JP4707213B2 - ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。さらに詳しくは、本発明は、ゴム成分に、特定の変性ポリオレフィンを配合することにより、破壊特性及び耐摩耗性を損なうことなく、良好な低発熱性(低燃費性)と加工性を有するゴム組成物、及びこのゴム組成物を用いた空気入りタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、省エネルギーの社会的な要請及び環境問題への関心の高まりに伴い、自動車の低燃費化に対する要求はより過酷なものとなりつつある。このような要求に対応するため、乗用車用タイヤやトラック・バス用タイヤの性能についても転がり抵抗の減少が求められてきている。タイヤの転がり抵抗を下げる手法としては、タイヤ構造の最適化による手法についても検討されてきたものの、トレッドゴム層として、より発熱性の低いゴム組成物を用いることが最も一般的な手法として行われている。
このような発熱性の低いゴム組成物を得るために、数多くの技術開発がなされてきているが、エネルギーロス低減の点からは、トレッドゴムをより固くすることが有利なことは知られている。しかし、この場合には、押出し性は悪化するなどタイヤ製造の際の作業性に悪影響を及ぼす。
一方、近年、自動車の安全性への関心の高まりに伴い、低燃費性能のみならず、湿潤路面での性能(以下ウェット性能という)、特に、制動性能についても要求が高まってきた。このため、タイヤトレッドのゴム組成物に対する性能要求は、単なる転がり抵抗の低減に止まらず、ウェット性能と低燃費性能を高度に両立するものが必要とされている。
【0003】
このような、良好な低燃費性と良好なウェット性能とを同時にタイヤに与えるゴム組成物を得る方法として、補強用充填材として、これまで一般的に用いられてきたカーボンブラックに変えてシリカを用いる方法がすでに行われている。
しかしながら、シリカは、その表面官能基であるシラノール基の水素結合により粒子同士が凝集する傾向にあり、ゴム中へのシリカ粒子の分散が不十分になるため、通常は、シリカ表面のシラノール基がアルコキシシランと縮合反応することを利用して種々のアルコキシシランが、シリカ表面処理剤あるいはカップリング剤として用いられている。しかし、シリカ配合ゴム組成物においても、ゴムをより固くすることにより燃費性の向上を求めれば作業性は悪くなり、このことは生産性の面からも好ましくなかった。
【0004】
また、最近では、作業性を改善するためにゴムに各種の樹脂を配合することが検討されている。特にポリオレフィン類は安価で、ジエン系ゴムとの相溶性もよいことから有力な手段とも考えられる。しかしながら、ポリオレフィン類とシリカとを併用した場合には、押出しシートの肌荒れを生じ、製品の外観や性能に悪影響を及ぼす恐れがある。このシート表面の肌荒れの原因はシリカとポリオレフィン類との極性が著しく異なることにより両ポリマーの親和性を欠くためと考えられる。なお、ポリオレフィン類は、化学的に不活性な炭化水素で構成されているため反応性に乏しく、単に既存のカップリング剤を用いてもシリカとの親和性を得ることはできなかった。
【0005】
【課題が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況下で、特定の変性ポリオレフィンを配合することにより、300%伸長時の引張り応力を大幅に増大させこるとなく、低燃費性に優れると共に、未加硫ゴムシート表面性状が改良されたゴム組成物、並びにこのゴム組成物を用いた空気入りタイヤを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、従来樹脂フィルムの接着層あるいは中間層としては知られているアルコキシシラン変性ポリオレフィンをゴム組成物に配合することが有効であることを知見し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、天然ゴム及び合成ゴムの少なくとも一種からなるゴム成分に、アルコキシシラン化合物で変性されたポリオレフィンと、カーボンブラック及び補強性無機充填剤の少なくとも一種とを配合したことを特徴とするゴム組成物を提供するものである。また、本発明は、上記ゴム組成物を用いた空気入りタイヤを提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のゴム組成物は、ゴム成分に、アルコキシシラン化合物で変性されたポリオレフィン(変性ポリオレフィン)を配合したものである。このアルコキシシラン化合物としては、ポリオレフィンとラジカル反応をするものであれば特に限定はなく、公知のものを用いることができるが、特にメルカプト基,メタクリロイルオキシ基又はアクリロイルルオキシ基を含んでいることが好ましい。
その中で、好ましいアルコキシシラン化合物は下記(I)式
【0008】
【化2】
【0009】
〔式中、R1 及びR2 は、それぞれ炭素数1〜18の一価の炭化水素基、Qは二価の有機基、Xはメルカプト基,メタクリロイルオキシ基又はアクリロイルオキシ基であり、nは1〜3の整数,mは0又は1を示す。〕
で表わされる。
上記(I)式のアルコキシシラン化合物としては、例えばメルカプトプロピルトリエトキシシラン,メルカプトプロピルトリメトキシシラン,メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン,メルカプトプロピルメチルジメトキシシランなどのメルカプトシラン化合物;メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン,メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン,メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン,メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシランなどのメタクリロイルオキシシラン化合物;アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン,アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン,アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン,アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシランなどのアクリロイルオキシシラン化合物などが挙げられる。
【0010】
上記の変性ポリオレフィンは、アルコキシシラン化合物で変性されているために、充填材としてシリカなどの補強性無機充填剤を併用した場合でも、変性ポリオレフィン主鎖中に導入されたアルコキシシリル基の反応性を利用して補強性無機充填剤と良好な親和性を得ることができる。特にジエン系ゴムのゴム組成物として用いる場合においては、ジエン系ゴムは従来のシランカップリング剤を用いることにより補強性無機充填剤との親和性が得られる。このため、補強性無機充填剤は変性ポリオレフィン及びジエン系ゴムの双方に対しての親和性が得られ、諸物性にバランスがとれた良好なゴム組成物を得ることができる。
上記の変性ポリオレフィンの製法は、特に限定されるものではないが、例えばポリオレフィンを一軸又は二軸押出機を用いて、ポリオレフィンの融点以上の温度で、ラジカル開始剤(触媒)と共に混練りし、アルコキシシラン化合物とラジカル反応させることにより得られる。ラジカル開始剤としては公知のものが用いられ例えばクメンハイドロパーオキシドなどが挙げられる。
また、変性ポリオレフィン中のアルコキシシラン化合物の結合量を重量%示す変性率としては、0.01〜3%であることが好ましい。0.01%未満では、作業性の向上が得られないことがあり、3%を超えればゲル化反応を生じることがある。
【0011】
本発明において、上記変性のために用いられるポリオレフィンとしては、特に限定されず様々なものが使用可能であるが、例えばポリエチレン類やポリプロピレン類、及びポリブテン類,ポリペンテン類,ポリヘキセン類などの高級ポリオレフィン類(炭素数4以上のモノマー単位からなるポリオレフィン類)、並びに異種のオレフィンモノマーの共重合体などが挙げられる。この中でも、ポリα−オレフィン、或いは炭素数2〜8のオレフィン単量体の一種又は二種以上を重合した単独重合体又は共重合体が好ましい。
ここで、ポリα−オレフィンの重合に用いられるα−オレフィン単量体としては、プロピレン,1−ブテン,4−メチル−1−ペンテン,1−ヘキセン,1−オクテン,1−デセン,1−ドデセン,1−テトラデセン,1−オクタデセンなどが挙げられる。また、炭素数2〜8のオレフィン単量体としては、エチレン,プロピレン,ブテン,オクテンなどが挙げられる。
【0012】
上記のポリオレフィンには、これらのオレフィン単量体の一種又は二種以上を重合した単独重合体又は共重合体が用いられる。その中でも、特にプロピレンの単独重合体又はプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体が好ましい。この共重合体としては、例えばプロピレン−エチレン共重合体,プロピレンと1−ブテンとの共重合体などが挙げられる。また、ポリオレフィンは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において、ゴム組成物に配合されるポリオレフィン量は、特に限定されるものではないが、全ゴム成分100重量部に対して、通常0.5〜50重量部、好ましくは2〜10重量部の割合で配合される。配合量が0.5重量部未満では、弾性率向上効果が得られないことがあり、50重量部を超えれば耐破壊特性が悪くなる場合がある。
【0013】
次に、ゴム成分としては、天然ゴム及び合成ゴムのいずれにも適用される。合成ゴムとしては、例えば、イソプレンゴム(IR),ブタジエンゴム(BR),1,2−ポリブタジエン(1,2−BR),スチレン−ブタジエンゴム(SBR),ニトリルゴム(NBR),クロロプレンゴム(CR)ブチルゴム(IIR),塩素化ブチルゴム,臭素化ブチルゴム, エチレン−プロピレンゴム(EPM)及びエチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)などが挙げられる。これらのゴムは単独でも、二種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明のゴム組成物においては、補強用充填材として従来より慣用されているカーボンブラックや、シリカ,アルミナなどの補強性無機充填剤を用いることができる。本発明においては、このゴム補強用充填材は、前記ゴム成分100重量部に対し、30〜150重量部の範囲で配合される。この量が30重量部未満では補強性や他の物性の改良効果が充分に発揮されず、また150重量部を超えると加工性などが低下する。補強性や他の物性及び加工性などを考慮すると、この成分の配合量は40〜120重量部の範囲が好ましい。
【0014】
また、本発明のゴム組成物においては、所望により、シランカップリング剤を配合することができる。このシランカップリング剤としては、特に制限はなく、従来ゴム組成物に使用されている公知のもの、例えばビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド,γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン,N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン,N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどを用いることができる。シランカップリング剤はシリカに対して、通常1〜20重量%の範囲で選定される。この量が1重量%未満ではカップリング剤としての効果が充分に発揮されにくく、また、20重量%を超えるとゴム成分のゲル化を引き起こすおそれがある。カップリング剤としての効果及びゲル化防止などの点から、このシランカップリング剤の好ましい配合量は、5〜15重量%の範囲である。
本発明のゴム組成物には、前記の配合剤以外に、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えば加硫剤,加硫促進剤,プロセス油,老化防止剤,スコーチ防止剤,亜鉛華,ステアリン酸などを含有させることができる。
【0015】
本発明のゴム組成物は、ロール、インターナルミキサー等の混練り機を用いて混練りすることによって得られ、成形加工後、加硫を行い、タイヤトレッド,アンダートレッド,カーカス,サイドウォール,ビード部分等のタイヤ用途を始め、防振ゴム,ベルト,ホースその他の工業品等の用途にも用いることができるが、特に乗用車用タイヤやバス・トラック用タイヤのトレッドゴムとして好適に使用される。
本発明の空気入りタイヤは、本発明のゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて、上記のように各種薬品を含有させた本発明のゴム組成物が未加硫の段階でトレッド用部材に押出し加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られる。
【0016】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、未加硫ゴム及び加硫ゴムについての各種ゴム物性の評価は、下記の方法で測定した。
(1)加工性評価
未加硫ゴムのゴムシートの表面を観察し、以下の指標で評価した。
◎ まとまりがよく、表面につやがあり、耳切れがない。
○ シート端に若干しわが寄り、表面につやはないが、まとまりや肌はきれいである。
△ 一つにまとまりはするが、肌は荒れ、多少の耳切れが起こる。
× 耳切れが多く、一つにまとまるのが困難で、肌も荒れている。
【0017】
(2)引張特性,硬度
室温で、100%伸長時の引張応力(M100 ),300%伸長時の引張応力(M300 ),切断時の強力(Tb),伸び(Eb)及び硬度をJIS K6301−1995に従って測定した。
(3)耐摩耗性
ランボーン型摩耗試験機を用い、室温におけるスリップ率60%の摩耗量を測定し、比較例1の耐摩耗性を100として、耐摩耗指数として指数表示した。指数が大きい方が良好となる。
(4)動的粘弾性
動的貯蔵剪断弾性率G' ,tanδは、粘弾性測定装置により、円筒型サンプルを用いて、温度50℃、周波数15Hzとし、剪断歪みを10%の条件で測定した。tanδが小さい程、低発熱性である。
また、Δtanδは、上記の如く温度50℃、周波数15Hzの条件で、円筒型サンプルに0.1〜20%の剪断歪みの範囲でtanδを測定し、このときの最大のtanδから最小のtanδを引いて算出した。
【0018】
製造例1
混練押出機により、ポリプロピレン〔日本ポリケム(株)製,商標「ノバテックPP MG05BS」〕100g,ラジカル開始剤としてのクメンハイドロパーオキシド1g,及びメルカプトプロピルトリエトキシシラン1gとを190℃で混練りし、変性ポリプロピレンAを得た。
製造例2
製造例1において、メルカプトプロピルトリエトキシシラン1gの代わりに、メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン1gを用いたこと以外は、製造例1と同様にして、変性ポリプロピレンBを得た。
製造例3
混練押出機により、高密度ポリエチレン〔日本ポリケム(株)製,商標「ノバテックHD HB530」〕100g,ラジカル開始剤としてのクメンハイドロパーオキシド1g,及びメルカプトプロピルトリエトキシシラン1gとを190℃で混練りし、変性高密度ポリエチレンCを得た。
製造例4
混練押出機により、直鎖低密度ポリエチレン〔日本ポリケム(株)製,商標「ノバテックLL UF230」〕100g,ラジカル開始剤としてのクメンハイドロパーオキシド1g,及びメルカプトプロピルトリエトキシシラン1gとを190℃で混練りし、変性直鎖低密度ポリエチレンDを得た。
【0019】
実施例1,2及び比較例1,2
SBR0120〔ジェイエスアール(株)製,商標〕137.5重量部、第1表に示す種類と量のポリオレフィン又は変性ポリオレフィン、カーボンブラック(N235相当品)15重量部、シリカ〔日本シリカ工業(株)製、商標:ニプシルAQ〕60重量部、シランカップリング剤Si69〔商標;デグサ社製,ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、〕5重量部,アロマオイル10重量部、ステアリン酸2重量部、老化防止剤6C〔N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン〕1重量部,ワックス1重量部を配合してマスターバッチを調製し、さらに亜鉛華2.5重量部、加硫促進剤DPG(ジフェニルグアニジン)1.5重量部、加硫促進剤DM(ジベンゾチアジルジスルフィド)1重量部、加硫促進剤NS(N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)1重量部及び硫黄1.4重量部を配合してゴム組成物を調製した。なお、比較例1では、ポリオレフィン又は変性ポリオレフィンは配合しなかった。これらのゴム組成物について、前記の未加硫ゴム物性を測定すると共に、160℃、15分間の条件で加硫し、前記の加硫ゴム物性を測定した。その結果を第1表に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
(注)
*1)SBR0120:スチレンーブタジエン共重合体ゴム(スチレン含量23.5重量%)100重量部に対して37.5重量部を油展したゴム
*2)ポリプロピレン:日本ポリケム(株)製,商標「ノバテックPP MG05BS」
*3)変性ポリプロピレンA:製造例1による。
*4)変性ポリプロピレンB:製造例2による。
【0022】
実施例3及び比較例3,4
BR01〔商標、ジェイエスアール(株)製,シス−1,4−ボリブタジエン〕70重量部と天然ゴム(RSS#3)30重量部、第2表に示す種類と量のポリオレフィン又は変性ポリオレフィン、カーボンブラック(前出)40重量部、シリカ(前出)40重量部、シランカップリング剤Si69(前出)4重量部,アロマオイル26.25重量部、ステアリン酸2重量部、老化防止剤6C(前出)1重量部を配合してマスターバッチを調製し、さらに亜鉛華3重量部、加硫促進剤DPG(前出)0.8重量部、加硫促進剤DM(前出)1重量部、加硫促進剤NS(前出)1重量部及び硫黄1.5重量部を配合してゴム組成物を調製した。なお、比較例3では、ポリオレフィン又は変性ポリオレフィンは配合しなかった。これらのゴム組成物について、前記の未加硫ゴム物性を測定すると共に、160℃、15分間の条件で加硫し、前記の加硫ゴム物性を測定した。その結果を第2表に示す。
【0023】
実施例4及び比較例5,6
SBR1500〔商標、ジェイエスアール(株)製,スチレンーブタジエン共重合体ゴム100重量部、第2表に示す種類と量のポリオレフィン又は変性ポリオレフィン、シリカ(前出)50重量部、シランカップリング剤Si69(前出)5重量部,アロマオイル21重量部、ステアリン酸2重量部、老化防止剤6C(前出)1重量部を配合してマスターバッチを調製し、さらに亜鉛華2.5重量部、加硫促進剤DPG(前出)0.5重量部、加硫促進剤DM(前出)1重量部、加硫促進剤NS(前出)1.5重量部及び硫黄1.5重量部を配合してゴム組成物を調製した。なお、比較例5では、ポリオレフィン又は変性ポリオレフィンは配合しなかった。これらのゴム組成物について、前記の未加硫ゴム物性を測定すると共に、160℃、15分間の条件で加硫し、前記の加硫ゴム物性を測定した。その結果を第2表に示す。
【0024】
【表2】
【0025】
(注)
【0026】
*5)高密度ポリエチレン:日本ポリケム(株)製,商標「ノバテックHD HB530」
*6)変性高密度ポリエチレンC:製造例3による。
*7)直鎖低密度ポリエチレン:日本ポリケム(株)製,商標「ノバテックLL
UF230」
8)変性直鎖低密度ポリエチレンD:製造例4による。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、特定性状のポリオレフィンを配合することにより、300%伸長時の引張り応力を大幅に増大させることなく、良好な低発熱性を確保すると共に、作業時の練り肌やシート外観が改良されたゴム組成物を得ることができ、このものは特にタイヤ用部材、中でもタイヤトレッドゴムに好適に用いられる。
Claims (8)
- 天然ゴム及び合成ゴムの少なくとも一種からなるゴム成分に、アルコキシシラン化合物で変性されたポリオレフィンと、カーボンブラック及び補強性無機充填剤の少なくとも一種とを配合したゴム組成物であって、
前記ポリオレフィンが、ポリα−オレフィン、又はエチレン、プロピレン、ブテン及びオクテンの一種又は二種以上を重合した単独重合体あるいは共重合体であり、前記アルコキシシラン化合物が、メルカプト基、メタクリロイルオキシ基又はアクリロイルオキシ基を含むことを特徴とするゴム組成物。 - 変性ポリオレフィンの変性率が、0.01〜3%である請求項1に記載のゴム組成物。
- 前記変性されたポリオレフィンの配合量が、ゴム成分100重量部に対して0.5〜50重量部の範囲である請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
- 前記カーボンブラック及び補強性無機充填剤の少なくとも一種の配合量が、ゴム成分100重量部に対して30〜150重量部の範囲である請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
- さらに、加硫剤を含有する請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物を用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物をトレッドゴムに用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
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