JP4710290B2 - フレキシブルプリント基板の折り返し固着用粘着剤 - Google Patents

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Description

本発明は、フレキシブルプリント基板(FPC)を折り返して固着するために用いられる粘着剤、この粘着剤を用いたFPC、このFPCを用いた電子機器、粘着剤層を設けた両面粘着シートに関するものであり、特に、耐熱性を有し、FPC耐反発性と加工適性に優れた、FPC折り返し固着用粘着剤に関するものである。
フレキシブルプリント基板(以下、「FPC」という。)は、複雑な銅の回路をポリイミド等の柔軟な絶縁フィルム上に形成したもので、曲げ、重ね、折り畳み、巻き付け、ねじり等ができるため、家電製品をはじめ、OA機器や、通信機器等の小型・軽量化した電子機器に広く使用されている。このFPCを、電子機器の筐体等に固着するには、粘着剤を用いているのが現状である。近年、製造工程の簡略化のため、剥離紙の上に塗布した粘着剤を剥離紙ごとFPCに貼付した後、FPCに電子部品をはんだで実装し、はんだを炉内でリフロー(溶解)するのが一般的になっている(以下、これを「先貼り法」という。)。
近年、はんだの鉛フリー化が進むにつれて、はんだの融点が高くなり、はんだリフロー工程での温度も200℃を超える高温になっている。このため、先貼りした粘着剤もはんだと共に高温に晒されることになり、粘着剤の耐熱性の向上が求められていた。
このような耐熱性に優れた粘着剤として、ラジカル連鎖禁止剤といった酸化防止剤を配合させた粘着剤組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、携帯電話等の高実装化が進む電子機器にあっては、スペースの有効利用、小型化のため、FPCを折り返し、折り畳んで実装する設計が増加している。この折り返し・折り畳み部分同士の固着に粘着剤が用いられる。ところが、FPCには強い反発力が存在するため、折り返し・折り畳み部分同士を粘着剤で固着しても、一旦折り返して固着した部分が経時で剥がれてしまい、次工程での組立の支障となり、歩留が低下するといった問題が発生している。
このため、FPC折り返し固着用粘着剤には、はんだリフロー工程での温度に耐えられる(1)耐熱性と、(2)折り返したFPCが組立工程で電子機器内部に組み込まれるまでの間、折り返し部分が剥離しないというFPCに対する耐反発性を有することが要求されている。
特開平5−271623号公報
しかしながら、特許文献1に係る粘着剤組成物にあっては、耐熱性は向上できたものの、FPCの耐反発性に耐えられず、一旦折り返して固着した部分が剥がれてしまうという問題は解決できなかった。
また、本発明者らが、市販のFPC折り返し固着用粘着剤を用いて、FPC耐反発性について各種比較検討したところ、まったく耐反発性を有しない粘着剤もあれば、耐反発性に優れているものもあった。しかしながら、市販の耐反発性に優れている粘着剤にあっては、粘着剤が軟らか過ぎて、打ち抜き加工時に糊足・糊玉を生じ、刃に糊が付着したり、糊飛びを発生する等の問題があることがわかった。したがって、FPC折り返し固着用粘着剤には、(1)耐熱性、(2)FPC耐反発性に加えて、(3)加工適性も要求されることがわかった。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、耐熱性を有し、FPC耐反発性と加工適性に優れたフレキシブルプリント基板の折り返し固着用粘着剤を提供することにある。
また、本発明の目的は、上記粘着剤を用いて、折り返し固着されたフレキシブルプリント基板、このフレキシブルプリント基板を部品に用いた電子機器、支持体両面に粘着剤層を設けた両面粘着シートを提供することにある。
かかる課題を解決するため、
本発明は、フレキシブルプリント基板を折り返して固着するために用いられる粘着剤であって、
(a)該粘着剤の引張切断時の切断伸度Eが800〜1400%、切断強度Tが300
〜700kPaであり、
(b)60℃、100時間放置後の前記粘着剤の引張切断時の切断強度T60℃が21
0〜700kPaであり、
(c)前記粘着剤は、酸化防止剤を含有し、炭素数4〜8のアルキル側鎖を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル85質量部〜89.9質量部と、アクリル酸、ヒドロキシル基含有共重合性モノマー、及びアミド基含有共重合性モノマーからなる群から選ばれる少なくとも1つのモノエチレン性共重合性モノマー10.1質量部〜15質量部とをアゾ系重合開始剤を用いて重合して得られる質量平均分子量81万〜90万のアクリル系ポリマーと、エポキシ系架橋剤を粘着剤の不揮発分30質量部に対して0.008〜0.01質量部を含有することを特徴とする粘着剤。
また、本発明は、上記粘着剤を用いて、折り返し固着されたことを特徴とするフレキシブルプリント基板を提供する。
また、本発明は、上記フレキシブルプリント基板を、部品に用いたことを特徴とする電子機器を提供する。
また、本発明は、支持体両面に、上記粘着剤からなる粘着剤層と、耐熱性剥離紙とを、この順に設けたことを特徴とする両面粘着シートを提供する。
本発明の粘着剤は、耐熱性を有し、引張切断時の粘着剤の切断伸度E及び切断強度Tと、60℃、100時間放置後の粘着剤の引張切断時の切断強度T60℃とが特定の範囲内にあることにより、FPC耐反発性と加工適性を良好にすることができる。
また、本発明のフレキシブルプリント基板及び電子機器は、前記粘着剤を用いて、フレキシブルプリント基板を折り返し固着しているため、FPC耐反発性に優れ、工程途中でFPCの粘着剤が剥がれてしまうことはない。
[粘着剤]
本発明の粘着剤は、FPC折り返し固着用であって、(a)粘着剤の引張切断時の切断伸度Eが800〜1400%、切断強度Tが300〜700kPaであり、(b)60℃、100時間放置後の粘着剤の引張切断時の切断強度T60℃が210〜700kPaである。
この粘着剤は、炭素数4〜14のアルキル側鎖を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする単量体を重合して得られるアクリル系ポリマーと、架橋剤と、酸化防止剤とを含有する。なお、本明細書においては、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸のことを言い、アクリル酸又はメタクリル酸の誘導体についても同様である。
炭素数が4〜14のアルキル側鎖を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、具体的には、n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソノニルアクリレート、イソデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソノニルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
そのなかでも、炭素数が4〜9のアルキル側鎖を有するメタアクリル酸アルキルエステル又は炭素数が4〜9のアルキル側鎖を有するアクリル酸アルキルエステルが好ましく、さらに、炭素数が4〜9のアルキル側鎖を有するアクリル酸アルキルエステルがより好ましい。具体的には、n−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソノニルアクリレートが好ましい。
また、アクリル系ポリマーにおいて、この炭素数4〜14のアルキル側鎖を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なモノエチレン性共重合性モノマーを用いてもよい。モノエチレン性共重合性モノマーを用いて、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合することにより、官能基や極性基の導入による接着性の改良、共重合体の損失正接(tanδ)の極大値をコントロールして、凝集力や耐熱性の改善を図ることができる。
このようなモノエチレン性共重合性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸ダイマー、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基含有共重合性モノマー、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有共重合性モノマー、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、モルフォリンアクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有共重合性モノマー、シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド等のイミド基含有共重合性モノマー、2−(パーヒドロフタルイミド−N−イル)エチルアクリレート、スチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリル等が挙げられる。このような共重合性モノマーは、これを用いた粘着剤層が、本明細書中で規定した切断強度Eと切断伸度T、T60℃を満足する範囲内にあれば、添加量等は特に規定されないが、単量体に対して2〜40質量%添加するのが好ましい。架橋剤にエポキシ系架橋剤やアジリジン系架橋剤を用いる場合は、カルボキシル基含有共重合性モノマーを共重合するのが好ましく、アクリル酸を共重合するのがさらに好ましい。
本発明に係る粘着剤は、損失正接(tanδ)の極大値を、−17〜7℃の温度域に有するのが好ましい。この温度が−17℃未満の場合は、粘着剤の凝集力が極端に低下するため好ましくないからであり、一方、7℃を越える場合は初期タックが低すぎるため仮固定で不具合が生じやすく好ましくないからである。なお、粘着剤の損失正接(tanδ)の極大値の調整は、本明細書中で規定した切断強度Eと切断伸度T、T60℃を満足する範囲内であれば、上記の炭素数が4〜14のアルキル側鎖を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合性モノマーとを共重合したアクリル系ポリマーを単独で用いるほか、2種類以上のアクリル系ポリマーのブレンド、またはアクリル系ポリマーとそれ以外の樹脂をブレンドする方法であってもよい。
この炭素数4〜14のアルキル側鎖を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定される標準ポリスチレン換算での質量平均分子量で40万〜200万、好ましくは60万〜130万である。質量平均分子量が40万未満では、凝集力が低下するため、好ましくないからであり、一方、200万を超えると、粘着剤溶液の粘度調整のために固形分濃度を低くする必要が生じ、乾燥時間が長くなるため、好ましくないからである。
このアクリル系ポリマーは、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合、超臨界重合等の公知のラジカル重合法により製造することができる。
重合の開始方法も、過酸化ベンゾイルや過酸化ラウロイル等の過酸化物系、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系の開始剤を用いた熱による開始方法や、アセトフェノン系、ベンゾイン系、ベンジルケタール系、アシルホスフィンオキサイド系、ベンゾフェノン系、マレイミド系等の紫外線による開始方法、及び電子線による開始方法を任意に選択できる。
そのなかでも、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤を用いた熱による開始方法や、アシルホスフィンオキサイド系開始剤を用いた紫外線による開始方法が好ましい。
炭素数4〜14のアルキル側鎖を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルに、必要に応じその他の添加剤を加え、これらを有機溶媒に溶解させて調製し、架橋剤と酸化防止剤を添加する前の粘着剤の原料となる溶液である粘着剤溶液を作成する。有機溶媒としては、上記配合成分が溶解し、架橋剤の官能基と反応しないものであれば、特に限定されるものではないが、酢酸エチル、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン等公知慣用の有機溶剤を単独で、あるいは混合して使用することができる。そのなかでも、酢酸エチル、n−ヘキサン、アセトン、メチルエチルケトンが好ましい。
また、粘着剤溶液に添加する架橋剤としては、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤等が挙げられる。そのなかでも、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤が好ましい。粘着剤を架橋させる方法は従来公知の方法が使用できるが、粘着剤溶液に架橋剤を添加することにより架橋させるのが好ましい。架橋剤の添加量は、粘着剤の切断強度Eと切断伸度T、T60℃が、本明細書中の範囲内に収まる様に適宜調整する。例えば、エポキシ系架橋剤の場合、粘着剤100質量部に対し0.01〜0.2質量部添加するのが好ましい。
また、酸化防止剤としては、フェノール系、ホスファイト系、チオエーテル系などが挙げられる。そのなかでも、分解温度が200℃以上のものが、はんだリフロー工程での熱による酸化防止剤自身の熱分解を防止できる点から好ましい。粘着剤溶液に酸化防止剤を添加することにより、粘着剤の耐熱性を向上させることができる。
この酸化防止剤の添加量は、粘着剤100質量部に対し、0.02〜7質量部が好ましく、0.1〜3質量部がより好ましい。添加量が0.02質量部より少ないと、粘着剤のはんだリフロー工程での耐熱性が劣るからであり、一方、添加量が7質量部を越えると、経時での酸化防止剤の移行による凝集力の低下が懸念されるので好ましくないからである。
この粘着剤には、必要に応じて性能を阻害しない範囲で各種添加剤、紫外線吸収剤、充填剤、顔料、増粘剤、粘着付与樹脂等をさらに添加してもよい。
この粘着剤の厚さは、1〜200μmであるのが好ましく、10〜150μmであるのがより好ましい。粘着剤の厚さが1μm未満であると、FPC耐反発性が低下するため好ましくないからであり、一方、200μmを越えると、加工性が低下するため好ましくないからである。
本発明の粘着剤は、FPCを折り返して固着するために用いられる。図1は、FPCに電子部品を実装化し、FPCを折り返して、本発明の粘着剤を用いて折り返し固着するまでの工程を示した模式図であり、(a)〜(g)は各工程の模式図である。
まず、(a)FPCのポリイミドからなる裏面1aの所定の部分に、剥離紙2,2・・・上に塗布した粘着剤10,10・・・を剥離紙ごと貼付する。次いで、(b)このFPCに抜け部分100,100・・・を設けて、所定の形状に抜き加工する。(c)電子部品を実装する部分の裏面に、裏板としてのステンレス補強板3,3・・・を、別の接着剤等を用いて仮接着し、この接着剤を熱硬化する。そして、(d)FPCを表裏逆にする。(e)FPCの表面1bのステンレス補強板3,3・・・の上に該当する部分に、コネクタ等の電子部品4,4・・・を実装し、はんだで仮止めする。このFPCをリフロー炉に入れ、はんだをリフローして電子部品4,4・・・を本止めする。使用するはんだは鉛フリーの材質であり、融点が200〜230℃付近にあるため、リフロー炉ではんだを溶解させるには、リフロー炉の性能にもよるが、例えば250℃雰囲気のオーブンで3分程度を要する。
その後、(f)FPCを必要な大きさにカットする。次いで、(g)剥離紙2を剥がし、折線部分で折り返して、本発明の粘着剤10をステンレス補強板3に固着させて、FPC1を折り畳んだ構造にする。したがって、本発明の粘着剤の被着体は、FPCの表面のポリイミドとステンレス等の金属等である。この折り返し固着したFPCは、次工程で、携帯電話等の電子機器内部に、この形状のまま組み込まれる。
FPCは、銅の回路の両面にポリイミドフィルムを接着した構造からなるため、これを折り返したものは、元の平面構造に戻ろうとする反発力が強く、粘着力の弱い粘着剤で固着したのでは、時間の経過と共に剥がれてしまうのが通常である。粘着力の強い粘着剤を使用すればよいが、前述したように、はんだリフロー後に固着させるため、室温では良好な粘着剤であっても、はんだリフロー後も性能が維持できるとは限らない。実際、前述したように、本発明者らが、市販のFPC折り返し固着用粘着剤について調べたところ、室温では良好な粘着剤であっても、FPC耐反発性を有さず、剥がれてしまうものが多かった。
この原因としては、例えば、粘着剤が硬いと、FPCの反発力による剥がれようとする力が粘着剤内部に分散せず、粘着剤と被着体との界面にこの力が集中し、界面から剥離することが考えられる。粘着剤が軟らかければよいのかというと、市販のFPC折り返し固着用粘着剤のなかで、FPC耐反発性を有するものを調べてみると、前述したように、打ち抜き加工時に刃に糊の付着(糊玉)を生じたり、刃からとれた糊玉がFPC表面に付着(糊飛び)したりする等の問題があった。この原因は、粘着剤が軟らか過ぎたためと考えられる。
したがって、FPC耐反発性と加工適性を両立するには、耐熱性を有する材料である他に、粘着剤の軟らかさが特定の範囲内にあることが必要と考えられる。本発明者らは、鋭意検討の結果、この粘着剤の軟らかさとFPC耐反発性、加工適性との関係を示す指針として、引張切断時の粘着剤の挙動に注目した。すなわち、(a)粘着剤の引張切断時の切断伸度Eが800〜1400%、切断強度Tが300〜700kPaであり、(b)60℃、100時間放置後の粘着剤の引張切断時の切断強度T60℃が210〜700kPaであると、上記FPC耐反発性と加工適性を満足することを見出した。なお、実際には粘着剤は、はんだリフロー工程で250℃の雰囲気で3分程度放置されたのち加工されるのだが、60℃というやや低い温度で100時間加熱した条件において、すでに切断強度Eが変化する粘着剤であれば、250℃に3分間処理後では耐えられないことは明白であるため、加熱後の粘着剤の切断強度T60℃は、60℃、100時間放置後の条件で検討することとした。この粘着剤の切断伸度E及び切断強度T、切断強度T60℃は、以下の方法で測定する。
粘着剤を約0.4mm厚さになるまで重ね合わせ、長さ5cm、幅1cmの短冊状の試験片を作成する。この試験片を、引っ張り試験機(エイアンドディ社製、テンシロンRTA−100、引張モード)に標線間隔2cmで装着し、引張速度300mm/分で切断するまで引っ張る。測定チャートから、切断した際の切断伸度Eと切断強度Tを求める。
また、60℃、100時間放置後の切断強度T60℃は、同様にして作成した試験片を、60℃雰囲気下に100時間放置した後、同じ引っ張り試験機を用いて、同じ方法で測定することで得られる。
加熱処理前の粘着剤層の引張切断時の切断伸度Eが800〜1400%、切断強度Tが300〜700kPaであると、FPCの反発力による剥がれようとする力が粘着剤内部に分散し、耐反発性を良好にすることができる。また、切断強度Tが低すぎると、粘着剤が軟らかくなり過ぎ、加工適性に悪影響を及ぼすのだが、切断強度Tが上記範囲内であると、加工適性も良好にすることができる。また、60℃、100時間放置後の切断強度T60℃が、210〜700kPaであると、加熱前の切断強度Tとの差が小さいため、加熱処理後の粘着剤の物性変化が小さく、粘着剤の安定性を良好とすることができる。
この粘着剤は、粘着剤溶液に架橋剤と酸化防止剤を添加し、攪拌後、剥離紙の上に塗工し、乾燥して製造することができる。剥離紙としては、250℃の温度でも耐熱性を有するのが好ましく、例えば、グラシン紙、上質紙、クラフト紙、不織布、金属箔、ポリイミドフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム(PEN)、ポリエーテルエーテルケトンフィルム(PEEK)、ポリパラフェニレンスルフィドフィルム(PPS)、ポリテトラフルオロエチレンフィルム(PTFE)及びこれらのラミネート体等が挙げられる。剥離紙の表面には、粘着剤からの剥離性を高めるため、シリコーン処理、フッ素処理等の離型処理が施されていることが好ましい。また、グラシン紙、上質紙、クラフト紙は、離型処理を均一に行うため、ポリビニルアルコール(PVA)による目止め処理が施されていることが好ましい。
[FPC、電子機器]
図2は、ステンレス補強板3と剥離紙2を有する粘着剤10を設けたFPC1の一実施形態を示す概略平面図であり、(a)は折り返し固着前のFPC1の裏面1aの概略平面図、(b)は剥離紙2を剥がし、折線で折り返し固着した後のFPC1の表面1aの概略平面図である。これらは、図1の(f)、(g)の工程でのFPCを拡大した図である。
本実施形態に係るFPCは、上記粘着剤を用いて、折り返し固着されたものである。図2のFPCは、銅の回路の両面にポリイミドフィルムを接着した構造からなるFPC1と、その裏面1a上に設けられた粘着剤10と、もう一方の被着体であるステンレス補強板3とから構成されている。なお、FPCの構成及び補強板の材質はこれに限定されるものではない。図2では、FPCの裏面1aの所定部分に、剥離紙2上に塗布した粘着剤10を剥離紙ごと貼付し、電子部品の実装工程、はんだリフロー工程を経た後、図2(a)に示す剥離紙2を剥がし、(b)に示すように折り返して、FPC1のポリイミドからなる裏面1aとステンレス補強板3とを粘着剤10で固着している。本実施形態に係るFPCは、上記粘着剤を用いてFPCを折り返し固着しているため、FPC耐反発性に優れ、工程途中でFPCの粘着剤が剥がれてしまうことはない。
また、本発明の電子機器は、上記折り返し固着したFPCを、そのまま部品として組み込んだものである。この電子機器は、上記粘着剤を用いてFPCを折り返し固着しているため、FPC耐反発性に優れ、FPCの電子機器内への組込工程前に、FPCの粘着剤が剥がれてしまうことはない。
[両面粘着シート]
本発明の両面粘着シートは、支持体両面に、上記粘着剤からなる粘着剤層と、耐熱性剥離紙とを、この順に設けたものである。この両面粘着シートは、支持体と、支持体両面に設けられた上記粘着剤からなる粘着剤層と、その上に設けられた耐熱性剥離紙とから構成されている。
この支持体としては、はんだリフロー工程での250℃近い高温に耐えられる材料であるポリイミド、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリパラフェニレンスルフィド(PPS)等のフィルム、金属箔、及びこれらのラミネート体等が挙げられる。また、耐熱性剥離紙としては、上記で述べたのと同様のグラシン紙、上質紙、クラフト紙、不織布、金属箔、ポリイミドフィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリパラフェニレンスルフィド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレンフィルム(PTFE)、及びこれらのラミネート体等が挙げられる。また、耐熱性剥離紙の表面には、粘着剤層からの剥離性を高めるため、シリコーン処理、フッ素処理等の離型処理が施されていることが好ましい。また、紙を原料とする剥離紙では耐熱性を向上させるため、ポリエチレンフィルムのラミネート処理やクレーコート処理をしない方が好ましい。
粘着剤層の塗布量は、要求性能に応じて適宜設定されるものであるが、支持体各面への塗布量が、乾燥後1〜200μmであることが好ましく、10〜150μmであることがより好ましい。粘着剤層の塗布量が1μm未満であると、FPC耐反発性が低下するため好ましくないからであり、一方、200μmを越えると、両面粘着シートの加工適性が低下するため好ましくないからである。
この両面粘着シートは、支持体両面に粘着剤層と耐熱性剥離紙を形成することにより製造することができる。この粘着剤層の形成は、粘着剤をロールコーターやダイコーター等で耐熱性剥離紙上に塗布して、一旦粘着剤層を耐熱性剥離紙上に形成後、支持体に転写する方法や、直接支持体上に塗布する方法等、従来公知の方法を適宜使用できる。
この両面粘着シートは、粘着剤層の他に、支持体及び耐熱性剥離紙として、耐熱性を有する材料を用いているため、耐熱性剥離紙を貼付したまま、FPCのはんだリフロー処理を行うことができる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳しく説明する。本発明は、下記実施例に何ら制限されるものではない。
(粘着剤溶液Aの調製)
攪拌機、寒流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素ガス導入口を備えた反応容器を用いて、ブチルアクリレート89.9質量部、アクリル酸10.0質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.1質量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.03質量部とを、酢酸エチル63質量部とアセトン100質量部からなる混合溶媒に溶解した。次いで、65℃で6時間重合し、これに追加の2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.2質量部と酢酸エチル45質量部を加え、さらに6時間重合を行い、質量平均分子量90万(ポリスチレン換算)のアクリル系共重合体溶液を得た。このアクリル系共重合体溶液に酢酸エチルを加えて、不揮発分30質量%の粘着剤溶液Aを得た。
(粘着剤溶液Bの調製)
ブチルアクリレート85質量部、アクリル酸15質量部に変更した以外は、粘着剤溶液Aと同様に重合して、質量平均分子量84万のアクリル系共重合体溶液を得た。このアクリル系共重合体溶液に酢酸エチルを加えて均一に混合し、不揮発分30質量%の粘着剤溶液Bを得た。
(粘着剤溶液Cの調製)
2−エチルヘキシルアクリレート85質量部、アクリル酸5質量部、N−ビニル−2−ピロリドン10質量部に変更した以外は、粘着剤溶液Aと同様に重合して、質量平均分子量88万のアクリル系共重合体溶液を得た。このアクリル系共重合体溶液に酢酸エチルを加えて均一に混合し、不揮発分30質量%の粘着剤溶液Cを得た。
(粘着剤溶液Dの調製)
重合開始剤を、1,1−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)に変更した以外は、粘着剤溶液Aと同様に重合して、質量平均分子量81万のアクリル系共重合体溶液を得た。このアクリル系共重合体溶液に酢酸エチルを加えて均一に混合し、不揮発分30質量%の粘着剤溶液Dを得た。
(粘着剤溶液Eの調製)
ブチルアクリレート95質量部、アクリル酸5質量部に変更した以外は、粘着剤溶液Aと同様に重合して、質量平均分子量90万のアクリル系共重合体溶液を得た。このアクリル系共重合体溶液に酢酸エチルを加えて均一に混合し、不揮発分30質量%の粘着剤溶液Eを得た。
(粘着剤溶液Fの調製)
2−エチルヘキシルアクリレート90質量部、アクリル酸10質量部、重合開始剤の2,2’−アゾビスイソブチルニトリルを0.02質量部に変更した以外は、粘着剤溶液Aと同様に重合して、質量平均分子量100万のアクリル系共重合体溶液を得た。このアクリル系共重合体溶液に酢酸エチルを加えて均一に混合し、不揮発分30質量%の粘着剤溶液Fを得た。
(粘着剤溶液Gの調製)
ブチルアクリレート80質量部、メチルアクリレート10質量部、アクリル酸10質量部に変更した以外は、粘着剤溶液Aと同様に重合して、質量平均分子量90万のアクリル系共重合体溶液を得た。このアクリル系共重合体溶液に酢酸エチルを加えて均一に混合し、不揮発分30質量%の粘着剤溶液Gを得た。
(粘着剤溶液Hの調製)
ブチルアクリレート93質量部、アクリル酸7質量部に変更した以外は、粘着剤溶液Aと同様に重合して、質量平均分子量90万のアクリル系共重合体溶液を得た。このアクリル系共重合体溶液に酢酸エチルを加えて均一に混合し、不揮発分30質量%の粘着剤溶液Hを得た。
(粘着剤溶液Iの調製)
ブチルアクリレート92質量部、メタクリル酸8質量部に変更した以外は、粘着剤溶液Aと同様に重合して、質量平均分子量76万のアクリル系共重合体溶液を得た。このアクリル系共重合体溶液に酢酸エチルを加えて均一に混合し、不揮発分30質量%の粘着剤溶液Iを得た。
(粘着剤溶液Jの調製)
重合開始剤を過酸化ベンゾイルに変更した以外は、粘着剤溶液Aと同様に重合して、質量平均分子量80万のアクリル系共重合体溶液を得た。このアクリル系共重合体溶液に酢酸エチルを加えて均一に混合し、不揮発分30質量%の粘着剤溶液Iを得た。
[実施例1]
(粘着剤の調製)
上記の粘着剤溶液A100質量部に対し、架橋剤(綜研化学社製「E−AX」、エポキシ系架橋剤、固形分5質量%)を0.2質量部、酸化防止剤(イルガノックス1010、チバスペシャリティケミカル製)0.3質量部を添加し、15分攪拌後、離型処理した厚さ90μmの耐熱グラシン紙の上に、乾燥後の厚さが50μmになるように粘着剤を塗工して、70℃で3分間乾燥した。次に、離型処理した厚さ120μmのグラシン紙を貼り合わせた後、40℃で2日間熟成し、厚さ50μmのシート状の粘着剤を得た。
[実施例2]
粘着剤溶液をBに変更した以外は、実施例1と同様にして粘着剤を作成した。
[実施例3]
架橋剤「E−AX」の添加量を0.16質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着剤を作成した。
[実施例4]
粘着剤溶液をCに変更した以外は、実施例1と同様にして粘着剤を作成した。
[実施例5]
粘着剤溶液をDに変更した以外は、実施例1と同様にして粘着剤を作成した。
[比較例1]
粘着剤溶液をEに変更し、架橋剤「E−AX」の添加量を0.3質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着剤を作成した。
[比較例2]
粘着剤溶液をFに変更し、架橋剤「E−AX」の添加量を0.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着剤を作成した。
[比較例3]
粘着剤溶液をGに変更し、架橋剤「E−AX」の添加量を0.3質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着剤を作成した。
[比較例4]
粘着剤溶液をHに変更した以外は、実施例1と同様にして粘着剤を作成した。
[比較例5]
粘着剤溶液をIに変更した以外は、実施例1と同様にして粘着剤を作成した。
[比較例6]
架橋剤を「コロネートL」(日本ポリウレタン社製、イソシアネート系架橋剤、固形分45質量%)2.0質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着剤を作成した。
[比較例7]
粘着剤溶液をJに変更した以外は、実施例1と同様にして粘着剤を作成した。
実施例1〜5、比較例1〜7で作成した粘着剤について、以下に示す方法により試験し、評価結果を表1に示した。
(1)粘着剤の切断強度、切断伸度
熟成済みの粘着剤の剥離紙を剥がし、厚さが約0.4mmになるまで重ね合わせて、長さ5cm、幅1cmの短冊状の試験片を作成した。この試験片を引っ張り試験機(エイアンドディ社製、テンシロンRTA−100、引張モード)に標線間隔2cmで装着し、引張速度300mm/分で切断するまで引っ張り、チャートから切断した際の強度T(切断強度)と伸度E(切断伸度)を求めた。
また、60℃、100時間放置後の切断強度T60℃は、短冊状の試験片作成後に60℃雰囲気下に100時間放置したものを使用して、同様に測定した。
(2)FPC耐反発性試験
(i)ポリイミド12.5μm/圧延銅箔18μm/ポリイミド25μmからなる幅15mmのフレキシブルプリント基板(FPC)の中央に、厚さ0.1mm、幅15mm、長さ6mmのステンレス板を接着シートで接着した。剥離紙に挟まれた粘着剤を長さ4mm、幅15mmに加工し、厚さ120μmの剥離紙の方を剥がし、図2(a)に示すように、ステンレス板から2mm離れた位置に平行に手貼りで貼付した。
(ii)粘着剤を貼付したFPCを、250℃のオーブンに3分間放置し、23℃50%Rh下で1時間静置した。
(iii)粘着剤に付いている残りの剥離紙を剥がした後、図2(b)に示すように、FPCを2つに折り返し、粘着剤をステンレス板に手貼りで固着して試験片を作成した。
(iv)この試験片を、23℃50%RHで1時間放置した後、60℃のオーブンに入れ、100時間放置した後で、FPCの折り返し部分の剥がれの有無を目視で評価した。図3は、FPC耐反発性試験後の折り返し固着したFPCの概略平面図であり、(a)は折り返し部分の剥がれが発生しなかったFPCの概略平面図であり、(b)は折り返し部分の剥がれが発生したFPCの概略平面図である。また、表1では、折り返し部分の剥がれが発生しなかった場合を○、剥がれが発生した場合を×とした。
(3)抜き加工性
剥離紙に挟まれた粘着剤の、厚さ120μmの剥離紙の方を剥がし、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(エステル−A4100、東洋紡社製)に、2kgローラー1往復で貼り合わせた。次に、PETフィルム側よりゼンマイ刃で幅10mm、長さ100mmの大きさにこれを断裁した。粘着剤10の剥離紙2側を保持具で固定し、剥離紙2とPETフィルム20とのなす角度が15°を保つようにしながらPETフィルム20側を300mm/分の速度で引っ張り、剥離させた。断裁した切断面の剥離過程を、光学顕微鏡(KH−2700、ハイロックス社製、倍率250倍)で観察し、剥がす際の粘着剤の様子を、糊足40の発生や糊玉(切断した糊足によってできた粘着剤の塊)の有無で評価した。図4は、抜き加工性評価時の粘着剤10の剥離過程を観察した写真であり、(a)は加工適性が良好な粘着剤10の写真であり、(b)は糊足40の発生した加工適性の悪い粘着剤10の写真である。また、表1では、加工適性が良好な場合を○、加工適性の悪い場合を×とした。
Figure 0004710290
実施例1〜5と比較例1〜7の結果から、実施例1〜5の粘着剤は、FPC耐反発性及び加工適性とも良好であることがわかった。この結果から、切断伸度E、切断強度T、切断強度T60℃は、FPC耐反発性と加工適性に影響を与えるものであり、FPC耐反発性、加工適性のような数値ではその程度を表しにくい物性を、切断伸度E、切断強度T、切断強度T60℃を用いて表せることが確認された。
また、以上の結果から、FPC折り返し固着用粘着剤の引張切断時の切断伸度Eが800〜1400%、切断強度Tが300〜700kPaであり、60℃、100時間放置後の粘着剤の引張切断時の切断強度T60℃が210〜700kPaであると、FPC耐反発性と加工適性に優れていることが確認された。
本発明の粘着剤を使用したフレキシブルプリント基板の利用に適している電子機器は、具体例としては、携帯電話機、携帯型パーソナルコンピューター、携帯型情報端末機器(PDA)、デジタルスチルカメラ等が挙げられる。
FPCに電子部品を実装化し、FPCを折り返して、本発明の粘着剤を用いて折り返し固着するまでの工程を示した模式図であり、(a)〜(g)は各工程の模式図である。 ステンレス補強板と剥離紙を有する粘着剤を設けたFPCの一実施形態を示す概略平面図であり、(a)は折り返し固着前のFPCの裏面の概略平面図、(b)は剥離紙を剥がし、折線で折り返し固着した後のFPCの表面の概略平面図である。 実施例におけるFPC耐反発性試験後の折り返し固着したFPCの概略平面図であり、(a)は折り返し部分の剥がれが発生しなかったFPCの概略平面図であり、(b)は折り返し部分の剥がれが発生したFPCの概略平面図である。 実施例における抜き加工性評価時の粘着剤の剥離過程を観察した写真であり、(a)は加工適性が良好な粘着剤の写真であり、(b)は糊足の発生した加工適性の悪い粘着剤の写真である。
符号の説明
1 フレキシブルプリント基板
2 剥離紙
10 粘着剤


Claims (4)

  1. フレキシブルプリント基板を折り返して固着するために用いられる粘着剤であって、
    (a)該粘着剤の引張切断時の切断伸度Eが800〜1400%、切断強度Tが300
    〜700kPaであり、
    (b)60℃、100時間放置後の前記粘着剤の引張切断時の切断強度T60℃が21
    0〜700kPaであり、
    (c)前記粘着剤は、酸化防止剤を含有し、炭素数4〜8のアルキル側鎖を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル85質量部〜89.9質量部と、アクリル酸、ヒドロキシル基含有共重合性モノマー、及びアミド基含有共重合性モノマーからなる群から選ばれる少なくとも1つのモノエチレン性共重合性モノマー10.1質量部〜15質量部とをアゾ系重合開始剤を用いて重合して得られる質量平均分子量81万〜90万のアクリル系ポリマーと、エポキシ系架橋剤を粘着剤の不揮発分30質量部に対して0.008〜0.01質量部を含有することを特徴とする粘着剤。
  2. 請求項1に記載の粘着剤を用いて、折り返し固着されたことを特徴とするフレキシブルプリント基板。
  3. 請求項2に記載のフレキシブルプリント基板を、部品に用いたことを特徴とする電子機器。
  4. 支持体両面に、請求項1に記載の粘着剤からなる粘着剤層と、耐熱性剥離紙とを、この順に設けたことを特徴とする両面粘着シート。


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