JP4848506B2 - プラスチックの分解方法 - Google Patents

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Description

本発明は、特に、FRP(繊維強化プラスチック)に適した不飽和ポリエステル樹脂を含むプラスチックの分解方法に関する。
プラスチックは、軽量、高強度であり、錆や腐食に強く、着色が自由、電気絶縁性に優れ、成形が容易であり、さらに大量生産が可能であるという利点を有することから、自動車、航空機、家庭用品の各材料として多量に使用されている。このため、廃プラスチックの量は増加の一途を辿っている。
従来、廃プラスチックの大部分は、埋め立て又は焼却して処分されていた。しかし、廃プラスチックを埋め立てると、埋め立て後の地盤が不安定となり、埋め立て用地を確保し難いという問題が生じていた。また、廃プラスチックを焼却すると、有害ガス(例えば、CO2)や悪臭が発生し、環境汚染が懸念されるだけではなく、焼却炉が損傷してしまうという問題も生じていた。
そこで、平成7年に容器包装廃棄物法(リサイクル法)が制定されて、廃プラスチックを回収し、その再利用を義務付けた。この法律の施行に伴い、廃プラスチックを再資源化するための技術開発が急速に進められている。
例えば、超臨界水を反応媒体として廃プラスチックを熱分解した油状物質を回収する方法が開示されている(特許文献1参照)。
また、廃プラスチックである硬化不飽和ポリエステル樹脂を粉砕した後、約100℃〜300℃の温度でジカルボン酸又はジアミンにより分解して得られた分解物を樹脂原料として再利用し、不飽和ポリエステル樹脂を再合成する方法も開示されている(特許文献2参照)。
特開平10−67991号公報 特開平9−221565号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載の超臨界法を用いて廃プラスチックを熱分解すると、処理温度が高温すぎるため、廃プラスチック中の主鎖や側鎖が無秩序に切断されてしまい、得られる油状物質中には多種類の低分子化された成分が含まれてしまっていた。廃プラスチックを熱分解して得た油状物質は、主に、液体燃料として再利用しているが、熱分解後の油状物質の品質を確保するために、熱分解後に、油状物質を触媒(例えば、ゼオライト)を用いて改質しなければならず、後処理が必要となることから、処理コストが高くなる要因となっていた。また、改質処理をした場合であっても、改質後の生成油を石油製品(例えば、灯油、軽油など)そのものとして再利用することは難しかった。
また、特許文献2記載の方法では、得られた分解物を不飽和ポリエステル樹脂原料として再利用することができるが、280℃を超える高温で硬化不飽和プラスチックを分解した場合には、熱分解が進行してしまい、再硬化させたときに熱硬化性樹脂の強度が低下するという問題を有していた。さらに、分解時の温度を約100℃〜180℃の低温とした場合であっても、熱分解後に回収できる樹脂原料の回収率が低かった。これらの理由から、回収した原料樹脂を再硬化させて製品として利用する割合は低かった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、すなわち、本発明のプラスチックの分解方法は、不飽和ポリエステル部と架橋部とから形成される不飽和ポリエステル樹脂を含むプラスチックを、不飽和ポリエステル樹脂の熱分解温度未満としたアルカリを含有する亜臨界水を用いて熱分解して、不飽和ポリエステル樹脂の原料モノマである多価アルコール及び有機酸と、スチレンとフマル酸の共重合体とを含む水溶液とし、分解後に得られた水溶液中に酸を投入してpHを6〜9に調整し、得られた水溶液中に、メタノール、エタノール、及び、前記不飽和ポリエステル樹脂の原料モノマである多価アルコールからなる群より選択されるアルコールを投入して混合し前記スチレンとフマル酸の共重合体の固形物と、多価アルコール及び前記有機酸を含む水溶液とに分離し、分離された水溶液中に含まれる水を除去して、多価アルコールと有機酸とを得ることを要旨とする。
本発明のプラスチックの分解方法によれば、樹脂原料となる有機酸の化合物、多価アルコール及び有機酸を高収率で回収することができ、回収した樹脂原料から物性がほとんど劣化することなく再度同等のプラスチックを再生することができる。この結果、廃プラスチックを再資源化して有効活用することができる。
以下、添付図面を参照し、本発明の実施の形態に係るプラスチックの分解方法を説明する。
本発明の実施の形態に係るプラスチックの分解方法を用いたFRP(繊維強化プラスチック)の分解方法を図1により説明する。
まず、図1に示すように、不飽和ポリエステル部と架橋部とから形成される不飽和ポリエステル樹脂を含むプラスチック1を、不飽和ポリエステル樹脂の熱分解温度未満とした亜臨界水を用いて加水分解する(工程A)。分解すると水溶液2が得られるが、水溶液2中には、不飽和ポリエステル樹脂の原料モノマである多価アルコール3(例えば、グリコール)及び有機酸4(例えば、フマル酸)と、不飽和ポリエステル樹脂中の架橋部と前記有機酸の化合物5(例えば、スチレンフマレート:スチレンとフマル酸の共重合体)と、が含まれる。
次に、得られた水溶液2中にアルコールを投入し(工程B)、その後、ろ過を行い、多価アルコール3及び有機酸4を含む水溶液6と、有機酸の化合物5の固形物と、に分離する。アルコールは、有機酸の化合物5との相溶性が比較的低く溶けにくく、且つ、水とは相溶性が高いため、水溶液2中にアルコールを投入して混合すると、溶液2と有機酸の化合物5との相溶性を低下することができ、多価アルコール3及び有機酸4を含む水溶液6と、有機酸の化合物5の固形物と、に分離することが可能となる。
最後に、分離された水溶液6中に含まれる水を除去して(工程C)、多価アルコール3と有機酸4とを得る。
一般に、多価アルコール及び有機酸を含む原料から製造されるプラスチックを分解する場合、低温(約100℃)環境下では熱硬化性プラスチックを分解することはできず、また、熱可塑性プラスチックを分解するためには、数十時間の処理時間を要し、長時間反応となっていた。一方、臨界水(臨界点の臨界温度374.4℃、臨界圧力22.1MPaを用いた場合のように、高温(約360℃)、高圧(約20MPa)環境下においてプラスチックを分解すると、分解生成物の2次分解が起こり、さらに装置の腐食が懸念される。このため、樹脂の原料モノマの単位で分解し、原料モノマを高収率で回収することは難しかった。本発明の実施の形態に係るプラスチックの分解方法によれば、不飽和ポリエステル樹脂の熱分解温度未満とした亜臨界水(280℃未満、7MPa以下)を用いて分解することにより、不飽和ポリエステル樹脂の原料モノマの単位で分解することができ、さらに原料モノマを高収率で回収することができる。
上記プラスチックの分解方法において、亜臨界水による分解後に投入するアルコールは水の沸点よりも低い溶媒とすると、以後の工程Cでの濃縮が容易となり処理速度が向上する点と、アルコールだけを分取しやすいために分取したものを再利用しやすい点で好ましく、例えば、メタノールやエタノールが挙げられる。なお、アルコールの投入量は特に制限されないが、亜臨界水によりプラスチックを分解するときの水溶液の重量以上とすることが好ましい。一方、亜臨界水による分解後に投入するアルコールに、水の沸点よりも高い溶媒を用いた場合は、アルコールの投入後に分離した水溶液を加熱して水のみを除去すると、水に溶解していた無機物等が沈殿するため、これら無機物等を容易に除去することができる点で好ましく、例えば、プロピレングリコールが挙げられる。この場合のアルコールの投入量も特に制限されないが、亜臨界水によりプラスチックを分解するときの水溶液の重量以上とすることが好ましい。
さらに、亜臨界水がアルカリを含有する溶液であるときは、亜臨界水中に含まれるアルカリを塩として析出させて分離することが好ましい。塩を分離する方法として、以下の2つの方法が挙げられる。
1つの方法は、亜臨界水による分解後に得られた水溶液中に酸(例えば、HCl)を投入してpHを6〜9に調整し、その後、アルコールを投入した後、分離された水溶液中の溶媒(水、アルコール)を除去して得られた濃縮溶液中にアルコールを投入し、塩を析出させた後、塩を分離し、多価アルコールと有機酸とを得る方法である。なお、この方法において、亜臨界水による分解後に投入するアルコールとして、水の沸点よりも高い溶媒(例えば、プロピレングリコール)を投入する場合は、アルコールの投入後に分離された水溶液を加熱して水のみを除去すると、アルコールは依然として存在する。このため、水を除去した濃縮液中に、塩析出用のアルコールを再度投入する必要は無い。
別の方法は、1つ目の方法と同様に、分解後に得られた水溶液中に酸を投入してpHを6〜9に調整した後、アルコールを投入し、さらに、分離された水溶液中のアルコールを除去した後、得られた水溶液から逆浸透膜を用いて塩を分離して、多価アルコールと有機酸とを得る方法である。使用する逆浸透膜としては、ポリアミド系又はポリビニルアルコール系から形成される膜を使用すると、ろ過対象の水溶液との濡れ性が高いため、ろ過しやすく好ましい。
上述した2つの方法において、塩析析出用に投入するアルコールは、プラスチックの原料モノマである多価アルコールと同じアルコールを使用すると、得られた多アルコールを再利用する際に、合成反応に関係のないアルコールの分取・除去等が不要となり好ましい。
さらに、本発明の実施の形態に係るプラスチックの分解方法を用いたFRPを分解する方法を図2により具体的に説明する。
まず、FRP(プロピレングリコール−無水マレイン酸−スチレン共重合物34wt%とガラス繊維と充填材の炭酸カルシウム66wt%とを含む)を1.7mmアンダーで粉砕したものを600g準備する。
次に、図2(a)に示すように、ステンレス製の筒状耐圧容器10(内径150mm、深さ350mm、耐圧7MPa)内に、粉砕したFRPa600g、水酸化カルシウムb(ナカライテスク(株)社製)100g、純水c1800gをそれぞれ投入し、耐熱容器1の蓋11を閉じる。
その後、図2(b)に示すように、230℃で120分間加熱して、亜臨界水により分解をする。室温まで冷却した後、ガラスフィルタ(アドバンテック東洋(株)社製、GC-25)を用いて固液分離をする。図2(c)に示すように、分離された固形物は、ガラス繊維と炭酸カルシウムの無機物dであり、無機物dは回収された後、無機充填剤として再利用される。無機物dを除去した水溶液e中には、分解されたグリコール、フマル酸及びスチレンフマレート(スチレン・フマル酸共重合体)が含まれる。
次に、図2(d)に示すように、無機物dを除去した水溶液e中に1NのHClfを加えて、pHを6〜9に調整し、さらに、図2(e)に示すように水溶液eの2倍量のメタノールgを水溶液e中に投入し、得られた水溶液e´をろ過する。
ろ過後、図2(f)に示すように、スチレンフマレートhを回収する。回収されたスチレンフマレートhは、図3に示す分子構造であり、樹脂原料として再利用される。一方、スチレンフマレートhを除去したろ液iを加熱して、溶媒であるメタノールと水を除去し、亜臨界水分解時に使用した水量の約1/10にまで濃縮する。その後、室温まで冷却する。
さらに、図2(g)に示すように、濃縮された濃縮液j中にメタノールkを添加する。すると、濃縮液j中に溶解している塩類の溶解度が低下し、塩類が析出する。
塩類析出後、図2(h)に示すように、グリコールmとフマル酸nを回収する。
また、亜臨界水中に含まれるアルカリを塩として析出させて分離するときに、逆浸透膜を使用する場合は図4に示す方法を用いる。なお、図2(f)に示す工程までは同一であるため、同一符号を用いてその説明を省略する。
図4(f)に示すように、スチレンフマレートhを除去したろ液iを、メタノールの沸点以上、水の沸点以下で加熱して、ろ液i中からメタノールを除去する。その後、亜臨界水による分解時に使用した水量の約1/10にまで濃縮した水溶液とし、この水溶液を室温まで冷却する。
次に、図4(g)に示すように、冷却後の水溶液lをクロスフローモジュール12に組み込み、ポリビニルアルコール製のスパイラル型膜(外形2インチ)に通水させる。通水条件は、圧力1.5MPa、流量5L/minとした。ろ過により塩を分離してグリコールmとフマル酸nを回収する。
以下、さらに具体的に実施例により説明する。
(実施例1)
実施例1では、図1に示した繊維強化プラスチックの分解方法を用いて、FRPを分解した。なお、使用した材料及び反応条件は、図2にて説明したものと同様とし、スチレンフマレートを回収する際に、水より沸点が低いアルコールとしてメタノールを使用した。なお、実施例1では、亜臨界水中にアルカリが含まれていないため、塩を分離する処理をしていない。
実施例1から回収されたスチレンフマレート、グリコール及びフマル酸の各回収量を測定した。また、グリコールとフマル酸の各回収量から回収率を算出した。回収率は、まず、グリコールの濃度をガスクロマトグラフ分析装置により計測し、フマル酸の濃度をイオンクロマトグラフ装置により計測した。その後、計測されたグリコールとフマル酸との濃度に試料量を乗じて、下記の式1及び式2に基づいて計算した。
[式1] グリコールの回収率(%)=回収したグリコール量(g)/(使用したFRP樹脂量×グリコール配合割合)
[式2] フマル酸の回収率(%)=回収したフマル酸量(g)/(使用したFRP樹脂量×フマル酸配合割合)
使用したFRP樹脂量は600(g)、FRP中の樹脂の割合は34wt%、その樹脂中に配合されるグリコール及びフマル酸の配合割合は、樹脂部を100wt%としたとき、それぞれ23wt%である。このため、FRP樹脂量×グリコール配合割合は600(g)×0.34(wt%)×0.23(wt%)、FRP樹脂量×フマル酸配合割合は600(g)×0.34(wt%)×0.23(wt%)により求めることができる。
回収量及び回収率の結果を表1に示した。
Figure 0004848506
(実施例2)
実施例2では、図2に示したプラスチックの分解方法を用いて、FRPを分解した。実施例1と同様の方法を用いて、実施例2から回収されたスチレンフマレート、グリコール及びフマル酸の回収量及び回収率を求めて、その結果を表1に示した。
(実施例3)
実施例3では、図2に示したプラスチックの分解方法を用いて、亜臨界水による分解後に投入するアルコールとして、水の沸点よりも沸点の高いプロピレングリコールを使用した。実施例3から回収されたスチレンフマレート、グリコール及びフマル酸の回収量を測定し、実施例1と同様の方法を用いてフマル酸の回収率を算出した。なお、グリコールの回収率は、添加したグリコール量に対する重量増加分を算出し、この増加分から回収率を求めた。回収量及び回収率の結果を表1に示した。
(比較例1−1)
比較例1−1では、メタノールの代わりにヘキサンを使用し、その他は実施例1と同様の条件としてFRPを分解した。実施例1と同様の方法を用いて、比較例1−1から回収されたスチレンフマレート、グリコール及びフマル酸の回収量及び回収率を求めて、その結果を表1に示した。
(比較例1−2)
比較例1−2では、メタノールの代わりにアセトンを使用し、その他は実施例1と同様の条件としてFRPを分解した。実施例1と同様の方法を用いて、比較例1−2から回収されたスチレンフマレート、グリコール及びフマル酸の回収量及び回収率を求めて、その結果を表1に示した。
(比較例2−1)
比較例2−1では、メタノールの代わりにアセトンを使用し、その他は実施例2と同様の条件としてFPRを分解した。実施例1と同様の方法を用いて、比較例2−1から回収されたスチレンフマレート、グリコール及びフマル酸の回収量及び回収率を求めて、その結果を表1に示した。
(比較例2−2)
比較例2−2では、メタノールに代えてテトラヒドロフランを使用し、その他は実施例2と同様の条件としてFPRを分解した。実施例1と同様の方法を用いて、比較例2−2から回収されたスチレンフマレート、グリコール及びフマル酸の回収量及び回収率を求めて、その結果を表1に示した。
(実施例4)
実施例4では、図4に示したプラスチックの分解方法を用いて、FRPを分解した。実施例4から回収されたスチレンフマレートの回収量を求めて、表2に示した。また、実施例4から得られた濃縮液と透過液の各液中に含まれるグリコール及びフマル酸の回収量及び回収率について、実施例1と同様の方法を用いて求めた。さらに、析出された塩がポリビニルアルコール製の逆浸透膜で除去されているかを確認するために、濃縮液と透過液の蒸発残渣を測定した。これらの結果を表2に示した。
Figure 0004848506
各実施例及び比較例の結果から、表1に示すように、亜臨界水による分解後にアルコールを投入した実施例1〜実施例3では、樹脂成分回収率がいずれも80%以上の値を示しており、アルコール以外の溶剤を投入した比較例に比べて、樹脂成分回収率が高い値を示していた。回収された樹脂成分の中でも、特に、スチレンフマレートの回収量が増加していた。さらに、アルコールとして、水の沸点よりも低いメタノールを投入した実施例1と、水の沸点よりも高いプロピレングリコールを投入した実施例3とを比較すると、実施例1のスチレンフマレートとグリコールの回収量が増加しており、プロピレングリコールに比べてメタノールを投入すると、全体の樹脂成分回収率が増加することが判明した。なお、アルコール以外の溶剤を投入した比較例の回収率が低い理由は、ヘキサン及びテトラヒドロフランは水に難溶または僅かにしか溶解しないため、水溶液のスチレンフマレートに対する相溶性を低下させることができず、分離性が低下して回収率が低下したと推定され、他方、アセトンは水と相溶性があるが、スチレンフマレートに対しても相溶性があるため、水溶液のスチレンフマレートに対する相溶性を低下させることができないため、分離性が低下し、回収率が低下したと推定される。
また、表2に示すように、亜臨界水による分解後にメタノールを投入し、塩をポリビニルアルコール製の逆透過膜により除去した場合にも、樹脂成分回収率が80%以上の値を示していた。さらに、透過液の蒸発残渣量に比べて濃縮液の蒸発残渣量が増加しており、逆透過膜を使用すると塩を効果的に除去できることが判明した。
以上の結果、FRPを用いて再度FRPの原材料として再利用可能なスチレンフマレート、フマル酸及びグリコールを高収率で回収できることが判明した。このため、本発明の実施の形態に係るプラスチックの分解方法によれば、廃棄プラスチックを再資源化して有効活用することができる。
本発明の実施の形態に係るプラスチックの分解方法を用いたFRPの分解方法を説明する図である。 本発明の実施の形態に係るプラスチックの分解方法を用いたFRPを分解する方法を説明する図であり、亜臨界水中に含まれるアルカリを塩として析出させて分離する場合の方法を示す図である。 本発明の実施の形態に係るプラスチックの分解方法を用いたFRPを分解する方法により回収されるスチレンフマレートの分子構造を示す図である。 本発明の実施の形態に係る亜臨界水中に含まれるアルカリを塩として析出させて分離するときに、逆浸透膜を使用する場合の方法を示す図である。
符号の説明
1…不飽和ポリエステル樹脂を含むプラスチック,
2…水溶液(多価アルコール3、有機酸4及び有機酸の化合物5を含む),
3…多価アルコール,
4…有機酸,
5…有機酸の化合物,
6…水溶液(多価アルコール3及び有機酸4を含む),

Claims (7)

  1. 不飽和ポリエステル部と架橋部とから形成される不飽和ポリエステル樹脂を含むプラスチックを、前記不飽和ポリエステル樹脂の熱分解温度未満としたアルカリを含有する亜臨界水を用いて分解して、前記不飽和ポリエステル樹脂の原料モノマである多価アルコール及び有機酸と、スチレンとフマル酸の共重合体とを含む水溶液とし、
    分解後に得られた水溶液中に酸を投入してpHを6〜9に調整し、
    得られた前記水溶液中に、メタノール、エタノール、及び、前記不飽和ポリエステル樹脂の原料モノマである多価アルコールからなる群より選択されるアルコールを投入して混合し、前記スチレンとフマル酸の共重合体の固形物と、前記多価アルコール及び前記有機酸を含む水溶液とに分離することを特徴とするプラスチックの分解方法。
  2. 前記アルコールは、水の沸点よりも低い溶媒であることを特徴とする請求項1記載のプラスチックの分解方法。
  3. 更に、分離された前記水溶液中の水分を除去して得られた濃縮溶液中にアルコールを投入し、塩を析出させた後、塩を分離して、多価アルコールと有機酸とを得ることを特徴とする請求項1又は2記載のプラスチックの分解方法。
  4. 更に、分離された前記水溶液中のアルコールを除去し、得られた溶液から逆浸透膜を用いて塩を分離して、多価アルコールと有機酸とを得ることを特徴とする請求項1又は2記載のプラスチックの分解方法。
  5. 前記逆浸透膜は、ポリアミド系又はポリビニルアルコール系から形成される膜であることを特徴とする請求項4記載のプラスチックの分解方法。
  6. 前記アルコールは、水の沸点よりも高い溶媒であることを特徴とする請求項1記載のプラスチックの分解方法。
  7. 前記アルコールとして、不飽和ポリエステル樹脂の原料モノマである多価アルコールを用いることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のプラスチックの分解方法。
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