JP4714007B2 - 静電荷像現像用トナー、画像形成方法及び画像形成装置用プロセスカートリッジ - Google Patents

静電荷像現像用トナー、画像形成方法及び画像形成装置用プロセスカートリッジ Download PDF

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本発明は、電子写真や静電記録、静電印刷などにおいて、像担持体表面に形成された静電荷像を顕像化する静電荷像現像用トナー、及びこのトナーを用いた現像剤、画像形成方法、画像形成装置用プロセスカートリッジに関する。
電子写真法による画像形成は、一般には光導電性物質を用いて作製された感光体に種々の手段により電気的潜像を形成し、次いで該潜像を現像剤を用いて現像した後、この現像剤による像を必要に応じて紙等に転写し、さらに加熱、加圧あるいは溶剤蒸気等によって定着して行われるものである。フルカラー画像形成の場合は、黒、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナーを用いて得ている。
黒色トナーにおいては、着色剤としてカーボンブラックが一般に用いられているが、近年ではカーボンブラックに変わる着色剤として、黒色金属化合物微粉末を用いる試みが提案されている(例えば、特許文献1〜10参照。)。例えば、特許文献1では平均粒径0.1〜0.5μmのFe2TiO5とFe23−FeTiO3固溶体との混合物が、特許文献2〜4ではFeOを25〜30%含有した磁性酸化鉄が、特許文献5、6では残留磁化6emu/g以下のマグネタイトが、特許文献7には内部にTi、表面にTiとFeからなる酸化鉄粒子が、特許文献8では飽和磁化0.5〜10emu/g、粒径0.1〜0.4μm、Fe2TiO4で被覆されたルチル型TiO2混合相結晶が、特許文献9では飽和磁化30emu/g以下、誘電損率50以下の金属化合物が、特許文献10では飽和磁化40emu/g以下、含有量20重量部以下の金属化合物が考案されている。
特許第2736680号公報 特許第3101782号公報 特許第3108823号公報 特許第3174960号公報 特許第3224774号公報 特許第3261088号公報 特開2000−319021号公報 特開2002−129063号公報 特開2002−189313号公報 特開2002−196528号公報
上記従来技術において、着色剤として安全性が高く、流動性のよい黒色金属化合物を用いることで、カーボンブラックに比べて熱伝導率が高くなり、より低温定着化が可能となり、またカーボンブラックに比べて比重が高いため、現像剤中でのキャリアとの混合が容易になる等の利点が得られたが、粉砕法により作製されたトナーにおいては、金属化合物の分散性が不充分で、優れた性能を十分に発揮できていないという問題があった。
このような問題に対して、本発明者らは、鋭意検討の結果、分散安定剤を含有する水系分散媒体中で、少なくとも重合性単量体と着色剤とを含有する重合性単量体組成物を懸濁させ、重合開始剤を用いて重合することにより得られる重合トナーにおける着色剤として、チタンを含有する黒色酸化鉄化合物の使用が極めて効果的であることを見い出した。
本発明は、このような知見に基づいてなされたもので、トナー中での着色剤の分散性がよく、地汚れの少ない、精彩性の高い画像を得ることができる静電荷像現像用トナーを提供することを目的とする。
また、本発明は、この静電荷像現像用トナーを用いることで精彩性の高い画像を得ることができる画像形成方法及び画像形成装置用プロセスカートリッジを提供すること目的とする。
すなわち、請求項1の発明は、少なくとも重合性単量体と黒色着色剤とを含有する重合性単量体組成物を水系分散媒体中で懸濁させ、重合開始剤を用いて重合することにより得られる静電荷像現像用トナーにおいて、前記重合性単量体は、スチレンとメチルメタクリレートとを含み、前記重合開始剤は、ラウロイルパーオキシドを含み、前記黒色着色剤として、飽和磁化が0.1〜50emu/g、表色系のL*値が9〜15、a*及びb*がいずれも−1.0〜+1.0の範囲にある、チタンを含有する黒色酸化鉄化合物を15〜35重量%含有し、該黒色酸化鉄化合物は、真比重が4.0〜5.0g/cm 3 であり、当該静電荷像現像用トナーの円形度が、0.96〜1.00であることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の静電荷像現像用トナーにおいて、黒色酸化鉄化合物が、チタン成分をTi原子換算でFe原子に対して10〜45重量%含有することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2の静電荷像現像用トナーにおいて、黒色酸化鉄化合物の比表面積が1.3〜80m2/gであることを特徴とする。
る。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項の静電荷像現像用トナーにおいて、黒色酸化鉄化合物の平均一次粒径が0.05〜2.0μmであることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項の静電荷像現像用トナーにおいて、トナー粒子の体積平均粒径が3〜8μmであり、体積平均粒径/個数平均粒径で表される粒径比が1.0〜1.5であることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれか1項の静電荷像現像用トナーにおいて、離型剤としてワックスを含有することを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1ないし6のいずれか1項の静電荷像現像用トナーにおいて、帯電制御剤を含有することを特徴とする。
請求項8の発明は、一成分現像剤が請求項1ないし7のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーからなることを特徴とする。
請求項9の発明は、二成分現像剤が請求項1ないし7のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーとキャリアからなることを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーが充填されたトナー容器である。
請求項11の発明は、画像形成方法において、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを用いることを特徴とする。
請求項12の発明は、少なくとも像担持体及び現像手段を具備してなる画像形成装置用プロセスカートリッジにおいて、現像手段に請求項8又は9に記載の現像剤が収納されていることを特徴とする。
本発明によれば、トナー中での該黒色酸化鉄化合物の分散性が良好で、粉砕トナーに比べ均一に微分散が可能であることから、高画像濃度化及び低温定着化が可能で、帯電不良、地汚れ、トナー飛散のない静電荷像現像用トナーが得られる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
<黒色酸化鉄化合物>
静電荷像現像用トナーにおいて、黒色着色剤として黒色酸化鉄化合物を用いることで、導電性付与効果の高いカーボンブラックの含有量を低減、あるいはゼロにすることができる。
その結果、トナーの低抵抗化や電荷保持能力の低下により、帯電性の低下や逆帯電トナーや弱帯電トナーの存在量が多くなることによっておこる、非画像部の地肌汚れやトナー飛散の発生という問題が生じにくくなる。
黒色酸化鉄化合物の飽和磁化値は、50.0emu/g以下であることが好ましい。飽和磁化値を50emu/g以下とすることにより、トナーの飽和磁化をごく小さいものとすることができ、非磁性トナーとして使用した場合に、一成分現像剤の現像剤担持体や二成分現像剤のキャリアへの、磁気束縛力増加による現像性の低下の問題が生じないからである。
なお、磁気特性は、理研電子(株)製の磁化測定装置BHU−60を用いて測定することができ、具体的には、内径7mmΦ、高さ10mmのセルに充填したトナーに、磁界を10kOeまで掃引した際の履歴曲線から、飽和磁化、残留磁化及び保磁力をそれぞれ求めた。
黒色酸化鉄化合物の黒色度を表す指標として、CIE1976(L、a、b)均等知覚色空間いわゆるL表色系の明度L値が9〜20、a及びbがいずれも−2.0〜3.0の範囲内にあることが好ましい。
特に、L値が15以下、a及びbがいずれも−1.0〜1.0の範囲内にあるものが、充分な着色度を得やすくより好ましい。
値、a値及びb値は、測定用試料片を作製し、X−Rite938を用いて測定した。具体的な測定用試料片としては、黒色酸化鉄粉末0.5gとヒマシ油1.0ccをフーバー式マーラーで練ってペースト状とし、このペーストにクリヤラッカー4.5gを加えて混練し塗料化した後、キャストコート紙上に6milのアプリケーターを用いて塗布することにより作製した。
本発明においては、チタンを含有する黒色酸化鉄化合物が、黒色金属材料の中でもPRTR(環境汚染物質排出移動登録)対象物質を使わないことから、環境への影響を考えると好ましいことも着眼した。
この化合物の構造としては、Fe23−FeTiO3固溶体を含有する多結晶粒子粉末であることが、黒色でありかつ非磁性であるという点から好ましい。この化合物中のチタン化合物の量は、チタン成分をTi原子換算でFe原子に対して10〜45重量の範囲が好ましい。10重量%未満の場合には、得られる黒色顔料粒子粉末の磁化値が大きくなる。45重量%を超える場合には非磁性の黒色顔料粒子粉末が得られるが、TiO2の生成量が多くなるためL値が高くなる。
Ti原子換算でFe原子に対する比率は、波長分散型蛍光X線分析装置を使用し、得られたメインピークを1モルあたりに換算し、その比率により求めることができる。
波長分散型蛍光X線分析方法は、理学電機製RIX3000を使用し、分光結晶LiF、出力50kV、電流50mA、ターゲットRh、測定範囲30mmΦ、の条件にて、試料を32mmΦのアルミリングに加圧成型して測定を行う。
黒色酸化鉄化合物の比表面積は1.3〜80m2/gの範囲であることが好ましい。
さらに、トナー中での分散性の観点から1.5〜30m2/gの範囲にあることがより好ましい。80m2/gを超える場合には、含有量によるが、金属材料がフィラーとして作用し、低温定着性に寄与しにくい。1.3m2/g未満の場合には、着色性が不充分となる。
BET法により測定された単位重量あたりの比表面積Sb(m2/g)とトナーを真球と仮定した際の重量平均粒径から算出した単位重量あたりの比表面積がSt(m2/g)の比Sb/Stで表わす。
上記のBET値比表面積は、窒素吸着法の多点法で測定され、具体的にはユアサアイオニクス(株)製高速比表面積・細孔分布測定装置NOVA1200多点法で測定される。
条件的には
吸着ガス:チッソガス(99.995以上)
冷媒:液体チッソ
使用セル:9mmペレットショート(大)
前処理条件:30℃12時間(真空排気)
測定ポイント:相対圧力(P/PO)=0.1〜0.3の3ポイント
で測定される。
黒色酸化鉄化合物の真比重は4.0〜5.0g/cm3であることが好ましい。
この範囲の金属材料を使用することにより、トナーの真比重を適度に高くし、トナーとキャリアとの撹拌において比重差を小さくすることができ、トナーとキャリアの撹拌効率に優れる。
黒色酸化鉄化合物の真比重は、空気比較式比重計930型(ベックマン社)ですることができる。
測定においては、約5gの試料を小数点4桁gまで精評し、当該測定器を用いて2気圧条件下で真容積を求め、試料重量を真容積で除することで真比重を求める。
上記黒色酸化鉄化合物の含有量は、15〜35重量%とすることが好ましい。
含有量を15重量%未満とすると、トナーの着色度が不足してしまい、他方、35重量%を超えると、樹脂成分の不足による低温定着性の悪化、黒色金属材料の凝集によるトナー体積固有抵抗の低下とこれに起因するトナー帯電不良、地汚れ、トナー飛散が顕著に現われるようになる。
黒色酸化鉄化合物の平均1次粒子径は、0.05〜2.0μmの範囲が好ましく、トナー中での分散性の観点から0.1〜0.5μm範囲にあることが特に好ましい。
黒色酸化鉄化合物の平均1次粒子径は、以下の方法で測定する。
黒色酸化鉄化合物をカーボンテープに採取し、Pt−Pdをコーティングし、その後、日立走査型電子顕微鏡H−9000等による電子顕微鏡を使用し、加速電圧10kvにて15000倍に拡大したSEM像を撮影する。
この画像を(株)ニレコ社製ルーゼックス画像解析装置にとりこみ、50個以上の黒色酸化鉄化合物の写真から平均1次粒子径を算出する。
本発明の静電荷像現像用トナーに含有されている黒色酸化鉄化合物は、例えば、粒子表面をチタン化合物で被覆したマグネタイト粒子粉末、マグネタイト粒子粉末とチタン化合物との混合粉末又は粒子表面をチタン化合物で被覆したヘマタイト粒子粉末を還元し、得られた還元粉末のそれぞれを非酸化性雰囲気下700℃以上の温度で加熱焼成した後粉砕する方法によって得られる。
粒子表面をチタン化合物で被覆したマグネタイト粒子粉末を原料として用いる場合には、磁化値が小さい粒子が得られやすく非磁性という点から好ましい方法である。
マグネタイト粒子粉末、ヘマタイト粒子粉末としては、粒状、球状、針状等、いかなる形態の粒子でもよく、また、大きさは0.03〜1.5μm程度の粒子を使用できる。原料粒子のサイズと生成物粒子のサイズとは相関があり、小さいサイズの原料粒子を用いると小さいサイズの生成物粒子が、大きいサイズの原料粒子を用いると大きいサイズの生成物粒子が得られる傾向にある。
チタン化合物としては、チタンの含水酸化物、水酸化物、酸化物のいずれも使用できる。マグネタイト粒子粉末と混合する場合には、水溶性のチタン化合物を用いるのが好ましい。チタン化合物の量は、チタン成分をTi原子換算でFe原子に対して10〜45重量の範囲が好ましい。10重量%未満の場合には、得られる黒色顔料粒子粉末の磁化値が大きくなる。45重量%を超える場合には非磁性の黒色顔料粒子粉末が得られるが、TiO2の生成量が多くなるためL値が高くなる。
非酸化性雰囲気としては、N2ガス等を用いることができる。雰囲気が酸化性である場合には、目的とする黒色酸化鉄化合物を得ることができない。加熱焼成温度は、700℃以上であることが必要である。700℃未満である場合には、酸化鉄とチタン化合物の固相反応が十分生起せず、目的とする黒色顔料粒子粉末が得られない。粉砕は通常用いられるボールミル、アトライター、振動ミル等の粉砕機を用いて行うことができる。
上記方法において、必要により加熱焼成前にあらかじめ周知の焼結防止剤で原料粒子を被覆しておいてもよい。この場合には、加熱焼成時における粒子及び粒子相互間の焼結を防止することができ、分散性に優れた黒色顔料粒子粉末を得ることができる。
本発明の目的とする黒色顔料粒子粉末の諸特性を損なわない焼結防止剤としては、Al、Ti、Si、Zr及びPから選ばれた元素の1種又は2種以上からなる化合物を用いることができる。焼結防止剤の量はFe及びTiに対して0.1〜15.0原子%である。十分な焼結防止効果を得る為には0.1原子%以上であることが好ましく、15.0原子%を超える場合には、生成する黒色顔料粒子粉末中にマグネタイトが混在し、非磁性の黒色酸化鉄化合物を得ることが困難となる。
さらに黒色度を高めるため、黒色染顔料、青色染顔料をメカノミル(岡田精工社製)又はメカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン社製)を用いて黒色顔料粒子表面に固定させることが好ましい。
黒色染顔料としては、鉄黒、アニリンブラック、グラファイト、フラーレン等が、青色染顔料としてはコバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
<重合性単量体>
本発明で使用する重合性単量体としては、ビニル基を有する単量体が好ましい。重合性単量体の具体例としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル単量体類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の不飽和(メタ)アクリル酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸などのアクリル酸類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のエチレン性不飽和モノオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、メチルイソプロオペニルケトン等のビニルケトン類;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン等の含窒素ビニル化合物;ブタジエン、イソプレン等の共役ジオレフィン類等を挙げることができる。これらの重合性単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。なお、単量体中には、重合禁止剤を共存させてもさせなくてもよい。
これらのビニル系単量体と共に、架橋性単量体、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体などの芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートなどのジ−またはトリ−エチレン性不飽和カルボン酸エステル;N,N−ジビニルアミリン、ジビニルエーテル、ジビニルサルファイド、ジビニルスルホンなどのジビニル化合物、及び3個以上のビニル基を有する化合物を1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの架橋性単量体は、重合開始前、あるいは、重合の途中で添加することができ、全単量体中、通常、0〜20重量%、好ましくは0.1〜5重量部の割合で用いられる。
<分子量調整剤>
分子量調整剤としては、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタンなどのメルカプタン類;四塩化炭素、四臭化炭素などのハロゲン化炭化水素類を例示することができる。これらの分子量調整剤は、重合開始前、あるいは、重合の途中で反応系に添加することができる。上記分子量調整剤は、重合性単量体100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部用いる。
<帯電制御剤>
帯電制御剤として、各種の正帯電性又は負帯電性の帯電制御剤を用いることが可能である。例えば、カルボキシル基または含窒素基を有する有機化合物の金属錯体、含金属染料、ニグロシン等が挙げられる。より具体的には、スピロンブラックTRH(保土ヶ谷化学社製)、T−77(保土ヶ谷化学社製)、ボントロンS−34(オリエント化学社製)ボントロンE−84(オリエント化学社製)、ボントロンN−01(オリエント化学社製 )、コピーブルー−PR(ヘキスト社製)等の帯電制御剤及び/又は4級アンモニウム(塩)基含有共重合体、スルホン酸(塩)基含有共重合体等の帯電制御樹脂を用いることができる。上記帯電制御剤は、重合性単量体100重量部に対して、0.01〜10重量部用いることが好ましく、より好ましくは0.03〜8重量部である。
<重合開始剤>
本発明に用いる重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス−2−メチル−N−1,1’−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチルプロピオアミド、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ化合物;メチルエチルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、アセチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート等の過酸化物類などを例示することができる。また、これら重合開始剤と還元剤とを組み合わせたレドックス開始剤を挙げることができる。このうち、使用される重合性単量体に可溶な油溶性の開始剤を選択することが好ましく、必要に応じて水溶性の開始剤をこれと併用することもできる。上記重合開始剤の使用量は、重合性単量体100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜15重量部、さらに好ましくは0.5〜10重量部である。
<離型剤>
本発明で必要に応じて使用される離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリブチレンなどの低分子量ポリオレフィンワックス類や分子末端酸化低分子量ポリプロピレン、分子末端をエポキシ基に置換した低分子量末端変性ポリプロピレン及びこれらと低分子量ポリエチレンのブロックポリマー、分子末端酸化低分子量ポリエチレン、分子末端をエポキシ基に置換した低分子量ポリエチレン及びこれらと低分子量ポリプロピレンのブロックポリマーなどの末端変性ポリオレフィンワックス類;キャンデリラ、カルナウバ、ライス、木ロウ、ホホバなどの植物系天然ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラクタムなどの石油系ワックス及びその変性ワックス;モンタン、セレシン、オゾケライト等の鉱物系ワックス;フィッシャートロプシュワックスなどの合成ワックス;ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラパルミテートなどの多官能エステル化合物など1種あるいは2種以上が例示される。
これらのうち、合成ワックス(特にフィッシャートロプシュワックス)、合成ポリオレフィン、低分子量ポリプロピレンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどが好ましい。なかでも示差走査熱量計により測定されるDSC曲線において、昇温時の吸熱ピーク温度が30〜200℃、好ましくは50〜180℃、60〜160℃の範囲にあるものが、トナーとしての定着−剥離性バランスの面で特に好ましい。吸熱ピーク温度は、ASTM D3418−82によって測定された値である。上記離型剤は、重合性単量体100重量部に対して、0.1〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部用いることができる。
<分散剤>
本発明に用いられる分散剤としては、硫酸バリウム、硫酸カルシウムなどの硫酸塩;炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩;リン酸カルシウムなどのリン酸塩;酸化アルミニウム、酸化チタン等の金属酸化物;などの金属化合物や、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄等の金属水酸化物;ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ゼラチン等水溶性高分子;アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等を挙げることができる。これらのうち、金属化合物、特に難水溶性の金属水酸化物のコロイドを含有する分散剤は、重合体粒子の粒径分布を狭くすることができ、画像の鮮明性が向上するので好適である。特に架橋性モノマーを共重合させなかった場合には、難水溶性金属水酸化物のコロイドを含有する分散剤が、減圧ストリッピング中の重合体粒子の分散安定性ならびに、トナーの定着性と保存性とを改善するために好適である。
難水溶性金属水酸化物のコロイドを含有する分散剤は、その製法による制限はないが、水溶性多価金属化合物の水溶液のpHを7以上に調整することによって得られる難水溶性の金属水酸化物のコロイド、特に水溶性多価金属化合物と水酸化アルカリ金属塩との水相中の反応により生成する難水溶性の金属水酸物のコロイドを用いることが好ましい。
本発明に用いる難水溶性金属化合物のコロイドは、個数粒径分布D50(個数粒径分布の50%累積値)が0.5μm以下で、D90(個数粒径分布の90%累積値)が1μm以下であることが好ましい。コロイドの粒径が大きくなると重合の安定性が崩れ、またトナーの保存性が低下する。
分散剤は、重合性単量体100重量部に対して、通常、0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜10重量部の割合で使用する。この割合が少ないと、充分な重合安定性や減圧ストリッピング中の分散安定性を得ることが困難であり、凝集物が生成し易くなる。逆に、この割合が多いと、トナー粒径が細かくなりすぎるので好ましくない。
<懸濁重合>
本発明において、懸濁重合は公知の方法を採用すればよい。例えば、重合性単量体、着色剤、分子量調整剤、帯電制御剤、離型剤などの添加剤を含む混合物を、水系分散媒体中に投入、攪拌して液滴粒子を造粒し、必要に応じて重合開始剤存在下、攪拌、昇温して重合するなどの方法によることができる。水系分散媒体中には分散安定剤を含んでいてもよい。こうして得られた重合体粒子の分散液が本発明でいう重合体粒子分散液である。トナー製造に際しては、この後、分散媒体を除去するために脱水、乾燥工程を経る。
<外添剤>
本発明で得られた着色粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5nm〜2μmであることが好ましく、特に5nm〜500nmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5.0重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
この他、高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
このような流動化剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸などの脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造されたポリマー微粒子などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01〜1nmのものが好ましい。
<円形度および円形度分布>
本発明におけるトナーは、特定の形状と形状分布を有するものであることが重要であり、平均円形度が0.950未満であるものとし、球形からあまりに離れた不定形の形状のトナーでは、満足した転写性やチリのない高画質画像が得られない。
なお、形状の計測方法としては、粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法が適当である。この手法で得られる投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値である平均円形度が1.000〜0.960のトナーが、適正な濃度の再現性のある高精細な画像を形成するのに有効であることが確認された。より好ましくは、平均円形度が0.980〜0.960で円形度が0.94未満の粒子が15%以下である。
平均円形度はフロー式粒子像分析装置FPIA−2100(東亜医用電子株式会社製)により計測したものである。
測定方法は、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。
試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状及び分布を測定することによって得られる。
<体積平均粒径/個数平均粒径の比>
本発明におけるトナーの体積平均粒径は3〜8μmであり、個数平均粒径との比が1.0〜1.5であることが好ましく、更には1.0〜1.4であることが望ましい。
このような乾式トナーをフルカラー複写機等に適用すると、光沢性に優れた画像形成gが可能となり、更に所定のキャリアと組み合わせた二成分現像剤とした場合においては、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なくなり、現像装置における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
また、一成分現像剤として用いた場合においては、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なくなると共に、現像ローラーへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着が効果的に回避でき、現像装置の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。
なお、トナーの平均粒径、及び粒度分布は、カーコールターカウンター法により測定できる。
トナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)が挙げられる。
具体的に、コールターカウンターTA−II型を用いて、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科技研)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)接続し測定する方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。
ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
本発明に係わる体積分布から求めた体積基準の体積平均粒径(Dv)及び個数分布から求めた個数平均粒径(Dn)とその比Dv/Dnを求めた。
一般的には、トナーの粒子径は小さければ小さい程、高解像で高画質の画像を得るために有利であると言われているが、逆に転写性やクリーニング性に対しては不利である。また、本発明の範囲よりも体積平均粒子径が小さい場合、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させたり、一成分現像剤として用いた場合には、現像ローラーへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の部材へのトナーの融着を発生させやすくなる。
逆に、トナーの体積粒子径が本発明の範囲よりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなる場合が多い。また、体積平均粒子径/個数平均粒子径が1.5よりも大きい場合も同様である。
<二成分用キャリア>
本発明のトナーを二成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いればよく、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。
また、被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。またポリビニル、及びポリビニリデン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂及びスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂及びポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、及びシリコーン樹脂等が使用できる。
また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。
本発明のトナーは、キャリアを使用しない一成分系の磁性トナー、あるいは非磁性トナー(一成分現像剤)としても用いることができる。本発明のトナーは所定の容器に充填し、全体としてトナー容器とし、所定の画像形成装置に着脱自在の構成とすることができる。
また、本発明の一成分現像剤、二成分現像剤はプロセスカートリッジの現像手段に収納させることができる。本発明でいうプロセスカートリッジとは、像担持体(代表的には電子感光体がある。)と少なくとも現像手段とを含んだ1つの装置部品である。
以下、具体的な実施例を挙げて本発明の静電荷像現像用トナー、及びこれを用いた画像形成方法について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、部は重量部を示す。
〔実施例1〕
スチレン80部、メチルメタクリレート20部、離型剤(合成ポリオレフィン)2部、金属材料(表1の金属材料1)27部、帯電制御剤(保土ケ谷化学社製T−77)1部、及び重合開始剤としてラウロイルパーオキシド5部を室温のボールミルで分散を行い、均一混合液を得た。次に、上記混合液を、硫酸バリウム4部を微細に分散した純水400部に添加し、次いで、ローターステター型ホモミキサーにより高剪断撹拌を行い、上記混合液を水中に微細化して分散させた。次に、この水分散液を撹拌翼を備えた反応器に入れ、80℃で5時間、撹拌下に重合した。このようにして得られた重合体の分散液を、酸洗、水洗を十分に行った後、分離、乾燥して(トナー1)を得た。
〔実施例2〕
実施例1における金属材料1を表1の金属材料2に変える以外は、実施例1と同様の方法により(トナー2)を得た。
〔実施例3〕
実施例1における金属材料1を表1の金属材料3に変える以外は、実施例1と同様の方法により(トナー3)を得た。
〔実施例4〕
実施例1における金属材料1を表1の金属材料4に変える以外は、実施例1と同様の方法により(トナー4)を得た。
〔比較例1〕
実施例1における金属材料1を表1の金属材料5に変える以外は、実施例1と同様の方法により(トナー5)を得た。
〔比較例2〕
実施例1における金属材料1の量を10部に変える以外は、実施例1と同様の方法により(トナー6)を得た。
〔比較例3〕
実施例1における金属材料1の量を90部に変える以外は、実施例1と同様の方法により(トナー7)を得た。
〔比較例4〕
実施例1における金属材料1をカーボンブラックに変える以外は、実施例1と同様の方法により(トナー8)を得た。
〔比較例5〕
実施例1における金属材料1を表1の金属材料2に変えて、量を14部に変える以外は、実施例1と同様の方法により(トナー9)を得た。
〔比較例6〕
実施例1における金属材料1を表1の金属材料2に変えて、量を74部に変える以外は、実施例1と同様の方法により(トナー10)を得た。
上述した金属材料1〜金属材料5の物性等を下記表1に示し、得られたトナー1〜トナー10の物性等を下記表2に示す。
Figure 0004714007
Figure 0004714007
<二成分現像剤の調製>
得られたトナー100部に疎水性シリカ0.7部と、疎水化酸化チタン0.3部をヘンシェルミキサーにて混合した。この外添剤処理を施したトナー5重量%と、シリコーン樹脂を被覆した平均粒子径が40μmの銅−亜鉛フェライトキャリア95重量%からなる現像剤を調製し、次のような評価項目に従って評価を行った。
評価結果を下記表3に示す。
次に、上記トナーを用いて画像形成を行い、これについて下記の評価を行う。
<評価項目>
(1)低温定着性
リコー製複写機imagioNeo450を用いて、複写紙(TYPE6000<70W>、リコー社製)に付着量が1.0±0.1mg/cmのベタ画像を作製し、以下の定着条件
定着機線速:180±2mm/秒
定着ニップ幅:10±1mm
で定着ローラーの温度を変化させ、コールドオフセット温度(定着下限温度)を測定した。測定温度によって低温定着性を以下のように5段階で評価した。
5:130℃未満、4:130℃以上140℃未満、3:140℃以上150℃未満、2:150℃以上160℃未満、1:160℃以上
(2)画像濃度
リコー製imagioNeo450を用いて黒ベタ画像を作製し、その画像の任意の6箇所の位置の画像濃度をマクベス濃度計で測定し、ID(画像濃度)の平均値から5レベルを最高評価とする1〜5レベルの5段階評価を行った。なお、上市されているカーボンブラックを用いた黒トナーの画像濃度は2レベルである。
(3)地肌汚れ
100万枚の画像出力後に白ベタ画像を出力し、その画像の任意の6箇所の位置の画像濃度(ID)をマクベス反射濃度計で測定し、そのIDについて5レベルを最高評価とする1〜5レベルの5段階評価を行った。なお、まったく地肌汚れがない状態は、紙の反射濃度と同等な値であり、IDが大きいほど地肌汚れは悪い結果となる。
(4)トナー飛散
100万枚の画像出力後に、複写機内部のトナー飛散の状態について5レベルを最高評価とする1〜5レベルの5段階評価を行った。なお、通常のカーボンブラックを用いている黒トナーは2レベルである。
(5)細線再現性
主走査、副走査方向ともに、600dot/inch、150line/inchの1ドット格子ライン画像を出力し、ライン画像の切れ、かすれを5段階で目視評価した。1レベルが最低評価、5レベルが最高評価である。
評価結果を下記表3に示す。
Figure 0004714007
上記表3の評価結果から明らかなように、本発明に係る実施例1〜実施例4ではすべての評価項目について高評価が得られた。
他方、チタンを含まない金属材料5を用いた比較例1では、低温定着性、画像濃度、地肌汚れについてやや品質低下がみられた。
また、トナー中の金属材料1の含有量が15重量%より少ない比較例2では、画像濃度の低下が認められた。
金属材料1の含有量が35重量%より多い比較例3及びカーボンブラックを用いた比較例4では、ほとんどの評価項目において低評価となった。
金属材料2の含有量が15重量%未満であるトナー9を使用した比較例5では、画像濃度が極めて低くなった。
金属材料2の含有量が35重量%を超えて極めて多いトナー10を使用した比較例6では、ほとんどの評価項目において低評価となった。

Claims (12)

  1. 少なくとも重合性単量体と黒色着色剤とを含有する重合性単量体組成物を水系分散媒体中で懸濁させ、重合開始剤を用いて重合することにより得られる重合トナーであって、
    前記重合性単量体は、スチレンとメチルメタクリレートとを含み、
    前記重合開始剤は、ラウロイルパーオキシドを含み、
    前記黒色着色剤として、飽和磁化が0.1〜50emu/g、表色系のL*値が9〜15、a*及びb*がいずれも−1.0〜+1.0の範囲にある、チタンを含有する黒色酸化鉄化合物を15〜35重量%含有し、
    該黒色酸化鉄化合物は、真比重が4.0〜5.0g/cm 3 であり、
    当該静電荷像現像用トナーの円形度が、0.96〜1.00であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 前記黒色酸化鉄化合物が、チタン成分をTi原子換算でFe原子に対して10〜45重量%含有することを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記黒色酸化鉄化合物の比表面積が1.3〜80m2/gであることを特徴とする請求項1又は2記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 前記黒色酸化鉄化合物の平均一次粒径が0.05〜2.0μmであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  5. トナー粒子の体積平均粒径が3〜8μmであり、体積平均粒径/個数平均粒径で表される粒径比が1.0〜1.5であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 離型剤としてワックスを含有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 帯電制御剤を含有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーからなることを特徴とする一成分現像剤。
  9. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーとキャリアからなることを特徴とする二成分現像剤。
  10. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーが充填されたことを特徴とするトナー容器。
  11. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
  12. 少なくとも像担持体及び現像手段を具備してなる画像形成装置用プロセスカートリッジにおいて、前記現像手段に請求項8又は9に記載の現像剤が収納されていることを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
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