JP4710397B2 - Icチップ内蔵紙およびその製造に用いる紙テープ - Google Patents

Icチップ内蔵紙およびその製造に用いる紙テープ Download PDF

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Description

本発明は、有価証券、金券、カードなどに使用されるICチップ内蔵紙に関する。
ICチップを内蔵したカードが実用化されており、それらはプラスチック製のカードにICチップを埋め込むものである。
一方、従来から偽造防止技術が適用されていた有価証券、金券などにICチップを適用しようとする提案が、特許文献1〜3などでなされている。有価証券、金券などは薄い紙またはプラスチックフィルムであり、ICチップも非常に小さく、薄いものが求められる。これらの特許文献に見られるように、非常に薄いICチップを用いる場合、薄いプラスチックフィルムテープに一定間隔でICチップを接着し、または挟んで、そのテープを抄紙中の紙に抄き込んだり、貼合したりする方法が合理的である。本明細書では、以下、このテープをICチップ内蔵テープと称する。
ICチップを内蔵する紙として文献上で提案されているものは、前記した有価証券、金券などのように比較的高額でまた偽造防止が重要な場合も多いが、今後、書籍、包装材料など汎用品にも適用されて行く可能性が高い。
紙にプラスチックフィルムテープを埋め込むと、水分や熱に対する寸法変化率の相違により、皺や波打ち、紙からの剥離などのさまざまなトラブルが起こり得るので、ICチップ内蔵テープも紙にすることには大きなメリットがある。
また、ICチップ内蔵テープを用いずに、ICチップを直接紙製品に埋め込んだり、貼付したりすることも今後想定される。更には、ICチップを抄紙中のウエッブ(湿紙)に埋め込んだりすることも今後想定される。
このように、紙テープにICチップを内蔵するICチップ内蔵テープあるいは今後想定される紙に直接ICチップを埋め込むような場合であっても、抄紙したICチップを含む損紙をそのまま従来通り古紙として破棄したり、よしんば回収して使用するとしても高価なICチップがそのまま流出したり、所定の位置以外に存在してそれ以降の印刷工程などで不具合が発生することなどが予想される。
特開2002-319006号公報 特開2004-139405号公報 特開2004-78991号公報 特表平11-513518号公報 特開2004-262550号公報 特許2989772号公報 特許3289245号公報 特許3321797号公報
抄紙中に上記した種々の方法でICチップが紙に直接内蔵される場合、あるいは抄紙中にICチップ内蔵紙テープを抄き込む場合には、抄紙したICチップを含む損紙をそのまま従来通り古紙として破棄したり、印刷工程などで不具合が出た紙を回収して使用するとしても高価なICチップがそのまま流出したり、あらたに古紙として使用すると所定の位置以外に存在してそれ以降の印刷工程などで不具合が発生することなどが予想される。このように、ICチップ内蔵紙ではあらたに損紙の回収という問題が発生する。損紙とは、紙を製造する際に、抄き始めや、紙切れの際に発生する不良品で、通常当業界ではブロークとも呼ばれ、一般的には、直ぐにパルプ原料として戻して使用されるべきものである。
本発明の課題の一つは、損紙におけるICチップとパルプの分離を容易にする手段を提供することにある。また、本発明のもう一つの課題は、ICチップを内蔵する紙製品を古紙回収した際に、ICチップとパルプの分離を容易にする手段を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は以下の(1)〜(7)の構成を採用する。
(1) ICチップに接着している接着剤部を有するICチップ内蔵紙であって、該接着剤部は、比重が1.1以上または0.8以下であることを特徴とするICチップ内蔵紙。
(2) 接着剤部は金属粒子または無機粒子を含有する上記(1)に記載のICチップ内蔵紙。
(3) 接着剤部は中空粒子を含有するか又は発泡剤により発泡している上記(1)に記載のICチップ内蔵紙。
(4) 接着剤部がホットメルト接着剤を主体として構成されている上記(1)〜(3)のいずれかに記載のICチップ内蔵紙。
(5) ICチップ内蔵紙テープを抄き込みまたは貼合して得られたことを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のICチップ内蔵紙。
(6) 上記(5)に記載のICチップ内蔵紙に使用されるICチップ内蔵紙テープであって、ICチップに接着している接着剤部を有し、該接着剤部は、直接的または間接的に紙テープと結合していることを特徴とするICチップ内蔵紙テープ。
(7)上記(1)〜(4)のいずれかに記載のICチップ内蔵紙を湿式抄紙法により製造する際に、発生する損紙を水中で分散することにより接着剤付きICチップとパルプとを分離し、更に、接着剤付きICチップを重力の作用で分離回収することを特徴とする、ICチップ内蔵紙の抄紙方法。
本発明により、ICチップ内蔵紙を水中で離解した際に、パルプとICチップの分離を紙製造業において通常用いられている簡便な手法で行うことができる。
本発明で使用するICチップの種類としては、既知のどんなICチップであっても良い。実際には、ICチップにコイル素子、コンデンサー素子を形成するパターン配線を行い、アンテナを形成して電波によりデータの授受を行なえるようにして使用する。代表的にはICタグと呼ばれる形態がこれに相当する。このような状態のものも本明細書では便宜上ICチップと称する。
データ授受の方式として、接触式、非接触式いずれでも良い。非接触方式としては、RFID(Radio Frequency Identification)方式が代表的である。
データ授受に際して起電力を発生させる方式として、電磁誘導方式と静電結合方式があるが、本発明では、そのいずれでも使用できる。
静電結合方式は、モトローラ社が開発し、特許文献4に開示されている技術が使用できる。この方式では、拡張アンテナを広げることで電波の飛距離を伸ばすことができる。
ICチップから情報を発信するためには、外部からの電波により起電力を発生するパッシブ方式とICチップに電源を保有するアクティブ方式がある。アクティブ方式では、免許不要の300MHz帯域の電波が使用できる、ICチップと受信機の距離が測定できる、電波の飛距離が30m以上も可能である、などのメリットもあり特定の用途では使用可能である。
以下、最も良く使用される電磁誘導型で、パッシブ方式の無線で交信するタイプについて説明する。
ICチップの交信に利用する無線周波数としては、特に制限はなく、短波(13.56 MHz)、中波(135 KHz以下)、UHF(860 960 MHz)、マイクロ波(2.45 GHz)等のいずれも利用できる。
ICチップは、ドイツのインフィニオン社、オーストラリアのマゼランテクノロジー社、アメリカのマトリックス社、日本のNECエレクトロニクス社などから市販されているものが使用できる。上記のものはいずれも1cm〜5cm程度の大きさで厚さ0.1mm以上となるので、厚紙カードに埋め込む用途には適するが、薄い紙に貼付したり埋め込んだりする用途では、更に小型で薄手のチップが必要である。
近年、ミューチップ(商標:日立製作所)、MMチップ(商標:株式会社エフ・イー・シー)など、0.5mm角あるいは0.4mm角で厚さ0.1mm以下のICチップも出ており、このサイズであれば、薄い紙に貼付したり埋め込んだりすることも可能となる。
また、前記したモトローラ社の静電結合方式のICチップ(Bistatixs:登録商標)も非常に軽量で小型であるので、本発明の用途に使用することができる。
<ICチップ内蔵紙の製造>
本発明のICチップ内蔵紙は、以下の(1)〜(5)のような製法で作成することが想定される。
(1)パルプスラリーからワイヤー等で脱水した湿紙にICチップを置いて埋め込む方法。
(2)紙の上に接着剤でICチップを貼付する方法。
(3)紙の厚さ方向の途中まで穴を開け、そこにICチップを入れる方法。
(4)ICチップ内蔵紙テープを紙に貼合する方法。
(5)ICチップ内蔵紙テープを紙に抄き込む方法。
上記1の方法は薄い紙には適しておらず、厚紙の湿紙にICチップを置いて押し付けて埋め込む場合が想定される。この際に途中で落ちないように接着剤で接着する必要がある。また、接着剤を用いない方法では、一層の紙ではなく、多層抄きの紙とする方法であり、中間の湿紙層にICチップを埋め込みその上下を別の湿紙で挟むことが望ましい。
上記2の方法では二枚の紙を貼合して一枚のシートとする場合であり一方の紙にICチップを置きもう一枚の紙を接着剤を用いて貼合する場合である。この場合も、略ICチップの大きさでICチップの厚みに相当する部分だけへこみを形成してあることが好ましい。
上記3の方法は、紙の厚さ方向の途中まで、ドリルなどで穴を開けるか、若しくは穴になる部分をプレスして紙を押しつぶして、有底の穴を作り、そこにICチップを置く方法である。この際にも、飛び出さないように、接着剤でICチップと紙を接着する。
上記4、5の方法は、後述する方法でICチップ内蔵紙テープを作成し、そのテープを紙に供給する方法である。この際にICチップ内蔵紙テープでは、ICチップとテープ紙が接着剤で接着されている。
第5の方法において、ICチップ内蔵紙テープが挿入される部分の紙層だけ薄くして、ICチップ内蔵テープ1を挿入するための溝を形成しておくことが有効である。
具体的には、公知の抄き入れの技術を使用することができる。例えば、円網シリンダーの上網に針金、金属、樹脂、紙等をハンダ付けしたり樹脂で貼り付けたりする方法、網に塗料や樹脂を塗布して網目を塞ぐ方法、抄紙網自体に直接凹凸をつける方法、網に感光性樹脂を利用して型を取り付ける方法、湿紙の状態で、溝を形成したい部分に圧縮空気を吹きかける方法、湿紙の状態で、溝を形成したい部分を擦過ロールにより擦過する方法等が挙げられる。
<ICチップ内蔵紙テープの製造>
本発明で使用するICチップ内蔵紙テープは例えば以下のように製造することができる。該紙テープの厚さは特に限定されることはないが、例えば50〜300μm程度が好ましい。特に、ICチップ内蔵紙が有価証券などのようなものである場合、内蔵テープは極力薄いことが望まれ、50〜100μm程度が最も好ましい。幅も目的によりことなるが3〜20mm程度が好ましい。
ICチップの厚さが薄い場合、単に紙テープに接着剤で貼り付けることが可能であるが、それでも、紙の厚さとICチップの厚さが重なることはメリットが少ないので、テープ用の紙にへこみあるいは穴をあけてそこにICチップを入れる方式が好ましい。
ICチップ内蔵紙テープは例えば、特許文献5と同様に、下記の方法により製造される。
(1)テープ用原紙を、所望の幅を有するテープの形状にスリットする。
(2)得られた紙テープにおいて、ICチップを収納するための複数個の矩形状穴又は矩形状透孔を形成する。そして通常は、ICチップ収納の際に、または、紙に貼付したり抄き込んだりする際に、テープの移動を制御するための複数個の円形状透孔(送り孔、スプロケットなどと称される)を形成する。もちろん、テープを機械的に正確に送り出すことができればこのような透孔をもうけなくともよい。
(3)テープ用原紙の裏面を、裏カバー紙によってカバーする。このとき、前記裏カバーは薄葉紙が好ましく、澱粉糊などで接着して、前記矩形状透孔の裏面側開口部を閉じる。
なお、前記矩形状透孔の代りに、複数個の矩形状穴(紙を貫通する孔ではない)を形成するときには、前記裏面をカバーする工程を省略することができる。
(4)複数個のチップ状電子部品を、前記矩形状透孔中に、または穴に、その閉じられていない表側開口部から収納する。
その際に、ICチップの下側か横に接着剤を供給しICチップとテープ紙を接着する。もしくは、ICチップの上に接着剤を供給し、下記の表カバー紙とICチップを接着することもできる。
(5)必要に応じて、表カバー紙を澱粉糊などでテープ紙の表面に接着して、前記矩形状透孔または穴の表側開口部を封止しても良い。
(6)上記工程により得られ、かつICチップを収納しているICチップ内蔵紙テープをカセットリールのまわりに巻き付ける。
前記カセットリールに巻きつけられたICチップ内臓紙テープを、抄紙工程あるいは別工程で目的の紙に抄き込んだり、貼合したりして使用できる。
上記のうち、(3)で説明した、紙を貫通しない穴を形成する方式は、当該技術分野ではエンボス方式と称されることが多い。その製造方法には例えば特許文献6、特許文献7に記載されている技術が適用できる。
また、あらかじめテープ形状にスリットすることなく広幅の紙に上記穿孔を施し接着剤でICチップを固定した後にスリットしてテープ状に巻き取ることも可能である。
本発明のICチップ内蔵紙テープの原紙の製造において、原紙は、化学パルプ、機械パルプ、古紙パルプ、非木材パルプ、及び合成重合体パルプから選ばれた少なくとも1種を含むパルプ材料から、抄紙機を用いて製造される。原紙を形成するためのパルプスラリーは、必要により、例えばロジン、スチレン−マレイン酸共重合体、アルケニルこはく酸無水物及びアルキルケテンダイマーなどのサイズ剤、紙力増強剤、定着助剤、例えばポリアミドポリアミンエピクロロヒドリンなどの水和防止剤、起泡防止剤、例えば、タルクなどの充填剤、並びに染料から選ばれた少なくとも1種を含む内添助剤を含んでいても良い。
前記原紙の製造に用いられる抄紙機の種類及び抄紙条件などに全く制限はないが、通常は、多層抄紙機又は、短網抄紙機を用いて製造され、このとき複数の紙層を、1体の板紙に複合し、このとき内添法又はコーターを用いる外添法により、添加された添加剤を含む表面紙層を形成する抄紙方式が用いられる。
なお、ここで説明した原紙の製造方法は、ICチップ内蔵紙自体の製造でも同様に利用できる。
ICチップ内蔵紙テープを目的の紙に抄き込む方式を採用する場合には、特許文献1、2、8などに記載されているスレッドを抄き込む技術がそのまま適用できる。
<接着剤について>
本発明で使用する接着剤は、無機系、有機系のいずれでも良く、有機系の場合、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれでも良い。無機系としては、水ガラスなどが使用できる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂と各種硬化剤の組み合わせ、メラミン・ホルマリン樹脂、フェノール・ホルマリン樹脂などが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、アクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポスチレン、スチレン・ブタジエン系樹脂などの疎水性樹脂あるいは、ポリビニルアルコール系樹脂、澱粉、変性セルロースなどの水溶性樹脂のいずれでも良い。
また、主体樹脂、粘着付与剤、粘度調整剤を混合したいわゆるホットメルト系接着剤も、本発明の好ましい接着剤として挙げられる。
本発明のホットメルト接着剤層は、通常のホットメルト接着剤と同様に、基本的には、ベースポリマー、粘着付与剤から構成され、必要に応じてワックスなどの粘度低下剤を含有するものである。
ベースポリマーとしてはエチレン・酢酸ビニル共重合体、アタクチックポリプロピレン、ポリウレタン、各種ゴム、アクリル酸エステル系樹脂などが例示される。粘着付与剤はタッキファイヤーとも言われ、ホットメルト塗工時のホットタック性を高めるために用いることが好ましく、同時に、ベースポリマーと溶解し、混合物全体の溶融粘度を下げる作用もする。例えば、クマロンインデン樹脂、ケトン樹脂、変性スチレン樹脂、テルペン樹脂、変性テルペン樹脂、石油樹脂、水添石油樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂、ロジン、各種エステル化ロジン、シェラックなどが例示される。
粘度低下剤は、ホットメルト塗工する際の組成物の流動性を良くするために、必要に応じて配合しても良い。
粘度低下剤としては、一般にワックスといわれているものが使用でき、植物系又は鉱物系の各種天然ワックスが使用できる。例えば、カルナバワックス、カスターワックス、ライスワックス、パラフィンワックス、モンタンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどが使用できる。
本発明では、接着剤は少なくともICチップには直接接着している。その理由は、古紙あるいは損紙を水に分散して離解しICチップとパルプを分離して取り出す際に、水中で紙から分離した接着剤付きICチップ(ICチップと接着剤が結合した状態のもの)の、比重あるいは磁気的性質を利用して、効率よく収集するためである。
従って比重を利用して分離しようとする場合、水の比重1に対して、接着剤付きICチップの比重は0.15以上好ましくは0.2以上離れている必要がある。即ち、接着剤付きICチップの比重は0.85以下好ましくは0.8以下、もしくは、1.15以上好ましくは1.2以上である。
そのような状態にするためには、多くのICチップの比重は概ね1.5〜2.2程度であるので、上記した各種接着剤は、比重が1.1以上または0.8以下の状態で使用する必要がある。より早く、確実に水と接着剤付きICチップを分離するためには、接着剤の比重は、1.2以上または0.7以下が好ましい。
比重が1.1未満の合成樹脂接着剤の比重を1.1以上にする手段、もしくは、比重が1.2未満の合成樹脂接着剤の比重を1.2以上にする手段としては、接着剤に無機粒子、金属粒子などを添加すれば良い。無機粒子としては比重の大きな酸化チタンや酸化亜鉛また硫酸バリュウムなどがあげられる。また、金属粒子としては、銅粉やアルミ粉、鉄粉などがあるがICチップに外添された金属アンテナを有する場合などはショートさせないように樹脂中に埋設した金属粉を用いる必要がある。
比重が0.8を越える接着剤の比重を0.8以下にする手段、もしくは比重が0.7を越える接着剤の比重を0.7以下にする手段、としては、接着剤中に発泡剤を混合しておき、発泡させてから接着する方法、あるいは中空の粒子を混合しておくことも可能である。
発泡剤としては、加熱により膨張してガスを発生する熱膨張性材料を主成分とするもので、例えばアゾジカルボンアミド、あるいはパラトルエンスルホニルヒドラジド、アゾビスイソブチロニトリル、4,4オキビスベンゼンスルホニルヒドラジド等の有機物及びそれらの各誘導体、更に、シラスバルーン、重炭酸ソーダのマイクロカプセル化したもの等の無機物などが使用でき、加熱分解ガス発生材料あるいは加熱膨張性材料ならば使用可能である。アゾジカルボンアミドを主成分とするものを使用する場合は上記ホットメルト接着剤に対し0.5〜20質量%の範囲内であれば良い。
接着剤の発泡方法は、ホットメルト接着剤とアゾジカルボンアミド、有機物、無機物等の加熱により自己膨張するものや加熱により分解ガスを発生する熱膨張性材料を主成分とする発泡剤とを混練して発泡性ホットメルト接着剤を形成する。その後、その発泡剤 を含有した発泡性ホットメルト接着剤を溶融状態にし、移送手段によって適宜量づつ移送するとともに、この移送されてくる発泡性ホットメルト接着剤を、発泡剤が発泡しうる所定温度になるように熱を加えつつ吐出させる方法である。
中空粒子としては、平均粒径が0.3〜100μm、好ましくは0.3〜40μmの中空を有する有機顔料であって、体積中空率が20〜95%、好ましくは30〜60%である。以上のような平均粒径及び体積中空率をもつ中空ポリマーであれば、特に製法や成分は制限されないが、一般的な製法及び成分は次のとおりである。例えば、この中空ポリマー粒子は、(1)架橋ポリマー粒子をシードとし、相溶性の異なるポリマーをそのシード上に重合、架橋する2段階架橋方法、あるいは、(2)ポリマーの重合収縮により製造する方法、などの方法によって製造することができる。この場合に重合可能なモノマーとしては、ラジカル重合性を有するものであれば特に制限されないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ハロゲン化スチレンなどの芳香族ビニル単量体、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレートなどのエチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステル、ブタジエン、イソプレンなどの脂肪族共役ジエンなどを挙げることができ、特に、好ましいのはスチレンである。得られる中空ポリマーとしては、特に、スチレン、及びスチレン−アクリル共重合体が好ましい。
商品名として例示すれば、ローペイクHP−91(ロームアンドハース社製、外径1.0μm、内径0.8μm;体積中空率50%、スチレン−アクリル共重合体系)、ニッペマイクロジェルMBB−1000(日本ペイント製、平均粒子径10μm、体積中空率約60%、スチレン−アクリル共重合体系)、JSR−SX863(日本合成ゴム製、平均粒子径0.4μm、体積中空率約30%、スチレン−アクリロニトリル共重合系)
エクスパンセル551DE20(日本フィライト社製、平均粒子径20μm、体積中空率95%、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合系)などが例示される。
比重差を利用してパルプと接着剤付きICチップを分離するには、通常のパルプ製造工程あるいは古紙処理工程で使用される、遠心式(比重差分離式)のセントリークリーナーなどを用いることができる。
磁気的手段でICチップを収集する場合には、接着剤中に磁性体を混合しておけば良い。
磁性体としては、鉄粉、コバルト粉、ニッケル粉などが挙げられる。
水中で攪拌している所に棒磁石を挿入して引きあげることを繰り返して、接着剤付きICチップを系外に取り出すことができる。
分離された後の接着剤付ICチップは、その後、再使用する場合には、接着剤と分離する必要がある。接着剤がホットメルト型の場合は、温度を掛けて溶融させ、網でろ過し、必要に応じて溶剤で洗浄すれば良いのでICチップの回収が容易である。
接着剤が熱可塑性合成樹脂である場合にも、必要に応じて温度をかけて溶剤で溶解して接着剤を落とすことができる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論本発明はこれらによって限定されるものではない。
<実施例1>
<ICチップ内蔵紙テープの製造>
王子製紙製RC片艶晒クラフト(米坪120g/m2)の幅640mm巻取の一部に、幅方向20mm間隔、走行方向100mm間隔で5mm角の正方形の孔(貫通孔)をポンチ刃によりあけた。次いで、王子製紙製OK純白ロール紙(米坪40g/m2)の片面に濃度40質量%のアクリル系粘着剤エマルジョンを乾燥固形分で5g/m2となるように塗布し、前記孔あきのクラフト紙と貼合し乾燥して巻き取った。これにより、底部に粘着層を有する有底の穴を有する貼合紙となった。次いで、穴が幅方向中央部になるように、20mm幅のテープ状にスリットし、巻き取った。
上記20mm幅巻取をICチップ装填装置に掛け、ICチップを穴に置いた後、ホットメルトコーターで穴を埋めるようにホットメルト接着剤を塗布し、余分な接着剤をドクターで掻きおとした。その結果、穴の部分でICチップ周辺及び上面の部分はホットメルト剤で埋まり、穴以外の晒クラフト紙表面は、約1g/m2のホットメルト剤が均一に塗布された。
なお、ホットメルト剤は、市販のホットメルト剤80質量部と平均粒子径20μmの硫酸バリウム粉体20質量部を混練して製造した。冷却固化後の比重は1.6であった。
ICチップとしては、厚さ60μm、縦横0.4mm角の日立製作所製ミューチップ(登録商標)を使用した。
<内蔵紙の製造1>
2槽のシリンダーバットを備えた試験用円網抄紙機により、抄紙速度10m/分で2層抄き合わせで抄紙した。この際、第1層目(乾燥重量で80g/m2の紙)を丸網からカンバスに転移し、更に第2層目(乾燥重量で160g/m2の紙)を第1層の上に転移する際に、第2層目の丸網には、幅方向中央部に20mm幅で網の目をふさぎ、ウェブが形成されない部分を設けた。そしてその部分に前記ICチップ内蔵紙テープを挿入することにより、均一な厚さのICチップ内蔵紙を製造した。
<実施例2>
<内蔵紙の製造2>
表層、中層、裏層の三層抄き板紙を製造した。このとき、表層用パルプには、針葉樹クラフトパルプA30質量%、広葉樹晒クラフトパルプB70質量%をダブル・ディスク・リファイナーで混合叩解し、CSF(カナダスタンダード フリーネス)460mlに調製したものを用い、中層用パルプには、針葉樹クラフトパルプA10質量%、広葉樹晒クラフトパルプB90質量%をダブル・ディスク・リファイナーで混合叩解し、CSF410mlに調製したものを用い、裏層用パルプには、広葉樹晒クラフトパルプBを単独でダブル・ディスク・リファイナーでCSF470mlまで叩解し、調製したものを用いた。それぞれのパルプスラリーに硫酸バンドを、パルプ質量に対し2質量%の割合で添加し、サイズ剤としてサイズパインN−771(商標、荒川化学工業社製、ロジンエマルジョンサイズ剤)0.5質量%を添加し、紙力剤として、ポリストロン117(商標、荒川化学工業社製、ポリアクリルアミド系紙力剤)1質量%を添加した。上記3種のパルプスラリーを、長網3層抄合わせ抄造機に供給し、表層100g/m2、中層200g/m2、裏層50g/m2の坪量で抄合わせ、得られた紙に抄紙機に設置された平滑化処理機(マシンカレンダー)で平滑化処理を施した。坪量350g/m2、厚さ0.42mmの三層抄き板紙を製造した。
上記板紙を幅57mmにスリットし、更に流れ方向に85mmにカットしてカードを作成した。エンボス成形装置により、カードの中央部に幅5mm角、深さ0.2mmのエンボス穴を形成し、続いて、その穴にICチップを置き、ICチップの上を覆い穴を埋めるようにホットメルトガンによりホットメルト接着剤を挿入した。ホットメルト接着剤は実施例1と同様に比重1.6のものを使用した。
<実施例3>
実施例1と同様であるが、ICチップ内蔵紙テープの製造に際してホットメルト接着剤に配合する硫酸バリウムに変えて、スチレン−アクリル共重合体系中空粒子(ローペイクHP−91、ロームアンドハース社製)を配合し、ホットメルト接着剤の比重を0.7とした。その他はまったく実施例1と同様にして、ICチップ内蔵紙を製造した。
<実施例4>
実施例2同様であるが、ホットメルト接着剤に配合する硫酸バリウムに変えて、スチレン−アクリル共重合体系中空粒子(ローペイクHP−91、ロームアンドハース社製)を配合し、ホットメルト接着剤の比重を0.7とした。その他はまったく実施例2と同様にして、ICチップ内蔵紙を製造した。
<実施例5>
上記各実施例のICチップ内蔵紙各100gを50kgの水、界面活性剤と共に、攪拌羽及び開閉自在の底部側排水口、上部側排水口を有する攪拌装置で十分に攪拌して、紙を離解した。
実施例1、2については、底部側排水口より、接着剤付きICチップを取り出すことができ、実施例3、4については、上部側排水口より、接着剤付きICチップを取り出して、紙と分離して回収することができた。取り出した接着剤付きICチップの比重を測定した所、実施例1〜4の順に、1.62、1.61、0.74、0.73であった。
本発明により、ICチップ内蔵紙を古紙として回収し、ICチップおよび紙を再使用することができ、また、抄紙工程中ICチップを紙に抄き込む際に、損紙を回収してICチップを紙と容易に分離することができるという点で産業上有用である。

Claims (7)

  1. ICチップに接着している接着剤部を有するICチップ内蔵紙であって、該接着剤部は、比重が1.1以上または0.8以下であることを特徴とするICチップ内蔵紙。
  2. 接着剤部は金属粒子または無機粒子を含有する請求項1に記載のICチップ内蔵紙。
  3. 接着剤部は中空粒子を含有するか又は発泡剤により発泡している請求項1に記載のICチップ内蔵紙。
  4. 接着剤部がホットメルト接着剤を主体として構成されている請求項1〜のいずれかに記載のICチップ内蔵紙。
  5. ICチップ内蔵紙テープを抄き込みまたは貼合して得られたことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のICチップ内蔵紙。
  6. 請求項に記載のICチップ内蔵紙に使用されるICチップ内蔵紙テープであって、ICチップに接着している接着剤部を有し、該接着剤部は、直接的または間接的に紙テープと結合していることを特徴とするICチップ内蔵紙テープ。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載のICチップ内蔵紙を湿式抄紙法により製造する際に、発生する損紙を水中で分散することにより接着剤付きICチップとパルプとを分離し、更に、接着剤付きICチップを重力の作用で分離回収することを特徴とする、ICチップ内蔵紙の抄紙方法。
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