JP4705165B2 - 磁気センサー素子、磁気再生ヘッド、磁気再生装置及び磁気再生方法 - Google Patents

磁気センサー素子、磁気再生ヘッド、磁気再生装置及び磁気再生方法 Download PDF

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Description

本発明は、近接場光を用いて磁気記録媒体を昇温して磁気記録媒体に記録された記録情報を再生する光アシスト磁気再生方式に用いる磁気センサー素子と、この磁気センサー素子を備えている磁気再生ヘッド及び磁気再生装置と、この磁気再生装置を用いた磁気記録媒体の磁気再生方法とに関する。
ハードディスクに代表される磁気記録の分野では、記録媒体、記録ヘッド、再生ヘッドの特性向上により、面密度で200Gbit/inch2を超える記録密度が達成され、さらに密度の向上が続いている。この記録密度の向上に対応すべく、種々の磁気記録方式や磁気再生方式が提案されている。
現行のハードディスクに用いられる磁気記録方式では、磁気記録媒体に高密度記録された磁気情報を、高い分解能で読み出す観点から、光アシスト再生方式と呼ばれるものが提案されている。これは、磁気情報が記録された磁気記録媒体にレーザー光を照射して、磁気記録媒体を局所的に、記録時よりも低い温度に加熱し、加熱領域から発生する漏洩磁界を磁気センサーを用いて検出する再生方式である。このとき、磁気記録媒体の非加熱領域からは漏洩磁界があまり発生せず、加熱領域からは大きな漏洩磁界が発生するように記録媒体の材料や組成を調整しておく。これにより、磁気センサーにおいて、加熱領域からの漏洩磁界を相対的に強く検出することができ、隣接トラックからのクロストークを軽減することが可能である。このような光アシスト再生においては、記録媒体上の加熱領域の大きさに応じて再生される(大きな漏洩磁界を発する)領域が決まることから、加熱源に近接場光源を用いることで加熱領域を小さくすれば、微小な記録ビットを高い分解能で再生可能となる。
このような近接場光源と磁気センサーとを用いる構成の一例として、下記特許文献1が挙げられる。この特許文献1には、レーザー光出射口の周りに磁界を印加して情報を記録するコイルと、コイルの内側に配置され、磁気記録媒体に記録された情報を検出する磁気センサーを備えた光アシスト磁気ヘッドが開示されており、レーザー光出射口から出射されたレーザー光を増強するプラズモン励起体またはサイズを小さくする開口を有する遮光体を備えた光アシスト磁気ヘッドについても開示されている。また、特許文献1には、レーザー光出射口と磁気センサーに用いられる磁気抵抗効果素子のスピンバルブ膜との距離を2〜3μmに近付けることが可能となり、組立調整が容易となる結果、レーザー光出射口と磁気センサーとを同時に、同一の狭トラック上をトラッキングさせることが可能になることも記載されている。
特開2003−203304号公報
現行のハードディスクに用いられる磁気センサーにおいては、磁気抵抗効果素子に代表される磁気センシング部と、これに接して、磁気センシング部の両面(磁気記録媒体のトラック長さ方向)に厚さ500nmから3μm程度の磁気シールドが形成されることが一般的である。一方で、近接場光源から発せられる近接場光の到達距離は近接場光を生じる微小形状のサイズ以下程度であり、既に開示されているような近接場光源を、光アシスト再生にも用いようとすれば、従来の磁気センサーに適用されているような500nmから3μm程度の磁気シールドでは、シールドが厚く、近接場光発生源と磁気センシング部との距離が離れすぎてしまうために、近接場光発生源で加熱された磁気記録媒体の加熱領域が、媒体の移動に伴って磁気センシング部下に到達する前に自然冷却されてしまい、光アシスト再生が実現できない問題が生じる。このように近接場光源を用いて光アシスト再生を実現しようとする場合、従来の磁気シールド厚さでは、磁気センシング部下に到達する前に自然冷却されてしまうという問題はこれまで指摘されておらず、当然ながらその解決策も示されていない。
また、特許文献1において、レーザー光出射口と磁気抵抗センサーのスピンバルブ膜との距離を小さくできる光アシスト磁気ヘッドが開示されてはいるが、レーザー光出射口とスピンバルブ膜との距離は2〜3μmと大きく、近接場光が到達する距離と比べて非常に大きいため、光アシスト再生を行うには十分な距離にはなく、効率的であるとはいえない。
そこで、本発明の目的は、磁気記録媒体の効率的な光アシスト再生が可能な磁気センサー素子、磁気再生ヘッド及び磁気再生装置と、この磁気再生装置を用いた磁気記録媒体の磁気再生方法とを提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
(1) 本発明の磁気センサー素子は、磁性体層上に誘電体層、第1の金属体層の順に積層された近接場光発生部と、前記近接場光発生部の前記磁性体層外側または前記第1の金属体層外側に形成されている磁気センシング部とを有している磁気センサー素子であって、前記第1の金属体層が、前記磁性体層方向に突起した突起形状部を有している
上記(1)の磁気センサー素子によれば、磁性体層が、磁気センシング部の磁気シールドとしての役割と、近接場光を発生し且つ増強する部材としての役割とを兼ねることができる。従って、近接場光発生箇所を磁気センシング部の極近傍に配置できるとともに、増幅された高強度の近接場光を磁気記録媒体に照射できるという効果を併せ持つ。上記のように、近接場光発生部を磁気センシング部の極近傍に配置できることから、近接場光で加熱された磁気記録媒体の加熱領域の自然冷却を極めて小さく抑えることができ、効率的な光アシスト再生が実現できる。
また、磁気記録媒体を過度に加熱する必要が無いため、レーザー光源の低消費電力化が可能である。さらには、磁気記録媒体の加熱領域が小さくなって高分解能の光アシスト再生が実現できる。加えて、光アシスト再生時に磁気記録媒体を誤消去するおそれが少なくなり、媒体設計マージンが広がるという効果も奏する。これにより、記録素子とのハイブリッド化も可能となる。また、上記のように、増幅された高強度の近接場光を磁気記録媒体に照射できるため、レーザー光源からの光を低出力で照射した場合でも高強度の近接場光が得られる。この観点からも、レーザー光源の低消費電力化が実現できる。また、上記のように、レーザー光の照射強度を低減できることによって、磁気センシング部が過度に熱せられることが無く、磁界検出能力の高い磁気センサー素子を提供できる。
さらに、磁性体層が近接場光発生部の一部であるとともに磁気シールドの役割も果たすことから、磁気シールドの役割を果たす部材と、近接場光を発生し増強する役割を果たす部材とを個別に形成する場合に比べて、部材を減らすことができる効果を奏する。加えて、薄膜形成法を用いて磁気センシング部と近接場光発生部とを同一基体上に連続形成できるので、製造コストが低く、小型で軽量の磁気センサー素子を実現できるとともに、記録素子とのハイブリッド化が容易な磁気センサー素子を提供できる。
加えて、近接場光発生部における第1の金属体層外側に磁気センシング部が設けられた場合においては、磁気シールドの役割を果たす磁性体層と磁気センシング部との間に近接場光の発生する箇所を設けることができるため、磁気センシング部のさらに近傍で近接場光を発光でき、極めて効率の良い近接場光アシスト再生が実現できる。さらに、上記近接場光発生部における第1の金属体層側に磁気センシング部が設けられた場合においては、磁性体層を厚く形成しても、近接場光の発生する箇所が磁気センシング部から離れることが無いため、磁気信号再生時のノイズ源となる隣接ビットからの漏洩磁界や装置内の浮遊磁界を打ち消す効果が高い磁気センサー素子を提供できる。
さらに、光ビームが照射されることによって、近接場光を金属体層の突起形状部先端周辺に局所的に発生させることができるとともに、誘電体層と金属体層との界面で生じた表面プラズモンと、磁性体層と誘電体層との界面で生じた表面プラズモンとの共鳴(多重干渉効果)によって、近接場光を増強できるため、磁気記録媒体を効率的に加熱できる。これにより、再生分解能の高い光アシスト再生を実現できる磁気センサー素子を提供できる。
) ()の磁気センサー素子においては、前記磁性体層と前記第1の金属体層における突起形状部先端との間の距離が、5nm以上100nm以下であることが好ましい。
) 別の観点として、()の磁気センサー素子においては、前記磁性体層と前記第1の金属体層における突起形状部先端との間の距離が、15nm以上50nm以下であることが好ましい。
上記(2)又は)の構成によると、光ビームが照射されることによって、近接場光を金属体層の突起形状部先端周辺に局所的に発生させることができるとともに、誘電体層と金属体層との界面で生じた表面プラズモンと、磁性体層と誘電体層との界面で生じた表面プラズモンとの共鳴(多重干渉効果)によって、近接場光を増強できるため、磁気記録媒体を効率的に加熱できる。これにより、再生分解能の高い光アシスト再生を実現できる磁気センサー素子を提供できる。
) 上記()〜()の磁気センサー素子においては、前記磁性体層が、前記第1の金属体層における突起形状部の形状に沿った窪み形状を有していることが好ましい。
上記()の構成によると、磁気センサー素子の近接場光発生面において、レーザー光の通過を防止できるとともに、第1の金属体層と磁性体層との間で電場が閉じ込められることによって、より微小サイズの近接場光を得ることができるため、磁気記録媒体上の加熱領域を微細化でき、さらに高分解能の光アシスト再生を実現することができる。加えて、磁気シールドの役割を果たす磁性体層の厚みが、第1の金属体層における突起形状部以外の部分では厚いので、ノイズ源となる隣接ビットからの漏洩磁界や周りの浮遊磁界を打ち消す効果が高い磁気センサー素子を提供できる。
) 上記()の磁気センサー素子においては、前記磁性体層と前記誘電体層との間に、第2の金属体層が形成されていることが好ましい。
) 上記()の磁気センサー素子においては、前記第2の金属体層と前記第1の金属体層における突起形状部先端との間の距離が、2nm以上100nm以下であることが好ましい。
) 上記()の磁気センサー素子においては、前記第2の金属体層と前記第1の金属体層における突起形状部先端との間の距離が、15nm以上70nm以下であることが好ましい。
) 上記()の磁気センサー素子においては、前記第2の金属体層の膜厚が2nm以上100nm以下であることが好ましい。
上記()〜()の磁気センサー素子によれば、磁性体層に接して形成された第2の金属体層と、第1の金属体層の突起形状との間でより強い電場の多重干渉効果が得られることから、特に高強度の近接場光が得られ、磁気記録媒体をより効率的に加熱できる磁気センサー素子を提供できる効果を奏する。すなわち、より低い強度のレーザー光を照射した場合でも高強度の近接場光が得られるため、レーザー光源の更なる低消費電力化が実現できる。また、上記のように、レーザー光の照射強度を低減できることによって、磁気センシング部が過度に熱せられることが無く、磁界検出能力の高い磁気センサー素子を提供できる。
別の観点によると、本発明の磁気センサー素子は、磁性体層上に誘電体層、第1の金属体層の順に積層された近接場光発生部と、前記近接場光発生部の前記磁性体層外側または前記第1の金属体層外側に形成されている磁気センシング部とを有しており、前記磁性体層と前記第1の金属体層との間に、前記第1の金属体層側表面に溝部が形成されている第2の金属体層が設けられているとともに、前記誘電体層全体が前記溝部を充塞するように形成されている。
10別の観点によると、本発明の磁気センサー素子は、磁性体層上に誘電体層、第1の金属体層の順に積層された近接場光発生部と、前記近接場光発生部の前記磁性体層外側または前記第1の金属体層外側に形成されている磁気センシング部とを有しており、前記磁性体層の前記第1の金属体層側表面に溝部が形成されているとともに、前記誘電体層全体が前記溝部を充塞するように形成されている
11別の観点によると、本発明の磁気センサー素子は、磁性体層上に誘電体層、第1の金属体層の順に積層された近接場光発生部と、前記近接場光発生部の前記磁性体層外側または前記第1の金属体層外側に形成されている磁気センシング部とを有しており、前記第1の金属体層の前記磁性体層側表面に溝部が形成されているとともに、前記誘電体層全体が前記溝部を充塞するように形成されている。なお、(12) 上記(10)又は(11)においては、前記第1の金属体層が、前記磁性体層方向に突起した突起形状部を有していることが好ましい。
(13) 或いは、上記()の磁気センサー素子においては、前記誘電体層の膜厚が5nm以上20nm以下、膜面方向の幅が50nm以上100nm以下であることが好ましい。
(14) 或いは、上記()の磁気センサー素子においては、前記第1の金属体層の最も薄い部分の膜厚が8nm以上100nm以下であることが好ましい。
上記()〜(14)の構成によると、誘電体層の大きさにほぼ相当する範囲で近接場光が得られるため、誘電体層の大きさを制御することによって、発生する近接場光のサイズを制御することが可能である。また、上記()の構成によると、誘電体層が第1の金属体層と第2の金属体層とに囲まれるので、第1の金属体層及び第2の金属体層と磁性体層との間に起こる多重干渉効果によって、さらに近接場光を増強できるとともに、再生分解能の高い光アシスト再生が実現できる磁気センサー素子を提供できる。また、上記(10)〜(14)の構成によると、磁性体層と第1の金属体層との間に起こる多重干渉効果によって、近接場光を増強できるため、磁気記録媒体を効率的に加熱できるとともに、再生分解能の高い光アシスト再生が実現できる磁気センサー素子を提供できる。
(15) 上記()の磁気センサー素子においては、前記磁性体層と前記誘電体層との間に、第2の金属体層が形成されていることが好ましい。これにより、上記(10)〜(14)の磁気センサー素子よりも更に大きな電場の多重干渉効果が得られるため、(10)〜(14)の磁気センサー素子よりも高強度の近接場光を得ることができ、磁気記録媒体をより効率的に加熱できる磁気センサー素子を提供できる。
(16) 上記(1)〜()の磁気センサー素子においては、前記第1の金属体層が、Au,Ag,Al又はこれらを主体とする合金から形成されていることが好ましい。
(17) 上記()又は(15)の磁気センサー素子においては、前記第1の金属体層及び前記第2の金属体層が、Au,Ag,Al又はこれらを主体とする合金から形成されていることが好ましい。
上記(16)又は(17)の構成によると、特に高強度の近接場光を得ることができ、磁気記録媒体を極めて効率的に加熱できる磁気センサー素子を提供できる。
(18) 本発明の磁気再生ヘッドは、上記(1)〜()の磁気センサー素子が表面に形成されている基体と、前記基体の前記磁気センサー素子における近接場光出射側の面に形成されているABS(Air Bearing Surface)面形状とを有している。これにより、基体をスライダとして(1)〜()の磁気センサー素子を磁気再生ヘッドに適用できるとともに、製造プロセスが簡略で、軽量、且つ、磁気センサーとスライダとの位置決めが高精度な光アシスト再生用磁気再生ヘッドを提供できる。
(19) 上記(18)の磁気再生ヘッドにおいては、前記磁気センサー素子において近接場光を発生させるためのレーザー光源が、前記基体上に形成されていることが好ましい。これにより、磁気センサー素子とレーザー光源とが一体化された磁気再生ヘッドを提供できるので、磁気センサーに対する光ビームの照射位置決め精度が極めて高く、高精度な光アシスト再生を実現できるとともに、超小型の光アシスト再生用磁気再生ヘッドを提供できる。
(20) 上記(18)の磁気再生ヘッドにおいては、前記基体上において前記磁気センサー素子に照射される光ビームの光軸上の一部に、前記磁気センサー素子に含まれる磁気センシング部に前記光ビームが照射されることを防ぐための遮光体が設けられていることが好ましい。これにより、磁気センシング部の温度上昇を抑え、近接場光発生源近傍にのみ光ビームを照射できるので、磁気センシング部の磁界検出性能を損なうことなく、近接場光を用いた効率的な光アシスト再生が実現できる。
(21) 本発明の磁気再生装置は、上記(18)の磁気再生ヘッドと、前記磁気再生ヘッドによって磁気再生が行われる磁気記録媒体とを備えている。これにより、上述の磁気再生ヘッドの効果を奏するとともに、効率的な光アシスト再生が可能な磁気再生装置を提供できる。
(22) 上記(21)の磁気再生装置においては、前記磁気再生ヘッドにおける磁気センサー素子が、前記磁気再生ヘッドにおける近接場光発生位置よりも前記磁気記録媒体の移動方向の後方に配設されていることが好ましい。これにより、磁気記録媒体の加熱領域を効率的に磁気センサー素子直下に移動させることが可能となり、光アシスト再生を効率よく実現できる磁気再生装置を提供できる。
(23) 本発明の磁気再生方法は、上記(21)の磁気再生装置を用い、前記磁気再生ヘッドにおける磁気センサー素子から近接場光が発せられ、前記近接場光により磁気記録媒体上に加熱領域が形成されるとともに、前記加熱領域から生じる磁界を前記磁気センサー素子に含まれる磁気センシング部を用いて検出するものである。これにより、(21)の磁気再生装置を用いて、高精度かつ効率的な光アシスト再生を実現できる。
<第1実施形態>
以下、図面を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る磁気センサー素子について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る磁気センサー素子の主要部を磁気記録媒体対向面側から見た際の一部拡大平面図である。本発明の第1実施形態に係る磁気センサー素子の主要部のX−Y断面形状は、図1の平面図と同様の形状である。
図1に示すように、磁気センサー素子1においては、磁性体層2と、磁性体層2上に積層されてなるバッファ層3と、このバッファ層3上に磁化固定層4、非磁性体層5、磁化自由層6の順に積層された磁気抵抗効果素子からなる磁気センシング部7とを有している。そして、バッファ層3とともに磁気センシング部7を挟み込むように積層されているバッファ層8と、バッファ層3、磁気センシング部7及びバッファ層8からなる部分の両側であり且つ磁性体層2上に、不導体層9を介して積層されているバイアス層10とを有している。さらに、バッファ層8、不導体層9及びバイアス層10の表面を覆うように積層されている磁性体層11と、磁性体層11上に積層された後、後述する金属体層13の突起形状部と一致する窪み形状を有するように加工されている誘電体層12と、誘電体層12の上に積層されている金属体層13とを有している。そして、磁性体層11、誘電体層12及び金属体層13からなる部分は、近接場光発生部14を形成している。
磁性体層2及び磁性体層11は、磁気センサー素子1を磁気再生装置の再生ヘッドに用いた際に、ノイズ源となる磁気記録媒体の読み取りたいビットの隣接ビットからの漏洩磁界や磁気再生装置内の浮遊磁界を打ち消し、磁気センシング部7の膜厚方向(図1中のY方向、磁気記録媒体のトラック長さ方向に相当)の磁界検出分解能を高める磁気シールドの役割を果たすものであり、NiFeやNiFeTa等の軟磁性材料を用いて形成される。また、磁気センシング部7に電流を流すための電極としての役割をも兼ねる。磁性体層2及び磁性体層11の膜厚は、ノイズ源となる磁界を打ち消すことのできる膜厚であれば良く、特に限定するものではないが、磁性体層11については、近接場光16と磁気センシング部7との距離を近づけて効率的な光アシスト再生を行う観点から、50nmから500nm程度、磁性体層2については500nmから3μm程度とする。また、磁性体層11は誘電体層12と接しており、金属体層13の突起先端部との間で相互作用(多重干渉)を生じて、近接場光16の強度を増幅する部材となる。
バッファ層3及びバッファ層8は、磁気センシング部7の膜表面粗さを低減する目的、磁気センシング部7を構成する層と磁性体層2および磁性体層11との密着性を高める目的、および、エッチング等の加工に伴う磁気センシング部7のダメージを防ぐ目的で形成されるものであり、例えばTa、Ti、Pt、Ruやこれらの積層構造で形成される。
磁気センシング部7における磁化固定層4は、強磁性体と反強磁性体との積層構造(図示しない)によって構成され、反強磁性体によって強磁性体の磁化方向が一方向に固定された層である。上記強磁性体層には、例えばFe、CoFe、CoFeBを用いることができ、上記反強磁性体層には、例えばMnPt、MnIr、MnFeを用いることができる。一変形例として、磁化固定層4には、磁化固定層4自身から生じる磁界を軽減する目的で、上記強磁性体層の中間に膜厚1nm以下程度の非磁性体層を用いるものを用いてもよい。また、上記非磁性体層には、例えばRuやPtを用いる。
磁気センシング部7における非磁性体層5は、磁化固定層4と磁化自由層6との磁気的な結合を切り離す役割を果たし、非磁性体層5がCuに代表される導電体で形成されている場合には、磁気センサー素子1はCPP−GMR(Current Perpendicular to Plane - Giant Magneto-resistive)素子となり、非磁性体層12がAl23やMgOに代表される絶縁体で形成されている場合にはTMR(Tunneling Magneto-resistive)素子となる。
磁気センシング部7における磁化自由層6は、外部磁界を検出するための層であり、透磁率の高い材料が適している。例えば、Fe、NiFe、NiFeTa、CoFe、CoFeB、GdCo、GdFeCo、HoFeCo、FeRh、FeRhIrやこれらを含む材料、および、これらの材料からなる層を複数積層した構成を用いる。
本実施形態での磁気センシング部7には磁気抵抗効果素子を用いているが、一変形例としてホール効果素子に代表される磁気を検出する部材を用いてもよい。
不導体層9は、上下電極を兼ねる磁性体層2および磁性体層11の間の電流短絡を防ぐ目的で形成されるもので、電気抵抗の高いAl23又はSiO2などから形成される。
バイアス層10は、磁化自由層6の磁化方向を一様に揃えるためのバイアス磁界を付与するためのものであり、CoPt、CoFePt、CoPtB、CoCrPt、CoCrPtBなどの強磁性体からなる。
誘電体層12は、磁気センサー素子1に照射される光ビーム15の電場を金属体層13と磁性体層11との間の界面で表面プラズモンとして伝播させ、磁気センサー素子1の媒体対向面(光ビーム15が照射された面と反対側の面)で近接場光16を発生させるためのものであって、表面プラズモンを効率的に伝播させる観点から、低屈折率の誘電体材料を選択する。具体的には、SiO2やSiN、Al23、AlN、MgF2、MgO等の材料が用いられる。
金属体層13は、誘電体層12との界面で表面プラズモンを伝播させ、磁気センサー素子1の媒体対向面(光ビーム15が照射された面と反対側の面)で近接場光16を発生させるためのものであって、可視光波長近傍の半導体レーザーから照射される光ビーム15に対して効率良くプラズモンを伝播できる材料を用いる。例えば、半導体レーザーで発光できる波長(400〜1300nm程度)近傍においては、プラズモン発生効率が高いAu,Ag,Alまたはこれらを主体とする合金材料(非磁性体材料)が用いられる。ただし、必ずしもこれらの材料である必要はなく、一変形例として磁性体材料を用いてもよい。また、金属体層13は、図1に示すように、一部に磁性体層11方向に突起した突起形状部を有している。磁性体層11と金属体層13における突起形状部先端との間の距離は、5nm以上100nm以下、若しくは、15nm以上50nm以下である。
図1においては、磁性体層11と金属体層13の突起形状部との間に形成された誘電体層12の近傍に光軸を有する光ビーム15を、磁気センサー素子1の奥側から手前側に向かって照射することによって、磁気センサー素子1における光ビーム15照射面(図1の紙面奥手側の面)と反対側の面(図1の紙面手前側の面)において近接場光16が生じている様子も模式的に示している。図1に示されている近接場光16は、金属体層13の突起形状部と磁性体層11との間の相互作用(多重干渉)によって増強されている。
次に、磁気センサー素子1の製造方法について説明する。図2は、図1の磁気センサー素子の製造工程を順に示す図である。なお、磁気センサー素子1の形成にはスパッタリング法を用いる。
まず、n型GaAsからなる基板17上に、膜厚50nmのSiO2からなる絶縁層18を形成し、続いて、膜厚1μmのNiFeからなる磁性体層2を形成する(図3(a)参照))。これにより、磁性体層2と基板17とは電気的に絶縁される。
次に、Taからなるバッファ層3を膜厚50nmで形成した後、MnPt(膜厚:15nm)/CoFeB(3nm)/Ru(0.8nm)/CoFeB(2.5nm)からなる磁化固定層4、MgO(膜厚:1nm)からなる非磁性体層5、CoFeB(膜厚:3nm)/NiFe(5nm)からなる磁化自由層6を形成して、磁気センシング部7を形成し、続いて、膜厚50nmのTaからなるバッファ層8を形成する(図3(b)参照)。
そして、フォトレジスト(図示せず)をバッファ層8表面上の所定部分に形成し、バッファ層8、磁気センシング部7及びバッファ層3からなる積層体部分を、フォトリソグラフィーで磁化自由層6の幅(図2紙面横方向の長さ)が100nmとなるように加工した後の表面に膜厚5nmのSiO2からなる不導体層9を形成し、続いて、膜厚100nmのCoPtBからなるバイアス層10を形成する。そして、バッファ層8上のフォトレジストを除去する。このとき、フォトレジスト上の不導体層9及びバイアス層10も除去される(図3(c)参照)。
続いて、バッファ層8、不導体層9及びバイアス層10の上に、NiFeからなる磁性体層11を膜厚150nmで形成する(図3(d)参照)。
そして、膜厚3μmのSiO2からなる誘電体層12を形成した後(図3(e)参照)、フォトリソグラフィーと反応性イオンエッチングとを用いて誘電体層12に略V字の窪み形状を形成し、ここに膜厚3μmのAuからなる金属体層13を形成して略V字の窪み形状を埋める(図3(f)参照)。これにより、磁性体層11、誘電体層12及び金属体層13からなる近接場光発生部14を形成できる。
最後に、図示しないが、絶縁層18から金属体層13に至るまでの積層体をZ方向(図1紙面の奥行き方向)の長さが100nmとなるように加工して、磁気センサー素子1を完成する。このときの磁気センサー素子1のZ方向の長さは、光ビーム15が磁気センサー素子1を透過してしまわない程度に長くする必要があるので、50nm以上とする。これらの工程を経て、磁気センサー素子1は完成する。
なお、磁気センサー素子1の各層の形成方法としてスパッタリング法を用いたが、一変形例として、磁性体層11の形成には電鋳法を用いることもできる。
上述のような構成を有する磁気センサー素子1は、外部磁界の向きによって、磁化自由層6の磁化方向が変化し、磁化自由層6と磁化固定層4との磁化方向が互いに平行か反平行かによって、磁気センシング部7に流れる電流量が変化する特性を有する。この特性を利用して、例えば磁気記録媒体の磁気記録情報を読み出すことができる。
本実施形態の磁気センサー素子1によれば、磁性体層2及び磁性体層11が、磁気センシング部7の磁気シールドとしての役割と、レーザー光源からレーザー光が照射された際に近接場光16を発生し且つ増強する部材としての役割とを兼ねることができる。従って、近接場光16発生箇所を磁気センシング部7(より詳しくは磁化自由層6)の極近傍に配置できるとともに、増幅された高強度の近接場光16を磁気記録媒体に照射できるという効果を併せ持つ。上記のように、近接場光発生部14を磁気センシング部7の極近傍に配置できることから、近接場光16で加熱された磁気記録媒体の加熱領域の自然冷却を極めて小さく抑えることができ、効率的な光アシスト再生が実現できる。
また、近接場光16発生源である金属体層13の突起形状部先端と、磁気センシング部7とが、薄膜形成法を用いて連続形成されているため、近接場光16を発生するための素子と磁気センサー素子1とを、個別に形成して組み合わせる必要が無く、さらに、近接場光16発生源と磁気センシング部7との位置合わせが容易であるため、製造プロセスが簡略化できるとともに、精度の高い近接場光アシスト再生用の磁気センサー素子1を実現できる。
また、磁気記録媒体を過度に加熱する必要が無いため、レーザー光源の低消費電力化が可能である。さらには、磁気記録媒体の加熱領域が小さくなって高分解能の光アシスト再生が実現できる。加えて、光アシスト再生時に磁気記録媒体を誤消去するおそれが少なくなり、媒体設計マージンが広がるという効果も奏する。これにより、記録素子とのハイブリッド化も可能となる。また、上記のように、増幅された高強度の近接場光16を磁気記録媒体に照射できるため、レーザー光源からの光を低出力で照射した場合でも高強度の近接場光16が得られる。この観点からも、レーザー光源の低消費電力化が実現できる。また、上記のように、レーザー光の照射強度を低減できることによって、磁気センシング部7が過度に熱せられることが無く、磁界検出能力の高い磁気センサー素子1を提供できる。
さらに、磁性体層11が近接場光発生部14の一部であるとともに磁気シールドの役割も果たすことから、磁気シールドの役割を果たす部材と、近接場光を発生し増強する役割を果たす部材とを個別に形成する場合に比べて、部材を減らすことができる効果を奏する。加えて、薄膜形成法を用いて磁気センシング部7と近接場光発生部14とを同一の基板17上に連続形成できるので、製造コストが低く、小型で軽量化できるとともに、記録素子とのハイブリッド化が容易な磁気センサー素子1を提供できる。
加えて、金属体層13が、磁性体層11方向に突起した突起形状部を有しているので、光ビーム15が照射されることによって、近接場光16を金属体層13の突起形状部先端周辺に局所的に発生させるとともに、誘電体層12と金属体層13との界面で生じた表面プラズモンと、磁性体層11と誘電体層12との界面で生じた表面プラズモンとの共鳴(多重干渉効果)によって、近接場光16を増幅できるため、磁気記録媒体を効率的に加熱できる。これにより、再生分解能の高い光アシスト再生を実現できる磁気センサー素子1を提供できる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る磁気センサー素子について説明する。図3は、本発明の第2実施形態に係る磁気センサー素子の主要部を磁気記録媒体対向面側から見た際の一部拡大平面図である。なお、第1実施形態の符合1〜16と同様の部分には、順に符号21〜36を付け、その説明を省略することがある。本発明の第2実施形態に係る磁気センサー素子の主要部のX−Y断面形状は、図3の平面図と同様の形状である。
図3に示す磁気センサー素子21においては、金属体層37が誘電体層32と磁性体層31との間に形成されている点、及び、磁性体層31、金属体層37(第2の金属体層)、誘電体層32及び金属体層33(第1の金属体層)からなる積層体部分が近接場光発生部34を形成している点で、第1実施形態の磁気センサー素子1と異なる。
金属体層37には、金属体層33と同様、Au,Ag,Alまたはこれらを主体とする合金材料を用いる。
本実施形態の製造方法は、第1実施形態とほぼ同様であるが、磁性体層31を形成した後に金属体層37を形成し、続いて誘電体層32を形成する工程を有している点で異なる。
本実施形態の磁気センサー素子21によれば、第1実施形態と同様の効果を奏するとともに、金属体層37によっても、金属体層33と同様、半導体レーザーから照射される光ビーム35によって発生する表面プラズモンを、誘電体層32との界面で効率的に伝播できる。すなわち、磁性体層31に接して形成された金属体層37と、金属体層33の突起形状部との間で第1実施形態の磁気センサー素子1より強い電場の多重干渉効果が得られることから、特に高強度の近接場光36が得られ、磁気記録媒体をより効率的に加熱できる磁気センサー素子21を提供できる。
また、これらの効果を奏することから、より低い強度の光ビーム35を照射した場合でも高強度の近接場光36が得られるため、レーザー光源の更なる低消費電力化が実現できる。その結果として、光ビーム35の照射強度をより低減できることから、磁気センシング部27の加熱をより低減でき、磁界検出能力の高い磁気センサー素子21を提供できる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る磁気センサー素子について説明する。図4は、本発明の第3実施形態に係る磁気センサー素子の主要部を磁気記録媒体対向面側から見た際の一部拡大平面図である。なお、第1実施形態の符合1〜16と同様の部分には、順に符号41〜56を付け、その説明を省略することがある。本発明の第3実施形態に係る磁気センサー素子の主要部のX−Y断面形状は、図4の平面図と同様の形状である。
図4に示す磁気センサー素子41においては、誘電体層52が、略V字形状の金属体層53の突起形状部に接しているとともに、この突起形状部と相補的な略V字形状の断面を有するように形成されている点、及び、磁性体層51が、誘電体層52の略V字形状に合わせた相補的な略V字の窪み形状となっている点で、第1実施形態の磁気センサー素子1と異なる。
本実施形態の製造方法は、第1実施形態とほぼ同様であるが、第1実施形態における磁性体層11から金属体層13を形成するまでの工程に代えて、磁性体層51を膜厚3μmで形成し、フォトリソグラフィーと反応性イオンエッチングを用いて磁性体層51に略V字の窪み形状を形成する工程と、この窪み形状にSiO2を膜厚25nmで形成し、フォトリソグラフィーと反応性イオンエッチングを用いてSiO2層に略V字の窪み形状を有する誘電体層52を形成する工程と、金属体層53としてAuを膜厚3μmでそれぞれ形成して誘電体層52における略V字の窪み形状を埋める工程とを行う点が異なる。
本実施形態の磁気センサー素子41によれば、第1実施形態と同様の効果を奏するとともに、磁性体層51と金属体層53との間で電場が閉じ込められることによって、より微小サイズの近接場光56を得ることができるため、磁気記録媒体上の加熱領域を微細化でき、さらに高分解能の光アシスト再生を実現することができる。
また、磁性体層51を図4に示したような形状とすることで、近接場光56周囲の磁性体層51を第1実施形態の磁性体層11よりも厚く形成できることから、磁気センサー素子41のノイズ源となっている、隣接ビットからの漏洩磁界や磁気センサー素子41外部の浮遊磁界を打ち消す効果を高めることができる。
また、誘電体層52の断面積を全体的に小さくできることから、磁気センサー素子41の近接場光56発生面(磁気記録媒体対向面)において、光ビーム55の透過光成分(far field成分)の通過を防ぐ効果がより高くなる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る磁気センサー素子について説明する。図5は、本発明の第4実施形態に係る磁気センサー素子の主要部を磁気記録媒体対向面側から見た際の一部拡大平面図である。なお、第1実施形態の符合1〜16と同様の部分には、順に符号61〜76を付け、その説明を省略することがある。本発明の第4実施形態に係る磁気センサー素子の主要部のX−Y断面形状は、図5の平面図と同様の形状である。
図5に示す磁気センサー素子61においては、誘電体層72が、略V字形状の金属体層73(第1の金属体層)の突起形状部に接しているとともに、この突起形状部と相補的な略V字形状の断面を有するように形成されている点、金属体層77(第2の金属体層)が、誘電体層72の略V字形状に合わせた相補的な略V字形状の断面を有するように形成されている点、及び、磁性体層71が、金属体層77の略V字形状に合わせた相補的な略V字の窪み形状となっている点で、第1実施形態の磁気センサー素子1と異なる。また、磁気センサー素子61においては、上述の金属体層77が、磁性体層71と誘電体層72との間に挟まれるように形成されている点で、第3実施形態の磁気センサー素子41と異なる。
金属体層77には、金属体層73と同様、Au,Ag,Alまたはこれらを主体とする合金材料を用いている。
本実施形態の製造方法は、第3実施形態とほぼ同様であるが、第1実施形態における誘電体層52及び金属体層53を形成する工程に代えて、(1)略V字の窪み形状を有する磁性体層71を形成した後、(2)磁性体層71の窪み形状に沿って形成されているとともに、略V字形状の断面を有する金属体層77(膜厚2nmから100nm)を形成し、(3)続いて金属体層77に沿って形成されているとともに、略V字形状の断面を有する誘電体層32(膜厚25nm)を形成し、(4)最後に誘電体層32上部の略V字形状となっている窪みを埋めるようにして金属体層73(Au:膜厚3μm)を形成する、という工程を有している点で異なる。
本実施形態の磁気センサー素子61によれば、磁性体層71と金属体層73との間で電場が閉じ込められるという作用において異なる点があるものの、効果においては第3実施形態と同様である。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態に係る磁気センサー素子について説明する。図6は、本発明の第5実施形態に係る磁気センサー素子の主要部を磁気記録媒体対向面側から見た際の一部拡大平面図である。なお、第1実施形態の符合1〜16と同様の部分には、順に符号81〜96を付け、その説明を省略することがある。本発明の第5実施形態に係る磁気センサー素子の主要部のX−Y断面形状は、図6の平面図と同様の形状である。
図6に示す磁気センサー素子81においては、バッファ層88、不導体層89及びバイアス層90の上に、金属体層93、誘電体層92、磁性体層91が順に形成された近接場光発生部94を有している点、すなわち、磁性体層91と磁気センシング部87との間に誘電体層92と金属体層93とが形成されている点で、第1実施形態の磁気センサー素子1と主に異なる。
近接場光発生部94は、具体的に説明すると、磁性体層91における金属体層93側の面の一部に凹部が設けられ、この凹部に誘電体層92の全体が形成されるとともに、磁性体層91と金属体層93とで誘電体層92を囲み込むような構成となっている。磁性体層91は、比較的厚く形成しても誘電体層92に照射される近接場光源が磁気センシング部87から離れてしまうことが無いため、500nmないしはそれ以上の膜厚で形成しても構わない。
金属体層93は、磁気センシング部87とバッファ層88を介して接しており、磁気センシング部87の電極としての役割も兼ねる。
次に、磁気センサー素子81の製造方法について説明する。図7は、図6の磁気センサー素子の製造工程を順に示す図である。
まず、第1実施形態の図2(a)〜(c)と同様の製造工程である図7(a)〜(c)の製造工程に示すように、n型GaAsからなる基板97上に、膜厚50nmのSiO2からなる絶縁膜98を形成し、磁性体層82、バッファ層83、磁化固定層84、非磁性体層85、磁化自由層86の順に積層された磁気抵抗効果素子からなる磁気センシング部87、バッファ層88、不導体層89、バイアス層90を順に形成する。
次に、バッファ層88、不導体層89及びバイアス層90の上に、金属体層93、誘電体層92を順に積層し(図7(d)参照)、誘電体層92をフォトリソグラフィーで略矩形に加工した後(図7(e)参照)、誘電体層92とともに金属体層93を覆うように磁性体層91を積層する(図7(f)参照)。これらの工程を経て、磁気センサー素子81は完成する。
本実施形態の磁気センサー素子81によれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏する(第1実施形態における金属体層13の突起形状部に関する作用効果を除く。)とともに、以下の作用効果をも奏する。磁気センサー素子81においては、磁性体層91の磁気センシング部87側に誘電体層92が形成されており、誘電体層92近傍に光軸を有する光ビーム95を照射することができる。このため、近接場光96発生箇所が、磁性体層91の磁気センシング部87側に位置することになるので、金属体層93の厚さが薄い場合には、磁気センシング部87の極近傍で近接場光96を発生させることができる。従って、光アシスト再生を行う際に、磁気記録媒体を近接場光96で加熱した後、磁気記録媒体の温度低下が小さいうちに磁気センシング部87で漏洩磁界を検出できるため、極めて効率の良い近接場光アシスト再生が実現できる。
また、磁性体層91を厚く形成した場合でも、近接場光96発生箇所が磁気センシング部87から離れてしまうことが無いため、磁気信号再生時のノイズ源となる隣接ビットからの漏洩磁界や外部の浮遊磁界を打ち消す効果が高い磁気センサー素子81を提供できる。
さらに、誘電体層92が磁性体層91と金属体層93とによって周囲を囲まれた形状となっていることにより、誘電体層92の大きさに相当する微小領域で高強度の電場を得ることができる。従って、誘電体層92の大きさを制御することによって、発生する近接場光96のサイズを制御することが可能である。
また、従来の磁気抵抗効果素子に最小で15nm程度の膜厚の近接場光発生部94を追加するだけで、近接場光96を磁気センシング部87の極近傍で発生できるため、部材や製造プロセスの増加が軽微であり、安価、軽量な磁気センサー素子81を提供できるのみならず、高効率な光アシスト再生を実現できる。さらに、上記のように、膜厚増加が僅かであるため、磁性体層91と磁気センシング部87との間に近接場光96発生箇所を形成しても、磁性体層91が持つノイズ磁界を打ち消す効果を損ねることなく、高い再生分解能を持った磁気センサー素子81を提供できる。
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態に係る磁気センサー素子について説明する。図8は、本発明の第6実施形態に係る磁気センサー素子の主要部を磁気記録媒体対向面側から見た際の一部拡大平面図である。なお、第1実施形態の符合1〜16と同様の部分には、順に符号101〜116を付け、その説明を省略することがある。本発明の第6実施形態に係る磁気センサー素子の主要部のX−Y断面形状は、図8の平面図と同様の形状である。
図8に示す磁気センサー素子101においては、バッファ層108、不導体層109及びバイアス層110の上に、金属体層113、誘電体層112、磁性体層111が順に形成された近接場光発生部114を有している点、すなわち、磁性体層111と磁気センシング部107との間に誘電体層112と金属体層113とが形成されている点で、第1実施形態の磁気センサー素子1と異なる。また、磁気センサー素子101においては、金属体層113における磁性体層111側の面の一部に凹部が設けられ、この凹部に誘電体層112の全体が形成されるとともに、磁性体層111と金属体層113とで誘電体層112を囲み込むような構成となっている近接場光発生部114を有している点で、第5実施形態の磁気センサー素子81と異なる。
本実施形態の製造方法は、第5実施形態とほぼ同様であるが、金属体層113の一部に誘電体層112が埋め込まれた凹部を形成する工程を有している点と、磁性体層111に凹部を形成する工程を有していない点とで異なる。
本実施形態の磁気センサー素子101によれば、第5実施形態と同様の作用効果を奏する。
<第7実施形態>
次に、本発明の第7実施形態に係る磁気センサー素子について説明する。図9は、本発明の第7実施形態に係る磁気センサー素子の主要部を磁気記録媒体対向面側から見た際の一部拡大平面図である。なお、第1実施形態の符合1〜16と同様の部分には、順に符号121〜136を付け、その説明を省略することがある。本発明の第7実施形態に係る磁気センサー素子の主要部のX−Y断面形状は、図9の平面図と同様の形状である。
図9に示す磁気センサー素子121においては、バッファ層128、不導体層129及びバイアス層130の上に、金属体層133(第1の金属体層)、誘電体層132、金属体層137(第2の金属体層)、磁性体層131が順に形成された近接場光発生部134を有している点、すなわち、磁性体層131と磁気センシング部127との間に、金属体層137と誘電体層132と金属体層133とが形成されている点で、第1実施形態の磁気センサー素子1と異なる。また、磁気センサー素子121においては、金属体層133における磁性体層131側の面の一部に凹部が設けられ、この凹部に誘電体層132の全体が形成されるとともに、磁性体層131と接して形成されている金属体層133と金属体層137とで誘電体層112を囲み込むような構成となっている近接場光発生部134を有している点で、第6実施形態の磁気センサー素子101と異なる。
金属体層137には、金属体層133と同様、Au,Ag,Alまたはこれらを主体とする合金材料を用いる。
本実施形態の製造方法は、第6実施形態とほぼ同様であるが、金属体層133と磁性体層131及び誘電体層132との間に金属体層137を形成する工程を有している点で異なる。
本実施形態の磁気センサー素子121によれば、第5実施形態と同様の作用効果を奏する。
<第8実施形態>
次に、本発明の第8実施形態に係る磁気センサー素子について説明する。図10は、本発明の第8実施形態に係る磁気センサー素子の主要部を磁気記録媒体対向面側から見た際の一部拡大平面図である。なお、第1実施形態の符合1〜16と同様の部分には、順に符号141〜156を付け、その説明を省略することがある。本発明の第8実施形態に係る磁気センサー素子の主要部のX−Y断面形状は、図10の平面図と同様の形状である。
図10に示す磁気センサー素子141においては、バッファ層148、不導体層149及びバイアス層150の上に、金属体層153(第1の金属体層)、誘電体層152、金属体層157(第2の金属体層)、磁性体層151が順に形成された近接場光発生部154を有している点、すなわち、磁性体層151と磁気センシング部147との間に、金属体層157と誘電体層152と金属体層153とが形成されている点で、第1実施形態の磁気センサー素子1と異なる。また、磁気センサー素子141においては、金属体層153の凹部の略中央部に突起形状部153aが形成されている点で、第7実施形態の磁気センサー素子121と異なる。
金属体層157には、金属体層153と同様、Au,Ag,Alまたはこれらを主体とする合金材料を用いる。
本実施形態の製造方法は、第6実施形態とほぼ同様であるが、金属体層153の磁性体層151側の面において、単なる凹部を形成するのではなく、突起形状部153aを略中央部に有するように加工された凹部を形成する工程を有している点で異なる。
本実施形態の磁気センサー素子141によれば、突起形状部153aに光ビーム155が照射されることによって、第1及び第5実施形態と同様の作用効果を奏する。
<第9実施形態>
次に、本発明の第9実施形態に係る磁気センサー素子について説明する。図11は、本発明の第9実施形態に係る磁気センサー素子の主要部を磁気記録媒体対向面側から見た際の一部拡大平面図である。なお、第1実施形態の符合1〜16と同様の部分には、順に符号161〜176を付け、その説明を省略することがある。本発明の第8実施形態に係る磁気センサー素子の主要部のX−Y断面形状は、図11の平面図と同様の形状である。
図11に示す磁気センサー素子161においては、バッファ層168、不導体層169及びバイアス層170の上に形成された磁性体層171における金属体層173側の面の一部に凹部が設けられ、この凹部に誘電体層172の全体が形成されるとともに、磁性体層171と金属体層173とで誘電体層172を囲み込むような構成となっている近接場光発生部174を有している点で、第1実施形態の磁気センサー素子1と異なる。また、磁気センサー素子161においては、下層から磁性体層171、誘電体層172、金属体層173の積層順の近接場光発生部174を有している点で、下層から金属体層93、誘電体層92、磁性体層91の積層順の近接場光発生部94を有している第5実施形態の磁気センサー素子81と異なる。
本実施形態の製造方法は、第5実施形態とバッファ層168、不導体層169及びバイアス層170を形成する工程までは同様であるが、その後の工程が異なる。具体的には、金属体層173を形成する前に誘電体層172が埋め込まれる凹部が形成された磁性体層171を、バッファ層168、不導体層169及びバイアス層170の上に形成する工程を有している点で異なる。
本実施形態の磁気センサー素子161によれば、第5実施形態と同様の作用効果を奏する。
<第10実施形態>
次に、本発明の第10実施形態に係る磁気センサー素子について説明する。図12は、本発明の第10実施形態に係る磁気センサー素子の主要部を磁気記録媒体対向面側から見た際の一部拡大平面図である。なお、第1実施形態の符合1〜16と同様の部分には、順に符号181〜196を付け、その説明を省略することがある。本発明の第8実施形態に係る磁気センサー素子の主要部のX−Y断面形状は、図12の平面図と同様の形状である。
図12に示す磁気センサー素子181においては、バッファ層188、不導体層189及びバイアス層190の上に、磁性体層191、金属体層197が順に形成され、金属体層197(第2の金属体層)における金属体層193(第1の金属体層)側の面の一部に凹部が設けられ、この凹部に誘電体層192の全体が形成されるとともに、金属体層193と金属体層197とで誘電体層192を囲み込むような構成となっている近接場光発生部194を有している点で、第1実施形態の磁気センサー素子1と異なる。また、磁気センサー素子181においては、下層から磁性体層191、金属体層197、誘電体層192、金属体層193の積層順の近接場光発生部194を有している点で、下層から金属体層133、誘電体層132、金属体層137、磁性体層131の積層順の近接場光発生部134を有している第7実施形態の磁気センサー素子81と異なる。
本実施形態の製造方法は、第7実施形態とほぼ同様であるが、近接場光発生部194の製造工程における積層順が、下層から磁性体層191、金属体層197、誘電体層192、金属体層193となっている点で異なる。
本実施形態の磁気センサー素子161によれば、第7実施形態と同様の作用効果を奏する。
<第11実施形態>
次に、本発明の第11実施形態に係る磁気再生ヘッドについて説明する。図13は、本発明の第11実施形態に係る磁気再生ヘッドの主要部の斜視図である。図14は、図13の磁気再生ヘッドの側面(Y−Z平面)図である。なお、第1実施形態の符合1〜16と同様の部分には、順に符号201〜216を付け、その説明を省略することがある。
本実施形態の磁気再生ヘッド1001は、SiO2からなる絶縁層217を介して基板301に実装される磁気センサー素子201と、この磁気センサー素子201における近接場光発生部214に光ビーム215を照射するレーザー光源401と、光ビーム215のうちの一部が磁気センシング部207に照射されないように遮光するための遮光体501とを備えている。
磁気センサー素子201は、第1実施形態の磁気センサー素子1と同構成の素子である。ただし、金属体層13と磁性体層211との間の距離は、光ビーム215が照射される範囲内(ビームスポット内)において、光ビーム215の波長よりも小さくなるよう設定する。このようにすれば、磁気センサー素子201の磁気記録媒体対向面に光ビーム215の透過光(Far Field光)の通過を防ぐことができ、近接場光216のみを得ることが可能となる。
基板301は、磁気記録媒体対向面に、ABS(Air Bearing Surface)面形状302を有している。ABS面形状302は磁気再生ヘッド1001が磁気記録媒体上を浮上する際に、磁気再生ヘッド1001と磁気記録媒体との間の空気の流れを制御して、磁気再生ヘッド1001の浮上高さを5〜10nm程度に調整するために磁気記録媒体対向面に凸形状に形成されるものであり、従来のハードディスク装置に用いられる再生ヘッドのスライダにおいて一般的に用いられるものである。
レーザー光源401は、基板301上の磁気センサー素子201が設けられている平面と同平面に形成されている。金属体層213にAuを主体とする材料を用いる場合、レーザー光源401には、600nmから1μm程度の半導体レーザー、例えば、波長が750〜850nm程度のGaAlAs系半導体レーザーや、波長が620〜680nm程度のGaAlInP系半導体レーザー、さらには、波長が405nm近傍のGaN系半導体レーザー等を用いる。金属体層213にAg,Alを主体とする材料を用いる場合には、600nm以下の短波長半導体レーザーを用いる。
また、レーザー光源401の電極として、電極層402と電極層403とが、それぞれレーザー光源401上と基板301上とに形成されている。
遮光体501は、磁気センサー素子201の光ビーム215照射面近傍の基板301上に形成され、磁気センシング部207に照射される光ビーム215を遮光する高さに形成されている。遮光体501に用いる材料は透過率の低い材料であれば良く、特に限定するものではないが、Au,Ag,Al,Cu,Pt,Ru,Taやこれらの合金を用いることができる。特に、熱伝導率が高い、Au,Au,Cu等の材料を用いれば、放熱体としての効果も奏する。遮光体501のZ方向の厚みは、光ビーム215を遮光できる厚みであればよく、例えば50nm以上の膜厚で形成される。また、X方向には、光ビーム215のスポット径よりも大きな幅で形成される。一変形例として、高い放熱効果を得ようとする場合にはX方向に、基板301の両端まで形成してもよい。
次に、磁気再生ヘッド1001の製造方法について説明する。ここでは、レーザー光源401には、GaAlInP系半導体レーザーを用いたものについて示す。
まず、レーザー光源401をn型GaAsから成る基板301上にMOCVD装置を用いて形成する。具体的には、バッファ層としてn型GaInPを300nmの膜厚で形成し、続いて、n型AlGaInPクラッド層を膜厚1μmで、GaInPから成る活性層を膜厚60nmで、p型AlGaInPクラッド層を膜厚1.2μmで、それぞれ形成する。p型AlGaInPクラッド層の一部にはエッチングを施し、ストライプ状のリッジ構造を形成した上で、リッジ構造上部に膜厚200nmのp型GaInPからなるキャップ層を形成する。リッジ構造以外の領域は膜厚700nmのn型GaAsブロック層を形成し、さらにこれらの上部にp型GaAsからなるコンタクト層、Zn/Au層からなるp型の電極層402を形成する。一方、n型GaAs基板301上にGe/Auを形成し、これをn型の電極層403とする。なお、これらはいずれも公知の半導体レーザーの構造および製造法を用いるものである。続いて、磁気センサー素子201を第1実施形態の磁気センサー素子1と同様の方法で、基板301上に形成する。続いて、基板301の磁気記録媒体対向面にABS面形状302をエッチング法で加工形成し、磁気再生ヘッド1001が完成する。
次に、磁気再生ヘッド1001の動作について説明する。まず、p型の電極層402とn型の電極層403との間に通電し、レーザー光源401から光ビーム215を発生させる。光ビーム215の光軸は、磁性体層211と金属体層213の突起先端部との間に形成された誘電体層212近傍に設定されており、この位置に光ビーム215が照射される。光ビーム215が照射されると、誘電体層212と金属体層213との界面を表面プラズモンが伝播して、光ビーム215の入射面と反対側の面(磁気記録媒体対向面)に達し、金属体層213の突起形状部の先端近傍でプラズモンの集中(電場の集中)が起こることから、光ビーム215の入射面と反対側の面(磁気記録媒体対向面)の金属体層213の突起形状部の先端近傍で、光ビーム215の波長よりも小さなサイズの近接場光216が発生する。このとき、誘電体層212を挟んで金属体層213の突起形状部の先端と対向する磁性体層211とが、金属体層213との相互作用(多重干渉)によって近接場光216の強度を増幅する。このようにして生成された近接場光216を磁気記録媒体に照射することで磁気記録媒体の加熱が行われ、磁気センシング部207(より詳しくは磁化自由層206)によって磁気情報が検出される。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の磁気センサー素子201とレーザー光源401とが一体化された磁気再生ヘッドを提供できるので、磁気センサー素子201に対する光ビーム215の照射位置決め精度が極めて高く、高精度な光アシスト再生を実現できるとともに、超小型の光アシスト再生用の磁気再生ヘッド1001を提供できる。
また、上述のような遮光体501を形成しているので、磁気センシング部207の温度上昇を抑え、近接場光216発生源である磁性体層211、誘電体層212、金属体層213近傍にのみ光ビーム215を照射できる。これにより、磁気センシング部207の磁界検出性能を損なうことなく、近接場光216を用いた効率的な光アシスト再生が実現できる。
このようにABS面形状302を基板301に形成することによって、基板301を磁気再生ヘッド1001のスライダとして用いることができるので、磁気再生ヘッド1001をハードディスク装置内のサスペンションアームに取り付ければ、磁気センサー素子201から発生する近接場光216によってハードディスク装置内の磁気記録媒体を加熱することができ、近接場光216を用いた光アシスト再生を実現できる。
ここで、本実施形態の一変形例として、基板301は、単なる1層の半導体基板でもよいし、例えば、複数層積層された半導体層からなる基体を用いてもよい。
また、本実施形態の磁気再生ヘッド1001においては、レーザー光源401と磁気センサー素子201との間は、空隙としても良く、SiO2やSiN,Al23やAlNに代表される透過率の高い誘電体で覆っても良い。さらには、光ビーム215の経路に光導波路を形成してもよい。
<第12実施形態>
次に、本発明の第12実施形態に係る磁気再生装置について説明する。図15は、本発明の第12実施形態に係る磁気再生装置の摸式構成図である。
本実施形態に係る磁気再生装置2001は、第11実施形態と同構成の磁気再生ヘッド磁気再生ヘッド1002と、ディスク状の磁気記録媒体601と、磁気記録媒体601を回転駆動するためのスピンドル602と、磁気再生ヘッド1002を支持固定するサスペンションアーム603と、サスペンションアーム603を磁気記録媒体601上で駆動するボイスコイルモーター604と、これらを制御するための制御回路605とを含んで成る。制御回路605には、スピンドル602の回転駆動を制御する回転駆動制御装置606と、磁気再生ヘッド1002と信号をやり取りする信号処理装置607と、磁気再生ヘッド1002に形成された光源の出力を制御する出力制御装置608と、読み出した情報を蓄積するためのメモリ装置609とが含まれる。これらの構成は磁気再生ヘッド1002を除いて、何れも公知のハードディスクに用いられる構成である。
磁気再生ヘッド1002における磁気センサー素子は、近接場光の発生位置よりも磁気センシング部が媒体移動方向の後端側に配置される。このように配置することで、光アシスト再生時に、磁気記録媒体601の加熱領域を効率的に磁気センシング部(より詳しくは磁化自由層)の直下に移動させることが可能となる。
磁気記録媒体601には、例えばディスク状のガラス基体上に、記録層としてフェリ磁性体であるTbFeCoを膜厚50nmで形成したものを用いることができる。ここでTbFeCoは光アシスト再生が可能となるように、例えば、室温において保磁力Hcが10kOe以上であり、かつ、トータル磁化がほぼ0となる補償温度となるように組成を調整する。また、磁化が消失するキュリー温度は約200℃程度となるように組成調整する。磁気記録媒体601の記録層上には、この記録層を保護する目的でC膜を膜厚5nm程度で形成し、さらに潤滑剤を膜厚1nmで塗布形成する。
スピンドル602の回転数は、記録再生を安定に行うことができる回転数であればよく、特に限定するものでは無いが、例えば1800rpmから7200rpmの回転数を用いることができる。
次に、磁気再生装置2001の動作について説明する。電源が投入されると、磁気再生ヘッド1002は、スピンドル602の回転に伴って生じる空気流によって5〜10nm程度の浮上高さで磁気記録媒体601上を浮上する。続いて、磁気再生ヘッド1002のレーザー光源に通電し、光ビームを発生させ、これを磁気再生ヘッド1002の磁気センサー素子に照射する。これにより、磁気センサー素子から光ビームの波長よりも小さなサイズの近接場光が発生する。このとき制御回路605に含まれる出力制御装置608は良好な再生信号品質が得られるように、磁気再生ヘッド1002におけるレーザー光源の出力を調整する。近接場光が磁気記録媒体601に照射されると、磁気記録媒体601の記録層が局所的に加熱され、局所加熱箇所の磁気ビットのみから漏洩磁界が発生する。近接場光によって局所加熱された磁気記録媒体601上の加熱領域は、磁気記録媒体601の移動に伴って、磁気再生ヘッド1001の近接場光発生位置よりも媒体移動方向の後端側に形成された磁気センシング部の直下へと移動する。情報記録領域からの漏洩磁界を磁気センシング部の磁化自由層が検出する。これを電気信号に変換して記録情報を読み出す。そして、磁気情報の再生は終了する。
本実施形態によれば、第11実施形態の磁気再生ヘッド1001と同様の効果を奏するとともに、磁気記録媒体601の加熱領域を効率的に磁気再生ヘッド1002における磁気センサー素子直下に移動させることが可能となり、光アシスト再生を効率よく実現でき、高密度な磁気記録が可能な磁気記録再生装置2001を提供できる。
次に、本発明の実施例について説明する。各実施例では、第1〜第7実施形態の磁気センサー素子と同構成の各素子についてシミュレーションを行った。その方法と結果とを以下に示す。なお、下記各実施例のシミュレーションに用いる素子の構成は、各実施形態の磁気センサー素子のいずれかと同構成であるので、説明の便宜のため、同部位については同符合を用いて説明することがある。
(実施例1)
図1に示す第1実施形態の磁気センサー素子1と同構成の素子について、金属体層13の突起形状部の先端付近に波長680nmの光ビーム15を照射した場合の磁気記録媒体対向面における電場強度を、FDTD(Finite Difference Time Domain)法を用いてシミュレーションした。その結果を図16に示す。なお、シミュレーションに際しては光ビーム15の強度分布をガウス分布とし、スポット径を700nmとした。また、入射光の偏向方向は図16中のY方向とした。光ビーム15の電場のピーク強度は1(V/m)2とした。また、金属体層13の突起形状部の先端と、磁性体層11との距離は25nmとした。
図16に示すように、光ビーム15の照射によって、媒体対向面(光ビーム15の入射面と反対側の面)では金属体層13の突起形状部の先端近傍で電場の集中が起こるとともに、磁性体層11との間の相互作用(多重干渉)によって電場強度が増幅され、光ビーム15の電場ピーク強度よりも遥かに大きな50(V/m)2を超える電場強度が得られた。このような強度の大きな電場は、金属体層13の突起形状部の先端から媒体方向(Zが負の方向)に数10nm程度以下の近接した距離でのみ確認でき、上記の電場が近接場光であることを示している。
このように、磁気センサー素子1の磁性体層11、誘電体層12および金属体層13を連続積層形成した構成を近接場光発生部14とすることによって、入射した光ビーム15よりも大きな電場強度が得られることが確認できた。このような磁気センサー素子1は、金属体層13の突起形状部の先端と、磁気センシング部7のトラック幅方向(図1及び図16中X方向)中心との位置合わせが精度良く行える薄膜形成法とフォトリソグラフィーで製造可能である。
(実施例2)
図1に示す第1実施形態の磁気センサー素子1と同構成の素子における、金属体層13と磁性体層11との間隔を変化させた場合の電場強度の変化について、FDTD法を用いたシミュレーションを行った。その結果を図17に示す。図17における横軸は、金属体層13の突起形状部の先端と磁性体層11との間の距離hを、縦軸は、磁気記録媒体対向面における電場強度を示している。
なお、金属体層13と磁性体層11との間隔を変化させた以外の条件は、実施例1のシミュレーション条件と同じである。金属体層13の突起形状部の先端と磁性体層11との距離においては、光ビーム15の透過光成分(far field成分)が金属体層13の周辺から通過しないようにする観点、および、近接場光16と磁気センシング部7とを近付ける観点から、100nm以下程度とすることが望ましいと考えられる。従って、本実施例では、金属体層13の突起形状部の先端と磁性体層11との距離が100nm以下の範囲についてシミュレーションを行った。
図5に示すように、金属体層13の突起形状部の先端と磁性体層11との距離を100nmから小さくして行くと、金属体層13の突起形状部の先端と磁性体層11との間で相互作用(多重干渉)が生じることによって電場強度が増幅される効果が見られ、距離が20nm程度で100(V/m)2程度の大きな電場強度が得られる結果となった。金属体層13の突起形状部の先端と磁性体層11との距離が20nmよりも小さくなると、誘電体層12が薄くなることで表面プラズモンが伝播しにくくなり、得られる電場強度も小さくなるが、5nm以上の距離で光ビーム15の電場強度(1(V/m)2)よりも十分大きな電場強度が得られた。
従って、金属体層13の突起形状部の先端と磁性体層11との距離は、5nmから100nm程度の範囲とすることで、高強度の近接場光16を得ることができる。更に望ましくは、金属体層13と磁性体層11との間の相互作用(多重干渉)による電場強度の増幅効果が特に強い、15nmから50nmの範囲にすると良い。
(実施例3)
図3に示す第2実施形態の磁気センサー素子21と同構成の素子について、実施例1と同じ条件でFDTD法を用いたシミュレーションを行った。すなわち、金属体層33の突起形状部の先端付近に波長680nmの光ビーム35を照射し、磁気記録媒体対向面における電場強度をシミュレーションした。その結果を図18に示す。
シミュレーションに際しては実施例1と同様に、光ビーム35の強度分布をガウス分布とし、スポット径を700nmとした。また、入射光の偏向方向は図18中のY方向とした。光ビーム35の電場のピーク強度は1(V/m)2とした。また、金属体層33の突起形状部の先端と、磁性体層31との距離は25nmとした。
図18に示すように、光ビームの照射によって、金属体層33の突起形状部の先端近傍では、電場の集中が起こり、第1実施形態で得られた電場ピーク強度よりもさらに大きな100(V/m)2を超える電場強度が得られた。このように、第2実施形態の磁気センサー素子21のように、金属体層37を誘電体層32に接して形成した構成では、第1実施形態の磁気センサー素子1よりも大きな電場の集中が得られることを確認できた。
(実施例4)
図3に示す第2実施形態の磁気センサー素子21と同構成の素子における、金属体層33と金属体層37との間隔を変化させた場合の電場強度の変化について、FDTD法を用いたシミュレーションを行った。その結果を図19に示す。図19における横軸は、金属体層33の突起形状部の先端と金属体層37との間の距離hを、縦軸は、媒体対向面における電場強度を示している。図19には、実施例2の結果も合わせて示した。なお、金属体層33と金属体層37との間隔を変化させた以外の条件は実施例3のシミュレーション条件と同じである。
図19に示すように、金属体層33の突起形状部の先端と金属体層37との距離が2nm以上100nm以下の範囲で第1実施形態よりも高い電場強度が得られ、磁性体層31に接して金属体層37を形成することで、実施例2より高い電場増強効果が得られることが確認できた。これは、金属体層37が、プラズモンの吸収が少なく、表面プラズモンをより効率的に発生・伝播できる層なので、プラズモンの増幅効果がより強くなり、高強度の近接場光を得ることができるからである。また、金属体層33の突起形状部の先端と金属体層37との距離が15nm以上70nm以下の範囲では、電場強度が実施例2における最高値よりも大きくなるので、この15nm以上70nm以下の範囲が特に望ましいことがわかる。
(実施例5)
図3に示す第2実施形態の磁気センサー素子21と同構成の素子における金属体層37の膜厚と電場強度との関係について、FDTD法を用いたシミュレーションを行った。その結果を図20に示す。なお、本実施例において、金属体層37の膜厚を変化させた以外の条件は実施例3のシミュレーション条件と同じである。
図20に示すように、金属体層37の膜厚が2nm以上において、実施例1で示した金属体層37が無い場合(膜厚=0nm)よりも大きな電場強度が得られた。金属体層37の膜厚は、近接場光源と磁気センシング部27とを近接場光が達する範囲程度に近付ける観点から100nm以下とすることが望ましいと考えられ、このことから、2nmから100nm程度の範囲とすることが望ましい。
(実施例6)
図4に示す第3実施形態の磁気センサー素子41と同構成の素子について、実施例1と同じ条件でFDTD法を用いたシミュレーションを行った。その結果を図21に示す。
シミュレーションに際しては実施例1と同様に、光ビーム55の強度分布をガウス分布とし、スポット径を700nmとした。また、入射光の偏向方向は図21中のY方向とした。光ビーム55の電場のピーク強度は1(V/m)2とした。
図21に示すように、光ビームの照射によって、金属体層53の突起形状部の先端近傍では、電場の集中が起こり、光ビーム55の電場強度である1(V/m)2を超える電場強度が得られ、金属体層53と磁性体層51との間に電場が閉じ込められ、強度が光ビーム55のピーク強度よりも増強される結果が得られた。
ここで、本実施例で得られた電場強度は、第1又は第2実施形態の磁気センサーと同構成の素子についての実施例1〜5で得られた値よりも小さな値ではあるが、磁性体層51の上部が金属体層53の突起形状部に沿った窪み形状を有していることによって、実施例1〜5の場合に比べて電場がより狭い範囲に閉じ込められた結果、特にトラック幅方向(図21中X方向)に極めて小さな領域で電場集中が生じていることが確認できた。すなわち、第1又は第2実施形態の磁気センサーと同構成の素子についての実施例1〜5の場合に比べて、より小さなサイズの近接場光56を発生可能であることを示している。
この結果から、第3実施形態の磁気センサー素子41を磁気再生ヘッドに用いて光アシスト再生を行った場合、第1、第2実施形態の磁気センサー素子1、21の効果に加えて、磁気記録媒体をより局所的に加熱することが可能となり、より高い分解能で磁気情報を再生可能である。
(実施例7)
図5に示す第4実施形態の磁気センサー素子61と同構成の素子について、金属体層77の膜厚を20nmとして、実施例1と同じ条件でFDTD法を用いたシミュレーションを行った。その結果を図22に示す。
図22に示すように、金属体層77を有している第4実施形態の磁気センサー素子1と同様の素子においても、実施例6と同様に光ビーム75の電場強度である1(V/m)2を超える電場強度が得られ、金属体層73と磁性体層71との間に電場が閉じ込められ、強度が光ビーム75のピーク強度よりも増強される結果が得られた。
また、実施例6と同様に、磁性体層71の上部が金属体層73の突起形状部に沿った窪み形状を有していることによって、第1又は第2実施形態の磁気センサーと同構成の素子についての実施例1〜5の場合に比べて電場がより狭い範囲に閉じ込められた結果、特にトラック幅方向(図22中X方向)に極めて小さな領域で電場集中が生じていることが確認できた。すなわち、第1又は第2実施形態の磁気センサーと同構成の素子についての実施例1〜5に比べて、より小さなサイズの近接場光76を発生可能であることを示している。
(実施例8)
図6に示す第5実施形態の磁気センサー素子81と同構成の素子について、実施例1と同じ条件でFDTD法を用いたシミュレーションを行った。その結果を図23に示した。
シミュレーションに際しては実施例1と同様に、光ビーム95の強度分布をガウス分布とし、スポット径を700nmとした。また、入射光の偏向方向は図23中のY方向とした。光ビーム95の電場のピーク強度は1(V/m)2とした。また、誘電体層92のX方向の長さ(幅)は60nmとし、Y方向の長さ(高さ)を、1nmとした。また金属体層93の膜厚は20nmとした。
図23に示すように、光ビームの照射によって、磁性体層91と金属体層93との間の相互作用(多重干渉)による電場増幅が起こり、誘電体層92において光ビーム95の電場ピーク強度である1(V/m)2を超える電場強度が得られた。
(実施例9)
図6に示す第5実施形態の磁気センサー素子81と同構成の素子について、誘電体層92のY方向の長さ(高さ)hとX方向の長さ(幅)wとをそれぞれ変化させた場合の電場強度(媒体対向面における)の変化をシミュレーションした。なお、誘電体層92のY方向の長さ(高さ)hとX方向の長さ(幅)wとを変化させた以外の条件は実施例8のシミュレーション条件と同じである。
図24には、上述の誘電体層92のY方向の長さ(高さ)hを変化させた場合についてシミュレーションした結果を示した。このときの誘電体層92のX方向の長さ(幅)は60nmとした。図24に示すように、誘電体層92のY方向の長さ(高さ)hが5nm以上20nm以下の範囲で、電場強度が光ビーム95の電場ピーク強度である1(V/m)2を上回り、磁性体層91と金属体層93との間に電場が閉じ込められたことによる増強効果が見られた。このことから、誘電体層92のY方向の長さ(高さ)hは5nm以上20nm以下とすることが特に望ましいことがわかる。
図25には、誘電体層92のX方向の長さ(幅)wを変化させた場合についてシミュレーションした結果を示した。このときの誘電体層92のY方向の長さ(高さ)は10nmとした。図25に示すように、誘電体層92のX方向の長さ(幅)wが50nm以上の場合において、電場強度が光ビーム95の電場ピーク強度である1(V/m)2を上回り、電場の増強効果が見られた。一方で、誘電体層95のX方向の長さ(幅)wが100nmを超えると、近接場光の発生領域の幅が磁気センシング部87の幅よりも広くなり、隣接トラックまでも光アシスト再生してしまうおそれがあることから、誘電体層92のX方向の長さ(幅)wは50nm以上100nm以下とすることが特に望ましい。
(実施例10)
図6に示す第5実施形態の磁気センサー素子81と同構成の素子における、金属体層93の膜厚と電場強度との関係について、シミュレーションを行った。その結果を図26に示す。なお、金属体層93の膜厚を変化させた以外の条件は実施例8のシミュレーション条件と同じである。
図26に示すように、第5実施形態の磁気センサー素子81における金属体層93の膜厚が8nm以上で、光ビーム95の電場ピーク強度である1(V/m)2を上回る値が得られた。また、金属体層93の膜厚は、近接場光源と磁気センシング部87とを近接場光が達する範囲程度に近付ける観点から100nm以下とすることが望ましいと考えられ、このことから、8nm以上100nm以下の範囲とすることが望ましい。
(実施例11)
図8に示す第6実施形態の磁気センサー素子101と同構成の素子について、実施例8と同じ条件でシミュレーションを行った。その結果を図27に示す。
図27に示すように、第6実施形態の磁気センサー素子101と同様、誘電体層112の側部にも金属体層113が接するように形成した場合、5(V/m)2を上回る電場強度が得られ、下面のみに接する場合(2(V/m)2程度)よりも高い増幅効果が得られることが確認できた。
(実施例12)
図9に示す第7実施形態の磁気センサー素子121と同構成の素子について、実施例8と同じ条件でシミュレーションを行った。その結果を図28に示す。
図28に示すように、第7実施形態の磁気センサー素子121と同様、誘電体層132が金属体層133および金属体層137に囲まれた形態とした場合、20(V/m)2を上回る電場強度が得られ、下面のみに接する場合(2(V/m)2程度)や、実施例11で示した誘電体層112の側部にも金属体層113が接するように形成した場合よりも、さらに高い増幅効果が得られることが確認できた。
(実施例13)
図10に示す第8実施形態の磁気センサー素子141と同構成の素子について、実施例8と同じ条件でシミュレーションを行った。その結果を図29に示す。
図29の結果から、100(V/m)2を上回る極めて強い電場増強効果が得られ、且つ、極めて小さなエリアに電場集中が起こっていることが確認できる。
なお、本発明は、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で設計変更できるものであり、上記実施形態や実施例に限定されるものではない。例えば、図示しないが、第11、12実施形態の変形例として、第2〜第10実施形態の各磁気センサー素子を、第11、12実施形態における磁気センサー素子の代わりに用いることもできる。
第5〜第7実施形態においては、誘電体層の断面形状を矩形とした場合について示したが、これ以外の形状としても構わない。例えば三角形形状や、台形形状を用いることができる。この他にも、例えば図10に示した第8実施形態における金属体層153に埋め込まれた誘電体層152のような形状の誘電体層とし、金属体層153と同様の構成の金属体層とともに用いても良い。
また、上記各実施形態において、本発明の磁気再生センサーは、必ずしも上述した製造方法で製造される必要は無く、各実施形態と同様の構成が得られるものであればどのような製造方法でもよい。例えば、上述の各実施形態における磁気再生センサーの製造方法において、磁気センシング部と近接場光を発生する近接場光発生部(磁性体層、誘電体層、金属体層(上述の実施形態によっては別の金属体層も含む)からなる)とを形成する順序は逆でも良い。すなわち、先に近接場光発生部が形成され、その後に磁気センシング部が形成されるようにしても構わない。このとき、近接場光によって加熱された磁気記録媒体の加熱領域が効率的に磁化自由層の直下に届くようにするために、磁気センシング部の磁化自由層、非磁性体層、磁化固定層の積層順についても逆順にして、磁化自由層が近接場光発生部に近くなる順序で磁気センシング部を形成してもよい。
上記のように、磁気センシング部と近接場光源の形成順を逆にする場合には、第12実施形態における磁気再生装置2001の磁気再生ヘッド1002において、近接場光の発生位置よりも磁気センシング部が磁気記録媒体601移動方向の後端側に配置されるようにするために、サスペンションアーム603に対する磁気再生ヘッド1002の取り付け方向をトラック長さ方向に反転させてもよい。
また、第11実施形態において、レーザー光源401は必ずしも磁気センサー素子201と同一基板上に形成されなくても良い。このときは、例えば、磁気再生装置に用いる際、磁気再生装置の磁気再生ヘッドを支持するサスペンションアーム上にレーザー光源を形成し、光導波路を用いて磁気センサー素子201に光ビームを引き込んで照射する構成とすればよい。
さらに、上記光導波路の出射端部を絞って、光ビームが近接場光発生源の極近傍のみに照射されるようにしても構わない。第5〜第10実施形態においては、上記の出射端部が絞られた光導波路の先端と誘電体層と一体形成されていても構わない。このようにすれば、光ビームが磁気センシング部に照射されることを防ぐことができるため、磁気センシング部が過剰に熱せられて素子特性が劣化することを防ぐ効果が得られる。
また、上記のように、レーザー光源を磁気センサー素子と同一基板上に形成しない場合、基板には、一般的な磁気ヘッドに用いられるアルチック(Al23・TiC)を用いても良い。
また、第1〜第12実施形態において、磁気再生ヘッドの磁気記録媒体との対向面には、磁気記録媒体との接触による損傷を防ぐ目的で潤滑剤が塗布または成膜されていても構わない。
また、第1〜第12実施形態において、磁気センシング部に対して近接場光発生部と反対側に形成されている磁性体層が、絶縁体層であってもよい。
ここで、参考形態に係る光アシスト磁気記録用の磁気記録再生素子について説明する。図30は、参考形態に係る光アシスト磁気記録用の磁気記録再生素子の主要部を磁気記録媒体対向面側から見た際の一部拡大平面図である。なお、第1実施形態の符合2〜12と同様の部分には、順に符号222〜232を付け、その説明を省略することがある。本参考形態に係る光アシスト磁気記録用の磁気記録再生素子の主要部のX−Y断面形状は、図30の平面図と同様の形状である。
本参考形態に係る光アシスト磁気記録用の磁気記録再生素子221は、第1実施形態の磁気センサー素子1における誘電体層12及び金属体層13の代わりに、誘電体層232、金属体層233及び誘電体層234を用いたものである。
金属体層233は、Au,Pt,Ag,Cuなどの電気伝導率が高い非磁性体金属からなり、電極233a、233bと、これらを接続するとともに、凸形状とこの凸形状に沿った凹部形状とを有する湾曲した狭窄部233cとを備えている。狭窄部233cの凹部形状側部分には、狭窄部233cを誘電体層232とともに挟み込む誘電体層234が埋め込まれている。誘電体層232及び誘電体層234は、第1実施形態における誘電体層12と同様の材質からなる。
なお、金属体層233は、特開2004−303299号公報の図3に開示されているような光アシスト磁気記録用電磁界発生素子の狭窄部の凸形状を有したものである。この文献に開示されている光アシスト磁気記録用電磁界発生素子は、Au,Pt,Ag,Cuなどの電気伝導率が高い金属からなる狭窄部にレーザー光を照射し、上記狭窄部の突起形状において表面プラズモンを励起することで、近接場光を発生させるものである。同時に、上記狭窄部に電流を流し、これを磁界発生源として用いることにより、上記狭窄部から記録用の磁界を発生させるものである。このような電磁界発生素子を記録素子に用いれば、近接場光と記録磁界とをほぼ同一箇所から発生させることができるため、近接場光を用いた光アシスト磁気記録用の記録素子として好適なものである。
次に、磁気記録再生素子221における近接場光の発生原理について説明する。電極233a、233b間には電流(図30における点線矢印)が流され、狭窄部233cにおいて電流が狭窄される。このとき、狭窄部233c近傍では、右ねじの法則により、磁界235a、235bが生じる。そして、狭窄部233c近傍に光ビーム(図示せず)を照射すれば、狭窄部の凸形状を第1実施形態における金属体層13の突起形状部として適用すれば、第1実施形態と同様、狭窄部233cと磁性体層231との間の相互作用(多重干渉)によって増強された高強度の近接場光(図示せず)を得ることができる。
上記構成によれば、単一のレーザー光源を用いて光アシスト磁気記録及び光アシスト再生の両方を実現できる磁気記録再生素子221を提供できる。
また、磁気記録再生素子221の金属体層233は非磁性体金属で形成されていることから、非通電時に磁界が発生することが無く、磁気センシング部227の近傍に形成しても、従来の磁性体からなる記録素子から生じるような残留磁界によって、磁気センシング部227における信号磁界検出を妨げるおそれが無い。
また、磁気記録再生素子221の誘電体層232、金属体層233及び誘電体層234を、第2から第4実施形態において適宜変更(例えば、狭窄部233cの凸形状に沿った形状を有する誘電体層、別の金属体層、又は磁性体層に適宜変更)して適用しても、本参考形態と同様、狭窄部233cの凸形状の先端で増強された強力な近接場光が得られ、従来よりも効率的な光アシスト磁気記録および光アシスト再生を同時に実現できる効果が得られる。
本発明の第1実施形態に係る磁気センサー素子の主要部を磁気記録媒体対向面側から見た際の一部拡大平面図である。 図1の磁気センサー素子の製造工程を順に示す図である。 本発明の第2実施形態に係る磁気センサー素子の主要部を磁気記録媒体対向面側から見た際の一部拡大平面図である。 本発明の第3実施形態に係る磁気センサー素子の主要部を磁気記録媒体対向面側から見た際の一部拡大平面図である。 本発明の第4実施形態に係る磁気センサー素子の主要部を磁気記録媒体対向面側から見た際の一部拡大平面図である。 本発明の第5実施形態に係る磁気センサー素子の主要部を磁気記録媒体対向面側から見た際の一部拡大平面図である。 図6の磁気センサー素子の製造工程を順に示す図である。 本発明の第6実施形態に係る磁気センサー素子の主要部を磁気記録媒体対向面側から見た際の一部拡大平面図である。 本発明の第7実施形態に係る磁気センサー素子の主要部を磁気記録媒体対向面側から見た際の一部拡大平面図である。 本発明の第8実施形態に係る磁気センサー素子の主要部を磁気記録媒体対向面側から見た際の一部拡大平面図である。 本発明の第9実施形態に係る磁気センサー素子の主要部を磁気記録媒体対向面側から見た際の一部拡大平面図である。 本発明の第10実施形態に係る磁気センサー素子の主要部を磁気記録媒体対向面側から見た際の一部拡大平面図である。 本発明の第11実施形態に係る磁気再生ヘッドの主要部の斜視図である。 図13の磁気再生ヘッドの側面(Y−Z平面)図である。 本発明の第12実施形態に係る磁気再生装置の摸式構成図である。 本発明の実施例1に係るシミュレーション結果を示す図である。 本発明の実施例2に係るシミュレーション結果を示す図である。 本発明の実施例3に係るシミュレーション結果を示す図である。 本発明の実施例4に係るシミュレーション結果を示す図である。 本発明の実施例5に係るシミュレーション結果を示す図である。 本発明の実施例6に係るシミュレーション結果を示す図である。 本発明の実施例7に係るシミュレーション結果を示す図である。 本発明の実施例8に係るシミュレーション結果を示す図である。 本発明の実施例9に係る誘電体層のY方向の長さ(高さ)hを変化させた場合のシミュレーション結果を示す図である。 本発明の実施例9に係る誘電体層92のX方向の長さ(幅)wを変化させた場合のシミュレーション結果を示す図である。 本発明の実施例10に係るシミュレーション結果を示す図である。 本発明の実施例11に係るシミュレーション結果を示す図である。 本発明の実施例12に係るシミュレーション結果を示す図である。 本発明の実施例13に係るシミュレーション結果を示す図である。 参考形態に係る光アシスト磁気記録用の磁気記録再生素子の主要部を磁気記録媒体対向面側から見た際の一部拡大平面図である。
符号の説明
1、21、41、61、81、101、121、141、161、181、201 磁気センサー素子
2、11、22、31、42、51、62、71、82、91、102、111、122、131、142、151、162、171、182、191、202、211、231 磁性体層
3、8、23、28、43、48、63、68、83、88、103、108、123、128、143、148、163、168、183、188、203、208 バッファ層
4、24、44、64、84、104、124、144、164、184、204 磁化固定層
5、25、45、65、85、105、125、145、165、185、205 非磁性体層
6、26、46、66、86、106、126、146、166、186、206 磁化自由層
7、27、47、67、87、107、127、147、167、187、207、22 7磁気センシング部
9、29、49、69、89、109、129、149、169、189、209 不導体層
10、30、50、70、90、110、130、150、170、190、210 バイアス層
12、32、52、72、92、112、132、152、172、192、212、232、234 誘電体層
13、33、37、53、73、77、93、113、133、137、153、157、173、193、197、213、233 金属体層
14、34、54、74、94、114、134、154、174、194、214 近接場光発生部
15、35、55、75、95、115、135、155、175、195、215 光ビーム
16、36、56、76、96、116、136、156、176、196、216 近接場光
17、97、301 基板
18、98、217 絶縁層
153a 突起形状部
221 磁気記録再生素子
233a、233b 電極
233c 狭窄部
235a 磁界
302 ABS面形状
402、403 電極層
501 遮光体
601 磁気記録媒体
602 スピンドル
603 サスペンションアーム
604 ボイスコイルモーター
605 制御回路
606 回転駆動制御装置
607 信号処理装置
608 出力制御装置
609 メモリ装置

Claims (23)

  1. 磁性体層上に誘電体層、第1の金属体層の順に積層された近接場光発生部と、
    前記近接場光発生部の前記磁性体層外側または前記第1の金属体層外側に形成されている磁気センシング部とを有している磁気センサー素子であって、
    前記第1の金属体層が、前記磁性体層方向に突起した突起形状部を有していることを特徴とする磁気センサー素子。
  2. 前記磁性体層と前記第1の金属体層における突起形状部先端との間の距離が、5nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項に記載の磁気センサー素子。
  3. 前記磁性体層と前記第1の金属体層における突起形状部先端との間の距離が、15nm以上50nm以下であることを特徴とする請求項に記載の磁気センサー素子。
  4. 前記磁性体層が、前記第1の金属体層における突起形状部の形状に沿った窪み形状を有していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の磁気センサー素子。
  5. 前記磁性体層と前記誘電体層との間に、第2の金属体層が形成されていることを特徴とする請求項に記載の磁気センサー素子。
  6. 前記第2の金属体層と前記第1の金属体層における突起形状部先端との間の距離が、2nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項に記載の磁気センサー素子。
  7. 前記第2の金属体層と前記第1の金属体層における突起形状部先端との間の距離が、15nm以上70nm以下であることを特徴とする請求項に記載の磁気センサー素子。
  8. 前記第2の金属体層の膜厚が2nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項5に記載の磁気センサー素子。
  9. 磁性体層上に誘電体層、第1の金属体層の順に積層された近接場光発生部と、
    前記近接場光発生部の前記磁性体層外側または前記第1の金属体層外側に形成されている磁気センシング部とを有している磁気センサー素子であって、
    前記磁性体層と前記第1の金属体層との間に、前記第1の金属体層側表面に溝部を有する第2の金属体層が設けられているとともに、前記誘電体層全体が前記溝部を充塞するように形成されていることを特徴とする磁気センサー素子。
  10. 磁性体層上に誘電体層、第1の金属体層の順に積層された近接場光発生部と、
    前記近接場光発生部の前記磁性体層外側または前記第1の金属体層外側に形成されている磁気センシング部とを有している磁気センサー素子であって、
    前記磁性体層の前記第1の金属体層側表面に溝部が形成されているとともに、前記誘電体層全体が前記溝部を充塞するように形成されていることを特徴とする磁気センサー素子。
  11. 磁性体層上に誘電体層、第1の金属体層の順に積層された近接場光発生部と、
    前記近接場光発生部の前記磁性体層外側または前記第1の金属体層外側に形成されている磁気センシング部とを有している磁気センサー素子であって、
    前記第1の金属体層の前記磁性体層側表面に溝部が形成されているとともに、前記誘電体層全体が前記溝部を充塞するように形成されていることを特徴とする磁気センサー素子。
  12. 前記第1の金属体層が、前記磁性体層方向に突起した突起形状部を有していることを特徴とする請求項10または11のいずれか1項に記載の磁気センサー素子
  13. 前記誘電体層の膜厚が5nm以上20nm以下、膜面方向の幅が50nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項に記載の磁気センサー素子。
  14. 前記第1の金属体層の最も薄い部分の膜厚が8nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項に記載の磁気センサー素子。
  15. 前記磁性体層と前記誘電体層との間に、第2の金属体層が形成されていることを特徴とする請求項に記載の磁気センサー素子。
  16. 前記第1の金属体層が、Au,Ag,Al又はこれらを主体とする合金から形成されていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の磁気センサー素子。
  17. 前記第1の金属体層及び前記第2の金属体層が、Au,Ag,Al又はこれらを主体とする合金から形成されていることを特徴とする請求項又は15に記載の磁気センサー素子。
  18. 請求項1からのいずれか1項に記載の磁気センサー素子が表面に形成されている基体と、
    前記基体の前記磁気センサー素子における近接場光出射側の面に形成されているABS面形状とを有していることを特徴とする磁気再生ヘッド。
  19. 前記磁気センサー素子において近接場光を発生させるためのレーザー光源が、前記基体上に形成されていることを特徴とする請求項18に記載の磁気再生ヘッド。
  20. 前記基体上において前記磁気センサー素子に照射される光ビームの光軸上の一部に、前記磁気センサー素子に含まれる磁気センシング部に前記光ビームが照射されることを防ぐための遮光体が設けられていることを特徴とする請求項18に記載の磁気再生ヘッド。
  21. 請求項18に記載の磁気再生ヘッドと、
    前記磁気再生ヘッドによって磁気再生が行われる磁気記録媒体とを備えている磁気再生装置。
  22. 前記磁気再生ヘッドにおける磁気センサー素子が、前記磁気再生ヘッドにおける近接場光発生位置よりも前記磁気記録媒体の移動方向の後方に配設されていることを特徴とする請求項21に記載の磁気再生装置。
  23. 請求項21に記載の磁気再生装置を用い、前記磁気再生ヘッドにおける磁気センサー素子から近接場光が発せられ、前記近接場光により磁気記録媒体上に加熱領域が形成されるとともに、前記加熱領域から生じる磁界を前記磁気センサー素子に含まれる磁気センシング部を用いて検出することを特徴とする磁気再生方法。
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