JP3476389B2 - タイヤ用トレッドゴム組成物 - Google Patents
タイヤ用トレッドゴム組成物Info
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- JP3476389B2 JP3476389B2 JP22989299A JP22989299A JP3476389B2 JP 3476389 B2 JP3476389 B2 JP 3476389B2 JP 22989299 A JP22989299 A JP 22989299A JP 22989299 A JP22989299 A JP 22989299A JP 3476389 B2 JP3476389 B2 JP 3476389B2
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- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/80—Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
- Y02T10/86—Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction
Landscapes
- Tires In General (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はタイヤ用トレッドゴ
ム組成物に関し、特に湿潤路面における操縦安定性や制
動性(ウエットグリップ性)が向上し、しかも未加硫ゴ
ムの加工性が改善されたタイヤ用トレッドゴム組成物に
関する。
ム組成物に関し、特に湿潤路面における操縦安定性や制
動性(ウエットグリップ性)が向上し、しかも未加硫ゴ
ムの加工性が改善されたタイヤ用トレッドゴム組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の低燃費化、特にタイヤの
転動抵抗の低減の要請が強くなるとともに、一方では走
行安定性の要請から湿潤路面での摩擦抵抗(ウエットグ
リップ性)の優れたタイヤが要求されている。従来タイ
ヤの転動抵抗とウエットグリップは二律背反の関係にあ
り、両特性を同時に満足させることは困難とされていた
が、最近では次の理論的解明の下で両者の特性の改善が
進められている。
転動抵抗の低減の要請が強くなるとともに、一方では走
行安定性の要請から湿潤路面での摩擦抵抗(ウエットグ
リップ性)の優れたタイヤが要求されている。従来タイ
ヤの転動抵抗とウエットグリップは二律背反の関係にあ
り、両特性を同時に満足させることは困難とされていた
が、最近では次の理論的解明の下で両者の特性の改善が
進められている。
【0003】すなわちタイヤ走行時の転動抵抗を小さく
するためには、トレッドゴムのヒステリシスロスを小さ
くする必要があるが、そのためタイヤ走行時の温度条件
である50℃〜100℃での損失正接(tanδ)を低
くすることが有効である。そのためには高シスポリブタ
ジエンあるいは天然ゴムのようにガラス転移点の低いゴ
ム材料をトレッドに用いることが一般的である。
するためには、トレッドゴムのヒステリシスロスを小さ
くする必要があるが、そのためタイヤ走行時の温度条件
である50℃〜100℃での損失正接(tanδ)を低
くすることが有効である。そのためには高シスポリブタ
ジエンあるいは天然ゴムのようにガラス転移点の低いゴ
ム材料をトレッドに用いることが一般的である。
【0004】一方、ウエットグリップ性はタイヤの走行
時の繰返し変形の条件である10〜20Hzの周波数下
において0℃付近の損失正接(tanδ)を大きくする
ことが有効である。そのためには溶液重合スチレン−ブ
タジエンゴムでビニル含量およびスチレン含量の大きい
ものを用いることが効果的である。最近では上記スチレ
ン−ブタジエンゴムにシリカ配合を採用することで一層
ウエットグリップ性が改善されることが知られている。
しかし、かかる技術は0℃以下の低温時にゴム組成物が
硬化するため、使用し得る温度領域が限定されるという
問題点があった。
時の繰返し変形の条件である10〜20Hzの周波数下
において0℃付近の損失正接(tanδ)を大きくする
ことが有効である。そのためには溶液重合スチレン−ブ
タジエンゴムでビニル含量およびスチレン含量の大きい
ものを用いることが効果的である。最近では上記スチレ
ン−ブタジエンゴムにシリカ配合を採用することで一層
ウエットグリップ性が改善されることが知られている。
しかし、かかる技術は0℃以下の低温時にゴム組成物が
硬化するため、使用し得る温度領域が限定されるという
問題点があった。
【0005】さらにハロゲン化ブチルゴムあるいはポリ
イソプレンとP−メチルスチレンの共重合体のハロゲン
化物を使用することにより低温時に硬くならずに湿潤路
面の摩擦係数を高める手法も知られている。先行技術と
しては、たとえば特開平7−304903、特開平8−
225683、特開平9−324069等が報告されて
いる。ただし、従来の技術ではシリカとカップリング剤
が化学反応するときにエタノールが発生し、タイヤ製造
工程に悪影響を及ぼすことが知られている。特にブチル
ゴムの場合、空気透過性に優れているため、発生したエ
タノールもゴム系内に残りやすい。また、ブチルゴムの
強度が弱いこと、シリカが高充填なこと、エタノールに
よる気泡発生などのためタイヤ加硫時にスピュー切れが
起こりやすく、これまでは生産性が著しく悪かった。
イソプレンとP−メチルスチレンの共重合体のハロゲン
化物を使用することにより低温時に硬くならずに湿潤路
面の摩擦係数を高める手法も知られている。先行技術と
しては、たとえば特開平7−304903、特開平8−
225683、特開平9−324069等が報告されて
いる。ただし、従来の技術ではシリカとカップリング剤
が化学反応するときにエタノールが発生し、タイヤ製造
工程に悪影響を及ぼすことが知られている。特にブチル
ゴムの場合、空気透過性に優れているため、発生したエ
タノールもゴム系内に残りやすい。また、ブチルゴムの
強度が弱いこと、シリカが高充填なこと、エタノールに
よる気泡発生などのためタイヤ加硫時にスピュー切れが
起こりやすく、これまでは生産性が著しく悪かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題を解
決するものでタイヤの転動抵抗を従来と同レベルに維持
しながらウエットグリップ性を改善し、さらにトレッド
ゴム配合の加工性を改善したトレッドゴム組成物を提供
することを目的とする。
決するものでタイヤの転動抵抗を従来と同レベルに維持
しながらウエットグリップ性を改善し、さらにトレッド
ゴム配合の加工性を改善したトレッドゴム組成物を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は(イ) (a)
ジエン系ゴム25〜95重量%と(b)ハロゲン化ブチ
ルゴムおよび/または、イソブチレンとP−メチルスチ
レンの共重合体のハロゲン化物75〜5重量%よりなる
ゴム成分の100重量部と、(ロ) シリカをゴム成分
100重量部に対して40〜150重量部と、(ハ)
シランカップリング剤をシリカ配合量の1〜15重量%
と、(ニ) 次の(1)式で表わされるオルガノポリシ
ロキサンをシリカ配合量の1〜15重量%配合した (SiO2)aX2(a+1) (1) X:O1/2[(CH3)2SiO]bR1またはO1/2R1 各Xは同一でも異なっていてもよいが、少なくとも1は
O1/2[(CH3 )2SiO]bR1でなくてはならない。
ジエン系ゴム25〜95重量%と(b)ハロゲン化ブチ
ルゴムおよび/または、イソブチレンとP−メチルスチ
レンの共重合体のハロゲン化物75〜5重量%よりなる
ゴム成分の100重量部と、(ロ) シリカをゴム成分
100重量部に対して40〜150重量部と、(ハ)
シランカップリング剤をシリカ配合量の1〜15重量%
と、(ニ) 次の(1)式で表わされるオルガノポリシ
ロキサンをシリカ配合量の1〜15重量%配合した (SiO2)aX2(a+1) (1) X:O1/2[(CH3)2SiO]bR1またはO1/2R1 各Xは同一でも異なっていてもよいが、少なくとも1は
O1/2[(CH3 )2SiO]bR1でなくてはならない。
【0008】
R1:水素原子または炭素数5以下の1価の炭化水素基
b:1〜100の整数
a:1〜20の整数
ことを特徴とするタイヤ用トレッドゴム組成物である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に使用されるジエン系ゴム
としては、種類に特に制限はないが、たとえば天然ゴム
(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、乳化重合スチ
レン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、溶液重合スチ
レン−ブタジエン共重合ゴム(結合スチレン10〜50
重量%、1,2−結合量10〜80%)、高トランスS
BR(ブタジエン部のトランス量60〜95%)、低シ
スポリブタジエンゴム、高シスポリブタジエンゴム、高
トランスポリブタジエンゴム(ブタジエン部のトランス
量50〜95%)、スチレン−イソプレン共重合ゴム
(SIR)、ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、溶液
重合スチレン−ブタジエン−イソプレン共重合ゴム(S
IBR)、乳化重合SIBR、乳化重合スチレン−アク
リロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリ
ル−ブタジエン共重合ゴム、高ビニルSBR−低ビニル
SBRブロック共重合ゴム、ポリスチレン−ポリブタジ
エン−ポリスチレンブロック共重合体などのブロック共
重合体等が挙げられる。これらのジエン系ゴムは、それ
ぞれ単独で、または2種以上を組合せて使用することが
できる。これらの中でも、溶液重合スチレン−ブタジエ
ン共重合ゴム(高スチレン含量、高ビニル含量)が特に
好ましい。
としては、種類に特に制限はないが、たとえば天然ゴム
(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、乳化重合スチ
レン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、溶液重合スチ
レン−ブタジエン共重合ゴム(結合スチレン10〜50
重量%、1,2−結合量10〜80%)、高トランスS
BR(ブタジエン部のトランス量60〜95%)、低シ
スポリブタジエンゴム、高シスポリブタジエンゴム、高
トランスポリブタジエンゴム(ブタジエン部のトランス
量50〜95%)、スチレン−イソプレン共重合ゴム
(SIR)、ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、溶液
重合スチレン−ブタジエン−イソプレン共重合ゴム(S
IBR)、乳化重合SIBR、乳化重合スチレン−アク
リロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリ
ル−ブタジエン共重合ゴム、高ビニルSBR−低ビニル
SBRブロック共重合ゴム、ポリスチレン−ポリブタジ
エン−ポリスチレンブロック共重合体などのブロック共
重合体等が挙げられる。これらのジエン系ゴムは、それ
ぞれ単独で、または2種以上を組合せて使用することが
できる。これらの中でも、溶液重合スチレン−ブタジエ
ン共重合ゴム(高スチレン含量、高ビニル含量)が特に
好ましい。
【0010】次に本発明で用いられるイソブチレンとP
−メチルスチレンの共重合体のハロゲン化物は、たとえ
ば欧州特許公報第893059.9号に開示されている
方法により重合することができる。すなわち、イソブチ
レンとP−メチルスチレンをルイス酸の触媒を用いてメ
チルクロリド溶媒中で共重合する。ここで好ましいルイ
ス酸はエチルアルミニウムジクロリド等であり、モノマ
ー比で0.001〜0.2重量%使用する。そして重合
終了後ラジカル開始剤を用いて前記共重合体を塩素化ま
たは臭素化を行ない、ハロゲン化されたイソブチレンと
P−メチルスチレン共重合体を得る。
−メチルスチレンの共重合体のハロゲン化物は、たとえ
ば欧州特許公報第893059.9号に開示されている
方法により重合することができる。すなわち、イソブチ
レンとP−メチルスチレンをルイス酸の触媒を用いてメ
チルクロリド溶媒中で共重合する。ここで好ましいルイ
ス酸はエチルアルミニウムジクロリド等であり、モノマ
ー比で0.001〜0.2重量%使用する。そして重合
終了後ラジカル開始剤を用いて前記共重合体を塩素化ま
たは臭素化を行ない、ハロゲン化されたイソブチレンと
P−メチルスチレン共重合体を得る。
【0011】ここでP−メチルスチレン単位の共重合体
中の割合は20重量%以下、好ましくは2〜7重量%の
範囲である。共重合体中のP−メチルスチレンの割合が
増加するに伴い、共重合体の粘度が増大し、加工性が低
下する。ウエットグリップ性等の特性と加工性を同時に
満足するため、P−メチルスチレンの含量を上記範囲に
することが好ましい。
中の割合は20重量%以下、好ましくは2〜7重量%の
範囲である。共重合体中のP−メチルスチレンの割合が
増加するに伴い、共重合体の粘度が増大し、加工性が低
下する。ウエットグリップ性等の特性と加工性を同時に
満足するため、P−メチルスチレンの含量を上記範囲に
することが好ましい。
【0012】ハロゲン化されたイソブチレンとP−メチ
ルスチレン共重合体の損失係数の温度依存性は通常のジ
エン系ゴムよりもブロードで−30℃〜0℃の付近で損
失係数のピーク温度となり、比較的高温領域、たとえば
50℃付近では損失係数はジエン系ゴムよりも低くな
る。
ルスチレン共重合体の損失係数の温度依存性は通常のジ
エン系ゴムよりもブロードで−30℃〜0℃の付近で損
失係数のピーク温度となり、比較的高温領域、たとえば
50℃付近では損失係数はジエン系ゴムよりも低くな
る。
【0013】かかる損失係数特性から、比較的低温側に
損失係数のピーク温度を持つジエン系ゴムおよび、該ハ
ロゲン化共重合体ゴムをゴム成分として用いることによ
り、得られるゴム組成物の損失係数の温度依存性として
0℃付近の損失係数をより大きく、50℃付近の損失係
数をより小さくすることができ、従来の相反する特性を
示していた転動抵抗およびウエットグリップの両特性を
同時に満足させることができる。
損失係数のピーク温度を持つジエン系ゴムおよび、該ハ
ロゲン化共重合体ゴムをゴム成分として用いることによ
り、得られるゴム組成物の損失係数の温度依存性として
0℃付近の損失係数をより大きく、50℃付近の損失係
数をより小さくすることができ、従来の相反する特性を
示していた転動抵抗およびウエットグリップの両特性を
同時に満足させることができる。
【0014】次に本発明で用いられるハロゲン化ブチル
ゴムは、ブチルゴムを塩素、臭素等でハロゲン化したも
のでブチルゴム中ハロゲンを3重量%以下含むものであ
る。たとえば市販品としてはJSR(株)製、JSRク
ロロブチル1006等、JSRブロモブチル2244
等、エクソン(株)製のエクソンクロロブチル1065
等、エクソンブロモブチル2233等がある。
ゴムは、ブチルゴムを塩素、臭素等でハロゲン化したも
のでブチルゴム中ハロゲンを3重量%以下含むものであ
る。たとえば市販品としてはJSR(株)製、JSRク
ロロブチル1006等、JSRブロモブチル2244
等、エクソン(株)製のエクソンクロロブチル1065
等、エクソンブロモブチル2233等がある。
【0015】ハロゲン化ブチルはその化学構造に二重結
合を含まないため、耐オゾン、耐熱性、耐候性に優れる
とともにウエットグリップ性を改善する。
合を含まないため、耐オゾン、耐熱性、耐候性に優れる
とともにウエットグリップ性を改善する。
【0016】前記ハロゲン化されたイソブチレンとP−
メチルスチレン共重合体および/またはハロゲン化ブチ
ルゴムの配合量は、ゴム成分100重量部のうち5〜2
5重量%、好ましくは5〜20重量%を占める量であ
る。その配合量が5重量%未満では転動抵抗、ウエット
グリップ性の改善効果が認められず、25重量%を超え
ると耐摩耗性の低下が顕著となり、また未加硫ゴムの加
工性が悪化するため好ましくない。
メチルスチレン共重合体および/またはハロゲン化ブチ
ルゴムの配合量は、ゴム成分100重量部のうち5〜2
5重量%、好ましくは5〜20重量%を占める量であ
る。その配合量が5重量%未満では転動抵抗、ウエット
グリップ性の改善効果が認められず、25重量%を超え
ると耐摩耗性の低下が顕著となり、また未加硫ゴムの加
工性が悪化するため好ましくない。
【0017】本発明に使用されるゴム組成物のムーニー
粘度(ML1+4,100℃)は特に限定されないが、機
械強度や加工性などの点から、通常10〜100、好ま
しくは15〜50の範囲である。しかしジエン系重合体
ゴムを油展して使用する場合には100を超える場合も
あり得る。
粘度(ML1+4,100℃)は特に限定されないが、機
械強度や加工性などの点から、通常10〜100、好ま
しくは15〜50の範囲である。しかしジエン系重合体
ゴムを油展して使用する場合には100を超える場合も
あり得る。
【0018】本発明で使用されるシリカとしては、汎用
ゴム一般に用いられるものを使用することができる。た
とえば補強剤として使用される乾式法ホワイトカーボ
ン、湿式法ホワイトカーボン、コロイダルシリカ等であ
る。中でも含水ケイ酸を主成分とする湿式法ホワイトカ
ーボンが好ましい。
ゴム一般に用いられるものを使用することができる。た
とえば補強剤として使用される乾式法ホワイトカーボ
ン、湿式法ホワイトカーボン、コロイダルシリカ等であ
る。中でも含水ケイ酸を主成分とする湿式法ホワイトカ
ーボンが好ましい。
【0019】シリカの比表面積は、特に制限はないが、
窒素吸着比表面積(BET法)で、通常50〜350m
2/g、好ましくは100〜250m2/g、さらに好ま
しくは110〜180m2/gの範囲である。シリカの
比表面積が過度に小さいと補強性に劣り、一方過度に大
きいと加工性に劣り、ウエットグリップ性、転動抵抗等
の改善も十分でない。ここで窒素吸着比表面積は、AS
TM D3037−81に準じてBET法で測定される
値である。
窒素吸着比表面積(BET法)で、通常50〜350m
2/g、好ましくは100〜250m2/g、さらに好ま
しくは110〜180m2/gの範囲である。シリカの
比表面積が過度に小さいと補強性に劣り、一方過度に大
きいと加工性に劣り、ウエットグリップ性、転動抵抗等
の改善も十分でない。ここで窒素吸着比表面積は、AS
TM D3037−81に準じてBET法で測定される
値である。
【0020】シリカの使用割合は、ゴム成分100重量
部に対して、40〜150重量部、好ましくは40〜1
00重量部である。この配合割合が過度に少なくなると
補強性に劣り、一方過度に多くなると未加硫ゴム組成物
の粘度が上昇し、加工性を損なう。
部に対して、40〜150重量部、好ましくは40〜1
00重量部である。この配合割合が過度に少なくなると
補強性に劣り、一方過度に多くなると未加硫ゴム組成物
の粘度が上昇し、加工性を損なう。
【0021】本発明のゴム組成物には、シランカップリ
ング剤を添加することにより、転動抵抗の低減およびウ
エットグリップ性の改善効果が著しくなる。シランカッ
プリング剤としては、特に制限はないが、たとえば、N
−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピル
トリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
ビス[3−(トリエトキシシル)プロピル]テトラスル
フィド、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシ
シラン、ビニルトリス(β−メトキシ−エトキシ)シラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチル
トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエト
キシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シランなどを挙げることができる。特に上記のうちスル
フィド系のシランカップリング剤がシリカの分散効果、
発熱抑制に好適である。
ング剤を添加することにより、転動抵抗の低減およびウ
エットグリップ性の改善効果が著しくなる。シランカッ
プリング剤としては、特に制限はないが、たとえば、N
−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピル
トリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
ビス[3−(トリエトキシシル)プロピル]テトラスル
フィド、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシ
シラン、ビニルトリス(β−メトキシ−エトキシ)シラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチル
トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエト
キシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シランなどを挙げることができる。特に上記のうちスル
フィド系のシランカップリング剤がシリカの分散効果、
発熱抑制に好適である。
【0022】シランカップリング剤の使用割合は、シリ
カ100重量部に対して1〜15重量%、好ましくは2
〜10重量%の範囲である。この使用割合が1重量%未
満であると、ジエン系ゴムとシリカとの親和性向上効果
が小さく、逆に15重量%を超えると混合や押し出し工
程で焼けが生じやすく、また効果も飽和の傾向を示し経
済的でない。
カ100重量部に対して1〜15重量%、好ましくは2
〜10重量%の範囲である。この使用割合が1重量%未
満であると、ジエン系ゴムとシリカとの親和性向上効果
が小さく、逆に15重量%を超えると混合や押し出し工
程で焼けが生じやすく、また効果も飽和の傾向を示し経
済的でない。
【0023】次に、本発明のゴム組成物には、一般式
(1) (SiO2)aX2(a+1) (1) (式中、XはO1/2[(CH3)2SiO]bR1またはO
1/2R1で各Xは同一でも異なっていてもよい、ただし、
Xの1つ以上はO1/2[(CH3)2SiO]bR 1でなく
てはならない、Rまたは炭素数5以下の1価の炭化水素
基である、bは1〜100の整数、aは1〜20の整数
である)で表わされるオルガノポリシロキサンが配合さ
れる。本発明のゴム組成物に前記特定のアルコキシシリ
ル基またはシラノール基(R1が水素原子の場合)を有
するオルガノポリシロキサンを配合することにより、転
動抵抗、ウエットグリップ性および加工性の良好なゴム
組成物を得ることができる。
(1) (SiO2)aX2(a+1) (1) (式中、XはO1/2[(CH3)2SiO]bR1またはO
1/2R1で各Xは同一でも異なっていてもよい、ただし、
Xの1つ以上はO1/2[(CH3)2SiO]bR 1でなく
てはならない、Rまたは炭素数5以下の1価の炭化水素
基である、bは1〜100の整数、aは1〜20の整数
である)で表わされるオルガノポリシロキサンが配合さ
れる。本発明のゴム組成物に前記特定のアルコキシシリ
ル基またはシラノール基(R1が水素原子の場合)を有
するオルガノポリシロキサンを配合することにより、転
動抵抗、ウエットグリップ性および加工性の良好なゴム
組成物を得ることができる。
【0024】一般式(1)におけるaはオルガノポリシ
ロキサンの主鎖の長さを規定し、aが20を超える場合
には効果があまり変わらないが化合物の生産性が悪化す
るため好ましくない。aの好ましい値は1〜15、さら
に1〜10である。
ロキサンの主鎖の長さを規定し、aが20を超える場合
には効果があまり変わらないが化合物の生産性が悪化す
るため好ましくない。aの好ましい値は1〜15、さら
に1〜10である。
【0025】一般式(1)におけるXは、オルガノポリ
シロキサンの主鎖に結合し、オルガノポリシロキサンが
官能基(アルコキシシリル基またはシラノール基)を有
するようにする。XはO1/2[(CH3)2SiO]bR1
またはO1/2R1であり、XがO1/2[(CH3)2Si
O]bR1でオルガノポリシロキサンの主鎖の末端に結合
する場合には、実質的に主鎖を長くし、末端に
シロキサンの主鎖に結合し、オルガノポリシロキサンが
官能基(アルコキシシリル基またはシラノール基)を有
するようにする。XはO1/2[(CH3)2SiO]bR1
またはO1/2R1であり、XがO1/2[(CH3)2Si
O]bR1でオルガノポリシロキサンの主鎖の末端に結合
する場合には、実質的に主鎖を長くし、末端に
【0026】
【化1】
【0027】基が存在し、XがO1/2R1の場合には、ケ
イ素原子に結合した−OR1基が存在する。ただし、オ
ルガノポリシロキサンの主鎖の末端にO1/2R1とともに
O1/2[(CH3)2SiO]bR1が存在する場合には、
実質的に鎖末端以外にO1/2R1が結合する場合と同様の
構造になる。XがO1/2[(CH3)2SiO]bR1で、
オルガノポリシロキサンの主鎖の末端以外に結合する場
合には、主鎖にジメチルシロキサン鎖が結合した側鎖の
先端に
イ素原子に結合した−OR1基が存在する。ただし、オ
ルガノポリシロキサンの主鎖の末端にO1/2R1とともに
O1/2[(CH3)2SiO]bR1が存在する場合には、
実質的に鎖末端以外にO1/2R1が結合する場合と同様の
構造になる。XがO1/2[(CH3)2SiO]bR1で、
オルガノポリシロキサンの主鎖の末端以外に結合する場
合には、主鎖にジメチルシロキサン鎖が結合した側鎖の
先端に
【0028】
【化2】
【0029】基が存在し、XがO1/2[(CH3)2Si
O]bR1で、オルガノポリシロキサンの末端に結合した
場合と同様の構造になる。この構造の場合、末端または
先端の
O]bR1で、オルガノポリシロキサンの末端に結合した
場合と同様の構造になる。この構造の場合、末端または
先端の
【0030】
【化3】
【0031】基は、立体障害が少なく反応しやすくする
ため、他の化合物と結合しやすく、好ましい。一方、X
がオルガノポリシロキサンの主鎖の末端以外に結合する
場合には、
ため、他の化合物と結合しやすく、好ましい。一方、X
がオルガノポリシロキサンの主鎖の末端以外に結合する
場合には、
【0032】
【化4】
【0033】の構造となり、この構造の場合、立体障害
が多く反応しにくいため、他の化合物と結合しやすい。
したがって、2(a+1)個存在するXのうちの50%
以上さらには60%以上、ことには70%以上が
が多く反応しにくいため、他の化合物と結合しやすい。
したがって、2(a+1)個存在するXのうちの50%
以上さらには60%以上、ことには70%以上が
【0034】
【化5】
【0035】を有することが好ましい。前記XがO1/2
[(CH3)2SiO]bR1中のbとして1〜100のも
のが使用できるが、オルガノポリシロキサンに含まれる
アルコキシシリル基および(または)シラノール基の含
有割合が高く、反応性が高くなる点からbは1〜50、
さらには1〜20であることが好ましい。
[(CH3)2SiO]bR1中のbとして1〜100のも
のが使用できるが、オルガノポリシロキサンに含まれる
アルコキシシリル基および(または)シラノール基の含
有割合が高く、反応性が高くなる点からbは1〜50、
さらには1〜20であることが好ましい。
【0036】前記XがO1/2[(CH3)2SiO]bR1
またはO1/2R1中のR1は、水素原子または炭素原子1
〜5の1価の炭化水素基である。水素原子の割合には、
保存安定性は必ずしもよくないが反応性の高いシラノー
ル基が含まれ、炭素数1〜5の1価の炭化水素基の場合
には、保存安定性はよいが反応性が必ずしもよくないア
ルコキシシリル基が含まれることになり、必要に応じて
使い分ければよい。炭素数1〜5の炭化水素基の中でも
炭素数1〜2のものは反応性も高く、保存安定性も良好
であり好ましい。
またはO1/2R1中のR1は、水素原子または炭素原子1
〜5の1価の炭化水素基である。水素原子の割合には、
保存安定性は必ずしもよくないが反応性の高いシラノー
ル基が含まれ、炭素数1〜5の1価の炭化水素基の場合
には、保存安定性はよいが反応性が必ずしもよくないア
ルコキシシリル基が含まれることになり、必要に応じて
使い分ければよい。炭素数1〜5の炭化水素基の中でも
炭素数1〜2のものは反応性も高く、保存安定性も良好
であり好ましい。
【0037】前記炭素数1〜5の1価の炭化水素基の例
としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、ブチル基、ペンチル基などが挙げられ、メチル
基、エチル基が好ましい。
としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、ブチル基、ペンチル基などが挙げられ、メチル
基、エチル基が好ましい。
【0038】一般式(1)で表わされるオルガノポリシ
ロキサンを具体的に示せばたとえば一般式(1)におい
てa=1、b=1、XがすべてXがO1/2[(CH3)2
SiO]bR1でR1がすべてエチル基の場合、
ロキサンを具体的に示せばたとえば一般式(1)におい
てa=1、b=1、XがすべてXがO1/2[(CH3)2
SiO]bR1でR1がすべてエチル基の場合、
【0039】
【化6】
【0040】となり、a=2、b=2、XがすべてXが
O1/2[(CH3)2SiO]bR1でR1がすべてエチル基
の場合
O1/2[(CH3)2SiO]bR1でR1がすべてエチル基
の場合
【0041】
【化7】
【0042】となり、a=3、b=20、XがすべてX
がO1/2[(CH3)2SiO]bR1でR1がすべてエチル
基の場合
がO1/2[(CH3)2SiO]bR1でR1がすべてエチル
基の場合
【0043】
【化8】
【0044】となる。なお本発明に使用されるオルガノ
ポリシロキサンの分子量は、組成物の押出し加工性や押
出し後の寸法安定性の点から重量平均分子量は200〜
10000、さらには200〜5000、ことには20
0〜2000が好ましい。
ポリシロキサンの分子量は、組成物の押出し加工性や押
出し後の寸法安定性の点から重量平均分子量は200〜
10000、さらには200〜5000、ことには20
0〜2000が好ましい。
【0045】前記オルガノポリシロキサンの好ましい具
体例としては、前記構造式で示したものの他たとえば特
公平3−17764号公報に記載のオルガノポリシロキ
サンなどが挙げられる。
体例としては、前記構造式で示したものの他たとえば特
公平3−17764号公報に記載のオルガノポリシロキ
サンなどが挙げられる。
【0046】前記オルガノポリシロキサンは、前記シリ
カ100重量部に対して、1〜15重量%、好ましくは
1〜7重量%配合される。前記配合量が1重量%未満に
なると、耐摩耗性の向上効果が十分でなく、15重量%
を超えると、耐摩耗性の向上効果が配合量に比して小さ
くなり、コストが上昇するわりに耐摩耗性が向上しない
ので望ましくない。
カ100重量部に対して、1〜15重量%、好ましくは
1〜7重量%配合される。前記配合量が1重量%未満に
なると、耐摩耗性の向上効果が十分でなく、15重量%
を超えると、耐摩耗性の向上効果が配合量に比して小さ
くなり、コストが上昇するわりに耐摩耗性が向上しない
ので望ましくない。
【0047】前記オルガノポリシロキサンは、たとえば
特開昭58−67728号公報に記載の方法で製造する
ことができる。
特開昭58−67728号公報に記載の方法で製造する
ことができる。
【0048】本発明で硫黄原子を含むシランカップリン
グ剤を用いた場合、シリカの分散性を向上させかつ配合
物の発熱を軽減する効果を有する。しかし硫黄を含むた
め高温でゲル化しやすく、ゴム焼けしやすい欠点があ
る。本発明はかかるシランカップリング剤とともにオル
ガノポリシロキサンを併用することで、ゴム焼けするこ
となく、高温で練りこむことが可能となり、このため練
り段階でシリカとシランカップリング剤の反応で発生す
るエタノールを発生しつくすことができ、押し出し加硫
時の気泡を少なくすることができる。
グ剤を用いた場合、シリカの分散性を向上させかつ配合
物の発熱を軽減する効果を有する。しかし硫黄を含むた
め高温でゲル化しやすく、ゴム焼けしやすい欠点があ
る。本発明はかかるシランカップリング剤とともにオル
ガノポリシロキサンを併用することで、ゴム焼けするこ
となく、高温で練りこむことが可能となり、このため練
り段階でシリカとシランカップリング剤の反応で発生す
るエタノールを発生しつくすことができ、押し出し加硫
時の気泡を少なくすることができる。
【0049】そして上記効果を奏するためにはシランカ
ップリング剤の配合量をWa、オルガノポリシロキサン
の配合量をWb、さらにシリカの配合量をWsとしたと
き、 0.02Ws≦Wa+wb≦0.16Ws の関係を満たすようにゴム組成物の添加量が調整され
る。
ップリング剤の配合量をWa、オルガノポリシロキサン
の配合量をWb、さらにシリカの配合量をWsとしたと
き、 0.02Ws≦Wa+wb≦0.16Ws の関係を満たすようにゴム組成物の添加量が調整され
る。
【0050】本発明のゴム組成物に用いられるカーボン
ブラックは、ジブチルフタレート吸油量(DBP)が1
50ml/100g〜300ml/500g、好ましく
は160〜200ml/100gである。150ml/
100g未満では、耐摩耗性の点で不利となり、一方3
00ml/100gを超えると加工性が悪くなる。この
ようなハイストラクチャーカーボンブラックを用いた場
合、その配合量はゴム成分100重量部に対して5〜4
5重量部、好ましくは10〜30重量部である。5重量
部未満では、加硫物の耐摩耗性、破壊特性が十分でな
く、一方45重量部を超えると、低ヒステリシスロス特
性が低下する。
ブラックは、ジブチルフタレート吸油量(DBP)が1
50ml/100g〜300ml/500g、好ましく
は160〜200ml/100gである。150ml/
100g未満では、耐摩耗性の点で不利となり、一方3
00ml/100gを超えると加工性が悪くなる。この
ようなハイストラクチャーカーボンブラックを用いた場
合、その配合量はゴム成分100重量部に対して5〜4
5重量部、好ましくは10〜30重量部である。5重量
部未満では、加硫物の耐摩耗性、破壊特性が十分でな
く、一方45重量部を超えると、低ヒステリシスロス特
性が低下する。
【0051】その他の配合剤としては、ゴム工業で汎用
されているものでたとえば、硫黄、パーオキサイドなど
の加硫剤、チアゾール系、チウラム系、スルフェンアミ
ド系、グアニジン系などの加硫促進剤、ステアリン酸、
亜鉛華などの加硫助剤、エチレングリコール、ポリエチ
レングリコールなどの活性剤、サーマルブラック、アセ
チレンブラック、グラファイト、クレー、タルクなどの
充填剤、可塑剤、老化防止剤、プロセス油等が挙げられ
る。これらの各種配合剤の中から、目的や用途に応じて
必要な配合剤を適宜選択することができる。
されているものでたとえば、硫黄、パーオキサイドなど
の加硫剤、チアゾール系、チウラム系、スルフェンアミ
ド系、グアニジン系などの加硫促進剤、ステアリン酸、
亜鉛華などの加硫助剤、エチレングリコール、ポリエチ
レングリコールなどの活性剤、サーマルブラック、アセ
チレンブラック、グラファイト、クレー、タルクなどの
充填剤、可塑剤、老化防止剤、プロセス油等が挙げられ
る。これらの各種配合剤の中から、目的や用途に応じて
必要な配合剤を適宜選択することができる。
【0052】本発明のトレッドゴム組成物の成分を混練
する場合、たとえばまずジエン系ゴム成分、カーボンブ
ラック、シリカ、カップリング剤をロール、バンバリー
等の混合機を用いて混合し、次いで残りのゴム成分オイ
ル、オルガノポリシロキサン、シリコンオイルその他の
配合剤を添加して混合すると、分散性がさらに向上し、
よりすぐれた性質を備えたゴム組成物を得ることができ
る。この場合、シリカの添加は一括でもよいが、所定量
を好ましく2回以上に分割して添加すると、分散が容易
になり、シリカとゴム成分との混合が一層容易になる。
たとえば1回目にシリカの全量の10〜90重量%を添
加し、残部を2回目以降に添加することができる。シリ
カとともにオルガノポリシロキサンを分割添加すること
もできる。
する場合、たとえばまずジエン系ゴム成分、カーボンブ
ラック、シリカ、カップリング剤をロール、バンバリー
等の混合機を用いて混合し、次いで残りのゴム成分オイ
ル、オルガノポリシロキサン、シリコンオイルその他の
配合剤を添加して混合すると、分散性がさらに向上し、
よりすぐれた性質を備えたゴム組成物を得ることができ
る。この場合、シリカの添加は一括でもよいが、所定量
を好ましく2回以上に分割して添加すると、分散が容易
になり、シリカとゴム成分との混合が一層容易になる。
たとえば1回目にシリカの全量の10〜90重量%を添
加し、残部を2回目以降に添加することができる。シリ
カとともにオルガノポリシロキサンを分割添加すること
もできる。
【0053】シランカップリング剤および活性剤など
は、ゴム成分とシリカの最初の混合時に添加することが
好ましいが、その他の添加剤は、次工程以降で添加する
ことが好ましい。最初のジエン系ゴム成分とシリカの混
合時に、シランカップリング剤あるいは活性剤以外の添
加剤を添加すると、混合時間が長くなりしかもシリカの
補強性を低下させる場合がある。シリカまたはオルガノ
ポリシロキサンの配合割合が少ない場合などは、予めシ
リカとオルガノポリシロキサンとを混合しておいてか
ら、ジエン系ゴムと混練してもよい。ゴム成分、シリ
カ、シランカップリング剤およびオルガノポリシロキサ
ン等を混合する際の温度は、通常80〜160℃好まし
くは110〜140℃である。
は、ゴム成分とシリカの最初の混合時に添加することが
好ましいが、その他の添加剤は、次工程以降で添加する
ことが好ましい。最初のジエン系ゴム成分とシリカの混
合時に、シランカップリング剤あるいは活性剤以外の添
加剤を添加すると、混合時間が長くなりしかもシリカの
補強性を低下させる場合がある。シリカまたはオルガノ
ポリシロキサンの配合割合が少ない場合などは、予めシ
リカとオルガノポリシロキサンとを混合しておいてか
ら、ジエン系ゴムと混練してもよい。ゴム成分、シリ
カ、シランカップリング剤およびオルガノポリシロキサ
ン等を混合する際の温度は、通常80〜160℃好まし
くは110〜140℃である。
【0054】混合時間は通常30秒以上であり、好まし
くは1〜20分間である。
くは1〜20分間である。
【0055】
【実施例】神戸製鋼(株)製1.7Lバンバリーを用い
て、X練りでSBR(SE8592)、カーボンブラッ
ク(N220)、シリカ、オイルおよびカップリング剤
をY練りでX練りのシートゴム、EXXPRO、残りの
シリカとオイル、オルガノポリシロキサンおよびその他
の薬品を混合し、最後に加硫剤をロールで練りこんだ。
て、X練りでSBR(SE8592)、カーボンブラッ
ク(N220)、シリカ、オイルおよびカップリング剤
をY練りでX練りのシートゴム、EXXPRO、残りの
シリカとオイル、オルガノポリシロキサンおよびその他
の薬品を混合し、最後に加硫剤をロールで練りこんだ。
【0056】なお、前記X練りの排出温度は120℃と
し、Y練りの排出温度は135℃とした。
し、Y練りの排出温度は135℃とした。
【0057】実施例、比較例に用いた基本配合は表1の
とおりである。なお表1中、配合量を変量としたものつ
にいては表2に示している。
とおりである。なお表1中、配合量を変量としたものつ
にいては表2に示している。
【0058】各ゴム組成物の評価方法は次のとおりであ
る。 (1) 300%モジュラス JISK6301に記載する引張試験法に準じて測定し
た。
る。 (1) 300%モジュラス JISK6301に記載する引張試験法に準じて測定し
た。
【0059】(2) 損失正接(tanδ)
岩本製作所(株)製のVES−F−3を用いて温度0℃
で周波数10Hz、初期歪み10%、動歪み0.5%で
測定した。tanδの値が大きいほどウエットグリップ
性が優れていることの指標となる。
で周波数10Hz、初期歪み10%、動歪み0.5%で
測定した。tanδの値が大きいほどウエットグリップ
性が優れていることの指標となる。
【0060】(3) スピューの外観
スピューの外観は目視により次の基準で評価した。
【0061】
◎:スピュー表面にほとんど気泡がない状態。
○:0.5mm以上の気泡はないが、0.5mm以下の
気泡は存在する。工程上問題なし。
気泡は存在する。工程上問題なし。
【0062】△:0.5mm以上の気泡が1個以上存
在、工程上問題あり。 (4) ポーラスの発生状況 加硫したタイヤの縦10mm、横10mm、厚さ4mm
の範囲の気泡の発生状況を目視で観察した。
在、工程上問題あり。 (4) ポーラスの発生状況 加硫したタイヤの縦10mm、横10mm、厚さ4mm
の範囲の気泡の発生状況を目視で観察した。
【0063】
〇:ほとんど気泡発生なし。
△:1mm以上の気泡が5個未満で、0.1mmの気泡
が10個未満である。
が10個未満である。
【0064】×:1mm以上の気泡が5個以上である。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】注1) 日本ゼオン(株)製溶液重合SB
R、ガラス転移点(Tg)−40℃ 注2) 日本ゼオン(株)製、ガラス転移点(Tg)−
30℃ 注3) エクソン化学社製EXXPRO、共重合体中の
p−メチルスチレン含量は1.2モル%である。
R、ガラス転移点(Tg)−40℃ 注2) 日本ゼオン(株)製、ガラス転移点(Tg)−
30℃ 注3) エクソン化学社製EXXPRO、共重合体中の
p−メチルスチレン含量は1.2モル%である。
【0068】注4) エクソン化学社製、クロロブチル
1066 注5) デグサ社製、VN3比表面積(BET)172
m2/g 注6) デグサ社製、Si69(3,3′−ビス(トリ
エトキシシリルプロピル)テトラスルフィド) 括弧内はシリカ100重量部に対する配合量を示す 注7) 日本ユニカ社製、FZ3704 括弧内はシリカ100重量部に対する配合量を示す 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって
制限的なものではないと考えられるべきである。本発明
の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によっ
て示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内で
のすべての変更が含まれることが意図される。
1066 注5) デグサ社製、VN3比表面積(BET)172
m2/g 注6) デグサ社製、Si69(3,3′−ビス(トリ
エトキシシリルプロピル)テトラスルフィド) 括弧内はシリカ100重量部に対する配合量を示す 注7) 日本ユニカ社製、FZ3704 括弧内はシリカ100重量部に対する配合量を示す 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって
制限的なものではないと考えられるべきである。本発明
の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によっ
て示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内で
のすべての変更が含まれることが意図される。
【0069】
【発明の効果】本発明のタイヤ用トレッドゴム組成物は
ジエン系ゴムと損失係数の高い部分が比較的高温領域ま
で存在するハロゲン化されたイソブチレンとパラメチル
スチレンの共重合体またはハロゲン化ブチルゴムをゴム
成分として用い、かつ特定のシリカ、シランカップリン
グ剤およびオルガノポリシロキサンを組合せたので、特
にシランカップリング剤とオルガノポリシロキサンを併
用したことにより、混練温度を従来より高くすることが
でき練り段階でエタノールを発生し尽くすことができ押
出し加硫時の気泡は少なくなる。またゴム組成物の粘度
も下げることができ、タイヤ加硫時のスピュー切れを改
善できる。しかも加硫ゴム組成物のウエットグリップ性
を改善することができる。
ジエン系ゴムと損失係数の高い部分が比較的高温領域ま
で存在するハロゲン化されたイソブチレンとパラメチル
スチレンの共重合体またはハロゲン化ブチルゴムをゴム
成分として用い、かつ特定のシリカ、シランカップリン
グ剤およびオルガノポリシロキサンを組合せたので、特
にシランカップリング剤とオルガノポリシロキサンを併
用したことにより、混練温度を従来より高くすることが
でき練り段階でエタノールを発生し尽くすことができ押
出し加硫時の気泡は少なくなる。またゴム組成物の粘度
も下げることができ、タイヤ加硫時のスピュー切れを改
善できる。しかも加硫ゴム組成物のウエットグリップ性
を改善することができる。
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
C08L 15/02 C08L 15/02
//(C08L 9/00 83:04
83:04)
(56)参考文献 特開 平11−172000(JP,A)
特開 平9−324069(JP,A)
特開 平7−304903(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C08L 9/00 - 9/10
Claims (3)
- 【請求項1】(イ) (a)ジエン系ゴム25〜95重
量%と(b)ハロゲン化ブチルゴムおよび/または、イ
ソブチレンとP−メチルスチレンの共重合体のハロゲン
化物75〜5重量%よりなるゴム成分の100重量部と
(ロ) シリカをゴム成分100重量部に対して40〜
150重量部と(ハ) シランカップリング剤をシリカ
配合量の1〜15重量%と(ニ) 次の(1)式で表わ
されるオルガノポリシロキサンをシリカ配合量の1〜1
5重量%配合した (SiO2)aX2(a+1) (1) X:O1/2[(CH3)2SiO]bR1またはO1/2R1 各Xは同一でも異なっていてもよいが、少なくとも1は
O1/2[(CH3 )2SiO]bR1でなくてはならない。 R1:水素原子または炭素数5以下の1価の炭化水素基 b:1〜100の整数 a:1〜20の整数 ことを特徴とするトレッドゴム組成物。 - 【請求項2】 次の関係を満たす請求項1記載のトレッ
ドゴム組成物。 0.02Ws≦Wa+Wb≦0.16Ws Wa:前記シランカップリング剤の配合量 Wb:前記オルガノポリシロキサンの配合量 Ws:シリカの配合量 - 【請求項3】 シランカップリング剤はスルフィド系の
化合物である請求項1記載のトレッドゴム組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22989299A JP3476389B2 (ja) | 1999-08-16 | 1999-08-16 | タイヤ用トレッドゴム組成物 |
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---|---|---|---|
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001049035A JP2001049035A (ja) | 2001-02-20 |
JP3476389B2 true JP3476389B2 (ja) | 2003-12-10 |
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---|---|---|---|---|
KR100505735B1 (ko) * | 2002-12-09 | 2005-08-03 | 한국타이어 주식회사 | 타이어 트레드 고무 조성물 |
JP2007331657A (ja) * | 2006-06-16 | 2007-12-27 | Bridgestone Corp | 二輪車用空気入りタイヤ |
JP5888361B2 (ja) * | 2014-04-03 | 2016-03-22 | 横浜ゴム株式会社 | タイヤトレッド用ゴム組成物 |
-
1999
- 1999-08-16 JP JP22989299A patent/JP3476389B2/ja not_active Expired - Fee Related
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