JPWO2010123093A1 - 熱硬化性樹脂の分解・回収方法 - Google Patents

熱硬化性樹脂の分解・回収方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2010123093A1
JPWO2010123093A1 JP2011510374A JP2011510374A JPWO2010123093A1 JP WO2010123093 A1 JPWO2010123093 A1 JP WO2010123093A1 JP 2011510374 A JP2011510374 A JP 2011510374A JP 2011510374 A JP2011510374 A JP 2011510374A JP WO2010123093 A1 JPWO2010123093 A1 JP WO2010123093A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vinyl monomer
polybasic acid
thermosetting resin
copolymer salt
monomer copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP2011510374A
Other languages
English (en)
Inventor
記子 今成
記子 今成
卓見 泉谷
卓見 泉谷
中川 尚治
尚治 中川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Publication of JPWO2010123093A1 publication Critical patent/JPWO2010123093A1/ja
Ceased legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J11/00Recovery or working-up of waste materials
    • C08J11/04Recovery or working-up of waste materials of polymers
    • C08J11/10Recovery or working-up of waste materials of polymers by chemically breaking down the molecular chains of polymers or breaking of crosslinks, e.g. devulcanisation
    • C08J11/14Recovery or working-up of waste materials of polymers by chemically breaking down the molecular chains of polymers or breaking of crosslinks, e.g. devulcanisation by treatment with steam or water
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2367/00Characterised by the use of polyesters obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain; Derivatives of such polymers
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

熱硬化性樹脂の分解生成物である多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩を固体で効率よく回収し、再利用を容易にし、なおかつ、回収物の再利用時の機能を向上させる熱硬化性樹脂の分解・回収方法を提供することを目的する。本発明は、ポリエステル部とその架橋部を含む熱硬化性樹脂を1価水酸基をもつアルカリ金属化合物を含有する亜臨界水で分解し、得られた前記熱硬化性樹脂のポリエステル部とその架橋部を構成する多塩基酸の化合物である多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩が溶解している分解液に水溶性の分離析出物質を添加して多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩を析出させ、固体として回収する熱硬化性樹脂の分解・回収方法を提供する。

Description

本発明は、熱硬化性樹脂を亜臨界水で分解してその分解生成物を回収する熱硬化性樹脂の分解・回収方法に関するものである。
従来、日本国では、熱硬化性樹脂を材料とするプラスチック廃棄物のほとんどは埋め立て処分されていた。しかしながら、埋め立て用地の確保が困難であること、埋め立て後の地盤の不安定化という問題があり、この熱硬化性樹脂を材料とするプラスチック廃棄物を再資源化することが望まれている。
これまで超臨界水または亜臨界水を反応媒体とする熱硬化性樹脂の分解方法が提案されているが(例えば、特許文献1,2参照)、これらの方法ではその分解生成物をそのまま再利用することはできなかった。そこで特許文献3〜5では、上記分解方法を応用して、分解生成物を新たに変性し、再利用できるようにした熱硬化性樹脂の回収・再利用方法を提案している。
特開平10−24274号公報 特開2004−155964号公報 特開2005−336322号公報 特開2006−36938号公報 国際公開WO2006/057250号パンフレット
これまで報告された回収方法は、熱硬化性樹脂の分解液を酸性にすることにより、例えば、スチレンフマル酸共重合体(SFC)、スチレンマレイン酸共重合体塩等の多塩基酸ビニルモノマー共重合体を再利用可能な分解生成物として析出させるものである。しかしながら、析出した多塩基酸ビニルモノマー共重合体は大量の水を含んだ状態であって、再利用のためには水を除去する必要があり、そのためには膨大なエネルギーが必要であった。また、析出した多塩基酸ビニルモノマー共重合体は酸になっており、水溶性の塩の状態では得ることができない。塩の状態の多塩基酸ビニルモノマー共重合体は界面活性機能やキレート機能等、様々な用途への使用が期待できるため、塩の状態で多塩基酸ビニルモノマー共重合体を回収することが望まれる。
本発明は以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、熱硬化性樹脂の分解生成物であるスチレンフマル酸共重合体(SFC)、スチレンマレイン酸共重合体塩等の多塩基酸ビニルモノマー共重合体の塩を固体で効率よく回収することができ、再利用を容易にし、なおかつ、回収物の再利用時の機能(例えば、コーティング剤、サイズ剤(特に紙用サイズ剤)、洗剤ビルダー、分散剤、キレート剤などの機能)を向上させる熱硬化性樹脂の分解・回収方法を提供することを課題としている。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下のことを特徴としている。
第1に、ポリエステル部とその架橋部を含む熱硬化性樹脂を1価水酸基をもつアルカリ金属化合物を含有する亜臨界水で分解し、得られた前記熱硬化性樹脂のポリエステル部とその架橋部を構成する多塩基酸の化合物である多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩が溶解している分解液に水溶性の分離析出物質を添加して多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩を析出させ、この多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩を固体として回収する熱硬化性樹脂の分解・回収方法であって、前記分離析出物質が、多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩よりも水溶性が高く、かつ、前記アルカリ金属化合物を構成するアルカリ金属と同じアルカリ金属を含有する化合物、または、水に混和し、かつ、多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩が不溶な有機溶媒である。
第2に、上記第1の熱硬化性樹脂の分解・回収方法において、分離析出物質の添加量を変えることによって、分子量が異なる多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩を析出させる。
第3に、上記の第1または第2の方法において、分離析出物質の添加によって析出した固体の多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩をコーティング剤として回収する。
第4に、上記の第1または第2の方法において、分離析出物質の添加によって析出した固体の多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩をサイズ剤として回収する。
第5に、上記の第1または第2の方法において、分離析出物質の添加によって析出した固体の多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩を紙用サイズ剤として回収する。
第6に、上記の第1または第2の方法において、分離析出物質の添加によって析出した固体の多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩を除去した溶液を洗剤ビルダーとして回収する。
第7に、上記の第6の方法において、前記洗剤ビルダーが、多価アルコールおよび多塩基酸からなる群から選択される熱硬化性樹脂のポリエステル部由来のモノマー、およびその誘導体、あるいは、熱硬化性樹脂の架橋部由来の多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩を含有する。
第8に、上記の第1の方法において、分離析出物質の添加によって析出した固体の多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩を除去した溶液を、再度、熱硬化性樹脂の亜臨界水分解に使用する。
第9に、上記の第1または第2の方法によって回収した固体の多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩。
第10に、上記の第1または第2の方法によって回収した固体の多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩のコーティング剤としての使用。
第11に、上記の第1または第2の方法によって回収した固体の多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩のサイズ剤としての使用。
第12に、上記の第1または第2の方法によって回収した固体の多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩の紙用サイズ剤としての使用。
第13に、上記の第1または第2の方法において、分離析出物質の添加によって析出した固体の多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩を除去した溶液。
第14に、上記の第1または第2の方法において、分離析出物質の添加によって析出した固体の多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩を除去した溶液の洗剤ビルダーとしての使用。
第15に、上記の第14の洗剤ビルダーにおいて、洗剤ビルダーが、多価アルコールおよび多塩基酸からなる群から選択される熱硬化性樹脂のポリエステル部由来のモノマー、およびその誘導体、あるいは、熱硬化性樹脂の架橋部由来の多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩を含有する。
上記第1の発明によれば、多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩が溶解している分解液から再利用が容易な多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩を固体として高収率で分離、回収することができる。
上記第2の発明によれば、分離析出物質の添加量を変えることにより、析出させる多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩の分子量を変化させることができる。これにより、分子量が異なる多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩の生成が可能になり、多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩の再利用の適用範囲が広がる。また、用途に応じて適切な分子量の多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩を選択することが可能になるため、再利用がより一層促進されるという利点もある。
上記第3〜第15の発明によれば、図1に示す通り、分離析出物質の添加によって析出した固体の多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩(すなわち、析出物)をコーティング剤またはサイズ剤、特に紙用サイズ剤として回収することができ、一方で、析出した固体の多塩基酸ビニルモノマー共重合体を除去した溶液(すなわち、上澄み液)を洗剤ビルダー、分散剤、キレート剤等として回収するか、あるいは、再度、熱硬化性樹脂の亜臨界水分解に使用することができ、いずれも、分離析出物質を添加する前の分解液に比べ高性能を示す。さらに、これらの発明によって、廃液がなくなるという利点もある。
本発明の熱硬化性樹脂の分解・回収方法において、分離ろ液の析出物、すなわち、分離析出物質の添加によって析出し、分離され、回収された、固体の多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩が、コーティング剤またはサイズ剤、特に紙用サイズ剤等として回収できること、ならびに、分離ろ液の上澄み液、すなわち、固体の多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩を除去した後の溶液が、洗剤ビルダーまたは分散剤、キレート剤等として回収できること、あるいは、再度、熱硬化性樹脂の亜臨界水分解に使用できることを模式的に示すフロー図である。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明において分解・回収の対象となる熱硬化性樹脂は、ポリエステルを架橋して得られたものであり、ポリエステル部とその架橋部を含むものである。
ポリエステル部は、多価アルコールと多塩基酸とを重縮合させることにより多価アルコール残基と多塩基酸残基とがエステル結合を介して互いに連結したポリエステルに由来する。ポリエステル部は、不飽和多塩基酸に由来する二重結合を含んでいてもよい。
架橋部は、ポリエステル部を架橋する部分である。架橋部は、例えば架橋剤に由来する部分であるが、特に限定されない。架橋部は、1個の架橋剤に由来する部分であってもよく、複数の架橋剤が重合したオリゴマーまたはポリマーに由来する部分であってもよい。また、架橋部とポリエステル部の結合位置および結合様式も特に限定されない。
したがって、「ポリエステル部とその架橋部を含む熱硬化性樹脂」とは、多価アルコールと多塩基酸から得られるポリエステルが架橋部を介して架橋された網状の熱硬化性樹脂(網状ポリエステル樹脂)である。
上記熱硬化性樹脂は、主として加熱等により硬化(架橋)された樹脂であるが、加熱等により硬化(架橋)が進行する未硬化の樹脂または部分的に硬化された樹脂であってもよい。
本発明において分解の対象となる熱硬化性樹脂としては、多価アルコールと不飽和多塩基酸からなる不飽和ポリエステルが架橋剤により架橋された網状ポリエステル樹脂が挙げられる。
ポリエステル部の原料である多価アルコールの具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類等が挙げられる。これらは1種単独で、あるいは2種以上を併用して用いることができる。
ポリエステル部の原料である多塩基酸の具体例としては、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族不飽和二塩基酸等の不飽和多塩基酸が挙げられる。これらは1種単独で、あるいは2種以上を併用して用いることができる。また、無水フタル酸等の飽和多塩基酸を不飽和多塩基酸と併用してもよい。
多価アルコールと多塩基酸の共重合体であるポリエステルを架橋する架橋剤は、不飽和の疎水性ビニルモノマーである。具体例としては、スチレンやメタクリル酸メチル、モノクロロスチレン、ジアリルフタレート、トリアリルフタレート等が挙げられる。
また、本発明において分解の対象となる熱硬化性樹脂には、炭酸カルシウムや水酸化アルミニウム等の無機充填材、ロービングを切断したチョップドストランド等のガラス繊維等の無機物、その他の成分が含有されていてもよい。
本発明における多塩基酸ビニルモノマー共重合体は、反応溶媒としての水を上記熱硬化性樹脂に加え、温度と圧力を上昇させて亜臨界状態にした水(以下、亜臨界水ともいう)で分解して得られる。反応溶媒の添加量は、熱硬化性樹脂100質量部に対して好ましくは200〜500質量部の範囲である。
本発明において「亜臨界水」とは、水の温度が水の臨界温度(374.4℃)以下であって、且つ、140℃以上であり、その時の圧力が0.36MPa(140℃の飽和蒸気圧)以上の範囲にある状態の水をいう。この場合、イオン積が常温常圧の水の約100〜1000倍になる。また、亜臨界水の誘電率は有機溶媒並みに下がることから、亜臨界水の熱硬化性樹脂表面に対する濡れ性が向上する。これらの効果によって加水分解が促進され、熱硬化性樹脂をモノマー化および/またはオリゴマー化することができる。
亜臨界水による熱硬化性樹脂の分解処理は、一般的に熱分解反応および加水分解反応によって起こるものであり、亜臨界水の温度や圧力を適切な条件とすることにより、選択的に加水分解反応が起こり、熱硬化性樹脂のポリエステル部がその由来の原料であるモノマー(多価アルコールと多塩基酸)に分解されるとともに、ポリエステル部とその架橋部を構成する部分が有機酸(すなわち多塩基酸)の化合物であるスチレンフマル酸共重合体(SFC)、スチレンマレイン酸共重合体等の多塩基酸ビニルモノマー共重合体に分解される。なお、熱硬化性樹脂のポリエステル部とその架橋部を構成する有機酸(すなわち多塩基酸)の化合物とは、ポリエステル部の多塩基酸と架橋部との化合物(反応物)である。例えば、ポリエステル部がフマル酸残基(またはマレイン酸残基)を有し、架橋部がスチレンポリマーである場合、上記化合物として次式で示されるスチレンフマル酸共重合体(SFC)が得られる。なお、次式で示されるスチレンフマル酸共重合体(SFC)は、熱硬化性樹脂のポリエステル部がフマル酸由来であっても、マレイン酸由来であっても、同じ構造式を有する。
Figure 2010123093
式中のmはビニルモノマー基/多塩基酸のモル比、nは多塩基酸ビニルモノマー共重合体の重合度であり、m=1〜10、n=3〜300の値をとるものである。
したがって、本発明においても、上記の熱硬化性樹脂を亜臨界水に接触させて処理することにより、多価アルコールと多塩基酸および多塩基酸ビニルモノマー共重合体に分解することができる。分解して得られた多価アルコールと多塩基酸は、回収して熱硬化性樹脂の製造原料として再利用することができる。
本発明において、分解反応時における亜臨界水の温度は、熱硬化性樹脂の熱分解温度未満であり、好ましくは180〜300℃の範囲であり、より好ましくは180〜270℃の範囲である。分解反応時の温度が180℃未満であると、分解処理に多大な時間を要するため処理コストが高くなる場合があり、さらに多塩基酸ビニルモノマー共重合体の収率が低くなる傾向がある。分解反応時の温度が300℃を超えると、多塩基酸ビニルモノマー共重合体の熱分解が著しくなり、多塩基酸ビニルモノマー共重合体が低分子化されて多塩基酸の誘導体やビニルモノマーにまで分解されて多塩基酸ビニルモノマー共重合体として回収することが困難になる傾向がある。亜臨界水による処理時間は、反応温度等の条件によって異なるが、通常は1〜8時間である。分解反応時における圧力は、反応温度等の条件によって異なるが、好ましくは2〜15MPaの範囲である。
亜臨界水による熱硬化性樹脂の分解処理においては、亜臨界水に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の1価水酸基をもつアルカリ金属化合物を共存させている。このような1価水酸基をもつアルカリ金属化合物を用いて熱硬化性樹脂を亜臨界水分解して得られる多塩基酸ビニルモノマー共重合体は、多塩基酸部のカルボン酸の末端部分がアニオン性の塩、例えば、多塩基酸部のカルボキシル基がカルボキシレートアニオンとしてナトリウムやカリウム等のアルカリ金属が結合した状態(COONaやCOO)のカルボン酸ナトリウム塩やカルボン酸カリウム塩等となり、水溶性塩(すなわち、多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩)である。このため亜臨界水分解後は、分解反応により生成したポリエステル由来のモノマー(多価アルコールと多塩基酸)と多塩基酸ビニルモノマー共重合体は水可溶成分として分解液(水溶液)中で回収され、未分解の熱硬化性樹脂は固形分として分解液と分離して回収される。熱硬化性樹脂に無機物等を含む場合には、無機物等は未分解の熱硬化性樹脂とともに固形分として回収される。したがって、ろ過等の方法で固液分離することで、多塩基酸ビニルモノマー共重合体を含む水溶液を分離ろ液として回収することができる。1価水酸基をもつアルカリ金属化合物の添加量は、多塩基酸ビニルモノマー共重合体が水溶性塩として分解液中に溶解している状態となるような量であれば、特に限定されるものではない。例えば、熱硬化性樹脂を分解して得られる多塩基酸ビニルモノマー共重合体に含まれる多塩基酸の理論モル数に対して、2モル当量以上10モル当量以下であることが考慮される。
このように、固液分解後の分解液(分離ろ液)中には多塩基酸ビニルモノマー共重合体が溶解しているので、本発明ではこれを固体として分離ろ液中から分離して回収することとしている。具体的には、多塩基酸ビニルモノマー共重合体が溶解している分離ろ液に水溶性の分離析出物質を混入することにより、多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩を析出させ、固液分離して分離ろ液中から固体の多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩を回収する。ここで、分離析出物質とは、(1)多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩よりも水溶性が高く、かつ、亜臨界水分解で用いた1価水酸基をもつアルカリ金属化合物を構成するアルカリ金属と同じアルカリ金属を含有する化合物、または、(2)水に混和し、かつ、多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩が不溶な有機溶媒である。(1)の化合物は、例えば、アルカリ金属の水酸化物、塩化物、硫酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩等であり、亜臨界水分解時に水酸化ナトリウムを用いた場合には、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、フマル酸二ナトリウム、マレイン酸二ナトリウム等を例示することができる。(2)の有機溶媒は、メタノール、エタノール、アセトン、ピリジン、ジイソプロピルアミン等を例示することができる。分離析出物質は、これらに限定されるものではない。
(1)の化合物の添加量は、多塩基酸ビニルモノマー共重合体が溶解している分離ろ液に対して、60重量%以下、中でも10重量%以下とすることが好ましい。60重量%を超えて添加した場合には、分離析出物質が析出するので好ましくない。(2)の有機溶媒の添加量は、多塩基酸ビニルモノマー共重合体が溶解している分離ろ液に対して、5重量%以上、より好ましくは10重量%以上とすることが考慮される。5重量%未満では多塩基酸ビニルモノマー共重合体が析出しない場合があるため好ましくない。上限値は特に設定されないが、30重量%を超えて添加しても多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩の析出量はほとんど変化しないことから、30重量%以下とすることが考慮される。本発明では、分離析出物質の添加量を変えることにより、析出させる多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩の分子量を変化させることができる。これにより、分子量が異なる多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩の生成が可能になり、多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩の再利用の適用範囲が広がる。
上記分離析出物質を分離ろ液に添加することにより、多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩が固体として析出するのは、次の理由によるものと考えられる。すなわち、(1)の化合物を用いる場合において、例えば、亜臨界水分解時に水酸化ナトリウムを使用したときの分解液中のスチレンフマル酸共重合体(SFC)は下記式のような平衡関係があると想定される。
Figure 2010123093
このような平衡状態において、亜臨界水分解時に用いた水酸化ナトリウムを構成するアルカリ金属と同じナトリウムイオンが添加されるとナトリウムイオンが減少する方向(右辺)に平衡は移動し、スチレンフマル酸共重合体(SFC)は結晶となり沈殿しやすくなると考えられる。また、(2)の有機溶媒を用いた場合には、多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩に比べ水に対する親和性が高い有機溶媒によって多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩のまわりの水分子がとられると同時に、多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩は有機溶媒に溶解しないため、多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩が析出すると考えられる。
以上の原理から、分離析出物質を添加すると、より水溶性の低い、つまり、より分子量が大きく、疎水性部分の多い多塩基酸ビニルモノマー共重合体から析出してくる。これにより、分離ろ液から回収した多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩は、分子量の大きさや疎水性部分の多さを利用したコーティング剤、サイズ剤(特に、紙用サイズ剤)等、として再利用することができる。一方、分離ろ液から、析出した多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩を除去した水相(溶液または上澄み液)には、熱硬化性樹脂の亜臨界水分解時に使用したアルカリ(1価水酸基をもつアルカリ金属化合物)が残存しているため、この水相は再度、熱硬化性樹脂の亜臨界水分解に使用することができ、また、この水相にはアルカリ以外に、原料として使用した熱硬化性樹脂のポリエステル部由来のモノマー(すなわち、多価アルコールと多塩基酸)およびその誘導体、あるいは、熱硬化性樹脂の架橋部由来の多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩が残存しているため、洗剤ビルダー、分散剤、キレート剤等としても再利用することができる。
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
まず、熱硬化性樹脂の硬化物として、多価アルコールであるグリコール類のプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジプロピレングリコールと不飽和多塩基酸である無水マレイン酸をグリコール類と当量配合したワニスに対し、架橋剤としてスチレンを当量配合した熱硬化性樹脂100重量部に炭酸カルシウム165重量部とガラス繊維90重量部を配合した硬化物を用意する。さらに計量しやすいようにあらかじめ2mmアンダー程度に粉砕しておく。
実施例1では、硬化物4gに対し、0.8NのNaOH水溶液16mlを溶媒として、これらを反応管に仕込み、230℃(2.8MPa)の恒温槽に浸漬し、反応管内で純水の亜臨界状態にして2時間浸漬したまま放置し、熱硬化性樹脂硬化物の分解処理を行った。この後、反応管を恒温槽から取り出して冷却槽に浸漬し、反応管を急冷して室温まで戻した。
上記分解処理後の反応管の内容物は、スチレンマレイン酸共重合体塩を含んだ水溶性樹脂と、ガラス繊維や無機フィラーである炭酸カルシウムであり、この内容物を濾過することにより固形分と分離して反応管から水溶液を回収した。
上記スチレンマレイン酸共重合体塩を含む水溶液に分離析出物質として水酸化ナトリウムを表1に示す割合で添加した。ここでの添加量は、固液分離後の水溶液(分離ろ液)に対する重量%であり、下記式で示される。
添加量[重量%]=(分離析出物質[g]/分離ろ液[g]) ×100
次に、析出した固体のスチレンマレイン酸共重合体塩を遠心分離により沈殿させ、固液分離をし、乾燥させて回収量を定量した。さらに、回収量をスチレンマレイン酸共重合体塩含有水溶液(分離ろ液)中の全スチレンマレイン酸共重合体塩量と比較し、下式によりスチレンマレイン酸共重合体塩回収率を求めた。
スチレンマレイン酸共重合体塩回収率(%)=〔分離析出物質で回収したスチレンマレイン酸共重合体塩量〕/〔全スチレンマレイン酸共重合体塩量〕 ×100
なお、スチレンマレイン酸共重合体塩含有水溶液(分離ろ液)中の全スチレンマレイン酸共重合体塩量は、水溶液(分離ろ液)にpH2.5まで強酸を添加し、析出した固体をガラスフィルターで濾過・乾燥し、定量して求めた。スチレンマレイン酸共重合体塩に換算すると0.62gであった。
(実施例2)
分離析出物質を塩化ナトリウムとした以外は、実施例1と同操作を行い、同様に添加量に対する回収率を求めた。
(実施例3)
分離析出物質をメタノールとし、添加量を表2に示す割合にした以外は、実施例1と同操作を行い、同様に添加量に対する回収率を求めた。
(実施例4)
分離析出物質をアセトンとし、添加量を表2に示す割合にした以外は、実施例1と同操作を行い、同様に添加量に対する回収率を求めた。
また、表3に示す20、40、100重量%の割合でアセトンを添加したときの析出物の分子量と分解液の分子量をGPCで測定した。その結果を表3に示す。
(実施例5)
分離析出物質をアセトンとし、添加量を20重量%とした以外は、実施例1と同操作を行い、析出物を得た。この析出物にpH2.5まで強酸を添加し、カルボン酸塩(COONa)をカルボン酸(COOH)へと改質し、0.44gの固形分を得、さらにこの固体を1%アンモニア水10.5g中に攪拌しながら溶解させた。その後、加熱して過剰なアンモニアを揮発させてから、加水して11gとし、スチレンマレイン酸共重合体アンモニウム塩4%の水溶液を調整した。この調整水溶液の紙用サイズ剤としての性能を評価するために、下記に示す方法によりステキヒトサイズ度を調査した(評価1)。また、1%アンモニア水溶解前の固形分のスチレン/マレイン酸比(モル)は2.4であった。
(実施例6)
分離析出物質をアセトンとし、添加量を20重量%とした以外は、実施例1と同操作を行い、析出したスチレンマレイン酸共重合体塩を除去した後アセトンを揮発させて上澄み液を得た。この上澄み液中には0.12gのスチレンマレイン酸共重合体塩が溶解しており、このスチレンマレイン酸共重合体塩の重量平均分子量は3.4×10、スチレン/マレイン酸比(モル)は1.5であった。また、スチレンマレイン酸共重合体塩以外に、ポリエステル部由来のモノマーやその誘導体であるグリコール類、酢酸塩やりんご酸塩などの低分子量有機カルボン酸塩を含有している。この上澄み液を試験液とし洗剤ビルダーとしての性能を評価するために下記に示す方法によりCaイオン捕捉能とアルカリ緩衝能を調査した(評価2)。調査結果を表5に示す。
(比較例1)
分離析出物質を水酸化カリウムとした以外は、実施例1と同操作を行い、同様に添加量に対する回収率を求めた。
(比較例2)
上記スチレンマレイン酸共重合体塩含有水溶液(分離ろ液)に1−ペンタノールを表2に示す割合で添加した。その後、実施例1と同操作を行い、同様に添加量に対する回収率を求めた。
(比較例3)
分離ろ液にpH2.5まで強酸を添加し、カルボン酸塩(COONa)をカルボン酸(COOH)へと改質し0.55gの固形分を得、さらにこの固体を1%アンモニア水13.2g中に攪拌しながら溶解させた。その後、加熱して過剰なアンモニアを揮発させてから、加水して13.75gとし、スチレンマレイン酸共重合体アンモニウム塩4%の水溶液を調整した。この調整水溶液の紙用サイズ剤としての性能を評価するために、下記に示す方法によりステキヒトサイズ度を調査した(評価1)。また、1%アンモニア水溶解前の固形分のスチレン/マレイン酸比(モル)は2.2であった。
(比較例4)
実施例6と同様に下記に示す方法により分離ろ液を試験液とし、Caイオン捕捉能およびアルカリ緩衝能を調査した(評価2)。分離ろ液中のスチレンマレイン酸共重合体塩の分子量は表5に示す。また、分離ろ液中のスチレンマレイン酸共重合体塩のスチレン/マレイン酸比(モル)は2.2であった。調査結果を表5に示す。
(評価1)紙用サイズ剤(ステキヒトサイズ度)
実施例5および比較例3で調整した各スチレンマレイン酸共重合体アンモニウム塩水溶液をそれぞれろ紙(5C)に両面塗工した後乾燥し、試験紙とした。塗工量は1.5〜2.0×10−4mg/mmになるように調整した。それぞれ試験紙を箱型に折り、2%チオシアン酸アンモニウム水溶液に浮かべると同時に、試験紙上に1%塩化鉄(II)水溶液を3滴滴下し、紙の上下の水溶液が紙面で反応して赤変するまでの時間を計測した。評価結果を表4に示す。
(評価2)洗剤ビルダー
(1)Caイオン捕捉能
実施例6および比較例4の試験液を各々0.05%に調整し、50ml準備し、10%の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ溶液を0.25ml加え、さらに0.1NのHClを添加してpHを10に調整した。次いで、それぞれ調整した水溶液を攪拌しながら1%酢酸カルシウム水溶液を滴下し、白濁した点を終点として、以下の式により、Caイオン捕捉能を求めた。
Caイオン捕捉能(CaCOmg/g)=(滴定量)×5.68/0.25
(2)アルカリ緩衝能
実施例6および比較例4の試験液を2%に調整し、純水を50ml準備し、0.1NのHClを添加してpHを10に調整した。次いで、調整した水溶液を攪拌しながら0.1NのHClを滴下し、pHが8になる点を終点として、滴定量をアルカリ緩衝能とした。
(評価結果)
評価結果を表1〜5に示す。
Figure 2010123093
Figure 2010123093
Figure 2010123093
Figure 2010123093
Figure 2010123093
表1より、実施例1および実施例2のスチレンマレイン酸共重合体塩回収率は、比較例1よりも高効率で回収することが示された。つまり、スチレンマレイン酸共重合体塩はナトリウムを含んでおり、これを析出させる物質としてはカリウム化合物よりもナトリウム化合物の方が有利であることが確認できた。
表2より、実施例3および実施例4のスチレンマレイン酸共重合体塩回収率は、比較例2よりも高効率で回収することが示された。水溶性のスチレンマレイン酸共重合体塩を析出させるためには水に混和し、かつスチレンマレイン酸共重合体塩が不溶な有機溶媒を用いることが有利であることが確認できた。
実施例4において、析出したスチレンマレイン酸共重合体塩の分子量を測定した結果と分解液(スチレンマレイン酸共重合体塩を含む水溶液)の分子量を測定した結果を表3に示す。
表3より、分離析出物質の添加量が少ないほど重量平均(Mw)分子量は大きくなることが確認された。分離析出物質の添加によって多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩のまわりの水分が減っていくと、水溶性が低いものほど早く沈殿する。分子量が大きいものほど溶けにくい性質があるため、分離析出物質の添加量が少ないときに析出したものは分子量が大きくなっている。
この結果から、分離析出物質の添加量を変えることにより、回収スチレンマレイン酸共重合体塩の分子量特性を変化させることができることがわかる。
一方、表4より、比較例3でもサイズ剤としての効果は確認できたが、実施例5は比較例3と塗工量が同じにも関わらず、ステキヒトサイズ度がより大きな値を示した。つまり、分離析出物質により析出したスチレンマレイン酸共重合体塩からサイズ剤を作製することが有利であることが確認できた。これは、比較例3の紙用サイズ剤のスチレンマレイン酸共重合体塩に比べ、実施例5のスチレンマレイン酸共重合体塩は水溶性が低い、つまり親水部分が少なく、紙への定着性が優れ、また撥水性が向上すると考えられる。
また、表5より、実施例6は比較例4と比較し、カルシウム捕促量およびアルカリ緩衝能ともに良好な値を示し、分離析出物質により析出したスチレンマレイン酸共重合体塩を除去した水溶液(23% スチレンマレイン酸共重合体塩残存)を用いると有利であることが確認できた。これは、分離ろ液と比較して、この水溶液中に残存しているスチレンマレイン酸共重合体塩のスチレン/マレイン酸比(モル)が小さく、また多くの低分子量有機カルボン酸塩を含有しており、そのためにこの水溶液中にカルボン酸部分が多く含まれ、有利に機能していると考えられる。

Claims (15)

  1. ポリエステル部とその架橋部を含む熱硬化性樹脂を1価水酸基をもつアルカリ金属化合物を含有する亜臨界水で分解し、得られた前記熱硬化性樹脂のポリエステル部とその架橋部を構成する多塩基酸の化合物である多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩が溶解している分解液に水溶性の分離析出物質を添加して多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩を析出させ、この多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩を固体として回収する熱硬化性樹脂の分解・回収方法であって、
    前記分離析出物質が、多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩よりも水溶性が高く、かつ、前記アルカリ金属化合物を構成するアルカリ金属と同じアルカリ金属を含有する化合物、または、水に混和し、かつ、多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩が不溶な有機溶媒であることを特徴とする、熱硬化性樹脂の分解・回収方法。
  2. 分離析出物質の添加量を変えることによって、分子量が異なる多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩を析出させることを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性樹脂の分解・回収方法。
  3. 分離析出物質の添加によって析出した固体の多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩をコーティング剤として回収することを特徴とする、請求項1または2に記載の熱硬化性樹脂の分解・回収方法。
  4. 分離析出物質の添加によって析出した固体の多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩をサイズ剤として回収することを特徴とする、請求項1または2に記載の熱硬化性樹脂の分解・回収方法。
  5. 分離析出物質の添加によって析出した固体の多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩を紙用サイズ剤として回収することを特徴とする、請求項1または2に記載の熱硬化性樹脂の分解・回収方法。
  6. 分離析出物質の添加によって析出した固体の多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩を除去した溶液を洗剤ビルダーとして回収することを特徴とする、請求項1または2に記載の熱硬化性樹脂の分解・回収方法。
  7. 前記洗剤ビルダーが、多価アルコールおよび多塩基酸からなる群から選択される熱硬化性樹脂のポリエステル部由来のモノマー、およびその誘導体、あるいは、熱硬化性樹脂の架橋部由来の多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩を含有することを特徴とする、請求項6に記載の熱硬化性樹脂の分解・回収方法。
  8. 分離析出物質の添加によって析出した固体の多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩を除去した溶液を、再度、熱硬化性樹脂の亜臨界水分解に使用することを特徴とする、請求項1に記載の熱硬化性樹脂の分解・回収方法。
  9. 請求項1または2に記載の方法によって回収した固体の多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩。
  10. 請求項1または2に記載の方法によって回収した固体の多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩のコーティング剤としての使用。
  11. 請求項1または2に記載の方法によって回収した固体の多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩のサイズ剤としての使用。
  12. 請求項1または2に記載の方法によって回収した固体の多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩の紙用サイズ剤としての使用。
  13. 請求項1または2に記載の方法において、分離析出物質の添加によって析出した固体の多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩を除去した溶液。
  14. 請求項1または2に記載の方法において、分離析出物質の添加によって析出した固体の多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩を除去した溶液の洗剤ビルダーとしての使用。
  15. 洗剤ビルダーが、多価アルコールおよび多塩基酸からなる群から選択される熱硬化性樹脂のポリエステル部由来のモノマー、およびその誘導体、あるいは、熱硬化性樹脂の架橋部由来の多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩を含有することを特徴とする、請求項14に記載の洗剤ビルダー。
JP2011510374A 2009-04-24 2010-04-23 熱硬化性樹脂の分解・回収方法 Ceased JPWO2010123093A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009106936 2009-04-24
JP2009106936 2009-04-24
PCT/JP2010/057224 WO2010123093A1 (ja) 2009-04-24 2010-04-23 熱硬化性樹脂の分解・回収方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2010123093A1 true JPWO2010123093A1 (ja) 2012-10-25

Family

ID=43011207

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011510374A Ceased JPWO2010123093A1 (ja) 2009-04-24 2010-04-23 熱硬化性樹脂の分解・回収方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2010123093A1 (ja)
WO (1) WO2010123093A1 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10237215A (ja) * 1997-02-28 1998-09-08 Toshiba Corp 樹脂廃棄物の分解処理方法および分解処理装置
JP2006008985A (ja) * 2004-05-26 2006-01-12 Matsushita Electric Works Ltd プラスチックの分解・分離方法
JP2006232942A (ja) * 2005-02-23 2006-09-07 Matsushita Electric Works Ltd プラスチックの分解方法
JP2007224081A (ja) * 2006-02-21 2007-09-06 Matsushita Electric Works Ltd スチレンマレイン酸共重合体の回収方法
JP2008291188A (ja) * 2007-05-28 2008-12-04 Panasonic Electric Works Co Ltd 熱硬化性樹脂の分解・回収方法
WO2009081974A1 (ja) * 2007-12-25 2009-07-02 Panasonic Electric Works Co., Ltd. 熱硬化性樹脂の分解および分解生成物の回収方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10237215A (ja) * 1997-02-28 1998-09-08 Toshiba Corp 樹脂廃棄物の分解処理方法および分解処理装置
JP2006008985A (ja) * 2004-05-26 2006-01-12 Matsushita Electric Works Ltd プラスチックの分解・分離方法
JP2006232942A (ja) * 2005-02-23 2006-09-07 Matsushita Electric Works Ltd プラスチックの分解方法
JP2007224081A (ja) * 2006-02-21 2007-09-06 Matsushita Electric Works Ltd スチレンマレイン酸共重合体の回収方法
JP2008291188A (ja) * 2007-05-28 2008-12-04 Panasonic Electric Works Co Ltd 熱硬化性樹脂の分解・回収方法
WO2009081974A1 (ja) * 2007-12-25 2009-07-02 Panasonic Electric Works Co., Ltd. 熱硬化性樹脂の分解および分解生成物の回収方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2010123093A1 (ja) 2010-10-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN111511980A (zh) 微细化疏水改性纤维素纤维的制造方法
JP4495628B2 (ja) プラスチックの分解・分離方法
JP5148617B2 (ja) 熱硬化性樹脂の分解および分解生成物の回収方法
JP4440337B2 (ja) 熱硬化性樹脂の分解および分解生成物の回収方法
JP4495629B2 (ja) プラスチックの分解・分離方法
WO2010123093A1 (ja) 熱硬化性樹脂の分解・回収方法
JP5519265B2 (ja) 洗剤ビルダー
JP4424358B2 (ja) 熱硬化性樹脂の低収縮剤用変性スチレン−フマル酸共重合体とその製造方法、並びに熱硬化性樹脂の回収・再利用方法
JP2008031412A (ja) 変性スチレン−フマル酸共重合体とそれを用いた低収縮材、並びに熱硬化性樹脂の回収・再利用方法および変性スチレン−フマル酸共重合体の製造方法
JP5508025B2 (ja) 熱硬化性樹脂の分解および分解生成物の回収方法
JP5406093B2 (ja) コーティング剤
JP5270871B2 (ja) プラスチック用低収縮材とそれを用いたプラスチック成形品、プラスチック用低収縮材の製造方法、並びにプラスチックの回収・再利用方法
JP2007224081A (ja) スチレンマレイン酸共重合体の回収方法
JP2011202102A (ja) 多塩基酸ビニルモノマー共重合体塩の分離方法
JP4547620B2 (ja) 架橋アリルアミン類重合体の製造方法
WO2010110434A1 (ja) 熱硬化性樹脂の分解・回収方法
CN105087931B (zh) 一种采用印迹材料对稀土母液进行除杂纯化的方法
JP4882543B2 (ja) 変性スチレン−フマル酸共重合体を用いた低収縮材
JP4720739B2 (ja) プラスチックからの水酸化アルミニウムの回収・再利用方法
JP5243464B2 (ja) プラスチックの分解・回収方法
JP2011206712A (ja) 乳化剤
JP2010144131A (ja) プラスチックの分解方法
JP4971124B2 (ja) 熱硬化性樹脂の分解・回収方法
JP2011111502A (ja) プラスチックの分解方法
JP5526402B2 (ja) 不飽和ポリエステル樹脂を含む成形品廃材を分解して不飽和ポリエステル樹脂を再合成するための再生原料を生産する方法とその不飽和ポリエステル樹脂を再合成する方法と不飽和ポリエステル樹脂の製造方法。

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140603

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140731

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140826

A045 Written measure of dismissal of application [lapsed due to lack of payment]

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A045

Effective date: 20141216