JP4713562B2 - 熱交換器及びこれを用いたヒートポンプ式給湯機 - Google Patents
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Description
図1は熱交換器の性能を説明するための熱交換器の部分断面図、図2は水配管の溝間隔と熱伝達率の相関を示す図、図3は水配管の溝間隔と冷媒配管の関係を示す断面図、図4は本発明の実施の形態1に係る熱交換器の構成を示す部分断面図、図5は実施の形態1における水配管の溝間隔に対する熱交換器性能の推算値を示す図である。
図1に示す熱交換器は、水を流通させる水配管10と、水配管10の外周に軸方向に螺旋状に形成された溝20を有する螺旋部分30と、その螺旋部分30の溝20に収容されるようにして巻き付けられ、冷媒を通過させる冷媒配管40とで構成され、熱交換器としての性能は、一般的に、以下に示す式(1)で見積もることができる。
ここで、AKは熱交換器の性能(熱コンダクタンス)[W/K]
hi は水配管内の熱伝達率[W/m2 ・K]
Ai は水配管の伝熱面積[m2 ]
ho 冷媒配管内の熱伝達率[W/m2 ・K]
Ao は冷媒配管の伝熱面積[m2 ]
tは銅管の厚さ[mm]
t/λAは接触熱抵抗[K/W]
である。
実施の形態1の熱交換器においては、図4に示すように、冷媒の二酸化炭素を通過させる冷媒配管41の外形をほぼ扁平状とし、この扁平状の冷媒配管41に対し、水配管11の螺旋部分31に形成された溝21の間隔が広くとられている。この螺旋状の溝21に扁平状の冷媒配管41を収容するようにして巻き付けることで、溝間隔の拡大による水配管11と扁平状の冷媒配管41との接触面の面積を広くとれる。その冷媒配管41は、はんだ付けあるいはロウ付けによって水配管11の溝21に接合されている。
水配管11の溝間隔がL1mmの場合、扁平冷媒配管41を用いた熱交換器の性能と円形冷媒配管40を用いた熱交換器の性能はほぼ同じである。これは、双方とも水配管11と冷媒配管41又は40の接触面の面積がほぼ同じであるからである。また、溝間隔をL2mm(L1<L2)に拡大した水配管11を用いた場合は、扁平冷媒配管41側の熱交換器の性能は向上しているのに対し、円形冷媒配管40側の熱交換器の性能は低下している。これは、扁平冷媒配管41側の接触面の面積がさらに大きくなったためであり、一方、円形冷媒配管40側の接触面が小さくなったためである。さらに、溝間隔をL3mm(L2<L3)に拡大した水配管11を用いた場合は、扁平冷媒配管41側の熱交換器の性能は僅かに低下するのに対し、円形冷媒配管40側の熱交換器の性能はさらに低下している。これは、扁平冷媒配管41側の接触面の面積が僅かに小さくなったためであり、一方、円形冷媒配管40側の接触面の面積が大幅に小さくなったためである。
図6は本発明の実施の形態2に係る熱交換器の構成を示す部分断面図である。
実施の形態2の熱交換器は、水を通過させる水配管12と、水配管12の外周に軸方向に螺旋状に形成された1条の溝22を有する螺旋部分32と、その螺旋部分32の溝22に収納されるようにして2本巻き付けられ、冷媒(二酸化炭素)を通過させる冷媒配管42とで構成されている。水配管12上の螺旋状の溝22は、例えば実施の形態1で説明した溝21と同じ間隔で形成され、冷媒配管42は、その溝22の間隔のほぼ1/2以下の管径(長手方向の径)である。その冷媒配管42は、実施の形態1と同様に、水配管12の溝22にはんだ付けあるいはロウ付けで接合されている。本実施の形態2は、1条の螺旋状の溝22に2本の冷媒配管42を巻き付けて、水配管12との接触面の減少を抑えている。
図7に示すように、水配管12の螺旋部分32に6本の冷媒配管42を用いた熱交換器においては、溝間隔をL1→L2→L3と拡大した水配管12をそれぞれ用いても、性能はほぼ変わらず高い状態である。これは、実施の形態1と同様に、水配管12と冷媒配管42との接触面の面積が広くなっているためである。これに対して螺旋部分32に3本の冷媒配管42を用いた熱交換器では、螺旋部分32に6本の冷媒配管42を用いた熱交換器よりも性能が低く、溝間隔を拡大した水配管12を使用する毎に僅かながら低下している。これは、6本巻の熱交換器と比べ水配管12と冷媒配管42との接触面の面積が減少しているためである。
図8は本発明の実施の形態3における水配管の内径と外径との比をパラメータとした水配管の外径と水配管内の流速の相関を示す図、図9は実施の形態3における水配管の内径と外径との比に対する水配管の限界外径を示す図である。
図8は、水配管内に通過させる水の流量が最大となるような条件において、水配管の内径と外径との比をパラメータとする水配管の外径に対する配管内の流速を示している。このときの水配管内の流速は、図1に示すように螺旋部分30の内径50の断面積を基準として算出されたものである。水配管内の流速がある速度を超えた状態で熱交換器を使用した場合、腐食、孔食等の原因となるため、水配管内の流速が所定速度を超えることは、信頼性の観点から好ましくない。
図10は本発明の実施の形態4における水配管内の水温と熱伝達率の相関を示す図である。
水温が低下するにしたがい、水配管内の熱伝達率は減少する。つまり、水配管の螺旋部分において、水配管内を通過する水の温度が低い部分では管内の熱伝達率が低いため、熱交換器の性能も低下する。そこで、水の温度が高い部分より低温部分の溝間隔を拡大することで、水配管内の熱伝達率を増加させ、熱交換器の性能を向上させることが可能となる。螺旋部分全体で、高温部と低温部の溝間隔を変化させる方法として、1本の水配管で高温部から低温部になるにしたがって、溝間隔を徐々に変更しても良いし、溝間隔の異なる複数本の水配管を接続しても良い。
図11は実施の形態1から実施の形態4の何れか一つの熱交換器を用いて示すヒートポンプ式給湯機の冷媒回路図である。
ヒートポンプ式給湯機の冷媒回路は、圧縮機71と、水・冷媒熱交換器72と、膨張弁73と、蒸発器74とを順次接続して構成されている。前記の水・冷媒熱交換器72は、実施の形態1から4の何れか一つの熱交換器が用いられている。このヒートポンプ式給湯機の冷媒としては、例えば冷凍サイクルにおける高圧側が臨界圧力(約7.4MPa )以上で超臨界状態となり、かつ容易に入手できる二酸化炭素(CO2)が用いられている。
71 圧縮機、72 水-冷媒熱交換器、73 膨張弁、74 蒸発器。
Claims (7)
- 外周に螺旋状の溝を有する第1の配管と、
該第1の配管の溝に収容されるように巻き付けられ、前記第1の配管内を通過する流体に熱伝達するための第2の配管とを備え、
前記第1の配管の溝間隔は、前記溝の螺旋部分全体のうち、その部分の前記第1の配管内を通過する流体の温度が高い出口部分より、その螺旋部分に流入する流体の温度が低い入口部分が拡大され、
前記第2の配管は、前記第1の配管の溝間隔が拡大された部分で2本になっていることを特徴とする熱交換器。 - 前記第2の配管は、外形がほぼ扁平状に形成されたことを特徴とする請求項1記載の熱交換器。
- 前記第1の配管は溝間隔の異なる複数本を接続して形成され、
前記第1の配管を通過する流体の温度が高い出口部分より、流体の温度が低い入口部分の溝間隔が大きいことを特徴とする請求項1記載の熱交換器。 - 前記第1の配管には、その管内を通過する流体の流量が最大となるような条件において、前記流体の流速が所定速度を超えないような外径を有する配管が使用されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の熱交換器。
- 前記第2の配管内を通過する流体が二酸化炭素であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の熱交換器。
- 前記第2の配管は、前記第1の配管にはんだ付けあるいはロウ付けにより接合されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の熱交換器。
- 少なくとも圧縮機、熱交換器、膨張弁、蒸発器から構成されるヒートポンプ回路を備え、前記熱交換器に請求項1乃至6の何れかに記載の熱交換器が使用されていることを特徴とするヒートポンプ式給湯機。
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