JP4711527B2 - 接触加熱用ヒーター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ベアチップを基板上に実装する際に用いるダイボンディングヒーター等、被加熱物に接触して加熱する接触加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ベアチップを基板上に実装する方法として、異方性導電膜(ACF)等の樹脂系の接着材を使用したACF接続方法、またはマルチチップモジュールに用いるようなAu−Si、Au−Sn等の低融点ロウ材を使用したフリップチップ接続法が行われている。
【0003】
例えば、フリップチップ接続法は、図3に示すように、多層パッケージ基板16上に半導体チップ13を載置して、その上面からボンディング用のヒーター11と接着剤を用いた方法などで化学的に接合されたツール12で加熱しながら押圧することによって、接合を行っている。この時、両者に備えたハンダバンプ15によって、接合するとともにワイヤリングを行うことができる。
【0004】
ボンディング用のヒーター11に求められる特性としては、まず使用する接着材を軟化もしくは溶融するために必要十分な熱を、半導体チップ13を介してハンダバンプ15に代表される接着材まで効率よく伝える必要がある。
【0005】
さらに、半導体チップ13を接合する際には、熱と同時に圧力も加えるため、ボンディング用のヒーター11及びツール12には機械的強度や耐摩耗性が要求される。
【0006】
このような点から、ボンディング用のヒーター11としては、チタンやモリブデン等の耐熱金属材を用い、焼結ダイヤでツール12を構成するとともに、ヒーター11自体にパルス性大電流を流して発熱させるようにしたパルスヒーター方式があった。
【0007】
また、特開平10−134938号公報では、図4に示すように、セラミックス製のヘッド20とそのヘッド20を他部材に結合するセラミックス製のホルダー17とから構成され、セラミックヒーター18とヘッド20とが、窒化珪素、窒化アルミニウム、アルミナ、酸化珪素、ジルコニア、アルカリ土類金属酸化物、希土類元素酸化物のいずれかの組み合わせからなり、融点が1500〜1800℃の高融点ガラスである接着剤19によって接合され、ホルダー17よりもヘッド20の熱伝導率を高くしたボンディング用ヒーターが提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、年々拡大化の一途をたどる半導体市場において、その急成長の牽引車となっている携帯電話、モバイルコンピューターのさらなる急速な普及および高性能化に伴い、半導体チップ実装の高集積化、小型化はとどまるところを知らない。これに伴い、多層パッケージ基板に実装する半導体チップを実装する際の実装精度の要求が高まってきた。
【0009】
ところが、前記従来の図3に示すパルスヒーター方式では、ヒーター11そのものに振動が生じ、半導体チップ13を位置決めした位置と実装した位置にずれが発生する。このずれは、半導体チップを実装した電子機器の性能に著しく影響するという問題があった。
【0010】
また、図4に示すように、セラミックヒーター18を用いるタイプの押圧加熱用ヒーターでは、500℃程度まで加熱されるセラミックヒーター18により、ホルダー17を固定する装置側の温度が上昇すると、実装装置側の温度分布により変形が生じ、これにより半導体チップ実装の位置ずれを発生させるという問題があった。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記問題点に鑑み、鋭意研究の結果、被加熱物と接触するためのセラミックツールと、このセラミックツールを加熱するためのセラミックヒーターと、このセラミックヒーターで発生した熱を遮断するための、多孔質なセラミックスからなる断熱材と、これらを実装装置に結合するホルダーとをこの順に備え、このホルダーを実装装置に保持するようにした、前記セラミックツール、前記セラミックヒーター、前記断熱材および前記ホルダーが順に積層されてなり、前記セラミックツールと前記セラミックヒーターとは真空吸着で締結してある接触加熱用ヒーターであって、この接触加熱用ヒーターの内部で断熱材とホルダーとの境界付近に、断熱材の主面の面積に対し20〜60%の面積を有する空気層を形成し、該空気層に冷却気体を供給する手段を有し、セラミックツールの表面温度を500℃にした時に、ホルダーの前記断熱材と反対側に位置する下面の温度を70℃以下とすることにより、半導体チップ実装の精度が高い接触加熱用ヒーターを得ることができることを見出した。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に図を用いて本発明の詳細について説明する。
【0013】
本発明の接触加熱装置は、図1、2に示すように被加熱物を押圧するためのセラミックツール1と、そのセラミックツール1を加熱するためのセラミックヒーター2と、セラミックヒーター2から発生した熱がセラミックツール1と異なる方向に伝達することを防止するための断熱材3と、以上の各部品を統合し他部材に結合するためのホルダー4とを備えている。
【0014】
さらに、断熱材3とホルダー4との間に空気層6を形成し、この空気層6は、図2(a)のX−X断面図である図2(b)に示すように、中央に備えた真空吸着用の穴3a、3bを囲むブロック部と断熱材3の外周に囲まれた部分とで形成される。ガス入口10から冷却気体を供給しガス出口7から冷却気体を排出することにより、断熱材3からホルダー4への熱伝達を抑制し、セラミックツール1の表面mの温度が500℃の時にホルダー4の下面nの温度が70℃以下となるように調整している。
【0015】
半導体チップの実装精度を高めるためには、もしくは実装する半導体チップの実装前後の位置ずれを極小化するためには、多層基板と半導体チップの平面度、押圧するヒーターの上げ下げ時の押圧の位置精度、セラミックツール1とセラミックヒーター2との熱膨張係数の大小が実装精度に影響するが、最も実装精度に影響する因子は、加熱して押圧する接触加熱ヒーターが実装装置と接触する部分であるホルダー4の下面nの温度である。ホルダー4を固定する実装装置の面の温度が高いと、実装装置側の温度分布により実装装置側が変形したり、実装装置側の材質の熱膨張により位置ずれが発生したりする。そこで、半導体チップの実装精度を向上させるためには、このホルダー4を実装装置に固定する部分の温度を如何に低くするかということが必要条件となる。
【0016】
本発明者は鋭意研究の結果、半導体チップを製造するあるいは半導体チップを実装する実装装置に保持する際、前記セラミックツール1の表面温度を500℃にした時に、ホルダー4の下面nの温度を70℃以下とすればよいことを見出した。
【0017】
ホルダー4の実装装置側である下面nの温度を70℃以下としたのは、セラミックツール1からホルダー4までの部分はセラミックスおよび鉄・ニッケル・コバルト合金(ノビナイト鋳鉄)からなり、3〜5×10-6/℃と比較的熱膨張率の小さな材料で構成されているから温度によるずれの発生は比較的小さいが、これらに較べて実装装置側は一般の鋼材からなるため熱膨張率が15×10-6/℃程度と大きくなるため温度の影響を受けやすいからであり、上記下面nの温度が70℃以下であれば、上記温度差による悪影響を防止できる。
【0018】
また、断熱材3とホルダー4との間に空気層6を設けてここに冷却気体を入れて冷却すると、断熱材3は多孔質なセラミックスからなるため、冷却の際に断熱材3中に冷却気体が拡散して冷却効率を高めることができる。
【0019】
本方法の他にも断熱材3の厚みを十分厚くしてホルダー4の実装装置側の下面nの温度を70℃以下とする方法もある。この方法では、ガス入口5、空気層6、ガス出口7の設定は必要なくなるが、断熱材3の厚みが厚くなるため、実装装置として断熱材3の厚みの増加を吸収できるかが問題となる。
【0020】
また、ペルチェ効果やゼーベック効果を利用してホルダー4を直接冷却する方法もある。この方法では断熱材3をいたずらに厚くする必要はないが、冷却が局所的になる傾向があるため、冷却構造に注意を払う必要がある。
【0021】
また、図1、2で冷却気体ではなく、冷却水を流す方法もあるが、この方法ではセラミックヒーター2に水滴がつく可能性が考えられるので、図1に示す構造全体の乾燥を十分に行う必要がある。また本方法では、冷却水のチラーが大がかりになるため、実装機全体に対する水冷却の占める価格が割高になってしまうことも注意する必要がある。
【0022】
ここで、本発明の接触加熱装置の組立方法について説明する。図1に示すように、セラミックツール1とセラミックヒーター2、またセラミックツール1と半導体チップ(不図示)とは、真空吸着で締結する。セラミックヒーター2と断熱材3、また断熱材3とホルダー4とはボルト5によって締結する。真空引き溝2aはセラミックツール1とセラミックヒーター2とを締結するための真空吸着着用の溝である。この真空引き溝2aを真空状態にするには、真空引き溝2aを断熱材3に続けて設けられた真空引き穴3a、さらにホルダー4にも続けて設けられた真空引き穴4aを介して真空引きすることにより行う。
【0023】
また、真空引き溝1bは半導体チップを真空吸着するための真空吸着用の穴である。この真空引き溝1bはセラミックヒーター2の真空引き穴2b、断熱材3の真空引き穴3b、ホルダー4の真空引き穴4bと続けて設けられており、真空引き穴4bを介して真空引きすることにより、セラミックツール1の上の半導体チップを真空吸着する。
【0024】
この他にも接着剤を用いた接合、焼成収縮を利用した接合などいかなる接合方法によっても図1に示す各部材が脱着可能であれば、本発明と同様の効果が得られる。たとえば、金属製あるいはセラミックス製の板で上記各部を挟み込んで固定してもよい。
【0025】
このように、被加熱物を押圧するためのセラミックツール1と、そのセラミックツール1を加熱するためのセラミックヒーター2と、セラミックヒーター2から発生した熱を遮断し主にセラミックツール1側に伝達させるための断熱材3と、以上の各部品を統合し他部材に結合するためのホルダー4とから構成され、以上の各部が機械的に締結されているだけで、各部材を脱着可能とすることにより、セラミックツール1とセラミックヒーター2とを交換するだけで様々な半導体チップサイズへの対応ができる。
【0026】
また、ツール1の熱伝導率が100W/m・K以上、セラミックヒーター2の熱伝導率が10W/m・K以上であることが好ましい、これは、セラミックヒーター2の熱伝導率を高めることにより、空気中への熱放散によりセラミックツール1の周囲部分の温度が低下するのを防止すると同時にセラミックヒーター2で発熱した熱をセラミックツール1側に効率的に供給できるようにし、セラミックツール1の周囲部分の温度低下を防ぐためである。
【0027】
もし、セラミックツール1の熱伝導率が100W/m・K未満であると、セラミックツール1内の温度分布が大きくなるため、半導体チップ上の温度分布が大きくなり、ハンダチップのボンディングにバラツキが発生するという問題が発生する。また、セラミックヒーター2の熱伝導率が10W/m・K未満となると、セラミックヒーター2面内の温度分布が大きくなり、半導体チップ上の温度分布がばらつくので、好ましくない。
【0028】
被加熱物と押圧するためのセラミックツール1としては、炭化珪素、窒化アルミニウムなどを主成分とする焼結体を用いる。
【0029】
たとえば焼結助剤としてAl2O3、Y2O3、Yb2O3などを焼結助剤として含有させた窒化アルミニウム焼結体を用いることが好ましい。具体的には、窒化アルミニウム粉末とAl2O3、Y2O3、Yb2O3などの所望の焼結助剤粉末を所望の組成になるように調製して、メタノール、IPAなどの非水系溶媒と混合効率を上げるためのAl2O3製又はSi3N4製のメディアとともにボールミル、振動ミルといった方法で混合し、得られた窒化アルミニウムスラリーを200メッシュ程度のメッシュに通して、メディアからの混入、ボールミル、振動ミルのライニングからの混入を取り去った後に防爆式の乾燥機により120℃程度で24時間程度乾燥した後に40メッシュ程度のメッシュパスを施す。ここで得られた、窒化アルミニウムと所望の焼結助剤の混合された粉末に、さらに、所望の有機バインダーを所望量混合し、スプレードライ法、乾式造粒法、湿式造粒法などの方法により造粒した後、プレス成形またはCIP成形により所望の形状に加工し、500〜700℃程度の温度で脱脂することにより有機バインダーを飛散させ、得られた成形体を窒素中にて1800℃〜2000℃程度の温度で焼結させた。あるいは直接カーボン型中で成形と焼結とを同時に行うホットプレスで焼結させても良い。
【0030】
また、炭化珪素質焼結体を用いる場合、例えば炭化珪素に対し0.2〜4.0重量%の炭化硼素や必要に応じて0.5〜5重量%の希土類元素酸化物を添加して、1900〜2100℃の真空中で焼成する。
【0031】
これらの窒化アルミニウム質焼結体や炭化珪素質焼結体は、熱伝導率を100W/m・K以上とすることができる。
【0032】
また、セラミックヒーター2は、窒化珪素、炭化珪素、アルミナ、窒化アルミニウムなどを主成分とするセラミックス中に発熱抵抗体を埋設したものを用いることが好ましい。
【0033】
たとえば炭化珪素もしくは窒化珪素を用いたセラミックスヒーター2は、窒化珪素粉末とAl2O3、Y2O3、Yb2O3などの所望の焼結助剤粉末を所望の組成になるように調整するか、又は炭化珪素粉末とB、Cなどの所望の焼結助剤粉末を所望の組成になるように調整して、メタノール、IPAなどの非水系溶媒と混合効率を上げるためのAl2O3製又はSi3N4製のメディアとともにボールミル、振動ミルといった方法で混合し、得られたスラリーを200メッシュ程度のメッシュに通して、メディアからの混入、ボールミル、振動ミルのライニングからの混入を取り去った後、防爆式の乾燥機で120℃程度で24時間程度乾燥した後に40メッシュ程度のメッシュに通す。ここで得られた、混合粉末に、スプレードライ法、乾式造粒法、湿式造粒法などの方法により所望の有機バインダーを所望の量だけ混合して、プレス成形、CIP成形して所望の形状を得た後、脱脂工程を500〜700℃程度の温度で行い、有機バインダーを飛散させて得られた成形体を窒素中にて1800℃〜2000℃程度の温度で焼結させることにより窒化珪素製あるいは炭化珪素製の板を得る。あるいは直接カーボン型中で成形と焼結を同時に行うホットプレスでも窒化珪素製あるいは炭化珪素製の板を得ても良い。
【0034】
ここで得られた窒化珪素製あるいは炭化珪素製の板をセラミックヒーター2とする方法を以下に説明する。炭化珪素をセラミックヒーター2として使用する場合には、その半導体的性質から、炭化珪素そのものに電流を通電して加熱する。また窒化珪素をセラミックヒーター2として使用する場合には、その絶縁性から直接窒化珪素に電流を通電するのではなく、窒化珪素の表面または内部に導電性セラミックスあるいは金属からなるW、Mo、WCなどの発熱抵抗体を印刷するなどの方法で形成して、還元雰囲気中などでその発熱体を窒化珪素に後付け又は窒化珪素の焼結と同時に焼き付け一体化することにより、セラミックヒーター2として使用する。この窒化珪素の表面または内部に一体形成された導電性セラミックスあるいは金属からなる発熱抵抗体に電流を通電することにより加熱するには、金属リード線を導電性セラミックスあるいは金属からなる発熱体にAg−Cu、Ag、Cuなどのロウ材を用いて真空中又は非酸化性雰囲気中にてロウ付けを行い、このロウ付けされた金属リード線に通電すると良い。
【0035】
このようにして熱伝導率が10W/m・K以上であるセラミックヒーター2を得ることができる。
【0036】
断熱材3としては、5〜30%程度の気孔率を有するムライトセラミックスやムライト−コージェライトセラミックスを用いる。上記気孔率を持った断熱材3は、樹脂性のビーズを生成形体中に分散させて焼成すれば、強度と断熱性を同時に満足する焼結体を得ることができる。また、単に多孔質焼結体とするだけであれば、焼結温度より低い温度で焼成するか、粒径の粗い原料を用いて焼成することにより、多孔質な断熱材とすることができる。このようにして断熱材3を得ることができる。
【0037】
セラミックツール1を除く、各部品を統合し他部材に結合するためのホルダー4としては、例えばNiの添加量を調整することによって熱膨張係数を上記セラミックスと同程度にした鉄・ニッケル・コバルト合金(ノビナイト(登録商標)鋳鉄)を使用すれば良い。
【0038】
【実施例】
以下本発明の実施例を説明する。
【0039】
実施例1
ここでは、図1、2に示す本発明の接触加熱装置で、セラミックツール1の表面mの温度を500℃とし、ホルダー4の下面nの温度を50℃から100℃まで10℃きざみで変えた場合の半導体チップの実装精度と図4に示す前記従来の接触加熱用ヒーターの実装精度を比較して示す。
【0040】
Yb2O3を焼結助剤とする窒化アルミニウム粉末をバインダーと混合後に金型中でプレス成形し、窒素雰囲気中にて1900℃で焼成し、平面研削盤にて機械加工することにより、24mm×24mm×2mm厚の寸法のセラミックツール1を得た。
【0041】
また、Yb2O3を焼結助剤とする窒化珪素粉末をバインダーと混合後にプレス成形し50mm角の窒化珪素成形体を得た後に発熱体としてWCインクを印刷し、もう一つの50mm角の窒化珪素成形体でWCインクを挟み込み、1700〜1800℃でホットプレスを行うことにより、WCを発熱体として内蔵する窒化珪素質焼結体を得た。これを平面研削盤、超音波加工機を用いて、発熱部は24mm×24mm×3mm厚とし、ボルト締め用の穴を両サイドに形成した。さらに電極引き出し用のリード部、真空吸着穴、真空吸着溝を形成して、セラミックスヒーター2とした。
【0042】
さらに、断熱材3は気孔を有するムライトをセラミックヒーター2と寸法をあわせるように平面研削盤、超音波加工機で加工して作製し、気孔率を10%とした断熱材3を準備した。
【0043】
そしてホルダー4は、Niを多く含有した鋳鉄を断熱材3と寸法をあわせるように平面研削盤、超音波加工機で加工して作成し、ホルダー4の熱膨張係数はセラミックスに近づけるようにNi量を変更して調整した。
【0044】
上記のセラミックツール1、セラミックヒーター2、断熱材3、ホルダー4をボルト5などを用いて機械的に締結することにより本発明の接触加熱装置を作製した。ホルダー4の実装装置側の下面nの温度は、図2で冷却気体量を調節することにより調整した。
【0045】
なお、セラミックツール1の表面mの温度は、セラミックツール1の押圧加熱に影響しないエッジ部分に熱電対を設置して測定し、ホルダー4の下面nの温度は、その面の中心部に熱電対をセットして測定した。実装精度は半導体チップを位置決めした位置と実装後の位置のズレをレーザー干渉法にて測定したが、実装精度の寿命を比較する意味で10万サイクル後の実装精度の値を示した。
【0046】
表1に、実装精度の結果を示す。
【0047】
【表1】
【0048】
表1から判るように、ホルダー4の下面nの温度が70℃を超える比較例1〜3は、実装精度が12μmを超える値となった。これに対し、ホルダー4の下面nの温度が70℃以下となる本発明実施例1〜5は、10μm以下の実装精度となった。
【0049】
なお、空気層6の設置位置に関して、その位置を断熱層3上面、断熱層3とホルダー4の界面、ホルダー4下面と変更しても、同様の結果であった。
【0050】
一方、パルスヒーターを用いたものは、ホルダー3の裏面の温度が50℃でも実装精度は40μmとなった。パルスヒーターの実装精度が低下する理由は、加熱の際に大電流を印加するために発生する振動により、実装精度が低下しているものと推定した。
【0051】
実施例2
ここでは、断熱材3の主面の面積と、該断熱材3とホルダー4との間に形成された空気層6の前記主面に接する面積の比率を変えて、ホルダー4の実装装置側の下面nの温度との関係を調査した。他の条件は、実施例1と同様にしてサンプルを作製した。
【0052】
結果を表2に示した。
【0053】
【表2】
【0054】
表2から判るように、面積率を20〜60%としたNo.2〜6は、ホルダー4の下面nの温度が60℃以下であり、かつ実装精度を5μm以下とすることができ、好適であった。
【0055】
実施例3
ここでは、本発明の接触加熱装置と従来の接触加熱装置の半導体チップサイズ変更に対する対応性とメンテナンス性を比較した。
【0056】
まず、上記実施例と同様にして作成した図1、2に示す本発明の接触加熱装置と、図3に示す従来の接触加熱装置を用意した。
【0057】
そして、これらのサンプルについて、半導体チップサイズへの対応性とメンテナンス性を比較した。結果を表3に示した。
【0058】
【表3】
【0059】
従来の接触加熱装置は、図3に示すようにヒーター11とツール12とが接合されているため、様々な半導体チップサイズへの対応ができないという課題がある。加えて、ツール12またはヒーター11のどちらか一方が破損しても両方とも交換しなければならないという課題があった。
【0060】
これに対し、図1、2に示した本発明の接触加熱装置は、各部材がボルト5などを用いて機械的に締結しているだけで、各部が脱着可能となっていることにより、様々な半導体チップサイズへの対応が可能でメンテナンス性においても従来のパルスヒーターに比べて優れていることがわかる。
【0061】
実施例4
ここでは、セラミックヒーター2とツール1の熱伝導率とこれを用いた接触加熱装置を用いて加熱した半導体チップ上の温度分布の関係を調査した。
【0062】
得られたツール1の熱伝導率の調整は、Yb2O3と窒化アルミニウムの比率を調整することにより実施した。また、セラミックヒーター2の熱膨張係数の変更はセラミックヒーター2として窒化珪素を用いるか窒化アルミニウムを用いるかで行い、熱伝導率の変更は、窒化珪素あるいは窒化アルミニウムとYb2O3の比率を変えることにより実施した。
【0063】
表4のようにツール1とセラミックヒーター2の熱伝導率を変えて、半導体チップ上の温度分布をサーモビューアにて測定して比較した。
【0064】
【表4】
【0065】
従来のパルスヒーターでは、半導体チップ上のもっとも温度の高い点と低い点との温度差が30℃と大きくなっていたが、本発明ではすべて10℃以下であり、特にセラミックスツール1の熱伝導率を100W/m・K以上、かつセラミックヒーター2の熱伝導率を10W/m・K以上とした実施例2は、前記温度差を5℃以下とすることができ、最も優れていた。
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、被加熱物を押圧するためのセラミックツールと、このセラミックツールを加熱するためのセラミックヒーターと、このセラミックヒーターから発生した熱がセラミックツール以外に伝熱することを防止するための、多孔質なセラミックスからなる断熱材と、これらの部材を統合し実装装置に結合するホルダーとから構成され、前記セラミックツール、前記セラミックヒーター、前記断熱材および前記ホルダーが順に積層されてなり、前記セラミックツールと前記セラミックヒーターとは真空吸着で締結してある接触加熱用ヒーターにおいて、この接触加熱用ヒーターの内部で断熱材とホルダーの境界付近に、断熱材の主面の面積に対し20〜60%の面積を有する空気層を形成し、この空気層に冷却気体を供給する手段を有し、セラミックツールの表面温度を500℃にした時に、ホルダーの前記断熱材と反対側に位置する下面の温度を70℃以下とすることにより、この接触加熱用ヒーターを用いて半導体チップを実装すれば、その実装精度を10μm以下と高精度にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接触加熱用ヒーターの分解斜視図である。
【図2】(a)は本発明の接触加熱用ヒーターを示す側面図であり、(b)はそのX−X断面図である。
【図3】従来の接触加熱用ヒーターを示す概略図である。
【図4】従来の接触加熱用ヒーターを示す概略図である。
【符号の説明】
1 :セラミックツール
2 :セラミックヒータ
3 :断熱材
4 :ホルダー
5 :ボルト
6 :空気層
7 :ガス出口
10:ガス入口
Claims (3)
- 被加熱物を押圧するためのセラミックツールと、該セラミックツールを加熱するためのセラミックヒーターと、該セラミックヒーターから発生した熱が前記セラミックツール以外に伝熱することを防止するための、多孔質なセラミックスからなる断熱材と、これらの部材を統合し実装装置に結合するホルダーとから構成され、前記セラミックツール、前記セラミックヒーター、前記断熱材および前記ホルダーが順に積層されてなり、前記セラミックツールと前記セラミックヒーターとは真空吸着で締結してある接触加熱用ヒーターにおいて、該接触加熱用ヒーターの内部で前記断熱材と前記ホルダーとの境界付近に、前記断熱材の主面の面積に対し20〜60%の面積を有する空気層を形成し、該空気層に冷却気体を供給する手段を有し、前記セラミックツールの表面温度を500℃にした時に、前記ホルダーの前記断熱材と反対側に位置する下面の温度が70℃以下であることを特徴とする接触加熱用ヒーター。
- 前記セラミックツール、前記セラミックヒーター、前記断熱材および前記ホルダーが機械的に一体化され脱着可能であることを特徴とする請求項1記載の接触加熱用ヒーター。
- 前記セラミックツールの熱伝導率が100W/m・K以上、前記セラミックヒーターの熱伝導率が10W/m・K以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の接触加熱用ヒーター。
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JPH11135573A (ja) * | 1997-10-29 | 1999-05-21 | Kyocera Corp | 押圧加熱型ヒータ |
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2001
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