JP4800896B2 - 磁気センサー素子及びその製造方法、磁気ヘッド、磁気再生装置、並びに磁気再生方法 - Google Patents

磁気センサー素子及びその製造方法、磁気ヘッド、磁気再生装置、並びに磁気再生方法 Download PDF

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Description

本発明は、光を用いて磁気抵抗効果素子を昇温し、磁気記録媒体に記録された記録情報を再生する磁気センサー素子と、この磁気センサー素子を備えている磁気ヘッド、磁気再生装置および磁気再生方法とに関する。
ハードディスクに代表される磁気記録媒体の高密度化に伴い、記録された磁気記録情報を高感度に読み出すための磁気センサー素子として、外部磁界の変化によって素子の抵抗値が変化する磁気抵抗効果素子(MR素子)を用いた磁気抵抗効果センサー(MRセンサー)が広く用いられている。
上記のMR素子の中でも、巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子:Giant magneto-resistive)や、トンネル磁気抵抗効果素子(TMR素子:Tunneling magneto-resistive)は、数%から、場合によっては200%を超える高い磁気抵抗効果比(MR比)が得られるため、高感度な磁気抵抗効果センサーに適した磁気抵抗効果素子として磁気センサー素子への応用が盛んに行われている。
図24には、従来の磁気抵抗効果素子についてその一例の概略図を示す。基板300上に下部電極層308、磁化が面内の一方向に固定された磁化固定層303、非磁性体層304、外部磁界によって磁化方向が膜面内で変化する磁化自由層305、上部電極層307を有している。ここに示す磁気抵抗効果素子は、下部電極層308と上部電極層307との間に電圧を印加することで電位差を生じさせ、膜面に対して垂直方向に電流を流すことで動作するいわゆるCPP(Current Perpendicular to Plane)型の磁気抵抗効果素子である。
上記磁化固定層303は、反強磁性層301と強磁性層302とを含んで形成されることが一般的であり、反強磁性層301が強磁性層302の磁化を交換結合力でもって一方向に固定することで強磁性層302の見かけ上の保磁力を大きくしている。なお、反強磁性層301にはMnPtやMnFe、MnIrに代表される反強磁性体が用いられ、強磁性層302にはFeやCoFe、CoFeBが主に用いられる。また、上記基板300には、表面を熱酸化したSi基板やアルチック(Al・TiC)が主に用いられ、下部電極層308および上部電極層307には、CuやCuを含む金属やNiFe等の軟磁性材料が用いられる。非磁性体層304には、GMR素子においてはCuやCuを含む金属が主に用いられ、TMR素子においては酸化Alや酸化Mgが一般に用いられる。また、磁化自由層305には、FeやCoFe、CoFeB、NiFeや、これらを積層したものが用いられる。
このような磁気抵抗効果素子では、磁化固定層303と磁化自由層305との磁化の相対角度によって電子の透過率が変化し、磁気抵抗効果が生じる。磁気抵抗効果が生じる原因を簡単に記述すれば以下の通りである。なお、上下電極層間に印加される電圧は下部電極層308から上部電極層307に向かって伝導電子が移動する方向であってもよく、上部電極層307から下部電極層308に向かって移動する方向であってもよいが、ここでは、下部電極層308から上部電極層307に向かって伝導電子が移動する方向に電圧が印加された場合について説明する。
下部電極層308−上部電極層307間の電圧印加によって生じる伝導電子は、スピン角運動の向きの異なる2種の電子、すなわち、アップスピン電子とダウンスピン電子とからなり、下部電極層308を発する時点では同数のアップスピン電子とダウンスピン電子とを持つ。
上記伝導電子が、一方向に揃った磁化を有する磁化固定層303を通過すると、スピンの向きに応じて通過する量が異なるスピン依存散乱を生じ、アップスピン電子数とダウンスピン電子数とに差が生じる。続いて、非磁性体層304を通過した伝導電子は、磁化自由層305を通過する際に、再度スピン依存散乱を生じるが、このとき、磁化固定層303の磁化方向と磁化自由層305の磁化方向とが略平行の場合には、磁化固定層303の磁化方向と磁化自由層305の磁化方向とが略反平行の場合に比べて、磁化自由層305における散乱量が小さくなる。
このため、磁化自由層305を通過する伝導電子の数は、磁化自由層305の磁化方向によって異なり、上部電極層307に到達する伝導電子の総数が変化するため、素子抵抗の変化を生じる。このとき、磁化固定層303の磁化方向と磁化自由層305の磁化方向が略平行な場合の素子抵抗をR、略反平行な場合の素子抵抗をRAPとすれば、磁気抵抗効果素子のMR比(磁気抵抗効果比)はΔR/R=(RAP−R)/Rで定義される。
このような磁気抵抗効果素子を、磁気記録媒体に記録された磁気記録情報を読み出すための磁気センサー素子として用いる場合には、上記の構成に加えて、磁化自由層305の両端に磁化自由層305の磁化を安定化(一軸化)する目的でバイアス層306が形成され、磁化自由層305の紙面上下方向の厚み(膜厚)がトラック長さ方向の再生分解能を、紙面左右方向の幅(磁性膜の膜面方向幅)がトラック幅方向の再生分解能をそれぞれ決定する。
上記バイアス層306には主にCoFePtやCoFePtCr等の強磁性金属が用いられ、バイアス層306の形成に際しては、フォトリソグラフィを用いたパターニングが施され、下部電極層308上の一部が削り取られた後、磁化固定層303から非磁性体層304にかけての素子側面に、SiOに代表される絶縁層309が形成され、磁化自由層305の両側面に、磁化自由層305に直接接して、または、非磁性体を介して、バイアス層306が配置される。また、下部電極層308と磁化固定層303との間、および、上部電極層307と磁化自由層305の間には、必要に応じて、膜表面のラフネス低減や、膜の密着性向上、および、リソグラフィ時のダメージ防止の目的でバッファ層が形成される場合もある。
このような磁気センサー素子の読み出し対象となる磁気記録媒体が垂直磁気記録媒体である場合、媒体からの漏洩磁界は図22の磁気抵抗効果素子に対して紙面の表裏方向に加わることになり、紙面が媒体対向面となる。
ここで特許文献1には、上述したような磁気センサー素子を動作させるために磁気抵抗効果素子にセンス電流を流す際、発生する熱によって生じる磁気抵抗効果素子の温度上昇を抑える技術が開示されている。具体的には、熱伝導率と絶縁性とが優れているシリコンやダイヤモンドライクカーボンを用い、磁気抵抗効果素子が発熱しても放熱効果の優れた絶縁層を通して熱が外部に放熱され、磁気抵抗効果素子の温度上昇を抑えることができる技術が開示されている。
特開平6−223331号公報
なお、近年では、急速な高度情報社会化と共に、磁気記録媒体の高密度化が進み、記録密度が1Tbit/inchもの高密度記録媒体を視野に入れた検討が行われている。その記録ビットの大きさは理論計算上で、25 nm×25 nmもの微小サイズである。
記録されたデータを再生するための磁気センサー素子は、一般的に磁気抵抗効果素子が用いられている。このうち、磁気抵抗効果素子の幅すなわち図24における紙面左右方向については、記録ビットと同程度の大きさ、もしくはより小さく加工する必要がある。なぜならば、磁気抵抗効果素子幅がトラック幅方向の再生分解能を担っているからである。つまり、仮に高密度に記録が行えたとしても、磁気抵抗効果素子幅を記録ビットサイズと同程度に加工できない限り、クロストーク等の問題があり再生することが難しく、微細化加工技術の進歩に依存した現状がある。
このうち、高密度に記録された記録媒体の記録ビットの再生を行う磁気抵抗効果素子を微細化する技術として、フォトリソグラフィが一般的であるが、現在の技術では約60 nmのサイズ程度が限界であり、25nmの微小サイズに加工することは難しい。
フォトリソグラフィ以外の加工技術として、収束イオンビーム(FIB)や高密度電子ビーム(EB)を用いた微細加工技術が挙げられるが、微細化加工過程上、超高真空にする必要がある、多数の素子を同時加工出来ないといった問題があるため量産化が難しい問題がある。また、仮に微細化加工技術の進歩により、さらなる磁気抵抗効果素子の微細化加工が可能になるとしても、磁気抵抗効果素子幅が微細化されることで磁化自由層のサイズが小さくなるので、反磁界や熱揺らぎの問題によって一軸異方性を持った磁化状態を実現することは難しい。特に加工エッジ部では磁化が閉磁路を形成し易くなる問題が生じ、再生信号特性の信頼性や再生分解能の向上に大きな妨げとなる。このようなことから、単純に磁気抵抗効果素子幅を微細化することで高密度記録媒体の再生を行うことは難しくなってきている。
したがって、磁気抵抗効果素子の幅よりも狭い幅の磁気信号を、高い分解能で読み出すことができる磁気センサー素子が望まれているが、上述した特許文献1のものでは、単に磁気抵抗効果素子の温度上昇を抑えることができるだけであり、それだけでは、より高い分解能で読み出すことができる磁気センサー素子を提供できないと考えられる。
そこで、本発明は、磁気抵抗効果素子の幅よりも狭い幅の磁気信号を、高い分解能で読み出すことができる磁気センサー素子を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段及び効果
(1) 本発明の磁気センサー素子は、非磁性体層と、前記非磁性体層を挟む磁化自由層と磁化固定層とを有し、温度変化に伴って外部磁界に対する磁界感度が変化する磁気抵抗効果素子と、前記磁気抵抗効果素子の側面に沿って形成された熱交換熱伝導体層とを含んでなる磁気センシング部と、前記磁気センシング部にレーザー光を照射するレーザー光源素子とを備えている
上記(1)の構成によれば、磁気センシング部にレーザー光源素子からの光ビームが照射された際、磁気センシング部に含まれる磁気抵抗効果素子内において温度勾配を生じさせることができる。すなわち、磁気抵抗効果素子が熱せられるとともに、熱伝導体層が磁気抵抗効果素子の側面周囲の熱を外部に放熱することによって、上記磁気センシング部に含まれる磁気抵抗効果素子内に温度勾配を発生させ、磁気抵抗効果素子内の磁界感度の高い箇所(最高温度となっている箇所とその周囲付近)でのみ、記録された磁界を読むことができる高分解能の磁気センサーを実現することができる。
(2) 上記(1)の磁気センサー素子においては、前記磁気抵抗効果素子と一端が近接するように形成された直線状の微小開口を有している近接場光発生部をさらに備え、前記微小開口が、他端側からの前記レーザー光源素子によるレーザー光の照射によって、前記一端側において発生させた近接場光を前記磁気抵抗効果素子の前記磁化自由層に照射するものであることが好ましい。
上記(2)の構成によれば、微小開口で発生する近接場光を磁気センシング部の微小領域(磁気抵抗効果素子の磁化自由層)に照射できるため、磁気抵抗効果素子の磁化自由層を中心に熱することができ、磁気抵抗効果素子の磁化自由層内の温度勾配をより強めることができる。
(3) 上記(1)又は(2)の磁気センサー素子においては、前記熱伝導体層が、前記非磁性体層、前記磁化自由層及び前記磁化固定層の積層方向における前記磁気抵抗効果素子の中心線に対して対称位置となるように、且つ、前記磁気抵抗効果素子を挟むように形成された1対の層であることが好ましい。
上記(3)の構成によれば、レーザー光源素子からの光ビームの照射で発生した際の熱の放熱効果を強くすることができるので、磁気抵抗効果素子内において、磁気抵抗効果素子中心から1対の層で構成される熱伝導体層のそれぞれの層方向に、より大きな温度勾配を対称的に発生させることができる。また、温度勾配を磁気抵抗効果素子中心から対称的に発生させていることから、外部磁界のセンシングポイント(原点)を、磁気抵抗効果素子の中心とすることができるので、磁気再生装置の磁気センサー用の部品として利用しやすいものとなり、磁気再生装置の設計がしやすくなる。
(4) また、上記(3)の磁気センサー素子においては、前記磁化自由層の磁化を一方向に揃えるための1対のバイアス層が、前記中心線に対して対称位置となるように、且つ、前記熱伝導体層のそれぞれに対し、前記非磁性体層、前記磁化自由層及び前記磁化固定層の積層方向において隣接するように、前記磁気センシング部に形成されていることが好ましい。
上記(4)の構成によれば、磁化自由層の磁化を一方向に揃えるためのバイアス層と、放熱効果の高い熱伝導体層とを共に形成できるので、生産性を向上できると共に小型の磁気センサー素子を提供できる。
(5) また、別の観点として、上記(2)の磁気センサー素子においては、前記熱伝導体層が、前記非磁性体層、前記磁化自由層及び前記磁化固定層の積層方向における前記磁気抵抗効果素子の中心線に対して対称位置となるように、且つ、前記磁気抵抗効果素子と前記微小開口とを同時に挟むように、前記磁気センシング部及び前記近接場光発生部にまたがって形成された1対の層であることが好ましい。
上記(5)の構成によれば、熱伝導体層の容量が大きくなるので、磁気抵抗効果素子からより熱を奪うことができる。その結果として、温度勾配をより急峻にすることができる。また、近接場光発生部の熱伝導体層と、磁気センシング部の熱伝導体層とを、一度に形成できるため、生産性を向上できるとともに小型の磁気センサー素子を提供できる。
(6) 上記(5)の磁気センサー素子においては、前記磁化自由層の磁化を一方向に揃えるための1対のバイアス層が、前記中心線に対して対称位置となるように、且つ、前記熱伝導体層のそれぞれに対し、前記非磁性体層、前記磁化自由層及び前記磁化固定層の積層方向において隣接するように、前記磁気センシング部及び前記近接場光発生部にまたがって形成されていることが好ましい。
上記(6)の構成によれば、近接場光発生部のバイアス層と、磁気センシング部のバイアス層とを、一度に形成できるため、生産性を向上できるとともに小型の磁気センサー素子を提供できる。
(7) 上記(2)、(5)及び(6)の磁気センサー素子においては、前記近接場光発生部が、前記微小開口と隣接する金属層をさらに有していることが好ましい。これにより、微小開口で発生する近接場光を増強することができる。
(8) 上記(2)及び(5)〜(7)の磁気センサー素子においては、前記微小開口内に誘電体層が形成されていてもよい。これにより、微小開口で発生する近接場光を効率よく伝播させることができる。また、近接場光発生部における誘電体層の上部に積層される層を容易に形成できる磁気センサー素子を提供できる。
(9) 上記(2)及び(5)〜(8)の磁気センサー素子においては、前記微小開口の一端が、前記磁気抵抗効果素子の前記磁化自由層と隣接するように形成されていてもよい。
上記(9)の構成によれば、微小開口で発生する近接場光を磁気抵抗効果素子の磁化自由層に直接照射することができ、磁気抵抗効果素子の中心付近の温度を側面よりもより高くできるので、磁気抵抗効果素子内の温度勾配をさらに強くすることができる。
(10) 上記(1)〜(9)の磁気センサー素子においては、前記磁化自由層が、Gd、Dy、Tb、Hoから選ばれる少なくとも1種類の元素とFe、Co、Niから選ばれる少なくとも1種類の元素とを含んで成ることが好ましい。
上記(10)の構成によれば、温度変化によって保磁力が小さくなった際の保磁力絶対値を小さくでき、磁気抵抗効果素子の外部磁界感度を高めることが可能であるとともに、組成調整により使用温度の調整を容易に行うことができる。
(11) 上記(1)〜(10)の磁気センサー素子においては、前記熱伝導体層が、Au、Ag、Cu、Al、Mg、Mo、W、Si、ダイヤモンドライクカーボン、又は、これらの元素を主体とする金属材料から成ることが好ましい。
上記(11)の構成によれば、磁気抵抗効果素子からの放熱性をさらに高めることが可能となるので、磁気抵抗効果素子内の温度勾配をよりさらに強くすることができる。
(12) 上記(1)〜(11)の磁気センサー素子においては、前記熱交換熱伝導体層は、前記磁気抵抗効果素子の側面に沿って絶縁層を介して形成されていてもよい。
上記(12)の構成によれば、磁気抵抗効果素子からの放熱性を維持しつつ、熱交換熱伝導体層と磁気抵抗効果素子とが接して電流短絡が生じることを防ぐことができる。
(13) また、本発明は、上記(2)及び(5)〜(8)の磁気センサー素子のいずれか1つの磁気センサー素子の製造方法であって、基板上に磁化固定層、非磁性体、磁化自由層を積層してなる磁気抵抗効果素子を有する磁気センシング部を形成する工程と、前記磁気抵抗効果素子の一部を削り取ってなる微小開口を有する近接場光発生部を形成する工程とを有している。
上記(13)の構成によれば、近接場光発生部の製造プロセスを簡略化でき、微小開口と磁気抵抗効果素子との位置合わせが高精度に行われる製造方法を提供できる。
(14) 上記(13)の方法においては、上記(5)又は(6)の磁気センサー素子の製造方法であって、熱伝導体層を磁気センシング部と近接場光発生部とにまたがって形成する工程をさらに有することが好ましい。これにより、磁気センシング部と近接場光発生部とにおいて、熱伝導体層を別個に作製する場合に比べて、製造プロセスを簡略化できる。
(15) 上記(14)の磁気センサー素子の製造方法においては、バイアス層を磁気センシング部と近接場光発生部とにまたがって形成する工程をさらに有することが好ましい。これにより、磁気センシング部と近接場光発生部とにおいて、バイアス層を別個に作製する場合に比べて、製造プロセスを簡略化できる。
(16) また、別の観点として、上記(13)の方法においては、上記(8)の磁気センサー素子の製造方法であって、前記微小開口に誘電体層を埋め込み形成する工程をさらに有することが好ましい。これにより、近接場光発生部における誘電体層の上部に積層される部位を容易に形成でき、製造プロセスを簡略化できる。
(17) また、本発明の磁気ヘッドは、ABS面形状が形成されているスライダ基板と、前記スライダ基板上に形成されている上記(1)〜(11)のいずれか1つの磁気センサー素子とを有している。これにより、スライダと磁気センサー素子用の基板とを別個に作製する場合に比べて部材を減らすことができるので、製造プロセスが簡略で、軽量な磁気ヘッドを提供できる。
(18) 上記(17)の磁気ヘッドにおいては、前記磁気センサー素子に光ビームを照射するレーザー光源素子が、前記スライダ基板上に形成されていることが好ましい。このように、1つの基板上に磁気センサー素子とレーザー光源素子とを形成することで、光ビームの照射位置決め精度を高め、光ビーム照射信頼性の向上と、生産性向上とを実現することができる。
(19) また、本発明の磁気再生装置は、上記(17)又は(18)の磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドによって磁気再生される磁気記録媒体とを備えている。これにより、上述の磁気ヘッドの効果を奏するとともに、効率的な情報再生が可能な磁気再生装置を提供できる。
(20) また、本発明の磁気再生方法は、上記(19)の磁気再生装置を用い、近接場光で磁気抵抗効果素子を昇温し、磁気記録媒体に記録された記録情報を再生するものである。これにより、上記の磁気再生装置を用いて、高精度かつ効率的な情報再生を実現できる。
<第1実施形態>
以下、図面を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る磁気ヘッドについて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る磁気ヘッドの主要部を示す斜視概略図である。図2は、図1の磁気ヘッドにおける磁気センサー素子の記録媒体対向面(X−Z平面)と、この記録媒体対向面の中心点とを示す平面図である。図3は、図2の磁気センサー素子における磁気抵抗効果素子のX−Z平面の断面図である。
本実施形態の磁気ヘッド1においては、図1に示すように、記録媒体対向面にABS面形状(図示せず)を有するスライダ基板としての基板2と、基板2に実装される磁気センサー素子3と、磁気センサー素子3に光ビームを照射するレーザー光源素子4とを備えている。ここで、説明の便宜のため、図1においては、以下のようなX軸、Y軸及びZ軸とする。すなわち、基板2面の鉛直方向をZ軸とし、上方向をZ軸の正方向とする。また、レーザー光源素子4から磁気センサー素子3への光ビーム照射軸をY軸とし、紙面奥向きをY軸正方向とする。さらに、基板2面と平行であり、かつ光ビーム照射方向と直交する軸をX軸とし、紙面右方向をX軸正方向とする。また、図1における基板2と磁気センサー素子3との端面(紙面手前の面)が、記録媒体対向面となる。なお、以下では、特に表記しない限り、各図中に示したX軸、Y軸及びZ軸を用いて、方向を示すことがある。
基板2には、表面にレーザー光源素子4をエピキタシシャル成長させるために、Si、Ge、SiC等のIV族半導体、GaAs、GaP、InP、AlAs、GaN、AlGaAs、InN、InSb、GaSb、AlN等のIII−V族化合物半導体、又は、ZnTe、ZnSe、ZnS、ZnO等のIII−VI族化合物半導体などの材料を用いる。なお、一変形例として、基板2上にレーザー光源素子4を形成せず、外部から磁気センサー素子3に光ビームを照射する場合は、上記材料の他に、アルチック(Al・TiC)やZnO、Al、SiO、TiO、CrO、CeO等の酸化物絶縁体、SiNなどの窒化物絶縁体、ガラス、又は、プラスチックなどを用いてもよい。
磁気センサー素子3は、磁気センシング部5からなる。この磁気センシング部5は、基板2上に、絶縁膜6、下部磁気シールド層7、磁気抵抗効果素子8が順に積層されている。また、磁気抵抗効果素子8の両側部のそれぞれには、絶縁層9を介して、膜面方向すなわちトラック幅方向(X軸に沿った方向)に熱勾配をつけるための熱伝導体層10、磁気抵抗効果素子8にバイアス磁界を印加するためのバイアス層11を順に積層してなる積層体が形成されている。なお、絶縁層9は、下部磁気シールド層7の上表面にも形成されている。そして、磁気抵抗効果素子8、絶縁層9及びバイアス層11の上を覆うように上部磁気シールド層12が積層されている。
ここで、下部磁気シールド層7及び上部磁気シールド層12は、磁気記録媒体や磁気センサー素子3の周囲から発生するノイズ磁界を打ち消すためのものである。これら上部磁気シールド層12および下部磁気シールド層7には、高透磁率材料が適している。なぜなら、磁気遮蔽したい空間を高透磁率材料で囲むと、磁力線は比透磁率が高く磁気抵抗の低い材料にそって流れ、磁気シールド効果が発生するからである。具体的には、例えばNiFeやNiFeTa等を用いて形成される。上部磁気シールド層12および下部磁気シールド層7の膜厚は、ノイズ源となる磁界を打ち消すことのできる膜厚であればよく、例えば500nmから3μm程度とする。また、上部磁気シールド層12、下部磁気シールド5bはそれぞれ上部電極、下部電極を兼ねており、磁気センサー素子3の外部から電圧を印加して、伝導電子を磁気抵抗効果素子8内に流すための電極層の役割を併せ持つ。したがって、絶縁膜6を用いて、基板2との電気的な絶縁を下部磁気シールド層7に対して行っている。
磁気抵抗効果素子8には、温度変化に伴って外部磁界に対する磁界感度が変化する熱感応型磁気抵抗効果素子を用いる。この熱感応型磁気抵抗効果素子とは、言い換えれば、磁気抵抗効果素子の低温領域で検出できる磁界強度と、高温領域で検出できる磁界強度とが異なる磁気抵抗効果素子である。磁気抵抗効果素子は、磁気抵抗効果素子に含まれる磁化自由層で磁気記録媒体からの漏洩磁界をセンシングするが、上記の熱感応型磁気抵抗効果素子では、磁化自由層中のトラック幅方向(図中のX方向)に温度分布を持たせることにより、磁気記録媒体からの漏洩磁界を磁化自由層の磁界感度の高い箇所(高温領域)のみで検出する。つまり、磁化自由層よりも幅の狭い記録ビットからの漏洩磁界を高分解能で検出できる磁気抵抗効果素子である。以下、このような熱感応型磁気抵抗効果素子である磁気抵抗効果素子8について説明する。
磁気抵抗効果素子8は、磁化自由層を除いて従来技術と基本的には同じ構成であり、図3に示す通り、反強磁性層21と強磁性層22とを順に積層してなる磁化固定層23、非磁性体層24、面内磁化層26と高透磁率層27と保磁力変化自由層28とを順に積層してなる磁化自由層25を、順に積層することによって形成されている。このうち、磁化固定層23は、膜面内に磁化方向を持っている。なお、磁化自由層25における面内磁化層26と高透磁率層27とは、必要に応じて形成されるものであり、なくてもよい。
反強磁性層21は、強磁性層22と交換結合して、強磁性層22を固定(一方向異方性を付与)する目的で作製されるものであって、例えばMnを用いた反強磁性を示す合金、具体的にはMnと、Pt,Ir,Fe,Ru,Cr,Pd,Niから選ばれる少なくとも一つの元素とを合わせて用いるものである。反強磁性層21の膜厚は10〜20nm程度である。強磁性層22は、反強磁性層21と交換結合することで一方向異方性を付与され、強磁性層22を単層で作製した場合よりも、見かけ上高い保磁力を一方向に有する層であり、例えば、CoFe,CoFeNi,NiFe,CoFeB,CoPt,CoFePt等の強磁性体金属を用いて形成する。強磁性層22の膜厚は2〜10nm程度である。また、一変形例として、強磁性層22の配向性を揃えるために、シードレイヤーとしてNiFeを含む材料が○○上に積層されても構わない。
非磁性体層24は、例えばAl,Cu,Au,Ag,Mg等の電気的に導電性の高い金属材料、またはこれらの合金、または、これらの酸化物または窒化物からなり、磁化固定層23と磁化自由層25との間の磁気的な交換結合力を遮断するとともに、膜面に対して垂直方向に流れる伝導電子を通過させる役割を果たす。ここで、非磁性体層24を、電気抵抗の低い材料、すなわち導電性金属材料を用いて形成すれば磁気抵抗効果素子はGMR素子となり、電気抵抗の高い材料、すなわち上記導電性金属元素の酸化物や窒化物を用いればTMR素子となる。非磁性体層24の膜厚は1〜3nm程度である。ここで、一変形例として、非磁性体層24は、酸化物や窒化物中に導電性金属材料のクラスターが存在するといったように、酸化物や窒化物、導電性金属材料とを複合した層であっても構わない。
面内磁化層26は、スピン分極率を高め、MR比を高める目的と、非磁性体層24に酸化物または窒化物を用いた場合に保磁力変化自由層28が酸化または窒化して特性劣化してしまうことを防ぐ目的、および/または、保磁力変化自由層28の検出感度を高める目的で、形成されている。面内磁化層26は、保磁力変化自由層28よりも高いスピン分極率を有している材料や、保磁力変化自由層28よりも酸化または窒化されにくい材料を用いる。具体的には、例えば、CoFe,CoFeNi,NiFe,NiFeTa,NiFeNb,CoFeB,CoPt,CoFePt等から選択した材料を用いて形成する。面内磁化層26の膜厚は1〜5nm程度である。
高透磁率層27は、外部磁界に対する感度を高める目的で、保磁力変化自由層28と接するように形成されている。高透磁率層27には、NiFeやこれにTa,Nb等の添加物が添加された軟磁性材料を用いる。高透磁率層27の膜厚は2〜15nm程度である。
保磁力変化自由層28は外部磁界を検出する層であり、検出感度を高めるために、磁界を検出する温度(保磁力が相対的に小さくなる温度)において保磁力絶対値が小さく、透磁率が大きな特性を示す材料を用いる。保磁力変化自由層28の膜厚は3〜20nm程度である。このような保磁力変化自由層28を用いるので、磁化自由層25において、温度によって磁界感度が変わるという特性を実現できる。以下に、保磁力変化自由層28について詳述する。
保磁力変化自由層28は、自発磁化が0となり保磁力が原理上無限大となる補償温度(Tcomp)を持つフェリ磁性体で形成される。具体的には例えば、Gd,Tb,Ho,Dyから選ばれる少なくとも一つの重希土類金属と、Fe,Co,Niから選ばれる少なくとも一つの3d遷移金属とを含んで成り、より具体的には、例えばGdCo、GdFeCoを含んで成る保磁力変化自由層を用いる。そして、膜面方向の保磁力が、室温下と室温より高い温度下で変化するように組成が調整されている。これにより、例えば室温近傍に補償温度(Tcomp)を設定すれば、室温では保磁力が大きく、室温より高い温度下では保磁力が小さくなるようにできる。これにより、温度によって磁界検出感度の異なる磁化自由層25、引いては、温度によって磁界検出感度の異なる磁気抵抗効果素子8を実現できる。
次に、保磁力変化自由層28の動作原理を、重希土類金属と3d遷移金属との合金(希土類遷移金属合金)を例に取って示す。
重希土類金属と3d遷移金属との合金は、互いの磁化が反平行に揃ったフェリ磁性を示すアモルファス金属体であり、重希土類金属副格子の磁化と3d遷移金属副格子の磁化との差がトータル磁化として現れることが知られている。このような希土類遷移金属合金は、温度上昇に伴いキュリー温度に向かって希土類金属副格子と遷移金属副格子とが異なった磁化の減少傾向を示すため、温度によってトータル磁化量(自発磁化量)が変化する。
具体的には、希土類金属副格子の磁化量と遷移金属副格子の磁化量が同じとなる温度(補償温度Tcomp)以下の温度では希土類金属副格子の磁化量(MRE)が遷移金属副格子の磁化量(MTM)を上回り、トータルの磁化量(MTOTAL)は、MTOTAL=MRE−MTMで表すことができる。一方、補償温度(Tcomp)以上の温度では遷移金属副格子の磁化量(MTM)が希土類金属副格子の磁化量(MRE)を上回り、トータルの磁化量(MTOTAL)は、MTOTAL=MTM−MREで表される。また、補償温度Tcomp近傍では、トータル磁化量(自発磁化量)が0となるために、外部磁界を感知しなくなり、このため、保磁力Hが大きくなって、理論上無限大に増加することが知られている。
上記のような、保磁力Hが大きくなる温度(補償温度Tcomp)は、希土類金属と遷移金属との組成比によって調整することが可能である。
磁気抵抗効果素子8の保磁力変化自由層28では、上記フェリ磁性体の補償温度Tcomp近傍を利用する。例えば、室温において補償温度Tcomp近傍となるように組成調整しておく。これによれば、温度上昇または温度低下に伴って、遷移金属副格子の磁化量(MTM)と希土類金属副格子の磁化量(MRE)との差が大きくなる(温度上昇に伴ってMTOTAL=MTM−MREが大きくなり、温度低下に伴ってMTOTAL=MRE−MTMが大きくなる)、保磁力変化自由層28が得られる。すなわち、室温において保磁力Hが非常に大きく、温度上昇や温度低下に伴って保磁力Hcが小さくなる保磁力変化自由層28を実現できる。
ここで、図4に、磁化自由層25の一例として、面内磁化層:Co70Fe30(1nm)/高透磁率層:Ni80Fe20(10nm)/保磁力変化自由層:Gd39Co61(15nm)の積層膜からなる磁化自由層における保磁力の温度依存性を示す。
図4に示すように、本例の磁化自由層は、温度上昇に伴って保磁力が減少し、120℃を超える温度では、約7.96×10〔A/m〕(10〔Oe〕)以下の保磁力を示すような磁化自由層25となっている。一般的に磁気記録媒体からの漏洩磁界を検出するためには、磁化自由層の保磁力が例えば約7.96×10〔A/m〕(10〔Oe〕)以下であることが望ましいとされているので、この場合については、110℃以上程度で漏洩磁界を検出することが可能となる。なお、図4に示したような保磁力の温度依存性は、磁化自由層を構成する積層膜の各膜厚や、保磁力変化自由層(ここではGdCo)の組成を変化させることによって調整可能である。
このように、温度変化に伴って保磁力が単調変化する磁化自由層25を用いる場合には、磁化自由層25内に生じる温度差が大きいほど、磁化自由層25内に生じる保磁力差を大きくできる。言い換えれば、磁化自由層25内に生じる外部磁界検出感度の差を大きく出来る。従って、磁化自由層25のトラック幅方向(図1のX方向)に大きな温度勾配が生成できれば、保磁力が小さくなった一部の領域でのみ、磁気記録媒体からの漏洩磁界が検出されることになり、磁化自由層25のトラック幅方向の長さよりも小さなトラック幅を有する磁気記録媒体からの信号を高分解能で再生できる。
絶縁層9は、熱伝導体層10及びバイアス層11と磁気抵抗効果素子8とが接したり、熱伝導体層10と下部磁気シールド層7とが接したりして、電流短絡が生じることを防ぐ目的で形成されている。絶縁層9には、電気抵抗値の高いZnO、Al、SiO、TiO、CrO、CeO等の酸化物絶縁体や、SiNなどの窒化物絶縁体、あるいはガラス、プラスチックなどを用いる。絶縁層9は、例えば2nmから10nm程度の膜厚で形成する。
熱伝導体層10は、磁化固定層23、非磁性体層24及び磁化自由層25の積層方向における磁気抵抗効果素子8の中心線に対して対称位置となるように、且つ、磁気抵抗効果素子8を挟むように形成された1対の層である。この熱伝導体層10は、高い熱伝導率を示す材料、例えば、Au(金)、Ag(銀)、Cu(銅)、Al(アルミニウム)、Mg(マグネシウム)、Mo(モリブデン)、W(タングステン)、Si(シリコン)、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)や、これらを主体とする金属材料を、単層で、または積層して用いる。このような高い熱伝導率を示す材料を熱伝導体層10に用いることで、磁気抵抗効果素子8のX方向(トラック幅方向)の放熱効果を高め、磁気抵抗効果素子8のトラック幅方向中心部と両端部との温度差をより大きくすることができる。
バイアス層11は、磁化固定層23、非磁性体層24及び磁化自由層25の積層方向における磁気抵抗効果素子8の中心線に対して対称位置となるように、且つ、熱伝導体層10のそれぞれに対し、磁化固定層23、非磁性体層24及び磁化自由層25の積層方向において隣接するように、磁気センシング部5に形成されている。このバイアス層11は、図2に示すように、磁気抵抗効果素子8のX軸方向側壁に絶縁層9を挟んで形成され、磁気抵抗効果素子8内の磁化自由層25の磁化方向を一様に揃えるためのバイアス磁界を付与するためのものであって、CoPt、CoFePt、CoPtB、CoCrPt、CoCrPtBなどの強磁性体からなる。
レーザー光源素子4は、図1に示すように、Y軸方向に長い直方体の形状をしている。そして、レーザー光源素子4の上面には、p型電極層13が形成されており、レーザー光源素子4側方の基板2上にはn型電極層14が形成されている。なお、一変形例として、n型電極層14は、基板2の下面側に形成されていてもよい。このレーザー光源素子4から発せられるレーザー光は、Y軸負方向へ放射され、レーザー光源素子4の活性層の高さと同じ高さになるように形成されている磁気抵抗効果素子8を中心に、磁気センシング部5に照射される。
次に、磁気ヘッド1の製造方法について、一例を用いて説明する。図5(a)〜(f)は、磁気ヘッド51の製造工程を順に示す図である。ここでは、レーザー光源素子4を磁気センサー素子3の形成に先立って形成する方法について示すが、当然、レーザー光源素子4は、磁気センサー素子3を形成した後に形成しても構わない。また、レーザー光源素子4には、波長が750〜850nm程度のGaAlAs系半導体レーザーや、波長が620〜680nm程度のGaAlInP系半導体レーザー、さらには、波長が405nm近傍のGaN系半導体レーザー等を用いることができるが、ここではGaAlInP系半導体レーザーを用いた磁気ヘッド51の製造方法の一例について説明する。
まず、レーザー光源素子4をn型GaAsから成る基板2上に、MOCVD装置を用いて形成する。図示しないが、具体的には、バッファ層としてn型GaInPを300nmの膜厚で形成し、続いて、n型AlGaInPクラッド層を膜厚1μmで、GaInPから成る活性層を膜厚60nmで、p型AlGaInPクラッド層を膜厚1.2μmで、それぞれ形成する。p型AlGaInPクラッド層の一部にはエッチングを施し、ストライプ状のリッジ構造を形成した上で、リッジ構造上部に膜厚200nmのp型GaInPからなるギャップ層を形成する。リッジ構造以外の領域は、膜厚700nmのn型GaAsブロック層を形成し、さらにこれらの上部にp型GaAsからなるコンタクト層を形成する。そして、レーザー光源素子4の上には、Zn/Auからなるp型電極層13を形成し、n型GaAsからなる基板2上には、Ge/Auからなるn型電極層14を形成する(図5(a)参照)。なお、これらは何れも公知の半導体レーザーの構造及び製造法を用いるものである。
続いて、磁気センシング部5の製造プロセスを図5(b)〜図5(f)を用いて説明する。磁気センシング部5の形成には、スパッタリング法に代表される薄膜形成法とリソグラフィ法とを用いる。
まず、基板2上に絶縁膜6として、SiOをZ軸方向に膜厚50nmで形成し、n型GaAsからなる基板2との電気的な絶縁を行った上で、NiFeの下部磁気シールド層7をZ軸方向膜厚1μmで基板上に形成する(図5(b)参照)。なお、下部磁気シールド層7は、基板2上において、レーザー光源素子4に対してY軸負方向側の位置に形成される。すなわち、レーザー光源素子4から発生する光ビームが照射される方向に下部磁気シールド層7を形成する。
次に、スパッタリング装置を用いるスパッタリング法と、リソグラフィ法とを用いて、図3に示すような磁気抵抗効果素子8を形成する。具体的には、まず、下部磁気シールド層7と磁化固定層23との間の密着性を高め、磁化固定層23および磁化固定層23以降に形成される種々の層の結晶粒径や結晶構造、表面粗度を制御する目的で、TaとNiFeおよびCuをそれぞれ5nm、2nm、5nmの膜厚で積層したシード層(図示しない)を、下部磁気シールド層7上に形成する。続いて、反強磁性層21としてMnIrを膜厚15nmで形成した後、強磁性層22としてCoFeを3nmの膜厚で形成し、これらを磁化固定層23とする。さらに続いて、非磁性体層24としてAlを1nmの膜厚で形成した後、スパッタリング装置のチャンバー内にOガスを導入し、O雰囲気中でAlを酸素暴露して酸化し、酸化Al膜とする。そして、非磁性体層24上に、図4の説明で示した磁化自由層25を形成する。具体的には、面内磁化層26としてCo70Fe30を1nmの膜厚で形成し、続いて、高透磁率層27としてNi80Fe20を10nmの膜厚で形成した後、保磁力変化自由層28としてGd39Co61を15nmの膜厚で形成する。さらに、保磁力変化自由層28上部には、保磁力変化自由層28を保護するための、Taから成るバッファ層(図示しない)を5nmで形成した後、トラック幅方向(X方向)の長さが100nmとなるようにエッチング加工する。これらのような工程を得て、磁気抵抗効果素子8が形成される(図5(c)参照)。なお、面内磁化層26、高透磁率層27、保磁力変化自由層28の各組成比率は上述のものに限られず、適宜変更できる。
続いて、スパッタリング法とリソグラフィ法とを用いて、膜厚5nmで、絶縁層9を下部磁気シールド層7上及び磁気抵抗効果素子8側面に積層・形成する(図5(d)参照)。
そして、スパッタリング法を用いて絶縁層9上に、熱伝導体層10となるAgを膜厚30nmで形成し、さらにバイアス層11となるCoPtBの層を、熱伝導体層10上に膜厚30nmで形成する。このとき、磁気抵抗効果素子8の磁化自由層25側部に熱伝導体層10が形成されるようにする(図5(e)参照)。ここで、一変形例として、磁気抵抗効果素子8形成の際、磁化固定層23より先に磁化自由層25を形成する場合は、熱伝導体層10をバイアス層11より先に形成する。すなわち、本実施形態における熱伝導体層10とバイアス層11との配置を逆にする。
続いて、バイアス層11、絶縁層9及び磁気抵抗効果素子8の上に、上部磁気シールド層12となるNiFeの層を1μmの膜厚で形成する(図5(f)参照)。そして、最後に、約3.98×10〔A/m〕(500〔Oe〕)の磁場中で250℃、1時間の磁場中アニールを行って磁化固定層23の固定を行う。以上の工程により、磁気センサー素子3とレーザー光源素子4とを備えた磁気ヘッド1が完成する。
次に、磁気ヘッド1の動作について説明する。まず、レーザー光源素子4から図1中のY軸方向に光ビームが発せられ、磁気抵抗効果素子8を中心とした磁気センシング部5に照射され、磁気抵抗効果素子8を加熱する。このとき、磁気抵抗効果素子8の周囲に形成された、上部磁気シールド12、バイアス層11、及び、特に磁気抵抗効果素子8のトラック幅方向(X方向)に形成された熱伝導体層10に熱が奪われることによって、磁気抵抗効果素子8の特に端部が冷却され、トラック幅方向(X方向)に大きな温度勾配が生じる。
このように、磁化自由層25のトラック幅方向(X軸方向)中心部とトラック幅方向の両端部との間に温度差を作り、中心部を高温にすることで、磁化自由層25のトラック幅方向の中心近傍では、保磁力変化自由層28の保磁力が磁気記録媒体からの漏洩磁界よりも小さくなり、磁気記録媒体からの漏洩磁界を検出する。一方、磁化自由層のトラック幅方向の両端部では、磁化自由層25のトラック幅方向の中心よりも温度が低いために、保磁力変化自由層28の保磁力が大きく、漏洩磁界の検出が行われない。すなわち、磁化自由層25のトラック幅方向の両端部において、隣接トラックの信号を読み出すことが無い。
本実施形態によれば、磁気センシング部5にレーザー光源素子4から光ビームが照射された際、磁気センシング部5に含まれる磁気抵抗効果素子8内において温度勾配を生じさせることができる。すなわち、磁気抵抗効果素子8が熱せられるとともに、熱伝導体層10が磁気抵抗効果素子8の側面周囲の熱を外部に放熱することによって、磁気センシング部5に含まれる磁気抵抗効果素子8内に温度勾配を発生させ、磁気抵抗効果素子8内の磁界感度の高い箇所(最高温度となっている箇所とその周囲付近)でのみ、記録された磁界を読むことができる高分解能の磁気センサー素子3を実現することができる。つまり、磁気抵抗効果素子8における磁化自由層25のトラック幅方向の長さよりも小さなトラック幅の信号検出が可能な磁気センサー素子3を得ることができる。また、このような磁気センサー素子3を有する磁気ヘッド1を提供できる。
また、熱伝導体層10が、磁化固定層23、非磁性体層24及び磁化自由層25の積層方向における磁気抵抗効果素子8の中心線に対して対称位置となるように、且つ、磁気抵抗効果素子8を挟むように形成された1対の層であるので、レーザー光源素子4からの光ビームの照射によって発生した際の熱の放熱効果を強くすることができる。したがって、磁気抵抗効果素子8内において、磁気抵抗効果素子8の中心部から1対の層で構成される熱伝導体層10のそれぞれの層方向に、より大きな温度勾配を対称的に発生させることができる。また、温度勾配を磁気抵抗効果素子8中心8aから対称的に発生させていることから、外部磁界のセンシングポイント(原点)を、磁気抵抗効果素子8の中心8aとすることができるので、磁気再生装置の磁気センサー用の部品として利用しやすいものとなり、磁気再生装置の設計がしやすくなる。
また、バイアス層11は、磁化固定層23、非磁性体層24及び磁化自由層25の積層方向における磁気抵抗効果素子8の中心線に対して対称位置となるように、且つ、熱伝導体層10のそれぞれに対し、磁化固定層23、非磁性体層24及び磁化自由層25の積層方向において隣接するように、磁気センシング部5に形成されている。その結果として、バイアス層11と、熱伝導体層10とを共に形成できるので、生産性を向上できると共に小型の磁気センサー素子3及び磁気ヘッド1を提供できる。
また、磁気ヘッド1は、ABS面形状が形成されているスライダと兼用の基板2と、基板2上に形成されている磁気センサー素子3とを備えているので、スライダと磁気センサー素子用の基板とを別個に作製する場合に比べて部材を減らすことができる。その結果として、製造プロセスが簡略で、軽量な磁気ヘッド1を提供できる。
また、磁気ヘッド1においては、1つの基板2上に磁気センサー素子3とレーザー光源素子4とが形成されている。その結果として、光ビームの照射位置決め精度を高め、光ビーム照射信頼性の向上と、生産性向上とを実現することができる磁気ヘッド1を提供できる。
なお、本実施形態において、図1に示したように必ずしもレーザー光源素子4のトラック方向の幅(X方向の幅)と同じ幅で形成する必要は無い。
<第1実施形態の変形例>
次に、本発明の第1実施形態の変形例に係る磁気ヘッドについて説明する。図6は、本発明の第1実施形態の変形例に係る磁気ヘッドの主要部を示す斜視概略図である。なお、第1実施形態の符号2〜9及び12〜14と同様の部分には、順に符号32〜39及び42〜44を付け、その説明を省略することがある。
本変形例の磁気ヘッド31は、第1実施形態の磁気センサー素子3におけるバイアス層11及び熱伝導体層10に代えて、熱伝導体層40のみを形成した磁気センサー素子33を有している点で、第1実施形態と異なる。
本変形例の磁気ヘッド31の製造方法については、第1実施形態で示した製造方法と同じ製造方法を用いるが、第1実施形態の磁気センサー素子3におけるバイアス層11及び熱伝導体層10の代わりに、熱伝導体層10のみを形成する点が第1実施形態と異なる。
本変形例によれば、第1実施形態のバイアス層11の作用・効果を得ることができない以外は、第1実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。ただし、第1実施形態におけるバイアス層11が形成されていた部分も、熱伝導体層40となっていることから、第1実施形態に比べて、レーザー光源素子4からの光ビームの照射によって発生した際の熱の放熱効果を強くすることができる。したがって、磁気抵抗効果素子38内において、磁気抵抗効果素子38の中心部から1対の層で構成される熱伝導体層40のそれぞれの層方向に、第1実施形態より大きな温度勾配を対称的に発生させることができる。その結果として、第1実施形態よりも小さなトラック幅の信号検出が可能な磁気センサー素子33と、この磁気センサー素子33を有する磁気ヘッド31を得ることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る磁気ヘッドについて説明する。図7は、本発明の第2実施形態に係る磁気ヘッドの主要部を示す斜視概略図である。図8は、(a)が図7の磁気ヘッドにおける磁気センサー素子の記録媒体対向面(X−Z平面)と、この記録媒体対向面の中心点とを示す平面図、(b)が図7の磁気ヘッドにおける磁気センサー素子を所定の断面(境界面68)からY軸の正方向に見た場合の平面図である。なお、第1実施形態の符号2、4〜6、8、13、14と同様の部分には、順に符号52、54〜56、58、63、64を付け、その説明を省略することがある。
本実施形態の磁気ヘッド51は、磁気センシング部55とレーザー光源素子54との間の基板52上に、磁気センシング部55に接し、レーザー光源素子54と接しないように形成されている近接場光発生部65を有している点で、第1実施形態と異なる。また、図7における基板2及び磁気センシング部55の端面(紙面手前の面)が記録媒体対向面となる。
近接場光発生部65は、基板2上に磁気センシング部55から連続形成されている絶縁膜56及び下部磁気シールド層57と、下部磁気シールド層7上に形成されている下部金属層66と、下部金属層66の上の微小開口69内に形成された誘電体層70とを有している。そして、誘電体層70の両側部のそれぞれには、磁気センシング部55から連続形成されている絶縁層59を介して、熱伝導体層60、バイアス層61を順に積層してなる積層体が、磁気センシング部55から連続形成されている。なお、絶縁層59は、下部磁気シールド層7の上表面にも形成されている。さらに、近接場光発生部65における、磁気抵抗効果素子58、絶縁層59及びバイアス層61の上を覆うように、上部金属層67が積層されている。そして、上部金属層67の上には、磁気センシング部55から連続形成された上部磁気シールド層12が積層されている。
誘電体層70が内部に形成されている微小開口69は、レーザー光源素子54の活性層の高さと同じ高さになるように形成されている。また、微小開口69は、境界面68で磁気センシング部55の磁気抵抗効果素子58と接している。そのため、レーザー光源素子54から発せられた光ビームは、微小開口69を通って近接場光として磁気抵抗効果素子58に照射される。このとき、微小開口69のX方向とZ方向の長さは光ビームの波長よりも小さくなるように設定する。このようにすれば、磁気抵抗効果素子58に光ビームの透過光(Far Field光)が照射されることを防ぐことができ、近接場光のみ得ることができる。
上部磁気シールド層62および下部磁気シールド層57は、磁気記録媒体や磁気センサー素子53の周囲から発生するノイズ磁界を打ち消すことを目的に形成されており、近接場光発生部65まで連続形成されている。上部磁気シールド層12および下部磁気シールド層7には、高透磁率材料を用いる。磁気遮蔽したい空間を高透磁率材料で囲むと、磁力線は比透磁率が高く磁気抵抗の低い材料にそって流れ、磁気シールド効果が発生するからである。なお、具体的には、例えばNiFeやNiFeTa等を用いて形成される。上部磁気シールド層62および下部磁気シールド層57の膜厚は、ノイズ源となる磁界を打ち消すことのできる膜厚であればよく、例えば500nmから3μm程度とする。ここで、磁気センシング部55の下部磁気シールド層57の膜厚は、近接場光発生部65における下部磁気シールド層57の膜厚と、下部金属層66の膜厚とを足し合わせた膜厚となるように形成する。また、レーザー光源素子54の活性層からの光ビームが、下部金属層66上に形成する誘電体層70に照射されるよう配置する。
絶縁層59は、磁気センシング部55から近接場光発生部65にかけて連続的に形成された層であって、磁気センシング部55においては、バイアス層61及び熱伝導体層60と磁気抵抗効果素子58と、または、熱伝導体層60と下部磁気シールド層57とが接して、電流短絡が生じることを防ぐ目的で備えられている。また、近接場光発生部65においては、熱伝導体層60と下部金属層66とが接して、電流短絡が生じることを防ぐ目的として備えられている。
熱伝導体層60及びバイアス層61は、磁気センシング部55から近接場光発生部65にかけて連続的に形成されている点以外、第1実施形態における熱伝導体層10及びバイアス層11と同様である。
下部金属層66及び上部金属層67は、近接場光発生部65の一部として形成される部材であって、微小開口69への光ビーム照射時に誘電体層70との界面で表面プラズモンを発生・伝播させ、磁気センシング部55の磁気抵抗効果素子58表面で高強度の近接場光を発生させるための層である。下部金属層66及び上部金属層67には、可視光波長近傍の半導体レーザーから照射される光ビームに対して、効率良くプラズモンを発生・伝播できる材料が用いられる。具体的には、Au、Ag、Alまたはこれらを主体とする合金材料を用いる。下部金属層66及び上部金属層67の膜厚は10nm程度とする。なお、下部金属層66及び上部金属層67にAuを主体とする材料を用いる場合には、光源として600nmから1μm程度の半導体レーザーを用い、Ag,Alを主体とする材料を用いる場合には、600nm以下の短波長半導体レーザーを用いるが、これに限られない。
誘電体層70は、近接場光発生部65の一部として形成されている部材であって、光ビーム照射時に下部金属層66及び上部金属層67との界面で表面プラズモンを発生・伝播させ、磁気センサー素子53の磁気抵抗効果素子58表面で高強度の近接場光を発生させるための層である。誘電体層70には、表面プラズンモンを効率的に発生・伝播させる観点から、低屈折率の誘電体材料を選択する。具体的には、SiOやSiN、Al、AlN、MgF、MgO等の材料を用いる。誘電体層70の膜厚およびトラック幅方向の長さは磁気抵抗効果素子58の膜厚およびトラック幅方向の長さと同じか、もしくはそれ以上となるよう形成する。
レーザー光源素子54は、図7に示すように、Y軸方向に長い直方体の形状をしている。レーザー光源素子54から発せられるレーザー光は、Y軸負方向へ放射され、近接場光発生部65、より詳しくは近接場光発生部65の略中央部の微小開口69近傍に照射される。
次に、磁気ヘッド51の製造方法について、一例を用いて説明する。図9(a)〜(g)は、磁気ヘッド51の製造工程を順に示す図である。ここでは、レーザー光源素子54を磁気センサー素子53の形成に先立って形成する方法について示すが、レーザー光源素子54は、磁気センサー素子53を形成した後に形成しても構わない。レーザー光源素子54には、波長が750〜850nm程度のGaAlAs系半導体レーザーや、波長が620〜680nm程度のGaAlInP系半導体レーザー、さらには、波長が405nm近傍のGaN系半導体レーザー等を用いることができるが、ここではGaAlInP系半導体レーザーを用いた磁気ヘッド51の製造方法の一例を示す。
まず、レーザー光源素子54をn型GaAsから成る基板52上に、MOCVD装置を用いて形成する。図示しないが、具体的には、バッファ層としてn型GaInPを300nmの膜厚で形成し、続いて、n型AlGaInPクラッド層を膜厚1μmで、GaInPから成る活性層を膜厚60nmで、p型AlGaInPクラッド層を膜厚1.2μmで、それぞれ形成する。p型AlGaInPクラッド層の一部にはエッチングを施し、ストライプ状のリッジ構造を形成した上で、リッジ構造上部に膜厚200nmのp型GaInPからなるギャップ層を形成する。リッジ構造以外の領域は、膜厚700nmのn型GaAsブロック層を形成し、さらにこれらの上部にp型GaAsからなるコンタクト層を形成する。そして、レーザー光源素子54の上には、Zn/Auからなるp型電極層13を形成し、n型GaAsからなる基板52上には、Ge/Auからなるn型電極層14を形成する(図9(a)参照)。なお、これらは何れも公知の半導体レーザーの構造及び製造法を用いるものである。
続いて、磁気センシング部55及び近接場光発生部65の製造プロセスを図9(b)〜図9(g)を用いて説明する。磁気センシング部55の形成には、スパッタリング法に代表される薄膜形成法とリソグラフィ法とを用いる。
まず、基板52上に絶縁膜56として、SiOをZ軸方向に膜厚50nmで形成し、n型GaAsからなる基板52との電気的な絶縁を行った上で、NiFeの下部磁気シールド層57をZ軸方向膜厚1μmで基板上に形成する(図9(b)参照)。なお、下部磁気シールド層57は、基板52上において、レーザー光源素子54に対してY軸負方向側の位置に形成される。すなわち、レーザー光源素子54から発生する光ビームが照射される方向に下部磁気シールド層57を形成する。
次に、下部磁気シールド層57におけるレーザー光源素子54側の略半分の表面をZ方向に50nmエッチングし、下部磁気シールド層57上のうち、エッチングした部分にAuを用いて下部金属層66をY軸方向幅200nm、Z軸方向膜厚50nmで積層する(図9(c)参照)。
続いて、第1実施形態と同様に、スパッタリング装置を用いるスパッタリング法と、リソグラフィ法とを用いて、第1実施形態における磁気抵抗効果素子8と同構成の磁気抵抗効果素子58を形成する。続いて、スパッタリング法とリソグラフィ法とを用いて、膜厚5nmで、絶縁層59を下部磁気シールド層57上及び磁気抵抗効果素子58側面に積層・形成する。
そして、スパッタリング法を用いて絶縁層59上に、熱伝導体層60となるAgを膜厚30nmで形成し、さらにバイアス層61となるCoPtBの層を、熱伝導体層60上に膜厚30nmで形成する。このとき、磁気抵抗効果素子58の磁化自由層(図示せず)側部に熱伝導体層60が形成されるようにする(図9(d)参照)。ここで、一変形例として、磁気抵抗効果素子58形成の際、磁気抵抗効果素子58における磁化固定層(図示せず)より先に磁化自由層を形成する場合は、熱伝導体層60をバイアス層61より先に形成する。すなわち、本実施形態における熱伝導体層60とバイアス層61との配置を逆にする。
続いて、下部金属層66上に形成された磁気抵抗効果素子58を(すなわち、後に近接場光発生部65となる部分側に存在する磁気抵抗効果素子58を)、エッチングして削り取り、微小開口69を形成する。さらに、形成した微小開口69にSiOから成る誘電体層70を形成して微小開口69を埋める。微小開口69は、具体的には、Z軸方向の幅が70nm、X軸方向の幅が100nm、Y軸方向の幅が200nmになるように形成する(図9(e)参照)。
続いて、誘電体層70、および、後に近接場光発生部65となる部分側に形成されたバイアス層61の上部に、Auを用いて上部金属層67をY軸方向幅200nm、Z軸方向膜厚50nmで積層する(図9(f)参照)。
続いて、上部磁気シールド層62となるNiFeの層を1μmの膜厚で形成する(図9(g)参照)。そして、最後に、約3.98×10〔A/m〕(500〔Oe〕)の磁場中で250℃、1時間の磁場中アニールを行って磁気抵抗効果素子58の磁化固定層(図示せず)の固定を行う。以上の工程により、磁気センサー素子53とレーザー光源素子54とを備えた磁気ヘッド51が完成する。
次に、磁気ヘッド51の動作について説明する。まず、レーザー光源素子54から図7中のZ軸方向に偏光成分を持った光ビームが発せられ、近接場光発生部に形成された微小開口69近傍に照射される。これにより、光ビームの波長よりも小さな微小開口69を通過するしみ出し光が生じるとともに、誘電体層70と上部金属層67及び下部金属層66の界面で表面プラズモンが発生・伝播して、微小開口69の光ビームの入射面と反対側の面(磁気抵抗効果素子58対向面)に達し、磁気抵抗効果素子58を加熱する。このとき、特に磁気抵抗効果素子58における磁化自由層のトラック幅方向の中心近傍に強い近接場光が生成され、該磁化自由層の端部に比べて中心部がより強く加熱される。加えて、磁気抵抗効果素子58の周囲ならびに近接場光発生部65に形成された上部磁気シールド62及び下部磁気シールド層57とバイアス層61、特に磁気抵抗効果素子58及び誘電体層70のトラック幅方向(X方向)に形成された熱伝導体層60に熱が奪われることによって、磁気抵抗効果素子58の特に両端部が冷却され、トラック幅方向(X軸方向)に大きな温度勾配が生じる。
このように、磁気抵抗効果素子58の磁化自由層のトラック幅方向(X軸方向)中心部とトラック幅方向の両端部との間に温度差を作り、中心部を高温にすることで、該磁化自由層のトラック幅方向の中心近傍では、該磁化自由層内の保磁力変化自由層の保磁力が磁気記録媒体からの漏洩磁界よりも小さくなり、磁気記録媒体からの漏洩磁界を検出する。一方、該磁化自由層のトラック幅方向の両端部では、該磁化自由層のトラック幅方向の中心よりも温度が低いために、該磁化自由層内の保磁力変化自由層の保磁力が大きく、漏洩磁界による磁化反転を起こさないとともに、漏洩磁界の検出が行われない。すなわち、該磁化自由層のトラック幅方向の両端部において、隣接トラックの信号を読み出すことが無い。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、磁気抵抗効果素子58の磁化自由層における温度勾配が、第1実施形態よりも大きい磁気センサー素子53を提供できるとともに、この磁気センサー素子53を有する磁気ヘッド51を提供できる。
また、熱伝導体層60やバイアス層61などのように、一度に、磁気センシング部55から近接場光発生部65にかけて連続形成しているので、簡易な製造工程で製造可能な磁気センサー素子53及びその製造方法を提供できる。さらに、微小開口69と磁気抵抗効果素子58の位置合わせを、高精度で行うことができる磁気センサー素子53の製造方法を提供できる。
また、微小開口69が存在することにより、レーザー光源素子54から磁気抵抗効果素子58に対する光ビーム照射の高精度の位置決め制御を行う必要が無く、磁気抵抗効果素子58の微小領域に光ビームを照射することが容易に行える。
なお、本実施形態において、レーザー光源素子54からの光ビームは、Z軸方向の偏光成分を有しているものであってもよい。このようにすれば、誘電体層70をZ軸方向に挟んでいる上部金属層67及び下部金属層66においてプラズモンの増強が生じる。その結果として、微小開口69が磁気抵抗効果素子58と接する面(境界面68)において、微小開口69内トラック幅方向(X軸方向)の近接場光強度分布が、磁気抵抗効果素子58のX軸方向両端部に比べて、中心部近傍でより強い分布となり、磁気抵抗効果素子58のトラック幅方向中心部をより強く加熱することができる。
また、レーザー光源素子54からの光ビームは、Z方向の偏光成分のみを有する直線偏光であってもよい。これは図7の示すレーザー光源素子54と磁気センサー素子53との間の光ビーム光路上に偏光子を形成することにより実現できる。
また、本実施形態において、磁気センシング部55および近接場光発生部65のトラック方向の幅(X方向の幅)は、必ずしもレーザー光源素子54のトラック方向の幅(X方向の幅)と同じ幅で形成する必要は無い。
<第2実施形態の変形例>
次に、本発明の第2実施形態の変形例に係る磁気ヘッドについて説明する。図10は、本発明の第2実施形態の変形例に係る磁気ヘッドの主要部を示す斜視概略図である。なお、第1実施形態の符号2、4〜6、8、12〜14と同様の部分には、順に符号72、74〜76、78、82〜84を付け、また、第2実施形態の符号66〜68と同様の部分には、順に符号86〜88を付け、その説明を省略することがある。
本変形例の磁気ヘッド71は、第2実施形態の磁気センサー素子53におけるバイアス層61及び熱伝導体層60に代えて、熱伝導体層80のみを形成した磁気センサー素子73を有している点で、第2実施形態と異なる。
磁気ヘッド71の製造方法については、第2実施形態で示した製造方法と同じ製造方法を用いるが、第2実施形態の磁気センサー素子53におけるバイアス層61及び熱伝導体層60の代わりに、熱伝導体層80のみを形成する点が第2実施形態と異なる。
本変形例によれば、第2実施形態のバイアス層61の作用・効果を得ることができない以外は、第2実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。ただし、第2実施形態におけるバイアス層61が形成されていた部分も、熱伝導体層80となっていることから、第2実施形態に比べて、レーザー光源素子74からの光ビームの照射によって発生した際の熱の放熱効果を強くすることができる。したがって、磁気抵抗効果素子78内において、磁気抵抗効果素子78の中心部から1対の層で構成される熱伝導体層80のそれぞれの層方向に、第2実施形態より大きな温度勾配を対称的に発生させることができる。その結果として、第2実施形態よりも小さなトラック幅の信号検出が可能な磁気センサー素子73と、この磁気センサー素子73を有する磁気ヘッド71とを得ることができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る磁気ヘッドについて説明する。図11は、本発明の第2実施形態に係る磁気ヘッドの主要部を示す斜視概略図である。図12は、(a)が図11の磁気ヘッドにおける磁気センサー素子の記録媒体対向面(X−Z平面)と、この記録媒体対向面の中心点とを示す平面図、(b)が図11の磁気ヘッドにおける磁気センサー素子を所定の断面(境界面107)からY軸の正方向に見た場合の平面図である。なお、第1実施形態の符号2、4〜14と同様の部分には、順に符号92、94〜104を付け、その説明を省略することがある。
本実施形態の磁気ヘッド91は、第2実施形態の近接場光発生部65の代わりに、誘電体層109が埋入された微小開口108を略中央部に有する金属層106からなる近接場光発生部105を有している点で、第2実施形態と異なっている。
磁気ヘッド91の製造方法において、磁気センシング部95の製造には第1実施形態で示した製造方法と同じ製造方法を用いるが、近接場光発生部105の製造方法が以下のように異なっている。すなわち、図示しないが、磁気センシング部95を形成した後、Auの金属層をZ軸方向膜厚1μmで基板上に形成する。なお、この金属層は基板2上において、レーザー光源素子94と磁気センシング部95との間に、磁気センシング部95に接するように形成する。
続いて、この膜厚1μmの金属層上に誘電体層109となるSiOを70nm成膜形成する。このとき、誘電体層109と磁気抵抗効果素子98とが接するように形成される。
そして、誘電体層109を、トラック幅方向(X方向)の長さが100nmとなるようにエッチング加工し、誘電体層109、および、上述した膜厚1μmの金属層の上部に、さらにAuの金属層をZ軸方向膜厚1μmで積層し、先に形成していたAuの金属層と合体させ、金属層106を形成することで、近接場光発生部105が完成する。
上述のように近接場光発生部105を形成することで、微小開口69が、Z軸方向の幅が70nm、X軸方向の幅が100nm、Y軸方向の幅が200nmとなるように形成される。
なお、金属層106には、Ag、Alまたはこれらを主体とする合金材料を用いてもよい。
本実施形態によれば、第2実施形態と同様の作用・効果を奏する。また、近接場光発生部105が、Au、Ag、又はAlを主体とした総じて熱伝導率が高い金属層106で形成されているので、第2実施形態に比べ、更なる放熱効果を得ている。その結果として、磁気抵抗効果素子98の特に端部が冷却され、トラック幅方向(X方向)により大きな温度勾配を生じさせることができるので、第2実施形態よりも小さなトラック幅の信号検出が可能な磁気センサー素子93を得ることができる。また、このような磁気センサー素子93を有する磁気ヘッド91を提供できる。
<第3実施形態の変形例>
次に、本発明の第3実施形態の変形例に係る磁気ヘッドについて説明する。図13は、本発明の第3実施形態の変形例に係る磁気ヘッドの主要部を示す斜視概略図である。なお、第1実施形態の符号2、4〜9、12〜14と同様の部分には、順に符号112、114〜119、122〜124を付け、また、第3実施形態の符号106、107と同様の部分には、順に符号126、127を付け、その説明を省略することがある。
本変形例の磁気ヘッド111は、第3実施形態の磁気センサー素子93におけるバイアス層101及び熱伝導体層100に代えて、熱伝導体層120のみを形成した磁気センサー素子113を有している点で、第3実施形態と異なる。
磁気ヘッド111の製造方法については、第3実施形態で示した製造方法と同じ製造方法を用いるが、第3実施形態の磁気センサー素子93におけるバイアス層101及び熱伝導体層100の代わりに、熱伝導体層120のみを形成する点が第2実施形態と異なる。
本変形例によれば、第3実施形態のバイアス層101の作用・効果を得ることができない以外は、第3実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。ただし、第3実施形態におけるバイアス層101が形成されていた部分も、熱伝導体層120となっていることから、第3実施形態に比べて、レーザー光源素子114からの光ビームの照射によって発生した際の熱の放熱効果を強くすることができる。したがって、磁気抵抗効果素子118内において、磁気抵抗効果素子118の中心部から1対の層で構成される熱伝導体層120のそれぞれの層方向に、第3実施形態より大きな温度勾配を対称的に発生させることができる。その結果として、第3実施形態よりも小さなトラック幅の信号検出が可能な磁気センサー素子113と、この磁気センサー素子113を有する磁気ヘッド111とを得ることができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る磁気再生装置について説明する。図14は、本発明の第4実施形態に係る磁気再生装置の摸式構成図である。
本実施形態に係る磁気再生装置200は、上記実施形態及び変形例のうちいずれか1つと同構成の磁気センサー素子から成る磁気ヘッド201、ディスク状の磁気記録媒体202、磁気記録媒体202を回転駆動するためのスピンドル203、磁気ヘッド201を支持固定するサスペンションアーム204、サスペンションアーム204を磁気記録媒体202上で駆動するボイスコイルモーター205、およびこれらを制御するための制御回路206を含んで成る。制御回路206には、スピンドル203の回転駆動を制御する回転駆動制御装置207と、磁気ヘッド201と信号をやり取りする信号処理装置208と、磁気ヘッド201に形成された光源の出力を制御する出力制御装置209と、読み出した情報を蓄積するためのメモリ装置210とが含まれる。なお、磁気再生装置200の各構成部位は、磁気ヘッド201を除いて、何れも公知のハードディスクに用いられる構成である。
磁気ヘッド201においては、基板の磁気記録媒体202側にABS面形状(図示せず)を有している。このABS面形状は、スピンドル203が回転させて磁気記録媒体202を回転させることによって、空気流を発生させ、磁気ヘッド201が磁気記録媒体202上を浮上する際に、磁気ヘッド201と磁気記録媒体202との間の空気の流れを制御して、磁気ヘッド201の浮上高さを5〜10nm程度に調整するために磁気記録媒体202対向面に凸形状に形成されるものであり、従来のハードディスク装置に用いられる磁気ヘッドのスライダにおいて一般的に用いられるものである。ここで、スピンドル203の回転数は、記録再生を安定に行うことができる回転数であればよく、特に限定するものでは無いが、例えば1800rpmから7200rpmの回転数を用いることができる。
磁気記録媒体202には、例えばディスク状のガラス基体上に、記録層としてCoCrPtや、CoCrPtB,FePt,CoPt,CoPdに代表されるフェロ磁性体や、TbFeCoやDyFeCoに代表されるフェリ磁性体を膜厚20〜50nmで形成したものを用いることができる。記録層とディスク状のガラス基体との間には、NiFeに代表される軟磁性裏打ち層が形成されていても良い。磁気記録媒体202の記録層上には、この記録層を保護する目的でC膜を例えば膜厚5nm程度で形成し、さらに潤滑剤を例えば膜厚1nmで塗布形成する。
次に、本発明の第4実施形態に係る磁気再生装置200の動作について説明する。電源が投入されると、磁気ヘッド201は、スピンドル203の回転に伴って生じる空気流によって5〜10nm程度の浮上高さで磁気記録媒体202上を浮上する。続いて、磁気ヘッド201のレーザー光源素子に通電し、光ビームを発生させ、これを磁気ヘッド201の磁気センサー素子に照射する。これにより、上述の実施形態にて示したように、磁気センサー素子の磁気抵抗効果素子に含まれる磁化自由層の磁気記録媒体202対向面で、トラック幅方向(X軸方向)に急峻な温度勾配を形成できる。このとき制御回路206に含まれる出力制御装置209においては、上述の磁化自由層における高温領域の保磁力が、磁気記録媒体202からの漏洩磁界を検出できる程度に小さくなるように、光源の出力を調整する。調整方法としては、記録媒体の試し書き領域でテストリードしながらレーザー光源の出力を調整する。これにより、磁気記録媒体202の記録された磁気ビットからの漏洩磁界を磁気抵抗効果素子の磁化自由層の局所的な磁界感度の高い箇所で読むことができる。これを電気信号に変換して記録情報を読み出す。
本実施形態によれば、上記実施形態及び変形例のうちいずれか1つの磁気センサー素子の効果を奏するとともに、磁気抵抗効果素子に温度勾配が生成されることによって磁気記録媒体に記録された磁気記録ビットを高分解能に再生することが可能な磁気再生装置を提供できる。
次に、本発明について、実施例及び比較例を用いて説明する。
(実施例1)
第1実施形態の磁気ヘッド1の製造方法において説明した磁気センサー素子3の一例と同構成の磁気センサー素子に、波長680nmの光ビームを照射した場合の温度分布について、後述する熱伝導率シミュレーションを行い、磁気センサー素子の磁気抵抗効果素子に含まれる磁化自由層の磁気記録媒体対向面におけるトラック幅方向(X軸方向)の温度変化を検証した。また、比較例として、図15に示す磁気ヘッド131における磁気センサー素子133についても同様に検証した。なお、比較例に係る磁気ヘッド131は、第1実施形態の磁気ヘッド1の磁気センサー素子3において、熱伝導体層10を形成せず、バイアス層141のみを形成した磁気センサー素子133とした点で、第1実施形態と異なっている。また、第1実施形態の符号2、4〜9、12〜14と同様の部分には、順に符号132、134〜144を付け、その説明を省略する。
具体的には、以下のように熱伝導率シミュレーションを行った。すなわち、磁気センサー素子に照射される光ビームの強度分布をガウス分布とし、光ビームスポット径を680nmとした。このとき、スポット径680nmでピーク強度の1/e倍になるようにし、そのガウス分布をもとに磁気センサー素子の各部に入射する熱量(ワット数)を決定した。また、実施例1、比較例では、磁化自由層の中心(図中X=0の点)の温度が互いに等しくなるように、光ビームの入射強度を調整してシミュレーションを行った。
上述のシミュレーション結果を図16に示す。ここで、図16におけるグラフの横軸Xは、磁気抵抗効果素子の磁気記録媒体対向面の中心位置を0(原点)とし、X軸正方向の位置を示している。各磁気センサー素子は、X軸方向には中心位置を挟んで対称形であるため、X軸負方向についてはX軸正方向の結果を左右反転させた結果が得られることは言うまでもない。
図16より、実施例1においては、比較例と比べて、媒体対向面における磁気抵抗効果素子内のトラック幅方向(X軸方向)の温度勾配が急峻になっていることがわかる。具体的には、比較例では、磁化自由層のトラック幅中心(X=0)と、トラック幅方向端部(X=50)とで、9℃の温度差であるのに対し、実施例1では、11.5℃の温度差が得られている。したがって、本実施例における磁気抵抗効果素子の中心部と端部との温度差を、比較例より大きくできることが確認できた。
また、本実施例では、図4に示すような特性を有する磁化自由層を用いてシミュレーションしたが、約7.96×10〔A/m〕(10〔Oe〕)の外部磁界を検出するトラック幅について、比較例では100nmであるのに対し、実施例1では85nmとなることがわかった。
(実施例2)
次に、第1実施形態の変形例に係る磁気ヘッド31の製造方法において説明した磁気センサー素子33の一例と同構成の磁気センサー素子(熱伝導体層はAgで形成)について、実施例1と同様の熱伝導シミュレーションを行った。その結果を図17に示す。なお、熱伝導シミュレーションに際しての条件は実施例1と同じである。
図17より、本実施例においては、記録媒体対向面における磁気抵抗効果素子内のトラック幅方向(X軸正方向)の温度勾配が実施例1よりも大きくなっていることがわかる。具体的には、トラック幅方向(X軸正方向)の中心部(X=0)と端部(X=50)との温度差が13℃となった。したがって、磁気抵抗効果素子中心部と端部との温度差を、比較例及び実施例1より大きくすることができることを確認できた。
(実施例3)
次に、第2実施形態の磁気ヘッド51の製造方法において説明した磁気センサー素子53の一例と同構成の磁気センサー素子に、波長680nmの光ビームを照射した場合の温度分布について、後述する熱伝導率シミュレーションを行い、磁気センサー素子の磁気抵抗効果素子に含まれる磁化自由層の磁気記録媒体対向面におけるトラック幅方向(X軸方向)の温度変化を検証した。
具体的には、以下のように熱伝導率シミュレーションを行った。すなわち、磁気センサー素子に照射される光ビームの強度分布をガウス分布とし、光ビームスポット径を680nmとした。また、本実施例においては、波長680nmの光ビームを近接場光発生部(より詳しくは近接場光発生部の微小開口)に照射した場合の電場強度を予めFDTD(Finite Difference Time Domain)法を用いてシミュレーションし、その結果をもとに、本実施例の磁気センサー素子の各部に入射する熱量(ワット数)を決定した。
上述のシミュレーション結果を図18に示す。図18より、実施例3においては、比較例及び実施例1と比べて、記録媒体対向面における磁気抵抗効果素子内のトラック幅方向(X軸方向)の温度勾配が急峻になっていることがわかる。具体的には、比較例及び実施例1では、磁化自由層のトラック幅中心(X=0)と、トラック幅方向端部(X=50)とで、それぞれ9℃、11.5℃の温度差であるのに対し、実施例3では18℃の温度差が得られていることがわかる。したがって、本実施例の磁気センサー素子において、比較例及び実施例1より磁気抵抗効果素子内の温度勾配が急峻になることを確認できた。
また、本実施例では、図4に示すような特性を有する磁化自由層を用いてシミュレーションしたが、約7.96×10〔A/m〕(10〔Oe〕)の外部磁界を検出するトラック幅について、比較例、実施例1ではそれぞれ100nm、85nmであるのに対し、実施例3では65nmとなることがわかった。
(実施例4)
次に、第2実施形態の変形例に係る磁気ヘッド71の製造方法において説明した磁気センサー素子73の一例と同構成の磁気センサー素子(熱伝導体層はAgで形成)について、実施例3と同様の熱伝導シミュレーションを行った。その結果を図19に示す。なお、熱伝導シミュレーションに際しての条件は実施例3と同じである。
図19より、本実施例では、比較例及び実施例2だけでなく、記録媒体対向面における磁気抵抗効果素子内のトラック幅方向(X軸正方向)の温度勾配が実施例3と比べても大きくなっていることがわかる。具体的には、本実施例では、トラック幅方向(X軸正方向)の中心部(X=0)と端部(X=50)との温度差が20.5℃となった。したがって、本実施例の磁気センサー素子において、実施例3より磁気抵抗効果素子内の温度勾配が急峻になることを確認できた。
また、本実施例では、図4に示すような特性を有する磁化自由層を用いてシミュレーションしたが、約7.96×10〔A/m〕(10〔Oe〕)の外部磁界を検出するトラック幅について、60nmとなることがわかった。
(実施例5)
次に、第3実施形態の磁気ヘッド91の製造方法において説明した磁気センサー素子93の一例と同構成の磁気センサー素子に、波長680nmの光ビームを照射した場合の温度分布について、後述する熱伝導率シミュレーションを行い、磁気センサー素子の磁気抵抗効果素子に含まれる磁化自由層の磁気記録媒体対向面におけるトラック幅方向(X軸方向)の温度変化を検証した。その結果を図20に示す。なお、熱伝導シミュレーションに際しての条件は実施例3と同じである。
図20より、本実施例においては、比較例、実施例1及び実施例3と比べ、磁気記録媒体対向面におけるトラック幅方向(X軸方向)の温度勾配が急峻になっていることがわかる。具体的には、比較例、実施例1、実施例3では、磁化自由層のトラック幅中心(X=0)と、トラック幅方向端部(X=50)とで、それぞれ9℃と11.5℃と18℃の温度差であるのに対し、実施例5では、26℃の温度差が得られている。したがって、本実施例の磁気センサー素子において、比較例、実施例1及び実施例3より磁気抵抗効果素子内の温度勾配が急峻になることを確認できた。
また、本実施例では、図4に示すような特性を有する磁化自由層を用いてシミュレーションしたが、約7.96×10〔A/m〕(10〔Oe〕)の外部磁界を検出するトラック幅は、53nmとなることがわかった。
(実施例6)
次に、第2実施形態の変形例に係る磁気ヘッド111の製造方法において説明した磁気センサー素子113の一例と同構成の磁気センサー素子(熱伝導体層はAgで形成)について、実施例5と同様の熱伝導シミュレーションを行った。その結果を図21に示す。なお、熱伝導シミュレーションに際しての条件は実施例5と同じである。
図21より、本実施例においては、比較例や実施例2、4、5と比べ、磁気記録媒体対向面におけるトラック幅方向(X軸方向)の温度勾配が急峻になっていることがわかる。具体的には、本実施例においては、トラック幅方向(X軸正方向)の中心部(X=0)と端部(X=50)との温度差が29℃となった。したがって、本実施例の磁気センサー素子において、比較例や実施例2、4、5より磁気抵抗効果素子内の温度勾配が急峻になることを確認できた。
また、本実施例では、図4に示すような特性を有する磁化自由層を用いてシミュレーションしたが、約7.96×10〔A/m〕(10〔Oe〕)の外部磁界を検出するトラック幅は、49nmとなることがわかった。
以上の各実施例から、各熱伝導体層の存在により、磁気抵抗効果素子の中心部と端部との温度差を、比較例より大きくできることが確認できた。したがって、この結果から、本発明によれば、磁気抵抗効果素子における磁化自由層のトラック幅方向の長さよりも小さなトラック幅の信号検出が可能な磁気センサー素子を提供できることがわかる。また、近接場光発生部により、さらに小さなトラック幅の信号検出が可能な磁気センサー素子を提供できることもわかった。
なお、本発明は、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で設計変更できるものであり、上記実施形態や実施例に限定されるものではない。例えば、上述の各実施形態においては、バイアス層と熱伝導体層との積層体が形成された構成を用いたが、バイアス層と熱伝導体層とを繰り返し多層形成する構成でもよい。また、バイアス層と熱伝導体層との積層体の代わりに、熱伝導体層を構成する材料と同様の成分が添加されたバイアス層のみを形成し、熱伝導率を高める、又は、バイアス層を構成する材料と同様の成分が添加された熱伝導体層のみを形成し、熱伝導体層にバイアス層の効果を持たせるような構成としてもよい。
また、第2実施形態及びその変形例、並びに、第3実施形態において、微小開口を有する磁気センサー素子については、微小開口を埋めるように誘電体層が形成されているが、必ずしも誘電体層が形成されていなくともよく、照射される光の波長より小さい空間からなる微小開口であってもよい。なお、この場合の微小開口においては、磁気センサー素子をレーザー光源素子の形成の前に形成すること、及び、磁気抵抗効果素子のエッチングを行わないこと以外、上述した本実施形態の製造工程と同様の方法で磁気センサー素子を形成し、近接場光発生部の略中央部(磁気抵抗効果素子と対向する部分)を、Y軸方向にFIBによってエッチング加工することで、形成することができる。
さらに、上述の各実施形態や各変形例において、磁気センサー素子と積層して磁気記録媒体に記録を行うための記録素子を形成し、磁気ヘッドを記録にも使用できるようにしてもよい。
加えて、第2及び第3実施形態並びにこれらの変形例において、磁気センサー素子とレーザー光源素子との間が誘電体で埋められていてもよい。さらには、この誘電体が、微小開口へレーザー光を導く光導波路を有していてもよい。
また、上述の各実施形態や各変形例において、レーザー光源素子は必ずしも磁気センサー素子と同一基板上に形成されなくても良い。例えば、磁気再生装置において、磁気ヘッドを支持するサスペンションアーム上にレーザー光源素子を形成し、光導波路を用いるかまたは、対物レンズを用いて磁気センサー素子に光ビームを引き込んで照射する構成としても構わない。
また、上述の各実施形態や各変形例において、磁気ヘッドの磁気記録媒体との対向面には、磁気記録媒体との接触による損傷を防ぐ目的で潤滑剤が塗布または成膜されていても構わない。
本発明の第1実施形態に係る磁気ヘッドの主要部を示す斜視概略図である。 図1の磁気ヘッドにおける磁気センサー素子の記録媒体対向面(X−Z平面)と、この記録媒体対向面の中心点とを示す平面図である。 図2の磁気センサー素子における磁気抵抗効果素子のX−Z平面の断面図である。 図3の磁気抵抗効果素子における磁化自由層の一例についての保磁力の温度依存性を示すグラフである。 図1の磁気ヘッドの製造工程を示す斜視概略図であって、基板にレーザー光源素子と、p型電極層及びn型電極層を作製した後の状態を示す図である。 図5(a)の基板上に、絶縁膜と、下部磁気シールド層とを順に積層した後の状態を示す斜視概略図である。 図5(b)の下部磁気シールド層上に、磁気抵抗効果素子を形成した状態を示す斜視概略図である。 図5(c)の下部磁気シールド層7上及び磁気抵抗効果素子8側面に、絶縁層を積層・形成した後の状態を示す斜視概略図である。 図5(d)の絶縁層9上に、熱伝導体層と、バイアス層とを順に積層した後の状態を示す斜視概略図である。 図5(e)のバイアス層、絶縁層及び磁気抵抗効果素子の上に、上部磁気シールド層を積層した後の状態を示す斜視概略図である。 本発明の第1実施形態の変形例に係る磁気ヘッドの主要部を示す斜視概略図である。 本発明の第2実施形態に係る磁気ヘッドの主要部を示す斜視概略図である。 (a)が図7の磁気ヘッドにおける磁気センサー素子の記録媒体対向面(X−Z平面)と、この記録媒体対向面の中心点とを示す平面図、(b)が図7の磁気ヘッドにおける磁気センサー素子を所定の断面からY軸の正方向に見た場合の平面図である。 図7の磁気ヘッドの製造工程を示す斜視概略図であって、基板にレーザー光源素子と、p型電極層及びn型電極層を作製した後の状態を示す図である。 図9(a)の基板上に、絶縁膜と、下部磁気シールド層とを順に積層した後の状態を示す斜視概略図である。 図9(b)の下部磁気シールド層の一部をZ方向にエッチングし、このエッチングした部分に下部金属層を積層した後の状態を示す斜視概略図である。 図9(c)の下部磁気シールド層及び下部金属層の上に、磁気抵抗効果素子、絶縁層、熱伝導体層及びバイアス層を形成した後の状態を示す斜視概略図である。 図9(d)の磁気抵抗効果素子の一部をエッチングし、このエッチングした部分に誘電体層を形成した後の状態を示す斜視概略図である。 図9(e)の誘電体層と、絶縁層の一部と、バイアス層の一部とを覆うように上部金属層を積層した後の状態を示す斜視概略図である。 図9(f)の上部金属層と、磁気抵抗効果素子と、上部金属層に覆われなかった絶縁層及びバイアス層の一部の上に上部磁気シールド層を積層した後の状態を示す斜視概略図である。 本発明の第2実施形態の変形例に係る磁気ヘッドの主要部を示す斜視概略図である。 本発明の第3実施形態に係る磁気ヘッドの主要部を示す斜視概略図である。 (a)が図11の磁気ヘッドにおける磁気センサー素子の記録媒体対向面(X−Z平面)と、この記録媒体対向面の中心点とを示す平面図、(b)が図11の磁気ヘッドにおける磁気センサー素子を所定の断面からY軸の正方向に見た場合の平面図である。 本発明の第3実施形態の変形例に係る磁気ヘッドの主要部を示す斜視概略図である。 本発明の第4実施形態に係る磁気再生装置の摸式構成図である。 比較例に係る磁気ヘッドの主要部を示す斜視概略図である。 本発明の実施例1に係るシミュレーション結果を示すグラフである。 本発明の実施例2に係るシミュレーション結果を示すグラフである。 本発明の実施例3に係るシミュレーション結果を示すグラフである。 本発明の実施例4に係るシミュレーション結果を示すグラフである。 本発明の実施例5に係るシミュレーション結果を示すグラフである。 本発明の実施例6に係るシミュレーション結果を示すグラフである。 従来の磁気抵抗効果素子の構成を示す模式断面図である。
符号の説明
1、31、51、71、91、111、201 磁気ヘッド
2、32、52、72、92、112、300 基板
3、33、53、73、93、113 磁気センサー素子
4、34、54、74、94、114 レーザー光源素子
5、35、55、75、95、115 磁気センシング部
6、36、56、76、96、116 絶縁膜
7、37、57、77、97、117 下部磁気シールド層
8、38、58、78、98、118 磁気抵抗効果素子
8a、58a、98a (磁気センサー素子の)中心
9、39、59、79、99、119、309 絶縁層
10、40、60、80、100、120 熱伝導体層
11、61、101 バイアス層
12、42、62、82、102、122 上部磁気シールド層
13、43、63、83、103、123 p型電極層
14、44、64、84、104、124 n型電極層
21、301 反強磁性層
22、302 強磁性層
23、303 磁化固定層
24、304 非磁性体層
25、305 磁化自由層
26 面内磁化層
27 高透磁率層
28 保磁力変化自由層
65 近接場光発生部
66 下部金属層
67 上部金属層
68、107、127 境界面
69、108 微小開口
70、109 誘電体層
106 金属層
200 磁気再生装置
202 磁気記録媒体
203 スピンドル
204 サスペンションアーム
205 ボイスコイルモーター
206 制御回路
207 回転駆動制御装置
208 信号処理装置
209 出力制御装置
210 メモリ装置
306 バイアス層
307 上部電極層
308 下部電極層

Claims (20)

  1. 非磁性体層と、前記非磁性体層を挟む磁化自由層と磁化固定層とを有し、温度変化に伴って外部磁界に対する磁界感度が変化する磁気抵抗効果素子と、前記磁気抵抗効果素子の側面に沿って形成された熱交換熱伝導体層とを含んでなる磁気センシング部と、前記磁気センシング部にレーザー光を照射するレーザー光源素子とを備えていることを特徴とする磁気センサー素子。
  2. 前記磁気抵抗効果素子と一端が近接するように形成された直線状の微小開口を有している近接場光発生部をさらに備え、
    前記微小開口が、他端側からの前記レーザー光源素子によるレーザー光の照射によって、前記一端側において発生させた近接場光を前記磁気抵抗効果素子の前記磁化自由層に照射するものであることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサー素子。
  3. 前記熱伝導体層が、前記非磁性体層、前記磁化自由層及び前記磁化固定層の積層方向における前記磁気抵抗効果素子の中心線に対して対称位置となるように、且つ、前記磁気抵抗効果素子を挟むように形成された1対の層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気センサー素子。
  4. 前記磁化自由層の磁化を一方向に揃えるための1対のバイアス層が、前記中心線に対して対称位置となるように、且つ、前記熱伝導体層のそれぞれに対し、前記非磁性体層、前記磁化自由層及び前記磁化固定層の積層方向において隣接するように、前記磁気センシング部に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の磁気センサー素子。
  5. 前記熱伝導体層が、前記非磁性体層、前記磁化自由層及び前記磁化固定層の積層方向における前記磁気抵抗効果素子の中心線に対して対称位置となるように、且つ、前記磁気抵抗効果素子と前記微小開口とを同時に挟むように、前記磁気センシング部及び前記近接場光発生部にまたがって形成された1対の層であることを特徴とする請求項2に記載の磁気センサー素子。
  6. 前記磁化自由層の磁化を一方向に揃えるための1対のバイアス層が、前記中心線に対して対称位置となるように、且つ、前記熱伝導体層のそれぞれに対し、前記非磁性体層、前記磁化自由層及び前記磁化固定層の積層方向において隣接するように、前記磁気センシング部及び前記近接場光発生部にまたがって形成されていることを特徴とする請求項5に記載の磁気センサー素子。
  7. 前記近接場光発生部が、前記微小開口と隣接する金属層をさらに有していることを特徴とする請求項2、5及び6のいずれか1項に記載の磁気センサー素子。
  8. 前記微小開口内に誘電体層が形成されていることを特徴とする請求項2及び5〜7のいずれか1項に記載の磁気センサー素子。
  9. 前記微小開口の一端が、前記磁気抵抗効果素子の前記磁化自由層と隣接するように形成されていることを特徴とする請求項2及び5〜8のいずれか1項に記載の磁気センサー素子。
  10. 前記磁化自由層が、Gd、Dy、Tb、Hoから選ばれる少なくとも1種類の元素とFe、Co、Niから選ばれる少なくとも1種類の元素とを含んで成ることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の磁気センサー素子。
  11. 前記熱伝導体層が、Au、Ag、Cu、Al、Mg、Mo、W、Si、ダイヤモンドライクカーボン、又は、これらの元素を主体とする金属材料から成ることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の磁気センサー素子。
  12. 前記熱交換熱伝導体層は、前記磁気抵抗効果素子の側面に沿って絶縁層を介して形成されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の磁気センサー素子。
  13. 請求項2及び5〜8のいずれか1項に記載の磁気センサー素子の製造方法であって、
    基板上に磁化固定層、非磁性体、磁化自由層を積層してなる磁気抵抗効果素子を有する磁気センシング部を形成する工程と、前記磁気抵抗効果素子の一部を削り取ってなる微小開口を有する近接場光発生部を形成する工程とを有することを特徴とする磁気センサー素子の製造方法。
  14. 請求項5又は6に記載の磁気センサー素子の製造方法であって、
    熱伝導体層を磁気センシング部と近接場光発生部とにまたがって形成する工程をさらに有することを特徴とする請求項13に記載の磁気センサー素子の製造方法。
  15. バイアス層を磁気センシング部と近接場光発生部とにまたがって形成する工程をさらに有することを特徴とする請求項14に記載の磁気センサー素子の製造方法。
  16. 請求項8に記載の磁気センサー素子の製造方法であって、
    前記微小開口に誘電体層を埋め込み形成する工程をさらに有することを特徴とする請求項13に記載の磁気センサー素子の製造方法。
  17. ABS面形状が形成されているスライダ基板と、前記スライダ基板上に形成されている請求項1〜12のいずれか1項に記載の磁気センサー素子とを有していることを特徴とする磁気ヘッド。
  18. 前記磁気センサー素子に光ビームを照射するレーザー光源素子が、前記スライダ基板上に形成されていることを特徴とする請求項17に記載の磁気ヘッド。
  19. 請求項17又は18に記載の磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドによって磁気再生される磁気記録媒体とを備えている磁気再生装置。
  20. 請求項19に記載の磁気再生装置を用い、近接場光で磁気抵抗効果素子を昇温し、磁気記録媒体に記録された記録情報を再生することを特徴とする磁気再生方法。
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