜(31)のいずれかに記載の肌の老化抑制および/または肌質改善方法。
(35) 肌の老化抑制および/または肌質改善方法が、しわ形成抑制または改善方法である上記(26)〜(31)のいずれかに記載の肌の老化抑制および/または肌質改善方法。
(37) 肌の老化抑制剤および/または肌質改善剤を製造するためのヒドロキシプロリンもしくはヒドロキシプロリンのN−アシル誘導体またはその塩の使用。
(38) 肌の老化抑制剤および/または肌質改善剤中にヒドロキシプロリンまたはヒドロキシプロリンのN−アシル誘導体を0.01〜5重量%含有する上記(37)記載の使用。
(40) ヒドロキシプロリンが、シス−4−ヒドロキシ−L−プロリン、シス−4−ヒドロキシ−D−プロリン、シス−3−ヒドロキシ−L−プロリン、シス−3−ヒドロキシ−D−プロリン、トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリン、トランス−4−ヒドロキシ−D−プロリン、トランス−3−ヒドロキシ−L−プロリンおよびトランス−3−ヒドロキシ−D−プロリンからなる群より選ばれるヒドロキシプロリンである、上記(37)〜(39)のいずれかに記載の使用。
(42) 微生物が、アミコラトプシス属、ダクチロスポランジウム属およびストレプトマイセス属から選ばれる属に属する微生物由来のプロリン3位水酸化酵素またはプロリン4位水酸化酵素遺伝子を導入された微生物である、上記(41)記載の使用。
(44) 肌の老化抑制剤および/または肌質改善剤が、繊維芽細胞のコラーゲン合成促進剤である上記(37)〜(42)のいずれかに記載の使用。
(45) 肌の老化抑制剤および/または肌質改善剤が、表皮の水分保持機能向上剤である上記(37)〜(42)のいずれかに記載の使用。
(47) 肌がヒトの肌である上記(37)〜(46)のいずれかに記載の使用。
(48) 肌の老化抑制および/または肌質改善用化粧料を製造するためのヒドロキシプロリンもしくはヒドロキシプロリンのN−アシル誘導体またはその塩の使用。
(50) ヒドロキシプロリンのN−アシル誘導体が、N−アセチル化誘導体またはN−プロピオニル化誘導体である、上記(48)または(49)記載の使用。
(53) 微生物が、アミコラトプシス属、ダクチロスポランジウム属およびストレプトマイセス属から選ばれる属に属する微生物由来のプロリン3位水酸化酵素またはプロリン4位水酸化酵素遺伝子を導入された微生物である、上記(52)記載の使用。
(55) 肌の老化抑制および/または肌質改善が、繊維芽細胞のコラーゲン合成促進である上記(48)〜(53)のいずれかに記載の使用。
(56) 肌の老化抑制および/または肌質改善が、表皮の水分保持機能向上である上記(48)〜(53)のいずれかに記載の使用。
(58) 肌がヒトの肌である上記(48)〜(57)のいずれかに記載の使用。
(59) 肌の老化抑制および/または肌質改善のためのヒドロキシプロリンもしくはヒドロキシプロリンのN−アシル誘導体またはその塩の使用。
(61) ヒドロキシプロリンが、シス−4−ヒドロキシ−L−プロリン、シス−4−ヒドロキシ−D−プロリン、シス−3−ヒドロキシ−L−プロリン、シス−3−ヒドロキシ−D−プロリン、トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリン、トランス−4−ヒドロキシ−D−プロリン、トランス−3−ヒドロキシ−L−プロリンおよびトランス−3−ヒドロキシ−D−プロリンからなる群より選ばれるヒドロキシプロリンである、上記(59)または(60)に記載の使用。
(63) 微生物が、アミコラトプシス属、ダクチロスポランジウム属およびストレプトマイセス属から選ばれる属に属する微生物由来のプロリン3位水酸化酵素またはプロリン4位水酸化酵素遺伝子を導入された微生物である、上記(62)記載の使用。
(65) 肌の老化抑制剤および/または肌質改善剤が、繊維芽細胞のコラーゲン合成促進剤である上記(59)〜(63)のいずれかに記載の使用。
(66) 肌の老化抑制剤および/または肌質改善剤が、表皮の水分保持機能向上剤である上記(59)〜(63)のいずれかに記載の使用。
(68) 肌がヒトの肌である上記(59)〜(67)のいずれかに記載の使用。
本発明によれば、肌の老化抑制剤および/または肌質改善剤からなる肌の老化抑制および/または肌質改善用化粧料を提供することができる。
本発明によれば、ヒドロキシプロリンもしくはヒドロキシプロリンのN−アシル誘導体またはその塩を有効成分とする肌の老化抑制剤および/または肌質改善剤を肌に塗布することからなる肌の老化抑制および/または肌質改善方法を提供することができる。
本発明によれば、肌の老化抑制剤および/または肌質改善剤を製造するためのヒドロキシプロリンもしくはヒドロキシプロリンのN−アシル誘導体またはその塩の使用を提供することができる。
本発明によれば、肌の老化抑制および/または肌質改善のためのヒドロキシプロリンもしくはヒドロキシプロリンのN−アシル誘導体またはその塩の使用を提供することができる。
本発明に使用するヒドロキシプロリンは、プロリンがD体かL体か、また水酸基の位置が3位か4位か、およびその立体異性体がシスかトランスかによって、8種類の立体異性体があるが、いずれでも用いうる。具体的なヒドロキシプロリンとしては、シス−4−ヒドロキシ−L−プロリン、シス−4−ヒドロキシ−D−プロリン、シス−3−ヒドロキシ−L−プロリン、シス−3−ヒドロキシ−D−プロリン、トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリン、トランス−4−ヒドロキシ−D−プロリン、トランス−3−ヒドロキシ−L−プロリンおよびトランス−3−ヒドロキシ−D−プロリンがあげられる。
トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンは、アミコラトプシス(Amycolatopsis)属またはダクチロスポランジウム(Dactylosporangium)属より単離したプロリン4位水酸化酵素(特開平7−313179号公報)を用い製造することができる。またシス−3−ヒドロキシ−L−プロリンは、ストレプトマイセス(Streptomyces)属より単離したプロリン3位水酸化酵素(特開平7−322885号公報)を用い製造することができる〔バイオインダストリー, 14, 31 (1997)〕。
本発明で用いるヒドロキシプロリンのN−アシル誘導体としては、上述の各種ヒドロキシプロリンの立体異性体のN−アシル誘導体があげられる。該N−アシル誘導体のアシル基としては、特に制限がないが、好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜6のアシル基があげられ、具体的にはホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ノナノイル、デカノイル、ウンデカノイル、ドデカノイル等をあげることができる。
酸ハロゲン化物を経由するヒドロキシプロリンのN−アシル誘導体の製造方法を、以下に例示する。
精製は、例えば結晶化、クロマトグラフィー等の通常の方法が用いられる。
本発明の肌の老化抑制剤および/または肌質改善剤およびそれを含有する肌の老化抑制および/または肌質改善用化粧料において、シス/トランス−4−ヒドロキシ−L/D−プロリン、シス/トランス−3−ヒドロキシ−L/D−プロリン、もしくはこれらのN−アシル誘導体またはその塩を、単独または混合して用いることができる。
本発明の肌の老化抑制剤および/または肌質改善剤並びに肌の老化抑制剤および/または肌質改善剤からなる肌の老化抑制および/または肌質改善用化粧料には、上記必須成分に加え、必要に応じて通常化粧料に配合される成分を含有してもよい。
液体油としては、例えばアボガド油、オリーブ油、ホホバ油等の植物油;オレイン酸、イソステアリン酸等の脂肪酸;へキサデシルアルコール、オレイルアルコール等のアルコール類;2−エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸−2−オクチルドデシル、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセロール、オレイン酸−2−オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、トリイソステアリン酸グリセロール、2−エチルヘキサン酸ジグリセリド、長鎖アシルグルタミン酸オクチルドデシルエステル等のエステル油;ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等のシリコン油等;流動パラフィン、スクワレン、スクワラン等の液状炭化水素油等をあげることができる。
脂溶性保湿剤としては、例えば、リゾレシチン、レシチン、コレステロール、コレステロールエステル、スフィンゴ脂質、セラミド等をあげることができる。
低分子保湿剤としては、セリン、グルタミン、ソルビトール、マンニトール、グリセリン、ピロリドン−カルボン酸ナトリウム、1、3−ブチレングリコール、プロビレングリコール、乳酸、乳酸塩等をあげることができる。
エモリエント剤としては、例えば長鎖アシルグルタミン酸コレステリルエステル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸、ロジン酸、ラノリン脂肪酸コレステリルエステル等をあげることができる。
有機および無機顔料としては、例えばケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、セリサイト、マイカ、カオリン、ベンカラ、クレー、ベントナイト、チタン被膜雲母、オキシ塩化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化鉄、群青、酸化クロム、水酸化クロム、カラミンおよびカーボンブラックおよびこれらの複合体等の無機粉体;ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、シルクパウダー、セルロース、CIピグメントイエロー、CIビグメントオレンジ等の有機粉体;およびこれらの無機粉体と有機粉体の複合粉体等をあげることができる。
肌柔軟剤としては、流動パラフィン、ワセリン、オリーブ油、スクワラン、ラノリン、合成エステル油等をあげることができる。
上記いずれの成分も、本発明の目的、効果を損なわない範囲内で配合可能であるが、好ましくは0.01〜5重量%であり、特に好ましくは0.01〜3重量%である。
また、本発明における該肌の老化抑制剤および/または肌質改善剤からなる肌の老化抑制および/または肌質改善用化粧料には、洗顔クリーム、洗顔フォーム、クレンジングクリーム、クレンジングミルク、クレンジングローション、マッサージクリーム、コールドクリーム、モイスチャークリーム、乳液、化粧水、パック、アフターシェービングクリーム、日焼け止めクリーム、日焼け用オイル、ボディシャンプー、ヘアシヤンプー、ヘアリンス、ヘアートリートメント、養毛料、育毛料、チック、ヘアクリーム、ヘアリキツド、セットローション、ヘアスプレー、ヘアダイ、ヘアブリーチ、カラーリンス、カラースプレー、パーマネントウェーブ液、プレスパウダー、ルースパウダー、アイシヤドー、ハンドクリーム等が含まれる。
本発明の肌の老化抑制剤および/または肌質改善剤並びに該肌の老化抑制剤および/または肌質改善剤からなる肌の老化抑制および/または肌質改善用化粧料の使用方法は年齢、個人、使用する部位により異なるが、ヒドロキシプロリンもしくはヒドロキシプロリンのN−アシル誘導体またはその塩を有する化粧料の濃度が0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜5重量%、特に好ましくは0.5〜3重量%であるものを0.1〜5μl、好ましくは1〜5μl、特に好ましくは2μlを1日1回〜数回、肌に塗布することが望ましいがこれに限定されるものではない。
精製水にトランス−4−ヒドロキシ−L−プロリン(以下、Hypと略すこともある、協和発酵工業社製) 0.5重量%、メチルパラベン 0.1重量%およびグリセロール 0.17重量%添加し、混合融解することによりHyp含有化粧料(化粧料1)を調製した。
精製水にHyp 3重量%、メチルパラベン 0.1重量%およびグリセロール 0.17重量%添加し、混合融解することによりHyp含有化粧料(化粧料2)を調製した。
精製水にN−アセチル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリン(以下、N-Acetyl-Hypと略すこともある、協和発酵工業社製) 3重量%、メチルパラベン 0.1重量%およびグリセロール 0.17重量%添加し、混合融解することによりN-Acetyl-Hyp含有化粧料(化粧料3)を調製した。
精製水にコラーゲン(コラーゲンCLR、寿ケミカル) 1重量%、メチルパラベン 0.1重量%およびグリセロール 0.17重量%添加し、混合融解することによりコラーゲン含有化粧料(化粧料4)を調製した。
精製水にHyp 0.5重量%、レシチン〔SLP−ホワイトH、ツルーレシチン工業社製〕 0.05重量%、ヒアルロン酸(ヒアルロン酸LP、協和発酵工業社製) 0.01重量%、メチルパラベン 0.1重量%およびグリセロール 0.17重量%添加し、混合融解することによりHypおよびレシチン含有化粧料(化粧料5)を調製した。
精製水にHyp 3重量%、リゾレシチン〔リゾレシチン協和、協和発酵工業社製〕 0.05重量%、ヒアルロン酸(ヒアルロン酸LP、協和発酵工業社製) 0.01重量%、メチルパラベン 0.1重量%およびグリセロール 0.17重量%添加し、混合融解することによりHypおよびレシチン含有化粧料(化粧料6)を調製した。
精製水にHyp 3重量%、レシチン〔PC92H、ツルーレシチン工業社製〕 0.05重量%、ヒアルロン酸(ヒアルロン酸LP、協和発酵工業社製) 0.01重量%、メチルパラベン 0.1重量%およびグリセロール 0. 17重量%添加し、混合融解することによりHypおよびレシチン含有化粧料(化粧料7)を調製した。
精製水にHyp 3重量%、レシチン(SLP−ホワイトH、ツルーレシチン工業社製) 0.05重量%、ヒアルロン酸(ヒアルロン酸LP、協和発酵工業社製) 0.01重量%、メチルパラベン 0.1重量%およびグリセロール 0.17重量%添加し、混合融解することによりHypおよびレシチン含有化粧料(化粧料8)を調製した。
以上、実施例1〜8で調製した化粧料の組成を第1表にまとめて示す。
合成コラーゲンの測定は、「コラーゲン実験法」(永井ら著、講談社サイエンティフィク)に準じ、以下の方法で行った。
ヒト新生児由来繊維芽細胞(三光純薬社製)を、10%牛胎児血清を添加したDMEM培地〔Virology, 8, 396 (1959)〕を用い、37℃、5%CO2の条件で定常期まで培養した後、3H標識グリシンと被験物質を添加し、さらに72時間培養した。なお、DMEM培地としては、日水製薬社製の『ダルベッコ変法イーグル培地「ニッスイ」2』にグルタミン 4mmol/L、炭酸水素ナトリウム 適量、HEPES 10mmol/L、ペニシリンGカリウム 50U/ml、ストレプトマイシン 50μg/ml、牛胎児血清 10%となるように添加したものを用いた。
該抽出液に100μmol/L ウシ血清アルブミン(BSA)および10% トリクロル酢酸(TCA)を添加した後、3000rpmで5分間遠心分離し、沈殿物を回収した。
得られたタンパク質溶液100μlに、25mmol/L 塩化カルシウム10μmol/L、62.5mmol/L N−エチルマレイミド20μmol/L、コラゲナーゼ(和光純薬工業社製;コラーゲン分析用) 20unitを加え、37℃で90分間反応を行った。
相対コラーゲン合成促進活性(コラーゲン合成の変化)は、コントロールに対する被験物質のコラーゲン合成比の相対値として、下記、式2に従って算出した。
Hyp、N-Acetyl-Hypのいずれにもコラーゲンの合成促進活性が認められた。
ヒト表皮細胞の増殖活性の測定は、〔3-(4,5-dimethylthiazol-2-yl)-2,5-diphenyl tetrazolium bromide〕(MTT)を細胞に取り込ませて、生成されるMTTフォルマザン(MTT formazan)量を570nm(リファレンス=650nm)の波長で比色定量するMTT法(細胞培養III、4477-4482, (1984) )に準じて行った。
Hyp、N-Acetyl-Hypのいずれにも表皮細胞増殖活性が認められた。Hypにおいては濃度依存的な増殖活性が認められた。
3日令C3Hマウスより、谷垣らの方法〔日皮会誌、1145-1152(1989)〕に準じて表皮細胞を剥離した。
該表皮細胞を0.25%トリプシンで処理した後、1500rpmで5分間遠心分離し、細胞を取得した。該細胞を10%牛胎児血清を添加したDMEM培地に播種し、37℃で1日培養しマウス表皮細胞を調製した。
Hyp、N-Acetyl-Hypのいずれにも表皮増殖活性が認められた。
実施例1〜8で調製した化粧料(1)〜(8)の肌質改善効果を見るため、連用による水分維持機能の変化を調べた。
(試験方法)
23〜28才の健常な女性4名をパネラーとし、毎日、朝・夕2回、3週間または2ヶ月にわたって、前腕屈曲部の被検部位に被検化粧料を2μl/cm2ずつ塗布した。
(評価方法)
経時的に、朝の塗布前の被検部位の水分含量を測定した。測定機器は、SKICON-200〔アイ・ビー・エス社製〕を用い、プローブを被検部位に垂直にあてて肌伝導度(=水分含量)を測定した。
Hyp、N-Acetyl-Hypいずれも、連用することにより肌の水分含量が増加し水分維持機能の改善が認められた。またN-Acetyl-Hypはコラーゲンを上回る改善効果を有していた。
N-Acetyl-Hypの水分維持効果について単回処理による濃度依存性を評価した。
(試験方法)
23〜32才の健常な女性12名をパネルとし、前腕屈曲部の被検部位の水分含量を測定した後、被験物質を2μl/cm2ずつ塗布し放置した。
結果を第6表に示した。N-Acetyl-Hypは単回処理でも濃度依存的な水分維持効果を示した。
実施例12の実施時に、パネラーの被験部位のシリコンレプリカ〔商品名「スキンキャスト」使用、山田粧業社製〕を作製し、下記基準により肌状態のスコアを求め肌質改善効果を評価した。
肌状態スコア:
スコア1:肌の皮溝が不鮮明であり、はがれた角質が認められる。
スコア3:肌の皮溝は認められるが、浅いかまたは一方向性が強い。
スコア4:肌の皮溝が認められるかまたはやや網目状である。
スコア5:肌の皮溝がはっきり認められるかまたはきれいな網目状である。
結果を第7表に示した。精製水塗布部位に比べ、化粧料(1)〜(5)のスコアは0.4〜2.1上昇しており、明らかに肌質の改善が見られた。即ち、きめ細かな肌となり、しわ形成の抑制もしくは改善効果が認められた。また、レシチンを配合した化粧料(5)は、配合していない化粧料(1)に比べスコアが高く、使用感も高まる結果が得られた。
Claims (12)
- N−アセチル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンまたはその塩を有効成分とするヒト表皮細胞の増殖促進剤。
- N−アセチル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンを全重量に対し0.01〜5重量%含有することを特徴とする、請求項1記載のヒト表皮細胞の増殖促進剤。
- トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンが、微生物により生産されたトランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンである、請求項1または2のいずれかに記載のヒト表皮細胞の増殖促進剤。
- 微生物が、アミコラトプシス属、ダクチロスポランジウム属およびストレプトマイセス属から選ばれる属に属する微生物由来のプロリン4位水酸化酵素遺伝子を導入された微生物である、請求項3記載のヒト表皮細胞の増殖促進剤。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のヒト表皮細胞の増殖促進剤を含有するヒト表皮細胞の増殖促進用化粧料。
- 化粧料にレシチン、リゾレシチンおよびヒアルロン酸からなる群より選ばれる一種又は二種以上の成分を含有する請求項5記載の化粧料。
- N−アセチル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンまたはその塩を有効成分とするヒト肌繊維芽細胞のコラーゲン合成促進剤。
- N−アセチル−トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンを全重量に対し0.01〜5重量%含有することを特徴とする、請求項7記載のヒト肌繊維芽細胞のコラーゲン合成促進剤。
- トランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンが、微生物により生産されたトランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンである、請求項7または8のいずれかに記載のヒト肌繊維芽細胞のコラーゲン合成促進剤。
- 微生物が、アミコラトプシス属、ダクチロスポランジウム属およびストレプトマイセス属から選ばれる属に属する微生物由来のプロリン4位水酸化酵素遺伝子を導入された微生物である、請求項9記載のヒト肌繊維芽細胞のコラーゲン合成促進剤。
- 請求項7〜10のいずれかに記載のヒト肌繊維芽細胞のコラーゲン合成促進剤を含有するヒト肌繊維芽細胞のコラーゲン合成促進用化粧料。
- 化粧料にレシチン、リゾレシチンおよびヒアルロン酸からなる群より選ばれる一種又は二種以上の成分を含有する請求項11記載の化粧料。
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