JP4703484B2 - 媒体用搬送矯正装置 - Google Patents

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本発明は、記録媒体を搬送するときに、搬送路における記録媒体の姿勢の矯正及び位置決めを行う媒体用搬送矯正装置に関するものである。
従来、このような分野の技術として、下記特許文献1に記載の画像形成装置が知られている。この画像形成装置において、画像転写部にシートを送り込むシート供給装置には、シートの搬送姿勢を矯正するために、搬送方向に延在するガイド部材が設けられている。このガイド部材は、搬送路のセンターを基準として正規に搬送されたときのシートの側縁部から所定距離を持って位置している。このガイド部材に対して、搬送中のシートの側縁部が複数の斜送ローラによって平行に突き当てられることで、シートの斜行の補正を行っている。そして、ガイド部材に直交して延在するレジストローラを搬送路のセンターの方向に所定距離スライドさせることで、シートの位置決めが行われる。その後、シートが画像転写部に送り込まれ、シート上の所望の位置に画像が転写される。
特開2005−314045号公報
しかしながら、近年、この種の画像形成装置は、一機種で多種類の印刷物に対応することが求められている。このような印刷物は、種類によって異なる印刷位置が要求される場合がある。ここで、この種の画像形成装置においては、画像転写部や転写フィルムの位置が固定されている場合が多いので、印刷媒体の搬送方向に直交する方向における印刷位置を可変にするためには、媒体の搬送ラインを、画像転写部や転写フィルムに対して、印刷媒体の搬送方向に直交する方向に可変にする必要がある。ところが、特許文献1のような媒体のセンターを基準にして位置決めを行う方式では、多種類の印刷物に応じて搬送ラインを可変にする対応は困難である。
そこで、本発明は、搬送される記録媒体の搬送ラインを可変にすることができる媒体用搬送矯正装置を提供することを目的とする。
本発明に係る媒体用搬送矯正装置は、直状の第1の縁部と当該第1の縁部に直交する方向に延在する直状の第2の縁部とを有する記録媒体を第1の縁部の延在方向に搬送するときに、搬送路上で記録媒体の姿勢を矯正して、第1の縁部を搬送方向に延びる所定の位置決めラインに合わせる媒体用搬送矯正装置において、記録媒体の第1の縁部を位置決めラインに対して傾かせるように記録媒体の第2の縁部を搬送方向の前方に向けて押し出す媒体押出部と、媒体押出部よりも搬送方向の前方で位置決めラインよりも外方に配置され、記録媒体の第1の縁部を位置決めラインに向けて当該位置決めラインに直交する方向に押す可動ガイド部と、媒体押出部と可動ガイド部との間に配置され、媒体押出部により押し出された記録媒体の一部分を挟み込む媒体挟持部と、備え、媒体押出部によって記録媒体の第2の縁部を前方に押し出して、媒体挟持部によって記録媒体の一部分を挟み込み、可動ガイド部によって、第1の縁部を位置決めラインまで押して移動させることを特徴とする。
この媒体用搬送矯正装置では、媒体押出部によって、記録媒体の第1の縁部が位置決めラインに対し傾くように、記録媒体の第2の縁部が搬送方向前方に押し出されるので、記録媒体は搬送方向に対して傾きながら送られる。そして、記録媒体が傾いた状態で、可動ガイド部よりも後方において、媒体挟持部により記録媒体の一部分が挟み込まれる。更に、可動ガイド部が、第1の縁部の前部を位置決めラインに向けて押し出す。このとき、媒体挟持部で挟み込まれた記録媒体の一部分が固定されているので、記録媒体は、挟み込まれたこの一部分を中心にして搬送路上で回転し、この回転により第1の縁部が位置決めラインまで移動する。
このように、記録媒体の第1の縁部が位置決めライン上に合わせられるので、記録媒体の姿勢の矯正及び搬送方向に直交する方向における位置決めが、上記動作により確実に素早く達成される。そして、このような媒体用搬送矯正装置によれば、可変ガイド部の押し出し量を適宜変更することにより、最終的な記録媒体の位置を変更することができる。従って、簡易に、記録媒体が搬送される搬送ラインを、搬送方向に直交する方向において可変とすることができる。
また、媒体挟持部は、挟み込んだ記録媒体を位置決めラインに直交する方向に送る搬送ローラであることが好適である。このような構成によれば、挟み込まれた記録媒体の一部分を搬送ローラの回転によって動かすことで、位置決めラインに直交する方向における記録媒体の位置を微調整することができる。
本発明の媒体用搬送矯正装置によれば、搬送される記録媒体の搬送ラインを可変にすることができる。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る媒体用搬送矯正装置が用いられる中間転写型熱転写印刷装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1〜図4に示された中間転写型熱転写印刷装置1は、全自動の冊子プリンタであり、印刷画像を厚さ約20μm程度の透明なフィルムFに一旦転写した後、このフィルムFから記録媒体(例えばパスポート、通帳などの冊子)Sに再転写する装置である。このような熱転写印刷装置1は、冊子Sの見開きの片面に高品位な画像(例えば顔写真や標識や文字)を印刷することができる。従って、この装置1は、高品位印刷が可能で、顔写真の入った冊子Sの発行をも可能にし、セキュリティを高めることができる。
このような中間転写型熱転写印刷装置1において、筐体5の下段側には、冊子Sを水平方向に積層可能な冊子ストッカー4が配置され、装置1の上段側には、冊子ストッカー4から一冊ずつ排出された冊子Sに画像を印刷するための印刷部3が配置されている。冊子ストッカー4は、水平方向に引出し可能であり、冊子ストッカー4内では、L字状に広げられた冊子Sが水平方向に重ねられている。冊子Sは、冊子ストッカー4の奥側で吸盤6に吸着され、ポンプPによって真空引きされた状態の吸盤6が横方向に移動することで、冊子Sは、冊子ストッカー4の奥側から横方向に一冊ずつ引き出される。筐体5の下段側に設けられた観音開き型の扉5aを開くことによって、冊子ストッカー4を手前側に引き出すことができ、冊子ストッカー4内に冊子Sを補充することができる。
装置1の上段と下段とはベルト搬送方式の傾斜リフト部7で連結され、傾斜リフト部7の下端側及び上端側には回転自在な冊子方向転換部8,9が配置されている。吸盤6で搬送されてきた冊子Sは、送り込みローラ8aによって下端側の冊子方向転換部8内に取り込まれ、冊子方向転換部8は傾斜リフト部7の下端側に送り込むように所定角度内で回動する。上端側の冊子方向転換部9は、傾斜リフト部7の上端から排出された冊子Sを上段の印刷部3の搬送部C内に送り込むように所定角度内で回動する。そして、冊子方向転換部9から排出された冊子Sは、搬送矯正部(媒体用搬送矯正装置)31に設けられた冊子送り込み爪(媒体押出部)27によって、冊子Sをスライドさせながら印刷部3の搬送部Cに受け渡される。なお、上端側の冊子方向転換部9が直立状態になって、冊子Sを非接触IC読み/書き部10内に送り込むことで、冊子S内に埋め込まれているICチッブの読み書きが行われる。
次に、筐体5の上段側に配置された印刷部3では、フィルムFに画像を熱転写するための記録部(一次転写部)Aと、フィルムFに転写された画像と冊子Sとを対向させて、冊子Sに画像を熱転写するための熱再転写部(二次転写部)Bと、冊子Sを水平方向に搬送させるための搬送部Cとを備えている。
この印刷部3には、水平方向に引出し可能なフィルムカセット部13とリボンカセット部14とが配置されている。このフィルムカセット部13内のフィルムFは、上下一対のボビン15,16に巻かれた状態で交換可能である。リボンカセット部14内のカラーインクリボンRも同様に、上下一対のボビン17,18に巻かれた状態で交換可能である。そして、リボンカセット部14内のカラーインクリボンRには、溶融性又は昇華性のイエロー・マゼンタ・シアンの3色(またはブラックを加えた4色)のインクを1フレームとして周期的にインクが塗布されている。なお、フィルムF又はリボンRを交換する際には、筐体5の上段側に設けられた跳ね上げ式の扉5bを持ち上げる。
さらに、記録部Aにおいて、プラテンローラ(通称「プラテン」)20とプラテンローラ20に対する離間/接近が可能なクランプローラ19a,19bとの協働により、フィルムFは、プラテンローラ20の周面の3/4周に巻き付け固定されると共に、プラテンローラ20の回転に追従して移動する。そして、一次転写時において、サーマルヘッド21がプラテンローラ20に向かって前進し、サーマルヘッド21によって、カラーインクリボンRがプラテンローラ20上のフィルムFに押し当てられる。そして、モータによってプラテンローラ20を正転させ、フィルムFとカラーインクリボンRとを同期させながら下方に送ることで、加熱状態のサーマルヘッド21によって、カラーインクリボンRの第1色目(シアン)がフィルムF上に熱転写される。また、フィルムF上に画像を熱転写した後のカラーインクリボンRは、サーマルヘッド21の後退後、フィルムFから剥離させられながらボビン18に巻き取られて行く。
次に、フィルムFとカラーインクリボンRとを離間させた状態で、プラテンローラ20を逆転させながらフィルムFを上昇させて元の位置に復帰させる。その後、前述の転写動作を繰り返しながら、フィルムF上にマゼンタ、イエロー、ブラックの順に色を重層させて、所望のカラー画像をフィルムF上に作り出す。その後、プラテンローラ20からクランプローラ19a,19bを離間させ、巻取り側ボビン16等の回転によってフィルムF上の記録画像をヒートローラ23の近くまで移動させる。
また、搬送部Cにおいて、冊子Sの見開きページの印刷予定面が搬送テーブル24によって支持された状態で、搬送テーブル24は水平方向に移動する。このとき、冊子Sは、フィルムF上の記録画像と位置合わせされ、冊子Sの見開きページの印刷予定面とフィルムFとが重ね合わされた状態で熱再転写部Bに送り込まれる。
この熱再転写部Bにおいて、冊子Sの印刷予定面にフィルムFが重ね合わされた状態で、冊子S及びフィルムFは、ヒートローラ23と搬送テーブル24とで挟み込まれ、160〜200°Cに加熱されたヒートローラ23と搬送テーブル24との協働により、冊子SとフィルムFとを加圧搬送させながら、フィルムF上の記録画像を冊子Sの印刷予定面上に徐々に転写させていく。このとき、フィルムFは、冊子Sから剥離しながらボビン16に巻き取られていく。
印刷が完了した冊子Sは搬送部Cから排出された後、冊子送り込み爪28によって、冊子Sをスライドさせながら冊子方向転換部25内に送り込まれる。この冊子方向転換部25が直立状態になって、冊子Sを非接触IC読み/書き部22内に送り込むことで、冊子S内に埋め込まれているICチッブの読み書きが行われる。その後、冊子Sが冊子方向転換部25内に送り戻された後、冊子方向転換部25を水平状態にして、スタッカー26内に冊子Sが排出される。このスタッカー26内には、印刷や情報書き込みが完了した冊子Sがストックされる。なお、情報の書き込みや読み込みエラーが発生した冊子Sは、リジェクトストッカ29内に排出される。
前述した中間転写型熱転写印刷装置1は、紙製のシート(例えばVISAシート)Gの印刷も可能である。シートストッカー30内で平積みされたシートGは、下から押し上げられながら搬送路2を通って冊子方向転換部8内に送り込まれる。そして、シートGは、傾斜リフト部7を通って印刷部3に供給され、印刷完了後はスタッカー26内でストックされる。
続いて、この中間転写型熱転写印刷装置1において、上記冊子方向転換部9から排出された略長方形の冊子Sを、印刷部3の搬送部Cへ送り込む搬送矯正部31について、図5及び図6を参照しながら説明する。なお、以下の説明における「搬送方向」とは、搬送部C及び搬送矯正部31に形成される冊子Sの搬送路Hにおいて、冊子Sが搬送される方向(矢印Y方向)を意味するものとする。また、「左右方向」とは、上記搬送方向Yに直交する方向(矢印X方向)を意味するものとし、「左」又は「右」との語を用いる場合には、搬送方向Yの前方に向かって左又は右を意味するものとする。
図5及び図6に示すように、搬送矯正部31は、冊子方向転換部9からの冊子Sを引き込むための搬送ローラ33〜36を備えている。各搬送ローラ33〜36は、冊子Sの搬送路Hを挟んで対向する上側の駆動ローラ33a〜36aと下側のピンチローラ33b〜36bとの対として構成されている。駆動ローラ33a,35aは、ステッピングモータで駆動され、搬送方向Yに直交する面内で回転する。また、ピンチローラ33b及び35bは、カム駆動で上下動する回転軸37により支持されており、この回転軸37ごと上下して駆動ローラ33a,35aに向けて接離する。なお、このピンチローラ33b,35bは、駆動源をもたないフリーローラである。このような構成により、搬送ローラ33,35は、搬送路H上の冊子Sを上下方向に挟み込んだり解除したりすることが可能であり、冊子Sを挟み込んだ状態で回転することで冊子Sを左右方向Xに移動させることが可能である。また、搬送ローラ34,36は、搬送ローラ33,35と同様に構成されているので、説明を省略する。
更に、搬送矯正部31は、冊子Sを検出するための透過型の光学センサ39、冊子Sを搬送方向Yに押し出すための冊子送り込み爪(媒体押出部)27及び、搬送路Hの外方に配置されており、搬送路Hの内側に向かって冊子SをX1方向に押す可動ガイド板41を備えている。
上記光学センサ39は、搬送ローラ35,36よりも搬送方向Yにおける後方に設けられている。搬送ローラ34〜36によって搬送矯正部31に引き込まれる冊子Sは、光学センサ39に検出された後に、搬送矯正部31内の所定の位置で停止する。
また、冊子送り込み爪27は、搬送路Hを横切って鉛直方向に延在する2本の爪部27a,27bを有している。この爪部27a,27bは、断面円形に形成されており、ステッピングモータによりベルト駆動部を介して駆動され搬送方向Yに移動する。このような爪部27a,27bによって、搬送矯正部31に引き込まれた冊子Sの後端縁部(第2の縁部)S2が押され、冊子Sが搬送方向Yに押し出される。また、冊子送り込み爪27において左側に位置する爪部27aは、右側に位置する爪部27bよりも大径に形成された大径部27cを有しており、冊子Sの後端縁部S2の左側はこの大径部27cによって押される。
従って、冊子Sの後端縁部S2は、右端縁部S1が搬送方向Yに対して傾くように左右アンバランスに押し出されることになり、冊子Sは、搬送路Hにおいてわずかに時計回りに傾きながら移動する。なお、このように冊子Sを左右アンバランスに押し出す部材としては、上記爪部27a,27bに代え、搬送方向Yに対して傾いた前端面をもつ部材を採用してもよい。この場合も、冊子Sの後端縁部S2が、搬送方向Yに対して傾いた前端面に接触しながら押し出されるので、爪部27a,27bの場合と同様に冊子Sがわずかに回転し移動する。
また、上記可動ガイド板41は、搬送ローラ35,36よりも前方に設けられており、搬送方向Yに平行なガイド面を有している。この可動ガイド板41は、ステッピングモータによる駆動で、搬送路H内の位置決めラインL1(後述する)よりも右側の初期位置から、予め設定された位置決めラインL1に至るまで左右方向Xに前進/後退する。この場合、上記ステッピングモータに送出する駆動信号のパルス数を制御することで、冊子Sの右端縁部(第1の縁部)S1を、左右方向Xにおいて搬送路Hの内側に向けて所望の距離だけ押し、正確に位置決めラインL1上まで移動させることができる。
ここで、上記再転写部Bでの冊子Sの印刷において、印刷予定面上の所望の位置に正確に画像を転写するためには、搬送部Cにおいて、冊子Sの搬送方向に対する傾きを防止すると共に、冊子Sを搬送路H上の正確な位置で搬送することが必要である。このような搬送を行うため、搬送矯正部31では、上記構成に基づき、冊子Sの右端縁部S1が搬送方向Yに延びる所定の位置決めラインL1に正確に合わせられた上で、冊子Sが印刷部3の搬送部Cに送り込まれる。以下では、搬送矯正部31において、このような冊子Sの位置決めを可能にする送り込み動作について、図7〜図12を参照しながら説明する。
まず、図7に示すように、冊子方向転換部9から排出された冊子Sは、搬送ローラ33〜36により上下に挟み込まれ、駆動ローラ33a〜36aの回転により搬送矯正部31に引き込まれる。そして、図8に示すように、冊子Sの右端縁部S1が光学センサ39を通過してから、予め定められたパルス数の駆動信号が駆動ローラ33a〜36aを駆動するステッピングモータに更に送出され、冊子Sは、搬送矯正部31における搬送路H上のほぼ中心の所定位置に停止する。その後、ピンチローラ33b〜36bを支持する回転軸37,38がカム駆動により下降することで、搬送ローラ33〜36による冊子Sの挟み込みが解除される。
次に、図9に示すように、冊子送り込み爪27が搬送方向Yに移動すると、冊子Sの後端縁部S2が爪部27a,27bにより押され、冊子Sは、時計回りにわずかに回転しながら搬送方向Yにスライドする。そして、冊子Sは、先端部が搬送部Cに挿入される位置まで前進し、右端縁部S1の前部を可動ガイド板41に当接させた状態で停止する(第1ステップ)。その後、図10に示すように、ピンチローラ33b,35bの回転軸37のみを上昇させると、搬送ローラ35により、冊子Sが後部付近において上下に挟み込まれ、冊子Sは、挟み込み部分Saの一点において固定された状態となる(第2ステップ)。その後、冊子送り込み爪27を後端の初期位置まで後退させる。
この状態で、可動ガイド板41を搬送路Hの内側に向けて(矢印X1方向へ)前進させると、冊子Sの右端縁部S1の前部が可動ガイド板41に押され、冊子Sは、挟み込み部分Saを中心として反時計回りに回転する。このとき、可動ガイド板41を駆動するステッピングモータに対して、予め定められたパルス数の駆動信号を送出することで、可動ガイド板41を正確に上記位置決めラインL1に達するまで移動させる。その結果、冊子Sの右端縁部S1の前部の位置は、可動ガイド板41に押されて、上記位置決めラインL1上に正確に合わせられる(第3ステップ)。
次に、図11に示すように、その状態から、搬送ローラ35の駆動ローラ35aを回転させて、冊子Sの挟み込み部分Saを右方向(矢印X2方向)に送ることで、冊子Sの位置を微調整する。この動作により、冊子Sは、可動ガイド板41に当接した部分を中心として更に反時計回りに回転する(第4ステップ)。このとき、冊子Sの右端縁部S1が光学センサ39に検出されてから、予め定められたパルス数の駆動信号をステッピングモータに更に送出することで、右端縁部S1の後部の位置を、上記位置決めラインL1に更に正確に合わせられる。
このような搬送矯正部31の動作により、冊子Sの右端縁部S1全体が位置決めラインL1に正確に合わせられるので、冊子Sの左右方向Xにおける位置決めが正確に行われるとともに、冊子Sの搬送方向Yに対する傾きも矯正される。この状態で、図12に示すように、ピンチローラ35bを下降させて可動ガイド板41を後退させ、冊子Sの前端部が搬送部Cの搬送ベルト43により上下に挟み込まれた後、冊子Sの印刷予定面が搬送テーブル24よって支持された状態で搬送方向Yに搬送されて行くことで、搬送部Cへの冊子Sの送り込みが完了する。
以上のように、この搬送矯正部31においては、搬送部Cに送り込まれる冊子Sの姿勢が矯正され、左右方向Xにおける位置決めが正確に行われた上で、搬送部Cへ冊子Sが送り込まれるので、再転写部Bでの冊子Sの印刷において、印刷予定面上の所望の位置に正確に画像を転写することができる。
また、この装置1は、前述のとおり、冊子Sばかりではなく、シートGの印刷処理にも使用可能であるといったように、複数種類の印刷媒体に適用することができる。この種の印刷媒体は、種類ごとに互いに異なる印刷仕様をもつ場合が多く、特に、このシートGは、右側の印刷マージンを、冊子Sよりも広く取ることが要求される。ここで、上記再転写部Bにおける、ヒートローラ23の位置及びフィルムFの搬送路の位置は固定されているので、シートGの印刷処理においては、搬送部Cに送り込む際のシートGの左右方向Xにおける位置を変更する必要がある。すなわち、シートGの位置決めラインL2は、冊子Sの位置決めラインL1よりも右側に設定する必要がある。
以下、このようなシートGの印刷処理における、搬送矯正部31の動作について説明する。まず、上記第1ステップ及び第2ステップは、上述した冊子Sの印刷処理の場合と同様に行われ、冊子送り込み爪27によりシートGの後端縁部(第2の縁部)G2が搬送方向に押し出される。その後、第3ステップにおいては、可動ガイド板41を駆動するステッピングモータに送出される駆動信号のパルス数が、冊子Sの印刷処理の場合に比較して少なく設定されており、冊子Sの印刷処理の場合よりも小さい移動量で可動ガイド板41が移動する。その結果、図13に示すように、可動ガイド板41は、上記位置決めラインL1よりも右側の位置決めラインL2に達するまでしか移動せず、シートGの右端縁部(第1の縁部)G1の前部は、上記位置決めラインL2上に合わせられる(第3ステップ)。
その状態から、第4ステップにおいては、搬送ローラ35の駆動ローラ35aを回転させて、シートGの挟み込み部分Gaを右方向(矢印X2方向)に送る。この場合、シートGの右端縁部G1が光学センサ39に検出された後に、更にステッピングモータに送出される駆動信号のパルス数が、冊子Sの印刷処理の場合よりも多く設定されている。その結果、冊子Sの場合よりも大きい移動量で右端縁部G1の後部が移動し、シートGの右端縁部G1の後部の位置は、上記位置決めラインL2に合わせられる。以上のような搬送矯正部31の動作により、シートGの右端縁部G1全体が位置決めラインL2に正確に合わせられ、その状態でシートGが搬送部Cに送り込まれる。
以上のように、装置1では、各ステッピングモータへの駆動信号の送出パルス数を変更することで、容易に印刷媒体の位置決めラインを左右方向Xに移動させ、搬送部Cにおける印刷媒体の搬送ラインを左右方向Xに変更することができるので、印刷位置が異なる複数の印刷媒体の印刷処理にも容易に対応可能である。
本発明に係る媒体用搬送矯正装置が適用される中間転写型熱転写印刷装置の一実施形態を示す正面図である。 図1に示した中間転写型熱転写印刷装置の背面図である。 図1のIII−III線に沿う断面図である。 図1のIV−IV線に沿う断面図である。 図1のV−V線に沿う断面図である。 図1に示した中間転写型熱転写印刷装置の搬送矯正部を示す側面図である。 (a)は冊子の送り込み動作中の搬送矯正部を示す側面図であり、(b)は、その平面図である。 (a)は冊子の送り込み動作中の搬送矯正部を示す側面図であり、(b)は、その平面図である。 (a)は冊子の送り込み動作中の搬送矯正部を示す側面図であり、(b)は、その平面図である。 (a)は冊子の送り込み動作中の搬送矯正部を示す側面図であり、(b)は、その平面図である。 (a)は冊子の送り込み動作中の搬送矯正部を示す側面図であり、(b)は、その平面図である。 (a)は冊子の送り込み動作中の搬送矯正部を示す側面図であり、(b)は、その平面図である。 (a)はシートの送り込み動作中の搬送矯正部を示す側面図であり、(b)は、その平面図である。
符号の説明
27…冊子送り込み爪(媒体押出部)、31…搬送矯正部(媒体用搬送矯正装置)、35…搬送ローラ(媒体挟持部)、41…可動ガイド板、H…搬送路、L1,L2…位置決めライン、S…冊子(記録媒体)、G…シート(記録媒体)、S1,G1…右端縁部(第1の縁部)、S2,G2…後端縁部(第2の縁部)、Y…搬送方向。

Claims (2)

  1. 直状の第1の縁部と当該第1の縁部に直交する方向に延在する直状の第2の縁部とを有する記録媒体を前記第1の縁部の延在方向に搬送するときに、搬送路上で前記記録媒体の姿勢を矯正して、前記第1の縁部を搬送方向に延びる所定の位置決めラインに合わせる媒体用搬送矯正装置において、
    前記記録媒体の前記第1の縁部を前記位置決めラインに対して傾かせるように前記記録媒体の前記第2の縁部を前記搬送方向の前方に向けて押し出す媒体押出部と、
    前記媒体押出部よりも前記搬送方向の前方で前記位置決めラインよりも外方に配置され、前記記録媒体の前記第1の縁部を前記位置決めラインに向けて当該位置決めラインに直交する方向に押す可動ガイド部と、
    前記媒体押出部と前記可動ガイド部との間に配置され、前記媒体押出部により押し出された前記記録媒体の一部分を挟み込む媒体挟持部と、
    を備え、
    前記媒体押出部によって前記記録媒体の前記第2の縁部を前方に押し出して、前記媒体挟持部によって前記記録媒体の一部分を挟み込み、前記可動ガイド部によって、前記第1の縁部を前記位置決めラインまで押して移動させることを特徴とする媒体用搬送矯正装置。
  2. 前記媒体挟持部は、
    挟み込んだ前記記録媒体を前記位置決めラインに直交する方向に送る搬送ローラであることを特徴とする請求項1に記載の媒体用搬送矯正装置。
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