JP4706413B2 - 磁気式エンコーダ装置、その回転角度算出方法および位置検出方法 - Google Patents

磁気式エンコーダ装置、その回転角度算出方法および位置検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、産業用ロボット、NC工作機械等に用いられるモータの回転位置を検出する磁気式エンコーダ装置、及び回転角度算出方法に関する。
従来の磁気式エンコーダには、図13に示すようなものがある。(例えば、特許文献1参照)。図13はその構成を示す斜視図、図14は磁界検出素子4から出力される各相信号を処理する信号処理回路のブロック図である。また、図15は特許文献1には図示されていないが、角度演算を説明するためのフロー図である。図13において、1は回転体、2は回転体1の端部に固定された円板状の発磁体を構成する永久磁石で、永久磁石2の表面は回転体1に垂直な一方向に磁化されている。3は永久磁石2の外周側に設けられたリング状の固定体、4は回転体1の回転中心に対し同心円状にして設けられ、且つ、固定体3の周方向に互いに等間隔に配設された磁界検出素子であって、4個の磁界検出素子41、42、43、44から構成されている。このような各磁界検出素子は、永久磁石2の外周面に対して空隙を介して対向し、且つ、互いに機械角で90度位相をずらしてA1相検出素子41とB1相検出素子42を設け、さらにA1相検出素子41に対して機械角で180度位相をずらしてA2相検出素子 73を、B1相検出素子43に対して機械角で180度位相をずらしてB2相検出素子44を設けている。
次に、磁界検出素子4から出力される各相信号を処理する信号処理回路5について説明する。図14において、5は信号処理回路であって、Va1とVa2の差動信号Vaを出力する差動増幅器53と、Vb1とVb2の差動信号Vbを出力する差動増幅器 54と、差動信号VaとVbとから、
arctan(Va/Vb)・・・(1)
の演算を行って回転角度を演算する角度演算回路57とを設けている。
即ち、図15のフロー図に示すように、磁気式エンコーダ装置に電源が投入されると、信号処理回路5は各パラメータを初期値に設定する初期設定を行う。次に、ステップ601(S601)で磁界検出素子4の信号を取得する。
本実施例ではVa、及びVbの信号が入力される。S602で角度θを(1)式で導出して、S603で求めた、θを信号処理回路5に接続された上位機器(図示していない)に出力する。
このように、従来の装置は、永久磁石2が発する磁界を磁界検出素子により検出して信号処理回路により角度演算を行い、回転体1の1回転以内の回転位置を検出するのである。
しかし、以上のような特許文献1の磁気式エンコーダ装置では、磁界検出素子4の出力のオフセット(「不平衡出力」と同義語であり、本文では「オフセット」と表記する。)や感度が温度変動により変動していた。すなわち、永久磁石2の磁束密度や、磁界検出素子4の感度の温度による変動は、差動信号Va,Vbに同様の比率で発生するため、角度演算時の式(1)において相殺され、温度変動による回転角度の変動は極めて微小である。
しかしながら、磁界検出素子のオフセットの温度ドリフト量はばらつきがあるため、温度変動により回転角度の誤差が発生する。そこで、磁界検出素子を選別することによりオフセットの温度ドリフト量の低減を図っていたが、選別の工程が増えるなどの問題が本方式の適用範囲を狭めていた。
そこで、オフセットの温度ドリフト量を、あらかじめ測定し、温度を計測して補正することが特許文献2で提案されている。
本文献は適用分野は異なるのだが磁界検出素子であるホール素子のオフセットの温度ドリフト量を補正しようとする点で課題が共通である。
特許文献2では、あらかじめ複数のホール素子の周囲温度−オフセット電圧特性を測定し、ばらつきはあるものの数種の代表的な関係を計測しておき、実機に搭載されるホール素子のオフセット電圧を測定して前記周囲温度−オフセット電圧特性に当てはめて温度係数を求め、ホール素子近傍に設置した温度検出素子と温度係数を用いた温度補償回路を構成しホール素子の温度補正を行うこととしている。
特表WO99/13296 特開平7−20155号公報(第5頁、図4)
しかしながら、上記従来技術においては、特許文献1の場合は、オフセットの温度ドリフトが発生しても修正することができないため精度が劣化していた。また検出素子を事前に選別することも考えられるが、コストが上昇するため従来の磁気式エンコーダ装置の適用範囲を狭めるという問題があった。
また、常にオフセット値を修正することも考えられるが、実際には温度の変動は一般に時定数が大きく、更に本装置の使用中は、温度が上昇した後一定になることが多いので、オフセット値を逐次検出することはCPUの負担を大きくすることになる。従って、回路が大型化してコストが上がり、従来の磁気式エンコーダの適用範囲を狭めるという問題があった。
また、特許文献2の場合は、温度計測のため温度検出素子や温度補償回路を磁界検出素子近傍に配置することは、デバイス点数が多くなり高価になることや、大型化して、配線数が増えるなど好ましくない。
また、ホール素子の周囲温度−オフセット電圧特性は実際には線形のものだけではないことから、オフセット温度ドリフトを補正することは困難である。
これらのことから、従来の磁気式エンコーダ装置の適用範囲を狭めるという問題があった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、磁界検出素子を選別する必要が無く、CPUの負担を軽減して磁界検出素子のオフセット温度ドリフトを低減できて、コストを維持し精度を高くすることが可能であり、また、磁界検出素子近傍に温度計測のための温度検出素子を配置することなく温度検出を行い、オフセット値の温度ドリフトを補正することによって、高精度な位置検出が行える適用範囲の広い磁気式エンコーダ装置及びその回転角度算出方法を提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、第1に観点による発明は、回転体と垂直方向の一方向に磁化され、前記回転体に固定された永久磁石、前記永久磁石2に空隙を介して対向し、固定体に取り付けられた少なくとも2つの磁界検出素子と、前記磁界検出素子を定電流で駆動する定電流駆動回路と、前記磁界検出素子からの信号を処理する信号処理回路とを備えた磁気式エンコーダ装置において、前記少なくとも2つの磁界検出素子4の駆動電圧を計測し、前記信号処理回路に入力して、あらかじめ記録している駆動電圧と温度の関係から前記磁界検出素子の温度を推定し、あらかじめ記録しているオフセット値と温度の関係から、温度の最も近い値に対応するオフセットの補正値を、前記磁界検出素子から得られる信号に加え、回転角度の算出を行う機能を有する信号処理回路を備えていることを特徴としている。
また、第2に観点による発明は、回転体と垂直方向の一方向に磁化され、前記回転体に固定された永久磁石、前記永久磁石に空隙を介して対向し、固定体に取り付けられた少なくとも2つの磁界検出素子と、前記磁界検出素子を定電流で駆動する定電流駆動回路と、前記磁界検出素子からの信号を処理する信号処理回路とを備えた磁気式エンコーダ装置の回転角度算出方法において、前記少なくとも2つの磁界検出素子の駆動電圧を計測し、前記信号処理回路に入力して、あらかじめ記録している駆動電圧と温度の関係から前記磁界検出素子の温度を推定し、あらかじめ記録しているオフセット値と温度の関係から、温度の最も近い値に対応するオフセットの補正値を、前記磁界検出素子から得られる信号に加え、回転角度の算出を行うという手順で処理することを特徴としている。
また、第3に観点による発明は、回転体と垂直方向の一方向に磁化され、前記回転体に固定された永久磁石、前記永久磁石に空隙を介して対向し、固定体に取り付けられた少なくとも2つの磁界検出素子と、前記磁界検出素子を定電圧で駆動する定電圧駆動回路と、前記磁界検出素子からの信号を処理する信号処理回路とを備えた磁気式エンコーダ装置において、前記少なくとも2つの磁界検出素子に直列に接続された温度推定用抵抗間電圧を計測し、前記信号処理回路に入力してあらかじめ記録している温度推定用抵抗間電圧と温度の関係から前記磁界検出素子の温度を推定し、あらかじめ記録しているオフセット値と温度の関係から、温度の最も近い値に対応するオフセットの補正値を、前記磁界検出素子から得られる信号に加え、回転角度の算出を行う機能を有する信号処理回路を備えていることを特徴としている。
また、第4に観点による発明は、回転体と垂直方向の一方向に磁化され、前記回転体に固定された永久磁石、前記永久磁石に空隙を介して対向し、固定体に取り付けられた少なくとも2つの磁界検出素子と、前記磁界検出素子を定電圧で駆動する定電圧駆動回路と、前記磁界検出素子からの信号を処理する信号処理回路とを備えた磁気式エンコーダ装置の回転角度算出方法において、前記少なくとも2つの磁界検出素子に直列に接続された温度推定用抵抗間電圧を計測し、前記信号処理回路に入力してあらかじめ記録している温度推定用抵抗間電圧と温度の関係から前記磁界検出素子の温度を推定し、あらかじめ記録しているオフセット値と温度の関係から、温度の最も近い値に対応するオフセットの補正値を、前記磁界検出素子から得られる信号に加え、回転角度の算出を行うという手順で処理することを特徴としている。
また、第1に観点による発明は、前記磁界検出素子の駆動電圧もしくは温度推定用抵抗間電圧が、前記信号処理回路にあらかじめ記録している電圧値Vtと異なる場合、Vtに最も近いVtn,Vtn+1を用いて係数k=(Vt−Vtn)/(Vtn+1−Vtn)を求め、あらかじめ記録している前記磁界検出素子のオフセットの補正値Voffn,Voffn+1を用いて、
Voff=k×(Voffn+1−Voffn)+Voffn
を算出し、前記磁界検出素子から得られる信号に加え、回転角度の算出を行う機能を信号処理回路5に備えていることを特徴としている。
また、第6に観点による発明は、前記磁界検出素子の駆動電圧もしくは温度推定用抵抗間電圧が、前記信号処理回路にあらかじめ記録している電圧値Vtと異なる場合、Vtに最も近いVtn,Vtn+1を用いて係数k=(Vt−Vtn)/(Vtn+1−Vtn)を求め、あらかじめ記録している前記磁界検出素子のオフセットの補正値Voffn,Voffn+1を用いて、
Voff=k×(Voffn+1−Voffn)+Voffn
を算出し、前記磁界検出素子から得られる信号に加え、回転角度の算出を行うという手順で処理することを特徴としている。
また、第7に観点による発明は、回転体と垂直方向の一方向に磁化され、前記回転体に固定された永久磁石、前記永久磁石に空隙を介して対向し、固定体に取り付けられた少なくとも2つの磁界検出素子と、前記磁界検出素子を駆動する駆動回路、及び前記磁界検出素子からの信号を処理する信号処理回路とを備えた磁気式エンコーダの位置検出方法において、温度Tがあらかじめ記録された閾値Tmを超えたとき、前記信号処理回路に入力された前記磁界検出素子の信号のオフセット値を求め、前記信号からオフセット値の除去を行い位置算出することを特徴としている。
また、第8に観点による発明は、回転体と垂直方向の一方向に磁化され、前記回転体に固定された永久磁石、前記永久磁石に空隙を介して対向し、固定体に取り付けられた少なくとも2つの磁界検出素子と、前記磁界検出素子を駆動する駆動回路、及び前記磁界検出素子からの信号を処理する信号処理回路とを備えた磁気式エンコーダ装置において、温度Tがあらかじめセットされた値Tmを超えたとき、前記信号処理回路に入力された前記磁界検出素子の信号のオフセット値を求め、前記信号からオフセット値の除去を行い位置算出する信号処理回路を備えたことを特徴としている。
また、第9に観点による発明は、前記閾値Tmがn個設定され、温度TがTm−1からTmの間はオフセット値の演算は行わず、Tm−1を下回るか、Tmを上回った場合、オフセット値の演算を行い、オフセット値の除去を行って位置演算することを特徴としている。
また、第10に観点による発明は、前記閾値Tmがn個設定され、温度TがTm−1からTmの間はオフセット値の演算は行わず、Tm−1を下回るか、Tmを上回った場合、オフセット値の演算を行い、オフセット値の除去を行い位置演算する信号処理回路を備えたことを特徴としている。
また、第11に観点による発明は、前記永久磁石がリング状を成し、この永久磁石の外周にリング形状磁気ヨークが形成されていることを特徴としている。
第1に観点による発明によると、少なくとも2つの磁界検出素子4のうち、少なくとも2つの磁界検出素子4の駆動電圧を計測し、信号処理回路5に入力して、あらかじめ記録している駆動電圧と温度の関係から磁界検出素子4の温度を推定する。さらに、あらかじめ記録しているオフセット値と温度の関係から、温度の最も近い値に対応するオフセットの補正値を、磁界検出素子4から得られる信号に加え、回転角度の算出を行う機能を有する信号処理回路5を備えているので、磁界検出素子のオフセット温度ドリフトを補正することが出来、磁気式エンコーダの精度が向上し、適用範囲の広い磁気式エンコーダ装置を提供することができる。
また、第2に観点による発明によると、少なくとも2つの磁界検出素子4の駆動電圧を計測し、信号処理回路5に入力して、あらかじめ記録している駆動電圧と温度の関係から磁界検出素子4の温度を推定する。さらに、あらかじめ記録しているオフセット値と温度の関係から、温度の最も近い値に対応するオフセットの補正値を、磁界検出素子4から得られる信号に加え、回転角度の算出を行うという手順で処理するので、磁界検出素子のオフセット温度ドリフトを補正することが出来、磁気式エンコーダの精度が向上し、適用範囲の広い磁気式エンコーダ装置の回転角度算出方法を提供することができる。
また、第3に観点による発明によると、少なくとも2つの磁界検出素子4に直列に接続された温度推定用抵抗7間電圧を計測し、信号処理回路5に入力してあらかじめ記録している温度推定用抵抗7間電圧と温度の関係から磁界検出素子4の温度を推定する。さらに、あらかじめ記録しているオフセット値と温度の関係から、温度の最も近い値に対応するオフセットの補正値を、磁界検出素子4から得られる信号に加え、回転角度の算出を行う機能を有する信号処理回路5を備えているので、磁界検出素子のオフセット温度ドリフトを補正することが出来、磁気式エンコーダの精度が向上し、適用範囲の広い磁気式エンコーダ装置を提供することができる。
また、第4に観点による発明によると、少なくとも2つの磁界検出素子4に直列に接続された温度推定用抵抗7間電圧を計測し、信号処理回路5に入力してあらかじめ記録している温度推定用抵抗7間電圧と温度の関係から磁界検出素子4の温度を推定する。さらに、あらかじめ記録しているオフセット値と温度の関係から、温度の最も近い値に対応するオフセットの補正値を、磁界検出素子4から得られる信号に加え、回転角度の算出を行うという手順で処理するので、磁界検出素子のオフセット温度ドリフトを補正することが出来、磁気式エンコーダの精度が向上し、適用範囲の広い磁気式エンコーダ装置の回転角度算出方法を提供することができる。
また、第5に観点による発明によると、磁界検出素子4の駆動電圧もしくは温度推定用抵抗7間電圧が、信号処理回路5にあらかじめ記録している電圧値Vtと異なる場合、Vtに最も近いVtn,Vtn+1を用いて係数k=(Vt−Vtn)/(Vtn+1−Vtn)を求め、あらかじめ記録している磁界検出素子4のオフセットの補正値Voffn,Voffn+1を用いて、
Voff=k×(Voffn+1−Voffn)+Voffn
を算出し、前記磁界検出素子4から得られる信号に加え、回転角度の算出を行う機能を信号処理回路5に備えているので、磁界検出素子のオフセット温度ドリフトを補正することが出来、磁気式エンコーダの精度が向上する。適用範囲の広い磁気式エンコーダ装置を提供することができる。
また、第6に観点による発明によると、磁界検出素子4の駆動電圧もしくは温度推定用抵抗7間電圧が、信号処理回路5にあらかじめ記録している電圧値Vtと異なる場合、Vtに最も近いVtn,Vtn+1を用いて係数k=(Vt−Vtn)/(Vtn+1−Vtn)を求め、あらかじめ記録している前記磁界検出素子4のオフセットの補正値Voffn,,Voffn+1を用いて、
Voff=k×(Voffn+1−Voffn)+Voffn
を算出し、磁界検出素子4から得られる信号に加え、回転角度の算出を行うという手順で処理するので、磁界検出素子のオフセット温度ドリフトを補正することが出来、磁気式エンコーダの精度が向上し、適用範囲の広い磁気式エンコーダ装置の回転角度算出方法を提供することができる。
第7に観点によるに記載の発明によると、温度Tがあらかじめ記録された閾値Tmを超えたとき、信号処理回路6に入力された磁界検出素子4の信号のオフセット値を求め、信号からオフセット値の除去を行い位置算出する磁気式エンコーダの位置検出方法としているので、頻繁にオフセット値を求めないのでCPUの負担を加えずに位置検出できるので、適用範囲の広い磁気式エンコーダ装置の位置検出方法を提供することができる。
また、第8に観点による発明によると、温度Tがあらかじめセットされた値Tmを超えたとき、信号処理回路6に入力された磁界検出素子4の信号のオフセット値を求め、信号からオフセット値の除去を行い位置算出する信号処理回路6を備えた磁気式エンコーダ装置としているので、素子選別を行うことなく適用範囲の広い磁気式エンコーダ装置を提供することができる。
また、第9に観点による発明によると、閾値Tmがn個設定され、温度TがTm−1からTmの間はオフセット値の演算は行わず、Tm−1を下回るか、Tmを上回った場合、オフセット値の演算を行い、オフセット値の除去を行って位置演算する磁気式エンコーダの位置検出方法としているので、温度範囲が広く、適用範囲の広い磁気式エンコーダの位置検出方法を提供することができる。
また、第10に観点による発明によると、閾値Tmがn個設定され、温度TがTm−1からTmの間はオフセット値の演算は行わず、Tm−1を下回るか、Tmを上回った場合、オフセット値の演算を行い、オフセット値の除去を行い位置演算する信号処理回路6を備えた磁気式エンコーダ装置としているので、温度範囲が広く、適用範囲の広い磁気式エンコーダ装置を提供することができる。
また、第11に観点による発明によると、前記永久磁石がリング状を成し、この永久磁石の外周にリング形状磁気ヨークが形成されているので、アウターロータ方式の磁気式エンコーダ装置に対して、磁界検出素子のオフセット温度ドリフトを補正することが出来、適用範囲の広いアウターロータ方式の磁気式エンコーダ装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る磁気式エンコーダ装置の構成図である。
図において、1は回転体であり、2は回転体1に固定された永久磁石、4は永久磁石2に空隙を介して対向し、固定体3に取り付けられた4つの磁界検出素子、51は磁界検出素子4を定電流にて駆動する、定電流駆動回路、5は磁界検出素子4からの信号を処理する信号処理回路である。永久磁石2は、材質はフェライト系磁石、Sm−Co 系磁石、Ne−Fe−B系磁石、または前記各種磁石を高分子材料で結合した分散型複合磁石によって形成し、回転体1の軸に垂直方向と平行に一方向に磁化されN−S の2極となっている。寸法は例えば、直径が3mm、厚さが1mmである。磁界検出素子4は4個のホール効果素子からなり、永久磁石2の外周面に対して空隙を介して対向し、かつ互いに電気角で90 度位相をずらしてA1 相検出素子41とB1 相検出素子42を設け、さらにA1 相検出素子41 に対して電気角で180 度位相をずらしてA2 相検出素子43 を、B1 相検出素子42 に対して電気角で180 度位相をずらしてB2 相検出素子44 を設けてある。51は定電流駆動回路である。
図2は、磁界検出素子4の温度を測定するための定電流駆動回路51及び信号処理回路5の回路ブロック図である。定電流駆動回路51の出力Vcct1、及びVcct2をそれぞれ、信号処理回路5の差動増幅器53に接続しており、差動後の温度推定用電圧VcctとしてA/D変換回路56に入力され、角度演算回路57に入力される。一方、A1 相検出素子41,A2相検出素子42,から出力されるA1 相, A2相の各信号は差動増幅器54に入力され、B1 相検出素子43,B2相検出素子44,から出力されるB1 相, B2相の各信号は差動増幅器55に入力される。さらに各々の出力はA/D変換回路56に入力され、角度演算回路57に入力される。
本発明が特許文献1と異なる部分は、定電圧駆動回路51他の温度推定用の電圧を計測する為の回路が接続されていることである。
その動作は、回転体1の回転に伴って、永久磁石2が回転する。永久磁石2の発する磁界を磁界検出素子4にて検出し電気信号に変換され、信号処理回路5に入力される。本発明の磁気式エンコーダ装置の回転角度算出方法を、フローチャートを用いて説明する。
図3は回転角度算出方法のフローチャートである。磁界検出素子出力Va,Vbを取得して(ステップ101)、温度推定用電圧Vcctを取得する(ステップ102)。
任意の温度範囲においてあらかじめT=α×Vcct+βとして算出が可能になっているので、取得したVcct値から温度Tを推定する(ステップ103)。あらかじめ記録されている温度Tn値にもっとも近い値からVmoffn値(m=a,b)を決定し(ステップ104)、得られたVmoffn値をVa、Vbに代入してオフセットを調整する(ステップ105)。さらにVa,Vbを用いて角度θの演算、
θ=arctan(Va/Vb)
を行って、角度θを算出し(ステップS106)、角度θを出力する(ステップ107)。
本実施例では以上のように磁界検出素子の温度を推定できるので、20℃から100℃に磁界検出素子周囲温度をあげた場合、従来の温度推定が無くオフセット温度ドリフトを補正しない方法では、角度出力精度の温度変動による誤差は±1.6度であることに対し、本実施例ではオフセット値を記録する温度間隔を10℃毎にし、Vmoffn値を記録して実施したところ角度出力精度の温度変動による誤差は約1/40となった。以上のように、本実施例を用いれば磁界検出素子周囲の温度変化に対しても高い精度が維持される適用範囲の広い磁気式エンコーダ装置を提供できるようになる。
なお、本実施例ではオフセット値を記録する温度間隔を10℃毎にVmoffn値を記録して実施しているが、記録が可能な限り温度間隔を狭めれば精度が向上することは言うまでもない。
また、本実施例では定電流駆動回路51の端子間を差動増幅器としているが、入力電圧が十分大きい場合、低減するAMPを用いても同様の効果が得られることは自明である。
さらに、信号はすべてA/D変換回路56に入力しているが、他のA/D変換回路に接続し角度演算回路57に接続しても良いことは自明である。
次に、実施例2について図を参照して説明する。
図4は本発明の実施例2に係る磁気式エンコーダ装置の構成図である。
図4において、1は回転体であり、2は回転体1に固定された永久磁石、4は永久磁石2に空隙を介して対向し、固定体3に取り付けられた4つの磁界検出素子、52は磁界検出素子4を定電流にて駆動する定電圧駆動回路、5は磁界検出素子4からの信号を処理する信号処理回路である。永久磁石2は、材質はフェライト系磁石、Sm−Co 系磁石、Ne −Fe −B系磁石、または前記各種磁石を高分子材料で結合した分散型複合磁石によって形成し、回転体1の軸に垂直方向と平行に一方向に磁化されN −S の2 極となっている。寸法は、例えば、直径が3mm 、厚さが1mm である。
磁界検出素子4は、4個のホール効果素子からなり、永久磁石2の外周面に対して空隙を介して対向し、かつ互いに電気角で90 度位相をずらしてA1 相検出素子41 とB1 相検出素子42 を設け、さらにA1 相検出素子41 に対して電気角で180 度位相をずらして A2 相検出素子43 を、B1 相検出素子42 に対して電気角で180 度位相をずらしてB2 相検出素子44 を設けてある。52は定電圧駆動回路である。
図5は、磁界検出素子4の温度を測定するための定電圧駆動回路52及び信号処理回路5の回路ブロック図である。定電圧駆動回路52の素子駆動配線の一部に温度推定用抵抗8を設けている。温度推定用抵抗8の両端出力Vcvt1、及びVcvt2をそれぞれ、信号処理回路5の差動増幅器53に接続しており、差動後の温度推定用電圧VcvtとしてA/D変換回路56に入力し、角度演算回路57に入力している。一方、A1 相検出素子41,A2相検出素子42,から出力されるA1 相, A2相の各信号は差動増幅器54に入力され、B1 相検出素子43,B2相検出素子44,から出力されるB1 相, B2相の各信号は差動増幅器55に入力される。さらに各々の出力はA/D変換回路56に入力されて、角度演算回路57に入力される。
本発明が特許文献1、及び実施例1と異なる部分は、定電圧駆動回路52に温度推定用抵抗6を備えて、電圧を計測するための回路が接続がなされている点である。
その動作は、実施例1と同様に回転体1の回転に伴って永久磁石2が回転する。永久磁石2の発する磁界を磁界検出素子4にて検出して電気信号に変換し、信号処理回路5に入力する。本発明の磁気式エンコーダ装置の回転角度算出方法を、フローチャートを用いて説明する。
図6は回転角度算出方法のフローチャートである。磁界検出素子出力Va,Vbを取得し(ステップ201)、温度推定用電圧Vcvtを取得する(ステップ202)。任意の温度範囲においてあらかじめT=γ×Vcvt+δとして算出が可能になっているので、取得したVcvt値から温度Tを推定する(ステップ203)。あらかじめ記録されている温度Tn値にもっとも近い値からVmoffn値(m=a,b)を決定し(ステップ204)、得られたVmoffn値をVa、Vbに代入してオフセットを調整する(ステップ205)。さらにVa,Vbを用いて角度θの演算、
θ=tan-1(Va/Vb)
を行って、角度を算出して(ステップ206)、角度を出力する(ステップ207)。
本実施例では以上のように磁界検出素子の温度を推定できるので、20℃から100℃に磁界検出素子周囲温度をあげた場合、従来の温度推定が無くオフセット温度ドリフトを補正しない方法では、角度出力精度の温度変動による誤差は±1.6度であることに対し、本実施例ではオフセット値を記録する温度間隔を5℃毎にし、Vmoffn値を記録して実施したところ、角度出力精度の温度変動による誤差は約1/80となった。
以上のように、本実施例を用いれば磁界検出素子周囲の温度変化に対しても高い精度が維持される適用範囲の広い磁気式エンコーダ装置を提供できるようになる。なお、本実施例ではオフセット値を記録する温度間隔を5℃毎にVmoffn値を記録して実施しているが、記録が可能な限り温度間隔を狭めれば精度が向上することは言うまでもない。
また、本実施例では定電圧駆動回路52の端子間を差動増幅器としているが、入力電圧が十分大きい場合、検出電圧を低減するAMPを用いても同様の効果が得られることは自明である。
また、温度検出用抵抗は素子駆動VH線に接続したが、素子駆動VL線に接続しても同様の効果が得られることは自明である。さらに、信号はすべてA/D変換回路56に入力しているが、他のA/D変換回路に接続し角度演算回路57に接続しても良いことは自明である。
次に、実施例3について図を参照して説明する。
実施例3の構成は実施例2と外観上ハード構成は同じである。異なるのは回転角度算出方法が異なる信号処理回路5を備えていることである。本発明の磁気式エンコーダ装置の回転角度算出方法をフローチャートを用いて説明する。
図7は実施例3に係る回転角度算出方法のフローチャートである。
磁界検出素子出力Va,Vbを取得し(ステップ301)、温度推定用電圧Vcvtを取得する(ステップ302)。取得したVcvt値に最も近い、あらかじめ記録しているVtn,Vtn+1を用いて係数k、
k=(Vt−Vtn)/(Vtn+1−Vtn)
を算出する(ステップ303)。あらかじめ記録されているVtn,Vtn+1に対応するVmoffn+1−Vmoffn値(m=a,b)から
Vmoff=k×(Vmoffn+1−Vmoffn)+Vmoffn
の計算を行いオフセット補正値Vmoffを決定し(ステップ304)、得られたVmoff値をVa、Vbに代入してオフセットを調整する(ステップ305)。さらにVa,Vbを用いて角度θの演算、
θ=tan-1(Va/Vb)
を行って、角度θを算出して(ステップ306)、角度θを出力する(ステップ307)。
本実施例では以上のように磁界検出素子の温度を推定できるので、20℃から100℃に磁界検出素子周囲温度をあげた場合、従来の温度推定が無くオフセット温度ドリフトを補正しない方法では、角度出力精度の温度変動による誤差は±1.6度であることに対し、本実施例ではオフセット値を記録する温度間隔を10℃毎にし、Vmoffn値を記録して実施したところ、角度出力精度の温度変動による誤差は約1/140となった。
以上のように、本実施例を用いれば磁界検出素子周囲の温度変化に対しても高い精度が維持される適用範囲の広い磁気式エンコーダ装置を提供できるようになる。なお、温度検出用抵抗は素子駆動VH線に接続したが、素子駆動VL線に接続しても同様の効果が得られることは自明である。さらに、信号はすべてA/D変換回路56に入力しているが、他のA/D変換回路に接続し角度演算回路57に接続しても良いことは自明である。
このように、定電流駆動回路51を用いる場合、温度推定用の電圧を計測する為の接続がなされており、定電圧駆動回路52を用いる場合、温度推定用の温度推定用抵抗6を備え、電圧を計測する為の接続がなされているので、特別な温度検出機構を磁界検出素子近傍に配置することなく温度補正が可能となる。また、温度推定用電圧近傍のあらかじめ記録している電圧を用いてオフセット補正値の補完を行うので、本磁気式エンコーダの磁界検出素子周囲の温度が変動しても精度が維持されるので、適用範囲の広い磁気式エンコーダ装置を供給することができる。
次に、実施例4について図を参照して説明する。
図8は本発明の実施例4に係る磁気式エンコーダ装置の位置検出方法のフロー図である。
図10は実施例4に係る磁気式エンコーダ装置の構成図であり、図11は図10に示す信号処理回路のブロック図である。なお、図10、図11は従来技術と同じ構成であるが、実施例4の一般的なハード構成を対象とした1例と言う意味で改めて図示している。
従って、ここでは図8が、請求項7から請求項8の発明を説明する図である。
先ず、ハード構成については、図10に示すように、1は回転体であり、2は回転体1に固定された永久磁石、4は永久磁石2に空隙を介して対向し、固定体3に取り付けられた4つの磁界検出素子、6は磁界検出素子を駆動する駆動回路、5は磁界検出素子4からの信号を処理する信号処理回路である。永久磁石2は、材質はフェライト系磁石、Sm −Co 系磁石、Ne −Fe −B系磁石、または前記各種磁石を高分子材料で結合した分散型複合磁石によって形成し、回転体1の軸に垂直な方向と平行である一方向に磁化されN −S の2 極となっている。寸法は例えば、直径が3mm 、厚さが1mm である。磁界検出素子4 は、4 個のホール効果素子からなり、永久磁石2 の外周面に対して空隙を介して対向し、かつ互いに電気角で90 度位相をずらしてA1 相検出素子41 とB1 相検出素子42 を設け、さらに A1 相検出素子41 に対して電気角で180 度位相をずらしてA2 相検出素子43 を、B1 相検出素子42 に対して電気角で180 度位相をずらしてB2 相検出素子44 を設けてある。
また、駆動回路6から、前記磁界検出素子4を駆動する電流を供給している。
また、図示していないが磁界検出素子4付近に温度を検出する素子が配置され、信号処理回路に入力されている。
図11の信号処理回路のハード構成は、Va1とVa2の差動信号Vaを出力する差動増幅器53と、Vb1とVb2の差動信号Vbを出力する差動増幅器54と、角度演算回路57で構成されている。
なお、本実施例が前実施例と異なる部分は、信号処理回路5に温度Tを判定して、磁界検出素子のオフセット値を再設定し角度演算を行う位置検出方法のソフトを備えた部分である。
その動作は、図8を参照すると、磁気式エンコーダ装置に電源が投入されると、信号処理回路5は各パラメタを初期値に設定する初期設定がおこなわれ、Tmに温度閾値が代入される(図示していない)。
次に、磁界検出素子4の信号、および温度信号を入力する。本実施例では、Va、およびVbの信号が入力され、温度信号は、別に設けられている温度センサの信号がTとして入力される(ステップ401)。次に、温度TがTmを超えるか判断される(ステップ402)。超えた場合は、Va,Vbからオフセット値を検出しVoffa、Voffbに代入してステップ404に進む(ステップ403)。オフセット値は磁界検出素子信号の最大値V*maxとV*min(*=a,b)から
Voff*=V*max−((V*max−V*min)/2) (*=a,b)……(2)
として求める。
また、温度TがTmを超えていない場合は、ステップ403は実行せずに、Va'にVa−Voffaを、Vb'にVb−Voffbを代入する処理を行い(ステップ404)。角度θを、
θ=tan−1(Va'/Vb')、
より導出し(ステップ405)、求めたθを信号処理回路6に接続された上位機器(図示していない)に出力する(ステップ406)。
本実施例では逐次オフセット値を算出する必要が無いので、従来技術と比較して信号処理回路の処理時間を短くすることができ、CPUの負担を軽くした磁気式エンコーダ装置を提供できるようになる。
次に、実施例5について図を参照して説明する。
図9は実施例5に係るフロー図である。
図9は請求項9および請求項10に記載の発明を説明するもので、ハード構成は実施例4の図10、図11と変わらないので、構成説明は省略する。
実施例4と異なっている部分は、信号処理回路5に温度Tを判定する際にあらかじめ記述されている温度閾値がn個有り、Tm−1を下回るか、Tmを上回った場合、磁界検出素子のオフセット値を再設定し角度演算を行う位置検出方法のソフトを備えた部分である。
その動作を、図9に示すフローを用いて説明する。
磁気式エンコーダ装置に電源が投入されると、信号処理回路5は各パラメタを初期値に設定する初期設定を行う。Tmに温度閾値が代入される。次に、磁界検出素子4の信号、および温度信号を入力する。本実施例ではVa、およびVbの信号が入力され、温度信号は別に設けられている温度センサの信号がTとして入力される。T値に最も近いTm値のm値が、はじめにmとして入力処理される(ステップ501)。
次に、温度TがTmを超えるか判断される(ステップ502a1)。超えた場合はm=m+1の処理がなされ(ステップ502a2)、Va,Vbからオフセット値を検出しVoffa、Voffbに代入してステップ504に進む。オフセット値検出は式(2)を用いる(ステップ503)。
一方、温度TがTmを超えていない場合は、温度TがTm−1を下回るか判断される(ステップ502b1)。下回った場合はm=m−1の処理がなされ(ステップ502b2)、Va,Vbからオフセット値を検出しVoffa、Voffbに代入してステップ504に進む。オフセット値検出は前記同様に式(2)を用いる(ステップ503)。
続いて、Va'にVa−Vaoffaを、Vb'にVb−Voffbを代入する(ステップ504)。
次に、角度θをtan−1(Va'/Vb')によって導出し(ステップ505)、θを信号処理回路6に接続された上位機器(図示していない)に出力する(ステップ506)。
本実施例では逐次オフセット値を算出する必要が無く、且つ広い温度範囲で詳細に設定可能になるので、従来と比較して信号処理回路の処理時間を短くするうえ、適用温度範囲の広い磁気式エンコーダ装置を提供できるようになる。
このように、温度があらかじめセットされた閾値に応じて、信号処理回路5に入力された磁界検出素子4のオフセット値を求めて、オフセット値の除去を行って位置算出を行う信号処理回路5を備えているので、頻繁にオフセット値を求めないのでCPUの負担を加えずに位置検出できるので、適用範囲の広い磁気式エンコーダ装置の位置検出方法を提供することができる。
次に、実施例6について図を参照して説明する。
図12は実施例6に係る磁気式エンコーダ装置の構成図である。
図12において11は回転体であり、20はリング形状永久磁石21と前記リング形状磁石の外周に配置され磁性材料で構成されたリング形状磁気ヨーク22とで構成される磁界発生ロータ、4はリング形状永久磁石21に空隙を介して対向し、固定体31に取り付けられた1回転内の位置を検出する4つの磁界検出素子、5は磁界検出素子4からの信号を処理する信号処理回路であり、6は駆動回路である。
前記磁界発生ロータ20を構成する一方の部材であるリング形状永久磁石21は、材質はフェライト系磁石、Sm−Co系磁石、Ne−Fe−B系磁石、または前記各種磁石を高分子材料で結合した分散型複合磁石によって形成し、回転体1の軸に垂直方向と平行に一方向に磁化されN−Sの2極となっている。また、磁界発生ロータ20を構成する他方の部材であるリング形状磁気ヨーク22は、磁気抵抗を減少させ、磁界を1回転内の位置を検出する磁界検出素子4に磁界を集中させる効果があり、これにより磁界検出素子のSN比を向上させることができる。さらに外界の磁気ノイズを遮断する効果もある。材質は、強磁性体であれば良く、例えば炭素鋼などである。
1回転内の位置および角度を検出する磁界検出素子4は、4個のホール効果素子からなり、永久磁石21の内周面に対して空隙を介して対向し、かつ互いに電気角で90度位相をずらしてA1相検出素子41とB1相検出素子42を設け、さらにA1相検出素子41 に対して電気角で180度位相をずらしてA2相検出素子43を、B1相検出素子42 に対して電気角で180度位相をずらしてB2相検出素子44を設けてある。
また、図12に示すように駆動回路6は、例えば、定電圧電源と、抵抗値を変更するデジタルポテンショ等から構成され、磁界検出素子4を駆動する電流を供給している。
本実施例が前実施例と異なっている部分は、リング形状永久磁石21と前記リング形状磁石の外周に配置され磁性材料で構成されたリング形状磁気ヨーク22とで構成される磁界発生ロータ備えた、いわゆるアウター・ロータ型として、固定体31に取り付けられた1回転内の位置を検出する4つの磁界検出素子をリング形状永久磁石21に空隙を介して対向して配置した部分である。
また、ここでも信号処理回路5は、温度Tを判定する際にあらかじめ記述されている温度閾値がn個有り、Tm−1を下回るか、Tmを上回った場合、磁界検出素子のオフセット値を再設定し角度演算を行う位置検出方法がとられる。
その動作を、前実施例と共通のフロー図9を用いて説明する。
磁気式エンコーダ装置に電源が投入されると、信号処理回路6は各パラメタを初期値に設定する初期設定を行う。Tmに温度閾値が代入される。次に、磁界検出素子4の信号、および温度信号を入力する。本実施例ではVa、およびVbの信号が入力され、温度信号は別に設けられている温度センサの信号がTとして入力される。T値に最も近いTm値のm値が、はじめにmとして入力処理される(ステップ501)。次に、温度TがTmを超えるか判断される(ステップ502a1)。超えた場合はm=m+1の処理がなされ(ステップ502a2)、Va,Vbからオフセット値を検出しVoffa、Voffbに代入してステップ504に進む。オフセット値検出は式(2)を用いる(ステップ503)。
温度TがTmを超えていない場合は、次の(S502b1)で温度TがTn−1を下回るか判断される(ステップ502b1)。下回った場合は、m=m−1の処理がなされ(ステップ502b2)、Va,Vbからオフセット値を検出しVoffa、Voffbに代入してステップ504に進む。オフセット値検出は前記同様に式(2)を用いる(ステップ503)。
次に、Va'にVa−Vaoffaを、Vb'にVb−Voffbを代入(ステップ504)する。次に、角度θをtan−1(Va'/Vb')によって導出し(ステップ505)、θを信号処理回路5に接続された上位機器(図示なし)に出力する(ステップ506)。
本実施例では逐次オフセット値を算出する必要が無く、且つ広い温度範囲で詳細に設定可能になるので、従来と比較して信号処理回路の処理時間を短くするうえ、適用温度範囲の広い磁気式エンコーダ装置を提供できるようになる。
このように、温度があらかじめセットされた閾値に応じて、信号処理回路5に入力された磁界検出素子4のオフセット値を求めて、オフセット値の除去を行って位置算出を行う信号処理回路5を備えているので、頻繁にオフセット値を求めないのでCPUの負担を加えずに位置検出できるので適用範囲の広い磁気式エンコーダ装置の位置検出方法を提供することができる。
なお、本実施例では、アウターロータ方式の磁気式エンコーダ装置に対して、実施例5と同じ位置検出方法を適用する例を示したが、アウターロータ方式の磁気式エンコーダ装置に対して、実施例1乃至4に示した位置検出方法を適用できることは明らかである。
本発明によって広い温度範囲で高精度な回転位置検出ができるようになるので、本発明の磁気式エンコーダ装置を搭載したサーボモータは高温にて動作可能なため、高い耐環境性が要求される用途に適用できる。
また、CPUに負担を掛けずに適用範囲を広げることができるので、基板が小さくなり、適用温度範囲が広がるので、高温対応のサーボモータや、更に小型サーボモータと言う用途にも適用できる。
本発明の実施例1に係る磁気式エンコーダ装置の構成図である。 図1に示す磁気式エンコーダ装置の回路ブロック図である。 図1に示す磁気式エンコーダ装置の回転角度算出フロー図である。 本発明の実施例2に係る磁気式エンコーダ装置の構成図である。 図4に示す磁気式エンコーダ装置の回路ブロック図である。 図4に示す磁気エンコーダ装置の回転角度算出フロー図である。 本発明の実施例3に係る回転角度算出フロー図である。 本発明の実施例4に係る回転角算出フロー図である。 本発明の実施例5に係る回転角算出フロー図である。 図8、図9に示す磁気式エンコーダ装置の構成図である。 図10に示す磁気式エンコーダ装置の回路ブロック図である。 本発明の実施例6に係る磁気式エンコーダ装置の構成図である。 従来の磁気式エンコーダ装置の構成図である。 図13に示す信号処理回路のブロック図である。 図13に示す磁気式エンコーダ装置のフロー図である。
符号の説明
1:回転体
2:永久磁石
3:固定体
4:磁界検出素子
5:信号処理回路
6:駆動回路
8:温度推定用抵抗
20:磁界発生ロータ
21:リング形状永久磁石
22:リング形状磁気ヨーク
41:A1相検出素子
42:B1相検出素子
43:A2相検出素子
44:B2相検出素子
51:定電流駆動回路
52:定電圧駆動回路
53,54,55:差動増幅器
56:A/D変換回路
57:角度演算回路

Claims (7)

  1. 回転体と垂直方向の一方向に磁化され、前記回転体に固定された永久磁石と、
    前記永久磁石に空隙を介して対向し、固定体に取り付けられた少なくとも2つの磁界検出素子と、
    前記磁界検出素子を駆動する駆動回路と、
    前記磁界検出素子からの信号を処理する信号処理回路と、
    を備え、
    前記磁界検出素子の温度Tがあらかじめセットされた値Tmを超えたとき、前記信号処理回路に入力された前記磁界検出素子の信号のオフセット値を求め、前記信号からオフセット値の除去を行い位置算出する信号処理回路を備えたことを特徴とする磁気式エンコーダ装置。
  2. 前記信号処理回路は、
    前記閾値Tmがn個設定され、
    前記温度TがTm−1からTmの間には、前記オフセット値の演算は行わず、
    Tm−1を下回るかTmを上回った場合には、前記オフセット値の演算を行い、
    該オフセット値の除去を行い位置演算することを特徴とする、請求項1記載の磁気式エンコーダ装置。
  3. 前記駆動回路は、
    前記磁界検出素子を定電流で駆動し、
    前記信号処理回路は、
    前記少なくとも2つの磁界検出素子の駆動電圧を計測し、
    あらかじめ記録している駆動電圧と温度の関係から前記磁界検出素子の温度を推定し、
    あらかじめ記録しているオフセット値と温度の関係から、温度の最も近い値に対応するオフセットの補正値を、前記磁界検出素子から得られる信号に加えて、前記オフセット値の除去を行うことを特徴とする、請求項2記載の磁気式エンコーダ。
  4. 前記駆動回路は、
    前記磁界検出素子を定電圧で駆動し、
    前記信号処理回路は、
    前記少なくとも2つの磁界検出素子に直列に接続された温度推定用抵抗間電圧を計測し、
    あらかじめ記録している温度推定用抵抗間電圧と温度の関係から前記磁界検出素子の温度を推定し、
    あらかじめ記録しているオフセット値と温度の関係から、温度の最も近い値に対応するオフセットの補正値を、前記磁界検出素子から得られる信号に加えて、前記オフセット値の除去を行うことを特徴とする、請求項2記載の磁気式エンコーダ。
  5. 前記信号処理回路は、
    前記磁界検出素子の駆動電圧もしくは温度推定用抵抗間電圧が、前記信号処理回路にあらかじめ記録している電圧値Vtと異なる場合、Vtに最も近いVtn,Vtn+1を用いて係数k=(Vt−Vtn)/(Vtn+1−Vtn)を求め、あらかじめ記録している前記磁界検出素子4のオフセットの補正値Voffn,Voffn+1を用いて、
    Voff=k×(Voffn+1−Voffn)+Voffn
    を算出し、前記磁界検出素子から得られる信号に加えて、前記オフセット値の除去を行う、ことを特徴とする、請求項3又は4記載の磁気式エンコーダ装置。
  6. 回転体と垂直方向の一方向に磁化され、前記回転体に固定された永久磁石と、前記永久磁石に空隙を介して対向し、固定体に取り付けられた少なくとも2つの磁界検出素子と、前記磁界検出素子を駆動する駆動回路と、前記磁界検出素子からの信号を処理する信号処理回路と、を備えた磁気式エンコーダの位置検出方法において、
    前記磁界検出素子の温度Tがあらかじめセットされた値Tmを超えたとき、前記信号処理回路に入力された前記磁界検出素子の信号のオフセット値を求め、前記信号からオフセット値の除去を行い位置算出する、ことを特徴とする磁気式エンコーダ装置の位置検出方法。
  7. 前記閾値Tmがn個設定され、
    前記温度TがTm−1からTmの間には、前記オフセット値の演算は行わず、
    Tm−1を下回るかTmを上回った場合には、前記オフセット値の演算を行い、
    該オフセット値の除去を行い位置演算することを特徴とする、請求項6記載の磁気式エンコーダ装置の位置検出方法。
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