JP4705142B2 - 3次元形状測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、カメラ付携帯電話に使用されるレンズ、BD(ブルーレイディスク)等の光ディスク記憶装置に使用されるピックアップレンズ等、レンズ面の光軸に対する傾きが高傾斜に構成されたレンズの3次元形状評価に適した3次元形状測定方法に関するものである。
従来のレンズ形状を測定評価する方法としては、マイクロエアースライダーにより構成されたプローブにより高傾斜面を測定する方法がある。(例えば、特許文献1参照)。図26は、特許文献1に記載された従来の3次元形状測定方法を示すものである。
図26において、プローブユニット100は下端にスタイラス101を有するプローブ102を備える。プローブ102の上端側のマイクロエアースライダー103は空気軸受けにより非接触に支持されている。半導体レーザ104のレーザ光Frがスタイラス7の上端に設置したミラー105に導かれる。スタイラス101と測定物106との間に働く原子間力は、ミラー105により反射されてピンホール107を通過したレーザ光Frの光量の強弱に応じた誤差信号を発生する誤差信号発生部108により、プローブユニット100の上下方向の力に変換される。誤差信号発生部108からの出力に基づいてサーボ回路109及びリニアモータ110により、プローブユニット100全体の位置がフィードバック制御される。ミラー105で反射されたHe-Neレーザ(図示せず)からのレーザ光Fzによりプローブ102のZ座標が測定される。この方法により高傾斜面を高精度に測定することが可能であるが、改良された現在でも75°の傾斜面の測定が限界である。
しかしながら、カメラ付携帯電話に使用されるレンズ、BD(ブルーレイディスク)等の光ディスク記憶装置に使用されるピックアップレンズ等の用途では、解像度の向上、集光ビーム径の小径化のために、傾斜面の傾斜角度が80°を超えるレンズが必要になりつつあり、より高傾斜面までの評価が求められている。
そこで、レンズを3方向に傾け、それぞれの設置方向で測定し、この3方向の測定データで測定領域の重なった2カ所のデータを、XZ面内で一致するように合成し、この合成したデータと設計形状との差を評価するものがあった。(例えば、特許文献2及び非特許文献1参照)
図27は、特許文献2に記載された従来のレンズの測定評価方法を示すものである。まず、レンズを3方向に傾け、それぞれの設置方向で測定する。次に、得られた3方向の測定データ200a,200b,200cを、測定領域の重なった部分がXZ平面内で一致するように回転位置、左右位置を調整して合成する。そして、合成後のデータ200dと設計形状との差を評価する。
また、従来のレンズ特性を測定評価する方法としては、レンズを3方向に傾け、それぞれの設置方向で測定し、この3方向のうちの1つを参照データとして定義し、この参照データに対して、他の2方向の測定データで測定領域の重なったデータを、XZ面内で一致するように合成し、この合成したデータと設計形状との差を評価するものがあった。(例えば、特許文献3参照)。
図28は、特許文献3に記載された従来のレンズの測定評価方法を示すものである。まず、レンズ(金型)を水平に設置し、中央部301aを測定する。その後、レンズを傾け(設計光軸302をY軸周りに傾斜させる。)、レンズ面の測定機に対する傾斜が小さくなった部分301bを測定する。さらに、レンズを設計光軸302を中心に180度回転し、レンズを傾斜して測定した同じ軸上の、反対側の部分301cを測定する。そして、中央部301aを基準として部分301b,301cと中央部分301aの測定領域の重なった部分で測定データが一致するように、部分301b,301cの測定データをそれぞれ回転及び平行移動させる。つまり、3方向より測定したデータを、中央部301aを基準に合成する。そして、合成後のデータで形状を評価する。
特開平6−265340号公報 特開2005−201656号公報 国際公開第06/082368号パンフレット 三浦勝弘、「レーザープローブ方式によるレンズ形状計測システム」、O plus E、株式会社新技術コミュニケーションズ、平成16年9月、第46巻、第3号、p1070−1074
しかしながら、従来の方法では、レンズを傾斜させた軸(Y軸)とは異なる軸(X軸)周りにレンズがずれて設置されている場合、形状誤差となる。つまり、X断面の測定形状を得るにあたってY断面の測定を行っておらず、X軸周りの回転方向によるレンズの設置ずれがあると、計測値に誤差を含む。以下、この点について具体的に説明する。
例えば図29に示すように、有効径1.6mm(半径R=0.8mm)、R=0.8mmの最外周部分での断面方向のレンズ面の傾き角が75°、レンズ頂点からの深さであるサグ量が0.5mmの非球面レンズを測定した場合を考える。図29においてX、Y、Z軸周りに回転を、それぞれA、B、及びC軸としている。
実線401aはX軸周りの回転(A軸)によるずれがない場合のレンズ断面を示す。一方、点線401bは測定機の座標系に対しX軸周りの回転(A軸)に1°傾いて設置されている場合のレンズ断面を示す。レンズの頂点部分より測定を開始した場合、レンズが測定機の座標系に対してA軸で1°傾いていると(点線401b)、X=―0.8mmの位置で、スタイラスが走査するレンズ面上のY軸方向の位置Y’は、サグ量h*sin(1°)より、以下の式(1)に示すように測定機のY軸より8.73μmずれた位置となる。
また、Y’位置でのXは、以下の式(2)で示す値となる。
従って、レンズが測定機の座標系に対してA軸で1°傾いていることに起因するZ方向の誤差は、以下の式(3)で示す値となる。
この計測誤差に起因するレンズの形状誤差が修正されないと、BD用等のレンズではビームを小さく絞れず、カメラ付携帯電話用のレンズでは像がぼける等の問題が発生する。
また、従来の方法では、中央部の測定データを基準に左右の部分の測定データが重なるように合成するので、測定データでデータをつなぎ合わせる場合、mmオーダの形状変化に対しμm以下オーダでの特徴的な形状でデータを合わせる必要があり、合成が容易でない。また、従来の方法では、プローブ先端の半径(プローブR)についての補正計算に誤差が生じる。さらに、従来の方法は、1断面の測定データを得るために、3方向にレンズを傾けて測定する必要があるので、測定に時間がかかる。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、レンズ等の測定対象物の高傾斜部分を高精度で測定することが可能な3次元形状測定方法を提供することを目的とする。
本発明は、測定物を3次元測定機のY軸周りに傾けて設置した第1の設置状態とし、前記測定物を前記第1の設置状態から前記測定物のZ軸を中心に90度の2以下の自然数倍の角度増分で1回以上回転させて1つ以上の第2の設置状態とし、前記第1及び第2の設置状態のそれぞれについて、前記測定物の頂点を通る前記3次元測定機のX軸方向の直線上に前記測定物の表面を前記3次元測定機で測定して第1の測定データ群を取得すると共に、前記測定物の頂点を通る前記3次測定機のY軸方向の直線上に前記測定物の表面を前記3次元測定機で測定して第2の測定データ群を取得し、前記第1及び第2の設置状態のそれぞれについて、前記第1及び第2の測定データ群を前記3次元測定機のY軸周りの傾きに応じて回転及び並進移動させて、前記測定物を前記3次元測定機に水平に設置した状態に座標変換する予備座標変換を実行し、前記予備座標変換がされた前記第1及び第2の測定データ群を前記測定物の設計式にフィッティングさせる第1のアラインメント量を前記測定物のX軸、Y軸、Z軸、前記測定物のX軸周りの回転方向であるA軸、及び前記測定物のY軸周りの回転方向であるB軸について算出し、前記測定物のX軸、Y軸、Z軸、A軸、及びB軸の第1のアラインメント量のうちからいずれか2つ又は3つを固定アラインメント量として選択し、前記予備座標変換がなされた前記第1及び第2の測定データ群を、前記固定アラインメント量で座標変換する第1の座標変換を実行し、前記第1の座標変換がなされた前記第1及び第2の測定データ群を前記測定物の設計式にフィッティングさせる第2のアラインメント量を前記測定物のX軸、Y軸、Z軸、A軸、及びB軸のうち前記固定アラインメント量以外の軸について算出し、前記予備座標変換がされた前記第1及び第2の測定データ群を前記固定アラインメント量と前記第2のアラインメント量で座標変換する第2のアラインメントを実行し、前記第2のアラインメントがされた第1及び第2の測定データ群と前記測定物の前記設計式との差を算出し、前記第1及び第2の設置状態についての前記設計式との差を合成する、3次元形状測定方法を提供する。
本発明の3次元測定方法では、X軸方向の直線上の記測定物の表面のX軸、Y軸、及びZ軸の座標である第1の測定データ群だけでなく、Y軸方向の直線上の記測定物の表面のX軸、Y軸、及びZ軸の座標である第2の測定データ群を使用して、設計式との差を算出する。従って、X軸周りに測定物の設置位置にずれが生じていても、測定データ群のX軸、Y軸、及びZ軸座標を正しく算出することができ、高傾斜面を含む測定物の断面形状と測定式との差を高精度で測定できる。また、第1の設置状態と、この第1の設置状態から測定物の設計座標系のZ軸周りに回転させた第2の設置状態について、測定物の表面を測定するので高傾斜面を含む測定物の一つの断面全体について測定式との差が得られる。
例えば、前記角度増分は180度であり、前記第2の設置状態が1つである。この場合、測定物の設計座標系のX軸上の断面について設計形状との差を高精度で測定できる。
また、前記角度増分は90度であり、前記第2の設置状態が3つであってもよい。この場合、測定物の設計座標系のX軸及びY軸の断面について設計形状との差を高精度で測定できる。
この場合、設計データの中心に対し、測定データ群の点数が不均一に分布している場合、測定物の非球面量が少ない場合や中程度の場合でも、高傾斜面を含む測定物の断面形状を高精度で測定することができる。
前記予備座標変換を行うための設計形状は、実際の測定物の形状に応じて設計パラメータを変換したものであってもよい。この場合、予備座標変換やそれに続く処理をより高精度で行い、高傾斜面の高精度な測定が可能となる。
前記第1及び第2の設置状態についての前記設計形状との差の合成は、前記第1及び第2の設置状態についての前記設計形状との差の重なりを手動で調整することを含んでもよい。また、前記第1及び第2の設置状態についての前記設計形状との差の合成は、前記第1及び第2の設置状態についての前記設計形状との差についてそれぞれ最小二乗法により近似直線を求め、前記第1及び第2の設置状態の前記近似直線が重なるように、前記第1及び第2の設置状態についての前記設計形状との差を座標変換することを含んでもよい。これらの処理により、高傾斜面を含む測定物の断面形状と設計形状の差がより高精度で得られる。
前記第2の測定データ群の代わりに面上測定データを使用すれば、測定物の3次元形状を測定が可能となる。
以上のように、本発明の3次元形状測定方法では、測定物を傾けて設置した第1の設置状態と、この第1の設置状態から測定物のZ軸周りに回転させた第2の設置状態について、X軸方向の直線上の測定物の表面のX軸、Y軸、及びZ軸の座標である第1の測定データ群だけでなく、Y軸方向の直線上の測定物の表面のX軸、Y軸、及びZ軸の座標である第2の測定データ群を使用して、設計式との差を算出する。従って、X軸周りに測定物の設置位置にずれが生じていても、測定データ群のX軸、Y軸、及びZ軸座標を正しく算出することができ、高傾斜面を含む測定物のある断面全体の形状と設計式との差を高精度で測定できる。
次に、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。添付図面において、座標軸について測定機自体について設定された3次元空間に固定の直交座標軸と、レンズの設計座標軸とを区別する必要がある場合、前者に「(UA3P)」を付して後者には「(Lens)」を付している。
(実施の形態1)
図1は本発明の3次元形状測定方法を実行可能な3次元形状測定機(以下、単に測定機)1を示す。測定機1は下部石定盤2上にモータ駆動のX軸ステージ3とY軸ステージ4を介して載置された上部石定盤5を備える。上部石定盤5にはプローブユニット100(図26を参照して説明したものと同様)がZ軸方向に移動可能に搭載されている。He-Neレーザ6からのレーザ光は光学系7によりXYZ軸方向のレーザ光Fx,Fy,Fzに分岐する。レーザ光Fxは、下部石定盤2に固定されたX軸ミラー8に照射されX座標が測定される。同様に、レーザ光Fyは、下部石定盤2に固定されたY軸ミラー9に照射されY座標が測定される。Z軸レーザ光Fzは2つに分岐し、下部石定盤2の上部に固定されたZ軸ミラーとスタイラス101の上端のミラー105(図26参照)の反射光から測定面上のZ座標が測定される。
図2を併せて参照すると、測定物であるレンズ11(レンズに限定されず例えばレンズ成型用の金型でもよい。)の設置用の治具12は、A軸ゴニオステージ13、ラックピニオン式のXYステージ14、及びB軸ゴニオステージ15(いずれも手動式である。)を介して下部石定盤2上に配置されている。レンズ11をY軸周りにB軸ゴニオステージ14にて回転して斜めに設置し、A軸ゴニオステージ13にてX軸周りの回転方向を調整できる。また、XYステージ14によりレンズ11のXY軸方向の位置を微調整できる。治具12はB軸ゴニオステージ15に固定されたテーパスペーサ16と、このテーパスペーサ16上に配置される上部プレート17を備える。レンズ11は支持爪18によって上部プレート17に着脱可能に装着される。テーパスペーサ16の上面は水平に対して10度の傾斜を有している。上部プレート17はテーパスペーサ16の上面に対して3点支持されている。テーパスペーサ16に対する上部プレート17は2本の位置決めピン19よりテーパの上面に対するC軸の角度位置が位置決めされており、位置決めピン19から外して機械的に回転させることにより、上部プレート17をテーパスペーサ16に対して90度ずつ機械的に回転可能に構成されている。
コンピュータ及びその周辺機器により構成される制御・演算装置21は、予め記憶されたプログラムに基づいて測定機1全体の動作を制御して測定を実行すると共に、測定データに対する各種演算を実行する。具体的には、制御・装置21は、プローブ103の下端のスタイラス101に対して測定物としてのレンズ11の表面から働く力が一定となるように、プローブユニット100全体をZ方向にフィードバック制御するサーボをかけつつ、X軸ステージ3、Y軸ステージ4により、Z方向に移動するプローブユニット100をXあるいはY方向に順次走査し、所定のXY方向の取り込みピッチで、形状データの点群を取得して記憶する。制御・演算装置21には、例えばディスプレイとその周辺機器である出力装置22と、キーボード、マウス等を含む入力装置23が接続されている。出力装置22により制御・装置21の演算結果等が出力ないし表示され、入力装置23により制御・装置21に対する指令を入力できる。
以下、図3のフローチャートを参照して、本実施の形態の3次元形状測定方法を説明する。まず、下部石定盤2に対してレンズ11を傾けて設置する(ステップS3−1)。具体的には、図6に示すように、レンズ11のマーク11aが測定機1のY軸マイナス側に来るようにレンズ11を設置する。マーク11aは成型時のプラスチックの注入部分や、金型加工時のマーキング等を利用して設けることができる。またレンズ11はY軸を回転中心として(B軸方向に)斜めに傾斜させて設置する。このレンズ11のY軸周りの傾斜は、B軸ゴニオステージ15により調整できる。測定機1の測定可能限界角度が60度で、レンズ面の最大傾斜角度が80度の場合、レンズ11をY軸周りの傾斜角度を20度とすれば、レンズ面のX軸方向のマイナス側のX軸上の部分は、測定機1の測定可能限界角度内に測定面の角度を抑えることができ、3次元測定が可能となる。
次に、測定用NCパスを設定する(ステップS3−2)。図6を参照すると、測定用NCパスには、X軸方向の測定パス(実線L11)とY軸方向の測定パス(点線L12)がある。X軸方向の測定パスL11は、B軸で斜めに傾けて設置した状態でのレンズ11の頂点位置Pt(Z軸方向の位置が最も高い点)を通る軸の断面に沿ったX軸方向の直線状とする。Y軸方向の測定パスL22は、B軸で斜めに傾けて設置した状態でのレンズ11の頂点位置Ptを通る軸の断面に沿ったY軸方向の直線状とする。また、X軸及びY軸方向の測定パスL11,L12は、Y軸周りに傾けて設置されたレンズ面を測定する際に、測定の最大傾斜角の範囲内に収まるように設定する。
次に、Y軸周りに斜めに向けた状態を維持したままで、レンズ11の頂点位置Ptにスタイラス101を移動させるセンタリングを行う(ステップS3−3)。このセンタリングは、XYステージ3、4によりスタイラス101がレンズ頂点位置Ptに来ようにXY軸方向に移動させることにより行う。
次に、測定と測定データの保存を行う(ステップS3−4)。具体的には、前述の測定パスL11,L12に沿ってX軸方向及びY軸方向の軸上でスタイラス101を移動させる。まず、斜めに設置した状態でのレンズ11の頂点位置Ptを測定の開始点とし、X軸方向の軸上を測定機1の最大傾斜角の範囲内で、スタイラス101とレンズ11に働く力を一定にするようにサーボをかけつつスタイラス11を走査し、そのときのスタイラス101の位置(XYZ座標)を順次測定し、X軸方向の測定データ群として記憶ないし保存する。さらに、斜めに設置した状態でのレンズ11の頂点位置Ptを測定の開始点とし、Y軸方向の軸上を測定機1の最大傾斜角の範囲内で、スタイラス101とレンズ11に働く力を一定にするようにサーボをかけつつスタイラス101を走査し、そのときのスタイラス101の位置(XYZ座標)を順次測定し、Y軸方向の測定データ群として記憶ないし保存する。
その後、X軸及びY軸方向の測定データ群と、レンズ11の設計式との差を求めるアライメント処理を行う(ステップS3−5)。続いて、アラインメント処理の結果に基づいてチルト調整の要否を判断する(ステップS3−6)。具体的には、アライメント処理の結果、測定機1のX軸周りの回転方向(A軸)での設置ずれが大きい場合(例えば1°以上)、アライメント処理によって得られるX軸周りの(A軸)の回転量(測定データ群をレンズ11の設計式にフィットさせるために必要なX軸周りの回転量)に相当する量だけ、A軸ゴニオステージ13を操作してレンズ11をX軸周りに回転させ、レンズ11のX軸周りの設置角度が、測定機1に斜めにならないようにチルト調整する(ステップS3−7)。チルト調整後、再びセンタリングからチルト調整の要否判断までを繰り返す(ステップS3−6)。一方、アライメント処理の結果、測定機1のX軸周りの回転方向でのレンズ11の設置ずれが十分小さくなっていれば(例えば10分以下程度)、ステップS3−1で設定した姿勢でのレンズ11のX軸方向及びY軸方向の測定を終了し、ステップS3−8に移行する。このチルト調整が不要となった時点で、ステップS3−1で設定した姿勢で測定したレンズ11の最終的なX軸及びY軸方向の測定データ群が得られる。最終的に得られたX軸方向の測定データ群は、レンズ11のX軸のマイナス方向の高傾斜面のデータである。
ステップS3−8では、レンズ面上の測定個所を変えるために、レンズ11の傾きを変更する。具体的には、レンズ11の設計座標系でのZ軸を基準に、レンズ11のマーク11aがY軸上のプラス側に来るように、レンズ11を180度回転して設置し直す。このレンズ11の回転は、設置用の治具12の上部プレート17をテーパスペーサ16からいったん取り外して180度向きを変更した後、再度テーパスペーサ16に対して位置決めピン19で位置決めして取り付けることにより可能である。
レンズ11の傾きを変更した後、傾き変更前と同様に、測定用NCパスの設定(ステップS3−9)を行い、測定機1のX軸周りの回転方向でのレンズ11の設置ずれが十分小さくなるまで、センタリング(ステップS3−10)、X軸方向及びY軸方向の測定と測定データの保存(ステップS3−11)、及びチルト調整(ステップS3−14)を繰り返す。レンズ11の傾きを変更した後の測定用NCパスは傾き変更前と同様であり、X軸方向の測定パスは、B軸で斜めに傾けて設置した状態でのレンズ11の頂点位置Ptを通る軸の断面に沿ったX軸方向の直線状であり、Y軸方向の測定パスL22は、B軸で斜めに傾けて設置した状態でのレンズ11の頂点位置Ptを通る軸の断面に沿ったY軸方向の直線状とする。測定機1のX軸周りの回転方向でのレンズ11の設置ずれが十分小さくなり、ステップS3−13でチルト調整が不要となった時点で、ステップS3−8で変更した姿勢でのレンズ11の最終的なX軸及びY軸方向の測定データ群が得られる。最終的に得られたX軸方向の測定データ群は、レンズ11のX軸のプラス方向の高傾斜面のデータである。
次に、2つの姿勢でそれぞれ測定したX軸方向及びY軸方向の測定データ群に対して、座標変換、アライメント処理、及びデータ合成を実行する(ステップS3−15)。以下、図4を参照し、座標変換、アラインメント、及びデータ合成を具体的に説明する。
まず、斜めに傾けて設置(ステップS3−1,S3−8)されたレンズ11の、レンズ設計座標系(レンズ11を水平に設置した場合)に対するオフセット量を算出する(ステップS4−1)。レンズ11を斜めに設置した場合の測定データ群は図7Aの点線で示す状態にある。そこで、レンズ設計座標系での、設計式上の斜め設置位置でのオフセット、つまり図7Bに示すレンズの頂点オフセット位置(Xtoff,Ytoff,Ztoff)、を算出する。
次に、2つの斜めに傾けた設置(ステップS3−1,S3−8)で測定したX軸及びY軸の測定データ(ステップS3−1〜S3−7及びステップS3−8〜S3−14)、すなわち斜め設置位置測定データを、ステップS4−1で算出したオフセット量で座標変換する(ステップS4−2)。具体的には、全ての斜め設置位置測定データを、ステップS4−1で算出したオフセット量に基づいて、まずBだけ回転移動し、続いてレンズ設計座標系での頂点位置と、レンズを斜めに設置した場合の頂点位置Ptの差分だけ並進移動させ、図7Bにおいて点線で示すように座標変換する。
その後、図9に示すように、測定時にレンズ11をZ軸周りに回転して設置した分だけ、Z軸周りの座標変換を行い、設計位置に座標変換する(ステップS4−3)。
ステップS4−2,S4−3の座標変換後の測定データは、プローブ102の下端のスタイラス101がある有限な半径を持つことに起因するオフセット(プローブR分のオフセット)を含んでいる。そこで、ステップS4−4において、ステップS4−2,S4−3の座標変換後の測定データに対して、プローブR分のオフセットを除去する補正プローブRを実行した上で、レンズ11の設計式形状との差を最小化してそのときの差を求める設計式へのアラインメント処理を実行する。以下、ステップS4−4の設計式へのアラインメント処理について図5を参照して説明する。
まず、手動での移動計算を実行する(ステップS5−1)。具体的には、出力装置22のディスプレイにグラフィックとして測定データと設計式を表示し、入力装置23の操作により設計式に可能な限りフィットするように測定データを平行移動や回転移動させる。
ステップS5−2で後述するRMS値の算出が初回である場合、すなわちステップS5−1〜S5−8のループを最初に実行する際は、後述する累積アラインメント結果は未算出であるのでステップS5−3を実行することなく、ステップS5−4のプローブR補正を実行する。
図8を参照してプローブR補正(ステップS5−4)の手順を説明する。図8において、先端形状が球型のスタイラス101に対しレンズ11にフォーカスをかけた状態で、レンズ座標系でX軸方向に所定のサンプリングピッチで走査して得られた測定データ群は点線L31で表される。レンズ面の形状(X,Y,Z)がZ=f(X,Y)で表されている場合、図8のプローブ位置でのプローブ中心座標Xmでの、レンズ面の法線方向の傾きは矢印V11で示される。Xmでのプローブ中心位置を起点とし、この矢印V11の逆向きのベクトルV12とレンズ面との交点X‘は、ベクトルV12とZ=f(X,Y)を組み合わせることにより求めることができる。しかし、このX’点はスタイラス101とレンズ面との真の接触点から外れた位置にある。この計算誤差を減らすために、X‘のX位置でのレンズ面の法線と逆向きのベクトルV13を算出し、このベクトル13がXmでのプローブ中心位置を起点とするとときのレンズ面との交点をX’‘を求める(X’はベクトルV13とZ=f(X,Y)を組み合わせることにより求めることができる)。次に、X’’を新たにX’として再びX’’を求める。X’とX‘’の2点間の距離の差が測定機1の分解能より十分小さくなるまでこの計算を繰り返し、真の接触点に近い値として算出する。
プローブR補正後、プローブR補正された測定データ群のうち、予め設定されたレンズ11の有効半径ERの領域内のデータを抽出する(ステップS5−5)。つまり、本実施形態で設計式とのアイラインメントの対象領域(アラインメント有効径)は、レンズ11の有効半径ERに含まれる全測定データである。
次に、最小二乗法によりXYZAB軸のアラインメント量を算出する(ステップS5−6)。具体的には、ステップS5−5で抽出されたプローブR補正済みの測定データ群の各点と、レンズ11の設計形状(レンズ11の設計式の対応する点)との差の2乗和を最小とする最小二乗法を実行し、抽出されたプローブR補正済みの測定データ群と設計形状との、X軸、Y軸、及びZ軸の並進方向のずれであるアラインメント量dX、dY、dZ、X軸及びY軸周りの回転のずれであるアラインメント量dA、dBを算出する。これら算出したアラインメント量dX、dY、dZ、dA、dBは累積アランメント結果として記憶する。
次に、ステップS5−6で算出したアラインメント量dX、dY、dZ、dA、dBによって、ステップS5−4で抽出したプローブR補正済みの測定データ群を座標変換する(S5−7)。
次に、ステップS5−7でアラインメント量によって座標変換された測定データ群と、設計形状との差の2乗和であるRMS値を算出して記憶する(ステップS5−8)。
手動での移動計算(ステップS5−1)からRMS値の算出(ステップS5−8)までの処理を前回のRMS値の算出結果と、今回のRMS値の算出結果の変動率が所定の範囲より小さくなるまで繰り返す(ステップS5−9)。ステップS5−1〜S5−8のループを2回目以降実行する際には、手動での移動計算(ステップS5−1)後であってプローブR補正(ステップS5−4)の前に、累積アラインメント結果(前回のループ実行時のステップS5−6で算出されたアライメント量dX、dY、dZ、dA、dB)による座標変換を実行する(ステップS5−3)。
ステップS5−6において最小2乗法で算出するアライメント量dX、dY、dZ、dA、dBは厳密解でなく近似解であるが、ステップS5−1〜S5−8の処理を繰り返すことで、より正確なアライメント処理が可能となる。
ステップS5−9でRMS値の算出結果の変動率が所定の範囲より小さくなると設計式へのアラインメント処理が終了する。このとき、直前のステップS5−7においてアラインメント量dX、dY、dZ、dA、dBで座標変換したプローブR補正済みの測定データ群が、最終的な設計式へアラインメントした測定データ(アラインメントデータ)となる。
設計式へのアラインメント(図4のステップS4−3、図5)の終了後、図9に示すように、測定時にレンズ11をZ軸周りに回転して設置した分だけ、アラインメントデータに対してZ軸周りの座標変換を行い、アラインメントデータをレンズ座標系での測定された位置に座標変換する。
ステップS4−1〜S4−4の処理を2方向すべて(レンズ11の傾き配置のすべて)について計算した後(ステップS4−5)、2方向すべてについてレンズ11の設計形状と測定したレンズ11の形状との差を求め、求めたデータを合成して記憶し、必要に応じて出力装置22に出力する(ステップS4−6)。
実施の形態1の計算結果のグラフを図10に示す。このグラフの横軸はX軸で単位はmm、縦軸は設計形状とのZ方向の差Zd(=(測定データ)−(設計値))で単位はmmである。この図10に示すように、本実施の形態の3次元形状測定方法により、80度の傾斜面を有するレンズ面の形状評価が可能となる。
実施の形態1では、測定の際、レンズを180度回転して2方向より測定し、X軸上のデータを測定したが、レンズ11の回転を90度ずつ行い、X軸上のデータと同様に、Y軸上のデータを取得し、レンズ11のX軸及びY軸上の断面データを測定することができる。つまり、実施の形態1では、レンズ11を設計座標系のZ軸を中心に180度の角度増分で回転させた2つの設置状態について測定を実行することでレンズ11の設計座標系のX軸について断面データを得ているが、レンズ11を設計座標系のZ軸を中心に90度の角度増分で回転させた4つの設置状態について測定を実行することでレンズ11の設計座標系のX軸及びY軸について断面データを得ることができる。
(実施の形態2)
カメラ付携帯、DSC(デジタルスチールカメラ)で使用されるレンズのほとんどが軸対称非球面レンズである。しかしながら、設計形状と実形状のずれが大きい場合は、アライメントデータが水平にならず引っ張られる場合がある。この現象は、データ点数が設計中心を基準に、対称に分布しないことにより発生する。前述した図10の測定結果でも、上記現象によりX軸上の約±0.4mmのエリアで、中央部分で測定データが重なっておらず、不自然なデータとなっている。
これについて図11に示す別のデータを分析すると、レンズ設計座標の0点を基準に本来対称になるべきデータが、X軸のマイナス側にあるデータのために、実線L41で傾向を示すようにX軸のプラス方向が下がったデータとなっている。この図11のデータで、レンズ設計座標で、X=0を中心にデータ点数が左右対称となるデータを抽出し、この抽出したデータでのアライメント結果を図12に示す。中心よりデータ点数が左右対称となるように測定データを抽出した場合、実線L42で傾向を示すようにアライメントデータも左右ほぼ対称となり、実情に即したデータとなる。
レンズ形状の非球面量が大きい場合は、レンズ設計座標で中央の対称なエリア(対称エリアCER)で抽出された測定データ群を使用することで設計形状に対する正確なアラインメントを実行できる。しかし、非球面量が十分でない場合、X軸方向の移動と、Y軸周りの回転を分離してアライメントできない。以下、この点について図13A〜13Cを参照して説明する。
図13Aに示す非球面量の大きいレンズ面の場合、レンズ面の設計形状(実線)は、球面から乖離した形状となっているので、レンズ面の測定データ群(点線)を設計形状に重ねようと動かす場合、X軸方向の並進移動量とY軸廻りの回転移動角を正確に求めることができる。
しかし、図13Cの示す非球面量の小さいレンズ面の場合、レンズ面の設計形状(実線)は球面に近い形状となっているので、レンズ面の測定データ群(点線)を設計形状に重ねようと動かす場合、X軸方向の並進移動量とY軸周りの回転移動量を個別に求めることは難しい。
また、図13Bに示すように、レンズの設計形状によっては、レンズ中央部分の形状は球面に近く、レンズの外側の部分に非球面量の多い場合(非球面量が中の場合)もある。この場合、レンズ面の測定データ群(点線)を設計形状(実線)に重ねようと動かす場合、レンズ全面の測定データを用いると、X軸方向の並進移動量とY軸周りの回転移動量を正確に求めることができる。しかし、中央付近の非球面量の小さいエリアのみの測定データ群を使用すると、X軸方向の並進移動量とY軸周りの回転移動角を分けて求めることは難しい。
実施の形態2の3次元測定方法は、以上の2点、すなわちレンズ設計座標におけるX=0又はY=0を中心とするデータ点数の対称性と、各種の非球面レンズへの対応を考慮したものである。
この実施の形態2の3次元測定方法は、図3を参照した説明した実施の形態1と同様であるが、座標変換からデータ合成まで(図3のステップS3−15)の具体的な処理が異なる。
図14は、実施の形態2における座標変換からデータ合成(図3のステップS3−15)までの処理を示す。この図14において、設計式上の設置位置のオフセット量の算出とそれに基づく測定データの座標変換(ステップS14−1,S14−2)、レンズ11の設置方向に応じたアラインメントデータのC軸方向の回転(ステップS14−3)、及びデータ合成までの処理(S14−8,S14−9)は、実施の形態1の場合と同様である(図4のステップS4−1〜S4−3,S4−5,S4−6)。
設計式上の設置位置のオフセット量の算出とそれに基づく測定データの座標変換(ステップS14−1,S14−2)及び、アラインメントデータのC軸方向の回転(ステップS14−3)の後、実施の形態1(図5)と同様に、アラインメント有効をレンズ11の有効半径ERに含まれる全データとしてレンズ11の設計式形状との差を最小化してそのときの差を求める設計式へのアラインメント処理の繰り返し計算を実行する。ステップS14−4でRMSの変化率が所定範囲内に収束する場合には、ステップS14−5に移行する。
ステップS14−5では、Y軸及びA軸のアラインメント量dY、dAをステップS14−3で算出した値に固定しdY、dAで測定データ点列を座標変換した上で、アラインメント有効径を対称エリアCERに設定して設計式へのアラインメント処理の繰り返し計算を実行してdX’,dB’を算出する。ステップS14−5でRMSの変化率が所定範囲内に収束する場合、アラインメント完了であるのでステップS14−8に移行する。一方、ステップS14−5でRMSの変化率が所定範囲内に収束しない場合、ステップS14−6に移行する。ステップS14−6では、Y軸、A軸、及びX軸のアラインメント量dY、dA、dXをステップS14−4で算出した値に固定しdY、dA、dXで測定データ点列を座標変換した上で、アラインメント有効径を対称エリアCERに設定して設計式へのアラインメント処理の繰り返し計算を実行してdB’を算出し、アラインメントを完了させる。
ステップS14−4でRMSの変化率が所定範囲内に収束しない場合には、ステップS14−7に移行する。ステップS14−7では、Y軸及びX軸のアラインメント量dY、dXをステップS14−4で算出した値に固定しdY、dXで測定データ点列を座標変換した上で、アラインメント有効径を対称エリアCERに設定して設計式へのアラインメント処理の繰り返し計算を実行してdB’を算出し、アラインメントを完了させる。
図14において、ステップS14−4からステップS14−5を経てアラインメントが完了する場合は、レンズ11の非球面量が大きい場合(図13A)に相当する。また、ステップS14−4から、ステップS14−5及びS14−6を経てアラインメントが完了する場合は、レンズ11の非球面量が中程度の場合(図13B)に相当する。さらに、ステップS14−4からS14−7を経てアラインメントが完了する場合は、レンズ11の非球面量が小さい場合(図13C)に相当する。以下、ステップS14−4〜S14−7の処理内容を具体的に説明する。
図15は図14のステップS14−4の詳細を示す。図15は繰り返し計算によりRMS値の変動率が所定範囲に収まるか否か(収束するか否か)を除いて、第1実施形態における設計式へのアラインメント(ステップS4−3、図5)と同様である。
まず、繰り返し計算回数のカウンタを初期値の0に設定する(ステップS15−1)。次に、カウンタを1だけインクリメントする(ステップS15−2)。
次に、手動での移動計算を実行する(ステップS5−1)。具体的にはアラインメント量dX、dY、dZ、dA、dBのデフォルト値は0であるが、出力装置22のディスプレイにグラフィックとして測定データと設計式を表示し、入力装置23の操作により設計式に可能な限りフィットするように測定データを平行移動や回転移動させる。
ステップS15−4でN−1(ステップS15−2〜S15−10のループの最初の実行)の場合には、ステップS15−3を実行することなく、プローブR補正を実行する(ステップS15−6)。このプローブR補正は図8を参照して説明した第1実施形態におけるプローブR補正(図5のステップS5−4)と同様である。
プローブR補正後、プローブR補正された測定データ群のうち、レンズ11の有効半径ERの領域内のデータを抽出し(ステップS15−7)、最小二乗法によりXYZAB軸のアラインメント量を算出する(ステップS5−8)。具体的には、ステップS15−7で抽出されたプローブR補正済みの測定データ群の各点と、レンズ11の設計形状との差の2乗和を最小とする最小二乗法を実行し、抽出されたプローブR補正済みの測定データ群と設計形状との、X軸、Y軸、及びZ軸の並進方向のずれであるアラインメント量dX、dY、dZ、X軸及びY軸周りの回転のずれであるアラインメント量dA、dBを算出する。これら算出したアラインメント量dX、dY、dZ、dA、dBは累積アランメント結果として記憶する。続いて、ステップS15−8で算出したアラインメント量dX、dY、dZ、dA、dBによって、ステップS15−7で抽出したプローブR補正済みの測定データ群を座標変換する(S15−9)。さらに、アラインメント量によって座標変換された測定データ群と、設計形状との差の2乗和であるRMS値を算出して記憶する(ステップS15−10)。
RMS値の変動率が所定範囲より小さくなるまでステップS15−2〜S15−10の処理を繰り返す(ステップS15−11)。ステップS15−2〜S15−10のループを2回目以降実行する際には、手動での移動計算(ステップS15−3)後であってプローブR補正(ステップS15−6)の前に、累積アラインメント結果(前回のループ実行時のステップS5−6で算出されたアライメント量dX、dY、dZ、dA、dB)による座標変換を実行する(ステップS15−5)。
ステップS15−2〜S15−10のループの繰り返し回数がN回までにRMS値の変動率が所定範囲より小さくなる場合(RMS値が収束する場合)には、ステップS14−5(図16)に移行するが、ループの繰り返し回数がN回を超える場合(RMS値が収束しない場合)には、ステップS14−7(図18)に移行する(ステップS15−11、S15−12)。
図16は図14のステップS14−5の詳細を示す。図16では、アラインメント有効径をレンズ11の有効半径ER内の全データとした設計式へのアラインメント処理でRMS値が収束する場合(アラインメント量dX、dY、dZ、dA、dBの解が得られる場合)に、レンズ11の中央付近の小さいエリア(対称エリアCER)のみの測定データ群を対象とし、かつアラインメント量dY、dA以外の残りの軸のアラインメント量dX’、dZ’、dB’を新たに算出する。そして、得られたアラインメント量dY、dA、dX’、dZ’、dB’で設計式上の設置位置のオフセット量で座標変換した測定データ(ステップS14−2)を座標変換する。つまり、図16の処理はY軸とA軸のアラインメント量は全データを対象として算出した値に固定し、残りの軸のアラインメント量を対称エリアCERの測定データを用いて算出するものである。この図16(図14のステップS14−5)の処理により、図11を参照して説明したように設計データの中心に対して測定データ群の点数が不均一に分布している場合であっても、測定機1に対するレンズ11の設置位置ずれの影響を排除してレンズ11の形状を高精度で測定できる。以下、図16の処理を具体的に説明する。
まず、繰り返し計算回数のカウンタを初期値の0に設定する(ステップS16−1)。次に、カウンタを1だけインクリメントする(ステップS16−2)。
次に、ステップS14−3で求めたアラインメント量dY、dAを使用して測定データを座標変換する(ステップS16−3)。この座標変換の対象となる測定データは、設計式上の設置位置のオフセット量に基づく座標変換(ステップS14−1,S14−2)及びレンズ11の設置方向に応じたC軸方向の回転(ステップS14−3)済みの測定データである。
ステップS16−4でN−1(ステップS16−2〜S16−10のループの最初の実行)の場合には、ステップS16−3を実行することなく、プローブR補正を実行する(ステップS16−6)。このプローブR補正は図8を参照して説明した第1実施形態におけるプローブR補正(図5のステップS5−4)と同様である。
プローブR補正後、プローブR補正された測定データ群のうち対称エリアCER内のデータを抽出し(ステップS16−7)、最小二乗法によりXZB軸のアラインメント量を算出する(ステップS16−8)。具体的には、ステップS16−7で抽出されたプローブR補正済みの測定データ群の各点と、レンズ11の設計形状との差の2乗和を最小とする最小二乗法を実行し、抽出されたプローブR補正済みの測定データ群と設計形状とのアラインメント量dX’、dZ’、dB’を算出する。これら算出したアラインメント量dX’、dZ’、dB’は累積アランメント結果として記憶する。続いて、アラインメント量dX’、dY、dZ’、dA、dB’によって、測定データ群を座標変換する(S16−9)。この座標変換と対象となるのは、図15のステップS15−6で得られたプローブR補正済みの測定データ(有効半径ER内の全データ)である。さらに、対称エリアCER内でアラインメント量によって座標変換された測定データ群と、設計形状との差の2乗和であるRMS値を算出して記憶する(ステップS16−10)。
RMS値の変動率が所定範囲より小さくなるまでステップS16−2〜S16−10の処理を繰り返す(ステップS16−11)。ステップS16−2〜S16−10のループを2回目以降実行する際には、アラインメント量dY、dAによる座標変換(ステップS16−3)後であってプローブR補正(ステップS15−6)の前に、累積アラインメント結果(前回のループ実行時のステップS5−6で算出されたアライメント量dX’、dY、dZ’、dA、dB’)による座標変換を実行する(ステップS16−5)。
ステップS16−2〜S16−10のループの繰り返し回数がN回までにRMS値の変動率が所定範囲より小さくなる場合(RMS値が収束する場合)は、測定データ群の設計形状に対するアラインメントが完了しているので、図14のステップS14−8に移行し、ループの繰り返し回数がN回を超える場合(RMS値が収束しない場合)には、ステップS14−6(図17)に移行する(ステップS16−11、S16−12)。
図17は図14のステップS14−6の詳細を示す。図17は図16(図14のステップS14−4)でRMS値が収束しない場合、Y軸及びA軸のアラインメント量を固定し、かつ対称エリアCERをアラインメント有効半径としたアラインメントで残りのアラインメント量が決まらない場合に、さらにX軸のアラインメント量dXを固定して同様の処理を実行するものである。この図17(図14のステップS14−5)の処理により、図13Bを参照して説明したレンズ中央部分の形状は球面に近く、レンズの外側の部分に非球面量の多い場合(非球面量が中の場合)であっても、測定機1に対するレンズ11の設置ずれの影響を排除してレンズ11の形状を高精度で測定できる。以下、図17の処理を具体的に説明する。
まず、ステップS14−3で求めたアラインメント量dY、dA、dXを使用して測定データを座標変換する(ステップS17−1)。この座標変換の対象となる測定データは、設計式上の設置位置のオフセット量に基づく座標変換(ステップS14−1,S14−2)及びレンズ11の設置方向に応じたC軸方向の回転(ステップS14−3)済みの測定データである。
ステップS17−2でRMS値の算出が初回(ステップS17−1〜S17−8のループの最初の実行)の場合には、ステップS17−3を実行することなく、ステップS17−4のプローブR補正を実行する。このプローブR補正は図8を参照して説明した第1実施形態におけるプローブR補正(図5のステップS5−4)と同様である。
プローブR補正後、プローブR補正された測定データ群のうち対称エリアCER内のデータを抽出し(ステップS17−5)、最小二乗法によりZB軸のアラインメント量を算出する(ステップS17−6)。具体的には、ステップS17−5で抽出されたプローブR補正済みの測定データ群の各点と、レンズ11の設計形状との差の2乗和を最小とする最小二乗法を実行し、抽出されたプローブR補正済みの測定データ群と設計形状とのアラインメント量dZ’、dB’を算出する。これら算出したアラインメント量dZ’、dB’は累積アランメント結果として記憶する。続いて、アラインメント量dX、dY、dZ’、dA、dB’によって、測定データ群を座標変換する(S17−7)。この座標変換と対象となるのは、図15のステップS15−6で得られたプローブR補正済みの測定データ(有効半径ER内の全データ)である。さらに、対称エリアCER内のデータをアラインメント量によって座標変換された測定データ群と、設計形状との差の2乗和であるRMS値を算出して記憶する(ステップS17−8)。ステップS17−9でRMS値が得られるまで以上の処理を繰り返す。ステップS17−2〜S17−8のループを2回目以降実行する際には、アラインメント量dY、dA、dXによる座標変換(ステップS17−1)後であってプローブR補正(ステップS17−4)の前に、累積アラインメント結果(前回のループ実行時のステップS5−6で算出されたアライメント量dX、dY、dZ’、dA、dB’)による座標変換を実行する(ステップS17−3)。
図18は図14のステップS14−7の詳細を示す。図18は図15(図14のステップS14−4)でRMS値が収束しない場合、すなわちアラインメント有効径をレンズ11の有効半径ER内の全データとした設計式へのアラインメント処理でRMS値が収束する場合(アラインメント量dX、dY、dZ、dA、dBの解が得られない場合)の処理である。この図18(図14のステップS14−7)の処理により、図13Cを参照して説明したレンズ面の非球面量が小さい場合であっても、測定機1に対するレンズ11の設置ずれの影響を可能な限り排除してレンズ11の形状を高精度で測定できる。
まず、ステップS18−1において、アラインメント量dA、dBを0に設定してアラインメント有効半径を全データとしたアラインメントで残りのアラインメント量dX’、dY’dZ’を求める。このステップS18−1の計算手順は図15と同様である。図18のステップS18−2〜S19−10の処理は、Y軸とX軸のアラインメント量をステップS18−1において全データを対象として算出したdX’、dY’に固定し、対称エリアCERのみの測定データ群を対象として残りの軸のアラインメント量dZ’’,dA’’,dB’’を求める点を除いて、図17のステップS17−1〜S17−9の処理と同様である。
図19は実施の形態2の計算結果の一例を示す。この図19は図14においてステップS14−5でRMS値が収束した場合である。このグラフの横軸はX軸で単位はmm、縦軸は設計形状とのZ方向の差Zd(=(測定データ)−(設計))で単位はmmである。この図10に示すように、本実施の形態の3次元形状測定方法により、80度の傾斜面を有するレンズ面の形状評価を、レンズの中央部でデータが重なるように行える。
実施の形態2では、測定の際、レンズを180度回転して2方向より測定し、X軸上のデータを測定したが、レンズ11の回転を90度ずつ行い、X軸上のデータと同様に、Y軸上のデータを取得し、レンズ11のX軸及びY軸上の断面データを測定することができる。図20はこの場合の計算結果を示す。
(実施の形態3)
レンズ11がカメラ付き携帯電話等に用いられる直径約2mm程度、球面に近似した場合の球の半径が1.03mm程度の非球面レンズである場合、球面に対するレンズ面の非球面量が数μm程度しかないこともある。このようなレンズ11の場合、金型を設計形状どおりに作成後、レンズ11をプラスチック材料等を用いて成型する場合、成型時に収縮により、非球面量と同じオーダである数μmのオーダの歪が発生する場合がある。この場合、実形状より設計形状を推定し、この推定した設計形状を用いて測定機1に設置して測定した測定データを座標変換し、アライメントすることにより、高傾斜部を含む3次元形状を高精度に測定することができる。以下、具体例を用い説明する。
図21を参照すると、軸対称非球面レンズの設計式は例えば以下の式(4)で表される。この設計式は球面の項(球面半径R)と、楕円、双曲面の特性を表すコニック係数K、及び球面からの差を表す非球面係数Ai(i=1〜20程度)にて構成されている。
ここで、測定データ群を設計形状にアライメントする際、歪み形状誤差が、式(4)の設計式のうち球面半径Rのみが変化したとして、球面半径Rの値を変化させる。そして、この球面半径Rを変化させた設計形状に対し、測定データ郡をアライメントしRMS値が最小となるベストフィットR値を算出する。図22に、算出したベストフィットRを用い
た設計形状と、測定データ点群との差の結果を示す。図22は本来の設計形状でアライメントした図19よりZd方向の誤差が少なく、より設計形状にフィットした設計式となっている。
この求めたベストフィットR値を設計形状として、実施の形態1や実施の形態2の手順にてそれぞれの状態での座標XYZABの変換量を算出し、記憶する。その後、設計形状を本来の設計形状に戻し、記憶した座標変換量で、順次座標変換とプローブR補正処理を行い、測定データ群と本来の設計形状の差として3次元形状データを表示する。これにより斜めに設置した状態からの座標変換とプローブR補正をより高精度に行い、高傾斜面の高精度な測定を行うことができる。
また、より高精度に、測定データ群の座標変換量を算出して高精度な中央部のオーバーラップ部分での接続を行うために、測定データ群そのものの設計形状を推定してもよい。例えば、軸対称非球面の設計式が式(4)で表される場合、前述のベストフィットRのパラメータの算出に加え、非球面項であるAiの項について測定データ群をアライメントしたRMS値が最小となるようにフィッティングし直した推定設計形状式を求める。この求めた推定設計形状を設計形状として、実施の形態1や実施の形態2の手順にてそれぞれの状態での座標XYZABの変換量を算出し、記憶する。その後、設計形状を本来の設計形状に戻し、記憶した座標変換量で順次座標変換とプローブR補正処理を行い、測定データ群と本来の設計形状の差として3次元形状データを表示する。これにより斜めに設置した状態からの座標変換とプローブR補正をより高精度に行い、高傾斜面の高精度な測定を行うことができる。
さらに、より中央部分の重なりを合わせることにより、対称性良くデータを評価するために、実施の形態1や実施の形態2の手順にて処理した、図10の出力データを手動で調整してもよい。具体的には、出力装置22のディスプレイで図10の出力データモニタしつつ、2方向測定データの左のエリアのデータについてY軸周りの回転とZ軸方向の水平移動を入力装置23により手動で行う。また、右のエリアのデータについてY軸周りの回転とZ軸方向の水平移動を手動で行う。これらの手動調整で2つのデータの対称CERの中央領域で、2つのデータが重なるように移動させ、合成することにより、測定データの一部分にレンズ面上のゴミ等に起因するノイズデータが含まれる場合でも、それぞれの中央部分のデータが重なるように、高傾斜面の高精度な測定を行うことができる。
さらにまた、より中央部分の重なりを合わせることにより、対称性良くデータを評価するために、実施の形態1や実施の形態2の手順にて処理した、図23の出力データで最小二乗直線を利用した移動と合成を行ってもよい。具体的には、設計形状の中央に対して対称形に測定データを取得した対称エリアCERにおける、2方向測定データ、すなわち左のエリアの測定データ群DLと、右のエリアの測定データ群DRに対して以下の処理を行う。
1)各測定データDL、DRの中心部分をXZ面で最小二乗法により直線近似する(図23の符号L51、L52)。
2)2つの近似直線L51、L52がそれぞれX軸と重なるように、Y軸周りの回転量(近似直線L51、L52のX軸に対する傾き)とZ軸方向の移動量を算出する。
3)2つの測定データ群DL、DRを、2)で算出したY軸周りの回転量とZ軸方向の水平移動量で回転及び水平移動を行い、測定データ群DL、DRを合成する。
以上の処理により、測定データ群DL、DRの一部分にレンズ面上のゴミ等に起因するノイズデータが含まれる場合でも、手動調整を行うことなく、それぞれの中央部分のデータが重なるようにして高傾斜面の高精度な測定を行うことができる。
(実施の形態4)
実施の形態1や実施の形態2では、斜めに設置したレンズ11に対し、測定機1の座標系でX軸及びY軸方向に、すなわちXY面で見ると十字方向に、プローブ102を走査した測定結果を処理した。レンズ面を面形状として評価するには、図24に示すような一筆書き状の面上走査経路により、プローブ102にフォーカスをかけた状態で、レンズ面でスタイラス101をXY方向に連続的に走査し、面上の測定データ群を得ればよい。図24において符号A1はレンズ11の有効エリアを示し、符号A2は測定機11のプローブ102が表面形状に追従可能なエリアを示す。
この面上の測定データ群を、X軸上測定データ(実線)群と、それ以外の外側データ群(点線)の2群に分離する。そして、実施の形態1や実施の形態2において、X軸上の測定データはX軸上測定データ群(実線)群に、Y軸上の測定データは外側データ群(点線)として、処理を行うことにより、面データとして高傾斜面の高精度な測定を行うことができる。
(実施の形態5)
実施の形態1〜4の3次元形状測定方法を実行する上で測定機1の測定精度を検証するには、図25A、25Bに示すようなマスターワーク31を使用することが好ましい。このマスターワーク31は、Z軸に回転対称で、XY方向の半径がRrで、Z方向の半径がRzの楕円形状部31aを有し、超鋼にニッケルメッキされた材質等で構成されている。
この際、楕円形状部31aは以下の設計式で表される。まず、対称軸を垂直、つまりZ軸方向に設置した場合の設計式は、以下の式(5)のようになる。
XZ面を水平に設置した場合の設計式は、以下の式(6)のようになる。
YZ面を水平に設置した場合の設計式は、以下の式(7)のようになる。
楕円形状部31aを有することにより、図25Aに示すように、Z軸の上方から0度〜60度近辺までの形状を評価して形状精度を確認することが可能である。その後、図25Bに示すように、X軸まわりに90度回転し、Z軸の上方からマスターワークの0度〜60度近辺までの形状を評価し形状精度を確認することが可能である。それぞれの方向でのマスターワーク31の楕円形状部31aの設計形状からのずれが所定値以内に収まっていることを確認することにより、対称軸を垂直方向として見た場合、上面より0〜90°の角度で、測定機1の精度検証が行なえる。
以上の実施の形態では、X軸を基準とする場合を例に説明を行ったが、X座標とY座標を入れ替えてY軸を基準としても本発明の方法を実行可能である。
本発明の3次元形状測定方法は、従来の3次元形状測定機の測定可能な傾斜角を超えた傾斜面を高精度に測定することが可能で、カメラ付携帯電話に使用されるレンズ、BD等の光ディスク記憶装置に使用されるピックアップレンズ等、レンズ面の光軸に対する傾きが高傾斜に構成されたレンズ形状を高精度に3次元形状測定する用途に適用できる。
実施の形態1の3次元形状測定方法を実行する3次元形状測定装置を示す斜視図。 レンズ(測定物)の治具を示す模式的な側面図。 実施の形態1の3次元形状測定方法を示すフローチャート。 図3のステップS3−15の詳細を示すフローチャート。 図4のステップS4−4の詳細を示すフローチャート。 測定経路を説明するための模式的な斜視図。 座標変換前の測定経路を示す模式的な側面図。 座標変換後の測定経路を示す模式的な側面図。 プローブR補正を説明するための模式図。 C軸での座標変換を説明するための概念図。 実施の形態1の測定結果の一例を示すグラフ。 実施の形態1の測定結果の他の一例(測定データ点数に非対称性がある場合)を示すグラフ。 測定データ点数に非対称性がある場合の実施の形態1の測定結果を中央に対称となるデータを抽出してアラインメントした結果を示すグラフ。 非球面量が大である場合の測定データ群と設計形状の関係を示す模式図。 非球面量が中である場合の測定データ群と設計形状の関係を示す模式図。 非球面量が小である場合の測定データ群と設計形状の関係を示す模式図。 実施の形態2の3次元形状測定方法を示すフローチャート。 図14のステップS14−3の詳細を示すフローチャート。 図14のステップS14−4の詳細を示すフローチャート。 図14のステップS14−5の詳細を示すフローチャート。 図14のステップS14−6の詳細を示すフローチャート。 実施の形態2の測定結果の一例を示すグラフ。 実施の形態2の他の測定結果を示すグラフ。 軸対対称非球面レンズの設計式を説明するための模式的な斜視図。 実施の形態3のベストフィットRを使用した測定結果の一例を示すグラフ。 実施の形態3の最小二乗法を使用した重ね合わせを説明するためのグラフ。 実施の形態4の面上走査を示す模式的な平面図。 マスターワーク(対称軸をZ方向に設置)を示す模式的な側面図。 マスターワーク(XZ面に水平に設置)を示す模式的な側面図。 3次元形状測定装置のプローブユニットの一例を示す模式図。 従来の3次元形状測定方法の一例を説明するための概念的図。 従来の3次元形状測定方法の他の一例を説明するための概念図。 X軸周りの回転に起因する測定誤差を説明するための模式図。
符号の説明
1 3次元形状測定機
2 下部石定盤
3 X軸ステージ
4 Y軸ステージ
5 上部石定盤
6 He-Neレーザ
7 光学系
8 X軸ミラー
9 Y軸ミラー
11 レンズ
12 治具
13 A軸ゴニオステージ
14 XYステージ
15 B軸ゴニオステージ
16 テーパスペーサ
17 上部プレート
18 支持爪
19 位置決めピン
21 制御・演算装置
22 出力装置
23 入力装置
31 マスターワーク
31a 楕円球状部

Claims (3)

  1. 測定物を3次元測定機のY軸周りに傾けて設置した第1の設置状態とし、
    前記測定物を前記第1の設置状態から前記測定物のZ軸を中心に90度の2以下の自然数倍の角度増分で1回以上回転させて1つ以上の第2の設置状態とし、
    前記第1及び第2の設置状態のそれぞれについて、前記測定物の頂点を通る前記3次元測定機のX軸方向の直線上に前記測定物の表面を前記3次元測定機で測定して第1の測定データ群を取得すると共に、前記測定物の頂点を通る前記3次測定機のY軸方向の直線上に前記測定物の表面を前記3次元測定機で測定して第2の測定データ群を取得し、
    前記第1及び第2の設置状態のそれぞれについて、
    前記第1及び第2の測定データ群を前記3次元測定機のY軸周りの傾きに応じて回転及び並進移動させて、前記測定物を前記3次元測定機に水平に設置した状態に座標変換する予備座標変換を実行し、
    前記予備座標変換がされた前記第1及び第2の測定データ群を前記測定物の設計式にフィッティングさせる第1のアラインメント量を前記測定物のX軸、Y軸、Z軸、前記測定物のX軸周りの回転方向であるA軸、及び前記測定物のY軸周りの回転方向であるB軸について算出し、
    前記測定物のX軸、Y軸、Z軸、A軸、及びB軸の第1のアラインメント量のうちからいずれか2つ又は3つを固定アラインメント量として選択し、
    前記予備座標変換がなされた前記第1及び第2の測定データ群を、前記固定アラインメント量で座標変換する第1の座標変換を実行し、
    前記第1の座標変換がなされた前記第1及び第2の測定データ群を前記測定物の設計式にフィッティングさせる第2のアラインメント量を前記測定物のX軸、Y軸、Z軸、A軸、及びB軸のうち前記固定アラインメント量以外の軸について算出し、
    前記予備座標変換がされた前記第1及び第2の測定データ群を前記固定アラインメント量と前記第2のアラインメント量で座標変換する第2のアラインメントを実行し、
    前記第2のアラインメントがされた第1及び第2の測定データ群と前記測定物の前記設計式との差を算出し、
    前記第1及び第2の設置状態についての前記設計式との差を合成する、3次元形状測定方法。
  2. 前記角度増分は180度であり、前記第2の設置状態が1つである、請求項1に記載の3次元形状測定方法。
  3. 前記角度増分は90であり、前記第2の設置状態が3つある、請求項1に記載の3次元形状測定方法。
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