JP2004106248A - インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録後の画像におけるムラの発生を確実に防止することが可能なインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を提供すること。
【解決手段】画像の記録を行う際には、先ず、インクの吐出量を補正するために使用するパターンを記録する(ステップS11)。次に、記録したパターンの濃度を測定する(ステップS12)。次に、濃度の測定値と既定値とを比較し、ルックアップテーブルから補正係数を呼び出し(ステップS13)、各インクジェットヘッドにおける各インクジェットノズル毎の補正係数を決定する(ステップS14)。記録ヘッドにおいては、この補正係数に基づいて、各インクジェットヘッドにおける各インクジェットノズルに対応する画像データを補正することにより、各々のインクジェットノズルによるインクの吐出量を調整することができる(ステップS15)。
【選択図】 図6
【解決手段】画像の記録を行う際には、先ず、インクの吐出量を補正するために使用するパターンを記録する(ステップS11)。次に、記録したパターンの濃度を測定する(ステップS12)。次に、濃度の測定値と既定値とを比較し、ルックアップテーブルから補正係数を呼び出し(ステップS13)、各インクジェットヘッドにおける各インクジェットノズル毎の補正係数を決定する(ステップS14)。記録ヘッドにおいては、この補正係数に基づいて、各インクジェットヘッドにおける各インクジェットノズルに対応する画像データを補正することにより、各々のインクジェットノズルによるインクの吐出量を調整することができる(ステップS15)。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、印刷用紙の幅方向に多数列設されたインクジェットノズルに対して、印刷用紙をインクジェットノズルの列設方向と直交する方向に搬送することにより、印刷用紙上に画像を記録するインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置においては、一般的に、各インクジェットノズルの形状や撥水処理のバラツキにより、記録後の画像に濃度ムラやスジムラ等のムラが発生するという問題がある。
【0003】
このため、実際に画像の記録を行うに先立って、濃度レベルの異なる複数のパターンをテスト的に記録し、このパターンの濃度を測定することにより、複数のインクジェットノズルに対するシェーディング補正を実行するようにしたインクジェット記録装置も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】
特許第3179183号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のインクジェット記録装置においては、インクの吐出ムラの原因となるインク濃度の変化や各ノズル毎の撥水性の変化は、画像の記録中も常に発生している。上述した従来のインクジェット記録装置においては、経時的に発生するムラに対応することは困難である。
【0005】
このような問題は、インクジェットノズルを印刷用紙に対して互いに直交する二方向に相対的に移動させて画像の記録を行う形式のインクジェット記録装置の場合に比べ、印刷用紙の幅方向に多数列設されたインクジェットノズルに対して、印刷用紙をインクジェットノズルの列設方向と直交する方向に搬送することにより印刷用紙上に画像を記録するインクジェット記録装置において特に顕著に発生する問題である。
【0006】
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、記録後の画像におけるムラの発生を確実に防止することが可能なインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、印刷用紙の幅方向に多数列設されたインクジェットノズルに対して、前記印刷用紙を前記インクジェットノズルの列設方向と直交する方向に搬送することにより、前記印刷用紙上に画像を記録するインクジェット記録装置において、前記印刷用紙における画像記録エリア外に、前記インクジェットノズルの列設方向に延びるパターンを記録するパターン記録手段と、前記印刷用紙の搬送方向に対して前記パターン記録手段の後段に配設され、前記パターン記録手段により記録されたパターンの濃度を測定する濃度測定手段と、前記濃度測定手段により測定した濃度の測定値に基づいて、前記各インクジェットノズルからのインクの吐出量を補正する吐出量補正手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記パターン記録装置は、前記インクジェットノズルと、当該インクジェットノズルに対して、前記パターンを記録するためのデータを画像データとともに送信する画像記録部とから構成される。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記濃度測定手段は、前記パターン記録手段によるパターンの記録位置データに基づいて前記パターンの濃度の測定位置を決定する。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記パターン記録手段は、各々網点面積率が異なる複数のパターンを記録するとともに、前記吐出量補正手段は、前記濃度測定手段により測定した複数のパターンの濃度の測定値に基づいて前記各インクジェットノズルからのインクの吐出量を補正する。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記吐出量補正手段は、互いに隣接する複数のインクジェットノズルの吐出量の補正値を考慮して各インクジェットノズルからのインキの吐出量を補正する。
【0012】
請求項6に記載の発明は、印刷用紙の幅方向に多数列設されたインクジェットノズルに対して、前記印刷用紙を前記インクジェットノズルの列設方向と直交する方向に搬送することにより、前記印刷用紙上に画像を記録するインクジェット記録方法において、前記印刷用紙における画像記録エリア外に、前記インクジェットノズルの列設方向に延びるパターンを記録するパターン記録工程と、前記パターン記録工程において記録されたパターンの濃度を測定する濃度測定工程と、前記濃度測定工程において測定した濃度の測定値に基づいて、前記各インクジェットノズルからのインクの吐出量を補正する吐出量補正工程とを備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記濃度測定工程においては、前記パターン記録工程におけるパターンの記録位置データに基づいて前記パターンの濃度の測定位置を決定する。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記パターン記録工程においては、各々網点面積率が異なる複数のパターンを記録するとともに、前記吐出量補正工程においては、前記濃度測定手工程において測定した複数のパターンの濃度の測定値に基づいて前記各インクジェットノズルからのインクの吐出量を補正する。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記吐出量補正工程においては、互いに隣接する複数のインクジェットノズルの吐出量の補正値を考慮して各インクジェットノズルからのインキの吐出量を補正する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1はこの発明を適用するインクジェット記録装置の側面概要図であり、図2はそのインクジェットノズルの配置を示す平面図である。
【0017】
このインクジェット記録装置は、支持板2により支持された複数のインクジェットヘッド1Y、1M、1C、1K(これらを総称する場合には「インクジェットヘッド1」という)から成る記録ヘッド3と、印刷用紙を記録ヘッド3に対して矢印Tで示す方向に搬送する搬送機構6と、この搬送機構6による印刷用紙の搬送方向に対して記録ヘッド3の後段に配設された濃度測定部4と、後述する制御部5とを備える。
【0018】
複数のインクジェットヘッド1Y、1M、1C、1Kのうち、8個のインクジェットヘッド1Yは、印刷用紙にイエローの色の画像を記録するためのものである。同様に、8個のインクジェットヘッド1Mは印刷用紙にマゼンタの色の画像を記録し、8個のインクジェットヘッド1Cは印刷用紙にシアンの色の画像を記録し、8個のインクジェットヘッド1Kは印刷用紙にブラックの色の画像を記録するためのものである。
【0019】
これらのインクジェットヘッド1Y、1M、1C、1Kは、各々、ピエゾ素子の駆動によりインクを吐出する数百個のインクジェットノズルを備える。
【0020】
図2に示すように、これらのインクジェットヘッド1Y、1M、1C、1Kは、支持板2により、互いに千鳥状に配置された状態で支持されている。なお、各インクジェットヘッド1Y、1M、1C、1Kにおけるインクジェットノズル間に隙間が発生することを防止するため、各インクジェットヘッド1Y、1M、1C、1Kを互いに重ね合わせた状態で配置するようにしてもよい。
【0021】
搬送機構6は、モータ64の駆動により回転する駆動プーリ61と、従動プーリ62との間に巻回された多孔性の無端ベルト63を備える。この無端ベルト63の下面と当接する位置には、その上面に多数の吸引孔を有する排気チャンバー65が配設されている。この排気チャンバー65は、基台68から立設された支持部材67により支持されている。また、この排気チャンバー65の下面には、排気チャンバー65内の空気を排出するための複数の排気ファン66が配設されている。
【0022】
このインクジェット記録装置においては、印刷用紙は、その上面に多数の吸引孔を有する排気チャンバー65の作用により、多孔性の無端ベルト63の表面に吸着保持された状態で図1および図2において矢印Tで示す方向に搬送される。そして、この印刷用紙に対して、記録ヘッド3により、画像とインクジェットノズルからのインクの吐出量を補正するために使用するパターンとが記録され、濃度測定部4により記録後のパターンの濃度が測定された後、排出される。
【0023】
図3は、画像の記録が完了した印刷用紙Sを示す概要図である。
【0024】
印刷用紙Sにおける画像10の領域に対し、図3において矢印Tで示す印刷用紙Sの搬送方向の上流側には、インクジェットノズルからのインクの吐出量を補正するために使用されるパターン9が記録されている。
【0025】
このパターン9は、図4(a)に示すように、イエローの色のインクを吐出するインクジェットノズルからのインクの吐出量を補正するために使用されるパターン91Yと、マゼンタの色のインクを吐出するインクジェットノズルからのインクの吐出量を補正するために使用されるパターン91Mと、シアンの色のインクを吐出するインクジェットノズルからのインクの吐出量を補正するために使用されるパターン91Cと、ブラックの色のインクを吐出するインクジェットノズルからのインクの吐出量を補正するために使用されるパターン91Kとから構成される。これらのパターン91Y、91M、91C、91Kは、各々、その網点面積率が80%程度の帯状のパターンとなっている。
【0026】
なお、その網点面積率が80%程度の帯状のパターン91Y、91M、91C、91Kの他に、その網点面積率が40%程度の帯状のパターン92Y、92M、92C、92Kを併用するようにしてもよい。この場合においては、パターン9は、図4(b)に示すように、イエローの色のインクを吐出するインクジェットノズルからのインクの吐出量を補正するために使用されるパターン91Y、92Yと、マゼンタの色のインクを吐出するインクジェットノズルからのインクの吐出量を補正するために使用されるパターン91M、92Mと、シアンの色のインクを吐出するインクジェットノズルからのインクの吐出量を補正するために使用されるパターン91C、92Cと、ブラックの色のインクを吐出するインクジェットノズルからのインクの吐出量を補正するために使用されるパターン91K、92Kとから構成されることになる。
【0027】
なお、インクジェットノズルからのインクの吐出量を補正するために使用されるパターン9を、図3において矢印Tで示す印刷用紙Sの搬送方向の上流側に形成する代わりに、インクジェットノズルからのインクの吐出量を補正するために使用されるパターン9を、図3において矢印Tで示す印刷用紙Sの搬送方向の下流側に形成するようにしてもよい。また、このパターン9を、色認識用のカラーパッチと兼用してもよい。
【0028】
図5は、上述したインクジェット記録装置の主要な電気的構成を示すブロック図である。
【0029】
このインクジェット記録装置は、ルックアップテーブル51と、補正部52と、画像処理部53と、画像メモリ54とから構成される制御部5を備える。ここで、補正部52は、濃度測定部4により測定した濃度の測定値と、ルックアップテーブル51に記憶したデータとに基づいて、記録ヘッド3におけるインクジェットノズルからのインクの吐出量を補正するためのものである。また、画像処理部53は、画像メモリ54に記憶されたインクジェットノズルからのインクの吐出量を補正するために使用するパターンのデータを、そこに入力された画像データとともに処理した後、記録ヘッド3におけるインクジェットノズルに送信するためのものである。
【0030】
次に、上述したインクジェット記録装置によるインクの吐出量の補正動作について説明する。図6はこの発明に係るインクジェット記録装置によるインクの吐出量の補正を示すフローチャートである。
【0031】
このインクジェット記録装置により画像の記録を行う際には、印刷用紙Sに画像10を記録するに先立って、インクジェットノズルからのインクの吐出量を補正するために使用するパターン9を記録する(ステップS11)。このパターン9の記録は、画像処理部53が、画像メモリ54に記録されたパターン9を記録するためのデータを、画像処理部53に入力された画像データとともに、記録ヘッド3の各インクジェットヘッド1における各インクジェットノズルに送信することにより実行される。
【0032】
次に、記録ヘッド3による画像10の記録と並行して、濃度測定部4により、先に記録したパターン9の濃度を測定する(ステップS12)。この濃度の測定は、記録ヘッド3の各インクジェットヘッド1における各インクジェットノズルに各々対応する位置で実行される。このとき、濃度測定部4は、記録ヘッド3によるパターン9の記録位置データに基づいてパターン9の濃度の測定位置を決定する。そして、濃度測定部4による濃度の測定値は、補正部52に送信される。
【0033】
濃度の測定が終了すれば、補正部52は、濃度の測定値と既定値とを比較し、ルックアップテーブル51から、補正係数を呼び出す(ステップS13)。ここで、この補正係数とは、濃度の測定値と既定値との差分や比率に基づいて各インクジェットヘッド1における各インクジェットノズルの吐出量を補正するために予め実験的に求められ、ルックアップテーブル51に記憶された係数である。
【0034】
そして、補正部52は、ルックアップテーブル51から呼び出した補正係数に基づいて、各インクジェットヘッド1における各インクジェットノズル毎の補正係数を決定する(ステップS14)。
【0035】
なお、図4(b)に示すように、その網点面積率が80%程度の帯状のパターン91Y、91M、91C、91Kとその網点面積率が40%程度の帯状のパターン92Y、92M、92C、92Kとを併用した場合においては、線間補間を利用して補正係数を決定する。すなわち、図7に示すように、その網点面積率が80%程度の帯状のパターン91Y、91M、91C、91Kの濃度測定値と、その網点面積率が40%程度の帯状のパターン92Y、92M、92C、92Kの濃度測定値とをインプットし、これらのポイントから線形補間を実行することにより、その網点面積率が0%から100%までの全濃度域での補正係数のグラフを全てのインクジェットノズルに対して求めることにより、全濃度領域において適正な補正係数を算出することが可能となる。
【0036】
再度、図6を参照して、補正部52により決定された補正係数は、記録ヘッド3に送信される。そして、記録ヘッド3においては、この補正係数に基づいて、各インクジェットヘッド1における各インクジェットノズルのインクの吐出量を調整する(ステップS15)。インクの吐出量を調整する場合には、予め画像データ自身に補正係数を乗算しておき、誤差拡散処理による出力で、各インクジェットノズルのバラツキを調整するようにすればよい。また、直接インクの液敵のサイズを変更するようにしてもよい。
【0037】
このインクの吐出量の調整は、パターン9の濃度測定を行った印刷用紙Sの次に印刷が実行される印刷用紙Sの印刷の直前に実行される。なお、このインク量の調整を、一定枚数の印刷用紙Sへの印刷が完了する毎に実行するようにしてもよい。
【0038】
以上のように、上述したインクジェット記録装置においては、1枚の印刷用紙Sへの印刷を実行する度に、あるいは、一定枚数の印刷用紙Sへの印刷を実行する度に、画像10とともに記録されたパターン9の濃度を測定して、各インクジェットノズルからのインクの吐出量を補正することから、印刷用紙Sの種類や画像10の内容が変更された場合等においても、記録後の画像におけるムラの発生を確実に防止することが可能となる。また、インクの吐出量の補正は画像の記録が継続する間に繰り返し実行されることから、それらの補正係数が掛け合わされることになり、インクの吐出量をより正確に調整することが可能となる。
【0039】
次に、上述したインクジェット記録装置によるインクの吐出量の補正動作の他の実施形態について説明する。図8はこの発明の他の実施形態に係るインクジェット記録装置によるインクの吐出量の補正を示すフローチャートである。
【0040】
この第2実施形態においては、第1実施形態の場合と同様、印刷用紙Sに画像10を記録するに先立って、インクジェットノズルからのインクの吐出量を補正するために使用するパターン9を記録する(ステップS21)。また、記録ヘッド3による画像10の記録と並行して、濃度測定部4により、先に記録したパターン9の濃度を測定する(ステップS22)。
【0041】
しかる後、濃度の測定値に対して、平均化または加重平均化を実行する(ステップS23)。
【0042】
すなわち、あるインクジェットノズルの吐出量を補正するときに、互いに隣接する複数のインクジェットノズルの吐出量の補正量を考慮する。より具体的には、あるインクジェットノズルに対応する位置の濃度の測定値として、例えば、その前後に配置された各々5個のインクジェットノズルに対応する位置のデータの平均値を使用する。あるいは、あるインクジェットノズルに対応する位置の濃度の測定値として、例えば、その前後に配置された各々5個のインクジェットノズルに対応する位置のデータの加重平均値を使用する。なお、加重平均値を使用する場合においては、対象とするインクジェットノズルに近い位置ほどそのデータを重視する。
【0043】
このような平均化または加重平均化を実行することにより、濃度測定位置が高精度でなく、補正データが仮にずれていたとしても、濃度ムラの発生を軽減することができる。また、濃度測定部4の読取位置を高精度に調整する必要がなくなり、装置の製造コストを安価なものとすることが可能となる。
【0044】
平均化または加重平均化した濃度の測定値が決定すれば、第1実施形態の場合と同様、補正部52は、濃度の測定値と既定値と比較し、ルックアップテーブル51から補正係数を呼び出す(ステップS24)。
【0045】
そして、補正部52は、ルックアップテーブル51から呼び出した補正係数に基づいて、各インクジェットヘッド1における各インクジェットノズル毎の補正係数を決定する(ステップS25)。
【0046】
補正部52により決定された補正係数は、記録ヘッド3に送信される。そして、記録ヘッド3においては、この補正係数に基づいて、各インクジェットヘッド1における各インクジェットノズルに対応する画像データを補正し、インクの吐出量を調整する(ステップS26)。
【0047】
【発明の効果】
請求項1、請求項2および請求項6に記載の発明によれば、印刷用紙における画像記録エリア外記録したインクジェットノズルの列設方向に延びるパターンの濃度を測定し、この濃度の測定値に基づいて各インクジェットノズルからのインクの吐出量を補正することから、画像におけるムラの発生を確実に防止することが可能となる。
【0048】
請求項3および請求項7に記載の発明によれば、濃度測定手段がパターン記録手段によるパターンの記録位置データに基づいてパターンの濃度の測定位置を決定することから、パターンの記録位置が変更された場合においても、確実にパターンの濃度測定を行うことが可能となる。
【0049】
請求項4および請求項8に記載の発明によれば、パターン記録手段が各々網点面積率が異なる複数のパターンを記録するとともに、吐出量補正手段が濃度測定手段により測定した複数のパターンの濃度の測定値に基づいて各インクジェットノズルからのインクの吐出量を補正することから、全濃度領域において適正な補正係数を算出することが可能となる。
【0050】
請求項5および請求項9に記載の発明によれば、補正データに多少のずれが発生しても濃度ムラの発生を軽減することができ、また、濃度測定時の読取位置を高精度に調整する必要がなくなることから、装置の製造コストを安価なものとすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を適用するインクジェット記録装置の側面概要図である。
【図2】この発明を適用するインクジェット記録装置のインクジェットヘッド1の配置を示す平面図である。
【図3】画像の記録が完了した印刷用紙Sを示す概要図である。
【図4】パターン9の構成を示す説明図である。
【図5】インクジェット記録装置の主要な電気的構成を示すブロック図である。
【図6】この発明に係るインクジェット記録装置によるインクの吐出量の補正動作を示すフローチャートである。
【図7】補正係数の決定方法を示す説明図である。
【図8】この発明の他の実施形態に係るインクジェット記録装置によるインクの吐出量の補正動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1Y インクジェットヘッド
1M インクジェットヘッド
1C インクジェットヘッド
1K インクジェットヘッド
2 支持板
3 記録ヘッド
4 濃度測定部
5 制御部
6 搬送機構
9 パターン
10 画像
51 ルックアップテーブル
52 補正部
53 画像処理部
54 画像メモリ
61 駆動プーリ
62 従動プーリ
63 無端ベルト
64 モータ
65 排気チャンバー
66 排気ファン
S 印刷用紙
【発明の属する技術分野】
この発明は、印刷用紙の幅方向に多数列設されたインクジェットノズルに対して、印刷用紙をインクジェットノズルの列設方向と直交する方向に搬送することにより、印刷用紙上に画像を記録するインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置においては、一般的に、各インクジェットノズルの形状や撥水処理のバラツキにより、記録後の画像に濃度ムラやスジムラ等のムラが発生するという問題がある。
【0003】
このため、実際に画像の記録を行うに先立って、濃度レベルの異なる複数のパターンをテスト的に記録し、このパターンの濃度を測定することにより、複数のインクジェットノズルに対するシェーディング補正を実行するようにしたインクジェット記録装置も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】
特許第3179183号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のインクジェット記録装置においては、インクの吐出ムラの原因となるインク濃度の変化や各ノズル毎の撥水性の変化は、画像の記録中も常に発生している。上述した従来のインクジェット記録装置においては、経時的に発生するムラに対応することは困難である。
【0005】
このような問題は、インクジェットノズルを印刷用紙に対して互いに直交する二方向に相対的に移動させて画像の記録を行う形式のインクジェット記録装置の場合に比べ、印刷用紙の幅方向に多数列設されたインクジェットノズルに対して、印刷用紙をインクジェットノズルの列設方向と直交する方向に搬送することにより印刷用紙上に画像を記録するインクジェット記録装置において特に顕著に発生する問題である。
【0006】
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、記録後の画像におけるムラの発生を確実に防止することが可能なインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、印刷用紙の幅方向に多数列設されたインクジェットノズルに対して、前記印刷用紙を前記インクジェットノズルの列設方向と直交する方向に搬送することにより、前記印刷用紙上に画像を記録するインクジェット記録装置において、前記印刷用紙における画像記録エリア外に、前記インクジェットノズルの列設方向に延びるパターンを記録するパターン記録手段と、前記印刷用紙の搬送方向に対して前記パターン記録手段の後段に配設され、前記パターン記録手段により記録されたパターンの濃度を測定する濃度測定手段と、前記濃度測定手段により測定した濃度の測定値に基づいて、前記各インクジェットノズルからのインクの吐出量を補正する吐出量補正手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記パターン記録装置は、前記インクジェットノズルと、当該インクジェットノズルに対して、前記パターンを記録するためのデータを画像データとともに送信する画像記録部とから構成される。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記濃度測定手段は、前記パターン記録手段によるパターンの記録位置データに基づいて前記パターンの濃度の測定位置を決定する。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記パターン記録手段は、各々網点面積率が異なる複数のパターンを記録するとともに、前記吐出量補正手段は、前記濃度測定手段により測定した複数のパターンの濃度の測定値に基づいて前記各インクジェットノズルからのインクの吐出量を補正する。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記吐出量補正手段は、互いに隣接する複数のインクジェットノズルの吐出量の補正値を考慮して各インクジェットノズルからのインキの吐出量を補正する。
【0012】
請求項6に記載の発明は、印刷用紙の幅方向に多数列設されたインクジェットノズルに対して、前記印刷用紙を前記インクジェットノズルの列設方向と直交する方向に搬送することにより、前記印刷用紙上に画像を記録するインクジェット記録方法において、前記印刷用紙における画像記録エリア外に、前記インクジェットノズルの列設方向に延びるパターンを記録するパターン記録工程と、前記パターン記録工程において記録されたパターンの濃度を測定する濃度測定工程と、前記濃度測定工程において測定した濃度の測定値に基づいて、前記各インクジェットノズルからのインクの吐出量を補正する吐出量補正工程とを備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記濃度測定工程においては、前記パターン記録工程におけるパターンの記録位置データに基づいて前記パターンの濃度の測定位置を決定する。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記パターン記録工程においては、各々網点面積率が異なる複数のパターンを記録するとともに、前記吐出量補正工程においては、前記濃度測定手工程において測定した複数のパターンの濃度の測定値に基づいて前記各インクジェットノズルからのインクの吐出量を補正する。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記吐出量補正工程においては、互いに隣接する複数のインクジェットノズルの吐出量の補正値を考慮して各インクジェットノズルからのインキの吐出量を補正する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1はこの発明を適用するインクジェット記録装置の側面概要図であり、図2はそのインクジェットノズルの配置を示す平面図である。
【0017】
このインクジェット記録装置は、支持板2により支持された複数のインクジェットヘッド1Y、1M、1C、1K(これらを総称する場合には「インクジェットヘッド1」という)から成る記録ヘッド3と、印刷用紙を記録ヘッド3に対して矢印Tで示す方向に搬送する搬送機構6と、この搬送機構6による印刷用紙の搬送方向に対して記録ヘッド3の後段に配設された濃度測定部4と、後述する制御部5とを備える。
【0018】
複数のインクジェットヘッド1Y、1M、1C、1Kのうち、8個のインクジェットヘッド1Yは、印刷用紙にイエローの色の画像を記録するためのものである。同様に、8個のインクジェットヘッド1Mは印刷用紙にマゼンタの色の画像を記録し、8個のインクジェットヘッド1Cは印刷用紙にシアンの色の画像を記録し、8個のインクジェットヘッド1Kは印刷用紙にブラックの色の画像を記録するためのものである。
【0019】
これらのインクジェットヘッド1Y、1M、1C、1Kは、各々、ピエゾ素子の駆動によりインクを吐出する数百個のインクジェットノズルを備える。
【0020】
図2に示すように、これらのインクジェットヘッド1Y、1M、1C、1Kは、支持板2により、互いに千鳥状に配置された状態で支持されている。なお、各インクジェットヘッド1Y、1M、1C、1Kにおけるインクジェットノズル間に隙間が発生することを防止するため、各インクジェットヘッド1Y、1M、1C、1Kを互いに重ね合わせた状態で配置するようにしてもよい。
【0021】
搬送機構6は、モータ64の駆動により回転する駆動プーリ61と、従動プーリ62との間に巻回された多孔性の無端ベルト63を備える。この無端ベルト63の下面と当接する位置には、その上面に多数の吸引孔を有する排気チャンバー65が配設されている。この排気チャンバー65は、基台68から立設された支持部材67により支持されている。また、この排気チャンバー65の下面には、排気チャンバー65内の空気を排出するための複数の排気ファン66が配設されている。
【0022】
このインクジェット記録装置においては、印刷用紙は、その上面に多数の吸引孔を有する排気チャンバー65の作用により、多孔性の無端ベルト63の表面に吸着保持された状態で図1および図2において矢印Tで示す方向に搬送される。そして、この印刷用紙に対して、記録ヘッド3により、画像とインクジェットノズルからのインクの吐出量を補正するために使用するパターンとが記録され、濃度測定部4により記録後のパターンの濃度が測定された後、排出される。
【0023】
図3は、画像の記録が完了した印刷用紙Sを示す概要図である。
【0024】
印刷用紙Sにおける画像10の領域に対し、図3において矢印Tで示す印刷用紙Sの搬送方向の上流側には、インクジェットノズルからのインクの吐出量を補正するために使用されるパターン9が記録されている。
【0025】
このパターン9は、図4(a)に示すように、イエローの色のインクを吐出するインクジェットノズルからのインクの吐出量を補正するために使用されるパターン91Yと、マゼンタの色のインクを吐出するインクジェットノズルからのインクの吐出量を補正するために使用されるパターン91Mと、シアンの色のインクを吐出するインクジェットノズルからのインクの吐出量を補正するために使用されるパターン91Cと、ブラックの色のインクを吐出するインクジェットノズルからのインクの吐出量を補正するために使用されるパターン91Kとから構成される。これらのパターン91Y、91M、91C、91Kは、各々、その網点面積率が80%程度の帯状のパターンとなっている。
【0026】
なお、その網点面積率が80%程度の帯状のパターン91Y、91M、91C、91Kの他に、その網点面積率が40%程度の帯状のパターン92Y、92M、92C、92Kを併用するようにしてもよい。この場合においては、パターン9は、図4(b)に示すように、イエローの色のインクを吐出するインクジェットノズルからのインクの吐出量を補正するために使用されるパターン91Y、92Yと、マゼンタの色のインクを吐出するインクジェットノズルからのインクの吐出量を補正するために使用されるパターン91M、92Mと、シアンの色のインクを吐出するインクジェットノズルからのインクの吐出量を補正するために使用されるパターン91C、92Cと、ブラックの色のインクを吐出するインクジェットノズルからのインクの吐出量を補正するために使用されるパターン91K、92Kとから構成されることになる。
【0027】
なお、インクジェットノズルからのインクの吐出量を補正するために使用されるパターン9を、図3において矢印Tで示す印刷用紙Sの搬送方向の上流側に形成する代わりに、インクジェットノズルからのインクの吐出量を補正するために使用されるパターン9を、図3において矢印Tで示す印刷用紙Sの搬送方向の下流側に形成するようにしてもよい。また、このパターン9を、色認識用のカラーパッチと兼用してもよい。
【0028】
図5は、上述したインクジェット記録装置の主要な電気的構成を示すブロック図である。
【0029】
このインクジェット記録装置は、ルックアップテーブル51と、補正部52と、画像処理部53と、画像メモリ54とから構成される制御部5を備える。ここで、補正部52は、濃度測定部4により測定した濃度の測定値と、ルックアップテーブル51に記憶したデータとに基づいて、記録ヘッド3におけるインクジェットノズルからのインクの吐出量を補正するためのものである。また、画像処理部53は、画像メモリ54に記憶されたインクジェットノズルからのインクの吐出量を補正するために使用するパターンのデータを、そこに入力された画像データとともに処理した後、記録ヘッド3におけるインクジェットノズルに送信するためのものである。
【0030】
次に、上述したインクジェット記録装置によるインクの吐出量の補正動作について説明する。図6はこの発明に係るインクジェット記録装置によるインクの吐出量の補正を示すフローチャートである。
【0031】
このインクジェット記録装置により画像の記録を行う際には、印刷用紙Sに画像10を記録するに先立って、インクジェットノズルからのインクの吐出量を補正するために使用するパターン9を記録する(ステップS11)。このパターン9の記録は、画像処理部53が、画像メモリ54に記録されたパターン9を記録するためのデータを、画像処理部53に入力された画像データとともに、記録ヘッド3の各インクジェットヘッド1における各インクジェットノズルに送信することにより実行される。
【0032】
次に、記録ヘッド3による画像10の記録と並行して、濃度測定部4により、先に記録したパターン9の濃度を測定する(ステップS12)。この濃度の測定は、記録ヘッド3の各インクジェットヘッド1における各インクジェットノズルに各々対応する位置で実行される。このとき、濃度測定部4は、記録ヘッド3によるパターン9の記録位置データに基づいてパターン9の濃度の測定位置を決定する。そして、濃度測定部4による濃度の測定値は、補正部52に送信される。
【0033】
濃度の測定が終了すれば、補正部52は、濃度の測定値と既定値とを比較し、ルックアップテーブル51から、補正係数を呼び出す(ステップS13)。ここで、この補正係数とは、濃度の測定値と既定値との差分や比率に基づいて各インクジェットヘッド1における各インクジェットノズルの吐出量を補正するために予め実験的に求められ、ルックアップテーブル51に記憶された係数である。
【0034】
そして、補正部52は、ルックアップテーブル51から呼び出した補正係数に基づいて、各インクジェットヘッド1における各インクジェットノズル毎の補正係数を決定する(ステップS14)。
【0035】
なお、図4(b)に示すように、その網点面積率が80%程度の帯状のパターン91Y、91M、91C、91Kとその網点面積率が40%程度の帯状のパターン92Y、92M、92C、92Kとを併用した場合においては、線間補間を利用して補正係数を決定する。すなわち、図7に示すように、その網点面積率が80%程度の帯状のパターン91Y、91M、91C、91Kの濃度測定値と、その網点面積率が40%程度の帯状のパターン92Y、92M、92C、92Kの濃度測定値とをインプットし、これらのポイントから線形補間を実行することにより、その網点面積率が0%から100%までの全濃度域での補正係数のグラフを全てのインクジェットノズルに対して求めることにより、全濃度領域において適正な補正係数を算出することが可能となる。
【0036】
再度、図6を参照して、補正部52により決定された補正係数は、記録ヘッド3に送信される。そして、記録ヘッド3においては、この補正係数に基づいて、各インクジェットヘッド1における各インクジェットノズルのインクの吐出量を調整する(ステップS15)。インクの吐出量を調整する場合には、予め画像データ自身に補正係数を乗算しておき、誤差拡散処理による出力で、各インクジェットノズルのバラツキを調整するようにすればよい。また、直接インクの液敵のサイズを変更するようにしてもよい。
【0037】
このインクの吐出量の調整は、パターン9の濃度測定を行った印刷用紙Sの次に印刷が実行される印刷用紙Sの印刷の直前に実行される。なお、このインク量の調整を、一定枚数の印刷用紙Sへの印刷が完了する毎に実行するようにしてもよい。
【0038】
以上のように、上述したインクジェット記録装置においては、1枚の印刷用紙Sへの印刷を実行する度に、あるいは、一定枚数の印刷用紙Sへの印刷を実行する度に、画像10とともに記録されたパターン9の濃度を測定して、各インクジェットノズルからのインクの吐出量を補正することから、印刷用紙Sの種類や画像10の内容が変更された場合等においても、記録後の画像におけるムラの発生を確実に防止することが可能となる。また、インクの吐出量の補正は画像の記録が継続する間に繰り返し実行されることから、それらの補正係数が掛け合わされることになり、インクの吐出量をより正確に調整することが可能となる。
【0039】
次に、上述したインクジェット記録装置によるインクの吐出量の補正動作の他の実施形態について説明する。図8はこの発明の他の実施形態に係るインクジェット記録装置によるインクの吐出量の補正を示すフローチャートである。
【0040】
この第2実施形態においては、第1実施形態の場合と同様、印刷用紙Sに画像10を記録するに先立って、インクジェットノズルからのインクの吐出量を補正するために使用するパターン9を記録する(ステップS21)。また、記録ヘッド3による画像10の記録と並行して、濃度測定部4により、先に記録したパターン9の濃度を測定する(ステップS22)。
【0041】
しかる後、濃度の測定値に対して、平均化または加重平均化を実行する(ステップS23)。
【0042】
すなわち、あるインクジェットノズルの吐出量を補正するときに、互いに隣接する複数のインクジェットノズルの吐出量の補正量を考慮する。より具体的には、あるインクジェットノズルに対応する位置の濃度の測定値として、例えば、その前後に配置された各々5個のインクジェットノズルに対応する位置のデータの平均値を使用する。あるいは、あるインクジェットノズルに対応する位置の濃度の測定値として、例えば、その前後に配置された各々5個のインクジェットノズルに対応する位置のデータの加重平均値を使用する。なお、加重平均値を使用する場合においては、対象とするインクジェットノズルに近い位置ほどそのデータを重視する。
【0043】
このような平均化または加重平均化を実行することにより、濃度測定位置が高精度でなく、補正データが仮にずれていたとしても、濃度ムラの発生を軽減することができる。また、濃度測定部4の読取位置を高精度に調整する必要がなくなり、装置の製造コストを安価なものとすることが可能となる。
【0044】
平均化または加重平均化した濃度の測定値が決定すれば、第1実施形態の場合と同様、補正部52は、濃度の測定値と既定値と比較し、ルックアップテーブル51から補正係数を呼び出す(ステップS24)。
【0045】
そして、補正部52は、ルックアップテーブル51から呼び出した補正係数に基づいて、各インクジェットヘッド1における各インクジェットノズル毎の補正係数を決定する(ステップS25)。
【0046】
補正部52により決定された補正係数は、記録ヘッド3に送信される。そして、記録ヘッド3においては、この補正係数に基づいて、各インクジェットヘッド1における各インクジェットノズルに対応する画像データを補正し、インクの吐出量を調整する(ステップS26)。
【0047】
【発明の効果】
請求項1、請求項2および請求項6に記載の発明によれば、印刷用紙における画像記録エリア外記録したインクジェットノズルの列設方向に延びるパターンの濃度を測定し、この濃度の測定値に基づいて各インクジェットノズルからのインクの吐出量を補正することから、画像におけるムラの発生を確実に防止することが可能となる。
【0048】
請求項3および請求項7に記載の発明によれば、濃度測定手段がパターン記録手段によるパターンの記録位置データに基づいてパターンの濃度の測定位置を決定することから、パターンの記録位置が変更された場合においても、確実にパターンの濃度測定を行うことが可能となる。
【0049】
請求項4および請求項8に記載の発明によれば、パターン記録手段が各々網点面積率が異なる複数のパターンを記録するとともに、吐出量補正手段が濃度測定手段により測定した複数のパターンの濃度の測定値に基づいて各インクジェットノズルからのインクの吐出量を補正することから、全濃度領域において適正な補正係数を算出することが可能となる。
【0050】
請求項5および請求項9に記載の発明によれば、補正データに多少のずれが発生しても濃度ムラの発生を軽減することができ、また、濃度測定時の読取位置を高精度に調整する必要がなくなることから、装置の製造コストを安価なものとすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を適用するインクジェット記録装置の側面概要図である。
【図2】この発明を適用するインクジェット記録装置のインクジェットヘッド1の配置を示す平面図である。
【図3】画像の記録が完了した印刷用紙Sを示す概要図である。
【図4】パターン9の構成を示す説明図である。
【図5】インクジェット記録装置の主要な電気的構成を示すブロック図である。
【図6】この発明に係るインクジェット記録装置によるインクの吐出量の補正動作を示すフローチャートである。
【図7】補正係数の決定方法を示す説明図である。
【図8】この発明の他の実施形態に係るインクジェット記録装置によるインクの吐出量の補正動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1Y インクジェットヘッド
1M インクジェットヘッド
1C インクジェットヘッド
1K インクジェットヘッド
2 支持板
3 記録ヘッド
4 濃度測定部
5 制御部
6 搬送機構
9 パターン
10 画像
51 ルックアップテーブル
52 補正部
53 画像処理部
54 画像メモリ
61 駆動プーリ
62 従動プーリ
63 無端ベルト
64 モータ
65 排気チャンバー
66 排気ファン
S 印刷用紙
Claims (9)
- 印刷用紙の幅方向に多数列設されたインクジェットノズルに対して、前記印刷用紙を前記インクジェットノズルの列設方向と直交する方向に搬送することにより、前記印刷用紙上に画像を記録するインクジェット記録装置において、
前記印刷用紙における画像記録エリア外に、前記インクジェットノズルの列設方向に延びるパターンを記録するパターン記録手段と、
前記印刷用紙の搬送方向に対して前記パターン記録手段の後段に配設され、前記パターン記録手段により記録されたパターンの濃度を測定する濃度測定手段と、
前記濃度測定手段により測定した濃度の測定値に基づいて、前記各インクジェットノズルからのインクの吐出量を補正する吐出量補正手段と、
を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 請求項1に記載のインクジェット記録装置において、
前記パターン記録装置は、
前記インクジェットノズルと、
当該インクジェットノズルに対して、前記パターンを記録するためのデータを画像データとともに送信する画像記録部と、
から構成されるインクジェット記録装置。 - 請求項2に記載のインクジェット記録装置において、
前記濃度測定手段は、前記パターン記録手段によるパターンの記録位置データに基づいて前記パターンの濃度の測定位置を決定するインクジェット記録装置。 - 請求項2に記載のインクジェット記録装置において、
前記パターン記録手段は、各々網点面積率が異なる複数のパターンを記録するとともに、前記吐出量補正手段は、前記濃度測定手段により測定した複数のパターンの濃度の測定値に基づいて前記各インクジェットノズルからのインクの吐出量を補正するインクジェット記録装置。 - 請求項2に記載のインクジェット記録装置において、
前記吐出量補正手段は、互いに隣接する複数のインクジェットノズルの吐出量の補正値を考慮して各インクジェットノズルからのインキの吐出量を補正するインクジェット記録装置。 - 印刷用紙の幅方向に多数列設されたインクジェットノズルに対して、前記印刷用紙を前記インクジェットノズルの列設方向と直交する方向に搬送することにより、前記印刷用紙上に画像を記録するインクジェット記録方法において、
前記印刷用紙における画像記録エリア外に、前記インクジェットノズルの列設方向に延びるパターンを記録するパターン記録工程と、
前記パターン記録工程において記録されたパターンの濃度を測定する濃度測定工程と、
前記濃度測定工程において測定した濃度の測定値に基づいて、前記各インクジェットノズルからのインクの吐出量を補正する吐出量補正工程と、
を備えたことを特徴とするインクジェット記録方法。 - 請求項6に記載のインクジェット記録方法において、
前記濃度測定工程においては、前記パターン記録工程におけるパターンの記録位置データに基づいて前記パターンの濃度の測定位置を決定するインクジェット記録方法。 - 請求項6に記載のインクジェット記録方法において、
前記パターン記録工程においては、各々網点面積率が異なる複数のパターンを記録するとともに、前記吐出量補正工程においては、前記濃度測定手工程において測定した複数のパターンの濃度の測定値に基づいて前記各インクジェットノズルからのインクの吐出量を補正するインクジェット記録方法。 - 請求項6に記載のインクジェット記録方法において、
前記吐出量補正工程においては、互いに隣接する複数のインクジェットノズルの吐出量の補正値を考慮して各インクジェットノズルからのインキの吐出量を補正するインクジェット記録方法。
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