JP4445192B2 - 光学素子および光学センサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学素子および光学センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光ディスク情報記録媒のさらなる高密度化に向け、極めて微小なスポットサイズの光が得られる光学素子として、近接場光(エバネッセント波を含む)を出力する光学素子が注目されている。また、近接場光の利用に関しては、幅広い技術分野への応用が期待される。従来技術としては、特開2000−22277号公報に記載された光学素子がある。この従来技術では、半導体レーザ素子のレーザ光の出射端面に、光の波長よりも小さい開口径のピンホールを有する波面変換部を設け、このピンホールを介してレーザ光をエバネッセント波に変換して、上記ピンホール付近で近接場を発生させて、極めて微小なスポットサイズの光を得ている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−22277号公報(第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記エバネッセント波の強度は、界面に入射する光の偏光方向による依存性がある。エバネッセント波が発生する界面に垂直な電界ベクトル成分を持つ偏光(以下p偏光という)の光を入射した方が、境界面に平行な電界ベクトル成分を持つ偏光(以下s偏光という)の光を入射したよりも、強度比で約4桁以上の大きさのエバネッセント波が得られる。しかしながら、上記従来の光学素子では、レーザ発振している半導体レーザ素子内で、レーザ光の電界ベクトルが、境界面としての反射端面に対して主に略平行になる。つまり、上記反射端面にs偏光のレーザ光が主に入射する。したがって、レーザ光のエバネッセント波への変換効率が悪いという問題がある。また、金属膜や、金属微粒子などでの表面プラズモン励起はp偏光の光でしか生成できないので、上記従来技術では、表面プラズモンによる近接場共鳴効果が得られないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、強度が比較的大きいエバネッセント波が得られる光学素子を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の光学素子は、レーザ共振器を形成する2つの端面を有する発光層と、
上記2つの端面の対向方向において上記2つの端面の間に位置して上記発光層から電磁波を取り出す電磁波取り出し部とを備え、
上記電磁波取り出し部は、この電磁波取り出し部周辺の屈折率と異なる屈折率を有すると共に、上記レーザ共振器で生成されるレーザ光の波長がλであり、上記発光層の屈折率がnであるとして、λ/nよりも小さい寸法を有し、
上記発光層に接すると共に、この発光層の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層を備え、この低屈折率層は、上記発光層と低屈折率層が接する界面で上記発光層側からの光が全反射する際に、この低屈折率層側に染み出る電磁波の染み出し距離よりも小さい厚みを有し、
上記低屈折率層の上記発光層に接する側と反対側の面に、上記発光層と低屈折率層が接する界面から染み出た電磁波を遮る遮蔽層を備え、
上記遮蔽層に、上記電磁波取り出し部を形成し、
上記発光層はストライプ状の発光領域を有し、
上記電磁波取り出し部は上記発光層の側方に位置し、
上記発光領域の幅方向中央と、上記発光層の上記電磁波取り出し部側の側面との間の距離が、上記発光領域の幅よりも小さいことを特徴としている。
【0007】
上記構成によれば、上記電磁波取り出し部は、上記レーザ共振器の2つの端面の対向方向において上記2つの端面の間に位置するので、上記2つの端面の間で生成されるレーザ光が、上記電磁波取り出し部に、電界ベクトル成分が略直角をなすp偏光の状態で入射する。したがって、上記電磁波取り出し部によって、従来のs偏光のレーザ光によるよりも、強度が大きい電磁波としてのエバネッセント波が取り出される。
【0008】
ここにおいて、上記電磁波取り出し部は、上記レーザ光が全反射してエバネッセント波を生成する境界面に形成してもよく、また、上記境界面に接してエバネッセント波が伝達される層に形成してもよい。
【0009】
また、本発明の光学素子は、上記電磁波取り出し部は、この電磁波取り出し部周辺の屈折率と異なる屈折率を有すると共に、上記レーザ共振器で生成されるレーザ光の波長がλであり、上記発光層の屈折率がnであるとして、λ/nよりも小さい寸法を有する。
【0010】
本発明によれば、上記電磁波取り出し部は、この電磁波取り出し部周辺の屈折率と異なる屈折率を有すると共に、λ/nよりも小さい寸法を有するので、上記発光層で生成されたレーザ光から、電磁波としてのエバネッセント波を効果的に取り出すことができる。ここにおいて、上記電磁波取り出し部は、寸法がλ/n以上であると、レーザ光を通過させるようになって、エバネッセント波を取り出し難くなる。
【0011】
本発明の光学素子は、上記発光層はストライプ状の発光領域を有し、
上記電磁波取り出し部は上記発光層の側方に位置し、
上記発光領域の幅方向中央と、上記発光層の上記電磁波取り出し部側の側面との間の距離が、上記発光領域の幅よりも小さい。
【0012】
本発明によれば、上記電磁波取り出し部が上記発光層の側方に位置し、上記発光層の発光領域の幅方向中央と、上記発光層の側面との間の距離が発光領域の幅よりも小さいので、上記電磁波取り出し部によって、上記発光層からのレーザ光から、高強度の電磁波としてのエバネッセント波が効果的に取り出される。
【0013】
1参考例の光学素子は、上記発光層に接すると共に、この発光層の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層を備え、この低屈折率層に、上記電磁波取り出し部を形成している。
【0014】
上記参考例によれば、上記発光層で生成されて上記発光層と低屈折率層との界面に入射したレーザ光から、上記電磁波取り出し部を介して、エバネッセント波が高効率に取り出される。
【0015】
また、本発明の光学素子は、上記発光層に接すると共に、この発光層の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層を備え、この低屈折率層は、上記発光層と低屈折率層が接する界面で上記発光層側からの光が全反射する際に、この低屈折率層側に染み出る電磁波の染み出し距離よりも小さい厚みを有し、
上記低屈折率層の上記発光層に接する側と反対側の面に、上記発光層と低屈折率層が接する界面から染み出た電磁波を遮る遮蔽層を備え、
上記遮蔽層に、上記電磁波取り出し部を形成したことを特徴としている。
【0016】
よって、本発明によれば、上記発光層で生成されたレーザ光が上記発光層と低屈折率層との界面に入射して全反射する際、上記界面から低屈折率層に電磁波としてのエバネッセント波が染み出る。上記低屈折率層の厚みは、この低屈折率層におけるエバネッセント波の染み出し距離よりも小さく形成しているので、この低屈折率層の上記発光層に接する側と反対側の面にエバネッセント波が染み出し、この染み出したエバネッセント波が上記遮蔽層に設けられた電磁波取り出し部から効果的に取り出される。上記低屈折率層は、上記エバネッセント波の染み出し距離よりも小さい厚みを有するので、上記電磁波取り出し部から比較的大きい強度のエバネッセント波が取り出される。
【0017】
1実施形態の光学素子は、上記電磁波取り出し部は、所定の厚みを有する金属膜を備える。
【0018】
上記実施形態によれば、上記電磁波取り出し部に、所定の厚みを有する記金属膜を配置し、この金属膜にエバネッセント波を照射することによって、上記金属膜に表面プラズモンが励起される。上記表面プラズモンと上記エバネッセント波とで表面プラズモン共鳴を得ることによって、上記エバネッセント波の強度が効果的に増大される。本実施形態の光学素子は、上記電磁波取り出し部に、p偏光のレーザ光によるエバネッセント波を取り出すので、上記金属膜に表面プラズモンを励起できるのである。ここで、上記金属膜は、この金属膜を形成する金属におけるエバネッセント波の侵入長よりも小さい厚みを有するのが好ましい。
【0019】
1実施形態の光学素子は、上記電磁波取り出し部は、所定の径を有する金属粒を備える。
【0020】
上記実施形態によれば、上記電磁波取り出し部に、所定の径を有する金属粒を配置し、この金属粒にエバネッセント波を照射する。これによって、上記金属粒に表面プラズモンを励起し、さらに、この表面プラズモンと上記エバネッセント波とで表面プラズモン共鳴を得ることによって、上記エバネッセント波の強度が効果的に増大される。本参考例の光学素子は、上記電磁波取り出し部に、p偏光のレーザ光によるエバネッセント波を取り出すので、上記金属粒に表面プラズモンを励起できるのである。ここで、上記金属粒は、上記レーザ光の波長よりも小さい径を有するのが好ましい。
【0021】
1実施形態の光学センサは、上記光学素子を備え、
上記光学素子の上記電磁波取り出し部と、被測定物とを近接した状態での上記発光層におけるレーザ発振の閾値電流を測定することによって、上記被測定物の状態を検知することを特徴としている。
【0022】
上記実施形態によれば、上記光学素子の上記電磁波取り出し部と、上記被測定物を近接した状態で、上記電磁波取り出し部に電磁波としてのエバネッセント波を生成させる。このとき、上記被測定物が例えば電気分極を有する場合、この電気分極が無い場合と比較して、上記発光層におけるレーザ発振の閾値電流が変化する。この閾値電流の変化を測定することによって、上記電気分極の存在が検知される。また、この電気分極の存在に限られず、電気分極の方向や、電気分極の強さなどが検知される。また、上記被測定物におけるエバネッセント波の存在や、このエバネッセント波の強度なども検知される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0024】
(第1参考例)
図1は、本発明の第1参考例の光学素子を示す斜視図である。この光学素子10は、VSIS構造を有する半導体レーザ素子を用いて構成している。この光学素子10は、図1の下側から順に、p−Au電極100、p−GaAs基板101、n−GaAs電流閉じ込め層102、p−AlxGa1−xAs(0≦x≦1)下クラッド層103、発光層としてのp−AlxGa1−xAs(0≦x≦1)活性層104、n−AlxGa1−xAs(0≦x≦1)上クラッド層105、および、n−Au電極106を備える。上記電流閉じ込め層102は、所定間隔をおいて幅方向両側に形成し、この幅方向両側の電流閉じ込め層102の間に、上記下クラッド層103のストライプ部200を形成している。この下クラッド層103のストライプ部200は、断面が略逆三角形をなし、光学素子の幅方向略中央に位置すると共に奥行方向に延在している。上記活性層104の図1における手前側の端面104aと、奥側の端面とで、レーザ共振器を形成している。上記n−電極106の幅方向略中央かつ奥行方向中央には、電磁波取り出し部としての開口12を備える。なお、上記pクラッド層103、活性層104、nクラッド層105におけるxは、各々別個に後述の屈折率の条件を満たすように設定する。
【0025】
図2(a)は、上記光学素子10の奥行方向の略中央における断面図である。すなわち、上記活性層104の共振器を構成する2つの端面について、この端面の間の略中央における光学素子10の断面図である。図2(a)に示すように、n−電極106の幅方向略中央に、上記開口12が位置している。この開口12内の屈折率は空気の屈折率と同一であり、この開口12の周辺である電極106の屈折率よりも小さい屈折率を有する。また、この開口12は、上記活性層104で生成されるレーザ光の波長λの780μmを上記活性層104の屈折率n2の3.5で除した値である223nm以下の径を有する。
【0026】
図2(b)は、上記pクラッド層103、活性層104およびnクラッド層105における半導体のバンドギャップEgと、屈折率nとの分布を示した図である。上記活性層104で生成されたレーザ光は、厚み方向において、上記活性層104に閉じ込められる一方、この活性層104の上方の上クラッド層105と、下方の下クラッド層103とにエバネッセント光が染み出る。また、上記電流閉じ込め層102によって、上記下クラッド層103のストライプ部200に電流の供給が制限される。これによって、上記ストライプ部200の上方に位置するように、上記活性層104の幅方向略中央でレーザ光が生成されて、ストライプ状の発光領域が形成される。
【0027】
上記活性層104には、この活性層104の幅方向を向く電界ベクトルを有するTEモードのレーザ光と、この活性層104の厚み方向を向く電界ベクトルを有するTMモードのレーザ光とが生成される。このTEモードのレーザ光と、上記TMモードのレーザ光とは、上記活性層104の厚みが2aであるとして、上記活性層104の厚み方向に以下の式で表されるように分布する。
【0028】
ここにおいて、κは、活性層104における厚み方向の伝搬定数であり、γは、下クラッド層103および上クラッド層105における厚み方向の伝搬定数である。γの逆数は、上下クラッド層105,103へのエバネッセント光の染み出し距離である。
【0029】
ここで、レーザ発振している状態のレーザモードは、以下のような式で表される。
【0030】
ここにおいて、k0は真空における波長λの光の伝搬定数である。図3は、上記各レーザモードを示した曲線であり、各曲線の交点が、各モードでのκaおよびγaとなり、これによって、κ、γが決定される。なお、上下クラッド層105,103の屈折率が互いに異なる非対称導波路の場合、上下クラッド層105,103の屈折率に応じて、レーザ強度の最大値の位置が活性層104の中心からずれる。したがって、上下クラッド層105,103の屈折率を適宜設定することによって、活性層104から上下クラッド層105,103への光の染み出し量の制御が可能である。
【0031】
上記活性層104の屈折率n2が3.5、厚み2aが100nm、レーザ波長λが780nmであり、また、上下クラッド層105,103の屈折率n3が3.0である場合、上記上下クラッド層105,103へのエバネッセント光の染み出し距離は以下のようになる。すなわち、上記活性層104でTEモードおよびTMモードの発振が生じて、このTEモードにおけるγa=0.144と、TMモードにおけるγa=0.114とから、上記TEモードのレーザ光による染み出し距離は347nmになり、上記TMモードのレーザ光による染み出し距離は440nmになる。ここで、染み出し距離とは、活性層104と、上クラッド層105または下クラッド層103との間の境界における電界成分を1とした場合、上記上クラッド層105または下クラッド層103中において、染み出した光の電界成分がe−1〜0.368になる上記境界からの距離である。上記境界面の接線に対するレーザ光の入射角θ(θ=π/2−φ)は、TEモードとTMモードのいずれについても約15°(φ=85°)であり、上記境界面に平行な面内での伝搬定数βは、β2=k0 2n2 2−κ2から求まる。なお、この伝搬定数βは、上記活性層104の屈折率n2および上下クラッド層105,103の屈折率n3から、k0n3≦β<k0n2となる。上記活性層104におけるレーザ発振のモードが高次になると、上記上下クラッド層105,103に染み出る光量が増加すると共に染み出し距離が長くなって、エバネッセント波の強度が大きくなる。
【0032】
図4(a)は、エバネッセント波を取り出す開口12近傍を示す断面図であり、上クラッド層105の層厚を、上記活性層104からの光の染み出し距離程度の厚みにすると共に、この上クラッド層105表面のn−電極106の上記エバネッセント波を取り出すべき部分に、上記開口12を形成している。すなわち、上記n−電極106を、エバネッセント波の遮蔽層に兼用している。これによって、電極側の所定領域からエバネッセント波を取り出すようにしている。このエバネッセント波を遮蔽するため、上記n−電極106は、エバネッセント波の侵入長よりも厚く形成する必要がある。このn−電極106を形成する金属膜において、この金属の複素屈折率をNmetal=nmetal+ikmetalとした場合、この金属にエバネッセント波が侵入する条件と、この金属膜のエバネッセント波の侵入長dとは、以下の式のように表される。ここで、ni(ki〜0)は、上記金属膜が接する層であってエバネッセント波が入射する層の屈折率であり、φは、エバネッセント波の金属膜への入射角である。
【0033】
上記活性層104における発光波長λが780nmであり、入射角度φが85°である場合、AuやAgなどのような屈折率が1よりも小さく消衰係数が3よりも大きい金属では、侵入長dは約450nmである。また、Pt、Al、Pdなどのような屈折率が1よりも大きく消衰係数が3よりも大きい金属では、侵入長dは約770nmになって、レーザ光の波長λ程度になる。このように、上記n−電極106を構成する金属の種類に応じて厚みを上記侵入長dよりも大きくすることによって、この電極106を、上記開口12以外の部分からエバネッセント波が漏れないようにする遮蔽層として有効に機能させることができる。
【0034】
図4(b)は、上記第1参考例の電磁波取り出し部の変形例を示す断面図である。この変形例では、上クラッド層105は、上記活性層104の光の染み出し距離以上の厚みを有するように形成する。そして、上記n−電極106のエバネッセント波を取り出すべき位置に開口14を設け、この開口14に連通する凹部15を上記上クラッド層105に形成する。この開口14および凹部15とで、電磁波取り出し部としての光取り出し部16を形成する。
【0035】
上記光取り出し部16の凹部15について、この凹部15の底における上クラッド層105の厚みが、上記活性層104の光の染み出し距離より小さくなるように形成する。これによって、上記活性層104と上クラッド層105との境界面で生成されたエバネッセント波が、上記凹部15の底から染み出して、この凹部に連通する開口14から光学素子の外部に取り出される。図4(b)の光取り出し部16についても、この光取り出し部16内の屈折率は空気の屈折率と同一であり、この光取り出し部16の周辺である電極106および上クラッド層105の屈折率よりも小さい屈折率を有する。
【0036】
所定の界面で全反射をする光からエバネッセント波を得る場合、このエバネッセント波の強度は、上記界面に入射する光の偏光方向に依存する。すなわち、上記界面に直角をなす電界ベクトル成分を有する偏光が上記界面に入射した場合、上記界面に平行をなす電界ベクトル成分を有する偏光が上記界面に入射した場合よりも、4桁程度大きい強度のエバネッセント波が得られる。本参考例の光学素子10では、活性層104の中心におけるレーザ光の最大強度を1とすると、この活性層104と上クラッド層105との界面における上クラッド層105側への染み出し光の強度は、この染み出し光はTMモードの単一波長によるエバネッセント波であるとして、(cos(κa)e-1)2〜0.1になる。この強度は、従来のレーザ光出射端面に薄膜を配置し、この薄膜に形成したピンホールを介して得たエバネッセント波と比較して、3桁程度以上の大きさの強度である。
【0037】
本参考例において、上記電極100,106は、Au以外にAg、Cu、Al、Pt、Tiなどで形成してもよい。また、本参考例の発光素子は、VSIS型の半導体レーザを利用したが、他の半導体レーザを用いてもよい。また、各構成部分は、材料の変更や形状の変更を適宜行なってもよい。
【0038】
(第2参考例)
図5(a)は、第2参考例の光学素子を示す斜視図であり、図5(b)は、本参考例の光学素子の奥行方向の略中央における断面図である。第2参考例の光学素子20は、電磁波取り出し部としての開口22を、発光層としての活性層104の側方に配置している。図5(a),(b)の光学素子20において、図1の光学素子10と同一の構成部分には同一の参照番号を付して、詳細な説明を省略する。図5(a),(b)に示すように、本参考例の光学素子20は、下クラッド層103のストライプ部200を光学素子20の側面近傍に配置している。これによって、活性層104において、発光領域を光学素子20の側面に接して生成するようにしている。そして、上記発光領域で生成されるレーザ光のうち、TEモードのレーザ光を用いてエバネッセント波を生成するようにしている。上記下クラッド層103のストライプ部200の幅が2wiである場合、このストライプ部200の幅方向中央からの距離r、すなわち、活性層104の発光領域の幅方向中央からの距離rにおける電界強度は、下記の式のように表される。ここで、上記ストライプ部200によるキャリア注入係数をαとする。上記ストライプ部200の幅2wiは、このストライプ部が有する幅のうちの最大の幅である。
【0039】
この式によれば、αが1であり、wiが1μmである場合、ストライプ部200の中央から活性層104の側面までの距離を1.41μmに形成した場合、この活性層104の側面における電界強度はE0e-1となる。したがって、この活性層104の側面におけるレーザ光の強度は、発光領域の中央におけるレーザ光の強度の0.1倍程度になる。なお、上記ストライプ部200の中央から活性層104の側面までの距離を2μmに形成した場合、この活性層104の側面におけるレーザ光の強度は、発光領域の中央におけるレーザ光の強度の0.02倍程度に減少してしまう。また、上記ストライプ部200の構造を変えて、キャリア注入係数αを変えることによって、上記活性層104の側面におけるレーザ光の強度が増強できる。
【0040】
上記活性層104の側面においてレーザ光が全反射する際、エバネッセント波が生成される。このエバネッセント波を取り出すため、活性層104の側方に開口22を配置している。図6(a)は、上記開口22近傍を拡大して示した図である。図6(a)では、図5(b)の開口22近傍を反時計回りに約90°回転して示している。図5(a),(b)および図6(a)に示すように、光学素子の側面21に、遮蔽層としての金属膜202を配置し、この金属膜202の上記活性層104に対応する位置に、電磁波取り出し部としての開口22を形成している。上記金属膜202は、第1参考例の電極106と同様に、エバネッセント波の侵入長以上の厚みに形成して、上記開口22以外の部分からエバネッセント波が漏れないようにしている。この金属膜202と光学素子の側面21との間には、金属膜202による電極100,106間の短絡を防ぐため、絶縁層203を設けている。
【0041】
図6(b)は、上記第2参考例の電磁波取り出し部の変形例を示す図である。本発明の実施形態となるこの変形例では、光学素子の側面21に所定の厚みの低屈折率物質201を配置し、この低屈折率物質201のエバネッセント波を取り出すべき位置に凹部23を形成して、電磁波取り出し部を構成している。上記低屈折率物質201は、活性層104よりも屈折率が低い物質で構成しており、SiO2、Al2O3またはポリカーボネートなどの有機物質などで構成できる。上記低屈折率物質201におけるエバネッセント波の侵入長dは、下記の式のように表される。
【0042】
ここで、nhighは活性層104の屈折率であり、nlowは低屈折率層201の屈折率である。上記低屈折率物質201の屈折率が小さい程、この低屈折率物質201への侵入長が増大する。nlow=1.5、nhigh=3.5かつλ=780nmの場合、侵入長dは、約400nmになる。この場合、上記低屈折率物質201の厚みを400nmよりも大きく形成すると共に、上記凹部23の底における厚みを400nmよりも小さく形成することによって、この凹部23からエバネッセント波を効果的に取り出すことができる。
【0043】
(第3参考例)
図7(a)は、第3参考例の光学素子が備える電磁波取り出し部を示した断面図である。本参考例の光学素子は、電磁波取り出し部以外は、第1および第2参考例の光学素子と同一である。本参考例の光学素子の電磁波取り出し部は、凹部300内に金属膜301を設け、この金属膜301の表面にエバネッセント波によって平面プラズモンを励起して、エバネッセント波の強度を増大するようにしている。図7(a)の電磁波取り出し部としての光取り出し部32は、凹部300の底面に接するように、金属膜301を配置している。上記凹部300は、第1参考例のクラッド層105に形成したものでもよく、また、第2参考例の低屈折率物質201に形成したものでもよい。上記金属膜301は、Au,Ag,Cu,Al,PtおよびTiなどのような、可視光領域において誘電率の実部εrが−10以下になる金属によって構成する。これは、金属膜301で表面プラズモンが励起するために、金属膜301の誘電率の実部εrと、活性層104またはクラッド層105の誘電率εLD(εLD=n2であり、n=3.0〜3.5である)との間に、εr+εLD<0の条件が成立する必要があるからである。上記金属膜301は、第1参考例で述べた金属膜におけるエバネッセント波の侵入長以下の厚みを有することが好ましい。特に、金属膜301の厚みを50nm以下にすることによって、エバネッセント波が上記金属膜301の活性層から遠い側の面に達して、この面に効果的に表面プラズモンを励起できる。
【0044】
図8は、エバネッセント波と表面プラズモンの分散関係を示した図である。図8において、縦軸は表面プラズマ振動数ω(2πc/λ)であり、横軸は波数K(2π/λ)である。図8において、直線L1,L2は、レーザ光が生成される活性層から染み出したエバネッセント波について、上記活性層104の屈折率n_Aが2.0の場合と3.0の場合とでの分散関係を示す。また、曲線C11、C12、C13は、金属膜301表面に生成される表面プラズモンについて、この金属膜301の表面が接する部分の屈折率n_Dが1.2の場合と、1.4の場合と、1.6の場合とでの分散関係を示す。また、曲線C21、C22、C23は、銀薄膜表面に生成される表面プラズモンについて、この銀薄膜の表面が接する部分の屈折率n_Dが1.2の場合と、1.4の場合と、1.6の場合とでの分散関係を示す。上記直線L1,L2と、曲線C11〜C23が交差する点で、エバネッセント波と表面プラズモンが、振動数ωと波数ベクトルKとが夫々一致して、エバネッセント波によって表面プラズモン励起が可能になる。したがって、エバネッセント波と、金属膜301の表面プラズモンが、振動数ωと波数ベクトルKとが夫々一致するように、上記活性層104で生成されるレーザ光の波長と、活性層103、クラッド層105、金属膜301およびこの金属膜301表面に配置する低屈折率膜302(誘電率ε=n2)について、複素誘電率ε3、ε4(ω)を設定する。上記エバネッセント波および表面プラズモンの分散関係は、下記の式のように表される。
【0045】
上記表面プラズモンの分散とエバネッセント波の分散とが交差する条件の下で、エバネッセント波による表面プラズモンの共鳴を起こして、エバネッセント波の強度が約200倍に増強できる。上記金属膜301における表面プラズモンの励起は、この金属膜301に対して電界ベクトル成分が略直角をなすp偏光によって生じる。したがって、従来の半導体レーザの共振器端面に形成したピンホールは、s偏光を取り出すので、このピンホールに金属膜を配置しても表面プラズモンを励起することは略不可能である。これに対して、本発明の光学素子は、共振器方向に対して略直角方向を向いた電磁波取り出し部によって、p偏光のエバネッセント波を取り出すので、上記電磁波取り出し部に設けた金属膜に表面プラズモンの励起を起こして、表面プラズモン共鳴によってエバネッセント波の強度を大幅に増強することができる。
【0046】
図7(b)は、金属膜301に接して、エバネッセント波が出射する側に低屈折率膜302を配置した電磁波取り出し部としての光取り出し部33を示す図である。上記低屈折率膜302は、活性層104の屈折率n2よりも小さい屈折率n5を有するのが好ましい。これは、上記金属膜301と、この金属膜301が接する所定膜との間の界面では、上記所定膜中からの光によっては表面プラズモンの励起が起こらないからである。すなわち、金属膜301に接する所定膜中の光の分散と、上記界面での表面プラズモンの分散が、図8の座標においてK=0でしか交わらないからである。上記金属膜301と所定膜との界面に表面プラズモンを励起するためには、上記所定膜の屈折率よりも大きな屈折率を持つ物質からのエバネッセント波を、上記界面に入射させる必要がある。例えば、Auによって金属膜301を形成した場合、この金属膜301は、屈折率が1.4である低屈折率膜302に接すると共に、エバネッセント波が入射する側の面が、屈折率が3.5の高屈折率物質に接するようにする。これによって、波長λ=780nmのレーザ光から取り出したエバネッセント波によって、上記金属膜301と低屈折率膜302との界面に表面プラズモンを励起することができる。
【0047】
また、図7(c)に示すように、金属膜301の両面に低屈折率膜302,302を配置して光取り出し部34を形成してもよい。この場合、上記金属膜301と低屈折率膜302との間の界面が2つ形成され、この2つの界面によって夫々励起される表面プラズモンが互いに結合することによって、2つの励起モードが生じる。このとき、上記金属膜301に対して表面プラズマの電気分極が平行ω−と反平行ω+とにエネルギーシフトする。したがって、上記結合された2つのモードを励起するには、上記活性層104で生成するレーザ光の波長を、上記エネルギーシフト量に相当する波長だけ調整する必要がある。上記エネルギーシフト量は、下記の式によって求められる。
【0048】
ここで、ωSは結合前の表面プラズマ振動数であり、kmetalは金属膜301でのエバネッセント波の減衰定数であり、dmetalは金属膜301の膜厚である。
【0049】
図9(a),(b),(c)および図10(a),(b),(c)は、電磁波取り出し部の変形例を夫々示す図である。
【0050】
図9(a)は、凹部300内に、金属膜に代えて金属粒400を設けて構成した電磁波取り出し部としての光取り出し部35を示す図である。この光取り出し部35は、凹部300の底から染み出たエバネッセント波によって、上記金属粒400に局所表面プラズモンを励起して、エバネッセント波の強度を増強する。上記金属粒400に局所表面プラズモンを励起するには、この金属粒400の径はレーザ光の波長よりも小さい必要があり、特に、100nm以下の径が好ましい。上記金属粒400は、Au,Ag,Cu,Al,PtおよびTiなどで形成する。上記金属粒400の形状は、断面が楕円形であるのが好ましく、これによって、局所表面プラズモン励起による電気分極の度合いをさらに大きくして、エバネッセント波の強度がさらに増強できる。なお、局所表面プラズモンの分散関係は、伝搬係数によらず一定であり、離散的な励起準位を形成する。その中で一番エネルギー準位が低いモードはフレーリッヒモードとよばれ、以下のような式で表される関係が成り立つ。
【0051】
ここで、ωlspは局所表面プラズマ振動数であり、ωpは粒を形成する金属のプラズマ周波数であり、εlowは金属粒に接する誘電体の誘電率である。図8と同様の座標において、上記凹部300の底から染み出たエバネッセント波の分散と、金属粒400での局所表面プラズモンの分散とが交差する点で、局所表面プラズモンの励起が生じ、これによって、金属粒400の周辺でエバネッセント波の強度が効果的に増強される。
【0052】
図9(b)は、凹部300内に、金属粒400に加えて金属膜403を配置した電磁波取り出し部としての光取り出し部36を示す図である。この光取り出し部36は、上記金属粒400に励起する局所表面プラズモンと、上記金属膜403に励起する表面プラズモンとが結合し、これによって、励起エネルギーが低エネルギー側と高エネルギー側とにシフトする。したがって、この低エネルギー側にシフトした励起エネルギーに対応するために、活性層104で生成されるレーザ光の波長を、上記金属粒400の局所表面プラズモンと上記金属膜403の表面プラズモンとの結合の前よりも長くする必要がある。上記金属粒400の形状は、断面円形であっても断面楕円形であってもよい。
【0053】
図9(c)は、凹部300内に、断面楕円形の誘電体粒402と、この誘電体粒402の表面を覆うと共に凹部300の底面を覆う金属膜403とを配置して構成した電磁波取り出し部としての光取り出し部37を示す図である。上記誘電体粒402は100nm以下の径を有し、上記金属膜403は50nm以下の厚みを有する。上記誘電体粒402は、ポリスチレンなどの誘電率が低い有機物質で構成するのが好ましい。
【0054】
図10(a)は、凹部300内に、断面円形の誘電体粒402と、この誘電体粒402の表面を覆うと共に凹部300の底面を覆う金属膜403とを配置してなる電磁波取り出し部としての光取り出し部38を示す図である。
【0055】
図10(b)は、図9(b)の金属粒400および金属膜403の表面に、低屈折率膜401を配置した電磁波取り出し部としての光取り出し部39を示す図である。この低屈折率膜401は、図7(b)の光取り出し部32における低屈折率膜302と同様に、活性層104の屈折率よりも小さい屈折率を有する。上記低屈折率膜302と上記金属粒400との間の界面に局所表面プラズモンを効果的に励起できると共に、上記低屈折率膜401と上記金属膜403との間の界面に表面プラズモンを効果的に励起できる。また、図10(c)に示すように、図10(a)の誘電体粒402と金属膜403との表面に低屈折率膜302を配置して、電磁波取り出し部としての光取り出し部40を形成してもよい。
【0056】
(光学センサ)
図11は、本発明の光学センサと、この光学センサを用いて構成した情報記録媒体の読み書き装置を示す図である。上記光学センサ55は本発明の光学素子であり、この光学センサ55を浮上ヘッド52に取付けて、情報記録媒体の読み書き装置を構成している。上記光学センサ55は、上記浮上ヘッド52に支持されて、電磁波取り出し部としての光取り出し部56を誘電体ディスク53の情報記録面に対向させている。光取り出し部56は、上記誘電体ディスク53の情報記録面から数百nm以下の離隔をなして保持されている。上記誘電体ディスク53の情報記録面には、相変化によって電気分極を生じる層が形成されている。この情報記録面の微小領域を、上記光学センサ55の光取り出し部56で生成するエバネッセント波によって加熱し、また、相変化させる。これによって、上記情報記録面の微小領域に情報を記録する。一方、誘電体ディスク53に記録されている情報を読み出す場合は、このディスク53の情報記録面に、上記光学センサ55の光取り出し部56を近接した状態で、エバネッセント波を生成する。上記誘電体ディスク53の情報記録面が有する電気分極の影響によって、上記光学センサ55の光取り出し部56における表面プラズマおよび局所表面プラズマの励起条件が変化するので、上記光学センサ55の活性層でのレーザ発振条件に変化が生じる。すなわち、活性層におけるレーザ発振の閾値電流に変化が生じる。この閾値電流の変化を検出することによって、上記誘電体ディスク53の情報記録面の電気分極の強度を読み取り、この電気分極の状態の変化によって表された情報を読み出す。
【0057】
上記光学センサ55は、誘電体ディスク53における電気分極の強度に限らず、電気分極の有無や、電気分極の方向や、微小領域のエバネッセント波の存在およびその強度などを検出することができる。また、レーザ共振器による光増幅作用を用いて、検出した信号を増幅することができる。つまり、この光学センサ55は、レーザ共振器をエバネッセント波の信号の光増幅器として利用できる。
【0058】
【発明の効果】
以上より明らかなように、本発明の光学素子によれば、レーザ共振器を形成する2つの端面を有する発光層と、上記2つの端面の対向方向において上記2つの端面の間に位置して上記発光層から電磁波を取り出す電磁波取り出し部とを備えるので、上記2つの端面の間で生成されるレーザ光を、上記電磁波取り出し部に、電界ベクトル成分が略直角をなすp偏光の状態で入射させることができ、その結果、上記電磁波取り出し部で、強度が大きいエバネッセント波を取り出すことができる。
【0059】
また、本発明の光学センサによれば、上記光学素子を備え、上記光学素子の上記電磁波取り出し部と、被測定物とを近接した状態での上記発光層におけるレーザ発振の閾値電流を検出することによって、上記被測定物の例えば電気分極の存在や、上記電気分極の方向や、上記電気分極の強さなどが検出できる。また、上記被測定物におけるエバネッセント波の存在や、このエバネッセント波の強度が検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1参考例の光学素子を示す斜視図である。
【図2】 図2(a)は、図1の光学素子の奥行方向略中央における断面図であり、図2(b)は、図2(a)の各層のバンドギャップおよび屈折率の分布を示す図である。
【図3】 光学素子における各レーザモードを示した曲線である。
【図4】 図4(a)は、エバネッセント波を取り出す開口近傍を示す断面図であり、図4(b)は、上記第1参考例の変形例を示す断面図である。
【図5】 図5(a)は、第2参考例の光学素子を示す斜視図であり、図5(b)は、図5(a)の光学素子の奥行方向略中央における断面図である。
【図6】 図6(a)は、電磁波取り出し部としての開口の近傍を示す図であり、図6(b)は、本発明の実施形態の電磁波取り出し部となる上記第2参考例の変形例を示す図である。
【図7】 図7(a)は、第3参考例の光学素子の電磁波取り出し部を示した断面図であり、図7(b)は、電磁波取り出し部の変形例を示す断面図であり、図7(c)は、電磁波取り出し部の他の変形例を示す断面図である。
【図8】 エバネッセント波と表面プラズモンの分散関係を示した図である。
【図9】 図9(a),(b),(c)は、電磁波取り出し部の変形例を夫々示す図である。
【図10】 図10(a),(b),(c)は、電磁波取り出し部の変形例を夫々示す図である。
【符号の説明】
10 光学素子
12 開口
100 p電極
101 基板
103 下クラッド層
104 活性層
104a 端面
105 上クラッド層
106 n電極
Claims (4)
- レーザ共振器を形成する2つの端面を有する発光層と、
上記2つの端面の対向方向において上記2つの端面の間に位置して上記発光層から電磁波を取り出す電磁波取り出し部とを備え、
上記電磁波取り出し部は、この電磁波取り出し部周辺の屈折率と異なる屈折率を有すると共に、上記レーザ共振器で生成されるレーザ光の波長がλであり、上記発光層の屈折率がnであるとして、λ/nよりも小さい寸法を有し、
上記発光層に接すると共に、この発光層の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層を備え、この低屈折率層は、上記発光層と低屈折率層が接する界面で上記発光層側からの光が全反射する際に、この低屈折率層側に染み出る電磁波の染み出し距離よりも小さい厚みを有し、
上記低屈折率層の上記発光層に接する側と反対側の面に、上記発光層と低屈折率層が接する界面から染み出た電磁波を遮る遮蔽層を備え、
上記遮蔽層に、上記電磁波取り出し部を形成し、
上記発光層はストライプ状の発光領域を有し、
上記電磁波取り出し部は上記発光層の側方に位置し、
上記発光領域の幅方向中央と、上記発光層の上記電磁波取り出し部側の側面との間の距離が、上記発光領域の幅よりも小さいことを特徴とする光学素子。 - 請求項1に記載の光学素子において、
上記電磁波取り出し部は、所定の厚みを有する金属膜を備えることを特徴とする光学素子。 - 請求項1または2に記載の光学素子において、
上記電磁波取り出し部は、所定の径を有する金属粒を備えることを特徴とする光学素子。 - 請求項1乃至3のいずれか1つに記載の光学素子を備え、
上記光学素子の上記電磁波取り出し部と、被測定物とを近接した状態での上記発光層におけるレーザ発振の閾値電流を測定することによって、上記被測定物の状態を検知することを特徴とする光学センサ。
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