JP4706615B2 - プラスチックからの無機物の回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プラスチックからの無機物の回収方法に関するものである。
FRP(ガラス繊維強化プラスチック)に代表される強化プラスチックには、無機物としてガラス繊維および炭酸カルシウムが含有されており、このようなFRP等からなるプラスチック成形品の廃棄物からガラス繊維や炭酸カルシウムを回収し、回収したガラス繊維や炭酸カルシウムをリサイクルして再使用することが従来から検討されている。
例えば、繊維強化プラスチックを超臨界あるいは亜臨界水と接触・反応させ、ガラス繊維を分離回収する技術が従来から提案されている(例えば、特許文献1参照)。すなわち、超臨界あるいは亜臨界水を反応溶液としてプラスチックをモノマーやオリゴマーに分解することによって、ガラス繊維をプラスチックから離脱させ、この分解したプラスチックのモノマーやオリゴマーとガラス繊維との混合物をろ過することによって、ガラス繊維をろ過残査として分離し、回収することができるものである。
しかしFRPには一般に、無機物としてガラス繊維の他に上記のように炭酸カルシウムが含有されており、上記のろ過残査にガラス繊維とともに炭酸カルシウムが混合した状態で存在し、しかもFRPの種類に応じて各種の割合で混合されている。したがってガラス繊維のマテリアルリサイクルを行なう際には、炭酸カルシウムの混合やその割合のバラツキに起因する強度低下等が起こり、ガラス繊維をリサイクルしたFRPの物性にばらつきを生じ易く、リサイクル使用が難しいという問題を有するものであった。
そこで、本発明者は、無機物としてガラス繊維、炭酸カルシウムおよび水酸化アルミニウムを含有するプラスチック成形品からそれぞれの無機物を単独で分離して回収することができるプラスチックからの無機物の回収方法を提案している(例えば、特許文献2参照)。
特開平10−87872号公報 特開2005−336323号公報
しかしながら、各種無機物を含有するプラスチック成形品からリサイクル可能な無機物を単独で分離する検討は始まったばかりでそのアプローチは多種の方法が考えられるが、いまだその検討が十分になされていないのが実情である。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、無機物としてガラス繊維および炭酸カルシウムを含有するプラスチック成形品から無機物を単独で分離して回収することができるプラスチックからの無機物の回収方法を提供することを課題としている。
本発明のプラスチックからの無機物の回収方法は、上記の課題を解決するために、以下のことを特徴としている。
第1に、(1)無機物としてガラス繊維および炭酸カルシウムを含有するプラスチック成形品を亜臨界流体で処理してプラスチックをモノマーやオリゴマーに分解するプラスチック分解工程と、(2)分解して得られたモノマーやオリゴマーと無機物とを分離する無機物分離工程と、(3)分離した無機物を含む水に塩酸を供給して炭酸カルシウムを水中に溶解させる炭酸カルシウム溶解工程と、(4)炭酸カルシウムが溶解した水をろ過してガラス繊維成分を分離するガラス繊維分離工程と、(5)前記工程(4)の後に、炭酸カルシウムが溶解した水に炭酸アンモニウム((NH CO )を供給して炭酸カルシウムを析出させる炭酸カルシウム析出工程と、(6)前記工程(5)において生成した塩化アンモニウム(NH Cl)水溶液を、官能基としてNH OH 基を有する弱塩基性イオン交換樹脂に通過させることにより塩基物イオンのイオン交換を行ってアンモニア水に変換し、このアンモニア水と前記工程(3)において生成した二酸化炭素とを反応させて炭酸アンモニウムを生成させ、前記工程(5)において使用する炭酸アンモニウムを得る工程と、を有することを特徴とする。
第2に、上記第1のプラスチックからの無機物の回収方法において、分離したガラス繊維成分を熔融、再繊維化する工程を有することを特徴とする。
上記第1の発明によれば、無機物としてガラス繊維および炭酸カルシウムを含有するプラスチックを分解して、ガラス繊維成分および炭酸カルシウム成分をプラスチックから離脱させた後、ガラス繊維成分を単独で分離して回収することができる。また、炭酸カルシウムを析出させることができ、ガラス繊維成分の他に、炭酸カルシウム成分も単独で分離して回収することができる。そして、この炭酸カルシウムを効率よく析出させ回収することができる。
上記第2の発明によれば、分離したガラス繊維成分を熔融、再繊維化することにより、再利用可能な再生ガラス繊維として回収することができる。
本発明のプラスチックからの無機物の回収方法は、(1)無機物としてガラス繊維および炭酸カルシウムを含有するプラスチック成形品を亜臨界流体で処理してプラスチックをモノマーやオリゴマーに分解するプラスチック分解工程と、(2)プラスチックのモノマーやオリゴマーから無機物を分離する無機物分離工程と、(3)分離した無機物を含む水に塩酸を供給して炭酸カルシウムを水中に溶解させる炭酸カルシウム溶解工程と、(4)炭酸カルシウムが溶解した水をろ過してガラス繊維成分を分離するガラス繊維分離工程と、を有している。
ここで、本発明の分解・回収の対象となる無機物を含有するプラスチック成形品としては、熱硬化性および熱可塑性のいずれの樹脂を用いたものであってもよい。具体的には、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノ樹脂、フェノール樹脂等を挙げることができ、熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、アルキド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂等を挙げることができる。
プラスチック成形品には、ガラス繊維や炭酸カルシウム以外の第3の成分が含有していてもよいが、実質的にガラス繊維と炭酸カルシウムのみが含有していることが好ましい。無機物として実質的にガラス繊維と炭酸カルシウムのみを含有するプラスチック成形品を対象とすることによって、不純物が混入しない状態でガラス繊維や炭酸カルシウムを回収することが容易になる。ここで、実質的にガラス繊維と炭酸カルシウムのみを含有するとは、分離・回収したガラス繊維や炭酸カルシウムの純度に影響を与えない程度の第3の成分は許容されるということを意味する。
まず、上記(1)プラスチック分解工程について説明する。
このプラスチック分解工程では、ガラス繊維および炭酸カルシウムを含有するプラスチック成形品を亜臨界流体で処理し、プラスチックをモノマーやオリゴマーに分解することによって、ガラス繊維成分および炭酸カルシウム成分をプラスチックから離脱させる。
この亜臨界流体を用いたプラスチック分解工程では、耐熱および耐圧性を有する容器に、容器の大きさに合わせてカットあるいは粗粉砕したプラスチック成形品と流体を入れて密閉し、流体が亜臨界状態となる条件に加熱・加圧することによって、亜臨界流体を反応溶媒としてプラスチックの樹脂成分をモノマーまたはオリゴマーに分解することができるとともに、プラスチックの樹脂成分中に埋入されているガラス繊維および炭酸カルシウムを、樹脂成分の分解によって離脱させることができるものである。そして、この工程では、流体に樹脂のモノマーまたはオリゴマー等の液状物が溶解し、かつガラス繊維成分および炭酸カルシウム成分等の固形物が分散した液が得られる。
本発明において使用する亜臨界流体は、例えば、水、一価アルコール、多価アルコールやこれらの混合物等の流体を亜臨界状態で用いている。水を流体として用いる場合には、予め脱塩したものを使用することが好ましい。さらに、プラスチックの分解をより促進させるため、アルカリ金属の水酸化物の水溶液を流体として用いることもできる。このアルカリ金属としては、水酸化カリウムや水酸化ナトリウム等を使用することができる。
プラスチックに対する流体の配合量は、プラスチックの100質量部に対して100〜500質量部の範囲が好ましい。流体の配合量が100質量部未満であると、プラスチックを安定して分解させることが難しくなり、500質量部を超えると、分解後の流体処理のコストが高くなるので好ましくない。
分解温度については、180〜270℃の範囲が好ましい。分解温度が180℃未満であると分解に長時間を要し、270℃を超えると、熱分解の影響が大きくなり、樹脂をモノマーまたはオリゴマーとして回収することが出来なくなるおそれがあるので好ましくない。分解時間および分解圧力については、特に限定されるものではないが、上記分解温度範囲においては、1〜4時間、2〜15MPaの範囲が好ましい。また、アルカリ金属の水酸化物の水溶液を流体として用いる場合には、アルカリ金属の水酸化物をプラスチックの100質量部に対して20〜100質量部の範囲で添加するのが好ましい。
次に、上記(2)無機物分離工程について説明する。
上記(1)プラスチック分解工程で得られた流体に樹脂のモノマーまたはオリゴマー等の液状物が溶解し、かつガラス繊維成分および炭酸カルシウム成分等の固形物が分散された液をろ過することによって、樹脂のモノマーまたはオリゴマー等の液状物と、ガラス繊維成分および炭酸カルシウム成分等の固形物とを分離することができる。ろ過後のろ液は樹脂のモノマーまたはオリゴマー等の液状物が溶解した流体であり、残査はガラス繊維成分および炭酸カルシウム成分の混合物である。
次に、上記(3)炭酸カルシウム溶解工程について説明する。
ガラス繊維成分および炭酸カルシウム成分の混合物を残査として分離した後、このガラス繊維成分および炭酸カルシウム成分等の混合物を水に分散させ、この分散水に塩酸を供給する。塩酸を供給することによって、混合物中の炭酸カルシウム成分は次の化学反応を起こし、水に可溶の塩化カルシウムとなって水中に溶解し、ガラス繊維成分のみが水中に分散した分散液を得る。
CaCO+2HCl → CaCl(水溶性)+CO+H
ここで、供給する塩酸の濃度は特に制限されるものではないが、混合物中の炭酸カルシウム成分の全量を塩化カルシウムとして水中に溶解させ、かつ、後工程において未反応の塩酸を処理する必要がないように炭酸カルシウム成分の量と過不足なく反応する濃度にするのが好ましい。
また、亜臨界流体としてアルカリ金属の水酸化物の水溶液を用いた場合には、塩酸を供給する前に、分離した上記のガラス繊維成分および炭酸カルシウム成分の混合物を水で洗浄し、アルカリ金属の水酸化物を除去するのが好ましい。これは、亜臨界流体による分解処理後に回収したガラス繊維成分および炭酸カルシウム成分の混合物に、アルカリ金属の水酸化物が付着しているので、そのままの状態で塩酸水溶液を供給すると、アルカリ金属の水酸化物と塩酸とが反応し、必要のない物質が析出するおそれがあるからである。
なお、塩酸を供給する前に、分離した上記のガラス繊維成分および炭酸カルシウム成分の混合物を、粉砕機を用いて粉砕することによって、後述するガラス繊維成分を熔融、再繊維化する工程を経ずとも、分離したガラス繊維成分をミルドファイバーとして回収することができる。この粉砕工程は、ガラス繊維成分および炭酸カルシウム成分の混合物を乾燥した状態で粉砕する乾式粉砕法でも、亜臨界流体で処理した後の水に分散させた状態のまま粉砕する湿式粉砕法でも、いずれの方法を用いてもよい。粉砕手段としては、ボールミル、ローラーミル、ジェットミル、振動ミル、遊星ミル、撹枠ミル等、各種の粉砕手段を用いることができる。
次に、上記(4)ガラス繊維分離工程について説明する。
上記分散液をろ過することにより、ガラス繊維成分を残渣として分離、回収することができる。炭酸カルシウム成分はろ液に溶解しており、ろ過残査には含まれていないので、炭酸カルシウムが不純物として含まれないガラス繊維成分を単独で回収することができる。ここで、上記のように塩酸を供給する前に、分離した上記のガラス繊維成分および炭酸カルシウム成分の混合物の粉砕工程を設けた場合には、ガラス繊維成分をミルドファイバーとして回収することができる。
本発明は、上記(4)ガラス繊維分離工程の後に、(5)炭酸カルシウムが溶解した水に炭酸塩類を供給して炭酸カルシウムを析出させる炭酸カルシウム析出工程を有していてもよい。すなわち、前記(4)ガラス繊維分離工程において、分散液をろ過した後のろ液には塩化カルシウムが溶解している。このろ液に炭酸塩類を供給することによって、ろ液中の塩化カルシウムは次の化学反応を起こし、炭酸カルシウムとして析出させることができるのである。
CaCl+MCO(炭酸塩) → CaCO+2MCl
CaCl+2MHCO(重炭酸塩) → CaCO+2MCl+CO+H
(Mは任意の金属または分子)
ここで、供給する炭酸塩類の量は特に制限されるものではないが、ろ液中の塩化カルシウムの全量を炭酸カルシウムとして析出させ、かつ、後工程において未反応の炭酸塩類を処理する必要がないように塩化カルシウム量と過不足なく反応する量にするのが好ましい。
炭酸塩類としては、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム等の重炭酸塩を挙げることができる。なかでも、上記反応における副生成物の処理を考慮すると、その処理が容易な塩化ナトリウムが副生成物になるように炭酸塩類を選択することが好ましく、具体的には炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムを用いることが好ましい。炭酸ナトリウムを用いた場合の反応は以下の通りである。
CaCl+NaCO → CaCO+2NaCl
また、副生成物自体を再利用することを考慮すると、炭酸塩類として炭酸アンモニウムまたは炭酸水素アンモニウムを用いることが好ましい。炭酸アンモニウムを用いた場合の反応は以下の通りである。
CaCl+(NHCO → CaCO+2NHCl
具体的には、上記反応によって生成した副生成物である塩化アンモニウムが溶解した水を弱塩基性イオン交換樹脂(R−NH OH )に通過させることによって、塩化物イオンのイオン交換を行って、塩化アンモニウムが溶解したアンモニア水に変換する。
NHCl + R−NH OH → NHOH + R−NH Cl
次に、アンモニア水に、上記ガラス繊維および炭酸カルシウムの混合物に塩酸水溶液を供給した際に発生する二酸化炭素を通じて炭酸アンモニウムを生成することができる。
2NHOH + CO → (NHCO + H
この一連の作業によって、炭酸カルシウム析出工程に必要な炭酸塩類を得ることができるのである。なお、塩化物イオンのイオン交換を行った弱塩基性陰イオン交換樹脂(R−NH Cl )は水を通じることによって、もとの状態に再生することができる。
R−NH Cl + HO → R−NH OH + HCl
さらに、本発明では、上記(4)ガラス繊維分離工程で残渣として回収したガラス繊維成分を、再度、熔融し再繊維化することによって、再利用可能なガラス繊維として再生することができる。なお、亜臨界流体としてアルカリ金属の水酸化物の水溶液を用いることが好ましい。一般に、ガラス繊維の表面には樹脂とのなじみ性を向上させるためにシランカップリング剤等の集束剤が塗布されている。この集束剤はガラスが熔融する際にガラスを還元して再生したガラス繊維の品質を低下させたり、ガラス繊維を着色させる原因となる。そこで、このアルカリ金属の水酸化物の水溶液によって、ガラス繊維の表面に塗布されているシランカップリング剤等の集束剤を分解してガラス繊維表面から除去する。このため、亜臨界流体としてアルカリ金属の水酸化物の水溶液を用いた場合には、回収した残渣の前処理を行うことなく、ろ過後の残渣をそのまま熔融し再繊維化するだけで、再生したガラス繊維の品質等を低下させることなく、再利用可能なガラス繊維を得ることができる。
以上の一連の工程でプラスチック成形品を処理することによって、亜臨界流体で処理した後の無機成分の混合物から炭酸カルシウム成分は炭酸カルシウムとして、ガラス繊維成分は再生ガラス繊維またはミルドファイバーとして、それぞれ単独で再利用可能に分離・回収することができる。このため、このように回収された炭酸カルシウムやガラス繊維をプラスチックの充填用無機材等として用いても、リサイクルプラスチックの物性にバラツキが生じにくいマテリアルリサイクルを行うことができる。
なお、従来、プラスチック等の工業材料に用いられる炭酸カルシウムは、コスト面を考慮し、鉱山で粉砕した炭酸カルシウムをそのまま微粉砕した重質炭酸カルシウムが用いられるのが一般的であり、化学反応によって不純物を除去して高純度化した軟質炭酸カルシウムが用いられることはほとんどない。しかし、本発明では、上記のように炭酸カルシウムを塩化カルシウムとして水に溶解させる際に、重質炭酸カルシウムに含まれる不純物が不溶物として除去されるものであり、このように回収された炭酸カルシウムは、不純物を含まない、いわゆる軽質炭酸カルシウムとして得ることができるものである。
<実施例1>
亜臨界水分解処理する対象のプラスチック成形品としてFRP(松下電工社製「FRPバスタブ」:不飽和ポリエステル樹脂製、炭酸カルシウム43.5質量%およびガラス繊維23質量%含有品)を用いた。そして粗粉砕したFRPを900g、濃度1mol/Lの水酸化カリウム水溶液を3600g、それぞれ圧力容器に投入して密閉し、この圧力容器を加熱槽に入れて加熱した。加熱槽はヒーターで槽内の水を230℃の温度に加熱するようにしてあり、圧力容器内の水を亜臨界状態(臨界点(臨界温度374℃、臨界圧力22.1MPa)以下の状態)にした。この状態で2時間保持し、FRPの分解を行った後、室温まで冷却し、圧力容器から内容物を取り出し、内容物をろ過した。さらに、残渣を水に分散して攪拌、洗浄、ろ過する作業を数回行い、ろ液である洗浄水のpHが10以下になったことを確認した後、再度ろ過して残査800g(固形分50%)を得た。
次に、この残査のうち600g(この残渣は炭酸カルシウムとガラス繊維の理論混合量が、それぞれ195gと100gである。)を水600gに分散させた後、4N塩酸水溶液1000g中に少しずつ加え、混合物中の炭酸カルシウム成分を塩化カルシウムとして溶解し、ガラス繊維成分のみが分散した状態の分散液を得た。
さらに、この分散液をろ過することによって、ろ液として塩化カリウム溶液2000gを、残渣としてガラス繊維成分194g(固形分50%)をそれぞれ回収した。
次に、回収したろ液2000gに炭酸ナトリウム215gを少しずつ加え、炭酸カルシウムの沈殿を得た。なお、このろ液のpHは7.3であった。その後、この沈殿物をろ過し、残渣を乾燥して回収することによって、炭酸カルシウム180gを得た。
回収した残渣は、1000℃の熔融炉で熔融し、再繊維化を行った。
なお、再生した炭酸カルシウム(再生品)についてX線回折を行い結晶構造の解析を行った。また、参考例としてJIS特級試薬の炭酸カルシウム(炭酸カルシウム純度、99.5%)についても同様にX線回折を行った。再生した炭酸カルシウムの結果を図1に、JIS特級試薬の炭酸カルシウムの結果を図2に示す。
図1,2の結果から、再生した炭酸カルシウムとJIS特級試薬の炭酸カルシウムとでは異なるピークが認められず、実施例1では炭酸カルシウムが再生できていることがわかる。
以上より、FRPからガラス繊維成分および炭酸カルシウムをそれぞれ単独で分離して回収することができことが確認できた。
<実施例2>
炭酸塩として炭酸ナトリウムに代えて炭酸アンモニウム195gを用いた以外は実施例1と同様の処理を行った。この結果、炭酸カルシウム165gとガラス繊維成分180g(固形分50%)をそれぞれ回収することができた。
再生した炭酸カルシウム(再生品)のX線回折分析結果である。 JIS特級試薬の炭酸カルシウムのX線回折分析結果である。

Claims (2)

  1. (1)無機物としてガラス繊維および炭酸カルシウムを含有するプラスチック成形品を亜臨界流体で処理してプラスチックをモノマーやオリゴマーに分解するプラスチック分解工程と、
    (2)分解して得られたモノマーやオリゴマーと無機物とを分離する無機物分離工程と、
    (3)分離した無機物を含む水に塩酸を供給して炭酸カルシウムを水中に溶解させる炭酸カルシウム溶解工程と、
    (4)炭酸カルシウムが溶解した水をろ過してガラス繊維成分を分離するガラス繊維分離工程と、
    (5)前記工程(4)の後に、炭酸カルシウムが溶解した水に炭酸アンモニウム((NH CO )を供給して炭酸カルシウムを析出させる炭酸カルシウム析出工程と、
    (6)前記工程(5)において生成した塩化アンモニウム(NH Cl)水溶液を、官能基としてNH OH 基を有する弱塩基性イオン交換樹脂に通過させることにより塩基物イオンのイオン交換を行ってアンモニア水に変換し、このアンモニア水と前記工程(3)において生成した二酸化炭素とを反応させて炭酸アンモニウムを生成させ、前記工程(5)において使用する炭酸アンモニウムを得る工程と、
    を有することを特徴とするプラスチックからの無機物の回収方法。
  2. 分離したガラス繊維成分を熔融、再繊維化する工程を有することを特徴とする請求項1に記載のプラスチックからの無機物の回収方法。
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