JP4754237B2 - プラスチックの分解方法 - Google Patents

プラスチックの分解方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4754237B2
JP4754237B2 JP2005047639A JP2005047639A JP4754237B2 JP 4754237 B2 JP4754237 B2 JP 4754237B2 JP 2005047639 A JP2005047639 A JP 2005047639A JP 2005047639 A JP2005047639 A JP 2005047639A JP 4754237 B2 JP4754237 B2 JP 4754237B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plastic
decomposing
water
organic acid
aqueous solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005047639A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006232934A (ja
Inventor
哲也 前川
尚治 中川
豊之 ト部
優 日高
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Electric Works Co Ltd
International Center for Environmental Technology Transfer
Original Assignee
Panasonic Corp
International Center for Environmental Technology Transfer
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, International Center for Environmental Technology Transfer, Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2005047639A priority Critical patent/JP4754237B2/ja
Publication of JP2006232934A publication Critical patent/JP2006232934A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4754237B2 publication Critical patent/JP4754237B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J11/00Recovery or working-up of waste materials
    • C08J11/04Recovery or working-up of waste materials of polymers
    • C08J11/10Recovery or working-up of waste materials of polymers by chemically breaking down the molecular chains of polymers or breaking of crosslinks, e.g. devulcanisation
    • C08J11/14Recovery or working-up of waste materials of polymers by chemically breaking down the molecular chains of polymers or breaking of crosslinks, e.g. devulcanisation by treatment with steam or water
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2367/00Characterised by the use of polyesters obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain; Derivatives of such polymers
    • C08J2367/06Unsaturated polyesters
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Description

本発明は、プラスチック、特に廃棄物のプラスチックから有価物を回収するためのプラスチックの分解・回収方法に関する。
従来、プラスチック廃棄物の多くは、埋立処分又は焼却処理に付され、資源として有効活用されていなかった。また、埋立処分では、埋立用地の確保が困難,埋立後の地盤が不安定になる等の問題が生じ、焼却処理では、炉の損傷,有害ガスや悪臭の発生,CO排出等の問題が生じる。このため、平成7年に容器包装廃棄物法が制定され、プラスチックの回収・再利用が義務づけられるようになった。また、近年の各種リサイクル法の施行に伴い、プラスチックを含む製品の回収・再利用の流れは加速する傾向にある。
このような背景から、近年、プラスチック廃棄物の再資源化ための研究が数多くなされており、その一つとして、超臨界水を反応媒体とする反応により、プラスチック廃棄物を分解油化し、有用な油状物を回収する方法が提案されている。また、各種構造材料等に使用される繊維強化プラスチックについて、超臨界水や亜臨界水を用いてプラスチック成分を分解し、ガラス繊維,炭素繊維等の繊維を回収,再利用する方法も提案されている。これらの方法では、プラスチック廃棄物は分解処理によって低分子化した油状成分となり、主に液体燃料として再利用される。また、ジカルボン酸,ジアミン等の分解用成分を用いて硬化不飽和ポリエステル樹脂廃棄物を分解して樹脂原料を回収し、不飽和ポリエステル樹脂を再合成するケミカルリサイクル法も提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開平9−221565号公報
しかしながら、超臨界水を利用してプラスチックを分解,回収する場合、プラスチック成分はランダムに分解されるために、分解生成物が多種多成分の油状物質となり、一定品質を保つことが困難になる。このため、ゼオライトに代表される触媒を用いて油質の改質を行う等の後処理が必要となり、コスト高になってしまう。また、改質された油質を灯油や軽油等の石油成分そのものにすることは困難であることから、実用化には至っていない。一方、ケミカルリサイクル法を利用してプラスチックを分解,回収する場合には、分解後の樹脂を再度不飽和ポリエステル樹脂として再利用してはいるものの、分解温度が高いために熱分解が生じ、再硬化させた際の物性が本来の不飽和ポリエステル樹脂とは異なってしまう(熱硬化性樹脂としては低下する)。また、再硬化品に占める分解樹脂の利用率が低くなる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、プラスチックを再度同様のプラスチックとして利用できる形で分解・回収可能なプラスチックの分解・回収方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係るプラスチックの分解方法は、
不飽和ポリエステル部とその架橋部からなる熱硬化性樹脂を熱分解温度未満の温度のアルカリ金属の水酸化物を含む亜臨界水で分解処理することにより、多価アルコール、有機酸、及び架橋部と不飽和ポリエステル部を構成する有機酸の化合物であるスチレンフマレート共重合体を含む水溶液を生成し、分子量が5000以上の分子を分離可能なポリスルホン系のUF膜による膜分離法を用いて水溶液を前記スチレンフマレート共重合体の固形分と多価アルコール及び有機酸を含有する水溶液とに分離し、多価アルコール及び有機酸を含有する水溶液中の水分を除去して多価アルコール及び有機酸を回収する。
本発明に係るプラスチックの分解・回収方法によれば、熱硬化性樹脂を熱分解温度未満の温度の亜臨界水で分解処理するので、熱硬化性樹脂をランダムに分解せず、架橋部と不飽和ポリエステル部を構成する酸の化合物に分解し、分解生成物が多種成分から成る油状物質となるのを防止し、一定品質の分解生成物を得ることができる。従って、分解生成物を再度同様な熱硬化性樹脂の原料として再利用することができる。
また、本発明に係るプラスチックの分解・回収方法によれば、膜分離法を用いて水溶液を有機酸の化合物の固形分と多価アルコール及び有機酸を含有する水溶液とに分離するので、処理コストを低く抑えて、有機酸の化合物の固形分を効率よく回収することができる。
以下、本発明の実施形態となるプラスチックの分解・回収方法について説明する。
本発明において、分解の対象となるプラスチックは、不飽和ポリエステル部とその架橋部からなる熱硬化性樹脂である。なお、本明細書中において、不飽和ポリエステル部とは、多価アルコールと有機酸である不飽和多塩基酸に由来する部分であり、多価アルコールと不飽和多塩基酸が重縮合して生成された不飽和アルキド樹脂部分である。また、架橋部とは、不飽和アルキド樹脂を架橋する架橋剤に由来する部分である。従って、「不飽和ポリエステル部とその架橋部からなる熱硬化性樹脂」とは、多価アルコールと不飽和多塩基酸からなる不飽和アルキド樹脂が架橋剤により架橋された網状熱硬化性樹脂(網状不飽和ポリエステル樹脂)のことを意味する。
また、上記多価アルコールとしては、エチレングリコールやプロピレングリコール,ジエチレングリコール,ジブロピレングリコール等のグリコール類を例示することができるがこれに限定されるものではない。また、上記不飽和多塩基酸としては、無水マレイン酸,マレイン酸,フマル酸,フタル酸等の脂肪族不飽和多塩基酸を例示することができるがこれに限定されるものではない。また、上記架橋剤としては、スチレン,メタクリル酸メチル等の重合性ビニルモノマーを例示することができるがこれに限定されるものではない。また、上記不飽和アルキド樹脂を生成するにあたっては有機酸として無水フマル酸等の飽和多塩基酸を不飽和多塩基酸と併用してもよい。
そして、本発明では、上記熱硬化性樹脂に水を加え、温度及び圧力を上昇させて水を臨界点以下(臨界温度374.4℃、臨界圧力22.1MPa以下)の亜臨界状態にして熱硬化性樹脂を分解することにより、不飽和ポリエステルからその由来のモノマー(多価アルコールと不飽和多塩基酸)を回収すると共に、架橋部と不飽和ポリエステル部を構成する部分から架橋物と不飽和ポリエステル部を構成する有機酸の化合物を回収するものである。すなわち、架橋部と不飽和ポリエステル部を構成する有機酸の化合物とは、架橋剤と不飽和ポリエステル部の不飽和多塩基酸との化合物(反応物)である。
なお、本発明において、熱硬化性樹脂と水との配合割合は特に制限されるものではないが、熱硬化性樹脂100質量部に対して水の添加量は100〜500質量部の範囲にすることが望ましい。また、分解反応の温度(亜臨界水)の温度は、熱硬化性樹脂が加水分解されるが、熱分解する温度未満、且つ、架橋部及び不飽和ポリエステル部が熱分解する温度未満の温度であることが望ましく、180〜270[℃]の温度範囲に設定することが望ましい。なお、分解反応時の温度が180[℃]未満であると、分解処理に多大な時間を要し、処理コストが高くなる恐れがあり、逆に分解反応時の温度が270[℃]を超えると、熱分解の影響が大きくなり、不飽和ポリエステル部とその架橋部が分解されて、架橋部と不飽和ポリエステル部を構成する酸の化合物を回収することが困難になる恐れがある。また、分解反応の時間は、反応温度等の条件によって異なり、熱分解の影響が生じない温度以下では、1〜4時間程度が好ましいが、この反応時間は短い方が処理コストが少なくなるので好ましい。また、分解反応の圧力については、特に限定されるものではないが、2〜15[MPa]程度の範囲であることが望ましい。
一般に、亜臨界水によるプラスチックの分解処理は、熱分解反応及び加水分解反応によって起こるものであり、多価アルコール及び有機酸を含む原料により製造された熱硬化性樹脂においても同様であるが、亜臨界水に接触させて処理する場合には、加水分解反応が支配的となり、選択的に加水分解反応が起こって、多価アルコール及び有機酸(塩)のモノマー又はこれらが複数個結合したオリゴマーに分解されるものである。従って、本発明においても、熱硬化性樹脂を亜臨界水に接触させて処理することにより、多価アルコールと不飽和多塩基酸及び架橋部と不飽和ポリエステル部を構成する有機酸の化合物とに分解することができ、分解処理により得られたモノマー又はオリゴマーを回収してプラスチックの製造原料として再利用することができる。
なお、本発明にあっては、亜臨界水がアルカリ金属の水酸化物を含有することが望ましく、これにより、熱硬化性樹脂の加水分解反応がアルカリ金属の水酸化物で促進されて処理時間を短くすることができ、処理コストを少なくすることができる。さらに、超臨界状態に近い高温域においては、熱硬化性樹脂を亜臨界水で処理することにより生成される多価アルコールが、熱硬化性樹脂を亜臨界水で処理することにより生成される有機酸の酸触媒効果により二次分解される恐れがあるが、有機酸をアルカリ金属の水酸化物の塩基で中和することができ、多価アルコールが有機酸の酸触媒効果により二次分解されることを抑制することができる。ここで、アルカリ金属の水酸化物の配合量は、特に限定されるものではないが、亜臨界水中のアルカリ金属の水酸化物の濃度が0.2[モル/リットル]以上であることが望ましい。また、アルカリ金属の水酸化物の濃度が0.2[モル/リットル]未満であると、アルカリ金属の水酸化物により上記効果が得られにくくなる恐れがある。なお、アルカリ金属の水酸化物濃度の上限値は、特に限定はされないが、1.0[モル/リットル]以下であることがコスト面等から望ましい。
上記アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化カリウム(KOH)や水酸化ナトリウム(NaOH)等を用いることができるが、これに限定されるものではない。また、アルカリ金属の水酸化物の代わりに、又はアルカリ金属の水酸化物と併用して、難水溶性の塩基を亜臨界水に添加することもできる。この難水溶性の塩基としては、炭酸カルシウム等を例示することができるが、これに限定されるものではない。
本発明に係るプラスチックの分解・回収方法では、始めに、分解処理の対象となる熱硬化性樹脂と水及びアルカリ金属の水酸化物等の添加物とを混合し、これを加熱加圧することにより、亜臨界水で熱硬化性樹脂を分解処理する。次に、分解処理後の亜臨界水を冷却した後、濾過等の方法により固液を分離する。ここで、熱硬化性樹脂に含まれていたガラス繊維や炭酸カルシウム等の無機フィラーが固形物として得られ、水及びこれに溶解されている水可溶成分が液分として得られる。
次に、膜分離法を用いて、水溶液を架橋部と不飽和部を構成する有機酸の化合物とに分離する。膜分離法を用いる場合、分子量が5000以上の分子を分離可能なUF膜(UltraFiltration)膜を用いることが望ましい。上記有機酸の化合物(例えば、スチレンフマレート共重合体)は、末端に水酸基を多数持っているため、水に分散してしまい、通常の濾過では分離が困難である。しかしこのような分散したものであっても、膜分離の場合、上記有機酸の化合物と溶剤に分離することが可能となる。
また、上記有機酸の化合物は、分子量が数万程度の化合物が多いため、特に分子量が5000以上の分子を分離可能なUF膜を用いると、より確実に分離可能となって、収率を高めることが可能となる。また、UF膜がマイナスチャージのポリスルホン系のスパイラル型膜である場合には、スチレンフマレート共重合体は水溶液中でカルボキシルイオンとして存在するために、分離性能,分離速度,メンテナンスの面で有効にスチレンフマレート共重合体を回収することができる。
なお、スチレンフマレート共重合体は以下の化学式1に示される組成(m,n>0)を有する。また、亜臨界水がアルカリ溶液である場合、水溶液を架橋部と不飽和部を構成する有機酸の化合物とに分離する工程の前に、水溶液に酸を供給して中和し、中和により生成される塩をスチレン・ジビニルベンゼン共重合体等のイオン交換樹脂を用いて除去することが望ましい。
Figure 0004754237
得られた有機酸の化合物は、樹脂の再成形に用いたり、他の樹脂に添加して、低収縮剤として再利用することができる。また、上記で得られた水相を蒸留することにより、水とグリコール等の多価アルコールと有機酸とをそれぞれ別々に回収することができる。なお、蒸留で得られた水は再度、亜臨界水とを生成するための水として利用することができる。また、水分は、ポリアミド系やポリビニルアルコール系の逆浸透膜を用いたり、吸水性ポリマーに吸収させることにより除去することが望ましい。これらの方法の場合、加熱せずに水分を分離可能なため、分離した有機酸の化合物の熱変質を防ぐことができる。なお、吸水性ポリマーの重量は、水溶液中の水の8割以上を吸水可能な重量であることが望ましい。また、吸水性ポリマーとしては、橋かけポリアクリル酸塩系又はイソブチレンマレイン酸塩系のものを用いるとよい。
次に、上記プラスチックの分解・回収方法の具体例1〜3について説明する。
〔具体例1〕
始めに、図1を参照して、上記プラスチックの分解・回収方法の具体例1について説明する。
この具体例1では、内径150[mm],深さ350[mm],耐圧7[MPa]のステンレス製の筒状耐圧容器に、FRP樹脂を1.7[mm]アンダーで粉砕したものを600[g]と、純水1800[g]と、水酸化カリウム(ナカライテスク)100[g]を入れ、蓋をした状態で230[℃]で120[分]加熱することにより、FRP樹脂を分解処理する。なおここでは、FRP樹脂の組成は34[wt%]のプロピレングリコール−無水マレイン酸−スチレン共重合物(不飽和ポリエステル樹脂)と、66[wt%]のガラス繊維及び充填材の炭酸カルシウムとする。
そして、分解処理後、筒状耐熱容器を室温まで冷却後、溶液をガラスフィルター(アドバンテックGC−25)で固液分離することにより、ガラス繊維及び炭酸カルシウムの無機物を含む固形物を溶液から除去し、膜分離法を用いて溶液からスチレンフマレート共重合体の固形物を回収し、1N−HCl溶液を用いて濾液のpH値を6〜9に調整(中和)した後、クロスフローモジュールに組み込まれた材質がポリスルホン系のスパイラル型膜に濾液を通水し、濃縮液(スチレンフマレート共重合体)と透過液(グリコール,フマル酸,KCl)を回収した。なお、この具体例では、スパイラル型膜の外形は2[インチ]で、通水圧力及び通水流量は1.5[MPa]及び1[l/min]とした。また、上記スパイラル型膜として分子量が5000以上の分子を分離可能なものを用いた。
そして、グリコール及びフマル酸の濃度をそれぞれガスクロマトグラフ分析装置及びイオンクロマトグラフ分析装置で分析し、グリコール及びフマル酸の濃度に試料量を乗じることにより、グリコール及びフマル酸の回収率を下記の数式1,2を用いて算出した。なお、この実施形態では、不飽和ポリエステル樹脂中におけるグリコール及びフマル酸の配合割合は23[wt%]であるとした。
Figure 0004754237
Figure 0004754237
この結果、グリコール及びフマル酸の回収量と回収率は以下に示す表1のようになった。また、濃縮液及び透過液のpH値を2に調整した後、残渣を乾燥機中で100[℃],120[分]乾燥させて重量を測定し、測定された重量からグリコール及びフマル酸の回収量を減算することにより、スチレンフマレート共重合体の回収量を算出した結果、スチレンフマレート共重合体の回収量は以下に示す表1のようになった。なお、この時得られたスチレンフマレート共重合体の固形分の重量は140[g]であった。
Figure 0004754237
〔具体例2〕
次に、上記プラスチックの分解・回収方法の具体例2について説明する。
この具体例2では、無機物を除去するためにFRP樹脂を亜臨界水で分解処理した溶液を濾過した後、1N−HCl溶液を用いて濾液のpH値を6〜9に調整(中和)する。なお、FRP樹脂は上記具体例1と同一条件で分解処理した。そして、pH値の調整が完了した後、上記具体例1と同様のスパイラル型膜に濾液を通水し、濃縮液と透過液を回収する。次に、材質がスチレン・ジビニルベンゼン共重合体のイオン交換樹脂を充填したカラムに流量0.5[l/min]で透過液を通水することにより透過液中の塩(KCL)を除去した後、透過液を回収した。この結果、グリコール及びフマル酸の回収量と回収率は以下に示す表2のようになった。また、中和処理により生成された塩(KCL)の除去を確認するために、回収液の蒸発残渣量を測定した結果、蒸発残渣量は以下に示す表2のようになった。
Figure 0004754237
〔具体例3〕
最後に、上記プラスチックの分解・回収方法の具体例3について説明する。
この具体例3では、無機物を除去するためにFRP樹脂を亜臨界水で分解処理した溶液を濾過した後、1N−HCl溶液を用いて濾液のpH値を6〜9に調整する。なお、FRP樹脂は上記具体例1と同一条件で分解処理した。そして、pH値の調整が完了した後、上記具体例3と同様のスパイラル型膜に濾液を通水し、濃縮液と透過液を回収する。次に、スチレン・ジビニルベンゼン共重合体等のイオン交換樹脂を利用して透過液から塩(KCl)を回収し、回収液を得る。なお、この時、回収液の重量は2250[g]であった。次に、吸水性ポリマーを3.8[g]配合した容器に回収液を移し、攪拌しながら10分間放置することにより、回収液中の水を吸水性ポリマーに吸水させる。その後、サランメッシュ(150[μm])を用いて濃縮回収液を得た。この結果、グリコール及びフマル酸の回収量及び回収率は表3に示すようになった。また、スチレンフマレート共重合体の回収量も測定した結果、グリコール,フマル酸,及びスチレンフマレート共重合体から成る樹脂成分の回収率は表3に示すようになった。
Figure 0004754237
以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、上記実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
本発明の実施形態となるプラスチックの分解・回収処理の流れを示すフロー図である。

Claims (7)

  1. 不飽和ポリエステル部とその架橋部からなる熱硬化性樹脂を、熱分解温度未満の温度のアルカリ金属の水酸化物を含む亜臨界水で分解処理することにより、多価アルコール、有機酸、及び架橋部と不飽和ポリエステル部を構成する有機酸との化合物であるスチレンフマレート共重合体を含む水溶液を生成する工程と、
    分子量が5000以上の分子を分離可能なポリスルホン系のUF膜による膜分離法を用いて前記水溶液を前記スチレンフマレート共重合体の固形分と多価アルコール及び有機酸を含有する水溶液とに分離する工程とを有するプラスチックの分解方法。
  2. 請求項1に記載のプラスチックの分解方法において、
    前記多価アルコール及び有機酸を含有する水溶液中の水分を除去して多価アルコール及び有機酸を回収する工程を更に有することを特徴とするプラスチックの分解方法。
  3. 請求項2に記載のプラスチックの分解方法において、
    前記亜臨界水はアルカリ溶液であり、前記多価アルコール及び有機酸を含有する水溶液中の水分を除去して多価アルコール及び有機酸を回収する工程の前に、当該水溶液に酸を供給して中和し、中和により生成される塩を除去する工程を有することを特徴とするプラスチックの分解方法。
  4. 請求項3に記載のプラスチックの分解方法において、
    前記塩はイオン交換樹脂を用いて除去することを特徴とするプラスチックの分解方法。
  5. 請求項2乃至請求項4のうち、いずれか1項に記載のプラスチックの分解方法において、
    前記多価アルコール及び有機酸を含有する水溶液中の水分は逆浸透膜を用いることにより除去することを特徴とするプラスチックの分解方法。
  6. 請求項2乃至請求項5のうち、いずれか1項に記載のプラスチックの分解方法において、
    前記多価アルコール及び有機酸を含有する水溶液中の水分は、当該水溶液に吸水性ポリマーを接触させ、吸水性ポリマーに水を吸収させることにより除去することを特徴とするプラスチックの分解方法。
  7. 請求項6に記載のプラスチックの分解方法において、
    前記吸水性ポリマーは橋がけポリアクリル酸塩系又はイソブチレンマレイン酸塩系であることを特徴とするプラスチックの分解方法。
JP2005047639A 2005-02-23 2005-02-23 プラスチックの分解方法 Expired - Fee Related JP4754237B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005047639A JP4754237B2 (ja) 2005-02-23 2005-02-23 プラスチックの分解方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005047639A JP4754237B2 (ja) 2005-02-23 2005-02-23 プラスチックの分解方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006232934A JP2006232934A (ja) 2006-09-07
JP4754237B2 true JP4754237B2 (ja) 2011-08-24

Family

ID=37040947

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005047639A Expired - Fee Related JP4754237B2 (ja) 2005-02-23 2005-02-23 プラスチックの分解方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4754237B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4775211B2 (ja) * 2006-09-26 2011-09-21 パナソニック電工株式会社 熱硬化性樹脂の分解回収方法
JP4806757B2 (ja) * 2007-05-28 2011-11-02 パナソニック電工株式会社 熱硬化性樹脂の分解・回収方法
JP4806758B2 (ja) * 2007-05-28 2011-11-02 パナソニック電工株式会社 熱硬化性樹脂の分解・回収方法
JP4788673B2 (ja) * 2007-06-26 2011-10-05 パナソニック電工株式会社 プラスチックの分解方法
JP4979568B2 (ja) * 2007-12-21 2012-07-18 パナソニック株式会社 熱硬化性樹脂の分解・回収方法
JP4971124B2 (ja) * 2007-12-25 2012-07-11 パナソニック株式会社 熱硬化性樹脂の分解・回収方法
JP5508025B2 (ja) * 2007-12-26 2014-05-28 パナソニック株式会社 熱硬化性樹脂の分解および分解生成物の回収方法
JP5148617B2 (ja) 2008-03-26 2013-02-20 パナソニック株式会社 熱硬化性樹脂の分解および分解生成物の回収方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000178375A (ja) * 1998-12-15 2000-06-27 Asahi Chem Ind Co Ltd 重縮合系ポリマーの分解処理装置および分解処理方法
JP2001122825A (ja) * 1999-10-28 2001-05-08 Japan Organo Co Ltd 粗ビスヒドロキシアルキルテレフタレートの精製方法
JP3917811B2 (ja) * 2000-11-15 2007-05-23 東洋製罐株式会社 回収ポリエチレンテレフタレート粉砕品からのテレフタル酸の工業的回収方法
JP2002265663A (ja) * 2001-03-06 2002-09-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 発泡ポリスチレン減容化剤及びこれを用いた発泡ポリスチレンの回収方法
US7696378B2 (en) * 2002-11-07 2010-04-13 Panasonic Electric Works Co., Ltd. Depolymerization process

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006232934A (ja) 2006-09-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4754237B2 (ja) プラスチックの分解方法
JP4473268B2 (ja) プラスチックの分解方法
JP4848506B2 (ja) プラスチックの分解方法
JP4979753B2 (ja) 熱硬化性樹脂の分解および分解生成物の回収方法
JP4495629B2 (ja) プラスチックの分解・分離方法
JP2006241380A (ja) プラスチックの分解方法
JP4837949B2 (ja) グリコールの分離方法
JP4806758B2 (ja) 熱硬化性樹脂の分解・回収方法
JP2007224081A (ja) スチレンマレイン酸共重合体の回収方法
JP4699785B2 (ja) プラスチックの再生方法
JP4718868B2 (ja) 熱硬化性樹脂の分解方法
JP4775211B2 (ja) 熱硬化性樹脂の分解回収方法
JP2000178375A (ja) 重縮合系ポリマーの分解処理装置および分解処理方法
JP4116948B2 (ja) 不飽和ポリエステル樹脂の分解・回収方法
JP4291126B2 (ja) プラスチックの分解方法
JP4806757B2 (ja) 熱硬化性樹脂の分解・回収方法
Liang et al. Trends and future outlooks in circularity of desalination membrane materials
JP2007169524A (ja) プラスチックの亜臨界水分解物の分離方法
JP4754246B2 (ja) プラスチックの分解方法
JP5508025B2 (ja) 熱硬化性樹脂の分解および分解生成物の回収方法
JP4971124B2 (ja) 熱硬化性樹脂の分解・回収方法
JP4979568B2 (ja) 熱硬化性樹脂の分解・回収方法
JP5243464B2 (ja) プラスチックの分解・回収方法
JP2010163620A (ja) プラスチックの分解・分離方法
JP2008156532A (ja) プラスチックの再利用方法及び無機充填材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071015

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100105

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100308

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110215

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110418

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110510

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110525

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140603

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees