JP4720739B2 - プラスチックからの水酸化アルミニウムの回収・再利用方法 - Google Patents

プラスチックからの水酸化アルミニウムの回収・再利用方法 Download PDF

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Description

本発明は、プラスチックからの水酸化アルミニウムの回収・再利用方法に関する。
従来、熱硬化性樹脂を材料とするプラスチック廃棄物のほとんどは埋立処分されていた。しかしながら、埋立用地の確保が困難であること、埋立後の地盤の不安定化という問題があり、この熱硬化性樹脂を材料とするプラスチック廃棄物を再資源化することが望まれている。
これまで、例えば、アルカリを共存させた亜臨界水を用いて無機物を含む熱硬化性樹脂を分解し、再利用可能な無機物を得る方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、不飽和ポリエステル部とその架橋部からなるプラスチックを亜臨界水で処理して、プラスチックの原料モノマーである多価アルコールと有機酸、および架橋部と不飽和ポリエステル部を構成する有機酸の化合物である架橋部酸共重合体とに分解して、再利用しやすい性状で回収することができるプラスチックの分解・分離方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−336323号公報 特開2006−8984号公報
ところで、無機物として水酸化アルミニウムを含む熱硬化性樹脂を特許文献1の方法にて分解した場合、水酸化アルミニウムはアルカリを共存させた亜臨界水に一部溶解してしまう。溶解した水酸化アルミニウムは、分解処理によって生成した熱硬化性樹脂由来の低〜中分子化合物と混合した状態として回収されるため、再利用することができなかった。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、水酸化アルミニウムを含有するプラスチックから水酸化アルミニウムを回収し、再利用することができるプラスチックからの水酸化アルミニウムの回収・再利用方法を提供することを課題としている。
本発明のプラスチックからの水酸化アルミニウムの回収・再利用方法は、上記の課題を解決するために、以下のことを特徴としている。
第1に、無機物として水酸化アルミニウムを含有し不飽和ポリエステル部とその架橋部からなるプラスチックを、アルカリを共存させた亜臨界水で処理してこれを固液分離した後、固液分離した分離液に酸を供給し水酸化アルミニウムを析出させてこの水酸化アルミニウムを回収することを特徴とする。
第2に、上記第1の発明において、水酸化アルミニウムを回収した後の分離液に疎水性の溶媒と酸を供給して、プラスチックの架橋部と不飽和ポリエステル部を構成する有機酸の化合物である架橋部酸共重合体を固形分として析出させて固形分と液相とに分離するとともに、回収した水酸化アルミニウムを前記液相に加え、さらにアルカリを共存させて液相中の有機物を凝集させることを特徴とする。
第3に、上記第2の発明において、水酸化アルミニウムを回収した後の分離液のpHが4以下になるように酸を供給するとともに、液相のpHが6〜8になるようにアルカリを共存させることを特徴とする。
第4に、上記第2または第3の発明において、分離した液相から水を除去してプラスチックの不飽和ポリエステル部由来の多価アルコールと有機酸とを回収した後、回収した水酸化アルミニウムを前記液相に加えることを特徴とする。
上記第1の発明によれば、水酸化アルミニウムを含有するプラスチックから水酸化アルミニウムを再利用可能な状態で効果的に回収することができる。
上記第2の発明によれば、回収した水酸化アルミニウムを使用して、プラスチックを分解処理した後の処理液の廃液処理を安価で行うことができる。
上記第3の発明によれば、上記の発明の効果に加え、水酸化アルミニウムをさらに効率よく回収することができる。
上記第4の発明によれば、プラスチックの原料モノマーである多価アルコールと有機酸を再利用しやすい性状で回収することができる。
本発明は、無機物として水酸化アルミニウムを含有し不飽和ポリエステル部とその架橋部からなるプラスチックを、アルカリを共存させた亜臨界水で処理するものである。ここで、不飽和ポリエステル部とその架橋部からなるプラスチックとは、多価アルコールと不飽和多塩基酸からなる不飽和アルキド樹脂が架橋剤により架橋された網状熱硬化性樹脂(網状不飽和ポリエステル樹脂)である。
上記の多価アルコールとしてはエチレングリコールやプロピレングリコール、ジエチレングリコールやジプロピレングリコール等のグリコール類を例示することができるが、これらに限定されるものではない。また、上記の不飽和多塩基酸としては無水マレイン酸やマレイン酸、フマル酸、フタル酸等の脂肪族不飽和二塩基酸を例示することができるが、これに限定されるものではない。さらに、上記の架橋剤としてはスチレンやメタクリル酸メチル等の重合性ビニルモノマーを例示することができるが、これに限定されるものではない。なお、上記不飽和アルキド樹脂を生成するにあたっては、有機酸として無水フタル酸等の飽和多塩基酸を不飽和多塩基酸と併用してもよい。
本発明では、アルカリを共存させた水を亜臨界状態で用いている(なお、亜臨界状態で用いる水のことを亜臨界水ともいう)が、アルカリとしては水酸化カリウムや水酸化ナトリウム等の金属水酸化物や炭酸カルシウム等の金属塩を挙げることができ、このアルカリを水に配合したものを用いることができる。アルカリの配合量は、亜臨界分解するプラスチック100質量部に対して10〜100質量部とすることが好ましい。アルカリの配合量が10質量部未満では、プラスチックの分解を促進することが困難となり、亜臨界分解の短時間化を図ることができなくなるおそれがある。アルカリの配合量が100質量部を超えると、プラスチックの分解の促進効果を大きく向上させることができず、コスト高になるだけである。
そして、上記プラスチックに上記アルカリを共存させた水を加えて、温度および圧力を上昇させて水を臨界点(臨界温度374.4℃、臨界圧力22.1MPa)以下の亜臨界状態にしてプラスチックを分解処理することにより、不飽和ポリエステル部をその由来の原料モノマーである多価アルコールと有機酸(不飽和多塩基酸)とに分解するととともに、架橋部と不飽和ポリエステル部を構成する部分を有機酸の化合物であるスチレンフマレート(スチレン−フマル酸樹脂)等の架橋部酸共重合体に分解するものである。なお、架橋部と不飽和ポリエステル部を構成する有機酸の化合物とは、架橋剤と不飽和ポリエステル部の不飽和多塩基酸との化合物(反応物)である。
このようなプラスチックを亜臨界水で分解処理するにあたっては、アルカリを共存させた水を亜臨界状態となる温度・圧力に維持しながら、この亜臨界状態の水とプラスチックとを接触させてプラスチックをエステル交換反応させて加水分解することによって行うことができる。
一般に多価アルコールおよび有機酸を含む原材料より製造されたプラスチックの分解は、加水分解反応によって処理する場合、100℃付近の低温では熱可塑性のプラスチックにおいても数十時間の長時間反応となり、熱硬化性のプラスチックにおいては分解することはできない。また高温、高圧下での反応においては、装置の腐食や熱分解、分解生成物の2次分解が起こり樹脂原料を元のままでかつ高回収率で分解・分離することは困難である。そこで、本発明におけるアルカリを共存させた亜臨界水を用いて熱硬化性樹脂のプラスチックを分解処理する温度は、280℃未満で、亜臨界状態での圧力は7MPa以下であることが好ましい。
さらに、本発明において、分解反応の温度(亜臨界水の温度)としては、プラスチックが加水分解されるが熱分解する温度未満であって、しかも、架橋部および不飽和ポリエステル部が熱分解する温度未満であるのが好ましい。具体的には、180〜250℃の範囲に設定するのが好ましい。分解反応時の温度が180℃未満であると、分解処理に多大な時間がかかり、処理コストが高くなるおそれがあり、また、分解反応時の温度が250℃を超えると、熱分解の影響が大きくなり、不飽和ポリエステル部とその架橋部が分解されて、架橋部と不飽和ポリエステル部を構成する酸の化合物を回収することが困難になるおそれがある。なお、架橋剤としてスチレンを用いている場合は、スチレンの熱分解を防止するために約230℃以下の温度で亜臨界分解を行うのが好ましい。また、分解反応の時間は、反応温度等の条件によって異なるが、熱分解の影響が生じない温度以下では1〜4時間程度が好ましい。この反応時間は短い方が処理コストが少なくなるので、より短い方が好ましい。また、分解反応(亜臨界水での処理時)の圧力については、特に限定されるものではないが、例えば1.0〜4.0MPaの範囲が考慮される。
そして、このようにプラスチックを亜臨界水で分解処理すると、スチレンフマレート塩(スチレン−フマル酸樹脂塩)等の架橋部酸共重合体塩と、プラスチックの原料モノマーであるグリコール類等の多価アルコールと、同じくプラスチックの原料モノマーであるマレイン酸やフマル酸等の有機酸の塩を含有するとともに、無機充填剤である水酸化アルミニウムがテトラヒドロキソアルミン酸イオン[Al(OH)として溶解した水溶液を得ることができる。架橋部酸共重合体塩はスチレン骨格とフマル酸骨格とを有し、カルボキシル基にカリウムやナトリウム等のアルカリ金属が結合した状態(COOやCOONa)のカリウム塩やナトリウム塩等のアルカリ金属塩であり、水溶性を示すものである。マレイン酸やフマル酸等の有機酸の塩もカリウム塩やナトリウム塩等のアルカリ金属塩である。また、無機充填剤としての水酸化アルミニウムがアルカリ条件下でテトラヒドロキソアルミン酸イオンとして溶解するのは一部であり、アルカリ条件下で脱水してアルカリには溶解しないベーマイト(AlO(OH))になるものや分解処理においても水酸化アルミニウムが未溶解のままのものがあり、これらは固形分として残る。なお、水酸化アルミニウムは両性水酸化物であるため、塩基にも酸にも溶解する。反応式は以下のとおりである。
Al(OH) + 3HCl → AlCl + 3H
Al(OH) + NaOH → Na[Al(OH)
上記水溶液と固形分(未溶解の網状熱硬化性樹脂も含む)は、濾過等により固液分離される。
本発明は、固液分離した上記水溶液(分離液ともいう)に酸を供給し、溶解した水酸化アルミニウムを析出させてこの水酸化アルミニウムを回収するものである。
上記の酸としては、塩酸や硫酸等の無機の強酸を例示することができるが、これに限定されるものではない。また、後の工程で中和する必要がある場合は、中和による副生成物である塩が処理し易い物を選択すればよい。また、ここでは、水酸化アルミニウムを析出させるために、分離液に酸を供給して分離液の液性を調整する。具体的には、分離液のpHが6〜10、好ましくは6〜8の範囲になるようにし、液性を中性にすることが好ましい。pHが5以下になると再びアルミニウムイオン(Al3+)として溶解するからである。
析出した水酸化アルミニウムの回収は、沈殿分離法(液中の固形分を自重により沈殿させて分離する方法)により行うことが好ましい。
本発明は、さらに水酸化アルミニウムを回収した後の分離液に疎水性の溶媒と酸を供給する。これによって、架橋部酸共重合体の固形分と液相(水相と溶媒相)とに分離するものである。なお、ここで用いる酸としては、上述した水酸化アルミニウムを析出させるために供給した酸と同様のものが挙げられる。
疎水性の溶媒としては、酢酸エステル類、ケトン類、アルコール類、エーテル類から選ばれた一種を単独で用いたり複数を併用したりすることができる。
酢酸エステル類としては、酢酸イソブチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ペンチル等から選ばれる少なくとも一種を用いることができるが、これらの中でも、特に、酢酸イソブチルは脱水性能が高く工業的にも広く用いられており好ましい。
また、ケトン類としては、メチルイソブチルケトン、メチルn−プロピルケトン、メチルn−ブチルケトン、メチルn−アミルケトン、エチルn−ブチルケトン、ジn−プロピルケトン等から選ばれる少なくとも一種を用いることができるが、これらの中でも、特に、メチルイソブチルケトンは脱水性能が高く工業的にも広く用いられており好ましい。
また、アルコール類としては、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、2−エチルヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、イソペンチルアルコール、3,5,5−トリメチルヘキサノール等から選ばれる少なくとも一種を用いることができるが、これらの中でも、特に、炭素数5〜10(C5〜C10)のアルコール類であるn−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、3,5,5−トリメチルヘキサノールは脱水性能が高く価格も安価で好ましい。
また、エーテル類としては、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル等から選ばれる少なくとも一種を用いることができるが、これらの中でも、特に、ジイソプロピルエーテルは脱水性能が高く工業的にも広く用いられており好ましい。
さらに、本発明で用いる疎水性の溶媒は、常温常圧で水に対する溶解度が0.1〜5wt%であることが好ましい。溶解度が0.1wt%未満の溶媒を使用すると架橋部酸共重合体の脱水が起こりにくくなり、溶媒を加えない場合と同様に分離操作が不能となる。また、5wt%を超える溶媒を使用すると、溶解度程度の使用量では脱水能がほとんど無く架橋部酸共重合体を分離することは困難となる場合がある。
また、本発明で使用する疎水性の溶媒について、その脱水能は上記分離液の水相中に溶解している架橋部酸共重合体の量に依存する。この架橋部酸共重合体の量は、分解時の固形分濃度と分解率によって決定されるが、分解率がほぼ100wt%の場合は固形分濃度に依存し、通常、分離液中に溶解している架橋部酸共重合体の量は1〜10wt%程度となる。この領域では、疎水性の溶媒による脱水能は、その溶媒の溶解度付近で最も効果を発揮する。従って、疎水性の溶媒の添加量が少ない場合は脱水能が低下する恐れがあり、逆に、疎水性の溶媒の添加量が多い場合は架橋部酸共重合体が粘着性の高いガム状の物質となり回収する際に操作が困難になるおそれがある。このため、疎水性の溶媒の供給量は、各溶媒の溶解度の0.5倍量以上であることが考慮される。
酸の供給は、分離液の水相部分のpHが4以下になるように配合するのが好ましい。水相部分のpHが4を超える場合は架橋部酸共重合体の固形分が完全に析出せず分離が困難となるおそれがある。本発明において、分離液の水相のpHが小さいほど架橋部酸共重合体の固形分が析出しやすいので、pHの下限は特に設定されず、0である。
そして、上記のように、疎水性の溶媒と酸を供給すると、使用する疎水性の溶媒の種類等に応じて、架橋部酸共重合体の固形分が沈殿したり、溶媒相と水相との間に固相として浮いたりして、架橋部酸共重合体の固形分と液相とを分離することができる。
ここで、本発明では架橋部酸共重合体の固形分と液相との分離は沈殿分離法により行うのが好ましく、例えば濾過膜を用いて濾過して分離する方法に比べて、架橋部酸共重合体が濾材を目詰まりさせて濾過不能になったり、濾材との分離ができなくなるようなおそれがなく、簡易に回収することができる。回収した固形分を水やエーテルで洗浄することによって、架橋部酸共重合体(薄茶褐色の固体)を得ることができる。
なお、以上の疎水性の溶媒の供給は、上述した水酸化アルミニウムを析出させるための酸の供給時に行ってもよい。
分離した上記液相は高濃度の有機溶媒であり、未利用の有機物や濾過できなかった微小な未溶解樹脂成分が残っている。これを廃液として処理する場合、環境負荷低減の観点から凝集剤等を用いて分離処理の後に生物処理を行う等の方法が考えられるが凝集剤コストが大きい。
本発明では、回収した水酸化アルミニウムを上記液相に加え、さらにアルカリを共存させることにより液相中の有機物を凝集させている。これにより、廃液処理を安価に行うことができる。
すなわち、上記液相に水酸化アルミニウムを加えると、次式
Al(OH) + 3H → Al3+ + 3H
によりアルミニウムイオン(Al3+)が生成し、さらにアルカリを加えると水酸化物イオン(OH)と反応して錯イオンを生成し、液相中のコロイド状の有機物を凝集する。なお、アルカリはpHが6〜8の範囲になるように加えることが好ましく、より効果的に凝集させることができる。凝集物を沈殿分離した後は活性汚泥等の生物処理を行うが、汚泥の負荷量が小さく滞留時間を小さくすることが可能であることから処理槽の容量を小さくすることができ、省資源で廃液処理を行うことができる。
本発明は、上記のように架橋部酸共重合体の固形分を分離した後の液相について廃液処理を行っているが、廃液処理の前にこの液相から水を除去することによってプラスチックの不飽和ポリエステル部由来の多価アルコールと有機酸とを回収してもよい。具体的には、液相から水相部分を分離し、この水相部分から水を除去した後、その残留物にメタノールやエタノール等のアルコールを加えることにより、アルコールに溶解したグリコール類等の多価アルコールおよびフマル酸等の有機酸と、固形のアルカリ金属塩(上記金属水酸化物や金属塩等)とに分離することができ、これにより、多価アルコールおよび有機酸を回収することができる。

Claims (4)

  1. 無機物として水酸化アルミニウムを含有し不飽和ポリエステル部とその架橋部からなるプラスチックを、アルカリを共存させた亜臨界水で処理してこれを固液分離した後、固液分離した分離液に酸を供給し水酸化アルミニウムを析出させてこの水酸化アルミニウムを回収することを特徴とするプラスチックからの水酸化アルミニウムの回収・再利用方法。
  2. 水酸化アルミニウムを回収した後の分離液に疎水性の溶媒と酸を供給して、プラスチックの架橋部と不飽和ポリエステル部を構成する有機酸の化合物である架橋部酸共重合体を固形分として析出させて固形分と液相とに分離するとともに、回収した水酸化アルミニウムを前記液相に加え、さらにアルカリを共存させて液相中の有機物を凝集させることを特徴とする請求項1に記載のプラスチックからの水酸化アルミニウムの回収・再利用方法。
  3. 水酸化アルミニウムを回収した後の分離液のpHが4以下になるように酸を供給するとともに、液相のpHが6〜8になるようにアルカリを共存させることを特徴とする請求項2に記載のプラスチックからの水酸化アルミニウムの回収・再利用方法。
  4. 分離した液相から水を除去してプラスチックの不飽和ポリエステル部由来の多価アルコールと有機酸とを回収した後、回収した水酸化アルミニウムを前記液相に加えることを特徴とする請求項2または3に記載のプラスチックからの水酸化アルミニウムの回収・再利用方法。
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