JP2008040026A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、多数枚の印刷を行った際にも、カブリがなく、かつ、カスレの発生の無い、印字の耐久性に優れる静電荷像現像用トナーを提供することにある。
【解決手段】結着樹脂及び着色剤を含んでなる着色樹脂粒子、並びに外添剤を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、該外添剤が、無機層状粘土化合物の微粒子を含有し、該無機層状粘土化合物の層間距離が1.5〜4nmであることを特徴とする静電荷像現像用トナーを用いる。
【選択図】なし
【解決手段】結着樹脂及び着色剤を含んでなる着色樹脂粒子、並びに外添剤を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、該外添剤が、無機層状粘土化合物の微粒子を含有し、該無機層状粘土化合物の層間距離が1.5〜4nmであることを特徴とする静電荷像現像用トナーを用いる。
【選択図】なし
Description
本発明は、複写機、ファクシミリ、及びプリンター等の、電子写真法を利用した装置の現像に用いることができる静電荷像現像用トナーに関するものである。
一般に、電子写真法では、電子写真装置や静電記録装置等の画像形成装置において、以下のプロセスにより印刷画像が形成される。先ず、感光体上に静電潜像が形成される。次に、現像ロール上のトナーにより、該静電潜像が現像されトナー像を形成し、形成されたトナー像は、必要に応じて紙等種々の転写材上に転写される。転写されたトナー像は、加熱、加圧、又は溶剤蒸気などにより定着され、印刷画像が形成される。
近年、電子写真法を用いた、複写機、ファクシミリ、及びプリンター等の画像形成装置に対し、カラー化のニーズが高まっており、カラーの印刷では、写真等の高精細画像の印刷も行なうことから、解像度の高さが必要とされ、それに対応しうるカラートナーが求められている。また、これらに対しては、印字コストの低減も、求められており、そのため、トナーにおいては、多数枚印字しても印字品質が低下しないこと、すなわち優れた印字耐久性が必要とされている。さらに、最近では、高温高湿環境下における使用に際しても、画質が維持され印字耐久性が低下しないことも求められてきている。
上記の要求に対し、従来、着色樹脂粒子に、それより粒径の小さい、無機微粒子や有機微粒子を付着添加(外添)してトナーとすることにより、解像度や印字耐久性を改善する試みがなされている。
上記の要求に対し、従来、着色樹脂粒子に、それより粒径の小さい、無機微粒子や有機微粒子を付着添加(外添)してトナーとすることにより、解像度や印字耐久性を改善する試みがなされている。
特許文献1では、2〜6μmの着色樹脂粒子に、平均粒径5〜20nmのシリカ微粒子と、平均粒径20〜40nmの二酸化チタン微粒子を外添してなるトナーが開示されている。しかし、このトナーは、転写性、現像性、クリーニング性が、特に耐久試験の初期においては、向上するものの、多数枚の耐久試験を行った場合、外添剤の埋没などのトナーの劣化により、トナーの流動性が低下し、カブリが発生しやすくなる。
また、特許文献2では、外添剤として、シランカップリング剤により表面を改質し疎水化したカオリンクレー(カオリナイト)を含有するトナーが開示されている。
さらに、特許文献3では、外添剤として、焼成されたカオリンクレーを含有するトナーが開示されている。
さらに、特許文献3では、外添剤として、焼成されたカオリンクレーを含有するトナーが開示されている。
しかし、特許文献2及び特許文献3に開示されるトナーでは、印字耐久性のある程度の改善が見られるものの、最近求められるレベルには十分ではなく、特に高温高湿環境下での耐久時に帯電量が低下しカブリが発生しやすいという問題があった。
本発明の目的は、多数枚の印刷を行った際にも、カブリがなく、かつ、カスレの発生の無い、印字の耐久性に優れる静電荷像現像用トナーを提供することである。
本発明者は、鋭意研究を行った結果、外添剤として、特定の層間距離を有する無機層状粘土化合物微粒子を含有させることにより、上記の課題を達成することを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、結着樹脂及び着色剤を含んでなる着色樹脂粒子、並びに外添剤を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、該外添剤が、無機層状粘土化合物の微粒子を含有し、該無機層状粘土化合物の層間距離が1.5〜4nmであることを特徴とする静電荷像現像用トナーが提供される。
本発明において、該無機層状粘土化合物が、スメクタイト族に属するものであることがより好ましい。
また、本発明において、該無機層状粘土化合物の微粒子の個数平均一次粒径は、0.1〜10μmであることが好ましく、該無機層状粘土化合物の微粒子は、層間に4級アンモニウムイオンがインターカレーションされていることがより好ましい。
また、本発明において、該無機層状粘土化合物の微粒子の個数平均一次粒径は、0.1〜10μmであることが好ましく、該無機層状粘土化合物の微粒子は、層間に4級アンモニウムイオンがインターカレーションされていることがより好ましい。
さらに、本発明において、該着色樹脂粒子が、帯電制御樹脂を含有することがより好ましい。
本発明によれば、該外添剤として、さらに、個数平均一次粒径が5〜15nmの微粒子(A)、及び個数平均一次粒径が20〜200nmの微粒子(B)を含有し、該微粒子(A)及び該微粒子(B)は、それぞれ独立にシリカ又は酸化チタンの微粒子であることを特徴とする静電荷像現像用トナーが、さらに好ましい。
本発明によれば、多数枚の印刷を行った際にも、カブリがなく、かつ、カスレの発生の無い、印字の耐久性に優れる静電荷像現像用トナーが提供される。
以下、本発明の静電荷像現像用トナー(以下、「静電荷像現像用トナー」のことを、単に「トナー」ともいう。)、及びその製造方法について説明する。
本発明のトナーは、着色樹脂粒子、及び、外添剤を含有している。本発明のトナーを構成する着色樹脂粒子は、結着樹脂、及び着色剤を含有している粒子であり、必要に応じて、帯電制御剤、離型剤等のその他の添加物を含有していてもよい。
結着樹脂の具体例としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の従来からトナーに広く用いられている樹脂を挙げることができる。
本発明において、着色樹脂粒子の製造方法は、粉砕法や重合法が挙げられ、特に限定されない。これらの方法により、得られたトナーを、それぞれ粉砕トナー、重合トナーという。本発明のトナーとしては、重合トナーが、ミクロンオーダーで比較的小さい粒径分布を持つことから、好ましい。上記重合法としては、乳化重合凝集法、分散重合法、懸濁重合法などが挙げられ、中でも、懸濁重合法が好ましい。
重合法を採用して着色樹脂粒子を製造する場合、以下のようなプロセスにより行なわれる。まず、重合性単量体、着色剤、さらに必要に応じてその他の添加物を混合して、重合性単量体組成物とする。この重合性単量体組成物を、必要に応じて分散安定化剤を含む、水系媒体に入れた後、重合開始剤を添加し、液滴形成を行なう。その後、重合を行ない、着色樹脂粒子の水分散液が得られる。この水分散液を、洗浄・脱水・乾燥し、乾燥した着色樹脂粒子を得る。この乾燥した着色樹脂粒子を、必要に応じて分級を行ない、外添剤とさらに必要に応じてキャリアを添加して、重合トナーを得る。
(1)重合性単量体組成物
重合性単量体は、重合可能な化合物のことをいう。この重合性単量体が重合されて得られる重合体は、結着樹脂を構成する。
重合性単量体の主成分として、モノビニル単量体を使用することが好ましい。モノビニル単量体としては、スチレン;ビニルトルエン、及びα−メチルスチレン等のスチレン誘導体;アクリル酸、及びメタクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、及びアクリル酸ジメチルアミノエチル等のアクリル酸エステル化合物;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド等の不飽和アミド化合物;エチレン、プロピレン、及びブチレン等のオレフィン;が挙げられる。これらのモノビニル単量体は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。これらのうち、モノビニル単量体として、スチレン、スチレン誘導体、及びアクリル酸もしくはメタクリル酸のエステル化合物が、好適に用いられる。
重合性単量体は、重合可能な化合物のことをいう。この重合性単量体が重合されて得られる重合体は、結着樹脂を構成する。
重合性単量体の主成分として、モノビニル単量体を使用することが好ましい。モノビニル単量体としては、スチレン;ビニルトルエン、及びα−メチルスチレン等のスチレン誘導体;アクリル酸、及びメタクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、及びアクリル酸ジメチルアミノエチル等のアクリル酸エステル化合物;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド等の不飽和アミド化合物;エチレン、プロピレン、及びブチレン等のオレフィン;が挙げられる。これらのモノビニル単量体は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。これらのうち、モノビニル単量体として、スチレン、スチレン誘導体、及びアクリル酸もしくはメタクリル酸のエステル化合物が、好適に用いられる。
モノビニル単量体は、それを重合して得られる、重合体のガラス転移温度(以下、Tgと表す)が80℃以下になるように選択することが好ましい。モノビニル単量体を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することにより、重合体のTgを所望の範囲に調整することができる。この重合体のTgは、2種以上のモノビニル単量体を使用する場合、その使用量の比で、それぞれのホモポリマーのTgを、平均することにより、計算値として求められる。
ホットオフセット改善のために、重合性単量体の一部として、モノビニル単量体とともに、任意の架橋性の重合性単量体を用いることが好ましい。架橋性の重合性単量体とは、2つ以上の重合可能な官能基を持つモノマーのことをいう。架橋性の重合性単量体としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、及びジエチレングリコールジメタクリレート等の多価アルコールの不飽和カルボン酸エステル化合物;N,N−ジビニルアニリン、及びジビニルエーテル等のその他のジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物;等を挙げることができる。これらの架橋性の重合性単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明では、架橋性の重合性単量体を、モノビニル単量体100重量部に対して、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.3〜2重量部の割合で用いることが望ましい。
本発明では、架橋性の重合性単量体を、モノビニル単量体100重量部に対して、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.3〜2重量部の割合で用いることが望ましい。
また、重合性単量体の一部として、マクロモノマーを用いると、トナーの保存性と低温定着性とのバランスが良好になるので好ましい。マクロモノマーは、分子鎖の末端に重合可能な炭素−炭素不飽和二重結合を有するもので、数平均分子量が、通常、1,000〜30,000の反応性の、オリゴマーまたはポリマーである。マクロモノマーは、モノビニル単量体を重合して得られる、重合体のTgよりも、高いTgを有する重合体を与えるものが好ましい。マクロモノマーの添加量は、モノビニル単量体100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.03〜5重量部、さらに好ましくは0.05〜1重量部である。
本発明では、着色剤を用いるが、カラートナーを作製する場合、通常、ブラック、シアン、イエロー、マゼンタの着色剤をそれぞれ用いる。なお、その他の着色剤、例えば、二酸化チタン等のホワイトの着色剤を使用することも出来る。
本発明における着色剤において、ブラックの着色剤としては、カーボンブラック、チタンブラック、酸化鉄亜鉛及び酸化鉄ニッケル等の磁性粉、並びに、オイルブラック等の、着色剤や染料を用いることができる。
本発明における着色剤において、ブラックの着色剤としては、カーボンブラック、チタンブラック、酸化鉄亜鉛及び酸化鉄ニッケル等の磁性粉、並びに、オイルブラック等の、着色剤や染料を用いることができる。
シアンの着色剤としては、銅フタロシアニン化合物、その誘導体、及びアントラキノン化合物等が利用でき、具体的には、C.I.ピグメントブルー1、同7、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同60、同62、及び、同66等が挙げられる。
イエローの着色剤やマゼンタの着色剤としては、モノアゾ顔料、及びジスアゾ顔料等のアゾ系顔料、縮合多環系顔料等の化合物が用いられる。
具体的には、イエローの着色剤としては、C.I.Pigmentイエロー3、同12、同13、同14、同15、同17、同24、同60、同62、同65、同73、同74、同75、同83、同93、同97、同99、同100、同101、同104、同108、同117、同120、同123、同138、同139、同148、同150、同151、同154、同155、同156、同166、同169、同173、同175、同177、同179、同180、同181、同183、同185、同186、同191、同192、同193、同199、及び、同213等が挙げられる。
具体的には、イエローの着色剤としては、C.I.Pigmentイエロー3、同12、同13、同14、同15、同17、同24、同60、同62、同65、同73、同74、同75、同83、同93、同97、同99、同100、同101、同104、同108、同117、同120、同123、同138、同139、同148、同150、同151、同154、同155、同156、同166、同169、同173、同175、同177、同179、同180、同181、同183、同185、同186、同191、同192、同193、同199、及び、同213等が挙げられる。
また、マゼンタの着色剤としては、C.I.Pigmentレッド2、同3、同5、同6、同7、同23、同31、同48:2、同48:3、同48:4、同57:1、同58、同60、同63、同64、同68、同81:1、同83、同87、同88、同89、同90、同112、同114、同122、同123、同144、同146、同149、同150、同163、同166、同169、同170、同177、同184、同185、同187、同202、同206、同207、同209、同220、同221、同251、及び、同254等が挙げられる。
それぞれの着色剤の量は、結着樹脂100重量部に対して、好ましくは1〜10重量部である。
それぞれの着色剤の量は、結着樹脂100重量部に対して、好ましくは1〜10重量部である。
本発明において、着色樹脂粒子は、帯電制御剤を含有することが好ましい。負帯電性のトナーを製造する場合、負帯電性の帯電制御剤を主に用い、正帯電性のトナーを製造する場合、正帯電性の帯電制御剤を主に用いる。本発明における効果は、正帯電性のトナーにおいてより効果的に得られることから、正帯電性の帯電制御剤を主に用いることがより好ましい。
正帯電性の帯電制御剤としては、ポリアミン樹脂、3級アミノ基含有共重合体、及び4級アンモニウム塩基含有共重合体等の帯電制御樹脂;イミダゾール化合物、ニグロシン染料、4級アンモニウム塩、並びにトリアミノトリフェニルメタン化合物等を用いることが出来る。
負帯電性の帯電制御剤としては、スルホン酸基含有共重合体、スルホン酸塩基含有共重合体、カルボン酸基含有共重合体、及びカルボン酸塩基含有共重合体等の帯電制御樹脂、並びにCr、Co、Al、及びFe等の金属を含有するアゾ染料、サリチル酸金属化合物、並びにアルキルサリチル酸金属化合物等がある。
上記の帯電制御剤の中でも、トナーの印字耐久性が良好になることから、帯電制御樹脂を用いることが好ましい。
帯電制御剤の添加量は、結着樹脂100重量部に対して、好ましくは0.01〜30重量部であり、より好ましくは0.2〜20重量部である。特に、帯電制御樹脂を用いる場合、その添加量は、結着樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1〜30重量部であり、より好ましくは0.3〜20重量部である。
帯電制御剤の添加量は、結着樹脂100重量部に対して、好ましくは0.01〜30重量部であり、より好ましくは0.2〜20重量部である。特に、帯電制御樹脂を用いる場合、その添加量は、結着樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1〜30重量部であり、より好ましくは0.3〜20重量部である。
また、その他の添加物として、定着時におけるトナーの定着ロールからの離型性を改善できるので、離型剤を添加することが、好ましい。
離型剤としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、及び低分子量ポリブチレン等の低分子量ポリオレフィンワックス;分子末端酸化低分子量ポリプロピレン、分子末端をエポキシ基に置換した低分子量末端変性ポリプロピレン、これらと低分子量ポリエチレンのブロックポリマー、分子末端酸化低分子量ポリエチレン、分子末端をエポキシ基に置換した低分子量ポリエチレン、及びこれらと低分子量ポリプロピレンのブロックポリマー等の末端変性ポリオレフィンワックス;キャンデリラ、カルナウバ、ライス、木ロウ、及びホホバ等の天然ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、及びペトロラクタム等の石油ワックス、並びにこれらの変性ワックス;モンタン、セレシン、及びオゾケライト等の鉱物ワックス;フィッシャートロプシュワックス等の合成ワックス;ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、及びペンタエリスリトールテトララウレート等のペンタエリスリトールエステルやジペンタエリスリトールヘキサミリステート、ジペンタエリスリトールヘキサパルミテート、及びジペンタエリスリトールヘキサラウレート等のジペンタエリスリトールエステル等の多価アルコールエステル化物;等が挙げられる。中でもトナーの低温定着性を向上させ、印字耐久性を悪化させないことから、多価アルコールエステル化物が好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記離型剤は、結着樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1〜30重量部用いられ、更に好ましくは1〜20重量部用いられる。
離型剤としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、及び低分子量ポリブチレン等の低分子量ポリオレフィンワックス;分子末端酸化低分子量ポリプロピレン、分子末端をエポキシ基に置換した低分子量末端変性ポリプロピレン、これらと低分子量ポリエチレンのブロックポリマー、分子末端酸化低分子量ポリエチレン、分子末端をエポキシ基に置換した低分子量ポリエチレン、及びこれらと低分子量ポリプロピレンのブロックポリマー等の末端変性ポリオレフィンワックス;キャンデリラ、カルナウバ、ライス、木ロウ、及びホホバ等の天然ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、及びペトロラクタム等の石油ワックス、並びにこれらの変性ワックス;モンタン、セレシン、及びオゾケライト等の鉱物ワックス;フィッシャートロプシュワックス等の合成ワックス;ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、及びペンタエリスリトールテトララウレート等のペンタエリスリトールエステルやジペンタエリスリトールヘキサミリステート、ジペンタエリスリトールヘキサパルミテート、及びジペンタエリスリトールヘキサラウレート等のジペンタエリスリトールエステル等の多価アルコールエステル化物;等が挙げられる。中でもトナーの低温定着性を向上させ、印字耐久性を悪化させないことから、多価アルコールエステル化物が好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記離型剤は、結着樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1〜30重量部用いられ、更に好ましくは1〜20重量部用いられる。
その他の添加物として、分子量調整剤を使用することが好ましい。分子量調整剤としては、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、及び2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−チオール等のメルカプタン化合物が挙げられる。上記分子量調整剤の量は、モノビニル単量体100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部であり、更に好ましくは0.1〜5重量部である。
(2)液滴形成
本発明では、以上のようにして得られた、重合性単量体組成物を、分散安定化剤を含む水系媒体中に分散させ、重合開始剤を添加した後、重合性単量体組成物の液滴形成を行なう。液滴形成の方法は特に限定されないが、例えば、インライン型乳化分散機(荏原製作所社製、商品名:マイルダー)、高速乳化・分散機(特殊機化工業社製、商品名:T.K.ホモミクサー MARK II型)等の強攪拌が可能な装置を用いて行なう。
本発明では、以上のようにして得られた、重合性単量体組成物を、分散安定化剤を含む水系媒体中に分散させ、重合開始剤を添加した後、重合性単量体組成物の液滴形成を行なう。液滴形成の方法は特に限定されないが、例えば、インライン型乳化分散機(荏原製作所社製、商品名:マイルダー)、高速乳化・分散機(特殊機化工業社製、商品名:T.K.ホモミクサー MARK II型)等の強攪拌が可能な装置を用いて行なう。
本発明において、水系媒体は、水単独でもよいが、低級アルコール及び低級ケトン等の水に溶解可能な溶剤を併用することもできる。
本発明において、水系媒体には、分散安定化剤を含有させることが好ましい。分散安定化剤としては、例えば、硫酸バリウム、及び硫酸カルシウム等の硫酸塩;炭酸バリウム、炭酸カルシウム、及び炭酸マグネシウム等の炭酸塩;リン酸カルシウム等のリン酸塩;酸化アルミニウム、及び酸化チタン等の金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、及び水酸化第二鉄等の金属水酸化物;等の金属化合物や、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、及びゼラチン等の水溶性高分子;アニオン性界面活性剤;ノニオン性界面活性剤;両性界面活性剤;等の有機化合物が挙げられる。上記分散安定化剤は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記分散安定化剤の中でも、金属化合物、特に難水溶性の金属水酸化物のコロイドを含有する分散安定化剤は、着色樹脂粒子の粒径分布を狭くすることができ、洗浄後の分散安定化剤残存量が少ないので、得られる重合トナーは、画像を鮮明に再現することができ、特に、高温高湿下の画像品質を悪化させないので好ましい。
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ジ−t−ブチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルブタノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、及びt−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物が挙げられる。これらの中で、残留重合性単量体を少なくすることができ、印字耐久性も優れることから、有機過酸化物が好ましく、有機過酸化物エステル化合物(パーオキシエステル)がより好ましい。
重合性単量体組成物の重合に用いられる、重合開始剤の添加量は、モノビニル単量体100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部であり、さらに好ましくは0.3〜15重量部であり、最も好ましくは1.0〜10重量部である。
(3)重合
上記のようにして、液滴形成を行ない、得られた水系媒体を加熱し、重合を開始し、着色樹脂粒子の水分散液が得られる。さらに、得られた水分散液は、種々の公知の方法により、着色樹脂粒子中に残留する揮発性成分を除去する工程に供されてもよい。
重合性単量体組成物の重合温度は、好ましくは50℃以上であり、更に好ましくは60〜95℃である。また、重合の反応時間は好ましくは1〜20時間であり、更に好ましくは2〜15時間である。
上記のようにして、液滴形成を行ない、得られた水系媒体を加熱し、重合を開始し、着色樹脂粒子の水分散液が得られる。さらに、得られた水分散液は、種々の公知の方法により、着色樹脂粒子中に残留する揮発性成分を除去する工程に供されてもよい。
重合性単量体組成物の重合温度は、好ましくは50℃以上であり、更に好ましくは60〜95℃である。また、重合の反応時間は好ましくは1〜20時間であり、更に好ましくは2〜15時間である。
着色樹脂粒子は、そのまま外添剤を添加してトナーとして用いてもよいが、この着色樹脂粒子をコア層とし、その外側にコア層と異なるシェル層を作ることで得られる、所謂コアシェル型の着色樹脂粒子とすることが好ましい。コアシェル型の着色樹脂粒子は、Tgの低い物質よりなるコア層を、それより高いTgを有する物質で被覆することにより、定着温度の低温化(低温定着性)と保存時の凝集防止(保存性)とのバランスを取ることができる。
コアシェル型の着色樹脂粒子を製造する方法としては、特に制限がなく、従来公知の方法によって製造することができる。in situ重合法や相分離法が、製造効率の点から好ましく、in situ重合法が特に好ましい。
in situ重合法によるコアシェル型の着色樹脂粒子の製造法を以下に説明する。
重合法により得られた着色樹脂粒子が分散している水系媒体中に、シェル層を形成するための重合性単量体(シェル用重合性単量体)と重合開始剤(シェル用重合開始剤)を添加し、重合することでコアシェル型の着色樹脂粒子を得ることができる。
重合法により得られた着色樹脂粒子が分散している水系媒体中に、シェル層を形成するための重合性単量体(シェル用重合性単量体)と重合開始剤(シェル用重合開始剤)を添加し、重合することでコアシェル型の着色樹脂粒子を得ることができる。
シェル用重合性単量体としては、前述のモノビニル単量体と同様なものが使用できる。その中でも、スチレン、アクリロニトリル、及びメチルメタクリレート等の、Tgが80℃を超える重合体が得られる単量体を、単独であるいは2種以上組み合わせて使用することが好ましい。
シェル用重合開始剤としては、過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の過硫酸金属塩;2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、及び2,2’−アゾビス−(2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)等のアゾ系開始剤;等の水溶性の重合開始剤を挙げることができる。シェル用重合開始剤の使用量は、シェル用重合性単量体100重量部に対して、好ましくは、0.1〜30重量部、より好ましくは1〜20重量部である。
(4)濾過、洗浄、脱水、乾燥
重合により得られた、着色樹脂粒子の水分散液は、重合終了後に、常法に従い、濾過、分散安定化剤の除去を行なう洗浄、脱水、及び乾燥の操作が、行われ、重合法による着色樹脂粒子が得られる。
重合により得られた、着色樹脂粒子の水分散液は、重合終了後に、常法に従い、濾過、分散安定化剤の除去を行なう洗浄、脱水、及び乾燥の操作が、行われ、重合法による着色樹脂粒子が得られる。
上記の洗浄の方法としては、分散安定化剤として無機水酸化物等の無機化合物を使用した場合、着色樹脂粒子の水分散液への酸、又はアルカリの添加により、分散安定化剤を水に溶解し除去することが好ましい。分散安定化剤として、難水溶性無機水酸化物のコロイドを使用した場合、酸を添加して、着色樹脂粒子水分散液のpHを6.5以下に調整することが好ましい。添加する酸としては、硫酸、塩酸、及び硝酸等の無機酸、並びに蟻酸、及び酢酸等の有機酸を用いることができるが、除去効率の大きいことや製造設備への負担が小さいことから、特に硫酸が好適である。
脱水、濾過の方法は、種々の公知の方法などを用いることが出来、特に限定されない。例えば、遠心濾過法、真空濾過法、加圧濾過法などを挙げることが出来る。また、乾燥の方法も、特に限定されず、種々の方法が使用できる。
粉砕法を採用して着色樹脂粒子を製造する場合、以下のようなプロセスで行なう。詳しくは、まず、結着樹脂、着色剤、並びに、所望により、離型剤、及び帯電制御剤を混合機、例えば、ボールミル、V型混合機、ヘンシェルミキサー(:商品名)、高速ディゾルバ、インターナルミキサー、フォールバーグ等を用いて混合する。次に、上記により得られた混合物を、加圧ニーダー、二軸押出混練機、ローラなどを用いて加熱しながら混練する。得られた混練物を、ハンマーミル、カッターミル、及びローラミル等の粉砕機を用いて、粗粉砕する。更に、ジェットミル、及び高速回転式粉砕機等の粉砕機を用いて微粉砕したのち、風力分級機、及び気流式分級機等の分級機により所望の粒径に分級して粉砕法による着色樹脂粒子を得る。粉砕法で用いる着色剤、並びに所望により使用される、離型剤、及び帯電制御剤は、前述の重合法で挙げたものを用いることができる。
上記により得られる粉砕法による着色樹脂粒子は、前述の重合法に得られる着色樹脂粒子と同じく、in situ重合法等の方法によりコアシェル型の着色樹脂粒子とすることもできる。
以上により重合法または粉砕法により着色樹脂粒子が得られ、これより、本発明のトナーを構成する、着色樹脂粒子、またはコアシェル型の着色樹脂粒子について述べる(以下の着色樹脂粒子は、コアシェル型のものとそうでないもの両方を含む)。
本発明において、着色樹脂粒子ないしトナーの体積平均粒径(Dv)が好ましくは3〜15μmであり、更に好ましくは4〜12μmである。Dvがこれらの範囲未満であるとトナーの流動性が低下し、転写性が悪化したり、カスレが発生したり、画像濃度が低下する場合があり、これらの範囲を超えると画像の解像度が低下する場合がある。
また、着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dp)との比(Dv/Dp)は、好ましくは1.00〜1.30であり、更に好ましくは1.00〜1.20である。Dv/Dpがこれらの範囲を超えると、カスレが発生したり、転写性、画像濃度及び解像度の低下が起こったりする場合がある。
本発明のトナーを構成する着色樹脂粒子は、その球形度(Sc/Sr)が1.00〜1.30であるものを用いることが好ましく、球形度(Sc/Sr)が1.00〜1.20であるものを用いることが更に好ましい。球形度(Sc/Sr)がこれらの範囲を超えると、転写性が低下したり、トナーの流動性が低下し、カスレ易くなったりする場合がある。着色樹脂粒子の球形度(Sc/Sr)は、以下のように求められる。着色樹脂粒子を電子顕微鏡で撮影し、得られた写真を画像処理解析装置(ニレコ社製、商品名:ルーゼックスIID)により、フレーム面積に対する粒子の面積率を最大2%、トータル処理数を100個の条件で測定する。得られた100個の着色樹脂粒子の球形度(Sc/Sr)を平均することにより求められる。
球形度=Sc/Sr
Sc:着色樹脂粒子の絶対最大長を直径とした円の面積
Sr:着色樹脂粒子の実質投影面積
球形度=Sc/Sr
Sc:着色樹脂粒子の絶対最大長を直径とした円の面積
Sr:着色樹脂粒子の実質投影面積
(5)外添
本発明のトナーは、トナーの帯電性、流動性、保存性等を調整するために、高速撹拌機を用いて、着色樹脂粒子、及び外添剤を混合し(外添)、一成分トナーとするか、もしくは、着色樹脂粒子、及び外添剤、さらに、フェライト、及び鉄粉等のキャリア粒子を混合し、二成分トナーとする。
本発明のトナーは、トナーの帯電性、流動性、保存性等を調整するために、高速撹拌機を用いて、着色樹脂粒子、及び外添剤を混合し(外添)、一成分トナーとするか、もしくは、着色樹脂粒子、及び外添剤、さらに、フェライト、及び鉄粉等のキャリア粒子を混合し、二成分トナーとする。
上記外添は該着色樹脂粒子と該外添剤を、高速撹拌機を用い混合・攪拌することにより該外添剤が該着色樹脂粒子に被覆される。高速撹拌機としては、ヘンシェルミキサー(:商品名、三井鉱山社製)、スーパーミキサー(:商品名、川田製作所製)、Qミキサー(:商品名、三井鉱山社製)、メカノフュージョンシステム(:商品名、ホソカワミクロン社製)、メカノミル(:商品名、岡田精工社製)などが挙げられる。
2種類以上の外添剤を併用する場合は、着色樹脂粒子と全外添剤を、高速撹拌機へ一度に入れ、外添を行うこともできるが、着色樹脂粒子と粒径の大きい外添剤のみを高速撹拌機に入れて1段目の外添した後、より粒径が小さい外添剤をさらに加えて2段目の外添を行なうことが好ましい。
本発明では、外添剤として、層間距離が1.5〜4nmである無機層状粘土化合物の微粒子を含有する。この特定の微粒子をトナーに用いることにより、特に多数枚を印字した際のトナー特性を改善し、カブリが発生しにくく、さらに、ベタ印字のカスレが起こりにくいトナーを得ることができる。
本発明において、無機層状粘土化合物の層間距離は、より好適には、1.8〜3.5nmである。
本発明において、無機層状粘土化合物の層間距離は、より好適には、1.8〜3.5nmである。
上記の層間距離は、X線回折装置(例えば、商品名:RINT2500(株式会社リガク社製))を用いて、広角X線回折チャートに現れた(001)面のX線回折角(2θ)のピークから層間距離を求めるX線回折法により容易に求めることができる。
無機層状粘土化合物としては、例えば、カオリナイト、ディッカイト、ハロイサイト、リザーサイト等のカオリン族;モンモリロナイト、ハイデライト、ノントロナイト、ヘクトライト、サポナイト等のスメクタイト族;金雲母、黒雲母、白雲母、パラゴナイト、セリサイト等の雲母(マイカ)族;クリノクロア、シャモサイト、ペナンタイト、ドンバサイト等の緑泥石族;タルク、ウィレムサイト、ケロライト、パイロフィライト等のタルク−パイロフィライト群;等が挙げられる。これらの中でも、モンモリロナイト、ハイデライト、ノントロナイト、ヘクトライト、サポナイト等のスメクタイト族が好ましく、モンモリロナイトを主成分とするベントナイトがより好ましい。
本発明における、上記の無機層状粘土化合物の微粒子の個数平均一次粒径は、0.1〜3μmであることが好ましく、より好適には0.2〜1μm、さらに好適には0.3〜0.7μmである。
また、無機層状粘土化合物の微粒子の量は、着色樹脂粒子100重量部に対し、0.03〜2重量部が好ましく、0.05〜1重量部がより好ましく、0.1〜0.5重量部が特に好ましい。
また、無機層状粘土化合物の微粒子の量は、着色樹脂粒子100重量部に対し、0.03〜2重量部が好ましく、0.05〜1重量部がより好ましく、0.1〜0.5重量部が特に好ましい。
本発明の特定の層間距離を有する無機層状粘土化合物は、層間の金属カチオンが他のゲストカチオンにインターカレーションされていることが好ましい。層間距離は、インターカレションされるゲストカチオンや、温度などのインターカレーションの反応条件や、反応後の乾燥方法などを変更することにより調整することができる。
無機層状粘土化合物は、その層間にアルカリ金属やアルカリ土類金属のカチオンが存在しており、これらのカチオンは、層の部分との結合が弱く、他のカチオンを含む溶液と接触すると、カチオンの交換反応が起こることが知られている。このような層間に異種のイオン又は分子を取り込ませる反応が、「インターカレーション」と呼ばれている。
無機層状粘土化合物は、その層間にアルカリ金属やアルカリ土類金属のカチオンが存在しており、これらのカチオンは、層の部分との結合が弱く、他のカチオンを含む溶液と接触すると、カチオンの交換反応が起こることが知られている。このような層間に異種のイオン又は分子を取り込ませる反応が、「インターカレーション」と呼ばれている。
インターカレーションを行う方法としては、以下の方法が挙げられる。
まず、無機層状粘土化合物を低級アルコールや水等の水系媒体に分散し、そこへ、ゲストカチオンとなるカチオンの塩を添加したのち、攪拌下に、加熱し、インターカレーションを行う。得られたインターカレーションされた無機層状粘土化合物の分散液を、冷却した後、脱水及び乾燥することによって、インターカレーションされた無機層状粘土化合物の微粒子を得る。
上記インターカレーションにおける攪拌は、例えば、インライン型乳化分散機(荏原製作所社製、商品名:マイルダー)、高速乳化分散機(特殊機化工業製、商品名:T.K.ホモミクサー MARK II型)等の強攪拌が可能な装置を用いることが好ましい。
また、上記インターカレーションにおける乾燥は、真空乾燥、気流乾燥、及びスプレードライヤー等の装置を用いて、通常、20〜200℃の温度で行う。
まず、無機層状粘土化合物を低級アルコールや水等の水系媒体に分散し、そこへ、ゲストカチオンとなるカチオンの塩を添加したのち、攪拌下に、加熱し、インターカレーションを行う。得られたインターカレーションされた無機層状粘土化合物の分散液を、冷却した後、脱水及び乾燥することによって、インターカレーションされた無機層状粘土化合物の微粒子を得る。
上記インターカレーションにおける攪拌は、例えば、インライン型乳化分散機(荏原製作所社製、商品名:マイルダー)、高速乳化分散機(特殊機化工業製、商品名:T.K.ホモミクサー MARK II型)等の強攪拌が可能な装置を用いることが好ましい。
また、上記インターカレーションにおける乾燥は、真空乾燥、気流乾燥、及びスプレードライヤー等の装置を用いて、通常、20〜200℃の温度で行う。
ゲストカチオンとなるカチオンとしては、4級アンモニウムイオン、フォスホニウムイオン、及びイミダゾリウムイオンなどが挙げられ、4級アンモニウムイオンが、本発明の効果が得られ易いことから好ましい。
4級アンモニウムイオンを有する塩としては、テトラアルキルアンモニウムイオン、ベンジル基とアルキル基とを有するアンモニウムイオン、N−アルキルピリジニウムイオン等のカチオンを有する塩を使用することができる。これらの塩を構成するアニオンとしては、水酸化イオン、ハロゲンイオン(フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン及びヨウ素イオン)、硝酸イオン、亜硝酸イオン、及びメトサルフェートイオン等が挙げられ、塩素イオンが好ましい。
テトラアルキルアンモニウムイオンとしては、炭素数1〜22のアルキル基からなるアンモニウムイオンが好ましい。これらからなる塩としては、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジオクチルアンモニウムブロマイド、トリメチルステアリルアンモニウムブロマイド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロライド、トリメチルミリスチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、ジエチルメチルステアラミドエチルアンモニウムメトサルフェート及びジエチルラウリルアミドエチルメチルアンモニウムメトサルフェート等が挙げられる。
ベンジル基とアルキル基とを有するアンモニウムイオンとしては、ベンジル基と炭素数8〜22のアルキル基とを有するアンモニウムイオンが好ましい。これらからなる塩としては、ベンジルラウリルジメチルアンモニウムクロライド(塩化ベンザルコニウム)及びベンジルジメチルオクチルアンモニウムメトサルフェート等が挙げられる。
N−アルキルピリジニウムイオンとしては、炭素数8〜22のアルキル基を有するピリジニウムイオンが好ましい。これらからなる塩としては、N−セチルピリジニウムクロライド、N−オレイルピリジニウムクロライド、N−ラウリルピリジニウムクロライド及びN−ラウリルピリジニウムメトサルフェート等が挙げられる。
本発明においては、無機層状粘土化合物の微粒子が疎水化処理されていることが好ましい。疎水化処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、シリコーンオイル、脂肪酸及び脂肪酸金属塩等を使用することができる。この中でも、シランカップリング剤、及びシリコーンオイルが好ましい。シランカップリング剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン等のジシラザン;環状シラザン;トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等のアルキルシラン化合物;、並びにγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン化合物;等が挙げられる。シリコーンオイルとしては、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、及びアミノ変性シリコーンオイル等が挙げられる。疎水化処理剤は、上記のうち、1種あるいは2種以上含有してもよく、シリコーンオイル、またはシランカップリング剤を用いると、得られるトナーは、高画質が得られるものとなるのでより好ましい。また、良好な正帯電性を持つトナーが得られる易いことから、アミノシラン化合物やアミノ変性シリコーンオイル等のアミノ基を含有する化合物を用いることがさらに好ましい。
本発明において、無機層状粘土化合物の微粒子を疎水化処理する方法としては、一般的な方法を用いることができ、乾式法、湿式法が挙げられる。具体的には、無機層状粘土化合物の微粒子を高速で撹拌しながら、上記疎水化処理剤を滴下または噴霧する方法、及び上記疎水化処理剤を有機溶媒に溶解し、処理剤を含む有機溶媒を撹拌しながら無機層状粘土化合物の微粒子を添加する方法等が挙げられる。
本発明においては、外添剤として、さらに、個数平均一次粒径が5〜15nmの微粒子(以下、「微粒子(A)」という。)、及び、個数平均一次粒径が20〜200nmの微粒子(以下、「微粒子(B)」という。)を用いることが好ましい。微粒子(A)と微粒子(B)は、それぞれ独立にシリカ又は酸化チタンの微粒子である。
上記微粒子(A)の個数平均一次粒径は、5〜15nmであり、より好ましくは、7〜13nmである。個数平均一次粒径がこの範囲にあると、流動性が良くカスレのない良好な印字画像が得られる。
上記微粒子(B)の個数平均一次粒径は、20〜200nmであり、より好ましくは、25〜100nmである。個数平均一次粒径がこの範囲にあると、カブリの少ないトナーが得られ、印字耐久においても、本発明の無機層状粘土化合物の微粒子の効果が得られやすい。
上記微粒子(B)の個数平均一次粒径は、20〜200nmであり、より好ましくは、25〜100nmである。個数平均一次粒径がこの範囲にあると、カブリの少ないトナーが得られ、印字耐久においても、本発明の無機層状粘土化合物の微粒子の効果が得られやすい。
本発明においては、好ましく用いられる微粒子(A)微粒子及び微粒子(B)も疎水化処理されていることが好ましく、疎水化処理剤及び疎水化処理の方法は、無機層状粘土化合物の微粒子の場合と同様に行うことができる。
微粒子(A)の量は、着色樹脂粒子100重量部に対し、0.1〜3重量部が好ましく、0.3〜1.5重量部がより好ましい。
微粒子(B)の量は、着色樹脂粒子100重量部に対し、0.1〜3重量部が好ましく、0.3〜2重量部がより好ましい。
微粒子(B)の量は、着色樹脂粒子100重量部に対し、0.1〜3重量部が好ましく、0.3〜2重量部がより好ましい。
本発明において、外添剤として、さらに、その他の微粒子を必要に応じて用いてもよい。例えば、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、及び酸化セリウム等の無機微粒子;メタクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、メラミン樹脂、及びコアがスチレン重合体でシェルがメタクリル酸エステル重合体で形成されたコアシェル型粒子等の有機樹脂粒子;が挙げられる。
その他の微粒子の量は、着色樹脂粒子100重量部に対して、0.1〜3重量部であり、好ましくは、0.2〜2重量部である。
その他の微粒子の量は、着色樹脂粒子100重量部に対して、0.1〜3重量部であり、好ましくは、0.2〜2重量部である。
本発明の静電荷像現像用トナーは、多数枚の印刷を行った際にも、カブリがなく、かつ、カスレの発生の無い、印字の耐久性に優れる。
本発明の製造方法を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、部及び%は特に断りのない限り重量基準である。
本実施例において行った試験方法は以下のとおりである。
本実施例において行った試験方法は以下のとおりである。
(外添剤の物性)
(1)個数平均一次粒径
無機層状粘土化合物の微粒子、及び外添剤の微粒子の個数平均一次粒径は、以下の方法で得られる値を、個数平均一次粒径とした。まず、各粒子の電子顕微鏡写真を撮影し、その写真を画像処理解析装置(ニレコ社製、商品名:ルーゼックスIID)により、フレーム面積に対する粒子の面積率:最大2%、トータル処理粒子数:100個の条件で粒子の投影面積に対応する円相当径を算出し、その算術平均値を求める。
(1)個数平均一次粒径
無機層状粘土化合物の微粒子、及び外添剤の微粒子の個数平均一次粒径は、以下の方法で得られる値を、個数平均一次粒径とした。まず、各粒子の電子顕微鏡写真を撮影し、その写真を画像処理解析装置(ニレコ社製、商品名:ルーゼックスIID)により、フレーム面積に対する粒子の面積率:最大2%、トータル処理粒子数:100個の条件で粒子の投影面積に対応する円相当径を算出し、その算術平均値を求める。
(2)無機層状粘土化合物の層間距離
無機層状粘土化合物を、X線回折装置(リガク社製、商品名:RINT2500)を用いて、電圧:40kV、電流300mA、測定角度(2θ):2〜60°の条件で、測定を行った。得られた広角X線回折チャートに現れた(001)面のX線回折角(2θ)のピークから層間距離を求めた。
無機層状粘土化合物を、X線回折装置(リガク社製、商品名:RINT2500)を用いて、電圧:40kV、電流300mA、測定角度(2θ):2〜60°の条件で、測定を行った。得られた広角X線回折チャートに現れた(001)面のX線回折角(2θ)のピークから層間距離を求めた。
(印字試験)
(3)印字耐久性(カブリ発生枚数)
市販の非磁性一成分現像方式プリンターのプリンターを用い、印字用紙をセットし、現像装置にトナーを入れた。温度23℃、湿度50%RHの常温常湿(NN)環境の各環境下で24時間放置した後、同環境にて、5%印字濃度で連続印字を行なった。1,000枚毎にベタ印字(印字濃度100%)をした後、白ベタ印字(印字濃度0%)を行ない、白ベタ印字の途中でプリンターを停止させ、現像後の感光体上にある非画像部のトナーを粘着テープ(住友スリーエム社製、製品名:スコッチメンディングテープ810−3−18)に付着させ、それを印字用紙に貼り付けた。次に、その粘着テープを貼り付けた印字用紙の白色度(B)を、白色度計(日本電色社製)で測定し、同様にして、未使用の粘着テープだけを印字用紙に貼り付け、その白色度(A)を測定し、この白色度の差(B−A)をカブリ値(%)とした。この値が小さい方が、カブリが少なく良好であることを示す。
カブリ値が3以下の画質を維持できる連続印字枚数を調べ、維持できなくなった枚数をカブリ発生枚数とした。
1,000枚ごとのカブリの測定により、カブリが発生した時点まで、連続印字を行ない、15,000枚まで実施した。試験結果に「15,000<」とあるのは、15,000枚連続で印字しても上記基準を満たしていることを示す。
(3)印字耐久性(カブリ発生枚数)
市販の非磁性一成分現像方式プリンターのプリンターを用い、印字用紙をセットし、現像装置にトナーを入れた。温度23℃、湿度50%RHの常温常湿(NN)環境の各環境下で24時間放置した後、同環境にて、5%印字濃度で連続印字を行なった。1,000枚毎にベタ印字(印字濃度100%)をした後、白ベタ印字(印字濃度0%)を行ない、白ベタ印字の途中でプリンターを停止させ、現像後の感光体上にある非画像部のトナーを粘着テープ(住友スリーエム社製、製品名:スコッチメンディングテープ810−3−18)に付着させ、それを印字用紙に貼り付けた。次に、その粘着テープを貼り付けた印字用紙の白色度(B)を、白色度計(日本電色社製)で測定し、同様にして、未使用の粘着テープだけを印字用紙に貼り付け、その白色度(A)を測定し、この白色度の差(B−A)をカブリ値(%)とした。この値が小さい方が、カブリが少なく良好であることを示す。
カブリ値が3以下の画質を維持できる連続印字枚数を調べ、維持できなくなった枚数をカブリ発生枚数とした。
1,000枚ごとのカブリの測定により、カブリが発生した時点まで、連続印字を行ない、15,000枚まで実施した。試験結果に「15,000<」とあるのは、15,000枚連続で印字しても上記基準を満たしていることを示す。
(4)印字耐久性(カスレ発生枚数)
(3)における印字耐久試験において、1,000枚毎のベタ印字(印字濃度100%)の画像を目視で観察して、画像上にカスレが発生した枚数をカスレ発生枚数とした。
試験結果に「15,000<」とあるのは、15,000枚連続で印字してもカスレの発生がないことを示す。
(3)における印字耐久試験において、1,000枚毎のベタ印字(印字濃度100%)の画像を目視で観察して、画像上にカスレが発生した枚数をカスレ発生枚数とした。
試験結果に「15,000<」とあるのは、15,000枚連続で印字してもカスレの発生がないことを示す。
(無機層状粘土化合物微粒子製造例1)
個数平均一次粒径0.5μmのベントナイト150部を、イオン交換水1,500部に入れて分散させた後、ジメチルジステアリルアンモニウムクロライド(4級アンモニウム塩)20部を添加した。次いで、得られた分散液を、70℃に加温した後、高速乳化分散機(特殊機化工業製、商品名:T.K.ホモミクサー MARK II型)により1時間撹拌した。濾別により得られた固形分を、脱イオン水で繰り返し洗浄した後、脱水し、真空乾燥機により、120℃、48時間乾燥し、インターカレーションを行った。
得られた無機層状粘土化合物微粒子を下記の方法により疎水化処理を行なった。
得られた無機層状粘土化合物微粒子100部を、容器内に入れた後、そこへ、気化させたN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(アミノ基含有シランカップリング剤、信越化学工業社製、商品名:KBM−573)16部を窒素と随伴して導入し、無機層状粘土化合物微粒子とガス化したアミノ基含有シランカップリング剤とを接触させ、反応させて、層間距離が2.5nmの無機層状粘土化合物微粒子1を得た。
個数平均一次粒径0.5μmのベントナイト150部を、イオン交換水1,500部に入れて分散させた後、ジメチルジステアリルアンモニウムクロライド(4級アンモニウム塩)20部を添加した。次いで、得られた分散液を、70℃に加温した後、高速乳化分散機(特殊機化工業製、商品名:T.K.ホモミクサー MARK II型)により1時間撹拌した。濾別により得られた固形分を、脱イオン水で繰り返し洗浄した後、脱水し、真空乾燥機により、120℃、48時間乾燥し、インターカレーションを行った。
得られた無機層状粘土化合物微粒子を下記の方法により疎水化処理を行なった。
得られた無機層状粘土化合物微粒子100部を、容器内に入れた後、そこへ、気化させたN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(アミノ基含有シランカップリング剤、信越化学工業社製、商品名:KBM−573)16部を窒素と随伴して導入し、無機層状粘土化合物微粒子とガス化したアミノ基含有シランカップリング剤とを接触させ、反応させて、層間距離が2.5nmの無機層状粘土化合物微粒子1を得た。
(無機層状粘土化合物微粒子製造例2)
個数平均一次粒径0.4μmのベントナイト150部を、イオン交換水1,500部に入れて分散させた後、ジメチルジステアリルアンモニウムクロライド(4級アンモニウム塩)20部を添加した。次いで、得られた分散液を、90℃に加温した後、高速乳化分散機(特殊機化工業製、商品名:T.K.ホモミクサー MARK II型)により2時間撹拌した。濾別により得られた固形分を、脱イオン水で繰り返し洗浄した後、脱水し、風力乾燥機により、40℃、1週間乾燥した。
得られた無機層状粘土化合物微粒子は、上記の無機層状粘土化合物微粒子製造例1と同様にして、疎水化処理を行ない、層間距離が3.3nmの無機層状粘土化合物微粒子2を得た。
個数平均一次粒径0.4μmのベントナイト150部を、イオン交換水1,500部に入れて分散させた後、ジメチルジステアリルアンモニウムクロライド(4級アンモニウム塩)20部を添加した。次いで、得られた分散液を、90℃に加温した後、高速乳化分散機(特殊機化工業製、商品名:T.K.ホモミクサー MARK II型)により2時間撹拌した。濾別により得られた固形分を、脱イオン水で繰り返し洗浄した後、脱水し、風力乾燥機により、40℃、1週間乾燥した。
得られた無機層状粘土化合物微粒子は、上記の無機層状粘土化合物微粒子製造例1と同様にして、疎水化処理を行ない、層間距離が3.3nmの無機層状粘土化合物微粒子2を得た。
(無機層状粘土化合物微粒子製造例3〜4)
無機層状粘土化合物微粒子3及び無機層状粘土化合物微粒子4は、無機層状粘土化合物微粒子製造例1において、ジメチルジステアリルアンモニウムクロライドを、それぞれ、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、トリメチルミリスチルアンモニウムクロライドに変えた以外は、無機層状粘土化合物微粒子製造例1と同様の操作を行うことにより得た。得られた無機層状粘土化合物微粒子3及び4の層間距離は、それぞれ2.0及び1.6nmであった。
無機層状粘土化合物微粒子3及び無機層状粘土化合物微粒子4は、無機層状粘土化合物微粒子製造例1において、ジメチルジステアリルアンモニウムクロライドを、それぞれ、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、トリメチルミリスチルアンモニウムクロライドに変えた以外は、無機層状粘土化合物微粒子製造例1と同様の操作を行うことにより得た。得られた無機層状粘土化合物微粒子3及び4の層間距離は、それぞれ2.0及び1.6nmであった。
(無機層状粘土化合物微粒子製造例5)
無機層状粘土化合物微粒子5は、個数平均一次粒径1μmのカオリナイトを、無機層状粘土化合物微粒子製造例1と同様の疎水化処理を行うことにより得た。得られた無機層状粘土化合物微粒子5の層間距離は1.1nmであった。
無機層状粘土化合物微粒子5は、個数平均一次粒径1μmのカオリナイトを、無機層状粘土化合物微粒子製造例1と同様の疎水化処理を行うことにより得た。得られた無機層状粘土化合物微粒子5の層間距離は1.1nmであった。
(実施例1)
モノビニル単量体としてスチレン82部とn−ブチルアクリレート18部、ブラック着色剤としてカーボンブラック(三菱化学社製、商品名:#25B)7部、帯電制御樹脂(スチレン/アクリル樹脂、藤倉化成社製、商品名:FCA−207P)1部、架橋性単量体としてジビニルベンゼン0.6部、分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン1.9部、及びマクロモノマーとしてポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成化学工業社製、商品名:AA6)0.25部を、撹拌、混合した後、メディア型湿式粉砕機により、湿式粉砕した。湿式粉砕により得られた組成物に、離型剤としてジペンタエリスリトールヘキサミリステート5部を添加、溶解して、重合性単量体組成物を得た。
これと別に、室温で、イオン交換水250部に塩化マグネシウム10.2部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム6.2部を溶解した水溶液を、撹拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド(難水溶性の金属水酸化物コロイド)分散液を調製した。
モノビニル単量体としてスチレン82部とn−ブチルアクリレート18部、ブラック着色剤としてカーボンブラック(三菱化学社製、商品名:#25B)7部、帯電制御樹脂(スチレン/アクリル樹脂、藤倉化成社製、商品名:FCA−207P)1部、架橋性単量体としてジビニルベンゼン0.6部、分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン1.9部、及びマクロモノマーとしてポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成化学工業社製、商品名:AA6)0.25部を、撹拌、混合した後、メディア型湿式粉砕機により、湿式粉砕した。湿式粉砕により得られた組成物に、離型剤としてジペンタエリスリトールヘキサミリステート5部を添加、溶解して、重合性単量体組成物を得た。
これと別に、室温で、イオン交換水250部に塩化マグネシウム10.2部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム6.2部を溶解した水溶液を、撹拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド(難水溶性の金属水酸化物コロイド)分散液を調製した。
上記により得られた、水酸化マグネシウムコロイド分散液に、上記重合性単量体組成物を投入、撹拌し、そこに、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂社製、商品名:パーブチルO)5.5部添加後、インライン型乳化分散機(荏原製作所社製、商品名:エバラマイルダー)を用いて、高剪断撹拌して、液滴形成を行なった。
前記の液滴形成した重合性単量体組成物の水分散液を、反応器へ入れ、90℃に昇温し、重合反応を行なった。重合転化率がほぼ100%に達したときに、そこへ、メチルメタクリレート1部(シェル用重合性単量体)とイオン交換水10部とを混合して得られた分散液、及びイオン交換水20部に溶解した2,2′−アゾビス(2−メチル−N−(2−ハイドロキシエチル)−プロピオンアミド))(シェル用重合開始剤、和光純薬社製、商品名:VA−086)0.3部を添加した。その後、更に4時間、90℃で維持して、重合を継続した後、室温まで冷却し、着色樹脂粒子の水分散液を得た。
得られた着色樹脂粒子の水分散液に、硫酸を添加してpHを6.5以下にして酸洗浄を行ない、濾過により脱水した後、再び、イオン交換水500部を加えて再スラリー化する、水洗浄を行った。その後、同様に、脱水と水洗浄を、数回繰り返し、濾過により脱水した後、乾燥機の容器内に入れ、温度45℃で48時間、乾燥し、乾燥した着色樹脂粒子を得た。この乾燥した着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)は9.0μmであり、体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dp)は1.15、球形度(Sc/Sr)は1.13であった。
上記により得られた着色樹脂粒子100部に、微粒子(A)として、疎水化処理された個数平均一次粒径が12nmであるシリカ微粒子(クラリアント社製、商品名:HDK2150)0.8部と、微粒子(B)として、疎水化処理された個数平均一次粒径が30nmのシリカ微粒子(日本アエロジル社製、商品名:NA50Y)1部と、製造例1で得られた無機層状粘土化合物微粒子1を0.2部添加し、高速攪拌機(三井鉱山社製、商品名:ヘンシェルミキサー)を用いて、5分間、周速30m/sで混合し、外添を行ない、非磁性一成分の静電荷像現像用トナーを調製した。
(実施例2〜4、比較例1〜2)
実施例1と同様にして、着色重合体粒子を得た後、外添剤として、表1のものを用いたこと以外は実施例1と同様にして非磁性一成分の静電荷像現像用トナーを調製した。試験結果を表1に示す。
実施例1と同様にして、着色重合体粒子を得た後、外添剤として、表1のものを用いたこと以外は実施例1と同様にして非磁性一成分の静電荷像現像用トナーを調製した。試験結果を表1に示す。
表1に記載されている試験結果より、以下のことがわかる。
外添剤として、無機層状粘土化合物を用いていない比較例1では、5,000枚印字した時点で、カブリ及びカスレが発生した。
また、外添剤として、本発明の規定の層間距離より小さい層間距離を有する無機層状粘土化合物5を用いた比較例2では、比較例1と比べ、やや良好であるものの、8,000枚印字した時点で、カブリ及びカスレが発生した。
これに対して、外添剤として、本発明で規定する特定の層間距離を有する無機層状粘土化合物微粒子を含有する実施例のトナーでは、印字耐久試験において、カブリやカスレが発生しにくく優れた印字耐久性を示した。
外添剤として、無機層状粘土化合物を用いていない比較例1では、5,000枚印字した時点で、カブリ及びカスレが発生した。
また、外添剤として、本発明の規定の層間距離より小さい層間距離を有する無機層状粘土化合物5を用いた比較例2では、比較例1と比べ、やや良好であるものの、8,000枚印字した時点で、カブリ及びカスレが発生した。
これに対して、外添剤として、本発明で規定する特定の層間距離を有する無機層状粘土化合物微粒子を含有する実施例のトナーでは、印字耐久試験において、カブリやカスレが発生しにくく優れた印字耐久性を示した。
Claims (6)
- 結着樹脂及び着色剤を含んでなる着色樹脂粒子、並びに外添剤を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、
該外添剤が、無機層状粘土化合物の微粒子を含有し、
該無機層状粘土化合物の層間距離が1.5〜4nmであることを特徴とする静電荷像現像用トナー。 - 該無機層状粘土化合物が、スメクタイト族に属するものであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 該無機層状粘土化合物の微粒子の個数平均一次粒径が、0.1〜3μmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 該無機層状粘土化合物の微粒子は、層間に4級アンモニウムイオンがインターカレーションされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
- 該着色樹脂粒子が、帯電制御樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
- 該外添剤が、さらに
個数平均一次粒径が5〜15nmの微粒子(A)、及び
個数平均一次粒径が20〜200nmの微粒子(B)を含有し、
該微粒子(A)及び該微粒子(B)は、それぞれ独立にシリカ又は酸化チタンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
Priority Applications (4)
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EP07767460.4A EP2037325B1 (en) | 2006-06-30 | 2007-06-19 | Electrostatic image-developing toner |
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Cited By (2)
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JP2008065271A (ja) * | 2006-09-11 | 2008-03-21 | Ricoh Co Ltd | 静電荷像現像用トナー及びその製造方法 |
JP2009271338A (ja) * | 2008-05-08 | 2009-11-19 | Ricoh Co Ltd | トナー、トナー容器、画像形成装置およびトナーの製造方法 |
-
2006
- 2006-08-03 JP JP2006212582A patent/JP2008040026A/ja active Pending
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