JP2008059693A - 熱アシスト磁気ヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の磁気記録素子の製造方法を適用可能、構造の簡単化可能な熱アシスト磁気ヘッド等を提供する。
【解決手段】媒体対向面Sを有する熱アシスト磁気ヘッド21であって、媒体対向面Sの一部を形成する基板220と、基板220の媒体対向面Sの側面2202に設けられて熱アシスト磁気ヘッド21の媒体対向面Sの他の一部を形成する磁気ヘッド部32と、基板220の側面2202かつ磁気ヘッド部32よりも媒体対向面Sから離れた位置に設けられた光源40と、を備える。磁気ヘッド部32は、磁界を発生する磁気記録素子34、及び、媒体対向面Sとは反対側の端面354から光を受け入れて媒体対向面Sに導く導波路35を含み、光源40は、光源40から出射された光が導波路35の端面354に入射するように配置されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、熱アシスト磁気記録方式により信号の書き込みを行う熱アシスト磁気ヘッド、この熱アシスト磁気ヘッドを備えたヘッドジンバルアセンブリ(HGA)及びこのHGAを備えたハードデスク装置に関する。
ハードデスク装置の高記録密度化に伴い、薄膜磁気ヘッドのさらなる性能の向上が要求されている。薄膜磁気ヘッドとしては、磁気抵抗(MR)効果素子等の磁気検出素子と電磁コイル素子等の磁気記録素子とを積層した構造である複合型薄膜磁気ヘッドが広く用いられており、これらの素子によって磁気記録媒体である磁気ディスクにデータ信号が読み書きされる。
一般に、磁気記録媒体は、いわば磁性微粒子が集合した不連続体であり、それぞれの磁性微粒子は単磁区構造となっている。ここで、1つの記録ビットは、複数の磁性微粒子から構成されている。従って、記録密度を高めるためには、磁性微粒子を小さくして、記録ビットの境界の凹凸を減少させなければならない。しかし、磁性微粒子を小さくすると、体積減少に伴う磁化の熱安定性の低下が問題となる。
磁化の熱安定性の目安は、KV/kTで与えられる。ここで、Kは磁性微粒子の磁気異方性エネルギー、Vは1つの磁性微粒子の体積、kはボルツマン定数、Tは絶対温度である。磁性微粒子を小さくするということは、まさにVを小さくすることであり、そのままではKV/kTが小さくなって熱安定性が損なわれる。この問題への対策として、同時にKを大きくすることが考えられるが、このKの増加は、記録媒体の保磁力の増加をもたらす。これに対して、磁気ヘッドによる書き込み磁界強度は、ヘッド内の磁極を構成する軟磁性材料の飽和磁束密度でほぼ決定されてしまう。従って、保磁力が、この書き込み磁界強度の限界から決まる許容値を超えると書き込みが不可能となってしまう。
このような磁化の熱安定性の問題を解決する方法として、Kの大きな磁性材料を用いる一方で、書き込み磁界印加の直前に記録媒体に熱を加えることによって、保磁力を小さくして書き込みを行う、いわゆる熱アシスト磁気記録方式が提案されている。この方式は、磁気ドミネント記録方式と光ドミネント記録方式とに大別される。磁気ドミネント記録方式においては、書き込みの主体は電磁コイル素子であり、光の放射径はトラック幅(記録幅)に比べて大きくなっている。一方、光ドミネント記録方式においては、書き込みの主体は光放射部であり、光の放射径はトラック幅(記録幅)とほぼ同じとなっている。すなわち、磁気ドミネント記録方式は、空間分解能を磁界に持たせているのに対し、光ドミネント記録方式は、空間分解能を光に持たせている。
このような熱アシスト磁気ヘッド記録装置として、特許文献1〜7及び非特許文献1には、磁界を発生する磁気記録素子を備えたスライダとは離れた位置に半導体レーザ等の光源を設け、この光源からの光を光ファイバやレンズ等を介してスライダの媒体対向面まで導く構造が開示されている。
また、特許文献8〜11及び非特許文献2には、スライダの側面に磁気記録素子及び光源を集積した熱アシスト磁気ヘッドや、スライダの媒体対向面に磁気記録素子及び光源を集積した熱アシスト磁気ヘッドが開示されている。
国際公開WO92/02931号パンフレット(特表平6−500194号公報) 国際公開WO98/09284号パンフレット(特表2002−511176号公報) 特開平10−162444号公報 国際公開WO99/53482号パンフレット(特表2002−512725号公報) 特開2000−173093号公報 特開2002−298302号公報 特開2001−255254号公報 特開2001−283404号公報 特開2001−325756号公報 特開2004−158067号公報 特開2004−303299号公報 Shintaro Miyanishi他著 "Near-field Assisted Magnetic Recording" IEEE TRANSACTIONS ONMAGNETICS、2005年、第41巻、第10号、p.2817−2821 庄野敬二、押木満雅著 「熱アシスト磁気記録の現状と課題」 日本応用磁気学会誌、2005年、第29巻、第1号、p.5−13
しかしながら、スライダからはるか遠く離れた場所に光源を配置すると、光を導くために光ファイバ、レンズ、ミラー等を長い距離にわたって使用せざるを得ず、光の伝播効率が大幅に低下するという問題や、装置全体の構造が複雑になるという問題が生じる。
う。
さらに、スライダの媒体対向面に磁気記録素子及び光源を集積する場合には、従来磁気記録素子や磁気検出素子を形成していたスライダの側面とは異なる媒体対向面に磁気記録素子や磁気検出素子を形成することになるため、従来の、例えば、垂直通電型巨大磁気抵抗(CPP(Current Perpendicular to Plane)−GMR)効果素子等の磁気検出素子や、垂直磁気記録用の電磁コイルを備えた磁気記録素子の製造方法の適用が困難であり、十分な性能を備えた熱アシスト磁気ヘッドの製造が非常に困難となる。
従って、本発明の目的は、従来の磁気記録素子の製造方法を適用でき、かつ、構造を簡単化できる熱アシスト磁気ヘッド、この熱アシスト磁気ヘッドを備えたHGA及びこのHGAを備えたハードデスク装置を提供することにある。
本発明について説明する前に、明細書において使用される用語の定義を行う。基板の集積面に形成された磁気ヘッド部の積層構造において、基準となる層よりも基板側にある構成要素を、基準となる層の「下」又は「下方」にあるとし、基準となる層よりも積層される方向側にある構成要素を、基準となる層の「上」又は「上方」にあるとする。
本発明に係る熱アシスト磁気ヘッドは、媒体対向面を有する熱アシスト磁気ヘッドであり、媒体対向面の一部を形成する基板と、基板の媒体対向面の側面に設けられて熱アシスト磁気ヘッドの媒体対向面の他の一部を形成する磁気ヘッド部と、基板の側面かつ磁気ヘッド部よりも媒体対向面から離れた位置に設けられた光源と、を備える。磁気ヘッド部は、磁界を発生する磁気記録素子、及び、媒体対向面とは反対側の端面から光を受け入れて媒体対向面に導く導波路を含み、光源は、この光源から出射された光が導波路の端面に入射するように配置されている。
本発明によれば、磁気ヘッド部が基板の側面に設けられているので、従来の薄膜磁気ヘッドの製造方法を用いて磁気ヘッド部の磁気記録素子を容易に形成できる。また、光源が媒体対向面から離れた位置かつ基板に設けられているので、光源から発生する熱による磁気記録素子等への悪影響や光源と媒体との接触等の可能性が抑制されると共に、光ファイバ、レンズ、ミラー等が必須で無くなって光の伝播損失が低減でき、さらに、構造も簡単にできる。
ここで、光源としては、レーザダイオードが好ましい。
また、磁気ヘッド部において、導波路が、磁気記録素子と基板との間に配置されていることが好ましい。
通常記録媒体は、媒体対向面において、基板からヘッド部に向かう方向に移動するので、導波路に入射された光の作用により媒体を加熱した後に、その加熱領域に磁気記録素子から発生する磁界を印加する事ができるという効果がある。
また、磁気ヘッド部は、磁気検出素子をさらに含み、導波路は、磁気記録素子と磁気検出素子との間に配置されていることが好ましい。
これにより、媒体加熱から記録磁界印加までの時間を短くすることができ、媒体の温度が大きく低下する前に記録磁界を印加することができる。その結果、加熱温度を低くすることができ、媒体加熱の際のレーザダイオードの消費電力を低減させることができるという効果がある。
また、導波路の媒体対向面側の端面に、近接場光を発生させる近接場光発生部をさらに備えることが好ましく、これにより、容易に近接場光を発生させることができる。
近接場光発生部としては、例えば、媒体対向面から見て三角形状の導電板等が挙げられる。
また、本発明に係るヘッドジンバルアセンブリは、上述のいずれかの熱アシスト磁気ヘッドと、熱アシスト磁気ヘッドを支持するサスペンジョンとを備えたヘッドジンバルアセンブリである。
また、本発明に係るハードデスク装置は、上述のヘッドジンバルアセンブリと、磁気記録媒体と、を備えている。
本発明によれば、従来の磁気記録素子の製造方法を適用でき、かつ、構造を簡単化できるので、熱アシスト磁気記録方式による高密度記録を容易に実現できる。
以下に、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図面において、同一の要素は、同一の参照番号を用いて示されている。また、図面中の構成要素内及び構成要素間の寸法比は、図面の見易さのため、それぞれ任意となっている。
図1は、本発明によるハードデスク装置及びHGA(ヘッドジンバルアセンブリ)の一実施形態における要部の構成を概略的に示す斜視図である。図2は、図1の熱アシスト磁気ヘッド21の近傍の拡大斜視図である。ここで、HGAの斜視図においては、HGAの磁気ディスク表面に対向する側が上になって表示されている。
(ハードデスク装置)
図1(A)において、ハードデスク装置1は、スピンドルモータ11の回転軸の回りを回転する複数の磁気記録媒体である磁気ディスク10、熱アシスト磁気ヘッド21をトラック上に位置決めするためのアセンブリキャリッジ装置12、この熱アシスト磁気ヘッド21の書き込み及び読み出し動作を制御し、さらに後に詳述する熱アシスト磁気記録用のレーザ光を発生させる光源であるレーザダイオードを制御するための記録再生及び発光制御回路(制御回路)13を備える。
アセンブリキャリッジ装置12には、複数の駆動アーム14が設けられている。これらの駆動アーム14は、ボイスコイルモータ(VCM)15によってピボットベアリング軸16を中心にして角揺動可能であり、この軸16に沿った方向にスタックされている。各駆動アーム14の先端部には、HGA17が取り付けられている。各HGA17には、熱アシスト磁気ヘッド21が、各磁気ディスク10の表面に対向するように設けられている。磁気ディスク10の表面に対向する面が熱アシスト磁気ヘッド21の媒体対向面S(エアベアリング面とも呼ばれる)である。なお、磁気ディスク10、駆動アーム14、HGA17及び熱アシスト磁気ヘッド21は、単数であってもよい。
(HGA)
HGA17は、図1(B)に示すように、サスペンション20の先端部に、熱アシスト磁気ヘッド21を固着し、さらにその熱アシスト磁気ヘッド21の端子電極に配線部材203の一端を電気的に接続して構成される。サスペンション20は、ロードビーム200と、このロードビーム200上に固着され支持された弾性を有するフレクシャ201と、フレックシャの先端に板ばね状に形成されたタング部204と、ロードビーム200の基部に設けられたベースプレート202と、フレクシャ201上に設けられておりリード導体及びその両端に電気的に接続された接続パッドからなる配線部材203とから主として構成されている。
配線部材203としては、図2に示すように、記録信号用の一対の電極パッド237、237、読出信号用の一対の電極パッド238、238、及び、光源駆動用の一対の電極パッド247、248を有している。
なお、本発明のHGA17におけるサスペンションの構造は、以上述べた構造に限定されるものではないことは明らかである。なお、図示されていないが、サスペンション20の途中にヘッド駆動用ICチップを装着してもよい。
(熱アシスト磁気ヘッド)
図2〜図4に示すように、熱アシスト磁気ヘッド21は、媒体対向面Sを有する板状体であり、磁気ディスク10の表面上を微小距離離間した状態で走行するスライダとして機能する。熱アシスト磁気ヘッド21は、基板220と、基板220の側面2202上に形成された磁気ヘッド部32、および、基板220の側面2202上かつ磁気ヘッド部32よりも媒体対向面Sから離れた位置に設けられた光源としてのレーザダイオード40を主として備えている。そして、基板220の背面2201がフレクシャ201のタング部204に、例えば、エポキシ樹脂等の接着剤により接着されている。
基板220は、板状を呈し、適切な浮上量を得るように加工された媒体対向面Sを有する。基板220は導電性のアルティック(Al−TiC)等から形成されている。
磁気ヘッド部32は、データ信号の書き込み及び読み出しを行うものであり、基板220の媒体対向面Sに対して略垂直な側面である集積面2202の内の媒体対向面S側に形成されている。磁気ヘッド部32は、磁気情報を検出する磁気検出素子としてのMR効果素子33、磁界の生成により磁気情報を書き込む垂直(面内でも良い)磁気記録素子としての電磁コイル素子34、MR効果素子33及び電磁コイル素子34の間を通して設けられている平面導波路としての導波路35、磁気ディスクの記録層部分を加熱するための近接場光を発生させる近接場光発生部36、及び、これらMR効果素子33、電磁コイル素子34、導波路35及び近接場光発生部36を覆うように集積面2202上に形成された絶縁層38と、絶縁層38の層面から露出した、MR効果素子33に2つずつ接続されている一対の信号端子用の電極パッド371、371、電磁コイル素子34に2つずつ接続されている一対の信号端子用の電極パッド373、373、及び、基板220と電気的に接続されているグランド用の電極パッド375を備えている。MR効果素子33、電磁コイル素子34、及び近接場光発生部36の各端面は、媒体対向面Sに露出している。以下、詳細に説明する。
図4は熱アシスト磁気ヘッド21の磁気ヘッド部32近傍の断面図である。図4に示すように、MR効果素子33は、MR積層体332と、このMR積層体332を挟む位置に配置されている下部シールド層330及び上部シールド層334とを含む。下部シールド層330及び上部シールド層334は、例えば、フレームめっき法を含むパターンめっき法等によって形成された厚さ0.5〜3μm程度のNiFe、CoFeNi、CoFe、FeN若しくはFeZrN等の磁性材料で構成することができる。上下部シールド層334及び330は、MR積層体332が雑音となる外部磁界の影響を受けることを防止する。
MR積層体332は、面内通電型(CIP(Current In Plane))巨大磁気抵抗(GMR(Giant Magneto Resistance))多層膜、垂直通電型(CPP(Current Perpendicular to Plane))GMR多層膜、又はトンネル磁気抵抗(TMR(Tunnel Magneto Resistance))多層膜等の磁気抵抗効果膜を含み、非常に高い感度で磁気ディスクからの信号磁界を感受する。
MR積層体332は、例えば、TMR効果多層膜を含む場合、IrMn、PtMn、NiMn、RuRhMn等からなる厚さ5〜15nm程度の反強磁性層と、例えば強磁性材料であるCoFe等、又はRu等の非磁性金属層を挟んだ2層のCoFe等から構成されており反強磁性層によって磁化方向が固定されている磁化固定層と、例えばAl、AlCu等からなる厚さ0.5〜1nm程度の金属膜が真空装置内に導入された酸素によって又は自然酸化によって酸化された非磁性誘電材料からなるトンネルバリア層と、例えば強磁性材料である厚さ1nm程度のCoFe等と厚さ3〜4nm程度のNiFe等との2層膜から構成されておりトンネルバリア層を介して磁化固定層との間でトンネル交換結合をなす磁化自由層とが、順次積層された構造を有している。
MR効果素子33と導波路35との間には、下部シールド層330と同様の材料からなる素子間シールド層148が形成されている。素子間シールド層148は、MR効果素子33を、電磁コイル素子34より発生する磁界から遮断して読み出しの際の外来ノイズを防止する役割を果たす。また、素子間シールド層148と導波路35との間に、さらに、バッキングコイル部が形成されていてもよい。バッキングコイル部は、電磁コイル素子34から発生してMR効果素子33の上下部電極層を経由する磁束ループを打ち消す磁束を発生させて、磁気ディスクへの不要な書き込み又は消去動作である広域隣接トラック消去(WATE)現象の抑制を図るものである。
MR積層体332の媒体対向面Sとは反対側のシールド層330、334間、シールド層330、334、148の媒体対向面Sとは反対側、下部シールド層330と基板220との間、及び、素子間シールド層148と導波路35との間にはアルミナ等から形成された絶縁層38が形成されている。
なお、MR積層体332がCIP−GMR多層膜を含む場合、上下部シールド層334及び330の各々とMR積層体332との間に、アルミナ等により形成されたアルミナ等の絶縁用の上下部シールドギャップ層がそれぞれ設けられる。さらに、図示は省略するが、MR積層体332にセンス電流を供給して再生出力を取り出すためのMRリード導体層が形成される。一方、MR積層体332がCPP−GMR多層膜又はTMR多層膜を含む場合、上下部シールド層334及び330はそれぞれ上下部の電極層としても機能する。この場合、上下部シールドギャップ層とMRリード導体層とは不要であって省略される。
MR積層体332のトラック幅方向の両側には、図示は省略するが、磁区の安定化用の縦バイアス磁界を印加するための、CoTa,CoCrPt,CoPt等の強磁性材料からなるハードバイアス層が形成される。
電磁コイル素子34は、垂直磁気記録用が好ましく、図4に示すように、主磁極層340、ギャップ層341a、コイル絶縁層341b、コイル層342、及び補助磁極層344を備えている。
主磁極層340は、コイル層342によって誘導された磁束を、書き込みがなされる磁気ディスク(媒体)の記録層まで収束させながら導くための導磁路である。ここで、主磁極層340の媒体対向面S側の端部のトラック幅方向(図4の奥行き方向)の幅及び積層方向(図4の左右方向)の厚みは、他の部分に比べて小さくすることが好ましい。この結果、高記録密度化に対応した微細で強い書き込み磁界を発生可能となる。具体的には、例えば、磁気ヘッド部を媒体対向面S側から見た図5に示すように、リーディング側すなわち基板220側の辺の長さがトレーリング側の辺の長さよりも短い逆台形となるように媒体対向面S側の主磁極層340の先端を先細にすることが好ましい。すなわち、主磁極層340の媒体対向面側の端面には、ロータリーアクチュエータでの駆動により発生するスキュー角の影響によって隣接トラックに不要な書き込み等を及ぼさないように、ベベル角θが付けられている。ベベル角θの大きさは、例えば、15°程度である。実際に、書き込み磁界が主に発生するのは、トレーリング側の長辺近傍であり、磁気ドミナントの場合にはこの長辺の長さによって書き込みトラックの幅が決定される。
ここで、主磁極層340は、例えば、媒体対向面S側の端部での全厚が約0.01〜約0.5μmであって、この端部以外での全厚が約0.5〜約3.0μmの、例えばフレームめっき法、スパッタリング法等を用いて形成されたNi、Fe及びCoのうちいずれか2つ若しくは3つからなる合金、又はこれらを主成分として所定の元素が添加された合金等から構成されていることが好ましい。また、トラック幅は、例えば、100nmとすることができる。
図4に示すように、補助磁極層344の媒体対向面S側の端部は、補助磁極層344の他の部分よりも層断面が広いトレーリングシールド部を形成している。補助磁極層344は、主磁極層340の媒体対向面S側の端部とアルミナ等の絶縁材料により形成されたギャップ層341a,コイル絶縁層341bを介して対向している。このような補助磁極層344を設けることによって、媒体対向面S近傍における補助磁極層344と主磁極層340との間において磁界勾配がより急峻になる。この結果、信号出力のジッタが小さくなって読み出し時のエラーレートを小さくすることができる。
補助磁極層344は、例えば、厚さ約0.5〜約5μmの、例えばフレームめっき法、スパッタリング法等を用いて形成されたNi、Fe及びCoのうちいずれか2つ若しくは3つからなる合金、又はこれらを主成分として所定の元素が添加された合金等から構成されている。
ギャップ層341aは、コイル層342と主磁極層340とを離間しており、例えば、厚さ約0.01〜約0.5μmの、例えばスパッタリング法、CVD法等を用いて形成されたAl又はDLC等から構成されている。
コイル層342は、例えば、厚さ約0.5〜約3μmの、例えばフレームめっき法等を用いて形成されたCu等から構成されている。主磁極層340の後端と補助磁極層344の媒体対向面Sから離れた部分とが結合され、コイル層342はこの結合部分を取り囲むように形成されている。
コイル絶縁層341bは、コイル層342と、補助磁極層344とを離間し、例えば、厚さ約0.1〜約5μmの熱硬化されたアルミナやレジスト層等の電気絶縁材料から構成されている。
導波路35は、MR効果素子33と電磁コイル素子34との間に位置していて集積面2202と平行に伸長しており、磁気ヘッド部32の媒体体対向面Sから、磁気ヘッド部32の媒体対向面とは反対側の面32aまで伸びている。ここで、面32aは基板220の背面2201よりも媒体対向面Sに近い位置にある。そして、絶縁層38において、背面2201側の部分における図4の左右方向の厚みは、媒体対向面S側の部分に比べて薄くされており、背面2201側には集積面2202と平行かつ磁気ヘッド部32の側面382よりも集積面2202に近い表面381が形成されている。
導波路35は、図6に示すように、矩形の板状のものであり、ともに媒体対向面Sに対して垂直に形成された、トラック幅方向において対向する2つの側面351a,351b、集積面2202と平行な2つの上面352a、下面352b、媒体対向面Sを形成する出口面353、及び、出口面353とは反対側の入口面354を有している。導波路35の上面352a、下面352b、2つの側面351a、351bは、導波路35よりも屈折率が小さく導波路35に対するクラッドとして機能する絶縁層38と接している。
この導波路35は、入口面354から入射した光を、この両側面351a、351b、及び上面352a、下面352bで反射させつつ、媒体対向面S側の端面である出口面353に導くことが可能となっている。導波路35の図6におけるトラック幅方向の幅W35は例えば、1〜200μmとすることができ、厚みT35は例えば2〜10μmとすることができ、高さH35は10〜300μmとすることができる。
導波路35は、何れの部分においても、絶縁層38を形成する材料よりも高い屈折率nを有する、例えばスパッタリング法等を用いて形成された誘電材料から構成されている。例えば、絶縁層38が、SiO(n=1.5)から形成されている場合、導波路35は、Al(n=1.63)から形成されていてもよい。さらに、絶縁層38が、Al(n=1.63)から形成されている場合、導波路35は、Ta(n=2.16)、Nb(n=2.33)、TiO(n=2.3〜2.55)又はTiO(n=2.3〜2.55)から形成されていてもよい。導波路35をこのような材料で構成することによって、材料そのものが有する良好な光学特性によるだけではなく、界面での全反射条件が整うことによって、レーザ光の伝播損失が小さくなり、近接場光の発生効率が向上する。
近接場光発生部36は、図2、図4、図5及び図6に示すように、導波路35の出口面353のほぼ中央に配置されている板状部材である。図4及び図6に示すように、近接場光発生部36は、その端面が媒体対向面Sに露出するように導波路35の出口面353に埋設されている。図5に示すように、近接場光発生部36は、媒体対向面Sから見て三角形状を呈し、導電材料により形成されている。三角形の底辺36dが基板220の集積面2202と平行すなわちトラック幅方向と平行に配置され、底辺と向き合う頂点36cが底辺36dよりも電磁コイル素子34の主磁極層340側に配置されており、具体的には、頂点36cが主磁極層340のリーディング側エッジと対向するように配置されている。近接場光発生部36の好ましい形態は、底辺36dの両端の2つの底角がいずれも同じとされた二等辺三角形である。
近接場光発生部36は、Au、Ag、Al、Cu、Pd、Pt、Rh若しくはIr、若しくはこれらのうちのいくつかの組合せからなる合金から形成されていることが好ましい。
図5において、頂点36cの曲率半径は5〜100nmとすることが好ましい。三角形の高さH36は、入射されるレーザ光の波長よりも十分に小さく、20〜400nmとすることが好ましい。底辺36dの幅Wは、入射されるレーザ光の波長よりも十分に小さく、20〜400nmとすることが好ましい。図6における近接場光発生部36の厚みT36は10〜100nmとすることが好ましい。
このような近接場光発光部36が導波路35の出口面353に設けられていると、近接場光発光部36の頂点36c近傍に電界が集中して頂点36c近傍から媒体に向かって近接場光が発生する。これについては後で詳述する。
そして、この熱アシスト磁気ヘッド21において、図2に示すように、電極パッド371、371がそれぞれフレクシャ201の電極パッド237、237にボンディングワイヤにより電気的に接続され、電極パッド373、373がそれぞれフレクシャ201の電極パッド238、238にボンディングワイヤにより接続され、これによりそれぞれ電磁コイル素子及びMR効果素子が駆動される。また、図4に示すように、電極パッド375は、ビアホール375aにより基板220と電気的に接続されている。
また、絶縁層38の表面381上に、レーザ駆動用の電極パッド47、48が形成され、電極パッド47上にレーザダイオード40が固定されている。
電極パッド47は、図2に示すように、絶縁層38の表面381の中央部にトラック幅方向に伸びて形成されている。一方、電極パッド48は、電極パッド47からトラック幅方向に離間した位置に形成されている。各電極パッド47、48は、半田リフローによるフレクシャ201との接続のために、さらに、フレクシャ201側に向かって伸びている。
電極パッド47、48は、それぞれ、フレクシャ201の電極パッド247、248とリフロー半田により電気的に接続されており、これにより光源の駆動が可能となっている。
電極パッド47、48は、例えば、厚さ10nm程度のTa、Ti等からなる下地層を介して形成された、厚さ1〜3μm程度の、例えば真空蒸着法やスパッタリング法等を用いて形成されたAu、Cu等の層から形成することができ。
電極パッド47は、図4に示すように、絶縁層38内に設けられたビアホール47aにより基板220と電気的に接続されている。これにより、電極パッド247により基板220の電位を例えばグランド電位に制御することが可能となっている。また、電極パッド47は、レーザダイオード40駆動時のレーザダイオード40の熱を、ビアホール47aを介して基板220側へ逃がすためのヒートシンクとしても機能する。
そして、レーザダイオード40は、電極パッド47の上にAu−Sn等の導電性の半田材料からなる半田層42(図4参照)により電気的に接続されている。このとき、レーザダイオード40は、電極パッド47の一部のみを覆うように電極パッド47に対して配置されている。
図7のように、レーザダイオード40は、通常、光学系ディスクストレージに使用されるものと同じ構造を有していてよく、例えば、n電極40aと、n−GaAs基板40bと、n−InGaAlPクラッド層40cと、第1のInGaAlPガイド層40dと、多重量子井戸(InGaP/InGaAlP)等からなる活性層40eと、第2のInGaAlPガイド層40fと、p−InGaAlPクラッド層40gと、n−GaAs電流阻止層40hと、p−GaAsコンタクト層40iと、p電極40jとが順次積層された構造を有する。これらの多層構造の劈開面の前後には、全反射による発振を励起するためのSiO、Al等からなる反射膜50及び51が成膜されており、レーザ光が放射される出光端400には、一方の反射膜50における活性層40eの位置に開口が設けられている。このようなレーザダイオード40は、膜厚方向に電圧が印加されることにより、出光端400からレーザ光を出射する。
放射されるレーザ光の波長λは、例えば600〜650nm程度である。ただし、近接場光発生部36(図2)の金属材料に応じた適切な励起波長が存在することに留意しなければならない。例えば、近接場光発生部36としてAuを用いる場合、レーザ光の波長λは、600nm近傍が好ましい。
レーザダイオード40の大きさは、上述したように、例えば、幅(W40)が200〜350μm、長さ(奥行き、L40)が250〜600μm、厚み(T40)が60〜200μm程度である。ここで、レーザダイオード40の幅W40は、電流阻止層40hの対向端の間隔を下限として、例えば、100μm程度までに小さくすることができる。ただし、レーザダイオード40の長さは、電流密度と関係する量であり、それほど小さくすることはできない。いずれにしても、レーザダイオード40に関しては、搭載の際のハンドリングを考慮して、相当の大きさが確保されることが好ましい。
また、このレーザダイオード40の駆動においては、ハードデスク装置内の電源が使用可能である。実際、ハードデスク装置は、通常、例えば2V程度の電源を備えており、レーザ発振動作には十分の電圧を有している。また、レーザダイオード40の消費電力も、例えば、数十mW程度であり、ハードデスク装置内の電源で十分に賄うことができる。
そして、図4において、レーザダイオード40のn電極40aが電極パッド47にAuSn等の半田層42により固定されている。ここで、レーザダイオード40の出光端400が図4の下向きすなわち出光端400が磁気ヘッド部32の導波路35の入口面354と対向している。実際のレーザダイオード40の固定においては、例えば、電極パッド47の表面に厚さ0.7〜1μm程度のAuSn合金の蒸着膜を成膜し、レーザダイオード40を乗せた後、熱風ブロア下でホットプレート等による200〜300℃程度までの加熱を行って固定すればよい。また、図2及び図7に示すように、電極パッド48と、レーザダイオード40のp電極40jと、がボンディングワイヤにより電気的に接続されている。なお、電極パッド47と接続される電極は、n電極40aでなくてもp電極40jでもかまわず、この場合、n電極40aが電極パッド48とボンディングワイヤにより接続される。
そして、図4等に示すように、レーザダイオード40は、レーザダイオード40の出光端400が導波路35の入口面354と対向するように配置されている。
なお、レーザダイオード40及び電極パッドの構成は、当然に、上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、レーザダイオード40は、GaAlAs系等、他の半導体材料を用いた他の構成のものであってもよい。さらに、レーザダイオード40と電極との半田付けに、他のろう材を用いて行うことも可能である。さらにまた、レーザダイオード40を、ユニット基板上に直接、半導体材料をエピタキシャル成長させることによって形成してもよい。
(製造方法)
続いて、上述の熱アシスト磁気ヘッドの製造方法について簡単に説明する。図8〜図910は、熱アシスト磁気ヘッドの形成方法の一実施形態を説明する斜視図である。
まず、図8の(A)に示すように、基板220を用意し、公知の方法を用いてMR効果素子33及び素子間シールド層148(不図示)を形成し、さらに下地としてアルミナ等の絶縁層38aを形成する。
続いて、Al等の絶縁層38a上に、導波路35の一部となる、絶縁層38aよりも屈折率の高いTa等の誘電体膜35aを成膜し、その上に、Au等の金属層36aを製膜し、その上に、リフトオフ用の底部が窪んだレジストパターン1002を形成する。
次いで、図8の(B)に示すように、イオンミリング法等を用いて、レジストパターン1002の直下を除いた金属層36aの不要部分を除去することにより、誘電体膜35aの上に下部が広い台形状の金属層36aが積層されたパターンが形成される。
その後、図8の(C)に示すように、レジストパターン1002を除去した後に、台形状の金属層36aの両斜面側からそれぞれイオンミリング法等により各斜面の一部をそれぞれ除去して、断面三角形状の金属層36aを形成する。
続いて、図8の(D)に示すように、金属層36aを覆うように誘電体膜35a上に誘電体膜35aと同じ材料による誘電体膜35bを成膜し、将来媒体対向面が形成される側に金属層36aの端面を形成するためのレジストパターン1003を積層し、図9の(A)に示すように、将来媒体対向面が形成される側とは反対側において、金属層36a及び誘電体膜35bをイオンミリング法等により除去し、その後、除去した部分に誘電体膜35bと同じ材料により誘電体膜35cを成膜する。
さらに、図9の(B)に示すように、誘電体膜35b、35c上に、さらに、誘電体膜35bと同じ材料により誘電体膜35dを積層し、所定の幅となるように、誘電体膜35a,35b,35c,35dをパターニングすることにより、導波路35がほぼ完成する。
さらに、その後、図9の(C)に示すように、導波路35を覆うように絶縁層38aと同じ材料で絶縁層38bを更に形成することにより、クラッド層としての絶縁層38が完成する。なお、この絶縁層38を形成する場合に、その内部に、電磁コイル素子34を公知の方法により形成しておく。その後、絶縁層38の表面に接続のための電極パッド371等を形成する。
続いて、図10の(A)に示すように、基板220のエアベアリング面となる側とは反対側の絶縁層38を所定の深さまでミリングして表面381を形成し、表面381上に電極パッド47、48を形成する。
その後エアベアリング面のラッピングを行い、さらに、電極パッド47上に、レーザダイオード40を、その出光端400が導波路35の端面354と対向するように実装することにより熱アシスト磁気ヘッド21が完成する。
(作用)
続いて、本実施形態にかかる熱アシスト磁気ヘッド21の作用について説明する。
書き込み又は読み出し動作時には、熱アシスト磁気ヘッド21は、回転する磁気ディスク(媒体)10の表面上において流体力学的に所定の浮上量をもって浮上する。この際、MR効果素子33及び電磁コイル素子34の媒体対向面S側の端が磁気ディスク10と微小なスペーシングを介して対向することによって、データ信号磁界の感受による読み出しとデータ信号磁界の印加による書き込みとが行われる。
ここで、データ信号の書き込みの際、光源40から導波路35を通って伝播してきたレーザ光が近接場光発生部36に到達し、近接場光発生部36から近接場光が発生する。この近接場光によって、後述するように、熱アシスト磁気記録を行うことが可能となる。
ここで、近接場光は、入射されるレーザ光の波長及び導波路35の形状にも依存するが、一般に、媒体対向面Sから見て近接場光発生部36の境界で最も強い強度を有する。特に、本実施形態では、図4において、レーザダイオード40の積層方向が図4の左右方向とされており、近接場光発生部36に到達する光の電界ベクトルは図4の左右方向、すなわち、図5の上下方向となる。したがって、頂点36c近傍にて最も強い近接場光の放射が起こる。すなわち、磁気ディスクの記録層部分を光により加熱する熱アシスト作用において、この頂点36c近傍と対向する部分が、主要な加熱作用部分となる。
この近接場光の電界強度は、入射光に比べて桁違いに強く、この非常に強力な近接場光が、磁気ディスク表面の対向する局所部分を急速に加熱する。これにより、この局所部分の保磁力が、書き込み磁界による書き込みが可能な大きさまでに低下するので、高密度記録用の高保磁力の磁気ディスクを使用しても、電磁コイル素子34による書き込みが可能となる。なお、近接場光は、媒体対向面Sから磁気ディスクの表面に向かって、10〜30nm程度の深さまで到達する。従って、10nm又はそれ以下の浮上量である現状において、近接場光は、十分に記録層部分に到達することができる。また、このように発生する近接場光のトラック幅方向の幅や媒体移動方向の幅は、上述の近接場光の到達深さと同程度であって、また、この近接場光の電界強度は、距離が離れるに従って指数関数的に減衰するので、非常に局所的に磁気ディスクの記録層部分を加熱することができる。
以上に述べたような、熱アシスト磁気記録方式を採用することにより、高保磁力の磁気ディスクに垂直磁気記録用の薄膜磁気ヘッドを用いて書き込みを行い、記録ビットを極微細化することによって、例えば、1Tbits/in級の記録密度を達成することも可能となり得る。
そして、本実施形態では、磁気ヘッド部32の導波路35の入口面(端面)354に、導波路35の層面に平行な方向に伝播するレーザ光を入射させることができる。すなわち、集積面2202と媒体対向面Sとが垂直である構成を有する熱アシスト磁気ヘッド21において、適切な大きさ及び方向を有するレーザ光が、確実に供給可能となる。その結果、磁気ディスクの記録層の加熱効率が高い熱アシスト磁気記録を実現可能とする。
また、磁気ヘッド部32が基板220の側面に設けられているので、従来の薄膜磁気ヘッドの製造方法を用いて磁気ヘッド部32の電磁コイル素子34やMR効果素子33等を容易に形成できる。
さらに、レーザダイオード40が媒体対向面Sから離れた位置かつ基板220の近傍にあるので、レーザダイオード40から発生する熱による電磁コイル素子34やMR効果素子33等への悪影響やレーザダイオード40と磁気ディスク10との接触等の可能性が抑制されると共に、光ファイバ、レンズ、ミラー等が必須では無いので光の伝播損失が低減でき、さらに、磁気記録装置全体の構造も簡単にできる。
なお、熱アシスト磁気ヘッド21の大きさは任意であるが、例えば、トラック幅方向の幅700μm×長さ(奥行き)850μm×厚み600μmであってもよい。実際、例えば、通常用いられるレーザダイオードの典型的な大きさは、幅(W40)が250μm、長さ(奥行き、L40)が350μm、厚み(T40)が65μm程度であり(図7参照)、例えば、この大きさよりもやや大きめに形成された表面381にこの大きさのレーザダイオード40を設置することが、十分に可能となっている。
また、導波路35の入口面354に達したレーザ光のファーフィールドパターンのスポットにおいて、トラック幅方向の径を、例えば0.5〜1.0μm程度とし、この径に直交する径を、例えば1〜5μm程度とすることができる。これに対応して、このレーザ光を受け取る導波路35の厚みT35を、例えばスポットよりも大きな2〜10μm程度とし、導波路35のトラック幅方向の幅(W35)を、例えば1〜200μm程度とすることが好ましい。
また、電磁コイル素子34が、長手磁気記録用であってもかまわない。この場合、主磁極層340及び補助磁極層344の代わりに、下部磁極層及び上部磁極層が設けられ、さらに、下部磁極層及び上部磁極層の媒体対向面S側の端部に挟持された書き込みギャップ層が設けられる。この書き込みギャップ層位置からの漏洩磁界によって書き込みが行われる。
また、近接光発生部の形状も、上述のものに限られず、たとえば、三角形でなく頂点36cが平らになった台形状でも実施可能であり、また、三角形状または台形状の板を、その頂点同士または短辺同士が所定距離離間して対向するように一対配置した、いわゆる「蝶ネクタイ型」構造でも実施可能である。この「蝶ネクタイ型」構造においては、その中心部に非常に強い電界の集中が発生する。
また、コイル層342は、図4等において1層であるが、2層以上又はヘリカルコイルでもよい。
また、他の実施形態として、近接場光発生部36として、導波路35の媒体対向面S側に光の波長よりも小さい微小な開口を設けてもよい。
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
図1は、本発明によるハードデスク装置及びHGAの一実施形態における要部の構成を概略的に示す斜視図である。 図2は、図1のHGAの先端付近の拡大斜視図である。 図3は、図1の熱アシスト磁気ヘッドの構成を概略的に示す斜視図である。 図4は、図3の熱アシスト磁気ヘッドの媒体対向面に垂直な断面図である。 図5は、図4の熱アシスト磁気ヘッドの媒体対向面から見た概略図である。 図6は、図3の熱アシスト磁気ヘッドにおける導波路及び近接場光発生部を示す斜視図である。 図7は、レーザダイオードの構成を示す概略斜視図である。 図8は、熱アシスト磁気ヘッドの製造方法を(A)〜(D)の順に示す斜視図である。 図9は、熱アシスト磁気ヘッドの製造方法を(A)〜(C)の順に示す図8に続く斜視図である。 図10は、熱アシスト磁気ヘッドの製造方法を( A),(B)の順に示す図9に続く斜視図である。
符号の説明
1…ハードデスク装置、10…磁気ディスク(記録媒体)、17…ヘッドジンバルアセンブリ(HGA)、20…サスペンジョン、21…熱アシスト磁気ヘッド、220…基板、2202…集積面、32…磁気ヘッド部、33…MR効果素子(磁気検出素子)、34…電磁コイル素子(磁気記録素子)、35…導波路、354…入口面(端面)、36…近接場光発生部、40…レーザダイオード(光源)、400…出光端、S…媒体対向面。

Claims (8)

  1. 媒体対向面を有する熱アシスト磁気ヘッドであって、
    前記媒体対向面の一部を形成する基板と、
    前記基板の媒体対向面の側面に設けられて前記熱アシスト磁気ヘッドの媒体対向面の他の一部を形成する磁気ヘッド部と、
    前記基板の側面かつ前記磁気ヘッド部よりも前記媒体対向面から離れた位置に設けられた光源と、を備え、
    前記磁気ヘッド部は、磁界を発生する磁気記録素子、及び、前記媒体対向面とは反対側の端面から光を受け入れて前記媒体対向面に導く導波路を含み、
    前記光源は、前記光源から出射された光が前記導波路の前記端面に入射するように配置されている熱アシスト磁気ヘッド。
  2. 前記光源は、レーザダイオードである請求項1記載の熱アシスト磁気ヘッド。
  3. 前記磁気ヘッド部において、前記導波路が、前記磁気記録素子と前記基板との間に配置されている請求項1又は2記載の熱アシスト磁気ヘッド。
  4. 前記磁気ヘッド部は、磁気検出素子をさらに含み、
    前記導波路は、前記磁気記録素子と前記磁気検出素子との間に配置されている請求項3に記載の熱アシスト磁気ヘッド。
  5. 前記導波路の媒体対向面側の端面に、近接場光を発生させる近接場光発生部をさらに備える請求項1〜4のいずれか記載の薄膜磁気ヘッド。
  6. 前記近接場光発生部は、前記媒体対向面から見て三角形状の導電板である請求項5に記載の薄膜磁気ヘッド。
  7. 請求項1〜6のいずれか記載の熱アシスト磁気ヘッドと、前記熱アシスト磁気ヘッドを支持するサスペンジョンとを備えたヘッドジンバルアセンブリ。
  8. 請求項7に記載のヘッドジンバルアセンブリと、磁気記録媒体と、を備えたハードデスク装置。
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