JP2006184638A - 正帯電性トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、様々な温度、湿度環境下においても、高い画像濃度が得られ、印字の耐久性や解像度の良い、正帯電性トナーを提供することにある。
【解決手段】着色重合体粒子、及び外添剤とを含んでなる正帯電静電潜像現像用トナーにおいて、該外添剤が、平均一次粒径が5nm以上20nm以下であり、有機化合物で疎水化処理されたシリカ微粒子(A)、平均一次粒径が20nm超過50nm以下であり、有機化合物で疎水化処理されたシリカ微粒子(B)、及び比表面積が90m/g以上150m/g以下であり、比抵抗が1.0×10Ω・cm以上である酸化チタン微粒子(C)を含有することを特徴とする正帯電性トナーを用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、及びプリンター等の、電子写真法を利用した装置の現像に用いることが出来る正帯電性トナーに関するものである。
一般に、電子写真法では、電子写真装置や静電記録装置等の画像形成装置において、先ず、感光体上に静電潜像が形成される。次いで、現像ロール上のトナーにより、静電潜像が現像されトナー像を形成し、形成されたトナー像は、必要に応じて紙等種々の転写材上に転写される。転写されたトナー像は、加熱、加圧、又は溶剤蒸気などにより定着され、印刷画像が形成される。
前記感光体は、その表面の帯電極性により、正帯電方式と負帯電方式とがある。この帯電極性は、感光体に形成される感光層に用いられる材料に関係しており、セレン系、及びシリコン系等の無機材料を用いた無機感光体では、正帯電方式が多い。近年では、有機感光体が主流となっているため、負帯電方式が一般的である。ところが、最近、負帯電方式の場合に起き易い、オゾン発生の問題から、それに対する環境対策として、オゾン発生の少ない正帯電方式に対応できる正帯電用の有機感光体も用いられるようになってきた。
一方、近年、電子写真法を用いた、複写機、ファクシミリ、及びプリンター等の画像形成装置に対し、カラー化のニーズが高まっており、カラーの印刷では、写真等の高精細画像の印刷も行なうことから、解像度の高さが必要とされ、それに対応しうるカラートナーが求められている。また、印字コスト低減が求められており、そのため、トナーにおいては、多数枚数印字しても印字品質が低下しない、印字耐久性が良いことが必要とされている。上記の要求に対し、従来、着色重合体粒子に、それより粒径の小さい、無機微粒子や有機微粒子を付着添加(外添)してトナーとすることにより、解像度や印字耐久性を改善する試みがなされている。
たとえば、特許文献1(実施例)では、疎水性シリカ微粉末と、平均粒径0.02〜0.5μm、疎水化度20〜95%の疎水性酸化チタン微粉末を含有する負帯電性トナーが開示されており、特許文献2(実施例)では、シリカ及びアルミナで表面処理した、酸化チタンを添加した負帯電性静電荷像現像剤(トナー)が開示されている。さらに、特許文献3(実施例)では、シリコーンオイルで疎水化処理されたシリカ、アルキルシランで疎水化処理されたシリカ、及び、シリコーンオイルもしくはアルキルシランで疎水化処理された酸化チタンを外添した負帯電性非磁性一成分用トナーが開示されている。
しかし、上記の特許文献に開示されるトナーでは、解像度や印字耐久性に改善は見られるが、正帯電性トナーに、上記の技術を適用した場合、最近のカラートナーに求められるレベルには十分ではなく、特に低温低湿において、解像度や印字濃度の低下が起こる等の問題があり、多数枚数印字した後では、上記問題がより顕著であった。
特開平7−43930 特開平7−281474 特開2004−258265
本発明の課題は、様々な温度、湿度環境下においても、高い画像濃度が得られ、印字の耐久性や解像度の良い、正帯電性トナーを提供することである。
本発明者らは、特定の粒径の範囲をもつ疎水化された2種類のシリカ微粒子、及び特定の比表面積と比抵抗をもつ酸化チタン微粒子を、外添剤として含有する、正帯電性トナーを用いることにより、上述の課題を達成することを見出した。
すなわち、本発明者は、着色重合体粒子、及び外添剤とを含んでなる正帯電静電潜像現像用トナーにおいて、該外添剤が、平均一次粒径が5nm以上20nm以下であり、有機化合物で疎水化処理されたシリカ微粒子(A)、平均一次粒径が20nm超過50nm以下であり、有機化合物で疎水化処理されたシリカ微粒子(B)、及び比表面積が90m/g以上150m/g以下であり、比抵抗が1.0×10Ω・cm以上である酸化チタン微粒子(C)を含有することを特徴とする正帯電性トナーを提供する。
本発明の該酸化チタン微粒子(C)は、アミノシラン化合物により疎水化処理されていることが好ましい。上記疎水化処理は、シランカップリング剤により疎水化処理された後、さらにアミノシラン化合物により処理されていることがより好ましい。
また、本発明によれば、該酸化チタン微粒子(C)の帯電量が、10μC/g以上200μC/g以下であることが好ましく、該酸化チタン微粒子(C)の疎水化度が、20〜90%であることがより好ましく、該酸化チタン微粒子(C)の構造が、コアが酸化チタン、シェルがアルミナよりなるコアシェル構造であることがさらに好ましい。
さらに本発明によれば、シリカ微粒子(A)の疎水化処理に用いる有機化合物が、シリコーンオイル、又はシランカップリング剤であり、シリカ微粒子(B)の疎水化処理に用いる有機化合物がシランカップリング剤であることが好ましい。
本発明の課題は、様々な温度、湿度環境下においても、高い画像濃度が得られ、印字の耐久性や解像度の良い、正帯電性トナーが提供される。
以下、本発明の正帯電性トナー及びその製造方法について説明する。
本発明の正帯電性トナーは、着色重合体粒子、及び外添剤を含有しており、該着色重合体粒子は、結着樹脂、着色剤、及び帯電制御剤を含有している粒子であり、必要に応じて、離型剤、顔料分散剤等のその他の添加物を含有していてもよい。
結着樹脂の具体例としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の従来からトナーに広く用いられている樹脂を挙げることができる。
本発明において、着色重合体粒子の製造方法は、粉砕法や重合法があげられ特に限定されない。これらの方法により、得られたトナーを、それぞれ粉砕トナー、重合トナーという。本発明のトナーとしては、重合トナーが、ミクロンオーダーで比較的小さい粒径分布を持つことから、好ましい。上記重合法としては、乳化重合凝集法、分散重合法、懸濁重合法などが挙げられ、懸濁重合法が好ましい。
重合法を採用して着色重合体粒子を製造する場合、以下のようなプロセスにより行なわれる。まず、重合性単量体、着色剤、帯電制御剤さらに必要に応じてその他の添加物を混合して、重合性単量体組成物とする。この重合性単量体組成物を、必要に応じて分散安定剤を含む、水系媒体に入れた後、重合開始剤を添加し、造粒を行なう。その後、重合を行ない、着色重合体粒子の水分散液が得られる。この水分散液を、洗浄・脱水・乾燥し、乾燥した着色重合体粒子を得る。この乾燥した着色重合体粒子を、必要に応じて分級を行ない、外添剤とさらに必要に応じてキャリアを添加して、重合トナーを得る。
(1)重合性単量体組成物
重合性単量体は、重合可能な化合物のことをいう。
重合性単量体の主成分として、モノビニル単量体を使用することが好ましい。モノビニル単量体としては、例えば、スチレン;ビニルトルエン、及びα−メチルスチレン等の、スチレン誘導体;アクリル酸、及びメタクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、及びアクリル酸ジメチルアミノエチル等の、アクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチル等の、メタクリル酸エステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド等の、アクリル酸の誘導体、及びメタクリル酸の誘導体;エチレン、プロピレン、及びブチレン等の、オレフィン;塩化ビニル、塩化ビニリデン、及びフッ化ビニル等の、ハロゲン化ビニル及びハロゲン化ビニリデン;酢酸ビニル、及びプロピオン酸ビニル等の、ビニルエステル;ビニルメチルエーテル、及びビニルエチルエーテル等の、ビニルエーテル;ビニルメチルケトン、及びメチルイソプロペニルケトン等の、ビニルケトン;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、及びN−ビニルピロリドン等の、含窒素ビニル化合物;が挙げられる。これらのモノビニル単量体は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。これらのうち、モノビニル単量体として、スチレン、スチレン誘導体、及びアクリル酸もしくはメタクリル酸の誘導体が、好適に用いられる。
モノビニル単量体は、それを重合して得られる、重合体のガラス転移温度(以下、Tgと表す)が80℃以下になるように選択することが好ましい。モノビニル単量体を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することにより、重合体のTgを所望の範囲に調整することができる。
ホットオフセット改善のために、重合性単量体の一部として、モノビニル単量体とともに、任意の架橋性の重合性単量体を用いることが好ましい。架橋性の重合性単量体とは、2つ以上の重合可能な官能基を持つモノマーのことをいう。架橋性の重合性単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体等の、芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、及びジエチレングリコールジメタクリレート等の、ポリアルコールの不飽和ポリカルボン酸ポリエステル;N,N−ジビニルアニリン、及びジビニルエーテル等の、その他のジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物;等を挙げることができる。これらの架橋性の重合性単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明では、架橋性の重合性単量体を、モノビニル単量体100重量部に対して、通常、0.1〜5重量部、好ましくは0.3〜2重量部の割合で用いることが望ましい。
また、さらに、重合性単量体の一部として、マクロモノマーを用いると、保存性と低温での定着性とのバランスが良好になるので好ましい。マクロモノマーは、分子鎖の末端に重合可能な炭素−炭素不飽和二重結合を有するもので、数平均分子量が、通常、1,000〜30,000の反応性の、オリゴマーまたはポリマーである。マクロモノマーは、モノビニル単量体を重合して得られる、重合体のTgよりも、高いTgを有する重合体を与えるものが好ましい。マクロモノマーの量は、モノビニル単量体100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.03〜5重量部、さらに好ましくは0.05〜1重量部である。
本発明では、着色剤を用いるが、カラートナーを作製する場合、ブラック、シアン、イエロー、マゼンタの着色剤を用いることができる。
本発明における着色剤において、ブラックの着色剤としては、カーボンブラック、チタンブラック、並びに酸化鉄亜鉛、及び酸化鉄ニッケル等の磁性粉、オイルブラック、並びにチタンホワイト等の、着色剤や染料を用いることができる。黒色のカーボンブラックは、一次粒径が20〜40nmであるものが好適に用いられる。粒径がこの範囲にあると、カーボンブラックをトナー中に均一に分散でき、かぶりも少なくなるので好ましい。
シアンの着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物、その誘導体、及びアントラキノン化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー2、3、6、15、15:1、15:2、15:3、15:4、16、17:1、及び60等が挙げられ、重合の安定性がよく、着色力があることから、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、及び17:1等の銅フタロシアンニンが好ましく、15:3がさらに好ましい。
イエローの着色剤としては、例えば、モノアゾ顔料、及びジスアゾ顔料等のアゾ系顔料、縮合多環系顔料等の化合物が用いられる。具体的にはC.I.ピグメントイエロー3、12、13、14、15、17、62、65、73、74、83、93、97、120、138、155、180、181、185、及び186等が挙げられる。重合の安定性がよく、着色力があることから、C.I.ピグメントイエロー3、15、65、73、74、97、及び120等のモノアゾ顔料が好ましく、C.I.ピグメントイエロー74がより好ましい。
マゼンタ着色剤としては、例えば、モノアゾ顔料、及びジスアゾ顔料等のアゾ系顔料、縮合多環系顔料等の化合物が用いられる。具体的にはC.I.ピグメントレッド31、48、57:1、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、149、150、163、170、184、185、187、202、206、207、209、251、及びC.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。重合の安定性がよく、着色力があることから、C.I.ピグメントレッド31、48、57:1、58、60、63、64、68、112、114、146、150、163、170、185、187、206、及び207等のモノアゾ顔料が同様に好ましい。
着色剤の量は、モノビニル単量体100重量部に対して、好ましくは1〜10重量部、である。
着色剤の重合性単量体組成物中での、分散状態を安定化するために、顔料分散剤を添加することが好ましい。顔料分散剤としては、アルミニウムカップリング剤、シランカップリング剤、及びチタンカップリング剤等のカップリング剤が好ましい。
本発明において、少なくとも正帯電性の帯電制御剤を含有し、さらに、トナーが正帯電性となる添加量の範囲内で負帯電性の帯電制御剤を併用して使用してもよい。
正帯電性帯電制御剤としては、例えばニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、トリアミノトリフェニルメタン系化合物、イミダゾール系化合物、及びポリアミン樹脂、並びに4級アンモニウム(塩)基含有共重合体等の帯電制御樹脂等がある。
負荷電性の制御剤としては、Cr,Co,Al,Fe等の金属を含有するアゾ染料、サリチル酸金属化合物、アルキルサリチル酸金属化合物、並びに、スルホン酸(塩)基含有共重合体、及びカルボン酸(塩)基含有共重合体等の帯電制御樹脂などがある。
本発明で用いる帯電制御剤は、トナーの印字耐久性が良好になることから、帯電制御樹脂を含むことが好ましい。帯電制御剤のうち、樹脂でない帯電制御剤と、帯電制御樹脂を併用しても良いし、帯電制御樹脂を単独で用いても良い。帯電制御樹脂を単独で用いることがより好ましい。
その他の添加物として、分子量調整剤を使用することが好ましい。分子量調整剤としては、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、及び2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−チオール等のメルカプタン類が挙げられる。分子量調整剤は、重合開始前または重合途中に添加することができる。上記分子量調整剤の量は、モノビニル単量体100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部であり、更に好ましくは0.1〜5重量部である。
また、その他の添加物として、定着時におけるトナーの定着ロールからの離型性を改善できるので、離型剤を添加することが、好ましい。
離型剤としては、一般にトナーの離型剤として用いられるものであれば、特に制限無く用いることができる。例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、及び低分子量ポリブチレン等の、低分子量ポリオレフィンワックス類;分子末端酸化低分子量ポリプロピレン、分子末端をエポキシ基に置換した低分子量末端変性ポリプロピレン、これらと低分子量ポリエチレンのブロックポリマー、分子末端酸化低分子量ポリエチレン、分子末端をエポキシ基に置換した低分子量ポリエチレン、及びこれらと低分子量ポリプロピレンのブロックポリマー等の、末端変性ポリオレフィンワックス類;キャンデリラ、カルナウバ、ライス、木ロウ、及びホホバ等の、植物系天然ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、及びペトロラクタム等の、石油系ワックス、並びにこれらの変性ワックス;モンタン、セレシン、及びオゾケライト等の鉱物系ワックス;フィッシャートロプシュワックス等の合成ワックス;ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、及びペンタエリスリトールテトララウレート等の、ペンタエリスリトールエステルやジペンタエリスリトールヘキサミリステート、ジペンタエリスリトールヘキサパルミテート、及びジペンタエリスリトールヘキサラウレート等の、ジペンタエリスリトールエステル等の多価アルコールエステル化物;等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのうち、示差走査熱量計を用いて、10℃/分で昇温時のDSC曲線から測定される、吸熱ピーク温度が30〜150℃、好ましくは50〜120℃、より好ましくは60〜100℃の範囲にあるペンタエリスリトールエステルや、同吸熱ピーク温度が50〜80℃の範囲にあるジペンタエリスリトールエステル、等の多価アルコールエステル化物が、定着−剥離性バランスの面で特に好ましい。
上記離型剤は、モノビニル単量体100重量部に対して、好ましくは0.1〜30重量部用いられ、更に好ましくは1〜20重量部用いられる。
(2)造粒
本発明では、以上のようにして得られた、重合性単量体組成物を、分散安定剤を含む水系媒体中に分散させ、重合開始剤を添加した後、重合性単量体組成物の造粒を行なう。造粒の方法は特に限定されないが、例えば、(インライン型)乳化分散機(株式会社荏原製作所製、商品名「マイルダー」)、高速乳化・分散機(特殊機化工業製、商品名「T.K.ホモミクサー MARK II型」)等の強攪拌が可能な装置を用いて行なう。
本発明において、水系媒体は、水単独でもよいが、低級アルコール及び低級ケトン等の水に溶解可能な溶剤を併用することもできる。
本発明において、水系媒体には、分散安定化剤を含有させることが好ましい。分散安定化剤としては、例えば、硫酸バリウム、及び硫酸カルシウム等の、硫酸塩;炭酸バリウム、炭酸カルシウム、及び炭酸マグネシウム等の、炭酸塩;リン酸カルシウム等のリン酸塩;酸化アルミニウム、及び酸化チタン等の、金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、及び水酸化第二鉄等の、金属水酸化物;等の金属化合物や、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、及びゼラチン等の、水溶性高分子;アニオン性界面活性剤;ノニオン性界面活性剤;両性界面活性剤;等の有機高分子化合物が挙げられる。上記分散安定化剤は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記分散安定化剤の中でも、金属化合物、特に難水溶性の金属水酸化物のコロイドを含有する分散安定化剤は、着色重合体粒子の粒径分布を狭くすることができ、洗浄後の分散安定化剤残存量が少ないので、得られる重合トナーは、画像を鮮明に再現することができ、環境安定性を悪化させないので好ましい。
重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ジ−t−ブチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、及びt−ブチルパーオキシイソブチレート等の過酸化物類が挙げられる。また、上記重合開始剤と還元剤とを組み合わせたレドックス開始剤を用いてもよい。これらの中で、残留重合性単量体を少なくすることができ、耐久も良いことから、過酸化物類を用いるのが好ましい。
重合開始剤は、前記のように、重合性単量体組成物が水系媒体中へ分散された後、造粒前に、添加されても良いが、重合性単量体組成物へ添加されても良い。
重合性単量体組成物の重合に用いられる、重合開始剤の添加量は、モノビニル単量体100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部であり、さらに好ましくは0.3〜15重量部であり、最も好ましくは1.0〜10重量部である。
(3)重合
上記のようにして、造粒を行ない、得られた水系媒体を加熱し、重合を開始し、着色重合体粒子の水分散液が得られる。
重合性単量体組成物の重合温度は、好ましくは50℃以上であり、更に好ましくは60〜95℃である。また、重合の反応時間は好ましくは1〜20時間であり、更に好ましくは2〜15時間である。
着色重合体粒子は、そのまま外添剤を添加してトナーとして用いてもよいが、この着色重合体粒子をコア層とし、その外側にコア層と異なるシェル層を作ることで得られる、所謂コアシェル型の着色重合体粒子とすることが好ましい。コアシェル型の着色重合体粒子は、低軟化点の物質よりなるコア層を、それより高い軟化点を有する物質で被覆することにより、定着温度の低温化と保存時の凝集防止とのバランスを取ることができる。
上述した、重合法により得られる着色重合体粒子を用いて、コアシェル型の着色重合体粒子を製造する方法としては、特に制限がなく、従来公知の方法によって製造することができる。in situ重合法や相分離法が、製造効率の点から好ましい。
in situ重合法によるコアシェル型の着色重合体粒子の製造法を以下に説明する。
重合法により得られた着色重合体粒子が分散している水系媒体中に、シェル層を形成するための重合性単量体(シェル用重合性単量体)と重合開始剤を添加し、重合することでコアシェル型の着色重合体粒子を得ることができる。
シェル用重合性単量体としては、前述のモノビニル単量体と同様なものが使用できる。その中でも、スチレン、アクリロニトリル、及びメチルメタクリレート等の、Tgが80℃を超える重合体が得られる単量体を、単独であるいは2種以上組み合わせて使用することが好ましい。
シェル用重合性単量体の重合に用いる重合開始剤としては、過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の、過硫酸金属塩;2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、及び2,2’−アゾビス−(2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)等の、アゾ系開始剤;等の水溶性重合開始剤を挙げることができる。重合開始剤の量は、シェル用重合性単量体100重量部に対して、好ましくは、0.1〜30重量部、より好ましくは1〜20重量部である。
(4)濾過、洗浄、脱水、乾燥
重合により得られた、着色重合体粒子の水分散液は、重合終了後に、常法に従い、濾過、分散安定化剤の除去を行なう洗浄、脱水、及び乾燥の操作が、行われ、重合法による着色重合体粒子が得られる。
上記の洗浄の方法としては、分散安定化剤として無機水酸化物等の無機化合物を使用した場合、着色重合体粒子の水分散液への酸、又はアルカリの添加により、分散安定化剤を水に溶解し除去することが好ましい。分散安定化剤として、難水溶性無機水酸化物のコロイドを使用した場合、酸を添加して、着色重合体粒子水分散液のpHを6.5以下に調整することが好ましい。添加する酸としては、硫酸、塩酸、及び硝酸等の無機酸、並びに蟻酸、及び酢酸等の有機酸を用いることができるが、除去効率の大きいことや製造設備への負担が小さいことから、特に硫酸が好適である。
脱水、濾過の方法は、種々の公知の方法などを用いることが出来、特に限定されない。例えば、遠心濾過法、真空濾過法、加圧濾過法などを挙げることが出来る。また、乾燥の方法も、特に限定されず、種々の方法が使用できる。
粉砕法を採用して着色重合体粒子を製造する場合、以下のようなプロセスで行なう。詳しくは、まず、結着樹脂、着色剤、並びに、所望により、離型剤、及び帯電制御剤を混合機、例えば、ボールミル、V型混合機、ヘンシェルミキサー、高速ディゾルバ、インターナルミキサー、スクリュー型押出機、フォールバーグ等を用いて混合する。次に、上記により得られた混合物を、加圧ニーダー、二軸押出混練機、ローラなどを用いて加熱しながら混練する。得られた混練物を、ハンマーミル、ジェットミル、カッターミル、及びローラミル等の粉砕機を用いて、粗粉砕する。更に、ジェットミル、及び高速回転式粉砕機等の粉砕機を用いて微粉砕したのち、風力分級機、及び気流式分級機等の分級器により所望の粒径に分級して粉砕法による着色重合体粒子を得る。粉砕法で用いる着色剤、並びに所望により使用される、離型剤、及び帯電制御剤は、前述の重合法で挙げたものを用いることができ、これらの通常用いる添加量及び好ましい添加量は、モノビニル単量体100重量部基準を、結着樹脂100重量部基準として読み替えた、同じ重量部である。
上記により得られる粉砕法による着色重合体粒子は、前述の重合法に得られる着色重合体粒子と同じく、in situ重合法等の方法によりコアシェル型の着色重合体粒子とすることもできる。
以上により重合法または粉砕法により着色重合体粒子が得られ、これより、本発明のトナーを構成する、着色重合体粒子、またはコアシェル型の着色重合体粒子について述べる(以下の着色重合体粒子は、コアシェル型のものとそうでないもの両方を含む)。
着色重合体粒子の体積平均粒径(Dv)が好ましくは3〜15μmであり、更に好ましくは4〜12μmである。Dvがこれらの範囲未満であると重合トナーの流動性が低下し、転写性が悪化したり、カスレが発生したり、画像濃度が低下する場合があり、これらの範囲を超えると画像の解像度が低下する場合がある。
本発明のトナーを構成する着色重合体粒子は、その体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dp)との比(Dv/Dp)が、好ましくは1.0〜1.3であり、更に好ましくは1.0〜1.2である。Dv/Dpがこれらの範囲を超えると、カスレが発生したり、転写性、画像濃度及び解像度の低下が起こったりする場合がある。着色重合体粒子の体積平均粒径、及び個数平均粒径は、例えば、マルチサイザー(ベックマン・コールター社製)等を用いて測定することができる。
本発明のトナーを構成する着色重合体粒子は、その球形度(Sc/Sr)が1.0〜1.3であるものを用いることが好ましく、球形度(Sc/Sr)が1.0〜1.2であるものを用いることが更に好ましい。球形度(Sc/Sr)がこれらの範囲を超えると、転写性が低下したり、トナーの流動性が低下し、カスレ易くなったりする場合がある。着色重合体粒子の球形度(Sc/Sr)は、以下のように求められる。着色重合体粒子を電子顕微鏡で撮影し、得られた写真を画像処理解析装置ルーゼックスIID(ニレコ社製)により、フレーム面積に対する粒子の面積率を最大2%、トータル処理数を100個の条件で測定する。得られた100個の着色重合体粒子の球形度(Sc/Sr)を平均することにより求められる。
球形度=Sc/Sr
Sc:着色重合体粒子の絶対最大長を直径とした円の面積
Sr:着色重合体粒子の実質投影面積
(5)外添
本発明のトナーは、トナーの帯電性、流動性、保存性等を調整するために、ヘンシェルミキサー等の高速撹拌機を用いて、着色重合体粒子、及び外添剤を混合し(外添)、一成分トナーとするか、もしくは、着色重合体粒子、及び外添剤、さらに、フェライト、及び鉄粉等のキャリア粒子を混合し、二成分トナーとする。
上記外添は該着色重合体粒子と該外添剤を、ミキサー類を用い混合・攪拌することにより該外添剤が該着色重合体粒子に被覆される。高速撹拌機としては、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)、スーパーミキサー(川田製作所製)、Qミキサー(三井鉱山製)、メカノフュージョンシステム(細川ミクロン社製)、メカノミル(岡田精工社製)などが挙げられる。
2種類以上の外添剤を併用する場合は、着色重合体粒子と全外添剤を、高速撹拌機入れ、外添してもいいが、着色重合体粒子と粒径の大きい外添剤のみを高速撹拌機に入れて外添したのち、より粒径の小さい外添剤をさらに加えて、外添を行なうことが好ましい。
本発明における外添剤は、特定の範囲にある、シリカ微粒子(A)、シリカ微粒子(B)、及び酸化チタン微粒子(C)、の3種類の微粒子を含み、必要に応じ、さらに、その他の微粒子を含んでもよい。
本発明で用いる上記シリカ微粒子(A)の平均一次粒径は、5nm以上20nm以下であり、より好ましくは、7nm以上16nm以下である。平均一次粒径がこの範囲にあると、流動性が高いトナーが得られ、転写性が良好になる。また、本発明のシリカ微粒子(A)は、有機化合物(a)を用いて微粒子の表面が処理されることにより、疎水化処理されたものである。
有機化合物(a)としては、シランカップリング剤、シリコーンオイル、脂肪酸及び脂肪酸金属塩等の疎水化処理剤を使用することができる。この中でも、シランカップリング剤、及びシリコーンオイルが好ましい。シランカップリング剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン等のジシラザン;下記式1に示す環状シラザン;トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、及びビニルトリアセトキシシラン等のアルキルシラン化合物、並びにγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、アミノシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、及びN−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン化合物;等が挙げられる。シリコーンオイルとしては、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、及びアミノ変性シリコーンオイル等が挙げられる。疎水化処理に用いる有機化合物(a)は、上記のうち、1種あるいは2種以上含有してもよく、シリコーンオイル、またはシランカップリング剤を含むことが、高画質が得られるのでより好ましい。また、良好な正帯電性を持つトナーが得られる易いことから、アミノシラン化合物やアミノ変性シリコーンオイル等のアミノ基を含有する化合物を用いることがさらに好ましく、アミノ変性シリコーンオイルを用いることが特に好ましい。
Figure 2006184638
(式中、R及びRは、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシおよびアリールオキシからなる郡から独立に選ばれ、Rは、水素、(CHCH、C(O)(CHCH,C(O)NH、C(O)NH(CHCH、およびC(O)N[(CH)nCH](CHCH(式中、nおよびmは、0〜3の整数である)、Rは、[(CH(CHX)(CHY)](式中、X、YおよびZは、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシおよびアリールオキシからなる群から独立に選ばれ、a、bおよびcは、a+b+cが2〜6の間の整数に等しいという条件を満たす0〜6の整数である)により表される)
シリカ微粒子(A)の疎水化度は、好ましくは40〜95%である。この範囲より小さいと、環境による影響が大きくなり、特に高温高湿下で帯電低下が起こり、カブリが発生し易くなる場合があり、一方、この範囲より大きいと低温低湿下で帯電上昇が起こり、画像濃度の低下が生じる場合がある。
シリカ微粒子(A)の添加量は、着色重合体粒子100重量部に対し、0.1重量部以上3.0重量部以下が好ましく、0.3重量部以上2.5重量部以下がより好ましい。
本発明で用いる上記シリカ微粒子(B)の平均一次粒径は、20nm超過50nm以下であり、より好ましくは、25nm以上45nm以下である。平均一次粒径がこの範囲にあると、カブリの少ないトナーが得られる。また、本発明のシリカ微粒子(B)は、有機化合物(b)を用いて微粒子の表面が処理されることにより、疎水化処理されたものである。有機化合物(b)としては、前記有機化合物(a)として例示した化合物を用いることができるが、その中でも、シランカップリング剤を用いることが好ましく、良好な正帯電性を持つトナーが得られる易いことから、アミノ基を含有するシランカップリング剤を用いることがさらに好ましい。
シリカ微粒子(B)の疎水化度は、好ましくは60〜100%である。この範囲より小さいと、環境による影響が大きくなり、特に高温高湿下で帯電低下が起こり、カブリが発生し易くなる場合がある。
シリカ微粒子(B)の添加量は、着色重合体粒子100重量部に対し、0.1重量部以上3.0重量部以下が好ましく、0.3重量部以上2.5重量部以下がより好ましい。
本発明で用いる上記酸化チタン微粒子(C)は、比表面積が90m/g以上150m/g以下であり、比抵抗が1.0×10Ω・cm以上である酸化チタン微粒子である。
該酸化チタン微粒子(C)の比表面積は、より好ましくは90m/g以上140m/g以下であり、更に好ましくは90m/g以上130m/g以下である。BET比表面積が上記範囲にあると、トナー流動性と帯電量の両方が良好であり、バランスをとることが出来る。
酸化チタン微粒子(C)の比表面積は、窒素吸着によるBET比表面積のことを示し、ASTMD3037−81に準じ、BET法で測定される値である。測定装置としては、例えば、BET比表面積測定計(島津製作所製、機器名「フローソープ2300型」)を用いることができる。
また、本発明の酸化チタン微粒子(C)の比抵抗は、1.0×10Ω・cm以上であり、好ましくは1.5×10Ω・cm以上であり、より好ましくは3.0×10Ω・cm以上である。比抵抗がこの範囲より大きいと、帯電量が上昇し画像濃度が低下しやすくなる。
さらに、本発明の酸化チタン微粒子(C)の帯電量は、ブローオフ帯電量測定装置(京セラケミカル製、機器名「TB−200」もしくは「TB−203」)により測定され、10μC/g以上200μC/g以下であることが好ましい。
また、本発明の酸化チタン微粒子(C)としては、酸化チタン粒子がコアとなり、アルミナがシェルとなっているコアシェル構造、すなわち、コアとなっている酸化チタン粒子の表面に、アルミナの層が覆うように形成されシェルとなっている構造、が好ましい。このような、コアシェル構造をもつ酸化チタン微粒子は、例えば、市販の酸化チタン微粒子を水溶性のアルミ化合物の水溶液に入れ、アルカリ性にし、反応させる方法など、公知の方法により得ることが出来る。
また、酸化チタン微粒子(C)も表面が疎水化処理されていることが好ましく、前記有機化合物(a)として例示した化合物を用いて疎水化処理することができる。酸化チタン微粒子(C)は、良好な正帯電性を持つトナーが得られる易いことから、アミノシラン化合物を用いて疎水化処理されることがより好ましく、シランカップリング剤で疎水化処理された後アミノシラン化合物でさらに疎水化処理されることがさらに好ましい。
本発明において、シリカ微粒子や酸化チタン微粒子を疎水化処理する方法としては、一般的な方法を用いることができ、乾式法、湿式法が挙げられる。具体的には、シリカ微粒子を高速で撹拌しながら、上記疎水化処理剤を滴下または噴霧する方法、及び上記疎水化処理剤を有機溶媒に溶解し、処理剤を含む有機溶媒を撹拌しながら微粒子を添加する方法等が挙げられる。前者の場合、有機化合物(a)を有機溶媒等で希釈して用いてもよい。
本発明における外添剤として、上記の3種類の他に、その他の微粒子を必要に応じ用いることができる。例えば、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、及び酸化セリウム等の無機微粒子;メタクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、メラミン樹脂、及びコアがスチレン重合体でシェルがメタクリル酸エステル重合体で形成されたコアシェル型粒子等の有機樹脂粒子;が挙げられる。
外添剤の添加量は、着色重合体粒子100重量部に対して、通常、0.1〜6重量部であり、好ましくは、0.2重量部以上5.0重量部以下である。
本発明の製造方法を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、部及び%は特に断りのない限り重量基準である。
本実施例において行った試験方法は以下のとおりである。
(外添剤の物性)
(1)シリカ微粒子(A)及びシリカ微粒子(B)の平均一次粒径
シリカ微粒子の平均一次粒径は、各粒子の電子顕微鏡写真を撮影し、その写真を画像処理解析装置ルーゼックスIID(ニレコ社製)により、フレーム面積に対する粒子の面積率:最大2%、トータル処理粒子数:100個の条件でシリカの投影面積に対応する円相当径を算出し、その算術平均の値を求めた。
(2)酸化チタン微粒子(C)の比抵抗
酸化チタン微粒子を230kg/cmの圧力で、加圧成型を行ない、直径25.4mm、厚さ3.3mmのペレット状とし、電気抵抗をデジタルLCRメーター(横河HP社製、機器名「4261A」)を用いて測定した。測定した値を、比抵抗に換算した。
(印字試験)
(3)LL環境 初期印字(画像濃度)
市販の非磁性一成分現像方式のプリンターに重合トナーを入れ、温度10℃及び湿度20%の環境(LL環境)下で一昼夜放置した後、複写紙上に50mm×50mmの正方形のベタ印字を行なった。その際、現像バイアス電圧を変化させて、複写紙上のトナーの量である、現像量M/Aを変化させた。現像量M/Aは、未定着画像をプリンターより取り出し、複写紙上に現像されたトナーをエアーにて吹き飛ばし、下記式より計算した。
M/A(mg/cm)=(W−W)/25cm
=重合トナー吹き飛ばし前の複写紙の重量(mg)、
=重合トナー吹き飛ばし後の複写紙の重量(mg)。
M/A=0.45mg/cmの5mm×5mm正方形のベタ印字定着画像の画像濃度を、反射型濃度計(マクベス社製、機種名「RD918」)を用いて測定した。
(4)LL環境 初期印字(カブリ)
上記(3)の画像濃度の試験の後、カブリの試験を行った。白ベタ印字を行ない、途中で、上記プリンターを停止させ、現像後の感光体上の非画像部のトナーを、前述の粘着テープに付着させた。この粘着テープを、新しい印字用紙に貼り付け、分光色差計SE−2000(日本電色社製)で色調を測定した。同様に、リファレンスとして、未使用の粘着テープをその印字用紙に貼り付け、同様に色調を測定し、それぞれの色調をL*a*b*空間の座標として表し、測定サンプルと基準サンプルの色調から色差ΔEを算出してカブリ値を求めた。カブリ値は、小さい方が、カブリが少なく、画質が良好であることを示す。
(5)LL環境 初期印字(チリ)
上記(4)のカブリの試験の後、チリの試験を行った。用紙に、1ドットの印字を行ない、印字された用紙を、顕微鏡で観察し、写真を撮影した。この写真より、該ドットを中心として、0.5mm四方内に、該ドットから外れて、散ったトナーの個数を数え、チリの個数とした。
(6)LL環境 1万枚印字後(画像濃度、カブリ、チリ)
上記の初期印字試験と同様に、市販の非磁性一成分現像方式のプリンターにトナーを入れ、温度10℃及び湿度20%の環境(LL環境)下で一昼夜放置した後、そのままLL環境で、5%濃度で1万枚の連続印字を行なった。上記の初期印字における画像濃度、カブリ、チリの試験と同様にして、1万枚印字後の画像濃度、カブリ、チリをそれぞれ測定した。
(実施例1)
モノビニル単量体としてスチレン83部とn−ブチルアクリレート17部(得られる共重合体の計算Tg=60℃)、着色剤としてマゼンタ顔料(クラリアント社製、顔料名「C.I.ピグメントレッド122」)7部、帯電制御剤(スチレン/アクリル樹脂、藤倉化成社製、商品名「FCA−207P」)0.8部、ジビニルベンゼン0.9部、t−ドデシルメルカプタン1.9部、及びポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成化学工業社製、商品名「AA6」、Tg=94℃)0.25部を、撹拌、混合した後、メディア型分散機により、均一分散した。ここに、ジペンタエリスリトールヘキサミリステート(DSC最大吸熱ピーク66.2℃、分子量1514)5部を添加、溶解して、重合性単量体組成物を得た。
これと別に、室温で、イオン交換水250部に塩化マグネシウム8.6部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム4.8部を溶解した水溶液を、撹拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド(難水溶性の金属水酸化物コロイド)分散液を調製した。
上記により得られた、水酸化マグネシウムコロイド分散液に、上記重合性単量体組成物を投入、撹拌し、そこに、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂社製、商品名「パーブチルO」)5部添加後、(インライン型)乳化分散機(荏原製作所社製、商品名「マイルダー」)を用いて、15,000rpmの回転数で10分間、高剪断撹拌して、造粒を行なった。
前記の造粒した重合性単量体組成物の水分散液を、反応器上部から入れた、90℃に昇温し,重合反応を行ない、重合添加率が95%に達したときに、シェル用重合性単量体としてのメチルメタクリレート0.7部、及びイオン交換水7部に溶解した水溶性重合開始剤(和光純薬社製、商品名「VA−086」)0.07部を添加した。更に3時間重合を継続した後、室温まで冷却し、pH9.5の着色重合体粒子の水分散液を得た。
この着色重合体粒子の水分散液を、硫酸により系のpHを6.5以下にして酸洗浄を行ない、濾過により脱水した後、再び、イオン交換水500部を加えて、スラリー化し、水洗浄を行った。その後、同様に、脱水と水洗浄を、数回繰り返し、濾過により脱水した後、真空乾燥機の容器内に入れ、圧力30torr、温度50℃で一昼夜真空乾燥し、乾燥した着色重合体粒子を得た。
この乾燥した着色重合体粒子の体積平均粒径(Dv)は9.5μmであり、体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dp)は1.16であった。また、シェル用重合性単量体量と着色重合体粒子の粒径から算定した、球形度(Sc/Sr)は1.20であった。
上記により得られた着色重合体粒子100部に、シリカ微粒子(A)として疎水化処理されたシリカ微粒子(クラリアント社製、製品名「HDK2150」)0.7部と、シリカ微粒子(B)として疎水化処理されたシリカ微粒子(日本アエロジル社製、製品名「NA50Y」)1.5部と、酸化チタン微粒子(C)として、表1に記載のBET比表面積140m/g、比抵抗1.9×10Ω・cmである酸化チタン微粒子を0.4部添加し、10Lヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて、混合し、外添を行ない、非磁性一成分の正帯電性重合トナーを調製した。
(実施例2)
実施例1において、酸化チタン微粒子(C)として、BET比表面積140m/g、比抵抗1.9×10Ω・cmである酸化チタン微粒子を、表1に記載のBET比表面積99m/g、比抵抗4.5×10Ω・cmである酸化チタン微粒子に変えた以外は、非磁性一成分の正帯電性重合トナーを調製した。試験結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、酸化チタン微粒子(C)として、BET比表面積140m/g、比抵抗1.9×10Ω・cmである酸化チタン微粒子を、表1に記載のBET比表面積100m/g、比抵抗1.7×10Ω・cmである酸化チタン微粒子に変えた以外は、非磁性一成分の正帯電性重合トナーを調製した。試験結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、酸化チタン微粒子(C)として、BET比表面積140m/g、比抵抗1.9×10Ω・cmである酸化チタン微粒子を、表1に記載のBET比表面積158m/g、比抵抗8.4×10Ω・cmである酸化チタン微粒子に変えた以外は、非磁性一成分の正帯電性重合トナーを調製した。試験結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1において、酸化チタン微粒子(C)として、BET比表面積140m/g、比抵抗1.9×10Ω・cmである酸化チタン微粒子を、表1に記載のBET比表面積80m/g、比抵抗2.1×10Ω・cmである酸化チタン微粒子に変えた以外は、非磁性一成分の正帯電性重合トナーを調製した。試験結果を表1に示す。
Figure 2006184638
表1に記載されている試験結果より、以下のことがわかる。
酸化チタン微粒子(C)のBET比表面積、及び比抵抗が、本発明で規定している範囲外である酸化チタン微粒子を含有する正帯電性トナーでは、LL環境において、初期からチリが多く発生し、1万枚印字後の画像濃度が低下し、カブリが生じた。
これに対して、実施例にある、特定の、シリカ微粒子(A)、シリカ微粒子(B)、酸化チタン微粒子(C)を含有する正帯電性トナーでは、LL環境下で、初期、さらには、1万枚印字後も、チリの発生がなく、画像濃度も高く、かぶりも非常に少なかった。
本発明により得られた正帯電性トナーは、複写機、ファクシミリ、及びプリンター等の、電子写真法を利用した装置において、用いることができる正帯電性トナーに関するものである。

Claims (7)

  1. 着色重合体粒子、及び外添剤とを含んでなる正帯電性トナーにおいて、該外添剤が、
    平均一次粒径が5nm以上20nm以下であり、有機化合物(a)で疎水化処理されたシリカ微粒子(A)、
    平均一次粒径が20nm超過50nm以下であり、有機化合物(b)で疎水化処理されたシリカ微粒子(B)、及び
    比表面積が90m/g以上150m/g以下であり、比抵抗が1.0×10Ω・cm以上である酸化チタン微粒子(C)、
    を含有することを特徴とする正帯電性トナー。
  2. 該酸化チタン微粒子(C)が、アミノシラン化合物により疎水化処理されたものであることを特徴とする請求項1に記載の正帯電性トナー。
  3. 該酸化チタン微粒子(C)が、シランカップリング剤により疎水化処理された後、さらにアミノシラン化合物により処理されたものであることを特徴とする請求項1に記載の正帯電性トナー。
  4. 該酸化チタン微粒子(C)の帯電量が、10μC/g以上200μC/g以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の正帯電性トナー。
  5. 該酸化チタン微粒子(C)の疎水化度が、20〜90%であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の正帯電性トナー。
  6. 該酸化チタン微粒子(C)が、コアが酸化チタン、シェルがアルミナよりなるコアシェル構造を持つことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の正帯電性トナー。
  7. 有機化合物(a)が、シリコーンオイル、又はシランカップリング剤であり、
    有機化合物(b)がシランカップリング剤である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の正帯電性トナー。
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