以下、この発明の実施形態を図面を参照して説明する。この説明に際し、全図にわたり、共通する部分には共通する参照符号を付す。
この発明の第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置について図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係るシステムLSIのブロック図である。
図示するように、システムLSI1は、CPU2及び2Trフラッシュメモリ3を備えている。CPU2は、フラッシュメモリ3との間でデータの授受を行う。フラッシュメモリ3は、メモリセルアレイ10、書き込み用デコーダ20、セレクトゲートデコーダ30、カラムデコーダ40、書き込み回路50、カラムセレクタ60、読み出し回路70、スイッチ群80、入力バッファ180、出力バッファ90、ソース線ドライバ100、アドレスバッファ110、ライトステートマシーン120、及び電圧発生回路130を備えている。LSI1には、外部から電圧Vcc1(1.25〜1.65V)が与えられており、Vcc1は電圧発生回路130に与えられる。
メモリセルアレイ10は、マトリクス状に配置された複数個のメモリセルを有している。メモリセルアレイ10の構成について、図2を用いて説明する。図2はメモリセルアレイ10の一部領域の回路図である。
図示するように、メモリセルアレイ10は、((m+1)×(n+1)、但しm、nは自然数)個のメモリセルブロックBLK、並びにメモリセルブロックBLK毎に設けられた書き込み用カラムセレクタWCS、読み出し用カラムセレクタRCS、及び書き込み禁止用カラムセレクタICSを有している。
各々のメモリセルブロックBLKは、複数のメモリセルMCを含んでいる。メモリセルMCは、2Trフラッシュメモリのメモリセルである。すなわち、メモリセルMCの各々は、メモリセルトランジスタMTと選択トランジスタSTとを有している。そして、メモリセルトランジスタMTのソースは、選択トランジスタSTのドレインに接続されている。メモリセルトランジスタMTは、半導体基板上にゲート絶縁膜を介在して形成されたフローティングゲートと、フローティングゲート上にゲート間絶縁膜を介在して形成されたコントロールゲートとを有する積層ゲート構造を備えている。また、列方向で隣接するメモリセルMC同士は、メモリセルトランジスタMTのドレイン領域、または選択トランジスタSTのソース領域を共有している。各々のメモリセルブロックBLKには、メモリセルMCが(4×4)個、含まれている。なお、列方向に配置されたメモリセルMCの数は、図2では4個であるが、この数は一例に過ぎず、例えば8個や16個等でも良く、限定されるものではない。4列に並ぶメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTのドレイン領域は、4本のローカルビット線LBL0〜LBL3にそれぞれ接続されている。ローカルビット線LBL0〜LBL3の一端は書き込み用カラムセレクタWCSに接続され、他端は読み出し用カラムセレクタRCSに接続されている。
また、メモリセルアレイ10内において、同一行のメモリセルトランジスタMTの制御ゲートが、それぞれワード線WL0〜WL(4m−1)のいずれかに共通接続されている。また同一行の選択トランジスタSTのゲートは、それぞれセレクトゲート線SG0〜SG(4m−1)のいずれかに共通接続されている。前述のローカルビット線LBL0〜LBL3は各々のメモリセルブロックBLK内においてメモリセルトランジスタを共通接続するのに対して、ワード線WL及びセレクトゲート線SGは、同一行にあるメモリセルトランジスタ及び選択トランジスタをメモリセルブロック間においても共通接続する。ワード線WL0〜WL(4m−1)は書き込み用デコーダ20に接続され、セレクトゲート線SG0〜SG(4m−1)はセレクトゲートデコーダ30に接続されている。また、選択トランジスタSTのソース領域は、複数のメモリセルブロックBLK間で共通接続され、ソース線ドライバ100に接続されている。
次に書き込み用カラムセレクタWCSの構成について説明する。書き込み用カラムセレクタWCSの各々は、4つのMOSトランジスタ11〜14を備えている。MOSトランジスタ11〜14の電流経路の一端はローカルビット線LBL0〜LBL3の一端にそれぞれ接続されている。そして、MOSトランジスタ11と12の電流経路の他端が共通接続され、MOSトランジスタ13と14の電流経路の他端が共通接続されている。このMOSトランジスタ11と12の共通接続ノードをノードN10、MOSトランジスタ13と14の共通接続ノードをN11と以下では呼ぶこととする。MOSトランジスタ11〜14のゲートは、書き込み用カラム選択線WCSL0〜WCSL(2m−1)のいずれかに接続されている。なお、同一行にある書き込み用カラムセレクタWCSに含まれるMOSトランジスタ11、13は、同一の書き込み用カラム選択線WCSL(i−1)(i:1、3、5、…)に接続され、同一行にある書き込み用カラムセレクタWCSに含まれるMOSトランジスタ12、14は、同一の書き込み用カラム選択線WCSLiに接続される。書き込み用カラム選択線WCSL0〜WCSL(2m−1)は、書き込み時において、カラムデコーダ40によって選択される。
書き込み用カラムセレクタWCS内のノードN10、N11は、それぞれ書き込み用グローバルビット線WGBL0〜WGBL(2n−1)のいずれかに接続されている。書き込み用グローバルビット線WGBL0〜WGBL(2n−1)のそれぞれは、同一列にある書き込み用カラムセレクタWCSのノードN10同士、またはノードN11同士を共通接続する。そして、書き込み用グローバルビット線WGBL0〜WGBL(2n−1)は、書き込み回路50に接続されている。
次に読み出し用カラムセレクタRCSの構成について説明する。読み出し用カラムセレクタRCSの各々は、4つのMOSトランジスタ15〜18を備えている。MOSトランジスタ15〜18の電流経路の一端はローカルビット線LBL0〜LBL3の他端にそれぞれ接続されている。そして、MOSトランジスタ15〜18の電流経路の他端は、互いに共通接続されている。MOSトランジスタ15〜18の共通接続ノードをノードN20と以下では呼ぶこととする。MOSトランジスタ15〜18のゲートは、それぞれ異なる読み出し用カラム選択線RCSL0〜RCSL(4m−1)に接続されている。なお、同一行にある読み出し用カラムセレクタRCSに含まれるMOSトランジスタ15〜18のそれぞれは、同一の読み出し用カラム選択線RCSL0〜RCSL(4m−1)に接続されている。読み出し用カラム選択線RCSL0〜RCSL(4m−1)は、読み出し時において、カラムデコーダ40によって選択される。
読み出し用カラムセレクタRCS内のノードN20は、読み出し用グローバルビット線RGBL0〜RGBL(n−1)のいずれかに接続されている。読み出し用グローバルビット線RGBL0〜RGBL(n−1)のそれぞれは、同一列にある読み出し用カラムセレクタRCS内のノードN20同士を共通接続する。そして、読み出し用グローバルビット線RGBL0〜RGBL(n−1)は、読み出し回路60に接続されている。
次に書き込み禁止用カラムセレクタICSの構成について説明する。書き込み禁止用セレクタICSの各々は、4つのMOSトランジスタ41〜44を備えている。MOSトランジスタ41〜44の電流経路の一端はローカルビット線LBL0〜LBL3の一端にそれぞれ接続されている。そして、MOSトランジスタ41〜44の電流経路の他端には書き込み禁止電圧VPIが共通に印加される。書き込み禁止電圧VPIは電圧発生回路130によって生成される。MOSトランジスタ41〜44のゲートは、書き込み禁止用カラム選択線ICSL0〜ICSL(2m−1)のいずれかに接続されている。なお、同一行にある書き込み禁止用カラムセレクタICSに含まれるMOSトランジスタ41、43は、同一の書き込み用カラム選択線ICSL(i−1)(i:1、3、5、…)に接続され、同一行にある書き込み禁止用カラムセレクタICSに含まれるMOSトランジスタ42、44は、同一の書き込み用カラム選択線WCSLiに接続される。書き込み禁止用カラム選択線ICSL0〜ICSL(2m−1)は、書き込み時において、カラムデコーダ40によって選択される。
本実施形態に係るメモリセルアレイ10の構成は、次のようにも説明できる。すなわち、メモリセルアレイ10内には、複数のメモリセルMCがマトリクス状に配置されている。同一行にあるメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTの制御ゲートは、ワード線に共通接続され、同一行にあるメモリセルの選択トランジスタのゲートは、セレクトゲート線に接続されている。そして、同一列にある4つのメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTのドレインは、ローカルビット線LBL0〜LBL3のいずれかに共通接続されている。すなわち、メモリセルアレイ10内の複数のメモリセルMCは、一列に並んだ4つのメモリセルMC毎に、異なるローカルビット線LBL0〜LBL3のいずれかに接続されている。そして、同一列にあるローカルビット線LBL0及び同一列にあるローカルビット線LBL1の一端は、それぞれMOSトランジスタ11、12を介して、同一の書き込み用グローバルビット線WGBL0〜WGBL(2n−1)のいずれかに共通接続されている。また、同一列にあるローカルビット線LBL2及び同一列にあるローカルビット線LBL3の一端は、それぞれMOSトランジスタ13、14を介して、同一の書き込み用グローバルビット線WGBL0〜WGBL(2n−1)のいずれかに共通接続されている。そして、同一列にあるローカルビット線LBL0〜LBL3の他端は、MOSトランジスタ15〜18を介して、同一の読み出し用グローバルビット線RGBL0〜RGBL(n−1)のいずれかに共通接続されている。更に、ローカルビット線LBL0〜LBL3の各々は、MOSトランジスタ41〜44を介して書き込み禁止電圧ノードに接続される。そして、メモリセルMCの選択トランジスタSTのソースは共通接続され、ソース線ドライバに接続されている。上記構成のメモリセルアレイにおいて、同一のローカルビット線に接続された4つのメモリセルMCが4列集まって、1つのメモリセルブロックBLKが構成されている。同一列のメモリセルブロックは、共通の書き込み用グローバルビット線及び読み出し用グローバルビット線に接続されている。他方、互いに異なる列にあるメモリセルブロックBLKは、それぞれ異なる書き込み用グローバルビット線及び読み出し用グローバルビット線に接続されている。なお、メモリセルブロック内のメモリセル数、読み出し用グローバルビット線RGBL、及び書き込み用グローバルビット線WGBLの本数は、本例に限ったものではない。
図1に戻って説明を続ける。書き込み回路50は、書き込みデータをラッチすると共に、書き込み用グローバルビット線WGBLをリセットする。
入力バッファ180は、CPU2から与えられる書き込みデータを保持する。
スイッチ群80は、入力バッファ90で保持された書き込みデータを書き込み回路50に転送する。
書き込み回路50、スイッチ群80、及び入力バッファ180の構成について図3を用いて説明する。図3は、書き込み回路50、スイッチ群80、及び入力バッファ180の回路図である。
まず書き込み回路50について説明する。書き込み回路50はラッチ回路群51及びリセット回路52を備えている。ラッチ回路群51は、書き込み用グローバルビット線WGBL0〜WGBL(2n−1)毎に設けられたラッチ回路53を備えている。ラッチ回路53の各々は、2つのインバータ54、55を備えている。インバータ54の入力端は、インバータ55の出力端に接続され、インバータ54の出力端は、インバータ55の入力端に接続されている。そして、インバータ54の入力端とインバータ55の出力端との接続ノードがラッチ回路53の出力ノードとなり、対応する書き込み用グローバルビット線に接続されている。インバータ54、55はそれぞれ、電流経路が直列接続されたnチャネルMOSトランジスタ56及びpチャネルMOSトランジスタ57を備えている。nチャネルMOSトランジスタ56のソースはVBLPWノードに接続され、pチャネルMOSトランジスタ57のソースは書き込み禁止電圧ノードVPIに接続されている。nチャネルMOSトランジスタ56のゲートとpチャネルMOSトランジスタ57のゲートとは共通接続されている。そして、インバータ55のpチャネルMOSトランジスタ57のドレインとnチャネルMOSトランジスタ56のドレインとの接続ノードが、インバータ54のpチャネルMOSトランジスタ57のゲートとnチャネルMOSトランジスタ56のゲートとの接続ノードに接続され、更に書き込み用グローバルビット線に接続されている。また、インバータ54のpチャネルMOSトランジスタ57のドレインとnチャネルMOSトランジスタ56のドレインとの接続ノードが、インバータ55のpチャネルMOSトランジスタ57のゲートとnチャネルMOSトランジスタ56のゲートとの接続ノードに接続され、この接続ノードがラッチ回路53の入力ノードとなる。
リセット回路52は、書き込み用グローバルビット線WGBL0〜WGBL(2n−1)毎に設けられたnチャネルMOSトランジスタ58を備えている。各nチャネルMOSトランジスタ58のドレインは対応する書き込み用グローバルビット線に接続され、ソースはVBLPWノードに共通接続され、ゲートはWGBLRSTノードに共通接続されている。
スイッチ群80は、ラッチ回路53毎に設けられたnチャネルMOSトランジスタ81、及びnチャネルMOSトランジスタ82を備えている。MOSトランジスタ81の電流経路の一端は、対応するラッチ回路53の入力ノードに接続されている。そして、隣接するラッチ回路にそれぞれ接続された2つのMOSトランジスタ81の電流経路の他端は共通接続されている。すなわち、書き込み用グローバルビット線WGBL0、WGBL1にそれぞれ対応するラッチ回路53に接続されたMOSトランジスタ81同士が、その電流経路の他端を共通としている。書き込み用グローバルビット線WGBL2、WGBL3にそれぞれ対応するラッチ回路53に接続されたMOSトランジスタ81同士もまた同じである。そして、書き込み用グローバルビット線WGBL(i−1)(i=1、3、5、…)に対応するラッチ回路53に接続されたMOSトランジスタ81のゲートは、WDH0ノードに共通接続され、書き込み用グローバルビット線WGBLiに対応するラッチ回路53に接続されたMOSトランジスタ81のゲートはWDH1ノードに共通接続されている。そして、互いに共通接続されたMOSトランジスタ81の電流経路の他端は、MOSトランジスタ82の電流経路の一端に接続されている。MOSトランジスタ82のゲートには、一括して正電圧Vcc2(≒3V)が印加される。正電圧Vcc2は、例えば電圧発生回路120によって生成される。なお以下では、MOSトランジスタ81とラッチ回路53の入力ノードとの接続ノードを、それぞれノードA0〜A(2n−1)と呼ぶことにする。
次に入力バッファ180について説明する。入力バッファ180は、スイッチ群80内のMOSトランジスタ82毎に設けられたインバータ181を備えている。インバータ181の入力ノードには、CPU2から与えられる書き込みデータが入力され、出力ノードはMOSトランジスタ82の電流経路の他端に接続されている。インバータ181は、その高電圧側電源電位をVcc2、低電圧電源電位を0Vとして動作する。以下では、インバータ181の出力ノードとMOSトランジスタ82との接続ノードをそれぞれノードTOWDI0〜TOWDI((2n−1)/2)と呼ぶことにする。
再び図1に戻ってLSI1の説明を続ける。
カラムデコーダ40は、カラムアドレス信号をデコードして、カラムアドレスデコード信号を得る。このカラムアドレスデコード信号に基づいて、カラム選択線WCSL、RCSL、ICSLの選択動作が行われる。
カラムセレクタ60は、読み出し時において、上記カラムアドレスデコード信号に基づいて、読み出し用グローバルビット線RGBL0〜RGBL(n−1)のいずれかを選択する。
読み出し回路70は、読み出し時において読み出し用グローバルビット線RGBL0〜RGBL(n−1)をプリチャージする。そして、読み出し用グローバルビット線RGBL0〜RGBLnに読み出したデータを増幅する。増幅された読み出しデータは出力バッファ90を介してフラッシュメモリ3の外部へ送り出される。
カラムセレクタ60及び読み出し回路70の構成について、図4を用いて説明する。図4はカラムセレクタ60及び読み出し回路70の回路図である。
カラムセレクタ60は、複数の読み出し用グローバルビット線毎に設けられた選択ユニット61を備えている。図4の例では5本の読み出し用グローバルビット線(RGBL0〜RGBL4、RGBL5〜RGBL9、RGBL10〜RGBL14、…)毎に1つの選択ユニット61が設けられているが、この数に限定されるものではない。以下図4の場合を例に説明する。読み出しユニット61のそれぞれは、5本の読み出し用グローバルビット線毎にそれぞれ設けられたMOSトランジスタ62〜66を備えている。MOSトランジスタ62〜66の電流経路の一端は5本の読み出し用グローバルビット線のそれぞれに接続され、他端は共通接続されている。MOSトランジスタ62〜66のゲートは複数の選択ユニット61間で、それぞれカラム選択線CSL0〜CSL4に接続されている。カラム選択線CSL0〜CSL4はカラムデコーダ40に接続されている。
次に読み出し回路70の構成について説明する。読み出し回路70は、カラムセレクタ60内の選択ユニット61毎に設けられた読み出しユニット71を備えている。読み出しユニット71はそれぞれ、カラムセレクタ60内のMOSトランジスタ62〜66の電流経路の他端の共通接続ノードに接続されている。それぞれの読み出しユニット71は、プリチャージ回路72及びセンスアンプ73を備えている。
プリチャージ回路72は、読み出し時において、カラムセレクタ60の選択ユニット61で選択された読み出し用グローバルビット線をプリチャージする。プリチャージ回路72は、pチャネルMOSトランジスタ74及びnチャネルMOSトランジスタ75を備えている。pチャネルMOSトランジスタ74は、ソースが電源電圧VDD(例えば1.3V)に接続され、ゲートにプリチャージ信号/PREが入力される。nチャネルMOSトランジスタ75は、ドレインがMOSトランジスタ74のドレインに接続され、ゲートにバイアス信号BIASが入力される。
センスアンプ73は、読み出し時において、カラムセレクタ60の選択ユニット61で選択された読み出し用グローバルビット線に読み出した読み出しデータを増幅する。センスアンプ73は、インバータ76及びフリップフロップ77を備えている。インバータ76の入力ノードはMOSトランジスタ75のソースに接続され、出力ノードがフリップフロップ77の入力ノードに接続されている。そして、フリップフロップ77の出力ノードから、増幅された読み出しデータが出力される。
すなわち、読み出し時において、カラムセレクタ60によって5本のうち1本の割合で選択された読み出し用グローバルビット線RGBL0〜RGBL(n−1)が、それぞれプリチャージ回路72及びセンスアンプ73に接続される。そして、j個(jは自然数)のセンスアンプ73からそれぞれ読み出しデータSAO0〜SAO(j−1)が順次出力バッファへ送られる。
再び図1に戻って説明を続ける。
ソース線ドライバ100は、ソース線SLに電圧を供給する。
アドレスバッファ110は、CPU2から与えられるアドレス信号を保持する。そして、カラムアドレス信号CAをカラムデコーダ40に供給し、ロウアドレス信号RAを書き込み用デコーダ20、セレクトゲートデコーダ30、及び書き込み回路50に供給する。
ライトステートマシーン120は、CPU2から与えられる命令信号に基づいて、フラッシュメモリ3に含まれる各回路の動作を制御し、データの書き込み、消去、読み出しのタイミング制御を行い、また各動作について決められた所定のアルゴリズムを実行する。
電圧発生回路130は、外部から入力される電圧Vcc1(約1.25〜1.65V)に基づいて、複数の内部電圧を生成する。電圧発生回路は、負のチャージポンプ回路及び正のチャージポンプ回路を備えている。そして、負電圧VBB1(=−6V)並びに正電圧VPP1(=10V)、Vcc2(=3V)を生成する。
書き込み用デコーダ20は、書き込み時においてワード線WL0〜WL(4m−1)のいずれかを選択し、選択ワード線に正電位VPP1(10V)を印加すると共に、メモリセルアレイが形成されているウェル領域に負電位VBB(−6V)を印加する。また消去時において、全ワード線に負電位VBB1を印加すると共に、ウェル領域に正電位VPP1を印加する。
セレクトゲートデコーダ30は、読み出し時においてセレクトゲート線SG0〜SG(4m−1)のいずれかを選択し、選択セレクトゲート線に正電位Vcc2を印加する。
上記書き込み用デコーダ20及びセレクトゲートデコーダ30の構成について、図5を用いて説明する。まず書き込み用デコーダ20の構成について説明する。書き込み用デコーダ20は、ロウアドレスデコード回路21を備えている。ロウアドレスデコード回路21は、(i+1)ビットのロウアドレス信号RA0〜RAiをデコードしてロウアドレスデコード信号を得る。このロウアドレスデコード信号が、ワード線WL0〜WL(4m−1)に与えられる。ロウアドレスデコード回路21は、ワード線WL0〜WL(4m−1)毎に設けられたNAND回路22及びインバータ23を有している。NAND回路22及びインバータ23は、正電源電圧ノードが電源電圧ノードVCGNWに接続され、負電源電圧ノードが電源電圧ノードVCGPWに接続されている。NAND回路22は、ロウアドレス信号RA0〜RAiの各ビットのNAND演算を行う。電源電圧ノードVCGNW、VCGPWには、電圧発生回路130の発生する正電圧VPP、Vcc2、負電圧VBB1、またはVcc1、0Vが与えられる。そして、インバータ24がNAND演算結果を反転して、ロウアドレスデコード信号として出力する。なお、書き込み時にはVCGNW=VPP1、VCGPW=0Vとされ、消去時にはVCGNW=Vcc1、VCGPW=VBB1とされる。
次にセレクトゲートデコーダ30の構成について説明する。セレクトゲートデコーダ30は、ロウアドレスデコード回路31、及びスイッチ素子群32を備えている。ロウアドレスデコード回路31は、電源電圧Vcc2で動作し、(i+1)ビットのロウアドレス信号RA0〜RAiをデコードしてロウアドレスデコード信号を得る。ロウアドレスデコード回路31は、セレクトゲート線SG0〜SG(4m−1)毎に設けられたNAND回路33及びインバータ34を有している。NAND回路33は、ロウアドレス信号RA0〜RAiの各ビットのNAND演算を行う。そして、インバータ34がNAND演算結果を反転して、ロウアドレスデコード信号として出力する。
スイッチ素子群32は、nチャネルMOSトランジスタ35、36を有している。nチャネルMOSトランジスタ35、36は、セレクトゲート線SG0〜SG(4m−1)毎に設けられている。そして、インバータ34の出力が、nチャネルMOSトランジスタ35の電流経路を介して、セレクトゲート線SG0〜SG(4m−1)に与えられる。なお、nチャネルMOSトランジスタ35のゲートには、制御信号ZISOGが入力される。そして、制御信号ZISOGによって、書き込み動作及び消去動作時には、MOSトランジスタ35はオフ状態とされ、読み出し動作時にはオン状態とされる。制御信号ZISOGはレベルシフト回路37によってレベルシフトされ、読み出し時にはZISOG=VDDSとなる。正電圧VDDSは電圧発生回路130により与えられる電圧であり、ロウアドレスデコード回路31の“H”レベル出力をVcc2、MOSトランジスタ35の閾値電圧をVthとすると、VDDS>(Vcc2+Vth)である。
nチャネルMOSトランジスタ36は、その電流経路の一端がセレクトゲート線SG0〜SG(4m−1)に接続され、他端はVSGPWノードに接続され、ゲートには制御信号WSGが入力される。そして、制御信号WSGによって、MOSトランジスタ36は、書き込み時にオン状態とされ、読み出し時及び消去時にはオフ状態とされる。書き込み時にはVSGPW=VBB1とされ、消去及び読み出し時にはVSGPW=0Vとされる。
次に、上記構成の2Trフラッシュメモリの、書き込み用デコーダ、セレクトゲートデコーダ、及びメモリセルアレイのウェル分離の様子について図6を用いて説明する。図6は2Trフラッシュメモリの平面図である。
図示するように、p型半導体基板200の表面領域内には、互いに離隔されたn型ウェル領域201、400、401が形成されている。これらのn型ウェル領域201、400、401の外周には、p+型拡散層414が形成されている。p+型拡散層414は、p型半導体基板200に対して電圧VSS(例えば0V)を与えるためのコンタクト層である。n型ウェル領域201の表面領域内には、互いに離隔されたp型ウェル領域202、402、404が形成されている。p型ウェル領域202、402、404はそれぞれ、メモリセルMC、MOSトランジスタ35、36を形成するためのものである。p型ウェル領域202、402、404の外周には、n+型拡散層409が形成されている。n+型拡散層409は、n型ウェル領域201に対して電圧VNWを印加するためのコンタクト層である。p型ウェル領域202の内周には、p型ウェル領域202に対して電圧VPWを印加するためのコンタクト層となるp+型拡散層406が形成されている。p型ウェル領域402の内周には、p型ウェル領域402に対して電圧VSGPWを印加するためのコンタクト層となるp+型拡散層407が形成されている。p型ウェル領域404の内周には、p型ウェル領域404に対して電圧VSGPWを印加するためのコンタクト層となるp+型拡散層408が形成されている。
n型ウェル領域401は、ロウアドレスデコード回路31を形成するためのものである。n型ウェル領域401の内周には、n型ウェル領域401に電圧VSSを印加するためのコンタクト層として機能するn+型拡散層413が形成されている。またn型ウェル領域401の表面領域内にはp型ウェル領域405が形成されている。p型ウェル領域405の内周には、p型ウェル領域405に電圧Vcc2を印加するためのコンタクト層として機能するp+型拡散層412が形成されている。
n型ウェル領域400は、ロウアドレスデコード回路21を形成するためのものである。n型ウェル領域400の内周には、n型ウェル領域400に電圧VCGNWを印加するためのコンタクト層として機能するn+型拡散層411が形成されている。またn型ウェル領域400の表面領域内にはp型ウェル領域403が形成されている。p型ウェル領域403の内周には、p型ウェル領域403に電圧VCGPWを印加するためのコンタクト層として機能するp+型拡散層410が形成されている。
p型ウェル領域404内には素子領域AAが形成され、この素子領域AA内に分離用MOSトランジスタ36が形成されている。またp型ウェル領域402内には素子領域AAが形成され、この素子領域AA内に分離用MOSトランジスタ35が形成されている。また、n型ウェル領域400及びp型ウェル領域403内に形成された素子領域AA内に、ロウアドレスデコード回路21を形成するためのMOSトランジスタが形成されている。更に、n型ウェル領域401及びp型ウェル領域405内に形成された素子領域AA内に、ロウアドレスデコード回路31を形成するためのMOSトランジスタが形成されている。p型ウェル領域202内には、メモリセルが形成されている。
p型ウェル領域202上に形成されたワード線WLは、1層目の金属配線層422によって、ロウアドレスデコード回路21内のMOSトランジスタの電流経路の一端に接続される。ロウアドレスデコード回路21内のMOSトランジスタの電流経路の他端は、1層目の金属配線層423、425によって、拡散層410、411に接続されている。またゲート419、420は、1層目の金属配線層424によって、ロウアドレス信号RAを伝達する2層目の金属配線層435に接続されている。
p型ウェル領域202上に形成されたセレクトゲート線SGの一端は、1層目の金属配線層426及び2層目の金属配線層427を介して3層目の金属配線層428に接続されている。金属配線層428は、2層目の金属配線層429及び1層目の金属配線層430を介して、分離用MOSトランジスタ36の電流経路の一端に接続されている。分離用MOSトランジスタ36の電流経路の他端は、1層目の金属配線層431によって拡散層408に接続されている。また分離用MOSトランジスタ36のゲート416は、ゲート416と同じレベルにある配線層432及び1層目の金属配線層313を介して、信号WSGを伝達する2層目の金属配線層434に接続されている。
セレクトゲート線SGの他端は、1層目の金属配線層436によって、分離用MOSトランジスタ35の電流経路の一端に接続されている。分離用MOSトランジスタ35のゲート415は、ゲート415と同一レベルにある配線層440及び1層目の金属配線層441を介して、信号ZISOGを伝達する2層目の金属配線層442に接続されている。
分離用MOSトランジスタ35の電流経路の他端は、1層目の金属配線層437によって、ロウアドレスデコード回路31内のMOSトランジスタの電流経路の一端に接続されている。該MOSトランジスタの電流経路の他端は、それぞれ1層目の金属配線層417、438を介して拡散層413、412に接続されている。該MOSトランジスタのゲート439、418は、1層目の金属配線層439を介して、ロウアドレス信号RAを伝達する2層目の金属配線層443に接続されている。
上記構成において、ロウアドレスデコード回路31内のMOSトランジスタは、Vcc2を電源電圧として用いる低電圧MOSトランジスタである。他方、MOSトランジスタ35、36及びロウアドレスデコード回路21内のMOSトランジスタは、VBB1やVPPを電源電圧として用いる高電圧MOSトランジスタである。そして低電圧MOSトランジスタは、高電圧MOSトランジスタとウェル分離されている。すなわち、高電圧MOSトランジスタである分離用トランジスタ35、36は、n型ウェル領域401とは離隔され、メモリセルと同一のn型ウェル領域201内に形成されている。
なお、p型ウェル領域202と404とを分離しているのは、消去時において両者を異なる電圧にするためであり、同一電圧とすることが出来れば、両者は同一ウェルであっても良い。また、分離用トランジスタ35、36を共にnチャネルMOSトランジスタで形成していること、及びn型ウェル領域201をp型ウェル領域202、402、404で共通にしていることにより、ウェル分離に必要な領域を削減出来、フラッシュメモリの面積を削減できる。
次に、上記構成のフラッシュメモリの備えるメモリセルアレイ10の断面構造について、図7を用いて説明する。図7はメモリセルアレイ10のビット線方向に沿った断面図である。
図示するように、p型半導体基板200の表面領域内にn型ウェル領域201が形成され、n型ウェル領域201の表面領域内にp型ウェル領域202が形成されている。p型ウェル領域202中には素子分離領域STIが形成され、素子分離領域STIによって周囲を取り囲まれた領域が、素子領域AAとなっている。p型ウェル領域202の素子領域AA上には、ゲート絶縁膜204が形成され、ゲート絶縁膜204上に、メモリセルトランジスタMT及び選択トランジスタSTのゲート電極が形成されている。メモリセルトランジスタMT及び選択トランジスタSTのゲート電極は、ゲート絶縁膜204上に形成された多結晶シリコン層210、多結晶シリコン層210上に形成されたゲート間絶縁膜220、及びゲート間絶縁膜220上に形成された多結晶シリコン層230を有している。ゲート間絶縁膜220は、例えばシリコン酸化膜、またはシリコン酸化膜とシリコン窒化膜との積層構造であるON膜、NO膜、またはONO膜で形成される。
メモリセルトランジスタMTにおいては、多結晶シリコン層210は隣接する素子領域AA間で互いに分離されており、フローティングゲート(FG)として機能する。他方、多結晶シリコン層230は、隣接する素子領域AA間で共通接続され、コントロールゲート(ワード線WL)として機能する。
選択トランジスタSTにおいては、多結晶シリコン層210は、隣接する素子領域AA間で共通接続されている。多結晶シリコン層230も、隣接する素子領域AA間で共通接続される。そして、多結晶シリコン層210、230が、セレクトゲート線SGとして機能する。但し、実質的にセレクトゲート線として機能するのは、多結晶シリコン層210のみである。
そして隣接するゲート電極間に位置するp型ウェル領域202表面内には、不純物拡散層203が形成されている。不純物拡散層203は、隣接するトランジスタ同士で共用されている。前述の通り、メモリセルトランジスタMTと選択トランジスタSTとを含むメモリセルMCは次のような関係を有して形成されている。すなわち、隣接するメモリセルMCは、互いに選択トランジスタST同士、またはメモリセルトランジスタMT同士が隣り合っている。そして、隣り合ったもの同士は不純物拡散層203を共有している。従って、隣接する2つのメモリセルMC、MCは、選択トランジスタST同士が隣り合う場合には、2つの選択トランジスタST、STが共有する不純物拡散層(ソース領域)203を中心にして、対称に配置されている。逆に、メモリセルトランジスタMT同士が隣り合う場合には、2つのメモリセルトランジスタMT、MTが共有する不純物拡散層(ドレイン領域)203を中心にして、対称に配置されている。
そして、p型ウェル領域202上には、上記メモリセルトランジスタMT、及び選択トランジスタSTを被覆するようにして、層間絶縁膜250が形成されている。層間絶縁膜250中には、2つの選択トランジスタST、STが共有する不純物拡散層(ソース領域)203に達するコンタクトプラグCP1が形成されている。そして層間絶縁膜250上には、コンタクトプラグCP1に接続される金属配線層260が形成されている。金属配線層260は、ソース線SLとして機能する。また、層間絶縁膜250中には、2つのメモリセルトランジスタMT、MTが共有する不純物拡散層(ドレイン領域)203に達するコンタクトプラグCP2が形成されている。また層間絶縁膜250上には更に、コンタクトプラグCP2に接続される金属配線層270が形成されている。
層間絶縁膜250上には、金属配線層260、270を被覆するようにして、層間絶縁膜280が形成されている。そして、層間絶縁膜280中には、金属配線層270に達するコンタクトプラグCP3が形成されている。そして、層間絶縁膜280上には、複数のコンタクトプラグCP3に共通に接続された金属配線層290が形成されている。金属配線層290は、ローカルビット線LBL0〜LBL3のいずれかとして機能する。また層間絶縁膜280内には金属配線層260に達するコンタクトプラグが形成されており、このコンタクトプラグによって、複数のソース線260が、図示せぬ領域で共通接続される。
層間絶縁膜280上には、金属配線層290を被覆するようにして、層間絶縁膜300が形成されている。そして、層間絶縁膜300上には金属配線層310が形成されている。金属配線層310は、図示せぬシャント領域において選択トランジスタSTの多結晶シリコン層210と接続されており、セレクトゲート線のシャント配線として機能する。金属配線層310の配線間は等間隔とされている。なおシャント領域では、選択トランジスタSTの多結晶シリコン層230の少なくとも一部が除去されており、この領域に形成されたコンタクトプラグ(図示せず)によって、シャント配線310と多結晶シリコン層210とが接続される。シャント配線310は、多結晶シリコン層230と電気的に分離されている。
そして、層間絶縁膜300上には、金属配線層310を被覆するようにして、層間絶縁膜320が形成されている。層間絶縁膜320上には、書き込み用グローバルビット線及び読み出し用グローバルビット線として機能する金属配線層330が形成され、更に層間絶縁膜340が形成されている。
図8は、図5に示すメモリセルアレイ10、セレクトゲートデコーダ30及び書き込み用デコーダ20の、一部領域の断面図である。図8では特に、1個のメモリセルMC、インバータ23、34、及びMOSトランジスタ35、36についてのみ示している。本構成は、上記説明した図6を断面構造として示したものである。
図示するように、半導体基板200の表面内には、互いに離隔されたn型ウェル領域201、400、401が形成されている。n型ウェル領域201は、メモリセルアレイ10内のメモリセルMC、及びセレクトゲートデコーダ30内のMOSトランジスタ35、36を形成するためのものである。またn型ウェル領域400はn型ウェル領域201と分離されており、書き込み用デコーダ20を形成するために用いられる。更にn型ウェル領域401は、セレクトゲートデコーダ30のロウアドレスデコード回路31を形成するためのものである。
n型ウェル領域400の表面内には、p型ウェル領域403が形成されている。そして、n型ウェル領域400上及びp型ウェル領域403上に、それぞれインバータ23に含まれるpチャネルMOSトランジスタ及びnチャネルMOSトランジスタが形成されている。p型ウェル領域403はVCGPWノードに接続され、n型ウェル領域400はVCGNWノードに接続されている。
n型ウェル領域201の表面内には、更にp型ウェル領域202、402、404が形成されている。そして、p型ウェル領域202、402、404上には、それぞれメモリセルMC、及びセレクトゲートデコーダ30内のMOSトランジスタ35、36が形成されている。なお、メモリセルの選択トランジスタSTは、単層ゲートとして図示されているが、メモリセルトランジスタMTと同様に積層ゲート構造であっても良い。そして、n型ウェル領域201は電源電位ノードVNWに接続され、p型ウェル領域202はVPWノードに接続され、p型ウェル領域402、404はVSGPWノードに接続されている。
n型ウェル領域401上には、インバータ34内のpチャネルMOSトランジスタが形成され、更にp型半導体基板200上には、インバータ34内のnチャネルMOSトランジスタが形成されている。そして、半導体基板200はGNDに接続され、n型ウェル領域401には電圧Vcc1が与えられる。
次に、上記構成の2Trフラッシュメモリ3の動作について、図9を用いて以下説明する。図9は、各種信号及び各ノードの電圧のタイミングチャートである。なお以下では、フローティングゲートに電子が注入されておらず閾値電圧が負である状態を“1”データが書き込まれている状態、フローティングゲートに電子が注入され、閾値電圧が正である状態を“0”データが書き込まれている状態と定義する。また説明の簡単化の為に、2本の書き込み用グローバルビット線WGBL0、WGBL1及び1本の読み出し用グローバルビット線RGBL0を有するメモリセルアレイ10の場合を例に説明する。
<初期動作>
まず、初期動作について図10を用いて説明する。初期動作とは、データの書き込み、読み出し、及び消去などにあたって、最初に行われる動作のことである。初期動作は、図9において、時刻t0〜t1の期間に行われる。図10は、初期動作時における、書き込み用グローバルビット線WGBL0、WGBL1に対応した入力バッファ180、スイッチ群80、及び書き込み回路50の回路図である。
まず初期動作にあたっては、信号WDH0、WDH1が共に“L”レベル(0V)とされる。これによりスイッチ群80内のMOSトランジスタ81がオフ状態となり、書き込み回路50と入力バッファ180とは電気的に分離される。また、ラッチ回路53の高電圧電源電圧として与えられる書き込み禁止電圧VPIがVcc2とされ、VBLPWが0Vとされる。そして、信号WGBLRSTが“H”レベル(Vcc2)とされ、全ての書き込み用グローバルビット線WGBL0、WGBL1がリセットされる。すなわち、書き込み回路50内のMOSトランジスタ58がオン状態とされ、VBLPWノードから0Vが書き込み用グローバルビット線WGBL0、WGBL1に与えられる。この結果、全てのラッチ回路53の出力ノードは“L”レベル(0V)となり、入力ノード(ノードA0、A1)は“H”レベル(Vcc2)となる。
以上のように、初期動作において、書き込み用グローバルビット線が0Vにされると共に、ノードA0、A1にVcc2が与えられる。
<データラッチ動作>
次に、データラッチ動作について図11及び図12を用いて説明する。データラッチ動作とは、データの書き込みにあたって、各ラッチ回路53に対して、書き込みデータを入力する動作のことである。データラッチ動作は、図9において、時刻t1〜t2の間に行われる。図11、図12はデータラッチ動作時における、入力バッファ180、スイッチ群80、及び書き込み回路50の回路図であり、図11は“0”データが入力された場合、図12は“1”データが入力された場合について示している。以下では、書き込み用グローバルビット線WGBL0に接続されたメモリセルに“0”データを書き込み(WGBL0が選択状態)、WGBL1に接続されたメモリセルに“1”データを書き込む(WGBL1が非選択状態)場合を例に挙げて説明する。
まず図11を用いて“0”データが入力された際について説明する。データラッチ動作にあたっては、信号WGBLRSTが0Vとされ、MOSトランジスタ58はオフ状態とされる。これにより、各書き込み用グローバルビット線WGBL0、WGBL1はVBLPWノードと電気的に分離される。更に、書き込み用グローバルビット線WGBL0に対応するラッチ回路53にデータをラッチさせる為に、信号WDH0が“H”レベル(Vcc2)とされ、書き込み用グローバルビット線WGBL0に対応するMOSトランジスタ81がオン状態となる。他方、書き込み用グローバルビット線WGBL1に対応するMOSトランジスタ81はオフ状態となる。従って、入力バッファ180と、書き込み用グローバルビット線WGBL0に対応するラッチ回路53とが電気的に接続される。
そして、CPU2から入力バッファ90のインバータに“0”データが入力される。“0”データが入力される際には、インバータ91の入力ノードに0Vが印加される。“0”データはインバータ181で反転される。その結果、TOWDI0ノードの電位はVcc2となる。すると、MOSトランジスタ82のゲートにはVcc2が印加されているので、MOSトランジスタ82はカットオフの状態となる。従って、ラッチ回路53は時刻t0〜t1で与えられたデータを保持し続ける。すなわち、ノードA0はVcc2のままであり、書き込み用グローバルビット線WGBL0は0Vのままである。
次に図12を用いて“1”データを入力する場合について説明する。“0”データを入力する場合と異なるのは、WDH0=0V、WDH1=Vcc2とされることにより、書き込み用グローバルビット線WGBL1に対応するMOSトランジスタ81がオン状態とされる点である。
そしてCPU2から入力バッファ180に“1”データが入力される。“1”データが入力される際には、インバータ181の入力ノードにVcc2が印加される。従って、TOWDI0ノードの電位は0Vとなる。このTOWDI0ノードの電位は、MOSトランジスタ81の電流経路を介してラッチ回路53に入力される。その結果、ノードA1の電位はVcc2から0Vに反転し、書き込み用グローバルビット線WGBL1の電位は0VからVcc2に反転する。
以上のように、データラッチ動作においては、“1”書き込みを行うメモリセルに対応したラッチ回路内のデータが、初期状態から反転される。すなわち、“0”書き込み(電子を注入)するときには、実質的にはデータは外部から入力されず、“1”書き込み(電子を注入しない=非選択)するときには、データを外部から取り込む。
<書き込み動作>
次に書き込み動作について図13を用いて説明する。データの書き込みは、同一行にある全てのメモリセルブロックに対して一括して行われる。但し、各メモリセルブロック内において、同時に書き込まれるメモリセルは、ローカルビット線LBL0、LBL1のいずれかに接続されたメモリセルと、ローカルビット線LBL2、LBL3のいずれかに接続されたメモリセルの2つである。
書き込み動作は、図9において、時刻t2〜t3の期間に行われる。また図13は、書き込み動作時におけるメモリセルアレイ10、書き込み回路50、及びセレクトゲートデコーダ30の一部の回路図である。図13において、ワード線WL0、及びローカルビット線LBL0、LBL2に接続されたメモリセルトランジスタMTにデータを書き込むものとし、そのうち、ローカルビット線LBL0に接続されたメモリセルトランジスタMTに“0”データを書き込み、ローカルビット線LBL2に接続されたメモリセルトランジスタMTに“1”データを書き込むものとする。換言すれば、ローカルビット線LBL0に接続されたメモリセルが選択され、ローカルビット線LBL2に接続されたメモリセルが非選択とされる。
まず書き込み動作にあたって、信号WGBLRSTは依然として0Vである。そして、時刻t2において書き込み禁止電圧VPIがVcc2から0Vに変化し、VBLPWノードの電位が0VからVBB1(−6V)に変化する。負電位VBB1は、ライトステートマシーン120の命令によって電圧発生回路130が出力する。なお、VPIの電位は、0Vではなく、その他の負電位であっても良い。
すると、ラッチ回路53内のインバータ54、55の低電圧側の電源電圧が0VからVBB1に変化し、高電圧側の電源電圧がVcc2から0Vに変化するから、ノードA0、A1の電位はそれぞれ0V、VBB1に変化する。また書き込み用グローバルビット線WGBL0、WGBL1の電位もそれぞれVBB1、0Vに変化する。
そして、書き込み用デコーダ20が、ワード線WL0を選択して、選択ワード線WL0に正電圧VPP1(10V)を印加する。また信号WSGが“H”レベル(0V〜Vcc2)とされて分離用MOSトランジスタ25がオン状態とされることによって、VSGPWノードから、全セレクトゲート線SG0〜SG(4m−1)に負電位VBB1(−6V)が印加される。更に書き込み用デコーダ20は、メモリセルが形成されている基板(p型ウェル領域202)に負電位VBB1が印加する。なお、書き込み時においては、信号ZISOGは“L”レベルとされており、セレクトゲートデコーダ30のロウアドレスデコード回路31は、セレクトゲート線から電気的に分離されている。
また、カラムデコーダ40は、選択ワード線WL0を含むメモリセルブロックBLKに対応する書き込み用カラムセレクタWCSに接続された2本の書き込み用カラム選択線のうち、書き込み用カラム選択線WCSL0を選択する。これにより、書き込み用カラムセレクタWCS内のMOSトランジスタ11、13がオン状態とされる。その結果、書き込み用グローバルビット線WGBL0とローカルビット線LBL0とが電気的に接続され、書き込み用グローバルビット線WGBL1とローカルビット線LBL2とが電気的に接続される。
またカラムデコーダ40は、選択ワード線WL0を含まないメモリセルブロックBLKに対応する書き込み用カラムセレクタWCSに接続された書き込み用カラム選択線を全て非選択とする。そのため、選択ワード線を含まないメモリセルブロックBLKに対応する書き込み用カラムセレクタWCS内のMOSトランジスタ11〜14はオフ状態とされる。
更にカラムデコーダ40は、全ての読み出し用カラム選択線RCSL0〜RCSL(4m−1)を非選択とする。これにより、全ての読み出し用カラムセレクタRCS内のMOSトランジスタ15〜18はオフ状態とされる。従って、読み出し用グローバルビット線RGBLとローカルビット線LBL0〜LBL3とは、電気的に分離されている。
更にカラムデコーダ40は、非選択とされるローカルビット線LBL1、LBL3に接続されるMOSトランジスタ42、44をオン状態とすべく、書き込み禁止用カラム選択線ICSL1を“H”レベル(Vcc2)とする。選択ローカルビット線LBL0、LBL2に対応するMOSトランジスタ41、43に接続される書き込み禁止用カラム選択線ICSL0は“L”レベルとされ、MOSトランジスタ41、43はオフ状態である。その結果、非選択ローカルビット線LBL1、LBL3には書き込み禁止電圧VPI=0Vが印加される。
上記の結果、書き込み用カラムセレクタWCS内のMOSトランジスタ11を介して、書き込み用グローバルビット線WGBL0から、選択ワード線WL0を含むメモリセルブロックBLKのローカルビット線LBL0に、書き込み電圧(VBB1)が与えられる。更に、MOSトランジスタ13を介して、書き込み用グローバルビット線WGBL1から、選択ワード線WL0を含むメモリセルブロックBLKのローカルビット線LBL2に、書き込み禁止電圧VPI(0V)が与えられる。
その結果、書き込み用グローバルビット線WGBL1及びワード線WL0に接続されたメモリセルトランジスタMTにおいては、ゲート・チャネル間の電位差が十分ではない(VPP1−VPI=10V)ため、フローティングゲートに電子は注入されない。すなわち、メモリセルMCは負の閾値を維持する。すなわち“1”データが書き込まれる。また、非選択ローカルビット線LBL1、LBL3及びワード線WL0に接続されたメモリセルトランジスタMTにおいても、チャネルにVPIが印加されているため、フローティングゲートに電子は注入されず、メモリセルMCは負の閾値を保持する。他方、書き込み用グローバルビット線WGBL0及びワード線WL0に接続されたメモリセルトランジスタMTにおいては、ゲート・チャネル間の電位差が十分である(VPP1−VBB1=16V)ため、FN tunnelingによってフローティングゲートに電子が注入される。その結果、メモリセルトランジスタMTの閾値は正に変化する、すなわち“0”データが書き込まれる。
以上のようにして、1ページのメモリセルトランジスタに一括してデータが書き込まれる。
<消去動作>
次に消去動作について、図14を用いて説明する。消去動作は、図14における時刻t4以降に行われる。図14は、消去動作時におけるメモリセルアレイ10の回路図である。データの消去は、p型ウェル領域202を共通とする全てのメモリセルMCから一括して行われる。消去動作は、FN tunnelingによってフローティングゲートから電子を引き抜くことによって行われる。
消去動作にあたっては、MOSトランジスタ11〜16の全てがオフ状態とされる。従って、全書き込み用グローバルビット線WGBL0、WGBL1は、ラッチ回路51及びVBLPWノード並びにVPIノードと電気的に分離されて、フローティングの状態となる。
そして書き込み用デコーダ20は、選択ブロック内における全てのワード線WL0〜WL(4m−1)に負電圧VBB2を印加する。更に書き込み用デコーダ20は、メモリセルが形成されている基板(p型ウェル領域202)に正電位VPP1を印加する。なお、消去時においては、信号ZISOG、WSGは“L”レベルとされており、セレクトゲートデコーダ30のロウアドレスデコード回路31は、セレクトゲート線から電気的に分離されている。
その結果、メモリセルMCのメモリセルトランジスタのフローティングゲートから電子がFN tunnelingによって半導体基板に引き抜かれる。これにより、ワード線WL0〜WL(4m−1)に接続された全てのメモリセルMCのデータが消去され、閾値電圧が負となる。
なお、セレクトゲート線の電位はp型ウェル領域202とのカップリングによって、約VPP1まで上昇する。そのため選択トランジスタSTのゲート絶縁膜にはほとんど電圧ストレスがかからない。但し、セレクトゲートデコーダ30において、VSGPW=VPP1とし、更にMOSトランジスタ36をオン状態とすることで、セレクトゲート線にVPP1を印加しても良い。
以上のようにして、一括してデータが消去される。
<読み出し動作>
次に読み出し動作について図15を用いて説明する。図9においては時刻t3〜t4の期間が読み出し動作を示す。図15は、2Trフラッシュメモリ3のメモリセルアレイ10及び読み出しユニット71の回路図である。図15は、ローカルビット線LBL0とワード線WL0に接続されたメモリセルトランジスタMTからデータを読み出す場合について示している。データは、メモリセルブロックBLKあたり1つのメモリセルMCから読み出される。但し1つのメモリセルブロックBLKあたり複数本の読み出し用グローバルビット線が存在する場合には、その数だけデータが読み出される。
図15に示すように、まずカラムデコーダ40は、選択セレクトゲート線SG0を含むメモリセルブロックBLKに対応する読み出し用カラムセレクタRCSに接続された、4本の読み出し用カラム選択線RCSL0〜RCSL3のうち、読み出し用カラム選択線RCSL0を選択する。これにより、選択セレクトゲート線SG0を含むメモリセルブロックBLKに対応する読み出し用カラムセレクタRCS内のMOSトランジスタ15がオン状態とされる。
またカラムデコーダ40は、全ての書き込み用カラム選択線WCSL0〜WCSL(2m−1)を非選択とする。これにより、全ての書き込み用カラム選択線WCSL0〜WCSL(2m−1)内の4つのMOSトランジスタ11〜14の全てがオフ状態とされる。従って、書き込み用グローバルビット線WGBLとローカルビット線LBL0〜LBL3とは、電気的に分離されている。
また、信号WGBLRSTが“H”レベル(Vcc2)とされることにより、書き込み回路50内のMOSトランジスタ58がオン状態となる。またVBLPWノードには0Vが与えられている。従って、読み出し動作時において全ての書き込み用グローバルビット線WGBL0、WGBL1は0Vとされる。
更に、信号BIASが“H”レベル、/PREが“L”レベルとされ、信号ISOが“H”レベルとされる。これによりMOSトランジスタ62がオン状態とされ、読み出し用グローバルビット線RGBL0がプリチャージ回路72によってプリチャージされる。
読み出し用グローバルビット線の電位が所定のプリチャージ電位に達した後、信号ZISOGが“H”レベル(VDDS)とされ、分離用MOSトランジスタ35がオン状態とされる。そしてセレクトゲートデコーダ30はセレクトゲート線SG0を選択(“H”レベル:Vcc2=3V)する。また、書き込み用デコーダ20は全てのワード線WL0〜WL(4m−1)を非選択(0V)とし、且つp型ウェル領域202の電位VPWを0Vとする。更に、ソース線ドライバ100は、ソース線の電位を0Vとする。なお、読み出し時においては信号WSGは“L”レベルとされ、VSGPWノードとセレクトゲート線とは電気的に分離されている。
すると、セレクトゲート線SG0に接続された選択トランジスタSTがオン状態となり、選択ワード線WL0及び選択ローカルビット線LBL0に接続されているメモリセルトランジスタMTに書き込まれているデータが“1”であれば、読み出し用グローバルビット線RGBL0からソース線に電流が流れる。他方、書き込まれているデータが“0”であれば、電流は流れない。
そして、メモリセルMCに電流が流れることによる読み出し用グローバルビット線の電位変化を、センスアンプ73が増幅する。
以上のようにして、データの読み出し動作が行われる。
上記のように、この発明の第1の実施形態に係るフラッシュメモリによれば、上記(1)乃至(4)の効果を得ることが出来る。
(1)ロウデコーダの性能を向上出来る。
本実施形態に係るフラッシュメモリであると、書き込み及び消去時には正負の高電圧VPP1(10V)、VBB1(−6V)を用い、読み出し時には比較的低電圧のVcc1(3V)を用いている。この場合、ロウデコーダが書き込み及び消去、並びに読み出しの両方に対応するためには、高電圧VPP1、VBB1に耐えうる高耐圧のMOSトランジスタでロウデコーダを形成する必要がある。しかし、このような高耐圧MOSトランジスタは、読み出し時に限って見れば無駄に耐圧が高いだけであり、読み出し速度を低下させる原因となる。
この点、本実施形態に係る構成であると、ロウデコーダを書き込み及び消去用のデコーダ20と、読み出し用のデコーダ30とに分離している。そして、読み出し用デコーダ30内に分離用MOSトランジスタ35、36を設けることにより、読み出し時にはセレクトゲート線とロウアドレスデコード回路31とを接続し、書き込み・消去時にはセレクトゲート線とロウアドレスデコード回路31とを電気的に分離している。
その結果、低電圧を用いる読み出し系のデコード回路31を、VPP1やVBB1といった高電圧が印加されることから防止出来る。従って、ロウアドレスデコード回路31を低耐圧MOSトランジスタで形成することが出来る。よって、読み出し動作を高速化出来る。また、高耐圧MOSトランジスタは書き込み系のロウアドレスデコード回路21と分離用MOSトランジスタ35、36にのみ使用すれば良く、その数を必要最小限にすることが出来る。そのため、ロウデコーダのサイズを小型化出来る。
以上のように、ロウデコーダの動作速度の向上及び小型化を実現出来、ロウデコーダの性能を向上出来る。
また、セレクトゲート線とロウアドレスデコード回路31との接続を制御する信号ZISOGは、レベルシフト回路37によって少なくとも(Vcc2+Vth)以上とされる。従って、MOSトランジスタ35は選択セレクトゲート線に確実にVcc2を転送することが出来る。従って、読み出し精度の向上を図ることが出来る。
(2)フラッシュメモリの動作速度を向上出来る。
本実施形態に係る構成であると、ビット線がローカルビット線とグローバルビット線(読み出し用グローバルビット線、書き込み用グローバルビット線)とに階層化されている。すなわち、複数のローカルビット線の各々に複数のメモリセルが接続され、複数のグローバルビット線の各々に複数のローカルビット線が接続されている。図2の例であると、1本の書き込み用グローバルビット線WGBLに、書き込み用カラムセレクタWCSを介して(4n−1)本のローカルビット線(LBL0及びLBL1、またはLBL2及びLBL3)が接続されている。そしてローカルビット線LBLの各々に、4つのメモリセルが接続されている。また、1本の読み出し用グローバルビット線RGBLには、読み出し用カラムセレクタRCSを介して4(n−1)本のローカルビット線(LBL0〜LBL3)が接続されている。そして、ローカルビット線の各々に、4つのメモリセルが接続されている。
書き込み時においては、選択メモリセルが接続されたローカルビット線LBLだけが、書き込み用グローバルビット線WGBLに接続される。選択メモリセルが接続されないローカルビット線LBLは、書き込み用カラムセレクタWCSによって書き込み用グローバルビット線WGBLから電気的に分離されている。従って、1本の書き込み用グローバルビット線WGBLから見えるのは、選択メモリセルを含む1本のローカルビット線だけ、すなわち4つのメモリセルだけである。よって、これらの4個のメモリセルMCだけが、書き込み用グローバルビット線WGBLに存在する寄生容量の要因となる。選択メモリセルと同一列にあり、且つ異なるローカルビット線LBLに接続された非選択メモリセルは、書き込み用グローバルビット線の寄生容量の原因とはならない。従って、書き込み用グローバルビット線の寄生容量を大幅に削減することが出来る。読み出し時おいても同様である。
上記のように、書き込み用グローバルビット線及び読み出し用グローバルビット線の寄生容量を削減できる結果、フラッシュメモリの動作速度を向上できる。
(3)読み出し速度を向上できる。
フラッシュメモリにおいては、書き込み時には、VPP1、VBB1等、比較的高い電圧を取り扱う必要がある。この要求を満たすには、ゲート絶縁膜の厚い、高耐圧のMOSトランジスタを使わなくてはならない。他方、読み出しの際に扱われる電圧は、書き込み時に比べて低い。従って、読み出し動作のことだけを考えれば、ゲート絶縁膜の薄い低耐圧のMOSトランジスタを使用することが望ましく、動作速度の観点からも、低耐圧のMOSトランジスタを用いることが望ましい。
この点、本実施形態に係る構成であると、ローカルビット線が書き込み用グローバルビット線と読み出し用グローバルビット線とに接続されている。そして、メモリセルは、書き込み用グローバルビット線を介して書き込み回路50に接続され、読み出し用グローバルビット線を介して読み出し回路70に接続されている。すなわち、書き込み時の信号経路と、読み出し時の信号経路とが異なっている。従って、読み出し時の信号経路においては、読み出し用グローバルビット線とローカルビット線とを接続する読み出し用カラムセレクタRCS以外の回路を、全てゲート絶縁膜の薄いトランジスタで形成出来る。その結果、読み出し動作速度を向上できる。
(4)書き込み動作の信頼性を向上できる。
上記(2)で説明したように、ビット線が階層化されている。特に書き込み経路について着目すれば、1本の書き込み用グローバルビット線に複数のローカルビット線が接続されている。そして、書き込み時においては、選択メモリセルを含む1本のローカルビット線だけが書き込み用グローバルビット線に電気的に接続され、その他のローカルビット線は書き込み用グローバルビット線から電気的に分離される。従って、選択メモリセルが接続されないローカルビット線には、書き込みデータに応じた電圧は印加されない。従って、これらのローカルビット線に接続されているメモリセルへの誤書き込みの発生を効果的に防止出来、書き込み動作の信頼性を向上できる。
次に、この発明の第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置について説明する。本実施形態は、上記第1の実施形態において、書き込み用デコーダ20の構成を変形したものである。図16は、本実施形態に係る書き込み用デコーダ20の回路図であり、特に1本のワード線に対応する構成について示している。
図示するように、本実施形態は上記第1の実施形態において、NANDゲート22及びインバータ23で形成していたものを、デコードセクション140及び転送ゲート150により形成している。
まずデコードセクション140について説明する。デコードセクション140は第1デコードセクション141及び第2デコードセクション142を備えている。第1デコードセクション141は、ロウアドレス信号RAの下位ビットRA1iをデコードするものであり、NANDゲート143及びインバータ144を有している。NANDゲート143及びインバータ144は、それぞれ高電圧電源ノードがVCGNWに接続され、低電圧電源ノードがVCGPWに接続されている。そして、NANDゲート143はロウアドレス信号RAの下位ビットのNAND演算を行い、インバータ144はそのNAND演算結果を反転させて、第1ロウアドレスデコード信号RAD1として出力する。
デコードセクション142は、ロウアドレス信号RAの上位ビットRA2iをデコードするものであり、NANDゲート145、147、及びインバータ146を有している。NANDゲート145、147及びインバータ146は、それぞれ高電圧電源ノードがVCGNWに接続され、低電圧電源ノードがVCGPWに接続されている。そして、NANDゲート145はロウアドレス信号RAの上位ビットのNAND演算を行い、インバータ146はそのNAND演算結果を反転させて、第2ロウアドレスデコード信号RAD2として出力する。またインバータ147は、第2ロウアドレスデコード信号RAD2を反転させて、第3ロウアドレスデコード信号RAD3として出力する。
なお、ロウアドレス信号RAの上位ビットRA2iは消去単位となるメモリセルブロックのブロックアドレスを示し、下位ビットRA1iはメモリセルブロック内におけるページアドレスを示す。
次に転送ゲート150について説明する。転送ゲート150は、nチャネルMOSトランジスタ151、153及びpチャネルMOSトランジスタ152を備えている。nチャネルMOSトランジスタ151及びpチャネルMOSトランジスタ152は、電流経路の一端に第1ロウアドレスデコード信号RAD1が入力され、他端がワード線WLに接続され、それぞれのゲートには第2ロウアドレスデコード信号RAD2、第3ロウアドレスデコード信号RAD3が入力されている。nチャネルMOSトランジスタ153は、電流経路の一端がVCGPWノードに接続され、他端がワード線WLに接続され、ゲートに第3ロウアドレスデコード信号RAD3が入力されている。
すなわち、ロウアドレス信号RAの上位ビットRA2iに応じて、転送ゲートが制御される。そして、転送ゲートの制御のされ方に応じて、第1デコードセクション141で得られた第1ロウアドレスデコード信号RAD1またはVCGPWノードの電圧が、ワード線WLに与えられる。
VCGNWノード及びVCGPWノードの電圧は図17に示す通りである。すなわち、書き込み時にはVCGNW=VPP1、VCGPW=0V、消去時にはVCGNW=0V、VCGPW=VBB1とされる。なおこの電圧関係は選択メモリセルブロックに関するものであるが、詳細は後述する。
次に、図16に示す構成を用いた書き込み用デコーダ20の構成について、図18を用いて説明する。図18は、本実施形態に係るフラッシュメモリの備える書き込み用デコーダ20の回路図である。なお、書き込み用デコーダ20の構成以外は上記第1の実施形態と同様である。また、ロウアドレス信号RAは(i+1)ビットの信号であるとする。
図示するように、書き込み用デコーダ20は、それぞれ2((i+1)/2)個の第1、第2デコードセクション141、142、及び2(i+1)個の転送ゲート150を備えている。そして、2(i+1)個の転送ゲート150の出力が、それぞれワード線WL0〜WL2(i+1)個に与えられる。転送ゲート150は、2((i+1)/2)個で1つのグループを形成する(これを転送ゲートユニットと呼ぶ)。そしてこの転送ゲートユニットが2((i+1)/2)個設けられる。同一の転送ゲートユニット内の転送ゲート150には、いずれかの第2デコードセクション142から同一の第2、第3ロウアドレスデコード信号RAD2、RAD3が入力される。更に同一の転送ゲートユニット内の2((i+1)/2)個の転送ゲート150には、2((i+1)/2)個の第1デコードセクション141から、それぞれ異なる第1ロウアドレスデコード信号RAD1が入力される。
すなわち、2((i+1)/2)個の転送ゲートユニットの各々は、2((i+1)/2)個の第2デコードセクション142のそれぞれが出力する第2、第3ロウアドレスデコード信号RAD2、RAD3によって制御される。そして各転送ゲートユニット内における2((i+1)/2)個の転送ゲート150の各々は、2((i+1)/2)個の第1デコードセクション141のそれぞれが出力する第1ロウアドレスデコード信号RAD1を転送する。
従って、同一の転送ゲートユニット内の転送ゲート150に接続されるワード線を含むメモリセルをメモリセルブロックMBと呼ぶことにすると、同一メモリセルブロックMB内のワード線に対応するロウアドレス信号RAの上位ビットRA2iは同じである。すなわち、ロウアドレス信号RAの上位ビットRA2iによっていずれかのメモリセルブロックMBが選択され、更に下位ビットRA1iによって選択メモリセルブロックMB内におけるいずれかのワード線が選択される。
図19は、本実施形態に係る書き込み用デコーダ20のウェル分離の様子を示すブロック図である。なお、第1デコードセクション141の高電圧電源ノードをVCGNW(1i)、低電圧電源ノードをVCGPW(1i)と呼び、第2デコードセクション142の高電圧電源ノードをVCGNW(2i)、低電圧電源ノードをVCGPW(2i)と呼び、転送ゲート150の高電圧電源ノードをVCGNW(TG)と呼び、低電圧電源ノードをVCGPW(TG)と呼ぶことにする。また、第1デコードセクション141の集まりを第1デコードセクション群148、第2デコードセクション142の集まりを第2デコードセクション群149、転送ゲート150の集まりを転送ゲート群154と呼ぶことにする。
図示するように、第1デコードセクション群148、第2デコードセクション群149、転送ゲート群154、及びメモリセルアレイ10は、それぞれ異なるウェル領域に形成され、それぞれ独立に電圧が印加されている。第1デコードセクション群148は、同一のウェル領域に形成されている。すなわち、第1デコードセクション141のそれぞれは、共通のn型ウェル領域及びp型ウェル領域に形成されており、VCGNW(1i)及びVCGPW(1i)が一括して与えられる。これは、複数の第1デコードセクション141の出力する第1ロウアドレスデコード信号RAD1が、複数の転送ゲートユニット間で共通に用いられるからである。
第2デコードセクション群149における各第2デコードセクション142は、それぞれ異なるn型ウェル領域及びp型ウェル領域に形成されており、それぞれに独立してVCGNW(2i)及びVCGPW(2i)が与えられる。これは、第2デコードセクション142の各々の出力する第2、第3ロウアドレスデコード信号RAD2、RAD3が、個々の転送ゲートユニットでのみ用いられるからである。
転送ゲート群154における各転送ゲート150は、それぞれ異なるn型ウェル領域及びp型ウェル領域に形成され、それぞれに独立してVCGNW(TG)及びVCGPW(TG)が印加されても良い。または、同一の第2デコードセクション142によって制御されるもの同士が、すなわち転送ゲートユニット単位で、同一のn型ウェル領域及びp型ウェル領域に形成されても良い。更には、ワード線の消去ブロック単位で、n型ウェル領域及びp型ウェル領域を共通にしても良い。転送ゲートユニット単位と消去ブロック単位とは同一であっても良い。
図20は、書き込み動作時及び消去動作時におけるVCGNW(1i)、VCGPW(1i)、VCGNW(2i)、VCGPW(2i)、VCGNW(TG)、VCGPW(TG)、及びVPWのタイミングチャートである。
図示するように、書き込み動作時においては、書き込み用デコーダ30内のn型ウェル領域の電位VCGNW(1i)、VCGNW(2i)、VCGNW(TG)は正電圧VPP1とされ、p型ウェル領域の電位VCGPW(1i)、VCGPW(2i)、VCGPW(TG)は0Vとされる。また選択ブロックのVPWは負電位VBB1とされ、非選択ブロックのVPWは0Vとされる。なおブロックとはp型ウェル領域202を共通とするメモリセルの集合のことであり、ブロック単位で消去動作が行われる。
消去動作時においては、第1デコードセクション141のVCGNW(1i)、VCGPW(1i)はそれぞれVcc1、負電位VBB1とされる。第2デコードセクション142に関しては、VCGNW(2i)及びVCGPW(2i)はそれぞれVcc1及びVBB1とされる。また、転送ゲート群154においては、n型ウェル領域のVCGNW(TG)はVcc1とされる。また、選択ワード線に接続される転送ゲートを含むp型ウェル領域のVCGPW(TG)はVBB1とされ、選択ワード線を含まないものに関しては、VCGPW(TG)はVBB1とされる。
次に、上記構成の書き込み用デコーダ20の書き込み動作時及び消去動作時の様子について説明する。以下では簡単化の為に、ロウアドレス信号RAが4ビット((i+1)=4:(R3、R2、R1、R0))、すなわちワード線が16本の場合を仮定する。図21は、書き込み用デコーダ20の回路図である。
図示するように、書き込み用デコーダ20は、2((i+1)/2)=4個の第1デコードセクション141−0〜141−3、2((i+1)/2)=4個の第2デコードセクション142−0〜142−3、2(i+1)=16個の転送ゲート150−0〜150−15を備えている。
第1デコードセクション141−0は、ロウアドレス信号RAの下位2ビットRA1i=(R1、R0)が“00”の際に選択状態となる(RAD1=“H”)。第1デコードセクション141−1は、ロウアドレス信号RAの下位2ビットRA1iが“01”の際に選択状態となる(RAD1=“H”)。第1デコードセクション141−2は、ロウアドレス信号RAの下位2ビットRA1iが“10”の際に選択状態となる(RAD1=“H”)。第1デコードセクション141−3は、ロウアドレス信号RAの下位2ビットRA1iが“11”の際に選択状態となる(RAD1=“H”)。
第2デコードセクション142−0は、ロウアドレス信号RAの上位2ビットRA2i=(R3、R2)が“00”の際に選択状態となる(RAD2=“H”、RAD3=“L”)。第2デコードセクション142−1は、ロウアドレス信号RAの上位2ビットRA2iが“01”の際に選択状態となる(RAD2=“H”、RAD3=“L”)。第2デコードセクション142−2は、ロウアドレス信号RAの上位2ビットRA2iが“10”の際に選択状態となる(RAD2=“H”、RAD3=“L”)。第2デコードセクション142−3は、ロウアドレス信号RAの上位2ビットRA2iが“11”の際に選択状態となる(RAD2=“H”、RAD3=“L”)。
転送ゲート150−0〜150−3は、第2デコードセクション142−0により制御される。転送ゲート150−4〜150−7は、第2デコードセクション142−1により制御される。転送ゲート150−8〜150−11は、第2デコードセクション142−2により制御される。そして、転送ゲート150−12〜150−15は、第2デコードセクション142−3により制御される。すなわち、転送ゲート150−0〜150−3の組、転送ゲート150−4〜150−7の組、転送ゲート150−8〜150−11の組、及び転送ゲート150−12〜150−15の組が、それぞれ一つの転送ゲートユニットとなる。また、転送ゲートユニットに含まれる4つの転送ゲートには、それぞれ第1デコードセクション141−0〜141−3の出力信号が入力される。従って、転送ゲート150−0、150−4、150−8、150−12には第1デコードセクション141−0の出力する第1ロウアドレスデコード信号RAD1が入力される。転送ゲート150−1、150−5、150−9、150−13には第1デコードセクション141−1の出力する第1ロウアドレスデコード信号RAD1が入力される。転送ゲート150−2、150−6、150−10、150−14には第1デコードセクション141−2の出力する第1ロウアドレスデコード信号RAD1が入力される。転送ゲート150−3、150−7、150−11、150−15には第1デコードセクション141−3の出力する第1ロウアドレスデコード信号RAD1が入力される。
そして、転送ゲート150−0〜150−15の出力が、それぞれワード線WL0〜WL15に接続される。従って、ワード線WL0〜WL15のロウアドレスRAはそれぞれ“0000”〜“1111”である。そしてワード線WL0〜WL3の組、ワード線WL0〜WL7の組、ワード線WL8〜WL11の組、ワード線WL12〜WL15の組は、それぞれメモリセルブロックMB0〜MB3を形成する。各メモリセルブロックMB0〜MB3のロウアドレス上位ビットRA2iは同一であり、それぞれ“00”、“01”、“10”、“11”である。
なお、メモリセルブロックMB0〜MB3はp型ウェル領域202を共通としており、メモリセルブロック単位で消去が行われる。また、転送ゲートが形成されるウェル領域は、メモリセルブロック毎に共通にされている。すなわち、転送ゲート150−0〜150−3、転送ゲート150−4〜150−7、転送ゲート150−8〜150−11、及び転送ゲート150−12〜150−15は互いに異なるn型ウェル領域及びp型ウェル領域上に形成されている。
<書き込み動作>
まず書き込み動作について図22を用いて説明する。以下では、ワード線WL0に接続されたメモリセルに書き込みを行う場合を例に挙げて説明する。図22は書き込み時における書き込み用デコーダ20の回路図である。
書き込みにあたって、VCGNW(1i)、全てのVCGNW(2i)、及び全てのVCGNW(TG)は正電位VPP1(10V)とされ、VCGPW(1i)、全てのVCGPW(2i)、及び全てのVCGPW(TG)は0Vとされる。
そしてワード線WL0を選択するために、書き込み用デコーダ20にはアドレスバッファから、ワード線WL0に対応するロウアドレス信号RA=“0000”が与えられる。そして、そのロウアドレス信号RAのうちの下位ビットRA1i=“00”が第1デコードセクション141−0〜141−3に与えられ、上位ビットRA2i=“00”が第2デコードセクション142−0〜142−3に与えられる。
すると、第1デコードセクション141−0の出力RAD1が“H”レベル(VCGNW(1i)=VPP1)となり、その他の第1デコードセクション141−1〜141−3の出力が“L”レベル(VCGPW(1i)=0V)となる。
また、第2デコードセクション142−0の出力RAD2が“H”レベル(VCGNW(2i)=VPP1)となり出力RAD3が“L”レベル(VCGPW(2i)=0V)となる。また、その他の第2デコードセクション142−1〜142−3の出力RAD2が“L”レベル(VCGPW(2i)=0V)となり、出力RAD3が“H”レベル(VCGNW(2i)=VPP1)となる。
すると、転送ゲート150−0においては、nチャネルMOSトランジスタ151がカットオフとなる。またnチャネルMOSトランジスタ153がオフ状態、pチャネルMOSトランジスタ152がオン状態となる。従って、第1デコードセクション141−0から与えられるVPP1が、MOSトランジスタ152の電流経路を介してワード線WL0に与えられる。
転送ゲート150−1においては、nチャネルMOSトランジスタ151がオン状態、pチャネルMOSトランジスタ152及びnチャネルMOSトランジスタ153がオフ状態となる。従って、第1デコードセクション141−1から与えられる0Vが、MOSトランジスタ151の電流経路を介してワード線WL1に与えられる。転送ゲート150−2、150−3についても同様であり、それぞれ第1デコードセクション141−2、141−3から与えられる0Vを、MOSトランジスタ151の電流経路を介してワード線WL2、WL3に与える。
非選択状態とされた第2デコードセクション142−1〜142−3で制御される転送ゲート150−4〜150−15においては、MOSトランジスタ151、152がオフ状態、MOSトランジスタ153がオン状態となる。従って、VCGPW(TG)ノードの電圧0Vが、MOSトランジスタ153の電流経路を介してワード線WL4〜WL15に与えられる。
以上の結果、ワード線WL0に正電圧VPP1が印加され、ワード線WL1〜WL15に0Vが印加される。
<消去動作>
次に消去動作について図23を用いて説明する。以下では、ワード線WL0〜WL3に接続されたメモリセル、つまりメモリセルブロックMB0に対して消去を行う場合を例に挙げて説明する。図23は消去時における書き込み用デコーダ20の回路図である。
まず消去動作にあたって、第1デコードセクション141−0〜141−3のVCGNW(1i)ノード及びVCGPW(1i)ノードがそれぞれVcc1、VBB1とされる。また、メモリセルブロックMB0に対して消去を行うために、第2デコードセクション142−0のVCGNW(2i)ノード及びVCGPW(2i)ノードがそれぞれVcc1、VBB1とされ、転送ゲート150−0〜150−3のVCGNW(TG)ノード及びVCGPW(TG)ノードがそれぞれVcc1及びVBB1とされる。また、非選択ブロックMB1〜MB3に対応する第2デコードセクション142−1〜142−3のVCGNW(2i)ノード及びVCGPW(2i)ノードはそれぞれVcc1、0Vとされ、転送ゲート150−4〜150−15のVCGNW(TG)ノード及びVCGPW(TG)ノードがそれぞれVcc1及び0Vとされる。
そして、メモリセルブロックMB0を選択するために、ロウアドレス信号RAの上位ビットRA2iが“00”とされる。従って、第2デコードセクション142−0の出力RAD2が“H”レベル(VCGNW(2i)=Vcc1)となり出力RAD3が“L”レベル(VCGPW(2i)=VBB1)となる。また、その他の第2デコードセクション142−1〜142−3の出力RAD2が“L”レベル(VCGPW(2i)=0V)となり、出力RAD3が“H”レベル(VCGNW(2i)=VPP1)となる。
ページアドレスを示す下位ビットRA1iはどのような信号であっても良い。しかし、消去時には第1デコードセクション141−0〜141−3の全てが非選択となり、出力RAD1は全て“L”レベル(VCGPW(1i)=VBB1)となる。
すると、選択ブロックMB0に対応する転送ゲート150−0においては、nチャネルMOSトランジスタ151がオン状態となり、nチャネルMOSトランジスタ153及びpチャネルMOSトランジスタ152がオフ状態となる。従って、第1デコードセクション141−0から与えられるVBB1が、MOSトランジスタ151の電流経路を介してワード線WL0に与えられる。転送ゲート150−0と同じく第2デコードセクション142−0で制御される転送ゲート150−1〜150−3でも同様であり、第1デコードセクション141−1〜141−3から与えられるVBB1が、MOSトランジスタ151の電流経路を介してワード線WL1〜WL3に与えられる。
非選択ブロックMB1〜MB3に対応する転送ゲート150−4〜150−15においては、nチャネルMOSトランジスタ151及びpチャネルMOSトランジスタ152がオフ状態とされ、nチャネルMOSトランジスタ153がオン状態とされる。従って、転送ゲート150−4〜150−15のMOSトランジスタ153の電流経路を介して、VCGPW(TG)=0Vが、ワード線WL4〜WL15に与えられる。
以上の結果、選択メモリセルブロックMB0内の全ワード線WL0〜WL3に負電位VBB1が印加され、非選択メモリセルブロックMB1〜MB3内の全ワード線WL4〜WL15に0Vが印加される。
以上のように、本実施形態に係るフラッシュメモリであると、上記第1の実施形態で説明した(1)乃至(4)の効果に加えて、下記(5)の効果を得ることが出来る。
(5)書き込み用デコーダのサイズを小型化出来る。
本実施形態に係る書き込み用デコーダは、ロウアドレス信号RAにおいて、ページアドレスを示す下位ビットRA1iと、ブロックアドレスを示す上位ビットRA2iとを別々のデコーダでデコードしている。そして、ブロックアドレスをデコードした結果に応じて転送ゲートを制御して、ページアドレスのデコード結果をワード線に転送している。従って、デコード回路はページアドレス用及びブロックアドレス用として、それぞれ2((i+1)/2)個あれば良い。
例えば8ビットのロウアドレス信号をデコードする場合を考える。すると、8ビットのロウアドレス信号は256個のアドレスを示すので、単純にロウデコーダを形成すると、図24に示すように、256個のデコード回路が必要となる。そして、デコード回路(AND回路)は通常、2つの4入力NANDゲートと1つの2入力NORゲートによって形成する。すると、4入力NANDゲートを形成するためのMOSトランジスタは8個、2入力NORゲートを形成するためのMOSトランジスタ数は4個であるから、1つのデコード回路を形成するには(8×2+4)=20個である。従って、トータルでは20×256=5120個のMOSトランジスタが必要となる。しかも、これらのMOSトランジスタは、VPP1、VBB1に耐えうる高耐圧MOSトランジスタである。
しかし本実施形態に係る構成であると、図25に示すように、ページアドレスをデコードする第1デコードセクションは各メモリセルブロック間で共用できる。またブロックアドレスをデコードする第2デコードセクションは各メモリセルブロック毎に共用出来る。従って、転送ゲート150はワード線毎に必要であるが、第1デコードセクション及び第2デコードセクションはそれぞれ16個で良い。その結果、書き込み用デコーダ20に必要なMOSトランジスタ数は、トータルで256×3+12×16+10×16=1120個となる。すなわち、図24に示す場合に比べて78%もの面積削減が実現できる。
また、高耐圧MOSトランジスタの数を削減出来るため、電圧発生回路130内の昇圧回路の負荷を低減でき、電圧発生回路130の小型化も図ることが出来る。
次に、この発明の第3の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置について説明する。本実施形態は、上記第2の実施形態において、書き込み用デコーダ20の構成を更に変形したものである。図26は、本実施形態に係る書き込み用デコーダ20の回路図であり、特に1本のワード線に対応する構成について示している。
図示するように、本実施形態に係る書き込み用デコーダ20は、上記第2の実施形態で説明した構成において、制御回路160、161を更に備えている。制御回路160、161は、それぞれモード信号MODE1、MODE2によって制御される。モード信号MODE1、MODE2は、書き込みモード、消去モード、及び読み出しモードを示す信号である。そして制御回路160は、消去及び読み出し動作時において、第1デコードセクション141をその出力信号RAD1が“H”レベルとなるように制御する。また制御回路161は、消去及び読み出し動作時において、第2デコードセクション142をその出力信号RAD2が“L”レベルとなるように制御する。
より具体的に説明すれば、図27に示すように、制御回路160は、消去及び読み出し動作時にはロウアドレス信号RAの下位ビットRA1iを全て“1”に変換する。また制御回路161は、消去及び読み出し動作時にはロウアドレス信号RAの上位ビットRA2iを全て“0”に変換する。
次に、本実施形態に係る書き込み用デコーダ20の消去動作時の様子について図28を用いて説明する。図28は書き込み用デコーダの回路図である。図28では、制御回路160、161をそれぞれ第1デコードセクション140及び第2デコードセクション141の内部に組み込んでいる。その結果、第1、第2デコードセクションは次のような構成となっている。
まず第1デコードセクションについて説明する。図示するように第1デコードセクション141−0〜141−3は、インバータ144を廃した代わりにインバータ148及びNANDゲート149を追加している。インバータ148はモード信号MODE1を反転する。NANDゲート149は、NANDゲート143の出力とインバータ148の出力のNAND演算を行う。そしてNANDゲート149の出力信号が出力RAD1となる。消去時においては、RAD1はモード信号MODE1によって強制的に“H”レベル(VCGNW=Vcc1)とされる。
次に第2デコードセクションについて説明する。図示するように第2デコードセクション142−0〜142−3は、インバータ146、147を廃した代わりにNORゲート158及びインバータ159を追加している。NORゲート158は、NANDゲート145の出力とモード信号MODE2とのNOR演算を行う。このNOR演算結果が出力RAD2となる。またインバータ159でNOR演算結果を反転させた信号が出力RAD3とされる。消去動作時においては、RAD2、RAD3はそれぞれモード信号MODE2によって強制的に“L”レベル(VCGPW=VBB1)、“H”レベル(VCGNW=Vcc2)とされる。
以下、消去動作について図28を参照しつつ説明する。書き込み時の動作は上記第2の実施形態と同様であるので説明は省略する。以下、ワード線WL0〜WL3に接続されたメモリセル、すなわちメモリセルブロックMB0に対して消去を行う場合を例に挙げる。
書き込み用デコーダ20内のウェル領域の電圧は、上記第2の実施形態と同様である。そして、ロウアドレス信号RAが書き込み用デコーダ20に入力されると共に、制御回路160、161に対してそれぞれモード信号MODE1、MODE2が入力される。
その結果、第1デコードセクション141−0〜141−3の全ての出力RAD1は“H”レベル(VCGNW(1i)=Vcc1)となる。また、第2デコードセクション142−0〜142−3の出力RAD2は“L”レベルとなり、出力RAD3は“H”レベルとなる。
従って、転送ゲート150−0〜150−15において、nチャネルMOSトランジスタ151及びpチャネルMOSトランジスタがオフ状態、pチャネルMOSトランジスタ153がオン状態となる。そのため、選択ブロックMB0に対応する転送ゲート150−0〜150−3では、MOSトランジスタ153の電流経路を介して、VCGPW(TG)=VBB1がワード線WL0〜WL3に与えられる。
他方、非選択ブロックMB1〜MB3に対応する転送ゲート150−4〜150−7では、MOSトランジスタ153の電流経路を介して、VCGPW(TG)=0Vがワード線WL4〜WL15に与えられる。
以上のように、本実施形態に係るフラッシュメモリであると、上記第1、第2の実施形態で説明した(1)乃至(5)の効果に加えて、下記(6)の効果を得ることが出来る。
(6)書き込み用デコーダの動作信頼性を向上できる。
本実施形態に係る書き込み用デコーダであると、消去時及び読み出し時において、ロウアドレス信号RAのうちページアドレスを示す下位ビットRA1iを全て同じ値に固定することにより、第1デコードセクション141の出力が“H”レベル、すなわち負電位とならないように制御している。また、ブロックアドレスを示す上位ビットRA2iを全て同じ値に固定することにより、転送ゲート150内において、信号RAD1がワード線に転送されないように制御している。この際、下位ビットRA1iと上位ビットRA2iとは互いに相補な関係を有する値とされ(“0”と“1”)、更に信号RAD1と信号RAD2も互いに相補な関係を有する値(“H”レベルと“L”レベル)とされる。そして、選択ブロックに対応するか否かを問わず、転送ゲート内のMOSトランジスタ153によってワード線に電圧を転送している。
以上のような構成とすることで、特に消去動作時において、非選択ブロックに対応する転送ゲートに対して負電圧の信号RAD1が与えられることを防止出来る。非選択ブロックに対応する転送ゲートのp型ウェル領域の電位VCGPW(TG)は0Vである。よって、MOSトランジスタ151に対して負電圧(VBB1)の信号RAD1が与えられると、MOSトランジスタ151のドレイン領域とp型ウェル領域とのpn接合に順バイアスが発生し、両者の間に貫通パスが生成される場合がある。
しかし本実施形態に係る構成であると、信号RAD1は無条件で“H”レベル、すなわち0V以上の電圧となる。よって、非選択ブロックに対応する転送ゲートのMOSトランジスタ151に貫通パスが生成されることを防止でき、書き込み用デコーダの動作信頼性を向上できる。
また、図28に示すような構成でデコード回路を形成した場合、必要なMOSトランジスタの個数は、NANDゲートがトランジスタ8個、インバータが2個、NORゲートが4個であるから、(8+4+2+4)×16+(8+2)×16+3×256=1216個である。従って、従来の5120個に比べて大幅に素子数を削減できる。
次に、この発明の第4の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置について図29を用いて説明する。図29は、本実施形態に係るシステムLSIのブロック図である。本実施形態は、上記第2の実施形態を3Tr−NAND型フラッシュメモリに適用したものである。以下では、上記第2の実施形態と異なる点についてのみ説明する。
図示するように、本実施形態に係るシステムLSI1は、上記第1の実施形態で説明した図1の構成において、書き込み用デコーダ20及びセレクトゲートデコーダ30を廃し、ロウデコーダ170を設けたものである。
図30は、メモリセルアレイ10及び書き込み回路50の回路図である。図示するように、メモリセルアレイ10はマトリクス状に配置された((m+1)×(n+1))個のメモリセルMCを備えている。
メモリセルMCは、互いに電流経路が直列接続されたメモリセルトランジスタMTと選択トランジスタST1、ST2とを有している。メモリセルトランジスタMTの電流経路は、選択トランジスタST1、ST2の電流経路間に接続されている。メモリセルトランジスタMTは、半導体基板上にゲート絶縁膜を介在して形成されたフローティングゲートと、フローティングゲート上にゲート間絶縁膜を介在して形成されたコントロールゲートとを有する積層ゲート構造を備えている。また選択トランジスタST1、ST2も、半導体基板上にゲート絶縁膜を介在して形成された第1多結晶シリコン層と、第1多結晶シリコン層上にゲート間絶縁膜を介在して形成された第2多結晶シリコン層とを含む多層ゲート構造を有している。そして、選択トランジスタST1のソース領域がメモリセルトランジスタMTのドレイン領域に接続され、メモリセルトランジスタMTのソース領域が、選択トランジスタST2のドレイン領域に接続されている。また、列方向で隣接するメモリセルMC同士は、選択トランジスタST1のドレイン領域、または選択トランジスタST2のソース領域を共有している。
同一行にあるメモリセルMCのメモリセルトランジスタMTの制御ゲートは、ワード線WL0〜WLmのいずれかに共通接続される。また、同一行にあるメモリセルMCの選択トランジスタST1のゲートは、セレクトゲート線SGD0〜SGDmのいずれかに接続され、選択トランジスタST2のゲートは、セレクトゲート線SGS0〜SGSmのいずれかに接続されている。また、同一列にあるメモリセルMCの選択トランジスタST1のドレイン領域は、ビット線BL0〜BLnのいずれかに共通接続されている。
ビット線BL0〜BLnは、それぞれ対応するラッチ回路51に接続されている。更にビット線BL0〜BLnはカラムセレクタ60の選択ユニット61(図示せず)に接続されている。そしてメモリセルMCの選択トランジスタST2のソース領域はソース線SLに共通接続され、ソース線ドライバ100に接続されている。
電圧発生回路130は、外部から入力される電圧Vcc1に基づいて、複数の内部電圧を生成する。電圧発生回路は、正のチャージポンプ回路を備えており、正電圧VPP2(例えば18V)、VPP3(例えば4.5V)を生成する。
ロウデコーダ170は、ロウアドレス信号をデコードして、ロウアドレスデコード信号を得る。そして、ロウアドレスデコード信号に基づいて、ワード線及びセレクトゲート線を選択する。
図31は、ロウデコーダ170の一部領域の回路図であり、特に1本のワード線に対応する構成について示している。図示するように、ワード線WLの選択に関するロウデコーダ170の構成は、上記第2の実施形態で説明した図16の構成において、第2でコードセクションの構成を変化させたものである。すなわち、インバータ146、147を廃した代わりにNORゲート155、156、及びインバータ157を追加している。NORゲート155は、NANDゲート145の出力とモード信号MODEとのNOR演算を行う。NORゲート156は、NORゲート155の出力とモード信号MODEとのNOR演算を行う。インバータ157はNORゲート155の出力を反転させる。そしてNORゲート155の出力が転送ゲートのMOSトランジスタ151のゲートに入力され、インバータ157の出力がMOSトランジスタ152のゲートに入力され、NORゲート156の出力がMOSトランジスタ153のゲートに入力される。消去時において、非選択ワード線に関するモード信号MODEは消去動作時において、“H”レベルとされる。従って、消去時においては、非選択ワード線に対応する転送ゲート150内のMOSトランジスタ151〜153の全てはオフ状態とされる。
次に、上記構成のメモリセルアレイ10の断面構造について図32を用いて説明する。図32はメモリセルアレイ10のビット線方向に沿った断面図である。図示するように、p型半導体基板200の表面領域内にn型ウェル領域201が形成され、n型ウェル領域201表面内にp型ウェル領域202が形成されている。p型ウェル領域上には、ゲート絶縁膜204を介在して、メモリセルトランジスタMT及び選択トランジスタST1、ST2のゲート電極が形成されている。メモリセルトランジスタMT及び選択トランジスタST1、ST2のゲート電極は、第1の実施形態と同様に、ゲート絶縁膜204上に形成された多結晶シリコン層210、多結晶シリコン層210上に形成されたゲート間絶縁膜220、及びゲート間絶縁膜220上に形成された多結晶シリコン層230を有している。
メモリセルトランジスタMTにおいては、多結晶シリコン層210は、隣接する素子領域AA間で互いに分離されており、メモリセルトランジスタMTにおいてはフローティングゲートとして機能する。また、多結晶シリコン層230はコントロールゲート(ワード線WL)として機能する。そして、隣接する素子領域AA間で共通接続されている。
選択トランジスタST1、ST2においては、多結晶シリコン層210、230は、隣接する素子領域AA間で共通接続されている。そして、多結晶シリコン層210、230が、セレクトゲート線SGS、SGDとして機能する。但し、第1の実施形態で説明したように、選択トランジスタST1、ST2の多結晶シリコン層230は電気的にフローティングな状態とされている。従って、実質的にセレクトゲート線SGS、SGDとして機能するのは、多結晶シリコン層210のみである。
そして隣接するゲート電極間に位置するp型ウェル領域202表面内には、不純物拡散層203が形成されている。不純物拡散層203は、隣接するトランジスタ同士で共用されている。
前述の通り、メモリセルトランジスタMTと選択トランジスタSTとを含むメモリセルMCは、次のような関係を有して形成されている。すなわち、隣接するメモリセルMC、MCは、互いに選択トランジスタST1同士、または選択トランジスタST2同士が隣り合っている。そして、隣り合ったもの同士は不純物拡散層203を共有している。
そして、p型ウェル領域202上には、上記メモリセルトランジスタMT、及び選択トランジスタSTを被覆するようにして、層間絶縁膜250が形成されている。層間絶縁膜250中には、2つの選択トランジスタST2、ST2が共有する不純物拡散層(ソース領域)203に達するコンタクトプラグCP1が形成されている。そして層間絶縁膜250上には、コンタクトプラグCP1に接続される金属配線層260が形成されている。金属配線層260は、ソース線SLとして機能する。また、層間絶縁膜250中には、2つの選択トランジスタST2、ST2が共有する不純物拡散層(ドレイン領域)203に達するコンタクトプラグCP2が形成されている。そして層間絶縁膜250上には、コンタクトプラグCP2に接続される金属配線層270が形成されている。
層間絶縁膜250上には、金属配線層260、270を被覆するようにして、層間絶縁膜280が形成されている。層間絶縁膜280中には、金属配線層270に達するコンタクトプラグCP3が形成されている。そして、層間絶縁膜280上には、複数のコンタクトプラグCP3に共通に接続された金属配線層290が形成されている。金属配線層290は、ビット線BL0〜BLn、またはリダンダンシビット線BL_RD0〜BL_RDhとして機能する。また層間絶縁膜280内には金属配線層260に達するコンタクトプラグが形成されている。そして、このコンタクトプラグをビット線方向で共通接続する金属配線層が、層間絶縁膜280上の図示せぬ領域に形成されている。この金属配線層はソース線SLの一部として機能する。
層間絶縁膜280上には、金属配線層290を被覆するようにして、層間絶縁膜300が形成されている。そして、層間絶縁膜300上には金属配線層310が形成されている。金属配線層310はセレクトゲート線SGS、SGDのシャント配線として機能する。金属配線層310はその配線間隔が等しくなるようにされている。そして、層間絶縁膜300上には、金属配線層310を被覆するようにして、層間絶縁膜320が形成されている。
次に、上記構成の3Tr−NAND型フラッシュメモリの動作について説明する。
<書き込み動作>
まず書き込み動作について、図33を用いて説明する。図33は、3Tr−NAND型フラッシュメモリ3のメモリセルアレイ10の回路図であり、簡単化のため、メモリセルMC数が(4×4)個の場合について示している。データの書き込みは、いずれかのワード線に接続された全てのメモリセルトランジスタに対して一括して行われる。そして、メモリセルトランジスタMTのフローティングゲートに電子を注入するか否かで、“0”データ、“1”データを書き分ける。電子のフローティングゲートへの注入は、FN tunnelingによって行われる。また、図33において、ワード線WL0に接続されたメモリセルトランジスタMTにデータを書き込むものとし、そのうち、ビット線BL1に接続されたメモリセルトランジスタMTに“0”データを書き込み、ビット線BL0、BL2、BL3に接続されたメモリセルトランジスタMTに“1”データを書き込むものとする。
まず、CPU2から書き込みデータ(“1”、“0”)が入力される。そして、書き込み回路50内のラッチ回路51が、該書き込みデータをビット線毎にラッチする。そして、“1”データが入力された場合、ラッチ回路51はビット線にVcc2(例えば3V)を与え、逆に“0”データが入力されると、ビット線に0Vを与える。すなわち、図33に示されるように、ラッチ回路51は、ビット線BL0、BL2、BL3にVcc2を印加し、ビット線BL1に0Vを印加する。
そして、ロウデコーダ170が、いずれかのセレクトゲート線SGDを選択し、選択セレクトゲート線SGDにVcc1を印加し、非選択セレクトゲート線SGD及び全てのセレクトゲート線SGSに0Vを印加する。すなわち、図33に示されるように、ロウデコーダ170はセレクトゲート線SGD0を選択し、選択セレクトゲート線SGD0にVcc1を印加する。またその他のセレクトゲート線SGS0、SGD1、SGS1、SGD2、SGS2、SGD3、SGS3に0Vを印加する。
すると、選択セレクトゲート線SGDに接続される選択トランジスタST1のうち、VPP2が印加されているビット線BLに接続されている選択トランジスタST1はカットオフ状態となる。他方、0Vが印加されているビット線BLに接続されている選択トランジスタST1はオン状態となる。
更にロウデコーダ170はいずれかのワード線を選択し、選択ワード線にVPP2(18V)を印加する。また非選択ワード線の全てに0Vを印加する。なお、ここで選択されるワード線WLは、選択セレクトゲート線SGDを含むメモリセルMCに接続されるものである。この際のロウデコーダ170においては、選択ワード線に対応する転送ゲート150のMOSトランジスタ151、152がオン状態となり、選択ワード線にVPP2が印加される。これにより、選択ワード線WLに接続されるメモリセルトランジスタMTにチャネル領域が形成される。すると、選択セレクトゲート線SGD及びVcc2が印加されているビット線に接続されている選択トランジスタST1はカットオフ状態にあるから、当該選択トランジスタST1に接続されたメモリセルトランジスタMTのチャネル電位はフローティングとなる。そして、ワード線WLとのカップリングにより、約18Vまで上昇する。他方、選択セレクトゲート線SGD及び0Vが印加されているビット線に接続されている選択トランジスタST2はオン状態にあるから、当該選択トランジスタST1に接続されるメモリセルトランジスタMTのチャネル電位は0Vとなる。
すなわち、図33に示されるように、ロウデコーダ170はワード線WL0を選択し、選択ワード線WL0にVPP2を印加すると共に、その他の非選択ワード線WL1〜WL3に0Vを印加する。従って、ワード線WL0に接続されるメモリセルトランジスタMTにチャネル領域が形成される。すると、ビット線BL1には0Vが印加されているので、ビット線BL1に接続される選択トランジスタST1を含むメモリセル内のメモリセルトランジスタMTのチャネル電位Vchは0Vとなる。他方、ビット線BL0、BL2、BL3にはVcc1が印加されているので、ビット線BL0、BL2、BL3に接続される選択トランジスタST1を含むメモリセル内のメモリセルトランジスタMTのチャネル電位Vchは、ワード線WL0とのカップリングにより、略18Vに上昇する。
またロウデコーダ170は、メモリセルが形成されているp型ウェル領域に0Vを与える。
上記の結果、カットオフとされた選択トランジスタST1を含むメモリセル内のメモリセルトランジスタMTにおいては、ゲート・チャネル間の電位差が十分ではないため、フローティングゲートに電子は注入されない。すなわち、Vcc1が印加されているビット線及び選択ワード線WLに接続されているメモリセル(“1”データを書き込むべきメモリセル)の閾値は負の値を維持する。図33の例であると、ビット線BL0、BL2、BL3と、ワード線WL0とに接続されたメモリセルトランジスタMTのフローティングゲートには電子は注入されない。換言すれば、ビット線BL0、BL2、BL3と、選択ワード線WL0とに接続されたメモリセルトランジスタMTには“1”データが書き込まれる。
他方、選択セレクトゲート線SGDに接続され、且つ0Vが印加されているビット線BLに接続されている選択トランジスタST1を含むメモリセル内のメモリセルトランジスタMTにおいては、ゲート・チャネル間の電位差が18Vであるので、FN tunnelingによってフローティングゲートに電子が注入される。その結果、メモリセルトランジスタMTの閾値は正に変化する、すなわち“0”データが書き込まれる。図33の例であると、ワード線WL0にVPP3が印加される結果、ビット線BL1とワード線WL0とに接続されたメモリセルトランジスタMTの、ゲート・チャネル間の電位差は18Vとなる。よって、ビット線BL1とワード線WL0とに接続されたメモリセルトランジスタMTのフローティングゲートには電子が注入される。電子が注入されたメモリセルトランジスタMTの閾値は正の変化し、“0”データが書き込まれたことになる。
以上のようにして、1ページのメモリセルトランジスタに一括してデータが書き込まれる。
<消去動作>
次に、消去動作について、図34を用いて説明する。図34は、3Tr−NAND型フラッシュメモリ3のメモリセルアレイ10の回路図であり、簡単化のため、メモリセル数が(4×4)個の場合について示している。データの消去は、書き込み同様、ページ一括消去である。消去動作は、FN tunnelingによってフローティングゲートから電子を引き抜くことによって行われる。図34は、ワード線WL0に接続されたメモリセルトランジスタからデータの消去を行う場合を示している。
消去にあたって、全てのビット線BLはフローティングとされる。またロウデコーダ170は、全てのセレクトゲート線SGD、SGSをフローティングとする。そしてロウデコーダ170は、いずれかのワード線を選択し、選択ワード線WLに0Vを与えると共に、非選択ワード線WLをフローティングにする。この際、ロウデコーダ170においては、非選択ワード線に対応する転送ゲート内の全てのMOSトランジスタ151〜153がオフ状態となる。更にロウデコーダ170は、メモリセルが形成されているp型ウェル領域202にVPP2(18V)を印加する。すなわち図34に示すように、選択ワード線WL0には0Vが印加され、非選択ワード線WL1〜WL3はフローティングとされる。更に、全てのセレクトゲート線SGD0、SGS0、SGD1、SGS1はフローティングとされる。
すると、選択ワード線WLに接続されているメモリセルトランジスタMTとウェル領域202との間の電位差が18Vとなり、フローティングゲート内の電子がFN tunnelingによってp型ウェル領域202に引き抜かれる。その結果、選択ワード線に接続されているメモリセルトランジスタMTからデータが消去され、メモリセルトランジスタMTの閾値は負となる。すなわち、図34に示すように、ワード線WL0に接続された全てのメモリセルトランジスタMTのフローティングゲートから電子が半導体基板に引き抜かれ、データが消去される。
非選択ワード線に接続されているメモリセルトランジスタMTにおいては、半導体基板とのカップリングによってワード線WLの電位が18V程度に上昇する。従って、フローティングゲートから電子は引き抜かれず、データは消去されない。すなわち図34に示すように、ワード線WL1〜WL3の電位はカップリングによって上昇する。その結果、ワード線WL1〜WL3に接続された全てのメモリセルトランジスタMTからは、データは消去されない。また、セレクトゲート線も同様に、カップリングによって18V程度まで電位が上昇する。従って、選択トランジスタSTのゲート絶縁膜には電圧ストレスがかからない。
以上のようにして、選択されたページから一括してデータが消去される。なお、図34の例では、1本のワード線に接続されたメモリセルトランジスタ(1ページ)からデータが消去される例について示しているが、複数のワード線に接続されたメモリセルトランジスタから一括してデータが消去されても良い。この場合には、ロウデコーダ170が複数のワード線に0Vを印加すれば良い。
<読み出し動作>
次に読み出し動作について図35を用いて説明する。図35は、3Tr−NAND型フラッシュメモリ3のメモリセルアレイ10の回路図であり、簡単化のため、メモリセル数が(4×4)個の場合について示している。図35では、ビット線BL1とワード線WL0に接続されたメモリセルトランジスタMTからデータを読み出す場合について示している。なおリダンダンシセルRCからデータを読み出す方法もメモリセルMCと同様である。
まずロウデコーダ170は、データを読み出すべきメモリセルが接続されるセレクトゲート線SGD、SGSを選択し、選択セレクトゲート線SGD、SGSにVPP3(例えば4.5V)を印加する。その他のセレクトゲート線SGD、SGSが非選択とされ、非選択セレクトゲート線SGD、SGSには0Vを印加される。これにより、選択セレクトゲート線SGD、SGSに接続される選択トランジスタST1、ST2はオン状態とされる。引き続き、ロウデコーダ170は、全てのワード線WLに0Vを印加する。すなわち、図35に示すように、選択セレクトゲート線SGD0、SGS0にVPP3が印加され、非選択セレクトゲート線SGD1〜SGD3、SGS1〜SGS3に0Vが印加される。これにより、選択セレクトゲート線SGD0、SGS0に接続される選択トランジスタST1、ST2がオン状態とされる。また全てのワード線WL0〜WL3には0Vが印加される。
すると、メモリセルトランジスタMTは、書き込まれているデータが“1”であれば、閾値が負なのでオン状態、書き込まれているデータが“0”であれば、閾値が正なのでオフ状態となる。
更に、選択ビット線BLが、プリチャージ回路72によって、例えば2.0Vにプリチャージされる。すると、選択セレクトゲート線SGD、SGSに接続されている選択トランジスタST1、ST2に接続されているメモリセルトランジスタMTに書き込まれているデータが“1”であれば、ビット線からソース線に電流が流れる。他方、書き込まれているデータが“0”であれば、電流は流れない。図35の例であると、選択ビット線BL1に2.0Vが印加される。すると、ワード線WL0と選択ビット線BL1に接続されているメモリセルトランジスタMTに書き込まれているデータが“1”であれば、ビット線BL1からソース線SLに電流が流れ、書き込まれているデータが“0”であれば、電流は流れない。
以上のように、ビット線からソース線に向かって流れる電流によって変化するビット線電位を、センスアンプ73が増幅することによって、データの読み出しが行われる。なお図35の例では、1本のビット線からデータを読み出す場合について示しているが、勿論、複数のビット線に電位を印加して、複数のメモリセルトランジスタからデータを同時に読み出しても良い。
上記のような3Tr−NAND型フラッシュメモリであっても、上記第2の実施形態で説明した(5)の効果を得ることが出来る。
次に、この発明の第5の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置について説明する。本実施形態は、上記第2の実施形態をNAND型フラッシュメモリに適用したものである。従って、本実施形態に係る構成は、上記第4の実施形態におけるメモリセルを、図36に示すNANDセルに置き換えたものである。図36はメモリセルアレイ10の回路図である。
図示するように、メモリセルアレイは、マトリクス状に配置された複数個のNANDセルを有している。NANDセルの各々は、8個のメモリセルトランジスタMTと、選択トランジスタST1、ST2とを含んでいる。メモリセルトランジスタMTは、半導体基板上にゲート絶縁膜を介在して形成されたフローティングゲートと、フローティングゲート上にゲート間絶縁膜を介在して形成されたコントロールゲートとを有する積層ゲート構造を備えている。なお、メモリセルトランジスタMTの個数は8個に限られず、16個や32個であってもよく、その数は限定されるものではない。メモリセルトランジスタMTは、隣接するもの同士でソース、ドレインを共有している。そして、選択トランジスタST1、ST2間に、その電流経路が直列接続されるようにして配置されている。そして、直列接続されたメモリセルトランジスタMTの一端側のドレイン領域が選択トランジスタST1のソース領域に接続され、他端側のソース領域が選択トランジスタST2のドレイン領域に接続されている。すなわち、NANDセルは、3Tr−NAND型フラッシュメモリのメモリセルにおいて、メモリセルトランジスタMTの数を複数にしたものである。
同一行にあるメモリセルトランジスタMTの制御ゲートは、ワード線WL0〜WLmのいずれかに共通接続され、同一行にあるメモリセルの選択トランジスタST1、ST2のゲートは、それぞれセレクトゲート線SGD、SGSに接続されている。ワード線WL0〜WLm、及びセレクトゲート線SGS、SGDはロウデコーダ170に接続される。また、メモリセルアレイPCAにおいて同一列にある選択トランジスタST1のドレインはビット線BL0〜BLnのいずれかに共通接続される。そしてビット線は書き込み回路50及びカラムセレクタ80に接続される。更に選択トランジスタST2のソースはソース線SLに共通接続され、ソース線ドライバ100に接続されている。なお、選択トランジスタST1、ST2は必ずしも両方必要ではない。NANDセルを選択出来るのであれば、いずれか一方のみが設けられていても良い。
図37は、NANDセルのビット線方向に沿った断面図である。図示するように、p型半導体(シリコン)基板200の表面領域内にn型ウェル領域201が形成され、n型ウェル領域202の表面領域内にp型ウェル領域202が形成されている。p型ウェル領域202上に、ゲート絶縁膜204が形成され、ゲート絶縁膜204上に、メモリセルトランジスタMT及び選択トランジスタST1、ST2のゲート電極が形成されている。メモリセルトランジスタMT及び選択トランジスタST1、ST2のゲート電極は、ゲート絶縁膜204上に形成された多結晶シリコン層210、多結晶シリコン層210上に形成されたゲート間絶縁膜220、及びゲート間絶縁膜220上に形成された多結晶シリコン層230を有している。ゲート間絶縁膜220は、例えばシリコン酸化膜、またはシリコン酸化膜とシリコン窒化膜との積層構造であるON膜、NO膜、またはONO膜で形成される。メモリセルトランジスタMTにおいては、多結晶シリコン層210はワード線方向で隣接する素子領域AA間で互いに分離されており、フローティングゲート(FG)として機能する。また、多結晶シリコン層230コントロールゲート(ワード線WL)として機能する。そして、多結晶シリコン層230は、ワード線方向で隣接する素子領域AA間で共通接続されている。選択トランジスタST1、ST2においては、図示せぬシャント領域でゲート間絶縁膜220の一部が除去されており、多結晶シリコン層230は電気的に接続されている。そして、多結晶シリコン層28230がセレクトゲート線SGD、SGSとして機能する。選択トランジスタST1、ST2においては、多結晶シリコン層210及び多結晶シリコン層230は、ワード線方向で隣接する素子領域AA間で分離されておらず、共通接続されている。
そして隣接するゲート電極間に位置するp型ウェル領域202表面内には、ソース・ドレイン領域として機能する不純物拡散層203が形成されている。不純物拡散層203は、隣接するトランジスタ同士で共用されている。すなわち、隣接する2つの選択トランジスタST1間の不純物拡散層203は、2つの選択トランジスタST1のドレイン領域として機能する。また隣接する2つの選択トランジスタST2間の不純物拡散層203は、2つの選択トランジスタST2のソース領域として機能する。また隣接する2つのメモリセルトランジスタMT間の不純物拡散層203は、2つのメモリセルトランジスタMTのソース・ドレイン領域として機能する。更に、隣接するメモリセルトランジスタMTと選択トランジスタST1との間の不純物拡散層203は、メモリセルトランジスタMTのドレイン領域及び選択トランジスタST1のソース領域として機能する。他方、隣接するメモリセルトランジスタMTと選択トランジスタST2との間の不純物拡散層203は、メモリセルトランジスタMTのソース領域及び選択トランジスタST2のドレイン領域として機能する。
そして、半導体基板200上には、上記メモリセルトランジスタMT、及び選択トランジスタST1、ST2を被覆するようにして、層間絶縁膜250が形成されている。層間絶縁膜250中には、選択トランジスタST2のソース領域203に達するコンタクトプラグCP1が形成されている。そして層間絶縁膜250上には、コンタクトプラグCP1に接続される金属配線層260が形成されている。金属配線層260は、ソース線SLとして機能する。また、層間絶縁膜250中には、選択トランジスタST1のドレイン領域203に達するコンタクトプラグCP2が形成されている。そして層間絶縁膜250上には、コンタクトプラグCP2に接続される金属配線層270が形成されている。
層間絶縁膜250上には、金属配線層260、270を被覆するようにして、層間絶縁膜280が形成されている。そして、層間絶縁膜280中には、金属配線層270に達するコンタクトプラグCP3が形成されている。そして、層間絶縁膜280上には、複数のコンタクトプラグCP3に共通に接続された金属配線層290が形成されている。
層間絶縁膜280上には、金属配線層290を被覆するようにして、層間絶縁膜300が形成されている。そして、層間絶縁膜300上には金属配線層310が形成されている。金属配線層310は、図示せぬ領域において、それぞれ選択トランジスタST2、ST1の多結晶シリコン層210に接続されており、セレクトゲート線SGS、SGDのシャント配線として機能する。そして、層間絶縁膜300上には、金属配線層310を被覆するようにして層間絶縁膜320が形成されている。
上記のようなNAND型フラッシュメモリにおいても第2の実施形態を適用することが可能であり、第2の実施形態と同様、ロウデコーダ170の小型化を図ることが出来る。
次に、この発明の第6の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置について説明する。本実施形態は、上記第1乃至第5の実施形態で説明したフラッシュメモリを同一のチップ上に混載したLSIに係るものである。図38は、本実施形態に係るシステムLSIのブロック図である。
図示するように、システムLSI1は、同一半導体基板上に形成されたNAND型フラッシュメモリ500、3Tr−NAND型フラッシュメモリ510、2Trフラッシュメモリ520、MCU600、及びI/O回路700を備えている。
NAND型フラッシュメモリ500は、画像データや映像データを保存するストレージ用のメモリとして用いられる。NAND型フラッシュメモリの構成は上記第5の実施形態で説明したとおりである。
3Tr−NAND型フラッシュメモリ510は、LSI1へアクセスするためのIDコードやセキュリティコードを保持する。3Tr−NAND型フラッシュメモリ510の構成は、上記第4の実施形態で説明したとおりである。
2Trフラッシュメモリ520は、MCU600が動作するためのプログラムデータを保持する。2Trフラッシュメモリ520の構成は上記第1乃至第3の実施形態で説明した通りである。
MCU600は、外部から入力される各種のコマンドに応答して、2Trフラッシュメモリ520から読み出したプログラムに基づいた処理を行う。この際、MCU600は、SRAM(Static Random Access Memory)などを介することなく、直接2Trフラッシュメモリ520にアクセスする。MCU600の行う処理の例としては、NAND型フラッシュメモリ500に対して入力されるデータの圧縮や解凍、または外部装置の制御などがある。更に、MCU600は、NAND型フラッシュメモリ500に保持されるデータに外部からアクセスされた場合、3Tr−NAND型フラッシュメモリ510から所定のデータを読み出す。そしてMCU600は、読み出したデータと、外部から入力されるIDコードやセキュリティコードと照合し、一致した場合にNAND型フラッシュメモリ500へのアクセスを許可する。NAND型フラッシュメモリ500へのアクセスが許可されると、外部(ホスト)からNAND型フラッシュメモリ500内のデータへのアクセスが行われる。すなわち、MCU600は、外部から受け取ったコマンドに応答してNAND型フラッシュメモリ500へトリガをかけ、データの読み出し(書き込み)を行う。
I/O回路700は、LSI1と外部との信号の授受を制御する。
図39乃至図41は、上記LSI1に含まれる3つの半導体メモリ500、510、520の備えるメモリセルアレイの構成について示しており、ビット線方向に沿った断面図である。
<NAND型フラッシュメモリ>
NANDフラッシュメモリ500のメモリセルアレイ10の断面構造は、基本的には上記第5の実施形態で説明した通りである。但し、図39に示すように、多結晶シリコン層230上及び不純物拡散層203の表面内に、それぞれシリサイド層205、207を形成し、積層ゲートの側壁に側壁絶縁膜206を形成しても良い。メモリセルトランジスタMTにおいて、多結晶シリコン層230及びシリサイド層205はコントロールゲート(ワード線WL)として機能する。
シリサイド層207は、選択トランジスタST1のドレイン領域203表面内、及び選択トランジスタST2のソース領域203表面内に形成されている。メモリセルトランジスタMTのソース領域203及びドレイン領域203、選択トランジスタST1のソース領域203、及び選択トランジスタST2のドレイン領域203内には、シリサイド層は形成されない。また、隣接するメモリセルトランジスタMTの積層ゲート間、及びメモリセルトランジスタMTと選択トランジスタST1、ST2の積層ゲート間の領域は、側壁絶縁膜206によって埋め込まれている。従って、メモリセルトランジスタMTのソース領域及びドレイン領域、並びに選択トランジスタST1のソース領域及び選択トランジスタST2のドレイン領域の上面は、側壁絶縁膜206によって被覆されている。
<3Tr−NAND型フラッシュメモリ>
また図40に示すように、3Trフラッシュメモリ510のメモリセルアレイ10についてもNAND型フラッシュメモリと同様に、多結晶シリコン層230上及び不純物拡散層203の表面内に、それぞれシリサイド層205、207を形成し、積層ゲートの側壁に側壁絶縁膜206を形成しても良い。
シリサイド層207は、選択トランジスタST1のドレイン領域203表面内、及び選択トランジスタST2のソース領域203表面内に形成されている。メモリセルトランジスタMTのソース領域203及びドレイン領域203、選択トランジスタST1のソース領域203、及び選択トランジスタST2のドレイン領域203内には、シリサイド層は形成されない。また、メモリセルトランジスタMTと選択トランジスタST1、ST2の積層ゲート間の領域は、側壁絶縁膜206によって埋め込まれている。従って、メモリセルトランジスタMTのソース領域及びドレイン領域、並びに選択トランジスタST1のソース領域及び選択トランジスタST2のドレイン領域の上面は、側壁絶縁膜206によって被覆されている。
<2Trフラッシュメモリ>
図41に示すように、2Trフラッシュメモリ520のメモリセルアレイ10についても、多結晶シリコン層230上及び不純物拡散層203の表面内に、それぞれシリサイド層205、207を形成し、積層ゲートの側壁に側壁絶縁膜206を形成しても良い。
シリサイド層207は、メモリセルトランジスタMTのドレイン領域203表面内、及び選択トランジスタSTのソース領域203表面内に形成されている。メモリセルトランジスタMTのソース領域203、及び選択トランジスタSTのドレイン領域203内には、シリサイド層は形成されない。また、メモリセルトランジスタMTと選択トランジスタSTの積層ゲート間の領域は、側壁絶縁膜206によって埋め込まれている。従って、メモリセルトランジスタMTのソース領域及び選択トランジスタSTのドレイン領域の上面は、側壁絶縁膜206によって被覆されている。
上記のように、本実施形態に係るシステムLSIによれば、第1乃至第5の実施形態で説明した(1)乃至(6)の効果に加えて、更に以下の効果が得られる。
(7)製造コストを抑えつつ、複数種のフラッシュメモリを同一チップ上に搭載できる。
本実施形態に係る構成であると、NAND型フラッシュメモリ500、3Tr−NAND型フラッシュメモリ510、及び2Trフラッシュメモリ520が備えるメモリセルトランジスタMT及び選択トランジスタST1、ST2、STは、同一の工程で形成出来る。すなわち、同一の酸化工程、成膜工程、不純物注入工程、フォトリソグラフィ・エッチング工程によって、各MOSトランジスタが形成される。その結果、ゲート絶縁膜、ゲート間絶縁膜、メモリセルトランジスタMTのフローティングゲート及びコントロールゲート、並びに選択トランジスタのセレクトゲートは、3つのフラッシュメモリ500、510、520間で同一となる。このような製造方法であると、1つのフラッシュメモリを形成するのに必要な工程数によって、3つのフラッシュメモリのメモリセルアレイを形成出来る。従って、3種類の半導体メモリを搭載したシステムLSIの製造コストを低減できる。
(8)システムLSIを高性能化出来る。
本実施形態に係るシステムLSIは、上記説明したNAND型フラッシュメモリ500、3Tr−NAND型フラッシュメモリ510、及び2Trフラッシュメモリ520を有している。
2Trフラッシュメモリ520は、NAND型フラッシュメモリ500や3Tr−NAND型フラッシュメモリ510と異なり、書き込み及び消去時に正電圧(VPP1=10V)と負電圧(VBB1=−6V)を用いている。すなわち、ロウデコーダに用いられるMOSトランジスタのゲート絶縁膜に印加される電位差は、10V若しくは−6Vとなる。従って、2Trフラッシュメモリ520が有するロウデコーダに使用されるMOSトランジスタは、NAND型フラッシュメモリ500や3Tr−NAND型フラッシュメモリ510が有するロウデコーダに使用されるMOSトランジスタよりもゲート絶縁膜の薄いものが使用できる。このため、2Trフラッシュメモリのロウデコーダを小型化出来ると共に、動作速度をNAND型フラッシュメモリ500や3Tr−NAND型フラッシュメモリ510に比べて高速化出来る。
また本実施形態では、上記2Trフラッシュメモリ520に、MCU600が動作するためのプログラムデータを格納している。すると、上記説明したように2Trフラッシュメモリは高速動作が可能である。従って、MCU600がRAMなどを介さずにデータを2Trフラッシュメモリ520から直接読み出すことが出来る。その結果、RAMなどが不要となり、システムLSIの構成を簡略化出来ると共に、動作速度を向上できる。
また、3Tr−NAND型フラッシュメモリ510は、IDコードやセキュリティコードを保持する。これらのコードデータは、データ量自体はそれ程大きくないが、頻繁に変更/更新されることが多い。従って、これらのコードデータを保持するメモリには、ある程度の高速動作が求められる。この点、3Tr−NAND型フラッシュメモリ510は、消去単位がNAND型フラッシュメモリ500ほど大きくなく、ページ単位でのデータの書き換えが可能である。従って、3Tr−NAND型フラッシュメモリ510は、上記コードデータを保持するのに最適な半導体メモリであると言うことが出来る。
また、従来、NAND型フラッシュメモリを有するLSIであると、書き換えが特定のブロックに集中することを防ぐために、次のようなコントローラが必要であった。すなわち、ウェアレベリングや論理で入力されたアドレスを物理アドレスに変換したり、ブロックに不良があった場合に、当該ブロックを不良ブロックとして以後使用しないように制御を行ったりするコントローラである。しかし本実施形態ではこのようなコントローラは不要である。なぜなら、NAND型フラッシュメモリ500内のブロックを制御するファームウェアプログラムを2Trフラッシュメモリ520に保持させ、MCU600によって上記制御を行わせれば良いからである。MCU600は、本来行う作業(外部装置の制御やNAND型フラッシュメモリ500に入力されるデータの計算処理など)の間の時間を使って、上記制御を行えば良い。勿論、MCU600の能力と、本来MCU600が処理しなければならない処理量の大小を見極めて、処理量が多い場合には、ハードウェアシーケンサ等を設けてNAND型フラッシュメモリ500の制御を行っても良い。
上記のように、この発明の第1乃至第6の実施形態に係る半導体記憶装置によれば、ロウデコーダの性能を向上出来る。まず、第1の実施形態で説明したように、ロウデコーダを書き込み及び消去用のデコーダ20と、読み出し用のデコーダ30とに分割し、更に分離用MOSトランジスタ35、36を設けている。そして、読み出し時には、ロウアドレスデコード回路31とセレクトゲート線とを接続してVcc2レベルの電圧をセレクトゲート線に印加し、書き込み時にはロウアドレスデコード回路31とセレクトゲート線とを電気的に分離している。従って、読み出し系のデコード回路31を低耐圧MOSトランジスタで形成することが出来るため、読み出し動作を高速化出来る。また、同時にロウデコーダのサイズを小型化出来る。
また第2の実施形態で説明したように、書き込み用デコーダは、ロウアドレス信号RAにおいて、ページアドレスを示す下位ビットRA1iと、ブロックアドレスを示す上位ビットRA2iとを別々のデコーダでデコードしている。更に、ブロックアドレスをデコードした結果に応じて転送ゲートを制御して、ページアドレスのデコード結果をワード線に転送している。そして、ブロックアドレスが一致する転送ゲートは第1デコードセクションの出力をワード線に転送し、一致しない転送ゲートは転送ゲートのウェル領域の電圧をワード線に転送する。従って、デコード回路の数を大幅に削減することが出来、書き込み用デコーダを小型化出来る。
更に第3の実施形態では、消去時及び読み出し時において、第1デコードセクション141の出力が負電位とならないように制御している。また、第2デコードセクション142の出力を、転送ゲート150内において信号RAD1がワード線に転送されないように制御している。そして、転送ゲートが形成されているウェル領域の電圧を、ワード線に転送する。従って、特に消去動作時において、非選択ブロックに対応する転送ゲートに対して負電圧の信号RAD1が与えられることを防止出来る。その結果、転送ゲートのMOSトランジスタ151に貫通パスが生成されることを防止でき、書き込み用デコーダの動作信頼性を向上できる。
また、上記第2の実施形態では、ロウアドレス信号RAの上位ビットRA2iが、完全にブロックアドレスに一致する場合について説明した。従って、転送ゲートのウェル領域は第2デコードセクション毎に分離されており、且つ第2デコードセクションによって制御される転送ゲートに接続されるワード線毎にメモリセルブロックMBが形成されている。しかし、ロウアドレス信号RAの上位ビットRA2iの一部のみがブロックアドレスに一致する場合であっても良い。
例えば図42に示すように、上記第2の実施形態で説明した構成において、ワード線WL0〜WL7がメモリセルブロックMB0を形成し、ワード線WL8〜WL15がまた別のメモリセルブロックMB1を形成している。そして転送ゲート150はメモリセルブロック毎に同一ウェル領域上に形成されている。すなわち、転送ゲート150−0〜150−7が同一ウェル領域上に形成され、転送ゲート150−8〜150−15が別のウェル領域上に形成されている。
書き込み動作は上記第2の実施形態と同様であるので説明は省略する。消去動作について図43を用いて説明する。メモリセルブロックMB0のデータを消去する場合、ロウアドレス信号RAの上位ビットRA2iとして“00”または“01”が入力される。図43に示すように、RA2i=“00”が入力された場合、第2デコードセクション142−0が選択状態となる。従って、転送ゲート150−0〜150−3は、nチャネルMOSトランジスタ151によって、第1デコードセクション141−0〜141−3の出力VBB1をワード線WL0〜WL3に転送する。他方、第2デコードセクション142−1〜142−3が非選択状態となる。この際、ロウアドレス信号RAの上位ビットRA2iは一致しないがメモリセルブロックMB0に対応する第2デコードセクション142−1のVCGNW(2i)及びVCGPW(2i)をそれぞれVcc1及びVBB1とする。すると、転送ゲート150−4〜150−7ではMOSトランジスタ151、152がオフするが、MOSトランジスタ153がオン状態となる。すると、転送ゲート150−4〜150−7のVCGPW(TG)はVBB1であるので、ワード線WL4〜WL7にVBB1が転送される。
第3の実施形態でも同様である。図44に示すように、メモリセルブロックMB0のデータを消去する場合、ロウアドレス信号RAの上位ビットRA2iとして“00”または“01”が入力される。そして、選択ブロックMB0に対応する第2デコードセクション142−0、142−1のVCGNW(2i)及びVCGPW(2i)をそれぞれVcc1及びVBB1とする。すると、転送ゲート150−0〜150−15は、MOSトランジスタ153によってVCGPW(TG)をワード線WL0〜WL15に転送するが、転送ゲート150−0〜150−7のVCGPW(TG)はVBB1とされている。従って、ワード線WL0〜WL7にはVBB1が印加される。
また、上記実施形態に係る2Trフラッシュメモリでは、ビット線が階層化されている場合について説明したが、この場合に限られることはない。しかしビット線が階層化されている場合には、読み出し動作において、書き込み用グローバルビット線を0Vにしておくことが望ましい。書き込み用グローバルビット線を0Vにしておくことは、読み出し時における読み出し用グローバルビット線に対するノイズ対策となり、読み出し動作を更に安定させることが出来る。従って、フラッシュメモリの読み出し動作信頼性を向上できる。
また図45に示すように、図6で説明した平面パターンは、書き込み用デコーダを中心に線対称となるようにメモリセルアレイ及びセレクトゲートデコーダを配置することが出来る。この場合、書き込み用デコーダのウェル領域を2つのメモリセルアレイ間で共用出来るので、ウェル分離に必要な面積を削減できる。また図6では第3層目の金属配線層のみ説明したが、例えば電源線等を第4層目の金属配線層で形成しても良い。
次に、前述の半導体記憶装置に関するアプリケーションについて説明する。図46にメモリカードの例を示した。図46に示した様に、メモリカード900は、上記実施形態で説明したフラッシュメモリ3(2Trフラッシュメモリ、3Tr−NAND型フラッシュメモリまたはNAND型フラッシュメモリ)を有している。フラッシュメモリ3は、図示せぬ外部装置から所定の制御信号及びデータを受け取る。また、図示せぬ外部装置へ所定の制御信号及びデータを出力する。
メモリカード900に搭載されたフラッシュメモリ3に、データ、アドレス、若しくは、コマンドを転送する信号線(DAT)、信号線DATにコマンドが転送されている事を示すコマンドラインイネーブル信号線(CLE)、信号線DATにアドレスが転送されている事を示すアドレスラインイネーブル信号線(ALE)、及び、フラッシュメモリ10が動作可能か否かを示すレディービジー信号線(R/B)が接続される。
図47に別のメモリカードの例を示した。図46に示したメモリカードと異なる点は、フラッシュメモリ3を制御し、図示せぬ外部装置と所定の信号のやり取りを行うコントローラ910を有している点である。
コントローラ910は、それぞれフラッシュメモリ3及び図示せぬ外部装置から所定の信号を受信、若しくは、外部装置へ所定の信号を出力するインターフェース部(I/F)911、912と、外部装置から入力された論理アドレスを物理アドレスに変換する為の所定の計算を行うマイクロプロセッサ部(MPU)913と、データを一時的に記憶するバッファーラム914と、誤り訂正符合を生成する誤り訂正部(ECC)915を有している。また、メモリカード900にはコマンド信号線(CMD)、クロック信号線(CLK)、信号線(DAT)が接続されている。
なお、前述の様なメモリカードを示したが、制御信号の本数、信号線のビット幅、若しくは、コントローラの構成は種々の変形が可能である。
図48は、別のアプリケーションを示す。図48に示すように、前述したメモリカード900は、カードホルダー920に挿入され、図示せぬ電子機器に接続される。カードホルダー920は前出のコントローラ910の機能の一部を有していても良い。
図49に別のアプリケーションを示した。図示した様に、前述のメモリカード900、若しくは、メモリカード900が挿入されたカードホルダー920が接続装置1000に挿入される。接続装置1000は接続配線1100、及びインターフェース回路1300を介してボード1300に接続される。ボード1300にはCPU1400やバス1300が搭載される。
図50に別のアプリケーションを示した。メモリカード900、若しくは、メモリカード900が挿入されたカードホルダー920が接続装置1000に挿入される。接続装置1000は接続配線1100を介して、パーソナルコンピュータ2000に接続されている。
別のアプリケーションを図51、図52に示す。図示するように、ICカード2100にMCU2200が搭載され、MCU2200は、いずれかの実施態様に従ったフラッシュメモリ10と、その他の回路、例えばROM2300、RAM2400、及びCPU2500を備えている。ICカード2100は、MCU2200に接続され且つICカード2100に設けられたplane terminal 2600を介してMCU2200に接続可能である。CPU2500は、計算部2510と、フラッシュメモリ3、ROM2300及びRAM2400に接続された制御部2520を備えている。例えば、MPU2200はICカード2100の一方の面上に設けられ、plane connecting terminal 2600は他方の面に設けられている。
すなわち、この発明の第1乃至第6の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置は、
1.電荷蓄積層と制御ゲートとを備える第1MOSトランジスタと、ドレインが前記第1MOSトランジスタのソースに接続された第2MOSトランジスタとを含む複数のメモリセルがマトリクス状に配置されたメモリセルアレイと、
同一行にある前記第1MOSトランジスタの前記制御ゲートを共通接続するワード線と、
前記ワード線を選択するロウデコーダとを具備し、前記ロウデコーダは、前記メモリセルアレイのロウ方向を示すnビット(nは自然数)のロウアドレス信号のうちのmビット(mは自然数で、m<n)をデコードする第1アドレスデコード回路と、
前記ロウアドレス信号のうちの(n−m)ビットをデコードする第2アドレスデコード回路と、
前記第2アドレスデコード回路の出力に応じて、前記第1アドレスデコード回路の出力を前記ワード線に与える転送ゲートとを備える。
2.電荷蓄積層と制御ゲートとを備える第1MOSトランジスタを含み、FNトンネリングにより前記電荷蓄積層へ電子を注入されることによりデータが書き込まれ、電子を放出されることによりデータが消去されるメモリセルと、
前記メモリセルがマトリクス状に配置されたメモリセルアレイと、
同一行にある前記第1MOSトランジスタの前記制御ゲートを共通接続するワード線と、
前記ワード線を選択し、書き込み時において選択ワード線に前記正電圧を印加し、消去時において選択ワード線に前記負電圧を印加するロウデコーダとを具備し、前記ロウデコーダは、前記メモリセルアレイのロウ方向を示すnビット(nは自然数)のロウアドレス信号のうちmビット(mは自然数で、m<n)をデコードする第1アドレスデコード回路と、
前記ロウアドレス信号のうちの(n−m)ビットをデコードする第2アドレスデコード回路と、
前記第2アドレスデコード回路の出力に応じて、前記第1アドレスデコード回路の出力を前記ワード線に与える転送ゲートと、
消去時において、全ての前記第1アドレスデコード回路の出力を、前記負電位とならないよう同一の値に固定し、全ての前記第2アドレスデコード回路の出力を、前記転送ゲートが前記第1アドレスデコード回路の出力を前記ワード線に転送しないよう同一の値に固定する制御回路とを備える。
3.上記2において、前記転送ゲートは前記ワード線毎に設けられ、消去時における選択ワード線に対応する前記転送ゲートが形成されるウェル領域には前記負電位が印加され、該転送ゲートは該負電位を選択ワード線に転送する。
4.上記1乃至3いずれかにおいて、 前記メモリセルアレイは、それぞれが複数の前記ワード線を含む複数のメモリセルブロックを備え、
前記ロウアドレス信号のうちの前記mビットは、前記メモリセルブロック内のいずれかのワード線を選択するためのページアドレスであり、前記(n−m)ビットはいずれかのメモリセルブロックを選択するためのブロックアドレスであり、前記第1アドレスデコード回路は前記メモリセルブロック間で共通に用いられ、前記第2アドレスデコード回路は前記各メモリセルブロック内で共通に用いられる。
5.電荷蓄積層と制御ゲートとを備える第1MOSトランジスタと、ドレインが前記第1MOSトランジスタのソースに接続された第2MOSトランジスタとを含む複数のメモリセルがマトリクス状に配置されたメモリセルアレイと、
同一行にある前記第1MOSトランジスタの前記制御ゲートを共通接続するワード線と、
同一行にある前記第2MOSトランジスタのゲートを共通接続するセレクトゲート線と、
前記ワード線及びセレクトゲート線を選択するロウデコーダと、
正電圧を発生するチャージポンプ回路とを具備し、前記ロウデコーダは、前記セレクトゲート線を選択するためのロウアドレス信号をデコードするアドレスデコード回路と、
電流経路の一端が前記セレクトゲート線の一端に接続され、電流経路の他端が前記アドレスデコード回路の出力ノードに接続され、読み出し時にオン状態とされ、書き込み時にオフ状態とされる第1分離用トランジスタと、
電流経路の一端が前記セレクトゲート線の他端に接続され、電流経路の他端が第1電圧ノードに接続され、書き込み時にオン状態とされ、読み出し時にオフ状態とされる第2分離用トランジスタとを備え、読み出し動作時において、前記チャージポンプ回路は前記アドレスデコード回路の出力電圧と前記第1分離用トランジスタの閾値電圧とを加算した以上の正電圧を前記第1分離用トランジスタのゲートに印加する。
6.上記3において、前記第1アドレスデコード回路が形成される第1ウェル領域は、全ての該第1アドレスデコード回路間で電気的に共通とされ、
前記第2アドレスデコード回路が形成される第2ウェル領域は、各第2アドレスデコード回路間で電気的に分離されている。
7.上記1または2において、書き込み時及び消去時において、非選択ワード線に対応する前記転送ゲートは、該転送ゲートが形成されているウェル領域の電圧を前記非選択ワード線に転送する。
8.上記1において、消去時において、全ての前記第1アドレスデコード回路の出力を、0V以上の同一の値に固定し、全ての前記第2アドレスデコード回路の出力を、前記転送ゲートが前記第1アドレスデコード回路の出力を前記ワード線に転送しないよう同一の値に固定する制御回路を更に備える。
9.上記2または8において、前記制御回路は、少なくとも書き込み及び消去モードを示すモード信号によって制御され、消去モードにおいては、前記第1アドレスデコーダの出力が全て“H”レベルまたは“L”レベルとなるよう前記ロウアドレス信号のmビットを制御し、前記第2アドレスデコード回路の出力が全て第1アドレスデコーダの出力と相補なレベルになるよう前記ロウアドレス信号の(n−m)ビットを制御する。
10.上記1または2において、前記転送ゲートは第1、第2スイッチ素子を含み、且つ前記ワード線毎に設けられ、
前記第1スイッチ素子は、前記第2アドレスデコード回路の出力に基づいて前記第1アドレスデコーダの出力を対応する前記ワード線に転送し、
前記第2スイッチ素子は、前記第2アドレスデコード回路の出力に基づいて、該転送ゲートが形成されるウェル領域に印加される電圧を、対応する前記ワード線に転送する。
11.上記5において、前記アドレスデコード回路は、前記第1、第2分離用トランジスタよりも低耐圧の第1MOSトランジスタを含んで形成される。
12.上記1において、前記第2MOSトランジスタのソースを共通接続するソース線と、
前記メモリセルアレイにおいて、同一列にある前記第1MOSトランジスタのドレインを共通接続するビット線と、
前記メモリセルアレイにおいて、同一行にある前記第2MOSトランジスタのゲートを共通接続するセレクトゲート線と、
読み出し時において、いずれかの前記セレクトゲート線を選択するセレクトゲートデコーダとを更に備え、前記セレクトゲートデコーダは、
電流経路の一端が前記セレクトゲート線の一端に接続され、電流経路の他端が前記アドレスデコード回路の出力ノードに接続され、読み出し時にオン状態とされて読み出し電圧を前記セレクトゲート線に転送し、書き込み時にオフ状態とされる第1分離用トランジスタと、
電流経路の一端が前記セレクトゲート線の他端に接続され、電流経路の他端が第1電圧ノードに接続され、書き込み時にオン状態とされて負電圧を前記セレクトゲート線に転送し、読み出し時にオフ状態とされる第2分離用トランジスタとを備える。
13.上記2において、前記メモリセルは、前記第1MOSトランジスタのソースにドレインが接続された第2MOSトランジスタを更に備え、
前記不揮発性半導体記憶装置は、前記第2MOSトランジスタのソースを共通接続するソース線と、
前記メモリセルアレイにおいて、同一列にある前記第1MOSトランジスタのドレインを共通接続するビット線と、
前記メモリセルアレイにおいて、同一行にある前記第2MOSトランジスタのゲートを共通接続するセレクトゲート線と、
読み出し時において、いずれかの前記セレクトゲート線を選択するセレクトゲートデコーダとを更に備え、前記セレクトゲートデコーダは、電流経路の一端が前記セレクトゲート線の一端に接続され、電流経路の他端が前記アドレスデコード回路の出力ノードに接続され、読み出し時にオン状態とされて読み出し電圧を前記セレクトゲート線に転送し、書き込み時にオフ状態とされる第1分離用トランジスタと、
電流経路の一端が前記セレクトゲート線の他端に接続され、電流経路の他端が第1電圧ノードに接続され、書き込み時にオン状態とされて負電圧を前記セレクトゲート線に転送し、読み出し時にオフ状態とされる第2分離用トランジスタとを備える。
更に本実施形態に係るメモリカードは、
14.上記1乃至13いずれか1項記載の不揮発性半導体記憶装置を搭載する。
15.上記14において、前記不揮発性半導体記憶装置を制御する制御装置を更に備える。
なお、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出されうる。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出されうる。
1…システムLSI、2…CPU、3、500、510、520…フラッシュメモリ、10…メモリセルアレイ、11〜19…MOSトランジスタ、20…書き込み用デコーダ、21、31…ロウアドレスデコード回路、22、143、145…NANDゲート、23、34、52、53、76、144、146、147…インバータ、24、25、35、36、62〜66、54、55、81、82、151〜153…MOSトランジスタ、30…セレクトゲートデコーダ、32、80…スイッチ群、40…カラムデコーダ、50…書き込み回路、51…ラッチ回路、60…カラムセレクタ、61…選択ユニット、70…読み出し回路、71…読み出しユニット、72…プリチャージ回路、73…センスアンプ、77…フリップフロップ、90…出力バッファ、100…ソース線ドライバ、110…アドレスバッファ、120…ライトステートマシーン、130…電圧発生回路、140…デコードセクション、141、141−0〜141−3…第1デコードセクション、142、142−0〜142−3…第2デコードセクション、148…第1デコードセクション群、149…第2デコードセクション群、150、150−0〜150−15…転送ゲート、154…転送ゲート群、160、161…制御回路、170…ロウデコーダ、180…入力バッファ、200…半導体基板、201、400、401…n型ウェル領域、202、402、403…p型ウェル領域、203…不純物拡散層、204…ゲート絶縁膜、210、230…多結晶シリコン層、220…ゲート間絶縁膜、250、280、300、320、340…層間絶縁膜、260、270、290、310、330…金属配線層、600…MCU、700…I/O回路