JP4707636B2 - 画像記録方法および画像記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、カラーの元画像を色成分毎に閾値マトリクスと比較することにより、元画像を表現する網点画像の記録を行う技術に関する。
複数の吐出口を有するヘッドが設けられ、印刷用紙に対してヘッドを走査しつつ各吐出口からのインクの微小液滴の吐出のON/OFFを制御することにより印刷を行うインクジェット方式の印刷装置が従来より用いられている。このような印刷装置では、描画対象の多階調画像(以下、「元画像」という。)を2値化する必要があるため、元画像を表現する網点画像を生成することが行われる。AM(Amplitude Modulated)スクリーニングでは、網点画像を構成するドットの個数を変えずにドットの大きさを変えることにより階調表現が行われ、FM(Frequency Modulated)スクリーニングでは、適度に(ランダムであるが極端な疎密がなく)配置される一定の大きさのドットの個数を変更することにより階調表現が行われる。
ところで、インクジェット方式の印刷装置では、複数の吐出口からの微小液滴の吐出量や吐出方向のばらつき等に起因して、印刷された網点画像中に走査方向に伸びる筋状のムラ(以下、「スジムラ」という。)が発生する場合がある。そこで、特許文献1では、印刷装置に濃度測定部を設け、ヘッドにより印刷された一様な濃度レベルのパターン中の各吐出口に対応する領域の濃度(以下、「吐出口における印刷濃度」という。)を取得し、元画像の各画素値を、この画素値に対応する吐出口における印刷濃度に基づいて補正する(すなわち、実質的にシェーディング補正を施す)ことにより、スジムラを低減する手法が開示されている。なお、各吐出口における印刷濃度を厳密に取得するには、吐出口の配列方向に関する印刷装置の記録解像度と、濃度測定部(例えば、スキャナ)の読み取りの解像度とが1対α(ただし、αは1以上の整数)の関係が満たされている必要があるが、実際には、このような条件が満たされていなくても、吐出口における印刷濃度がある程度の精度にて取得されるのであるならば、大まかな低周波のムラは抑制可能である。
なお、特許文献2では、インクジェット方式の印刷装置において、比較的径の小さい特定ドットに、特定ドットよりも径の大きいドットを有意の値で混在させて印刷を行うことにより、特定ドットのみにて印刷を行った場合に生じ易くなるスジムラの発生を抑制する手法が開示されている。また、特許文献3では、階調レベルの増加に伴う網点領域の成長が、色版毎に異なる方向性を有するような閾値マトリクスを生成することにより、生成されるカラーの網点画像におけるザラツキ感を抑制する手法が開示されている。
特開2004−106248号公報 特許第3414325号公報 特開2006−14271号公報
ところで、AMスクリーニングのように網点画像においてドットが周期的に配列される場合に、特許文献1の手法にてスジムラを低減しようとすると、濃度測定用の網点画像であるパターン中のドットの周期と、スキャナの解像度の逆数である読み取り位置の周期とが干渉して、スキャナにて低周波の干渉ムラ(ビートムラとも呼ばれる。)を含む画像データが読み取られてしまう。したがって、このような画像データに基づいて元画像の各画素値を補正すると、生成される網点画像にてビートムラが生じてしまう。
一方で、カラーの網点画像では、複数の色成分の網点画像を重ね合わせることにより、画像中にザラツキ感が目立ち易くなる(すなわち、画像粒状性が悪くなる)という問題があり、印刷されるカラーの網点画像において、スジムラおよびビートムラの発生を防止しつつ、ザラツキ感を少なくすることは、極めて困難となっている。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、ビートムラやスジムラが生じず、ザラツキ感の少ないカラーの網点画像を印刷することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、対象物上において、所定の走査方向に垂直な幅方向に配列される複数のドット記録位置にそれぞれドットを記録する複数のドット出力要素を有するヘッドと、前記対象物上の前記複数のドット記録位置を前記走査方向に前記対象物に対して相対的に移動させる走査機構とを備える画像記録装置において、カラーの元画像を色成分毎に閾値マトリクスと比較することにより、前記元画像を表現する網点画像の記録を行う画像記録方法であって、a)前記走査方向に対応する列方向および前記幅方向に対応する行方向にて規定される第1の色成分のマトリクス領域において、前記列方向に対して傾斜する第1の方向に関する間隔が最も大きくなり、かつ、ランダムに配置される複数の第1基準点を基準とする複数の第1網点セルを設定し、前記第1の色成分の階調レベルの増加に伴って前記複数の第1網点セルの形状に従って網点領域が成長するように閾値を設定することにより生成された前記第1の色成分の第1閾値マトリクスを準備する工程と、b)前記列方向および前記行方向にて規定される第2の色成分のマトリクス領域において、前記列方向に対して傾斜するとともに前記第1の方向とは異なる第2の方向に関する間隔が最も大きくなり、かつ、ランダムに配置される複数の第2基準点を基準とする複数の第2網点セルを設定し、前記第2の色成分の階調レベルの増加に伴って前記複数の第2網点セルの形状に従って網点領域が成長するように閾値を設定することにより生成された前記第2の色成分の第2閾値マトリクスを準備する工程と、c)前記第1閾値マトリクスを用いて前記ヘッドにより対象物上に所定のパターンを記録し、前記対象物または前記対象物を用いて印刷された印刷物において前記所定のパターンの前記幅方向の複数の位置における印刷濃度を測定することにより、前記複数の位置に対する複数の第1補正値を取得する工程と、d)前記第2閾値マトリクスを用いて前記ヘッドにより対象物上に所定のパターンを記録し、前記対象物または前記対象物を用いて印刷された印刷物において前記所定のパターンの前記幅方向の複数の位置における印刷濃度を測定することにより、前記複数の位置に対する複数の第2補正値を取得する工程と、e)前記複数の第1補正値を用いて前記第1閾値マトリクスの要素値または前記元画像の前記第1の色成分の画素値を補正する工程と、f)前記複数の第2補正値を用いて前記第2閾値マトリクスの要素値または前記元画像の前記第2の色成分の画素値を補正する工程と、g)対象物に対して前記第1の色成分の複数のドット記録位置を前記走査方向に相対的に移動しつつ、前記元画像の前記第1の色成分の各画素値と前記第1閾値マトリクスの対応する要素値との比較結果に従って前記第1の色成分の複数のドット出力要素の出力制御を行う工程と、h)前記対象物に対して前記第2の色成分の複数のドット記録位置を前記走査方向に相対的に移動しつつ、前記元画像の前記第2の色成分の各画素値と前記第2閾値マトリクスの対応する要素値との比較結果に従って前記第2の色成分の複数のドット出力要素の出力制御を行う工程とを備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像記録方法であって、前記第1の方向および前記第2の方向のそれぞれと前記列方向とのなす角が15度以上であり、前記第1の方向と前記第2の方向とのなす角が30度以上である。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像記録方法であって、前記第1の方向および前記第2の方向のそれぞれと前記列方向とのなす角が45度である。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像記録方法であって、各色成分の前記複数のドット出力要素のそれぞれが複数サイズのドットの形成が可能であり、前記第1閾値マトリクスおよび前記第2閾値マトリクスの各要素値が、ドットのサイズの決定に利用されるサブ要素値の集合である。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像記録方法であって、前記e)工程において、前記複数の第1補正値を用いて前記第1閾値マトリクスの要素値が補正され、前記f)工程において、前記複数の第2補正値を用いて前記第2閾値マトリクスの要素値が補正される。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像記録方法であって、前記e)工程において、前記複数の第1補正値を用いて前記元画像の前記第1の色成分の画素値が補正され、前記f)工程において、前記複数の第2補正値を用いて前記元画像の前記第2の色成分の画素値が補正される。
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の画像記録方法であって、前記e)工程と前記g)工程とが少なくとも部分的に並行して行われ、前記f)工程と前記h)工程とが少なくとも部分的に並行して行われる。
請求項8に記載の発明は、カラーの元画像を色成分毎に閾値マトリクスと比較することにより、前記元画像を表現する網点画像の記録を行う画像記録装置であって、対象物上において、所定の走査方向に垂直な幅方向に配列される複数のドット記録位置にそれぞれドットを記録する複数のドット出力要素を有するヘッドと、前記対象物上の前記複数のドット記録位置を前記走査方向に前記対象物に対して相対的に移動させる走査機構と、前記走査方向に対応する列方向および前記幅方向に対応する行方向にて規定される第1の色成分のマトリクス領域において、前記列方向に対して傾斜する第1の方向に関する間隔が最も大きくなり、かつ、ランダムに配置される複数の第1基準点を基準とする複数の第1網点セルを設定し、前記第1の色成分の階調レベルの増加に伴って前記複数の第1網点セルの形状に従って網点領域が成長するように閾値を設定することにより生成される前記第1の色成分の第1閾値マトリクスを記憶する第1マトリクス記憶部と、前記列方向および前記行方向にて規定される第2の色成分のマトリクス領域において、前記列方向に対して傾斜するとともに前記第1の方向とは異なる第2の方向に関する間隔が最も大きくなり、かつ、ランダムに配置される複数の第2基準点を基準とする複数の第2網点セルを設定し、前記第2の色成分の階調レベルの増加に伴って前記複数の第2網点セルの形状に従って網点領域が成長するように閾値を設定することにより生成される前記第2の色成分の第2閾値マトリクスを記憶する第2マトリクス記憶部と、前記第1閾値マトリクスを用いて前記ヘッドにより対象物上に所定のパターンが記録され、前記対象物または前記対象物を用いて印刷された印刷物において前記所定のパターンの前記幅方向の複数の位置における印刷濃度を測定することにより、前記複数の位置に対する複数の第1補正値を取得し、前記第2閾値マトリクスを用いて前記ヘッドにより対象物上に所定のパターンが記録され、前記対象物または前記対象物を用いて印刷された印刷物において前記所定のパターンの前記幅方向の複数の位置における印刷濃度を測定することにより、前記複数の位置に対する複数の第2補正値を取得する補正値取得部と、前記複数の第1補正値を用いて前記第1閾値マトリクスの要素値または前記元画像の前記第1の色成分の画素値を補正し、前記複数の第2補正値を用いて前記第2閾値マトリクスの要素値または前記元画像の前記第2の色成分の画素値を補正する補正部と、対象物に対して前記第1の色成分の複数のドット記録位置を前記走査方向に相対的に移動しつつ、前記元画像の前記第1の色成分の各画素値と前記第1閾値マトリクスの対応する要素値との比較結果に従って前記第1の色成分の複数のドット出力要素の出力制御を行い、前記対象物に対して前記第2の色成分の複数のドット記録位置を前記走査方向に相対的に移動しつつ、前記元画像の前記第2の色成分の各画素値と前記第2閾値マトリクスの対応する要素値との比較結果に従って前記第2の色成分の複数のドット出力要素の出力制御を行う制御部とを備える。
本発明によれば、ビートムラやスジムラが生じず、ザラツキ感の少ないカラーの網点画像を印刷することができる。
また、請求項2および3の発明では、閾値マトリクスまたは元画像の補正の程度を低減するとともに、網点画像におけるザラツキ感を確実に少なくすることができ、請求項4の発明では、印刷された網点画像において、ドットのサイズが一様である場合に生じるスジムラの発生を防止することができる。
図1は本発明の一の実施の形態に係るインクジェット方式の印刷装置1の構成を示す図である。印刷装置1は、印刷用紙9上に複数の色成分の画像を重ねて記録する画像記録装置である。印刷装置1の本体12は、インクの微小液滴を印刷用紙9に向けて吐出する吐出部2、吐出部2の下方にて図1中のY方向へと印刷用紙9を移動させる紙送り機構3、並びに、吐出部2および紙送り機構3に接続される本体制御部4を備え、本体制御部4には、各種演算処理を行うCPUや各種情報を記憶するメモリ等を有するコンピュータ11が接続される。印刷装置1では、本体12がコンピュータ11からの信号を受けて印刷用紙9上に網点画像を印刷する。なお、印刷装置1における印刷対象は、印刷用紙9以外にフィルム等であってもよい。
紙送り機構3は、図示省略のモータに接続された2つのベルトローラ31、および、2つのベルトローラ31の間に掛けられたベルト32を有する。印刷用紙9は所定の幅の連続紙であるロール紙とされ、(−Y)側のベルトローラ31の上方に設けられたローラ33を介してベルト32上へと導かれて保持され、ベルト32と共に吐出部2の下方を通過して(+Y)側へと移動する。また、紙送り機構3のベルトローラ31にはエンコーダ(図示省略)が設けられる。なお、紙送り機構3では、環状のベルト32の内側において吐出部2に対向する位置に吸引部を設け、ベルト32に微小な吸引孔を形成することにより、ベルト32上において印刷用紙9が吸引吸着により保持されてもよい。
吐出部2には、Y方向に配列される複数のモジュールを有するヘッド21が設けられ、各モジュールは複数の色のインクのうち一の色のインクが吐出可能とされる。後述するようにモジュールには、それぞれがインクの微小液滴を印刷用紙9に向けて(図1中の(−Z)方向に)吐出する複数の吐出口がX方向に配列形成される。ヘッド21の(+Y)側には、ヘッド21により印刷された画像を読み取るラインセンサ24が取り付けられ、ラインセンサ24は複数の受光素子(例えば、CCD(Charge Coupled Devices))をY方向に配列して有する。また、吐出部2は、ヘッド21の走査方向に垂直かつ印刷用紙9に沿う方向(図1中のX方向であり、印刷用紙9の幅に対応する方向であるため、以下、「幅方向」という。)にヘッド21を移動させるヘッド移動機構22を備える。ヘッド移動機構22にはX方向に細長い環状に設けられたタイミングベルト222が設けられ、モータ221がタイミングベルト222を往復移動することにより、ヘッド21が幅方向に滑らかに移動する。印刷装置1における非印刷時には、ヘッド移動機構22はヘッド21を所定の退避位置へと配置し、退避位置においてヘッド21の複数の吐出口が蓋部材にて閉塞され、吐出口近傍のインクが乾燥して吐出口が詰まることが防止される。本実施の形態では、説明の便宜上、ヘッド21がブラック、シアンおよびマゼンタのインクを吐出するものとするが、もちろん、印刷装置1はイエロー等の他の色成分のインクも吐出するものであってよい。
図2はヘッド21の1つのモジュールの吐出口群を示す図である。以下の説明では、ヘッド21が吐出する複数色のインクのうち一の色のインクを吐出するモジュールのみに着目して説明を行うが、他の色のインクを吐出するモジュールも同様の構成となる。
図2に示すように、モジュール23は、X方向(幅方向)に並ぶ複数の吐出口231を吐出口列230として、2つの吐出口列230をY方向(走査方向)に並べて有する。各吐出口列230では、印刷用紙9に平行な面(XY平面に平行な面)内において、幅方向に向かって複数の吐出口231が一定のピッチにて並ぶ。モジュール23では、幅方向に関して一方の吐出口列230の互いに隣接する2つの吐出口231の間の中央に他方の吐出口列230のいずれか1つの吐出口231が位置するように、複数の吐出口231が千鳥状に配列される。したがって、1つのモジュール23では、幅方向に関して一定のピッチP1(例えば、720dpi(dot per inch)に相当する35マイクロメートル(μm)のピッチであり、以下、「吐出ピッチP1」ともいう。)にて複数の吐出口231が配列される。実際には、印刷装置1では、複数の吐出口231は幅方向に関して印刷用紙9上の印刷領域の全体に亘って(すなわち、印刷用紙9の有効印刷領域以上の範囲にて)設けられる。
コンピュータ11は、図3に示すように、各種演算処理を行うCPU101、基本プログラムを記憶するROM102および各種情報を記憶するRAM103をバスラインに接続した一般的なコンピュータシステムの構成となっている。バスラインにはさらに、網点化(ハーフトーン化)されるカラーの画像(すなわち、各画素が複数の色成分の画素値を有する画像であり、以下、「元画像」という。)のデータを記憶する画像メモリ104、情報記憶を行う固定ディスク105、各種情報の表示を行うディスプレイ106、操作者からの入力を受け付けるキーボード107aおよびマウス107b、光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体91から情報の読み取りを行ったり記録媒体91に情報の書き込みを行う読取/書込装置108、並びに、本体制御部4と通信を行う通信部109が、適宜、インターフェイス(I/F)を介する等して接続される。
コンピュータ11には、事前に読取/書込装置108を介して記録媒体91からプログラム92が読み出され、固定ディスク105に記憶される。そして、プログラム92がRAM103にコピーされるとともにCPU101がRAM103内のプログラムに従って演算処理を実行することにより(すなわち、コンピュータがプログラムを実行することにより)、コンピュータ11が、網点生成用の後述の閾値マトリクス(SPM(Screen Pattern Memory)データとも呼ばれる。)710を色成分毎に生成するとともに、印刷の際に利用される後述の補正値を取得する演算部としての処理を行う。閾値マトリクス710および画像メモリ104に記憶されているカラーの元画像のデータは通信部109を介して本体制御部4に転送される。
図4は、印刷装置1の機能構成を示すブロック図であり、図4中の演算部5の濃度演算部51、補正値演算部52およびマトリクス生成部53がコンピュータ11により実現される機能である。また、本体制御部4は、カラーの元画像のデータを記憶する画像メモリ41、演算部5にて生成される複数の色成分の閾値マトリクス710をそれぞれ記憶するメモリである複数のマトリクス記憶部42(SPM(Screen Pattern Memory)とも呼ばれる。)、元画像と閾値マトリクス710とを色成分毎に比較する比較器43(ハーフトーン化回路)、印刷用紙9のヘッド21に対する移動に同期してヘッド21の複数の吐出口231からのインクの吐出を制御する吐出制御部44、および、画像メモリ41中の元画像の各画素の画素値を補正する補正部45を備える。
次に、印刷装置1が画像を印刷する動作について図5を参照しつつ説明する。印刷装置1が印刷用紙9上に画像を印刷する際には、まず、事前準備として所定の印刷前処理が行われる(ステップS11)。実際には、当該印刷前処理により、図4のマトリクス記憶部42に閾値マトリクス710が色成分毎に記憶されるとともに、補正値演算部52にて元画像の補正に用いる複数の補正値が色成分毎に取得されて記憶される。なお、印刷前処理は、例えば、印刷装置1の使用における定期的なキャリブレーション等として行われる処理であり、詳細については印刷動作の全体説明後に述べる。
続いて、コンピュータ11から本体制御部4の画像メモリ41にカラーの元画像が入力されて記憶される(ステップS12)。図6は、カラーの元画像の一の色成分である元画像70および一の色成分の閾値マトリクス710を抽象的に示す図である。元画像70および閾値マトリクス710のそれぞれでは、走査方向に対応する列方向(図6中にてy方向として示す。)、および、幅方向に対応する行方向(図6中にてx方向として示す。)に複数の画素または複数の要素が配列されている。以下の説明では、特に言及する場合を除き、元画像は0〜255までの階調レベルにて表現されるものとする。
元画像70が画像メモリ41にて記憶されると、補正値演算部52にて記憶される複数の補正値が補正部45へと出力され、画像メモリ41中の元画像70のブラック、シアンおよびマゼンタのそれぞれの成分の各画素値が補正される(ステップS13a,S13b,S13c)。このとき、元画像70中の行方向の各位置に対して色成分毎に1つの補正値が対応付けられており、補正部45では、元画像70の各画素において、各色成分の画素値に当該色成分の対応する補正値を乗ずることにより、画像メモリ41中の元画像70の全ての画素の値が色成分毎に補正される。なお、後述するように、閾値マトリクスの要素値が補正される場合もあるため、図5のステップS13a,S13b,S13cでは、双方の処理の内容を含めて示している。
元画像70が補正されると、元画像70を色成分毎に閾値マトリクス710と比較することにより、元画像70を表現するカラーの網点画像が生成される。ここで、元画像70の網点化について概念的に説明する。元画像70の網点化の際には、図6に示すように元画像70を同一の大きさの多数の領域に分割して網点化の単位となる繰り返し領域71が設定される。各マトリクス記憶部42は1つの繰り返し領域71に相当する記憶領域を有し、この記憶領域の各アドレス(座標)に要素値が設定されることにより閾値マトリクス710を記憶している。そして、概念的には元画像70の各繰り返し領域71と各色成分の閾値マトリクス710とを重ね合わせ、繰り返し領域71の各画素の当該色成分の画素値と閾値マトリクス710の対応する要素値とが比較されることにより、印刷用紙9上のその画素の位置に描画(当該色のドットの形成)を行うか否かが決定される。
実際には、図4の比較器43が有するアドレス発生器からのアドレス信号に基づいて画像メモリ41から元画像の1つの画素の画素値が色成分毎に読み出される。一方、アドレス発生器では元画像中の当該画素に相当する繰り返し領域中の位置を示すアドレス信号も生成され、各色成分の閾値マトリクス710における1つの要素値が特定されてマトリクス記憶部42から読み出される。そして、画像メモリ41からの画素値とマトリクス記憶部42からの要素値とが比較器43にて色成分毎に比較されることにより、各色成分の2値の出力画像におけるその画素の位置(アドレス)の画素値が決定される。したがって、一の色成分に着目した場合に、図6に示す元画像70において、画素値が閾値マトリクス710の対応する要素値よりも大きい位置には、例えば、画素値「1」が付与され(すなわち、ドットが置かれ)、残りの画素には画素値「0」が付与され(すなわち、ドットは置かれず)、2値の出力画像が当該色成分の網点画像として生成される。
図1の印刷装置1では、上記網点化処理に並行してヘッド移動機構22を駆動することによりヘッド21が退避位置からX方向の所定の印刷位置へと移動する。そして、元画像70において最初に印刷される部分(例えば、最も(+y)側の複数の繰り返し領域71)の網点画像(の部分)が各色に対して生成されると、本体制御部4が、紙送り機構3を駆動することにより印刷用紙9の走査方向への連続的な移動が開始され、上記網点化処理(網点画像の生成処理)に並行して、印刷用紙9のヘッド21に対する移動に同期しつつ各モジュール23に含まれる複数の吐出口231からのインクの吐出が吐出制御部44により制御される。
ここで、網点画像は印刷用紙9上に印刷される画像であるため、網点画像の複数の画素は印刷用紙9上に配列して設定されていると捉えられる。また、各色成分の網点画像の行方向の複数の位置は、当該色成分のモジュール23の複数の吐出口231に1対1にて対応付けられている。したがって、吐出制御部44では印刷用紙9のヘッド21に対する移動に同期して、各吐出口231の印刷用紙9上の吐出位置に対応する網点画像の画素値が「1」である場合には当該吐出位置にドットが形成され、網点画像の画素値が「0」である場合には当該吐出位置にはドットは形成されない。このようにして、ブラック、シアン、マゼンタのそれぞれに関して、複数の吐出口231にそれぞれ対応する印刷用紙9上の複数の吐出位置を走査方向に印刷用紙9に対して相対的に移動しつつ、複数の吐出口231の印刷用紙9上の吐出位置における元画像70の画素値(正確には、補正後の画素値)と閾値マトリクス710の対応する要素値との比較結果に従って、複数の吐出口231からのインクの吐出が制御される。
印刷装置1では、ブラックの網点画像を生成しつつ当該網点画像を印刷用紙9上に記録する動作(ステップS14a)、シアンの網点画像を生成しつつ当該網点画像を印刷用紙9上に記録する動作(ステップS14b)、および、マゼンタの網点画像を生成しつつ当該網点画像を印刷用紙9上に記録する動作(ステップS14c)が並行して行われ、印刷用紙9上にカラーの元画像を表現するカラーの網点画像が印刷される。印刷用紙9上に網点画像の全体が印刷されると、印刷用紙9の走査方向への移動が停止されるとともに、ヘッド移動機構22がヘッド21を退避位置へと移動し、印刷装置1における印刷動作が終了する。
次に、印刷装置1における印刷動作の事前準備として行われる印刷前処理について図7を参照しつつ説明する。印刷前処理では、まず、コンピュータ11にて記憶されるブラック、シアン、マゼンタの閾値マトリクス710が本体制御部4へと出力され、それぞれ対応するマトリクス記憶部42に記憶されて準備される(ステップS21a,S21b,S21c)。なお、印刷装置1にて用いられるブラック、シアン、マゼンタの閾値マトリクス710を生成する手法およびその特徴については、印刷前処理の説明後に詳述する。
マトリクス記憶部42にて閾値マトリクス710が記憶されると、図1のヘッド21を印刷位置へと移動し、一様な階調レベルの画像をブラックの閾値マトリクス710を用いて網点化することにより、印刷用紙9上にブラックの所定のチェックパターンが印刷され、シアンの閾値マトリクス710を用いて網点化することによりシアンのチェックパターンが印刷され、マゼンタの閾値マトリクス710を用いて網点化することによりマゼンタのチェックパターンが印刷される。
図8は印刷用紙9上に印刷されるブラックのチェックパターンを抽象的に示す図である。印刷用紙9上においてY方向に並んで形成されるブラック、シアン、マゼンタのそれぞれのチェックパターンは、幅方向に関して印刷用紙9の印刷領域のほぼ全体に亘って伸びる線状となっており、既述のように、一様な階調レベルの画像を閾値マトリクス710を用いて網点化した画像(例えば、網点面積率が75%や100%に相当する濃度の平網画像)として、対応するモジュール23に含まれる全ての吐出口231を用いて形成される。
印刷用紙9上のチェックパターンは、ラインセンサ24の下方へと移動し、その後、ヘッド移動機構22によりヘッド21を(+X)方向に移動することにより、走査方向に並べられたラインセンサ24の複数の受光素子にて各チェックパターンが幅方向の全体に亘って読み取られる。以下の説明では、一の色のチェックパターンのみに注目するが、他の色のチェックパターンについても同様の処理が行われる。
ラインセンサ24によりチェックパターンの画像データが取得されると、図4の演算部5の濃度演算部51では、チェックパターンを示す画像の幅方向(に対応する方向)の各位置における画素値の平均値(すなわち、走査方向(に対応する方向)に並ぶ画素群である走査ラインの平均濃度)が、チェックパターンの当該位置の印刷濃度として求められる。図9は、チェックパターンの幅方向の各位置における印刷濃度を示す図である。ここでは、チェックパターンを示す画像は0〜255までの階調レベルにて表現されるものとする。
続いて、補正値演算部52では、幅方向の複数の位置における印刷濃度の平均値をHAVE、標準偏差をσ、幅方向の各位置における印刷濃度をHとして、幅方向の当該位置に対する補正値Coeffが数1により求められる。ただし、数1においてaは正の定数とされる。
Figure 0004707636
例えば、印刷濃度の平均値が192であり、標準偏差が1.5である場合に、印刷濃度が198となる(すなわち、印刷濃度が平均値よりも高くなる)図9中の位置β1では、数1により求められる補正値Coeffは1よりも小さくなる。既述のように、印刷用紙9上の幅方向は元画像70の行方向に対応し、図5のステップS13a〜S13cでは、元画像70の各画素の画素値に当該画素に対応する幅方向の位置の補正値が乗じられるため、位置β1に対応する元画像の画素群(列方向に並ぶ複数の画素)に対して画素値が小さくなるような補正が施されることとなる。また、印刷濃度が180となる(すなわち、印刷濃度が平均値よりも低くなる)図9中の位置β2では、数1により求められる補正値Coeffは1よりも大きくなるため、元画像70において位置β2に対応する行方向の位置の画素群に対して画素値が大きくなるような補正が施されることとなる。これにより、元画像70に対して実質的にシェーディング補正が施されることとなり、上記ステップS14a〜S14cにて印刷用紙9上に記録される網点画像において、ヘッド21の吐出口231のばらつき等に起因して走査方向に伸びるスジムラが発生することが防止される。
以上のように、印刷装置1では、ブラック、シアン、マゼンタのそれぞれのチェックパターンが印刷され、濃度演算部51、補正値演算部52およびラインセンサ24が補正値取得部として協働することにより、印刷濃度を測定してブラック、シアン、マゼンタのそれぞれの複数の補正値が取得され(ステップS22a,S22b,S22c)、各色成分の補正値は補正値演算部52にて記憶されて印刷前処理が完了する。
次に、印刷装置1にて用いられる閾値マトリクスを生成する手法について図10を参照しつつ説明する。ここでは、まず、ブラックの閾値マトリクスの生成について説明し、その後、シアンおよびマゼンタの閾値マトリクスの生成について説明する。
マトリクス生成部53では、まず、ブラックの閾値マトリクスを記憶する領域であって、走査方向に対応する列方向および幅方向に対応する行方向にて規定されるマトリクス領域が設定され、マトリクス領域に網点が形成される領域の単位となる網点セルの中心(いわゆるシード(seed)であり、以下、「セルセンタ」という。)が規則的に配列される。このとき、元画像におけるハイライト側の階調レベル(ここで、階調レベルは、画素の値が一様な元画像を網点化する場合における当該値の大きさに相当する。)の変化に対してドット状の網点領域が変化するハイライト側網点セルと、シャドウ側の階調レベルの変化に対して網目状の網点領域が変化する(すなわち、白いドット状の領域が変化する)シャドウ側網点セルとが設けられる予定となっており、図11に示すようにマトリクス領域720には複数のハイライト側セルセンタ731および複数のシャドウ側セルセンタ741が行方向(図11中にてx方向として示す。)および列方向(図11中にてy方向として示す。)に同じピッチにて規則的に配列される。
続いて、セルセンタ731,741よりも十分に少ない数の制御点751が所定の手法によりマトリクス領域720にランダムかつおよそ均一に分布して設定される。このとき、マトリクス領域720が図6に示す繰り返し領域71に対応することから、各制御点751も上下左右に繰り返し存在するものとして扱われる。そして、複数のハイライト側セルセンタ731および複数のシャドウ側セルセンタ741に含まれる各セルセンタに対してマトリクス領域720の繰り返しを考慮して最寄りの制御点751が特定される。図11では、破線にて仕切られた各領域に含まれる各セルセンタ731,741に対して、同じ領域に含まれる制御点751が最寄りのものとして特定されたことを示しており、各領域はこの領域に含まれる制御点751の縄張りと捉えることもできる。
マトリクス生成部53では、各セルセンタ731,741と(マトリクス領域720の繰り返しを考慮した)最寄りの制御点751との間の距離が求められる。そして、所定の演算により、各セルセンタ731,741に対する回転角度が求められ、各セルセンタ731,741が最寄りの制御点751を中心に同じ回転方向に回転され、セルセンタ731,741の配置にゆらぎが与えられる。このとき、各セルセンタ731,741に対する回転角度は、各セルセンタ731,741と最寄りの制御点751との間の距離が長くなるほど小さくされる。図11中の左上および左下の領域では、制御点751から離れるほど矢印62の長さを短くすることにより、各セルセンタ731,741に対する回転角度が最寄りの制御点751との間の距離が長いほど小さいことを表現している。また、右上の領域では制御点751から離れるほど回転角度が小さくされることを矢印63により概念的に示している。
続いて、マトリクス領域720において複数のハイライト側セルセンタ731および複数のシャドウ側セルセンタ741の分布の均一性が、必要に応じてボロノイ領域分割および分割領域の重心へのセルセンタの移動を利用して高められる。以上の処理により、マトリクス領域720にほぼランダムかつおよそ均一なブラック用のセルセンタ731,741の設定が完了する(ステップS31)。セルセンタ731の間隔およびセルセンタ741の間隔はそれぞれほぼ等方性を有し、セルセンタ731の間にセルセンタ741が配置されている。
およそ均一に分布したセルセンタ731,741が設定されると、次に、各セルセンタ731,741を中心として、マトリクス領域720に網点生成の単位となる網点セルの設定が行われる(ステップS32)。図12は各セルセンタ731,741を中心に多角形の網点セル73,74が設定された様子を例示する図であり、ハイライト側網点セル73はハイライト側セルセンタ731に対応し、シャドウ側網点セル74はシャドウ側セルセンタ741に対応する。網点セル73,74はマトリクス領域720内において上下左右のマトリクス領域720の繰り返しを考慮して設定される。
このような網点セルの設定は、例えば、次のようにして行われる。まず、マトリクス領域720内のある位置がいずれのセルセンタ731,741に属するかを決定するために、各セルセンタ731,741との間の距離の2乗が評価値として求められる。ただし、一のセルセンタ731,741(以下、「注目セルセンタ」という。)に関する評価値の算出に際して、マトリクス領域720の上下左右への繰り返しを考慮した複数の注目セルセンタのうち、注目している位置に最も近いものが評価値算出の対象として選択される。そして、評価値が最小となるセルセンタ731,741にこの位置が属すると決定される。上記演算を全ての位置について行うことにより、マトリクス領域720が各セルセンタ731,741を中心とする網点セル73,74に分割され、図12に示すようにマトリクス領域720に複数の網点セル73,74が不規則な形状にてランダムに設定される。
網点セル73,74の設定が終了すると、続いて、各網点セル73,74内の全ての位置に対して、その位置が含まれる網点セル73,74のセルセンタ731,741からの距離が第1段階の評価値として求められる。そして、網点セル73,74内の全ての位置に第1段階の評価値の小さいものから順に1ずつ増加する整数の番号が割り当てられ、網点セル73,74を構成する位置の総数で番号を除算することにより網点セルの大きさで正規化された第2段階の評価値(0.0〜1.0の値となる。)が改めて割り当てられる。これにより、セルセンタ731,741に近い位置ほど小さい評価値が割り当てられることとなる。
次に、シャドウ側網点セル74に対して、第2段階の評価値が2から減算した値へと変更される。これにより、シャドウ側網点セル74内の各位置には2.0〜1.0の値をとる評価値が与えられ、シャドウ側セルセンタ741に近い位置ほど第2段階の評価値が大きくなる。その結果、全ての網点セルの各位置には0〜2.0の値をとる正規化された第2段階の評価値が割り当てられる(ステップS33)。そして、マトリクス領域720内の全ての位置に対して第2段階の評価値の小さいものから順に1ずつ増加する整数の番号が割り当てられ、これにより、マトリクス領域720の各位置に、元画像の階調レベルの増加に従ってこの位置に対応する網点画像中の画素を網点領域に含める順番が設定される。順番が設定されたマトリクス領域720において、元画像の階調数がNである場合には、0〜(N−1)の範囲に変換された順番が閾値として各位置に割り当てられる(ステップS34)。
図12に示すマトリクス領域720中の網点セル73,74では元画像の階調レベルの変化に伴って網点セル73,74に形成される網点領域の大きさの変化も例示しており、上記閾値の設定により、ハイライト側網点セル73では線73a〜73cにて示すように元画像のハイライト側の階調レベルの増加に伴って網点画像においてセルセンタ731から周縁部に向かってドット状の網点領域が成長し、やがてドット間が接続されて網目状となり、さらに、シャドウ側網点セル74において線74a〜74cにて示すようにシャドウ側の階調レベルの増加に伴って周縁部からセルセンタ741に向かって網点領域が成長する(白いドット状の領域が縮退する。)。
図12では各位置の第1段階の評価値がセルセンタ731,741からの距離として求められるため、線73a〜73c,74a〜74cに示す網点領域の境界は円(真円)形となっている。ただし、各網点セル73,74に関していえば、網点領域は対応する網点セル73,74の外側には広がらないため、マトリクス領域720では階調レベルの変化に伴って網点セル73,74の形状に従いつつ網点領域が変化することとなる。
次に、シアンの閾値マトリクスの生成について説明する。マトリクス生成部53において行方向および列方向にて規定されるシアン用のマトリクス領域が設定されると、図13に示すように、それぞれが互いに垂直、かつ、行方向(x方向)および列方向(y方向)のそれぞれと45度をなす2つの方向D1(第1の方向),D2(第2の方向)に、ハイライト側のセルセンタ731とシャドウ側のセルセンタ741とが交互に配列される。このとき、図13中に矢印D2にて示す右上方向(水平右方向から反時計周りに45°の方向)に関しては矢印D1にて示す左上方向(水平右方向から反時計周りに135°の方向)よりも短い間隔にてセルセンタ731,741が配置される。
続いて、ブラックの場合と同様に、セルセンタ731およびセルセンタ741の数よりも十分に少ない数の制御点751(図11参照)がマトリクス領域720にランダムかつおよそ均一に設定され、各セルセンタに対してマトリクス領域720の繰り返しを考慮して最寄りの制御点751が特定される。各セルセンタ731,741は最寄りの制御点751を中心に同じ回転方向に回転され、各セルセンタ731,741に対する回転角度は、そのセルセンタと最寄りの制御点751との間の距離が長くなるほど小さくされる。以上の処理により、マトリクス領域720にほぼランダムかつおよそ均一であり、さらに、複数のセルセンタ731,741の間隔の平均が方向D2に関して最も小さくなり、方向D2に垂直な方向D1に関して最も大きくなるように、セルセンタ731,741が配置される(ステップS31)。実際には、マトリクス領域720に閾値マトリクスを生成する際の基準点となる複数のハイライト側のセルセンタ731および複数のシャドウ側のセルセンタ741は共にブラックの場合よりも高い密度にてほぼランダムに配置されている。
方向性を有しつつおよそ均一に分布したセルセンタ731,741が設定されると、ブラックの場合と同様の方法にて、各セルセンタ731,741を基準(中心)として網点セル73,74の設定が行われる(ステップS32)。基準点であるセルセンタ731,741は、方向D2に関しては方向D1よりも密に配置されていることから、図14に示すようにハイライト側およびシャドウ側の網点セル73,74は、方向D2に関して潰れた、換言すれば、方向D1に関して引き延ばされた形状となる。
続いて、各網点セル73,74内の全ての位置に対して、その位置が含まれる網点セル73,74のセルセンタ731,741からの距離(ベクトル)を方向D2に関して2倍したものが第1段階の評価値として求められる。そして、網点セル73,74内の全ての位置に第1段階の評価値の小さいものから順に1ずつ増加する整数の番号が割り当てられ、網点セル73,74を構成する位置の総数で番号を除算することにより網点セルの大きさで正規化された第2段階の評価値(0.0〜1.0の値となる。)が改めて割り当てられる。これにより、図14に示すように、およそ等しい第2段階の評価値がセルセンタ731,741から楕円状に存在するとともにセルセンタ731,741に近い位置ほど小さい評価値が割り当てられることとなる。
次に、シャドウ側網点セル74に対して、第2段階の評価値が2から減算した値へと変更され、全ての網点セルの各位置に0〜2.0の値をとる正規化された第2段階の評価値が割り当てられる(ステップS33)。そして、マトリクス領域720内の全ての位置に対して第2段階の評価値の小さいものから順に1ずつ増加する整数の番号が割り当てられ、その後、元画像の階調数Nに合わせて0〜(N−1)の範囲に変換された順番が閾値として各位置に割り当てられる(ステップS34)。
図12と同様に図14においても元画像の階調レベルの変化に伴って網点セル73,74に形成される網点領域の大きさの変化も例示しており、上記閾値の設定により、ハイライト側網点セル73では線73a〜73cにて示すように元画像のハイライト側の階調レベルの増加に伴って網点画像においてセルセンタ731から周縁部に向かって楕円のドット状にて網点領域が成長し、やがてドット間が接続されて網目状となり、さらに、シャドウ側網点セル74において線74a〜74cにて示すようにシャドウ側の階調レベルの増加に伴って周縁部からセルセンタ741に向かって網点領域が成長する(白い楕円のドット状の領域が縮退する。)。以上のようにマトリクス領域720では階調レベルの変化に伴って網点セル73,74の形状に従いつつ網点領域が変化することとなる。
次に、マゼンタ用の閾値マトリクスの生成について説明する。マトリクス生成部53において行方向および列方向にて規定されるマゼンタ用のマトリクス領域が設定されると、マゼンタ用のマトリクス領域には、図15に示すように、それぞれが互いに垂直、かつ、行方向(x方向)および列方向(y方向)のそれぞれと45度をなす2つの方向D1,D2に、ハイライト側のセルセンタ731とシャドウ側のセルセンタ741とが交互に配列され、矢印D1にて示す左上方向に関しては矢印D2にて示す右上方向よりも短い(1/2)の間隔にてセルセンタ731,741が配置され、かつ、セルセンタ731の密度はシアンの場合と同様とされる。すなわち、シアンのセルセンタを90°回転した配置にてマゼンタのセルセンタが配置される。
続いて、シアンの場合と同様に、制御点751の設定および各セルセンタ731,741の回転が行われ(図11参照)、マトリクス領域720にほぼランダムかつおよそ均一であり、さらに、複数のセルセンタ731,741の間隔の平均が、シアンの場合と異なって方向D1に関して最も小さくなり、方向D2に関して最も大きくなるように、セルセンタ731,741が配置される(ステップS31)。これにより、セルセンタ731,741の間隔は、シアンの場合とは90°異なる方向性を有し、セルセンタ731の間にセルセンタ741が配置され、かつ、それぞれの密度はシアンの場合と同じとされる。
方向性を有しつつおよそ均一に分布したセルセンタ731,741が設定されると、シアンの場合と同様の方法にて、各セルセンタ731,741を基準(中心)として網点セル73,74の設定が行われる(ステップS32)。基準点であるセルセンタ731,741は、方向D1に関しては方向D2よりも密に配置されていることから、ハイライト側およびシャドウ側の網点セル73,74は、方向D1に関して潰れた、換言すれば、方向D2に関して引き延ばされた形状となる。
続いて、各網点セル73,74内の全ての位置に対して、その位置が含まれる網点セル73,74のセルセンタ731,741からの距離(ベクトル)を方向D1に関して2倍したものが第1段階の評価値として求められ、さらに正規化することにより、第2段階の評価値(0.0〜1.0の値となる。)が割り当てられる。これにより、図14の左右を反転した場合のように、およそ等しい第2段階の評価値がセルセンタ731,741から楕円状に存在するとともにセルセンタ731,741に近い位置ほど小さい評価値が割り当てられることとなる。
次に、シャドウ側網点セル74に対して、第2段階の評価値が2から減算した値へと変更されて正規化された第2段階の評価値が割り当てられ(ステップS33)、マトリクス領域720内の全ての位置に対して、第2段階の評価値が元画像の階調数Nに合わせて0〜(N−1)の範囲に変換された順番が閾値として各位置に割り当てられる(ステップS34)。
上記閾値の設定により、ハイライト側網点セル73では元画像のハイライト側の階調レベルの増加に伴って網点画像においてセルセンタ731から周縁部に向かって楕円のドット状にて網点領域が成長し、やがてドット間が接続されて網目状となり、さらに、シャドウ側網点セル74においてシャドウ側の階調レベルの増加に伴って周縁部からセルセンタ741に向かって網点領域が成長する(白い楕円のドット状の領域が縮退する。)。以上のようにマトリクス領域720では階調レベルの変化に伴って網点セル73,74の形状に従いつつ網点領域が変化することとなる。
図16および図17は、シアンおよびマゼンタの閾値マトリクスを用いて生成された階調レベルが一様に30%である平網画像を例示する図である。図16に示すように、シアンの平網画像では、ドット状の領域が左上方向(方向D1)に延ばされた形状となり、図17に示すようにマゼンタの平網画像ではドット状の領域が右上方向(方向D2)に延ばされた形状となる。すなわち、シアンにおける複数のセルセンタ731の密度と、マゼンタにおける複数のセルセンタ731の密度とがほぼ等しく、シアンにおける複数のセルセンタ731の間隔が方向D1に関して最も大きく、階調レベルの増加に伴うシアンの複数のドット状の領域の成長が方向D1に関して最も大きく、マゼンタの複数のセルセンタ731の間隔が方向D2に関して最も大きく、階調レベルの増加に伴うマゼンタの複数のドット状の領域の成長が方向D2に関して最も大きくなる。なお、図示を省略しているが、ブラックの複数のセルセンタ731の間隔はほぼ等方性を有し、網点密度はシアンおよびマゼンタよりも小さく(例えば、0.7倍)され、階調レベルの増加に伴う複数のドット状の領域の成長もほぼ等方性を有する。
以上の処理によりブラック、シアンおよびマゼンタの閾値マトリクスが生成されると、図4のマトリクス記憶部42への閾値マトリクスの設定が行われ(図7:ステップS21a〜S21c)、印刷前処理および実際の画像の印刷に利用される(図7:ステップS22a〜S22c、図5:ステップS12,S13a〜S13c,S14a〜S14c)。
次に、上記の閾値マトリクスを用いて生成される網点画像の特徴について説明する。図18中の符号761はシアンの網点画像の空間周波数特性(スペクトル)を示し、符号762はマゼンタの網点画像の空間周波数特性を示す。既述のように、シアンの閾値マトリクスではセルセンタ731,741が方向D2に関して小さい間隔で配置され、方向D1に関して大きい間隔で配置されることから、周波数空間では周期性を示す高い値が方向D2に長い楕円リング状の領域761に分布する。また、マゼンタの閾値マトリクスではセルセンタ731,741が方向D1に関して小さい間隔で配置され、方向D2に関して大きい間隔で配置されることから、周波数空間では周期性を示す高い値が方向D1に長い楕円リング状の領域762に分布する。
その結果、シアンの網点画像とマゼンタの網点画像とにおいて周期性が近似する方向が、領域761と領域762との交差部分に限定され、2つの網点画像を重ね合わせた画像にザラツキ感を生じさせる目障りな低周波ムラの発生が抑制される。なお、ブラックの網点画像は低い網線数にてほぼ等方性を有するため、図18にて破線763にて示すように小さい円環状に周波数特性が現れる。部分的には周波数特性がシアンまたはマゼンタと近似する方向が存在するがこのような方向は限定的であるため、ブラックとシアンとを重ねた場合、および、ブラックとマゼンタとを重ねた場合のいずれにおいても重ね合わせ後の画像にザラツキ感が生じることが抑制される。
次に、シアン(およびマゼンタ)の閾値マトリクスと、印刷濃度に基づく元画像の補正との関係について述べる。図19は、比較例に係るシアンの閾値マトリクスを用いて生成された所定の階調レベルのチェックパターンを抽象的に示す図である。比較例のシアンの閾値マトリクスでは、複数のセルセンタの間隔の平均が行方向(x方向)に関して最も小さくなり、列方向(y方向)に関して最も大きくなるように、セルセンタが配置されていることにより、図19のチェックパターンでは、ドット状の領域が列方向に延ばされた形状となってスジムラが目立ち易くなっている。したがって、このチェックパターンの幅方向における複数の印刷濃度に基づいて元画像の対応する画素値の補正を行うと、スジムラの位置における補正値が大きくなり、元画像の画素値の補正の程度が大きくなってしまう。実際には、元画像の画素値の補正の程度が大きくなるほど、生成される網点画像における元画像の再現性は劣化するため、補正の程度はできるだけ小さい方が好ましい。
これに対し、図10に示す処理にて生成されたシアンの閾値マトリクスは、既述のように、複数のセルセンタ731,741の間隔の平均が方向D1に関して最も大きくなり、方向D1に垂直な方向D2に関して最も小さくなるように、セルセンタ731,741が配置されていることにより、この閾値マトリクスを用いて生成された所定の階調レベルのチェックパターンでは、図20に示すように、ドット状の領域が列方向に対して半時計周りに45度だけ傾斜した方向D1に延ばされた形状となる。したがって、図20のチェックパターンではスジムラが目立ちにくくなり、元画像の画素値の補正の程度は比較例の閾値マトリクスの場合に比べて小さくなる。その結果、印刷装置1では、元画像の補正の程度を抑えて、網点画像の劣化を抑制することが可能となる(マゼンタにおいて同様)。なお、ブラックについては、既述のように、網点画像におけるドット状の領域の密度を低くする(すなわち、網線数を少なくして網点画像を粗くする)ことによって、印刷された網点画像中のスジムラの発生がある程度抑制されている。
また、仮に、AMスクリーニングのように網点画像においてドット状の領域が周期的に配列される場合、チェックパターン中のドット状の領域の周期と、ラインセンサの読み取り位置の周期とが干渉して、低周波のビートムラを含む画像データが取得されてしまう。このような画像データに基づいて元画像の各画素値を補正すると、生成される網点画像にてビートムラが生じてしまう。これに対し、印刷装置1にて用いられる閾値マトリクスでは、複数のセルセンタ731,741がランダムに配置されることにより、印刷濃度に基づく補正に起因して網点画像にビートムラが生じることを防止することができる。
以上に説明したように、印刷装置1にて生成されるカラーの網点画像では、シアンのセルセンタ731,741の間隔が大きくされる方向と、マゼンタのセルセンタ731,741の間隔が大きくされる方向とが互いに異なり、かつ、双方の方向がヘッド21の走査方向に対応する列方向に対して傾斜することにより、シアンの網点画像とマゼンタの網点画像とを重ね合わせた画像に生じるザラツキ感を抑制するとともに、印刷濃度に基づいて元画像の画素値を補正する際の補正の程度を小さくして、スジムラの発生を防止しつつ網点画像の劣化を抑制することが可能となる。さらに、シアンおよびマゼンタのそれぞれにおいて、セルセンタ731,741がランダムに配置されることにより、印刷濃度に基づく補正に起因するビートムラの発生も防止される。
ところで、上記のシアンおよびマゼンタの閾値マトリクスでは、シアンのセルセンタ731,741の間隔が大きくされる方向と、マゼンタのセルセンタ731,741の間隔が大きくされる方向とのなす角が90度とされ、これらの方向のそれぞれと列方向とのなす角が45度とされるが、シアンおよびマゼンタにおいて複数のセルセンタの間隔の平均が最も大きくなる方向が、列方向に対して半時計回りに15度および時計回りに15度だけそれぞれ傾くように、セルセンタが配置されてもよい。この場合、シアンの閾値マトリクスを用いて生成された所定の階調レベルのチェックパターンでは、図21に抽象的に示すように、ドット状の領域が列方向に対して半時計回りに15度だけ傾斜した方向に延ばされた形状となり、印刷濃度に基づいて元画像の画素値を補正する際の補正の程度をある程度小さくして、スジムラの発生を防止しつつ網点画像の劣化を抑制することが可能となる(マゼンタにおいて同様)。また、一般的に、ドット状の領域の形状が延ばされる方向が互いに30度以上異なっていれば、2つの色成分を有する網点画像においてザラツキ感は抑制される。
以上のように、印刷濃度に基づいて元画像の画素値を補正する際の補正の程度を小さくしつつ、網点画像におけるザラツキ感を確実に少なくするには、シアンのセルセンタの間隔が最も大きくなる第1の方向、および、マゼンタのセルセンタの間隔が最も大きくなる第2の方向のそれぞれと列方向とのなす角が15度以上(より好ましくは、45度)であり、第1の方向と第2の方向とのなす角が30度以上(より好ましくは、90度)であることが好ましい(後述の、閾値マトリクスを補正する場合も同様)。ここでは、2つの方向のなす角が取り得る範囲を0〜90度と捉えているが、仮に、2つの方向のなす角が取り得る範囲を0〜180度と捉える場合には、シアンのセルセンタの間隔が最も大きくなる第1の方向、および、マゼンタのセルセンタの間隔が最も大きくなる第2の方向のそれぞれと列方向とのなす角が15度以上かつ165度以下であり、第1の方向と第2の方向とのなす角が30度以上かつ150度以下であることが好ましい。
なお、シアンおよびマゼンタにおいて複数のセルセンタの間隔が最も大きくなる方向が、行方向に沿うようにセルセンタが配置される場合、所定の階調レベルのチェックパターンは、図22に抽象的に示すように、ドット状の領域が行方向に延ばされた形状となり、印刷濃度に基づいて元画像の画素値を補正する際の補正の程度をさらに小さくすることができるが、この場合、ドット状の領域の形状が延ばされる方向がシアンおよびマゼンタにおいて同方向となるため、網点画像におけるザラツキ感を少なくするという観点では、このようなセルセンタの配置は好ましくない。
次に、印刷装置1の他の例について説明する。図23は、他の例に係る印刷装置1の図4中の本体制御部4に対応する機能のみを示すブロック図である。図23の本体制御部4aでは、図4のマトリクス記憶部42に代えて基礎マトリクス記憶部42aおよび展開マトリクス記憶部42bが設けられ、展開マトリクス記憶部42bが補正部45および比較器43に接続される。なお、図23では、一の色成分に対する基礎マトリクス記憶部42aおよび展開マトリクス記憶部42bを図示しているが、これらの構成要素は、実際には複数の色成分のそれぞれに対して設けられる(後述の図24および図25の本体制御部4b,4cにおいて同様)。
図23の機能構成を有する印刷装置1における印刷動作では、印刷濃度に基づいて閾値マトリクスが補正される。具体的には、まず、印刷前処理において、基礎マトリクス記憶部42aにて閾値マトリクス(後述するように、この閾値マトリクスは実際の網点化にて利用される閾値マトリクスの基礎となるものであるため、以下、「基礎閾値マトリクス」という。後述の図25の本体制御部4cに係る動作例において同様。)が記憶されると、図6のx方向(行方向)に並ぶ複数の繰り返し領域71と同様に、各色成分の基礎閾値マトリクスが行方向に繰り返し並べられる(タイリングされる)ことにより、行方向に関して元画像と同じサイズとなる展開マトリクスが展開マトリクス記憶部42bにて記憶されて準備される(図7:ステップS21a,S21b,S21c)。図23の本体制御部4aでは、展開マトリクスが実際の網点化に利用されるものであるため、本動作例の説明では、展開マトリクスを閾値マトリクスと呼ぶ。
続いて、閾値マトリクスを用いて印刷用紙9上に各色の所定のチェックパターンが印刷され、ラインセンサ24により各チェックパターンが幅方向の全体に亘って読み取られ、チェックパターンを示す画像に基づいてチェックパターンの幅方向の各位置における印刷濃度が取得される。補正値演算部52では(図4参照)、幅方向の複数の位置における印刷濃度の平均値をHAVE、標準偏差をσ、幅方向の各位置における印刷濃度をHとして、幅方向の当該位置に対する補正値Coeffが数2により求められる。ただし、数2においてaは正の定数とされる。
Figure 0004707636
例えば、印刷濃度の平均値が192であり、標準偏差が1.5である場合に、印刷濃度が198となる(すなわち、印刷濃度が平均値よりも高くなる)幅方向の位置では、数2により求められる補正値Coeffは1よりも大きくなる。また、印刷濃度が平均値よりも低くなる幅方向の位置では、数2により求められる補正値Coeffは1よりも小さくなる。以上のように、印刷装置1では、ブラック、シアン、マゼンタのそれぞれのチェックパターンを印刷し、印刷濃度を測定することにより、ブラック、シアン、マゼンタのそれぞれの複数の補正値が取得され(ステップS22a,S22b,S22c)、各色成分の補正値は補正値演算部52にて記憶されて印刷前処理が完了する。
印刷前処理が完了すると(図5:ステップS11)、画像メモリ41にカラーの元画像が入力される(ステップS12)。続いて、補正値演算部52にて記憶される複数の補正値が補正部45へと出力され、各色成分に関して、展開マトリクス記憶部42bの閾値マトリクスの各要素値に当該要素値に対応する幅方向の位置の補正値を乗ずることにより、展開マトリクス記憶部42b中の閾値マトリクスの全ての要素値が補正される(ステップS13a,S13b,S13c)。そして、元画像の各画素値を補正後の閾値マトリクスの対応する要素値と比較することにより、元画像を表現する網点画像が順次生成されるとともに、生成された網点画像の部分が印刷用紙9上に印刷される(ステップS14a,S14b,S14c)。
このとき、チェックパターンにおいて印刷濃度が平均値よりも大きくなっている幅方向の位置では、画像を印刷する際に幅方向の当該位置の濃度を下げる必要があるが、閾値マトリクスでは幅方向の当該位置に対応する各要素値が元の要素値よりも大きくなるように補正されているため、画像の印刷時において印刷用紙9上の幅方向の当該位置にインクが吐出される確率は小さくなる。したがって、印刷用紙9上に実際に印刷される網点画像(印刷画像)では、行方向のこの位置の濃度が実質的に低減される。反対に、チェックパターンにおいて印刷濃度が平均値よりも小さくなっている幅方向の位置では、閾値マトリクスの対応する各要素値が元の要素値よりも小さくなるように補正されているため、網点画像では、行方向のこの位置の濃度が実質的に増大される。
以上のように、図23の機能構成を有する印刷装置1では、各色成分において、行方向に関して元画像と同じサイズとなる閾値マトリクスが準備され、閾値マトリクスの各要素値が補正値を用いて予め補正されることにより、印刷用紙9上に記録される網点画像において、ヘッド21の吐出口231のばらつき等に起因して走査方向に伸びるスジムラが発生することが防止される。また、閾値マトリクスが図10の処理にて生成される上記の基礎マトリクスから導かれることにより、カラーの網点画像においてビートムラの発生を防止しつつ、ザラツキ感を少なくすることができる。なお、補正後の閾値マトリクスは他の元画像の印刷にも利用可能であり、この場合、他の元画像の印刷時には図5のステップS13a〜S13cの処理は省略される(後述の図25の印刷装置において同様)。
次に、印刷装置1のさらに他の例について説明する。図24は、さらに他の例に係る印刷装置1の図4中の本体制御部4に対応する機能のみを示すブロック図である。図24の本体制御部4bでは補正部45が省略され、補正値演算部52が比較器43に接続される。
図24の機能構成を有する印刷装置1における印刷動作では、各色成分において、図5のステップS13a〜S13cにおける元画像の各画素値を補正する動作と、ステップS14a〜S14cにおける網点画像を生成しつつ印刷を行う動作とが部分的に並行して行われる。具体的には、画像メモリ41にカラーの元画像が入力されると(ステップS12)、各色成分において、元画像の各画素値、閾値マトリクスの対応する要素値、および、対応する補正値が、画像メモリ41、マトリクス記憶部42および補正値演算部52から比較器43にそれぞれ入力される。比較器43では、元画像の画素値および補正値を用いてこれらの値の積を特定することが可能なルックアップテーブルが予め記憶されており、入力される画素値および補正値に基づいてルックアップテーブルを参照することにより、補正後の画素値が取得される。そして、補正後の画素値と閾値マトリクスの要素値とを比較することにより、元画像を表現する網点画像が順次生成されるとともに、網点画像の生成された部分が印刷用紙9上に順次印刷される(ステップS13a〜S13c,S14a〜S14c)。
以上のように、印刷装置1では、複数の色成分のそれぞれにおいて、元画像70の各画素値を補正する動作と、網点画像を生成しつつ印刷する動作とが部分的に並行して行われる。これにより、未補正の元画像を記憶しておく必要がある場合に、補正後の元画像用に膨大なメモリ空間を準備することなく、リアルタイムにて元画像の各画素値を補正することができる。なお、印刷装置1では、元画像の各画素値を補正する動作と、網点画像を生成しつつ印刷する動作とが、元画像の所定の大きさの画素群を処理単位として並行して行われるが、これらの動作は、元画像の1つの画素を処理単位として並行して行われてもよい。すなわち、元画像の各画素値を補正する動作と、網点画像を生成しつつ印刷する動作とは少なくとも部分的に並行して行われる。
また、図24の機能構成を有する印刷装置1では、比較器43にて、閾値マトリクスの要素値および補正値を用いてこれらの値の積を特定することが可能なルックアップテーブルが予め準備されていてもよい。この場合、入力される要素値および補正値に基づいてルックアップテーブルを参照することにより、補正後の要素値が取得され、補正後の要素値と元画像の画素値とを比較することにより、元画像を表現する網点画像が生成される。
次に、印刷装置1のさらに他の例について説明する。図25は、さらに他の例に係る印刷装置1の図4中の本体制御部4に対応する機能のみを示すブロック図である。図25の本体制御部4cでは、図23の本体制御部4aの展開マトリクス記憶部42bと比較器43との間に、3つのサブマトリクス記憶部421S,421M,421Lが設けられ、補正部45はこれらのサブマトリクス記憶部421S,421M,421Lに接続される。また、ヘッド21の各吐出口231は、異なる量の微小液滴を吐出して複数サイズのドットの形成が可能とされ、ここでは、最も小さなSサイズのドット、Sサイズよりも大きなMサイズのドット、および、Mサイズよりも大きなLサイズのドットのいずれかが形成可能となっている。
本動作例において実際の印刷に用いられる閾値マトリクスは、行方向に関して元画像と同じサイズとなるものとされ、閾値マトリクスの各要素値は、Sサイズのドット形成の要否を決定するためのサブ要素値、Mサイズのドット形成の要否を決定するためのサブ要素値、および、Lサイズのドット形成の要否を決定するためのサブ要素値の集合とされる。ただし、図25の本体制御部4cでは、閾値マトリクスが、Sサイズ用のサブ要素値の2次元配列であるサブ閾値マトリクス、Mサイズ用のサブ要素値の2次元配列であるサブ閾値マトリクス、および、Lサイズ用のサブ要素値の2次元配列であるサブ閾値マトリクスに分解され、これらのサブ閾値マトリクスがサブマトリクス記憶部421S,421M,421Lにそれぞれ記憶されている。サブ閾値マトリクスにおいて互いに対応するサブ要素値はSサイズ用のサブ閾値マトリクスにて最も小さく、Lサイズ用のサブ閾値マトリクスにて最も大きくなっている。なお、サブ閾値マトリクスについては後述する。
図25の本体制御部4cを有する印刷装置1では、図23の本体制御部4aの場合と同様に、複数の色成分のそれぞれに関して、各サブ閾値マトリクスの各サブ要素値に当該要素値に対応する幅方向の位置の補正値を乗ずることにより、サブ閾値マトリクスの全てのサブ要素値が補正される(図5:ステップS13a〜S13c)。また、各色成分の網点画像を生成する際には、まず、元画像の各画素の画素値とSサイズ用のサブ閾値マトリクスの対応するサブ要素値とが比較される。実際には、1画素ずつ比較されるが、概念的には、元画像において、画素値がサブ閾値マトリクスの対応するサブ要素値よりも大きい位置の画素には、例えば、画素値「1」が付与され、残りの画素には画素値「0」が付与されて仮の出力画像が生成される。続いて、元画像の各画素の画素値とMサイズ用のサブ閾値マトリクスの対応するサブ要素値とが比較され、画素値がサブ閾値マトリクスの対応するサブ要素値よりも大きい位置の出力画像中の画素は、画素値が「2」に変更され、残りの画素の画素値はそのままとされて、仮の出力画像が更新される。そして、元画像の各画素の画素値とLサイズ用のサブ閾値マトリクスの対応するサブ要素値とが比較され、画素値がサブ閾値マトリクスの対応するサブ要素値よりも大きい位置の出力画像中の画素は、画素値が「3」に変更され、残りの画素の画素値はそのままとされて、元画像の画素値と展開マトリクスの対応する要素値との比較結果である4値の出力画像が網点画像として取得される。後述するように、出力画像における画素値「1」、「2」、「3」は、対応する吐出口231により形成される印刷用紙9上のドットのサイズを示すものであるため、実質的には、当該網点画像もドットの有無(および、ドットの大きさ)により表現されるハーフトーン画像となっている。
なお、既述のように、本動作例に係る印刷装置1では互いに対応するサブ要素値はSサイズ用のサブ閾値マトリクスにて最も小さく、Lサイズ用のサブ閾値マトリクスにて最も大きくなっている。したがって、元画像とSサイズ用のサブ閾値マトリクスとの比較において、画素値がサブ閾値マトリクスの対応するサブ要素値以下となる元画像の画素は、Mサイズ用のサブ閾値マトリクスおよびLサイズ用のサブ閾値マトリクスのそれぞれの対応するサブ要素値との比較においても必ず当該サブ要素値以下となり、画素値がMサイズ用のサブ閾値マトリクスの対応するサブ要素値以下となる元画像の画素は、Lサイズ用のサブ閾値マトリクスの対応するサブ要素値との比較においても必ず当該サブ要素値以下となるため、このような元画像中の画素については、他のサブ閾値マトリクスとの比較が省略されてもよい。
印刷装置1では、各色成分に関して、上記のようにして網点画像を生成しつつ、網点画像の生成された部分を印刷する処理が行われる(ステップS14a〜S14c)。網点画像を印刷する際には、吐出制御部44では印刷用紙9のヘッド21に対する移動に同期して、各吐出口231の印刷用紙9上の吐出位置に対応する網点画像の画素値が「1」である場合には当該吐出位置にSサイズのドットが形成され、網点画像の画素値が「2」である場合には当該吐出位置にMサイズのドットが形成され、網点画像の画素値が「3」である場合には当該吐出位置にLサイズのドットが形成され、網点画像の画素値が「0」である場合には当該吐出位置にはドットは形成されない。このようにして、印刷用紙9のヘッド21に対する移動(すなわち、複数の吐出口231にそれぞれ対応する印刷用紙9上の複数の吐出位置の走査)に同期して、複数の吐出口231の印刷用紙9に対する吐出位置における元画像の画素値と閾値マトリクスの対応する要素値との比較結果に従って、複数の吐出口231からのインクの吐出が制御され、印刷用紙9上に網点画像が印刷される。
次に、サブ閾値マトリクスの生成手法について一の色成分に着目して説明する。なお、他の色成分のサブ閾値マトリクスも同様の処理により生成される。
印刷装置1では、図23の本体制御部4aに係る動作例の場合と同様に、基礎マトリクスをタイリングすることにより行方向に関して元画像と同じサイズとなる展開マトリクスが生成され、続いて、展開マトリクスの各要素の値を2で除した商をこの要素の新たな値とするマトリクスがSサイズのドット形成用のサブ閾値マトリクスとして生成される。Sサイズのドット形成用のサブ閾値マトリクスでは、各要素の値は0ないし127のいずれかの値となる。続いて、Sサイズのドット形成用のサブ閾値マトリクスの各要素の値に元画像の256段階の階調レベルの25%の値64が加算されることにより、Mサイズのドット形成用のサブ閾値マトリクスが生成され、Sサイズのドット形成用のサブ閾値マトリクスの各要素の値に元画像の256段階の階調レベルの50%の値128が加算されることにより、Lサイズのドット形成用のサブ閾値マトリクスが生成される。Mサイズのドット形成用のサブ閾値マトリクスでは、各要素の値は64ないし191のいずれかとなり、Lサイズのドット形成用のサブ閾値マトリクスでは、各要素の値は128ないし255のいずれかとなる。このようにして展開マトリクスを変換することにより、Sサイズのドット形成用のサブ閾値マトリクス、Mサイズのドット形成用のサブ閾値マトリクス、および、Lサイズのドット形成用のサブ閾値マトリクスが生成される。
ここで、サブ閾値マトリクスの特徴について述べる。図26は、サブ閾値マトリクスの特徴を説明するための図である。図26では、仮に各サイズのサブ閾値マトリクスのみを用いて一様な階調レベルの画像を印刷装置1にて印刷する場合に、印刷用紙9上に形成される当該サイズのドットの個数の全画素数に対する割合(以下、「ドット占有率」という。)を縦軸に示しており、この場合における画像の階調レベルを横軸に示している。また、図26ではSサイズのサブ閾値マトリクスを用いた場合のドット占有率を符号A1を付す破線にて示し、Mサイズのサブ閾値マトリクスを用いた場合のドット占有率を符号A2を付す一点鎖線にて示し、Lサイズのサブ閾値マトリクスを用いた場合のドット占有率を符号A3を付す実線にて示している。
図26に示すように、Sサイズのサブ閾値マトリクスを用いた場合には、画像の階調レベルが0から127まで増加するに従ってドット占有率は0%から100%まで線形に増加し、階調レベルが127以上ではドット占有率は100%のままとなる。Mサイズのサブ閾値マトリクスを用いた場合には、画像の階調レベルが64未満ではドット占有率は0%となり、階調レベルが64から191まで増加するに従ってドット占有率が0%から100%まで線形に増加し、階調レベルが191以上ではドット占有率は100%のままとなる。Lサイズのサブ閾値マトリクスを用いた場合には、画像の階調レベルが128未満ではドット占有率は0%となり、階調レベルが128から255まで増加するに従ってドット占有率が0%から100%まで線形に増加する。
例えば、階調レベル140に注目すると、図26に示すように、Lサイズのサブ閾値マトリクスにおけるドット占有率は9%となり、Mサイズのサブ閾値マトリクスにおけるドット占有率は84%となり、Sサイズのサブ閾値マトリクスにおけるドット占有率は100%となる。ここで、既述のように、実際の印刷では同じ位置に複数のサイズのドットは形成されず、より大きいサイズのドットが優先して形成される。また、Sサイズのサブ閾値マトリクス、Mサイズのサブ閾値マトリクス、および、Lサイズのサブ閾値マトリクスにおいて、同じ位置における値(サブ要素値)は、Lサイズのサブ閾値マトリクスで最も大きくなり、Sサイズのサブ閾値マトリクスで最も小さくなるため、上記のように、各サイズのサブ閾値マトリクスのみを用いて一様な階調レベルの画像を印刷する(すなわち、Sサイズのドットのみにて形成される画像、Mサイズのドットのみにて形成される画像、および、Lサイズのドットのみにて形成される画像を印刷する)という仮定の下では、Lサイズのサブ閾値マトリクスを用いてドットが形成される位置には必ずMサイズおよびSサイズのそれぞれのサブ閾値マトリクスを用いてドットが形成されており、Mサイズのサブ閾値マトリクスを用いてドットが形成される位置には必ずSサイズのサブ閾値マトリクスを用いてドットが形成される。したがって、仮にサブ閾値マトリクスの集合を用いて一様な階調レベル140の画像を印刷装置1にて印刷する場合には、Lサイズのドット占有率は9%となり、Mサイズのドット占有率は75%((84−9)にて求められる。)となり、Sサイズのドット占有率は16%((100−84)にて求められる。)となる。実際には、元画像は濃淡(すなわち、様々な階調レベルの部位)を有し、各画素値がサブ閾値マトリクスの対応する位置のサブ要素値と比較されるため、サブ要素値の集合を各要素値とする閾値マトリクスを用いることにより、図26のグラフに従ってSサイズ、MサイズおよびLサイズのドットが確率的に形成されて印刷が行われることとなる。
以上のように、図25の本体制御部4cを有する印刷装置1では、Sサイズ、MサイズおよびLサイズのドット形成の要否を決定するためのサブ要素値の集合を各要素値とする閾値マトリクスが、チェックパターンの印刷濃度に基づいて補正されることにより、印刷される網点画像において、吐出口231のばらつきに起因するスジムラの発生が防止される。ここで、一般的に、比較的径の小さいドットのみにて印刷を行った場合にも、スジムラが生じ易くなるが、印刷装置1では、網点画像に複数サイズのドットが確率的に混在することにより、ドットのサイズが一様である場合に生じるスジムラの発生を防止することができる。また、各色成分の閾値マトリクス(サブ閾値マトリクス)が図10の処理にて生成される上記の基礎マトリクスから導かれることにより、カラーの網点画像においてビートムラの発生を防止しつつ、ザラツキ感を少なくすることができる。なお、図25の本体制御部4cを有する印刷装置1では、元画像の各画素の画素値が色成分毎に補正されてもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
印刷濃度に基づいて元画像または閾値マトリクスを補正しつつ画像を記録する本手法は、印刷用紙上において幅方向に配列される複数の吐出位置にそれぞれドットを記録する複数の吐出口を色成分毎に有するヘッドと、印刷用紙上の複数の吐出位置を幅方向に垂直な走査方向に印刷用紙に対して相対的に移動させる走査機構とを備えるインクジェット方式の印刷装置に特に適している。しかしながら、本手法は、電子写真方式の印刷装置やCTP(Computer To Plate)用の製版装置等、印刷物の作成に係る他の画像記録装置にて採用されてもよい。
例えば、電子写真方式の印刷装置では、複数の発光素子(例えば、半導体レーザや発光ダイオード(LED))を有するヘッド、および、外側面に感光体が形成される感光体ドラムが設けられる。ヘッドからの複数の光ビームがそれぞれ照射される感光体上の複数の光照射位置は、ヘッド内の回転するポリゴンミラーにより感光体ドラムの回転軸に沿う方向(走査方向)に走査し、複数の光照射位置の一度の走査により複数ライン分の画像が感光体上に記録され、複数の光照射位置は、感光体ドラムの回転により感光体ドラムの周方向に対応する方向に感光体に対して副走査する。印刷装置では、感光体上に第1の色成分の静電潜像が形成され(すなわち、第1の色成分の網点画像が記録され)、当該静電潜像が第1の色成分のトナーにて現像されてトナー画像が印刷用紙上に転写される。続いて、感光体上に第2の色成分の静電潜像が形成され(すなわち、第2の色成分の網点画像が記録され)、当該静電潜像が第2の色成分のトナーにて現像されてトナー画像が印刷用紙上に転写され、印刷用紙上にカラーの網点画像が印刷される。このように、電子写真方式の印刷装置では、感光体ドラムの感光体がヘッドからの光の照射によりドット(静電潜像の要素)が記録される対象物とされ、ドットの集合である静電潜像が記録された感光体を用いて網点画像が印刷用紙上に印刷される。なお、ヘッドおよび感光体ドラムを1つのユニットとして、複数のユニットが並べられてカラーの網点画像が印刷用紙上に印刷されてもよい。この場合、複数の感光体ドラム上の感光体の集合が画像記録の対象物と捉えられる。
また、電子写真方式の印刷装置において元画像または閾値マトリクスに対する各色成分の補正値を取得する際には、感光体上にチェックパターンの静電潜像を記録した後、当該静電潜像をトナーにて現像し、さらにトナー画像を印刷用紙に転写した上で、印刷用紙上の画像の印刷濃度が測定される。このように、感光体を用いた印刷物上のチェックパターンにおいて、走査方向に垂直な方向の複数の位置における印刷濃度を測定することにより、複数の補正値が取得される。そして、実際に感光体上に元画像の各色成分の網点画像を記録する際に、補正値を用いて元画像または閾値マトリクスが補正されることにより、好ましい網点画像を印刷用紙上に印刷することが可能となる。
製版装置では、光源および光変調素子が設けられたヘッド、および、刷版が巻き付けられたドラムが設けられる。ヘッドからの複数の光ビームがそれぞれ照射される刷版上の複数の光照射位置は、ドラムの回転軸に沿う方向に配列され、ドラムの回転によりドラムの周方向(走査方向)に刷版に対して相対的に走査することにより、刷版上にドットの集合による網点画像が記録される。製版装置では、上記動作により、第1の色成分の刷版に対して第1の色成分の網点画像が記録され、ドラムの刷版が第2の色成分の刷版に取り替えられた後、上記と同様の動作にて第2の色成分の刷版上に第2の色成分の網点画像が記録される。このように、製版装置は、第1の色成分の網点画像が記録される刷版、および、第2の色成分の網点画像が記録される刷版の集合を対象物として、対象物に画像を記録する画像記録装置となっており、これらの刷版を用いて他の装置にて印刷を行うことにより、印刷用紙上にカラーの網点画像が印刷される。
また、製版装置において、元画像または閾値マトリクスに対する各色成分の補正値を取得する際には、チェックパターンが刷版上に実際に記録され、当該刷版を用いて印刷が行われた印刷用紙上の画像の印刷濃度が測定される。このように、刷版を用いた印刷物上のチェックパターンにおいて、走査方向に垂直な方向(に対応する方向)の複数の位置における印刷濃度を測定することにより、複数の補正値が取得される。そして、実際に刷版に各色成分の元画像を記録する際に、当該補正値を用いて元画像または閾値マトリクスが補正されることにより、好ましい網点画像を印刷することが可能となる。
以上のように、上記実施の形態における印刷濃度に基づいて元画像または閾値マトリクスを補正しつつ画像を記録する手法は、印刷対象である対象物または印刷に用いられる対象物上において、所定の走査方向に垂直な幅方向に配列される複数のドット記録位置にそれぞれドットを記録する複数のドット出力要素を有するヘッドと、対象物上の複数のドット記録位置を走査方向に対象物に対して相対的に移動させる走査機構とを備える様々な画像記録装置に対して用いることが可能である。
画像記録装置では、走査方向に対応する列方向に対して傾斜する第1の方向に関する間隔が最も大きくなり、かつ、ランダムに配置される複数の第1基準点を基準とする複数の第1網点セルをマトリクス領域に設定することにより生成される第1閾値マトリクスと、列方向に対して傾斜するとともに第1の方向とは異なる第2の方向に関する間隔が最も大きくなり、かつ、ランダムに配置される複数の第2基準点を基準とする複数の第2網点セルをマトリクス領域に設定することにより生成される第2閾値マトリクスとが準備され、各色成分の閾値マトリクスを用いて、ヘッドにより対象物上に所定のパターンを記録し、対象物または対象物を用いた印刷物において当該パターンの幅方向の複数の位置における印刷濃度を測定することにより、幅方向の複数の位置に対する複数の補正値が取得される。そして、各色成分の閾値マトリクスの要素値または元画像の各色成分の画素値が補正値を用いて補正され、印刷対象である対象物または印刷に用いられる対象物に対して各色成分の複数のドット記録位置を走査方向に相対的に移動しつつ、元画像の当該色成分の各画素値と当該色成分の閾値マトリクスの対応する要素値との比較結果に従って当該色成分の複数のドット出力要素の出力制御が行われ、元画像を表現する網点画像の記録が行われる。その結果、画像記録装置では、対象物にビートムラやスジムラが生じず、ザラツキ感の少ないカラーの網点画像を印刷する、または、ビートムラやスジムラが生じず、ザラツキ感の少ないカラーの網点画像を印刷することが可能な対象物を生成することができる。
また、閾値マトリクスの生成の際に、必ずしもシャドウ側とハイライト側とに区別されたセルセンタが用いられる必要はなく、シャドウ側とハイライト側との区別が無いセルセンタをマトリクス領域に配置し、セルセンタを基準とする網点セルを設定して、階調レベルの全範囲における増加に伴って各網点セルにおいて網点領域が成長するように閾値が設定されてもよい。
図1の印刷装置1では、ヘッド21が印刷用紙9に対して一回走査するのみで、ヘッド21が通過する印刷用紙9上の領域に対する画像の印刷が完了するが、印刷装置1では、一回の主走査にて各吐出口231により(仮想的に)形成されるとともに走査方向に一列に並ぶドット列において、互いに隣接するドット間に他の吐出口231によりドットが形成されるインタレース印刷、または、幅方向に並ぶ複数のドット列において互いに隣接するドット列の間をヘッド21の他の主走査にて補間するインタレース印刷が行われてもよい。この場合においても、印刷濃度に基づいて元画像または閾値マトリクスが補正されることにより、印刷される網点画像においてスジムラの発生を防止することができる。
上記実施の形態では、元画像の各画素値または閾値マトリクスの各要素値に対応する補正値が乗じられて元画像または閾値マトリクスが補正されるが、補正値の算出手法によっては、画素値または要素値を補正値にて除算したり、画素値または要素値に補正値を加算する、または、画素値または要素値から補正値を減算することにより元画像または閾値マトリクスにシェーディング補正が反映されてもよい。すなわち、元画像の画素値または閾値マトリクスの要素値は複数の補正値を用いて様々な手法にて補正可能である。
図1の印刷装置1では、紙送り機構3が走査機構として印刷用紙9上における各吐出口231からのインクの吐出位置を走査方向に移動するが、ヘッド21を印刷用紙9に対して走査方向に移動させる機構が設けられてもよい。
インクジェット方式の印刷装置の構成を示す図である。 モジュールの吐出口群を示す図である。 コンピュータの構成を示す図である。 印刷装置の機能構成を示すブロック図である。 印刷装置が画像を印刷する動作の流れを示す図である。 元画像および閾値マトリクスを抽象的に示す図である。 印刷前処理の流れを示す図である。 ブラックのチェックパターンを抽象的に示す図である。 チェックパターンの幅方向における印刷濃度を示す図である。 閾値マトリクスを生成する処理の流れを示す図である。 マトリクス領域に配列されたセルセンタに制御点を重ねて示す図である。 網点セルが設定された様子を示す図である。 セルセンタの他の配列を示す図である。 網点セルが設定された様子を示す図である。 セルセンタのさらに他の配列を示す図である。 平網画像を例示する図である。 平網画像を例示する図である。 網点の空間周波数特性を示す図である。 比較例のチェックパターンを抽象的に示す図である。 チェックパターンを抽象的に示す図である。 チェックパターンの他の例を抽象的に示す図である。 チェックパターンのさらに他の例を抽象的に示す図である。 他の例に係る印刷装置の機能構成を示すブロック図である。 さらに他の例に係る印刷装置の機能構成を示すブロック図である。 さらに他の例に係る印刷装置の機能構成を示すブロック図である。 サブ閾値マトリクスの特徴を説明するための図である。
符号の説明
1 印刷装置
3 紙送り機構
4,4a〜4c 本体制御部
9 印刷用紙
21 ヘッド
24 ラインセンサ
42 マトリクス記憶部
42b 展開マトリクス記憶部
45 補正部
51 濃度演算部
52 補正値演算部
70 元画像
73,74 網点セル
231 吐出口
421S,421M,421L サブマトリクス記憶部
710 閾値マトリクス
720 マトリクス領域
731,741 セルセンタ
S13b,S13c,S14b,S14c,S21b,S21c,S22b,S22c ステップ

Claims (8)

  1. 象物上において、所定の走査方向に垂直な幅方向に配列される複数のドット記録位置にそれぞれドットを記録する複数のドット出力要素を有するヘッドと、前記対象物上の前記複数のドット記録位置を前記走査方向に前記対象物に対して相対的に移動させる走査機構と、を備える画像記録装置において、カラーの元画像を色成分毎に閾値マトリクスと比較することにより、前記元画像を表現する網点画像の記録を行う画像記録方法であって、
    a)前記走査方向に対応する列方向および前記幅方向に対応する行方向にて規定される第1の色成分のマトリクス領域において、前記列方向に対して傾斜する第1の方向に関する間隔が最も大きくなり、かつ、ランダムに配置される複数の第1基準点を基準とする複数の第1網点セルを設定し、前記第1の色成分の階調レベルの増加に伴って前記複数の第1網点セルの形状に従って網点領域が成長するように閾値を設定することにより生成された前記第1の色成分の第1閾値マトリクスを準備する工程と、
    b)前記列方向および前記行方向にて規定される第2の色成分のマトリクス領域において、前記列方向に対して傾斜するとともに前記第1の方向とは異なる第2の方向に関する間隔が最も大きくなり、かつ、ランダムに配置される複数の第2基準点を基準とする複数の第2網点セルを設定し、前記第2の色成分の階調レベルの増加に伴って前記複数の第2網点セルの形状に従って網点領域が成長するように閾値を設定することにより生成された前記第2の色成分の第2閾値マトリクスを準備する工程と、
    c)前記第1閾値マトリクスを用いて前記ヘッドにより対象物上に所定のパターンを記録し、前記対象物または前記対象物を用いて印刷された印刷物において前記所定のパターンの前記幅方向の複数の位置における印刷濃度を測定することにより、前記複数の位置に対する複数の第1補正値を取得する工程と、
    d)前記第2閾値マトリクスを用いて前記ヘッドにより対象物上に所定のパターンを記録し、前記対象物または前記対象物を用いて印刷された印刷物において前記所定のパターンの前記幅方向の複数の位置における印刷濃度を測定することにより、前記複数の位置に対する複数の第2補正値を取得する工程と、
    e)前記複数の第1補正値を用いて前記第1閾値マトリクスの要素値または前記元画像の前記第1の色成分の画素値を補正する工程と、
    f)前記複数の第2補正値を用いて前記第2閾値マトリクスの要素値または前記元画像の前記第2の色成分の画素値を補正する工程と、
    )対象物に対して前記第1の色成分の複数のドット記録位置を前記走査方向に相対的に移動しつつ、前記元画像の前記第1の色成分の各画素値と前記第1閾値マトリクスの対応する要素値との比較結果に従って前記第1の色成分の複数のドット出力要素の出力制御を行う工程と、
    h)前記対象物に対して前記第2の色成分の複数のドット記録位置を前記走査方向に相対的に移動しつつ、前記元画像の前記第2の色成分の各画素値と前記第2閾値マトリクスの対応する要素値との比較結果に従って前記第2の色成分の複数のドット出力要素の出力制御を行う工程と、
    を備えることを特徴とする画像記録方法。
  2. 請求項1に記載の画像記録方法であって、
    前記第1の方向および前記第2の方向のそれぞれと前記列方向とのなす角が15度以上であり、前記第1の方向と前記第2の方向とのなす角が30度以上であることを特徴とする画像記録方法。
  3. 請求項2に記載の画像記録方法であって、
    前記第1の方向および前記第2の方向のそれぞれと前記列方向とのなす角が45度であることを特徴とする画像記録方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の画像記録方法であって、
    各色成分の前記複数のドット出力要素のそれぞれが複数サイズのドットの形成が可能であり、
    前記第1閾値マトリクスおよび前記第2閾値マトリクスの各要素値が、ドットのサイズの決定に利用されるサブ要素値の集合であることを特徴とする画像記録方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の画像記録方法であって、
    前記e)工程において、前記複数の第1補正値を用いて前記第1閾値マトリクスの要素値が補正され、
    前記f)工程において、前記複数の第2補正値を用いて前記第2閾値マトリクスの要素値が補正されることを特徴とする画像記録方法。
  6. 請求項1ないし4のいずれかに記載の画像記録方法であって、
    前記e)工程において、前記複数の第1補正値を用いて前記元画像の前記第1の色成分の画素値が補正され、
    前記f)工程において、前記複数の第2補正値を用いて前記元画像の前記第2の色成分の画素値が補正されることを特徴とする画像記録方法。
  7. 請求項5または6に記載の画像記録方法であって、
    前記e)工程と前記g)工程とが少なくとも部分的に並行して行われ、前記f)工程と前記h)工程とが少なくとも部分的に並行して行われることを特徴とする画像記録方法。
  8. カラーの元画像を色成分毎に閾値マトリクスと比較することにより、前記元画像を表現する網点画像の記録を行う画像記録装置であって、
    象物上において、所定の走査方向に垂直な幅方向に配列される複数のドット記録位置にそれぞれドットを記録する複数のドット出力要素を有するヘッドと、
    前記対象物上の前記複数のドット記録位置を前記走査方向に前記対象物に対して相対的に移動させる走査機構と、
    前記走査方向に対応する列方向および前記幅方向に対応する行方向にて規定される第1の色成分のマトリクス領域において、前記列方向に対して傾斜する第1の方向に関する間隔が最も大きくなり、かつ、ランダムに配置される複数の第1基準点を基準とする複数の第1網点セルを設定し、前記第1の色成分の階調レベルの増加に伴って前記複数の第1網点セルの形状に従って網点領域が成長するように閾値を設定することにより生成される前記第1の色成分の第1閾値マトリクスを記憶する第1マトリクス記憶部と、
    前記列方向および前記行方向にて規定される第2の色成分のマトリクス領域において、前記列方向に対して傾斜するとともに前記第1の方向とは異なる第2の方向に関する間隔が最も大きくなり、かつ、ランダムに配置される複数の第2基準点を基準とする複数の第2網点セルを設定し、前記第2の色成分の階調レベルの増加に伴って前記複数の第2網点セルの形状に従って網点領域が成長するように閾値を設定することにより生成される前記第2の色成分の第2閾値マトリクスを記憶する第2マトリクス記憶部と、
    前記第1閾値マトリクスを用いて前記ヘッドにより対象物上に所定のパターンが記録され、前記対象物または前記対象物を用いて印刷された印刷物において前記所定のパターンの前記幅方向の複数の位置における印刷濃度を測定することにより、前記複数の位置に対する複数の第1補正値を取得し、前記第2閾値マトリクスを用いて前記ヘッドにより対象物上に所定のパターンが記録され、前記対象物または前記対象物を用いて印刷された印刷物において前記所定のパターンの前記幅方向の複数の位置における印刷濃度を測定することにより、前記複数の位置に対する複数の第2補正値を取得する補正値取得部と、
    前記複数の第1補正値を用いて前記第1閾値マトリクスの要素値または前記元画像の前記第1の色成分の画素値を補正し、前記複数の第2補正値を用いて前記第2閾値マトリクスの要素値または前記元画像の前記第2の色成分の画素値を補正する補正部と、
    象物に対して前記第1の色成分の複数のドット記録位置を前記走査方向に相対的に移動しつつ、前記元画像の前記第1の色成分の各画素値と前記第1閾値マトリクスの対応する要素値との比較結果に従って前記第1の色成分の複数のドット出力要素の出力制御を行い、前記対象物に対して前記第2の色成分の複数のドット記録位置を前記走査方向に相対的に移動しつつ、前記元画像の前記第2の色成分の各画素値と前記第2閾値マトリクスの対応する要素値との比較結果に従って前記第2の色成分の複数のドット出力要素の出力制御を行う制御部と、
    を備えることを特徴とする画像記録装置。
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