JP4712597B2 - 発電機兼用電動機および液圧式テンショナを備えるエンジン - Google Patents

発電機兼用電動機および液圧式テンショナを備えるエンジン Download PDF

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Description

本発明は、例えばクランク軸である出力軸と、出力軸によりに回転駆動されて発電すると共に出力軸を正転方向に回転駆動可能な発電機兼用電動機と、出力軸と電動機との間で動力を伝達する無端伝動帯を備える巻掛け伝動機構と、無端伝動帯の張力を調整する液圧式テンショナとを備えるエンジンに関し、詳細には、巻掛け伝動機構の動力伝達効率を向上させるための前記テンショナの構造に関する。そして、該エンジンは、例えば車両に搭載される。
出力軸と発電機兼用電動機との間で動力を伝達する巻掛け伝動機構の無端伝動帯の張力を調整する液圧式テンショナを備えるエンジンにおいて、電動機が出力軸を正転方向に回転駆動する前に該電動機を逆回転させることによりテンショナを伸長させて張力付与動作を行わせた後、無端伝動帯の張力が増加した場合にもテンショナが収縮しないロック状態に保持されることで、電動機が出力軸を回転駆動するときの無端伝動帯の動力伝達効率を向上させるものは知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2003−314322号公報
ところで、電動機の逆回転時にテンショナに張力付与動作を行わせた後、テンショナがロック状態になっている時間が長いと、無端伝動帯の張力が増加したとき、張力緩和動作が行われない時間も長くなって、必要以上の長時間に渡って無端伝動帯の張力が過大な状態のままになる。しかしながら、過大な張力は動力損失の増加や無端伝動帯の寿命の低下を招来する原因になることから、過大な張力の発生を防止すること、または過大な張力が生じている時間を極力短くすることが望ましい。また、ロック状態にするために、テンショナの作動液の流れを阻止する制御弁や、さらには該制御弁を駆動するアクチュエータおよび制御装置が必要になると、テンショナのコストが増加したり、大型化したりする。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、請求項1〜5記載の発明は、電動機の逆回転時にテンショナに張力付与動作を行わせた後の電動機の正回転時に、無端伝動帯に過大な張力が発生することを抑制することを目的とする。そして、請求項2記載の発明は、さらに、調整手段を備えたテンショナのコスト削減および小型化を図ることを目的とし、請求項3〜5記載の発明は、さらに、張力付与動作終了直後の張力緩和動作を、その前に行われる張力付与動作時のテンショナのストローク量が大きいときに一時的に遅延することにより、電動機が出力軸を回転駆動するときの無端伝動帯の動力伝達効率を一層高めることを目的とし、請求項4,5記載の発明は、さらに、逆回転時張力付与動作終了直後の張力緩和動作の制御がテンショナの張力付与動作を利用して動作する弁機構により行われることで、テンショナのコストを削減するとこを目的とする。
請求項1記載の発明は、出力軸と、正逆回転可能で、出力軸により正転方向に回転駆動されて発電すると共に出力軸を正転方向に回転駆動可能な発電機兼用電動機と、出力軸と電動機との間で動力を伝達する無端伝動帯を備える巻掛け伝動機構と、無端伝動帯の張力を調整する液圧式テンショナとを備えるエンジンにおいて、前記電動機は、該電動機を一時的に逆転方向に回転した直後に正転方向に回転する手段を備え、前記テンショナは、無端伝動帯の張力付与動作および張力緩和動作のために相対移動可能な第1作動部材および第2作動部材と、前記無端伝動帯の張力緩和のための調整手段とを備え、前記調整手段は、前記電動機の逆回転に伴う無端伝動帯の張力減少に応じる前記テンショナの張力付与動作がなされ、該電動機の逆回転直後の正回転時から前記無端伝動帯の張力緩和動作を行うことを特徴とするエンジンである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のエンジンにおいて、前記テンショナには、前記第1作動部材および前記第2作動部材の相対移動により動作液が流通する調整通路が設けられ、前記調整手段は、前記張力緩和動作時に前記調整通路を流通する前記動作液の流量を制限するオリフィスから構成されるものである。
請求項3記載の発明は、請求項1記載のエンジンにおいて、前記テンショナには、前記第1作動部材および前記第2作動部材の相対移動により作動液が流通する調整通路が設けられ、前記調整手段は、前記張力緩和動作時に前記調整通路を流通する前記動作液の流量を制限するオリフィスと、前記調整通路の通路面積を増減する弁体を備える弁機構とから構成され、前記弁機構は、前記逆回転時張力付与動作時の前記テンショナのストローク量が所定ストローク量以下のとき、前記調整通路での前記作動液の流量が前記オリフィスにより規定される非絞り位置に前記弁体を位置させることにより前記逆回転時張力付与動作の終了直後から前記張力緩和動作を可能とし、前記ストローク量が前記所定ストローク量を越えるとき、前記調整通路での前記作動液の流量が前記弁体により規定される絞り位置に所定時間だけ前記弁体を位置させて、前記逆回転時張力付与動作の終了直後からの前記オリフィスによる前記張力緩和動作を前記所定時間遅延させるものである。
請求項4記載の発明は、請求項3記載のエンジンにおいて、前記弁体は前記張力付与動作時に移動する前記第1作動部材に移動可能に設けられ、前記弁機構は、移動する前記第1作動部材に追従可能に前記弁体を保持する保持手段と、前記張力付与動作時の前記第1作動部材の移動により生じる弾性変形による弾発力で前記弁体を移動させる弾発部材とを備え、前記弾発部材は、前記第1作動部材による前記ストローク量が前記小ストローク量であるとき、前記保持手段により保持される前記弁体を、前記非絞り位置に位置させるように弾性変形し、前記第1作動部材による前記ストローク量が前記大ストローク量であるとき、前記保持手段に保持される前記弁体を前記絞り位置に位置させるように弾性変形した後、前記所定時間経過後に弾発力により前記非絞り位置に前記弁体を移動させるものである。
請求項5記載の発明は、請求項4記載のエンジンにおいて、前記保持手段は、前記張力付与動作時に移動する前記第1作動部材に追従して前記弁体が移動するように前記弁体に設けられて前記第1作動部材との間で摩擦が発生する摩擦部材であるものである。
請求項1記載の発明によれば、電動機の逆回転により無端伝動帯の張力が減少して、テンショナが逆回転時張力付与動作を行うため、その後に電動機が正回転して出力軸を回転駆動する際には、該逆回転時張力付与動作が行われない場合に比べて、無端伝動帯の張力が増加するので、巻掛け伝動機構の動力伝達効率が高まる。そして、テンショナは、該逆回転時張力付与動作の終了直後から無端伝動帯の張力に応じた張力緩和動作を行うことができるので、電動機の正回転により張力が増加したときに、この張力緩和動作により無端伝動帯に過大な張力が発生することが防止される。
請求項2記載の事項によれば、逆回転時張力付与動作直後からの張力緩和動作がオリフィスにより行われることから、該張力緩和動作を行うための制御弁や該制御弁を駆動するアクチュエータが不要になるので、テンショナのコストが削減され、かつ小型化される。
請求項3記載の事項によれば、電動機により出力軸を回転駆動するときの動力伝達効率を格別に高める必要がないために電動機の逆トルクを小さくすることなどにより、電動機の逆回転時の張力減少が比較的小さく、したがって逆回転時張力付与動作時の第1作動部材のストローク量が小ストローク量である場合、逆回転時張力付与動作終了直後から、張力緩和動作が行われて、無端伝動帯に過大な張力が発生することが防止される。一方、電動機により出力軸を回転駆動するときの動力伝達効率を一層高めるために電動機の逆トルクを大きくすることなどにより、電動機の逆回転時の張力減少が比較的大きく、したがって逆回転時張力付与動作時の第1作動部材のストローク量が大ストローク量である場合、テンショナは、逆回転時張力付与動作終了直後からの張力緩和動作が所定時間だけ遅延されて、電動機が正転方向に回転するときにテンショナの張力が大きな状態に所定時間維持されるので、電動機により出力軸を回転駆動するときの動力伝達効率が高められる。そして、比較的短時間である所定時間経過後は、オリフィスによる張力緩和動作が行われため、過大な張力の発生が抑制される。
請求項4記載の事項によれば、逆回転時張力付与動作の終了後の張力緩和動作の特性を規定する調整通路の通路面積を制御する弁体の移動および所定時間の設定が、逆回転時張力付与動作時の第1作動部材の移動を利用した保持手段および弾発部材により行われるので、逆回転時張力付与動作終了直後の張力緩和動作の制御がテンショナの張力付与動作を利用して動作する弁機構により行われて、ソレノイドなどのアクチュエータが不要になり、テンショナのコストが削減される。
請求項5記載の事項によれば、保持手段が第1作動部材との間で摩擦が発生する摩擦部材、例えばゴム材により構成されるので、テンショナのコスト削減に寄与する。
以下、本発明の実施形態を図1〜図6を参照して説明する。
図1〜図3は本発明の第1実施形態を説明するための図である。
図1を参照すると、本発明が適用されたエンジン1は、車両に搭載される水冷式の直列多気筒4ストローク内燃機関であり、燃焼室で発生する燃焼ガスの圧力により駆動されるピストンが往復動可能に嵌合する複数のシリンダが一体成形されたシリンダブロックを含むエンジン本体2と、前記ピストンにより回転駆動される出力軸としてのクランク軸3と、該クランク軸3により正転方向に回転駆動されて発電すると共にクランク軸3を正転方向に回転駆動可能な発電機兼用電動機4と、1以上の補機5と、クランク軸3の動力により電動機4および補機5を駆動すべくクランク軸3と電動機4と補機5との間で動力を伝達する巻掛け伝動機構10と、テンショナTとを備える。電動機4および補機5は、エンジン本体2に取り付けられた補機ブラケット6に取り付けられる。補機5は、冷却水を圧送する水ポンプ5aおよび空調用コンプレッサ5bを含む。
電動機4、水ポンプ5aおよびコンプレッサ5bにクランク軸3の動力を伝達する巻掛け伝動機構10は、クランク軸3に設けられた駆動ホイールとしてのクランクプーリ11と、電動機4の回転軸4aに設けられたモータプーリ12と、水ポンプ5aの回転軸5a1に設けられたポンププーリ13と、コンプレッサ5bの回転軸5b1に設けられたコンプレッサプーリ14と、エンジン本体2に設けられたアイドラとしてのアイドルプーリ15と、これらプーリ11〜15に巻き掛けられた無端伝動帯としての無端のベルト16とから構成される。被動ホイールとしての各プーリ11〜15は、正転方向に回転するクランク軸3により回転駆動されて正転方向に回転する。
電動機4を制御する電子制御ユニット7には、エンジン1の始動条件やエンジン1の加速条件など判定をするために、エンジン1の運転状態を検出するエンジン運転状態検出手段8からの信号が入力される。そして、電子制御ユニット7からの指令により、電動機4は、発電機として機能するほかに、エンジン1の始動時や再始動時に始動用電動機としてクランク軸3を回転駆動し、さらに車両の加速などのためのエンジン1の加速時にはアシスト用電動機としてクランク軸3を回転駆動する。
また、電子制御ユニット7は、エンジン1の始動時や車両の停車時のアイドル停止状態からの再始動時、またはエンジン1の加速時などに、エンジン運転状態検出手段8からの信号に基づいて、電動機4がクランク軸3を回転駆動する特定エンジン運転条件が成立したと判断すると、電動機4の動力をクランク軸3に伝達する際の動力伝達効率を高めるために、テンショナTに張力付与動作を行わせるべく、一時的に電動機4を逆転方向に回転させる。
補機ブラケット6に取り付けられたホルダ9に取り付けられるテンショナTは、ホルダ9に支点部19cで枢支されるレバー19と該レバー19に回転可能に支持されると共にベルト16の緩み側においてクランクプーリ11とモータプーリ12との間でベルト16を押圧する押圧部材としてのテンショナプーリ18とを介してベルト16の張力を調整する。
図2を併せて参照すると、ベルト16の張力を調整するために伸縮する液圧式テンショナとしての油圧式テンショナTは、伸縮可能な本体20を構成すると共に伸縮方向に平行に相対移動可能な1対のケース部材としての基体21および駆動体22と、基体21と駆動体22との間に配置されて本体20を伸長方向に付勢する弾発力を発生する弾発部材としてのテンショナバネ24と、駆動体22に固定されて設けられて駆動体22と一体に移動する第1作動部材としてのシリンダ25と、基体21に固定されて一体に設けられる第2作動部材としてのピストン26と、ピストン26に設けられるオリフィス27と、駆動体22に設けられるチェック弁28と、を備える。
基体21は、ホルダ9に枢着される連結部21aにおいてホルダ9および補機ブラケット6を介して固定側部材としてのエンジン本体2に連結され、駆動体22は、レバー19に支点部19cを挟んでテンショナプーリ18とは反対側で枢着される連結部22aにおいてレバー19を介してテンショナプーリ18に連結される。また、基体21と駆動体22とは、伸縮方向での両者の相対移動を可能とする連結構造としての可撓性部材であるゴム製の蛇腹23により連結される。なお、該連結構造は基体21と駆動体22との嵌合構造であってもよい。
本体20内には、テンショナTの作動液としての作動油Hが封入されている。テンショナTには、本体20内でシリンダ25およびピストン26の外部に形成されて作動油Hが貯留する貯留室30と、シリンダ25と該シリンダ25内に伸縮方向にシール部材29により液密に摺動可能に嵌合するピストン26との間に形成される圧力室31とが設けられる。貯留室30には、その一部に液面Haを形成する作動油Hが収容される一方、圧力室31の全体は作動油Hで満たされている。
貯留室30と圧力室31とを連通させる連通路32に配置されるチェック弁28は、本体20の伸長時であるテンショナTの張力付与動作時に、シリンダ25およびピストン26が伸長方向(すなわちテンショナTの伸張方向)に相対移動するときに開弁して、容積が増加する圧力室31に連通路32を通じて貯留室30からの作動油Hが流入することを許容する一方で、本体20の収縮時であるテンショナTの張力緩和動作時に、シリンダ25およびピストン26が収縮方向(すなわちテンショナTの収縮方向)に相対移動するときに閉弁して、容積が減少する圧力室31から連通路32を通じて貯留室30に作動油Hが流出することを阻止する。
オリフィス27は、ベルト16の張力の増加時にベルト16の振れを規制する減衰力を発生させる張力緩和動作時のピストン26に対するシリンダ25の相対移動の移動抵抗を、ベルト16の張力の減少時にベルト16に張力を付与するための張力付与動作時のピストン26に対するシリンダ25の移動抵抗よりも大きくする調整機能を有する調整手段を構成する。そのため、オリフィス27は、ピストン26に設けられて貯留室30と圧力室31とを連通させる調整通路としてのリーク通路33を流通する作動油Hの流量を制限するために、リーク通路33に配置されて、チェック弁28が閉弁する張力緩和動作時に、圧力室31から貯留室30に作動油Hを少量ずつ流出させる。
テンショナバネ24は、張力付与動作時に、その弾発力により基体21に対して駆動体22を、本体20が伸張するように移動させて、ベルト16の張力の減少に起因するベルト16の緩みを防止するために、ベルト16を押圧してその張力を増加させる。
テンショナTにおいて、張力緩和動作時には、ベルト16からレバー19を介して駆動体22に加わる荷重により、本体20が収縮するようにシリンダ25が圧力室31の容積を減少しつつピストン26に対して移動する。このとき、圧力室31内の圧力の増加によりチェック弁28が閉弁する一方、圧力室31内からリーク通路33を通じて貯留室30に流出する作動油Hの流量はオリフィス27により制限されるので、テンショナTにはベルト16の振れを規制する減衰力が発生すると共に、圧力室31からの作動油Hの制限された流出により本体20が収縮することで、ベルト16の張力が緩和されて、過大な張力の発生が防止される。
また、張力付与動作時には、テンショナバネ24により、本体20が伸張するようにシリンダ25が圧力室31の容積を増加しつつピストン26に対して移動する。このとき、圧力室31内の圧力の減少によりチェック弁28が開弁して、連通路32を通じて貯留室30の作動油Hが圧力室31に流入するので、テンショナTはテンショナバネ24の弾発力によりベルト16に張力を付与して、ベルト16による所要の動力伝達効率が確保される。
図1〜図3を参照すると、エンジン1の始動時や加速時などの前記特定エンジン運転条件が成立したとき、電動機4がクランク軸3を回転駆動する前に、電子制御ユニット7からの指令により電動機4は逆回転する。この逆回転時に発生する逆トルク(図3参照)は、電動機4が正回転してクランク軸3を回転駆動するときの動力伝達効率を高めるべく、ベルト16の張力を大幅に減少させるために、電動機4が発生可能な最大の大きさで、かつステップ状のトルク(発生している時間は例えば10〜20msである。)である。このため、電動機4の逆回転時にベルト16の張力が一時的に急激に減少するのに対応して、テンショナTは張力付与動作を行い、貯留室30の作動油Hが連通路32および開弁状態にあるチェック弁28を介して圧力室31に流入して、ベルト16の張力の減少量に応じたストローク量S1だけ、逆回転開始時の状態に比べて伸張する。
そして、この逆回転時の張力付与動作(以下、「逆回転時張力付与動作」という。)が終了した時点およびその前後を通じて、テンショナTにおいては圧力室31がリーク通路33を通じて貯留室30と連通状態にある。このため、例えば図3に示されるように電動機4の逆回転終了直後に、電動機4を正回転させてクランク軸3を回転駆動すると、ベルト16の張力は急増する。このとき、テンショナTは、ベルト16の張力の増加に対応して、オリフィス27により決まる特性で張力緩和動作を行う。このように、テンショナTでは、逆回転時張力付与動作の終了直後からベルト16の張力に応じた張力緩和動作が可能になる。
次に、前述のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。
テンショナTは、張力緩和動作時および張力付与動作時に相対移動可能なシリンダ25およびピストン26と、電動機4が逆転方向に回転するときの逆回転時張力付与動作の終了直後からベルト16の張力に応じた張力緩和動作を可能とするオリフィス27とを備えることにより、電動機4の逆回転によりベルト16の張力が減少して、テンショナTが逆回転時張力付与動作を行うため、その後に電動機4が正回転してクランク軸3を回転駆動する際には、該逆回転時張力付与動作が行われない場合に比べてベルト16の張力が増加するので、巻掛け伝動機構10の動力伝達効率が高まる。そして、テンショナTは、逆回転時張力付与動作の終了直後からベルト16の張力に応じた張力緩和動作を行うことができるので、電動機4の正回転により張力が増加したときに、この張力緩和動作によりベルト16に過大な張力が発生することが防止される。
また、逆回転時張力付与動作直後からの張力緩和動作が、リーク通路33を流通する動作油の流量を制限するオリフィス27により行われることから、該張力緩和動作を行うための制御弁や該制御弁を駆動するアクチュエータが不要になるので、テンショナTのコストが削減され、かつ小型化される。
次に、図4〜図6を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。この第2実施形態は、第1実施形態とは、調整手段の構造が相違し、その他は基本的に同一の構成を有するものである。そのため、同一の部分についての説明は省略または簡略にし、異なる点を中心に説明する。なお、第1実施形態の部材と同一の部材または対応する部材については、必要に応じて同一の符号を使用した。
図4,図5(A)を参照すると、調整手段は、オリフィス27と弁機構40とから構成される。リーク通路33に配置されるオリフィス27は、ピストン26に設けられた小径の貫通孔からなる絞り通路27aにより規定される絞り通路面積(以下、「絞り通路面積」という。)を有する。リーク通路33は、ピストン26内に設けられてオリフィス27が配置される第1通路33aと、後述する弁体41に設けられる第2通路33bと、シリンダ25の内周とピストン26の外周との間の隙間により形成される第3通路33cとから構成される。
弁機構40は、リーク通路33の通路面積(以下、「リーク通路面積」という。)を、絞り通路面積よりも小さい値から絞り通路面積よりも大きい値の範囲で増減する弁体41と、張力付与動作時に移動するシリンダ25に追従可能に弁体41を保持する保持手段としての摩擦部材42と、張力付与動作時のシリンダ25およびピストン26の相対移動により生じる弾性変形による弾発力で弁体41を移動させる弾発部材としての弁バネ43とを備える。
弁体41は、シリンダ25内でシリンダ25とピストン26との間でシリンダ25およびピストン26に対して相対移動可能に配置される環状部材から構成される。弁体41および弁バネ43は、第1通路33aの径方向外方に設けられたピストン26の環状溝により構成される収容室44内に収容される。弁体41は、ピストン26の小径部26aの外周に、かつシリンダ25の内周に摺動可能に嵌合するスライド弁である。摩擦部材42は、張力付与動作時に移動するピストン26に追従して弁体41が移動するように弁体41に設けられる。そして、ゴム製のOリングから構成される摩擦部材42は、弁体41において弁バネ43寄りの部分の外周に設けられた円環状の環状溝に装着される。
圧縮コイルバネからなる弁バネ43は、ピストン26と弁体41との間に配置されて、弁体41を挟んで伸縮方向でストッパ26bに対向して設けられた受け部26cと弁体41との間の収容室44の一部分であるバネ室44aに収容される。弁バネ43は、弁体41をピストン26に対するシリンダ25の収縮方向に付勢して、弁体41をストッパ26bに当接させる。このとき、弁体41はストッパ26bに当接する初期位置を占める。バネ室44aは、圧力室31からリーク通路33を通じて貯留室30に流出する作動油Hに関して、オリフィス27よりも下流に位置する部分で、第2通路33bに常時連通する連通路34を介してリーク通路33に連通する。
ここで、ストッパ26bおよび受け部26cは収容室44の底壁である小径部26aと共に収容室44を画成する側壁であり、小径部26aの外周には絞り通路27aが開口する。そして、弁機構40は、弁体41、摩擦部材42および弁バネ43が収容室44に収容された状態でピストン26に組み付けられている。
摩擦部材42は、ピストン26がシリンダ25に嵌合した状態で、シリンダ25により径方向内方に押し潰されていて、その弾性変形に起因する弾発力からなる押圧力をシリンダ25に加えている。この押圧力により、摩擦部材42とシリンダ25との間には摩擦が発生する。該摩擦は、弁体41に作用する静摩擦力および動摩擦力を生じさせる。そして、前記静摩擦力は、前記初期位置にある弁体41を付勢しているときの弁バネ43の弾発力(以下、「初期弾発力」という。)よりもやや大きく、弁体41が前記初期位置からシリンダ25の伸長方向に後述する小ストローク量の範囲内で移動するときに発生する弁バネ43の弾発力よりも小さくなるように、また前記動摩擦力は、初期弾発力よりも小さくなるように、前記押圧力、摩擦部材42とシリンダ25との間の摩擦係数および弁バネ43のバネ定数が設定される。
このため、シリンダ25が伸長方向に移動すると、前記静摩擦力により、弁体41は、移動するシリンダ25に一旦追従して、シリンダ25と一体に移動し、その慣性で弁バネ43の弾発力が前記静摩擦力を越えて大きくなる位置まで移動し、その後に弁バネ43の弾発力によりシリンダ25に対してシリンダ25の収縮方向に急速に移動してストッパ26bに当接する前記初期位置を占める。
このように、弁機構40はシリンダ25およびピストン26の相対移動を利用して作動する。そして、弁体41は、摩擦部材42により、張力付与動作時(またはテンショナTの伸張時)のシリンダ25およびピストン26の相対移動に基づく前記初期位置からのストローク量に応じて異なる2つの位置、すなわち非絞り位置および絞り位置を占める。非絞り位置は、リーク通路面積を絞り通路面積以上とする弁体41の位置である。図5(A)には、非絞り位置の一例として、弁体41がストッパ26bに当接する前記初期位置が示されている。一方、絞り位置は、リーク通路面積を絞り通路面積よりも小さな通路面積(以下、「弁通路面積」という。)とする弁体41の位置である。図5(B)には、絞り位置の一例として、弁体41が第1通路33aの絞り通路27aを閉塞することによりリーク通路33を閉塞する(すなわち、弁通路面積が0(ゼロ)である。)位置が示されている。
それゆえ、テンショナTが張力緩和動作を行うか否かと張力緩和動作時の特性とを決定する最小リーク通路面積は、弁体41が非絞り位置を占めるときはオリフィス27により規定される絞り通路面積であり、弁体41が絞り位置を占めるときは弁体41により規定される弁通路面積である。
そして、前記初期位置からの、ピストン26に対するシリンダ25のストローク量が、リーク通路面積が絞り通路面積と等しくなる位置まで弁体41が移動するときの前記ストローク量である所定ストローク量以下の小ストローク量(以下、「小ストローク量」という。)のとき、またはシリンダ25の伸長速度が小さいときは、摩擦部材42により、弁体41はシリンダ25の動きに一旦追従するものの、絞り位置を越えることがない。そして、前記静摩擦力よりも大きくなった弁バネ43の弾発力により、弁体41はシリンダ25の収縮方向に急速に移動してストッパ26bに当接する。
一方、シリンダ25の伸長速度が大きく、かつ前記ストローク量が前記所定ストローク量を越える大ストローク量(以下、「大ストローク量」という。)のときは、図5(B)に示されるように、摩擦部材42により、弁体41は、シリンダ25の動きに一旦追従して、弁バネ43を圧縮してストッパ26bから大きく離れて、一時的に絞り位置を占める。そして、弁体41が絞り位置を占めている時間である所定時間t(図6参照)の間、弁体41は絞り通路27aを閉塞する位置を占めており、所定時間t経過後に、弁体41は、既に摩擦部材42による静摩擦力よりも大きくなっている弁バネ43の弾発力でシリンダ25の収縮方向に急速に移動してストッパ26bに当接する。それゆえ、この実施形態では、弁体41がリーク通路33を閉塞している時間が所定時間tの殆どを占める。
ここで、前記所定ストローク量や所定時間tは、弁体41の形状、弁バネ43のバネ定数および初期弾発力、前記摩擦係数などを変更することにより調整できる。
図5を参照して、テンショナTの動作について説明する。
弁体41は、シリンダ25およびピストン26が相対移動しないとき、弁バネ43の弾発力によりストッパ26bに当接していて、非絞り位置を占める(図5(A)参照)。
この状態から、テンショナTが張力緩和動作を行うとき、シリンダ25およびピストン26は第1実施形態と同様の動作を行う一方で、張力付与動作を行うときは、弁体41の前記ストローク量に応じて次にように動作する。
ベルト16の張力が緩やかに減少するなどのために、前記ストローク量が小ストローク量のとき、弁体41は非絞り位置を占める。このため、小ストローク量での張力付与動作によるテンショナTの伸張が終了した直後、ベルト16の張力が増加して張力緩和動作が行われる場合、リーク通路33での作動油Hの流量はオリフィス27により規定され、オリフィス27による特性で張力緩和動作が行われる。
一方、電動機4による逆トルクがベルト16に作用するときなど、ベルト16の張力が急激に減少して前記ストローク量が大ストローク量となるとき、弁体41は絞り位置を一時的に占める。このため、大ストローク量での張力付与動作によるテンショナTの伸張が終了した直後の所定時間tの間、弁体41はリーク通路33を閉塞する絞り位置を占める。そして、この張力付与動作の終了直後にベルト16の張力が増加した場合、テンショナTは、所定時間tの間、実質的に張力緩和動作を行わないロック状態になる。所定時間tが経過すると、弁体41は弁バネ43に付勢されて急速に前記初期位置に移動して、オリフィス27による特性で張力緩和動作が行われる(図5(C)参照)。
それゆえ、弁体41が絞り位置を占めるとき、リーク通路33での作動油Hの流量がオリフィス27により決定される場合に比べて減少するため、テンショナTはより大きな減衰力でベルト16の振れを規制し、テンショナTの張力緩和機能が減少して、ベルト16の張力がより大きい状態に維持される。
なお、電動機4の逆回転時のようにベルト16の張力が短時間の間に急減する特別な場合を除いて、通常のベルト16の張力変動では、弁体41が絞り位置を占めることは殆どない。
図5,図6を参照して、電動機4の逆回転時のテンショナTの動作について説明する。
第1実施形態と同様に、エンジン1の始動時や加速時などの前記特定エンジン運転条件が成立したとき、電動機4がクランク軸3を回転駆動する前に、電子制御ユニット7(図1参照)からの指令により電動機4は逆回転する。この電動機4の逆回転時に発生する第1実施形態のときと同様の逆トルクにより、ベルト16の張力が一時的に減少するので、テンショナTは逆転時張力付与動作を行い、シリンダ25は、ベルト16の張力の減少量に応じたストローク量S(図6参照)だけ、逆転開始直前の状態に比べて伸張する。このとき、ストローク量Sが、前記初期位置からの前記ストローク量に換算したとき前記所定ストローク量(図6において所定ストローク量SR0で示される。)以下の小ストローク量であると、逆回転時張力付与動作が終了した時点で、弁体41は非絞り位置にあるので、テンショナTにおいては圧力室31がリーク通路33を通じて貯留室30と連通状態にある。このため、例えば図6に示されるように、電動機4の逆回転終了直後、すなわち逆転時張力付与動作終了直後に、電動機4が正回転してクランク軸3を回転駆動してベルト16の張力が増加すると、テンショナTは、ベルト16の張力の増加に対応して、図6に二点鎖線で示されるように、オリフィス27により決まる特性で張力緩和動作を行う。
また、逆回転時張力付与動作時のストローク量Sが所定ストローク量SR0を越える大ストローク量であると、逆回転時張力付与動作が終了した時点で、弁体41は絞り位置(図5(B)参照)にあるので、リーク通路33が弁体41により閉塞されて、実質的に所定時間t(例えば0.5msである。)の間、圧力室31と貯留室30との連通が遮断された状態にある。このため、例えば図6に示されるように、逆転時張力付与動作終了直後に、電動機4の正回転によりベルト16の張力が増加すると、所定時間tの間は張力緩和動作が行われないロック状態になり、大きな張力が維持される。そして、所定時間tが経過すると、弁体41は弁バネ43の弾発力により急速に非絞り位置に移動して、ついには前記初期位置を占めて(図5(C)参照)、オリフィス27による特性で張力緩和動作が行われる。
調整手段が、張力緩和動作時にリーク通路33を流通する動作油の流量を制限するオリフィス27と、リーク通路面積を増減する弁体41を備える弁機構40とから構成される第2実施形態によれば、張力付与動作時の前記ストローク量が小ストロークのときは、第1実施形態と同様の作用および効果が奏されるほか、次の作用および効果が奏される。
弁機構40は、逆回転時張力付与動作時のテンショナTのストローク量Sが所定ストローク量SR0以下のとき、および張力付与動作時のテンショナTのストローク量Sが前記所定ストローク量以下のとき、非絞り位置に弁体41を位置させて逆回転時張力付与動作の終了直後から張力緩和動作を可能とし、ストローク量Sが所定ストローク量SR0を越えるとき、および張力付与動作時のテンショナTのストローク量Sが前記所定ストローク量を越えるとき、絞り位置に所定時間tだけ弁体41を位置させて、逆回転時張力付与動作の終了直後からのオリフィス27による張力緩和動作を前記所定時間tだけ遅延させる。このため、電動機4によりクランク軸3を回転駆動するときの動力伝達効率を格別に高める必要がないために電動機4の逆トルクを小さくすることにより、またはベルト16の張力が既に小さい状態にあることなどにより、電動機4の逆回転時の張力減少が比較的小さく、したがって逆回転時張力付与動作時のシリンダ25のストローク量Sが小ストローク量である場合、逆回転時張力付与動作終了直後から、張力緩和動作が行われて、ベルト16に過大な張力が発生することが防止される。一方、電動機4によりクランク軸3を回転駆動するときの動力伝達効率を一層高めるために電動機4の逆トルクを大きくすることにより、またはベルト16の張力が既に大きい状態にあることなどにより、電動機4の逆回転時の張力減少が比較的大きく、したがって逆回転時張力付与動作時のシリンダ25のストローク量Sが大ストローク量である場合、テンショナTは、逆回転時張力付与動作終了直後からの張力緩和動作が所定時間tだけ遅延されて、電動機4が正回転するときにテンショナTの張力が大きな状態に所定時間t維持されるので、電動機4により出力軸を回転駆動するときの動力伝達効率が高められる。そして、比較的短時間である所定時間t経過後は、オリフィス27による張力緩和動作が行われため、過大な張力の発生が抑制される。
弁機構40は、保持手段である摩擦部材42と弁バネ43とを備え、弁バネ43は、電動機4の逆回転時のシリンダ25によるストローク量Sが小ストローク量であるとき、摩擦部材42によりシリンダ25に保持される弁体41を非絞り位置に位置させるように弾性変形し、シリンダ25によるストローク量Sが大ストローク量であるとき、摩擦部材42に保持される弁体41を絞り位置に位置させるように弾性変形した後、所定時間t経過後に弾発力により非絞り位置に弁体41を移動させることにより、逆回転時張力付与動作の終了後の張力緩和動作の特性を規定するリーク通路33のリーク通路面積を制御する弁体41の移動および所定時間tの設定が、逆回転時張力付与動作時のシリンダ25の移動を利用した保持手段である摩擦部材42および弁バネ43により行われるので、逆回転時張力付与動作終了直後の張力緩和動作の制御がテンショナTの張力付与動作を利用して動作する弁機構40により行われて、ソレノイドなどのアクチュエータが不要になり、テンショナTのコストが削減される。
保持手段は、張力付与動作時に移動するシリンダ25に追従して弁体41が移動するように弁体41に設けられてシリンダ25との間で摩擦が発生する摩擦部材42であることにより、保持部材がシリンダ25との間で摩擦が発生する摩擦部材42、例えばゴム材により構成されるので、テンショナTのコスト削減に寄与する。
以下、前述した実施形態の一部の構成を変更した実施形態について、変更した構成に関して説明する。
シリンダ25が基体21に設けられ、ピストン26が駆動体22に設けられてもよい。
無端伝動帯は無端のチェーンであってもよい。
第2実施形態において、弁体41が絞り位置を占めるとき、弁体41はリーク通路33を閉塞することなく、絞り通路面積よりも小さく、かつ0(ゼロ)よりも大きい弁通路面積を形成するものであってもよい。
エンジンは、前記実施形態では車両に使用されるものであったが、車両以外の機械、例えば鉛直方向を指向するクランク軸を備える船外機等の船舶推進装置に使用されるものであってもよい。また、エンジンは、内燃機関以外の燃焼機関または原動機であってよく、さらに出力軸は、クランク軸以外の軸であってもよい。
本発明の第1実施形態を示し、本発明が適用されたエンジンの概略の側面図である。 図1のエンジンに備えられるテンショナの断面図である。 図2のテンショナが逆転時張力付与動作およびその後の動作を行うときの、電動機の発生トルクおよび電動機の逆回転開始時を原点としたときのテンショナのストローク量のタイムチャートである。 本発明の第2実施形態におけるテンショナの、図2に対応する断面図である。 (A)は図4のテンショナの要部拡大図であり、(B)は、(A)において逆回転時張力付与動作終了後の所定時間t内のテンショナの状態を示し、(C)は、(A)において逆回転時張力付与動作終了後の所定時間t経過後のテンショナの状態を示す。 図4のテンショナが逆転時張力付与動作およびその後の動作を行うときの、電動機の発生トルクおよび電動機の逆回転開始時を原点としたときのテンショナのストローク量のタイムチャートである。
符号の説明
1…エンジン、3…クランク軸、4…発電機兼用電動機、10…巻掛け伝動機構、16…ベルト、25…シリンダ、26…ピストン、27…オリフィス、33…リーク通路、40…弁機構、41…弁体、42…摩擦部材、43…弁バネ、
T…テンショナ、S…ストローク量。

Claims (5)

  1. 出力軸と、
    正逆回転可能で、出力軸により正転方向に回転駆動されて発電すると共に出力軸を正転方向に回転駆動可能な発電機兼用電動機と、
    出力軸と電動機との間で動力を伝達する無端伝動帯を備える巻掛け伝動機構と、
    無端伝動帯の張力を調整する液圧式テンショナとを備えるエンジンにおいて、
    前記電動機は、該電動機を一時的に逆転方向に回転した直後に正転方向に回転する手段を備え、
    前記テンショナは、
    無端伝動帯の張力付与動作および張力緩和動作のために相対移動可能な第1作動部材および第2作動部材と、
    前記無端伝動帯の張力緩和のための調整手段とを備え、
    前記調整手段は、前記電動機の逆回転に伴う無端伝動帯の張力減少に応じる前記テンショナの張力付与動作がなされ、該電動機の逆回転直後の正回転時から前記無端伝動帯の張力緩和動作を行う
    ことを特徴とするエンジン。
  2. 前記テンショナには、前記第1作動部材および前記第2作動部材の相対移動により動作液が流通する調整通路が設けられ、
    前記調整手段は、前記張力緩和動作時に前記調整通路を流通する前記動作液の流量を制限するオリフィスから構成されることを特徴とする請求項1記載のエンジン。
  3. 前記テンショナには、前記第1作動部材および前記第2作動部材の相対移動により作動液が流通する調整通路が設けられ、
    前記調整手段は、前記張力緩和動作時に前記調整通路を流通する前記動作液の流量を制限するオリフィスと、前記調整通路の通路面積を増減する弁体を備える弁機構とから構成され、
    前記弁機構は、前記逆回転時張力付与動作時の前記テンショナのストローク量が所定ストローク量以下のとき、前記調整通路での前記作動液の流量が前記オリフィスにより規定される非絞り位置に前記弁体を位置させることにより前記逆回転時張力付与動作の終了直後から前記張力緩和動作を可能とし、前記ストローク量が前記所定ストローク量を越えるとき、前記調整通路での前記作動液の流量が前記弁体により規定される絞り位置に所定時間だけ前記弁体を位置させて、前記逆回転時張力付与動作の終了直後からの前記オリフィスによる前記張力緩和動作を前記所定時間遅延させることを特徴とする請求項1記載のエンジン。
  4. 前記弁体は前記張力付与動作時に移動する前記第1作動部材に移動可能に設けられ、
    前記弁機構は、移動する前記第1作動部材に追従可能に前記弁体を保持する保持手段と、前記張力付与動作時の前記第1作動部材の移動により生じる弾性変形による弾発力で前記弁体を移動させる弾発部材とを備え、
    前記弾発部材は、前記第1作動部材による前記ストローク量が前記小ストローク量であるとき、前記保持手段により保持される前記弁体を、前記非絞り位置に位置させるように弾性変形し、前記第1作動部材による前記ストローク量が前記大ストローク量であるとき、前記保持手段に保持される前記弁体を前記絞り位置に位置させるように弾性変形した後、前記所定時間経過後に弾発力により前記非絞り位置に前記弁体を移動させることを特徴とする請求項3記載のエンジン。
  5. 前記保持手段は、前記張力付与動作時に移動する前記第1作動部材に追従して前記弁体が移動するように前記弁体に設けられて前記第1作動部材との間で摩擦が発生する摩擦部材であることを特徴とする請求項4記載のエンジン。
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