JP4702805B2 - グリル - Google Patents

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本発明は、グリル庫に出し入れ自在なグリル皿を備えるグリルに関する。
従来、この種のグリルとして、グリル庫の横方向両外側に配置した前後方向に長手の固定レールに前後方向に移動自在に支持される可動レールを備え、可動レールの前後動に連動してグリル庫にグリル皿が出し入れされるようにしたものは知られている(例えば、特許文献1参照)。これによれば、グリル皿をスムーズに出し入れできるようになり、商品性が向上する。尚、グリル皿には、調理物を載せる焼き網が載置される。
ところで、固定レール及び可動レールをグリル庫の横方向外側に配置すると、これらレールを含むグリル全体の横幅が増加してしまう。この場合、グリル庫の下部の横幅を上部の横幅に比し狭くすれば、グリル庫下部の横方向外側に、グリル庫上部の横幅内にほぼ収まるように固定レール及び可動レールを配置して、グリル全体の横幅の増加を回避することができる。
また、この場合、グリル庫下部に収納される関係で横幅が制限されるグリル皿よりも焼き網の横幅を広くして、焼き網により多くの調理物を載せられるようにすることが望まれる。然し、このようにすると、以下の不具合を生ずる。即ち、グリル皿をグリル庫から引き出したときに、焼き網の横方向外側縁部寄りの部分から滴下する焼汁をグリル皿で捕捉できなくなる。そして、焼汁が台所の床に落下して床を汚す虞がある。
特開2004−263899号公報
本発明は、以上の点に鑑み、グリル皿に横幅がグリル皿より広い焼き網が載置されるにも拘らず、焼き網の横方向外側縁部寄りの部分から滴下する焼汁が台所の床に落下することを防止できるようにしたグリルを提供することをその課題としている。
上記課題を解決するために、本発明は、グリル庫の横方向両外側に配置した前後方向に長手の固定レールに前後方向に移動自在に支持される可動レールを備え、可動レールの前後動に連動してグリル庫にグリル皿が出し入れされるようにしたグリルであって、グリル皿に横幅がグリル皿より広い焼き網が載置されるものにおいて、グリル庫の横方向両側の側壁部に、グリル皿の横方向両側の側部フランジより下方に位置させて、当該側部フランジの外側縁の位置より横方向内方に凹入する凹入部が形成され、可動レールに、当該可動レールを上方から覆うカバー部材が取付けられ、グリル皿をグリル庫から引き出した状態でグリル皿の側部フランジより横方向外側に位置する焼き網の横方向外側縁部寄りの部分から滴下する焼汁をカバー部材で受け止められるように、カバー部材の横方向内側縁は凹入部内で側部フランジの外側縁の位置より横方向内方に張り出し、カバー部材の横方向外側縁は焼き網の横方向外側縁の位置より横方向外方に張り出すことを特徴とする。
本発明によれば、グリル皿をグリル庫から引き出した状態において、グリル皿の側部フランジの外側縁と焼き網の横方向外側縁との間の横方向間隔の下方への投影空間をカバー部材が横断する。そのため、グリル皿の側部フランジより横方向外側に位置する焼き網の横方向外側縁部寄りの部分から焼汁が滴下しても、この焼汁はカバー部材で受け止められる。従って、台所の床に焼汁が落下することを防止できる。更に、カバー部材により可動レールが上方から覆われるため、可動レールに焼汁が落下付着して、可動レールの動きの円滑性が損なわれることも防止できる。
尚、グリル庫の側壁部に形成した凹入部はカバー部材に対する逃げ部となり、カバー部材がグリル庫に干渉することはない。
図1は、システムキッチンのカウンタトップ(図示せず)に組み込むビルトイン式コンロを示している。このコンロは、カウンタトップに開設した開口に落とし込むようにして設置するコンロ本体1と、コンロ本体1の上面を覆うようにしてカウンタトップに載置する天板2とを備えている。コンロ本体1には、前側の左右2個と後側の1個の計3個のコンロバーナ3が配置されると共に、グリル4が内蔵されている。そして、天板2に、これら各コンロバーナ3を臨ませる開口を形成して、各開口を囲うように五徳5を載置している。また、天板2の後部にはグリル4用の排気口が開設され、この排気口を覆う排気カバー2aが載置されている。尚、各コンロバーナ3には、その内周空間に位置させて、五徳5上の調理容器の底面に当接してその温度を検出する鍋底温度センサ3aが付設されている。
カウンタトップの下で前方に露出するコンロ本体1の前面部分には、後述するグリル庫41の前面開口を閉じるグリル扉42とその左右の前面パネル6,6とが設けられている。各前面パネル6には、コンロバーナ3用とグリル4用の各操作盤7が前面パネル6の前方に出没自在に組み込まれており、操作盤7の収納状態では、操作盤7の前板7aが前面パネル6とほぼ面一になる。
グリル4は、図2に示す如く、コンロ本体1内に設置されるグリル庫41を備えている。グリル庫41の後部には排気ダクト411が取付けられている。また、グリル庫41には、図3、図4に示す如く、焼き網43をその前後に垂設した脚片部43aを介して載置するグリル皿44と、グリル皿44を支持する皿支持枠45とが収納されている。
グリル庫41の天井部には、上火バーナ46が装着され、更に、上火バーナ46を覆うようにして遮熱カバー412が設けられている。また、グリル庫41の横方向両側の側壁部に、焼き網43とグリル皿44との間に位置させて、横方向内方に凹入する第1の凹入部413を形成し、この凹入部413内に、凹入部413の横方向内側面に設けた窓部413aに臨ませて下火バーナ47を配置している。かくして、焼き網43上の調理物を上火バーナ46と下火バーナ47とで上下から焼成する両面焼きグリルが構成される。尚、図2で46a,47aは上火バーナ46と下火バーナ47の混合管である。
グリル庫41の横方向両側の外側には、前後方向に長手の固定レール48と、固定レール48に前後方向に移動自在に支持される可動レール49とが配置されている。ここで、グリル庫41の下方には、グリル庫41の底壁部との間に空隙を存して遮熱板414が設置されている。そして、遮熱板414の横方向両側部をグリル庫41の横方向外側で上方に屈曲させて、起立状態の取付板481を形成し、この取付板481の横方向外方を向く面に固定レール48を取付けている。
固定レール48には、中間レール482がボール482aを介して前後方向に移動自在に係合しており、この中間レール482にボール482bを介して可動レール49が前後方向に移動自在に係合している。従って、可動レール49は中間レール482を介して固定レール48に前後方向に移動自在に支持される。
図5を参照して、グリル庫41の横方向両外側の一対の可動レール49,49は、その前端においてレール連結枠491を介して連結される。レール連結枠491には、皿支持枠45の前端部が係止されると共に、グリル扉42が着脱自在に連結される。かくして、グリル扉42の前面下部の把手421に指を掛けて手前に引いたり後方に押すことにより可動レール49が固定レール48に案内されて前後動し、これに連動して皿支持枠45も前後動して、皿支持枠45に支持されるグリル皿44がグリル庫41にスムーズに出し入れされる。
尚、皿支持枠45は、棒材を平面視略方形に折り曲げて形成した枠体451と、枠体451の前端部に取付けた、グリル皿44の前端のフランジ441を支持する前支持板452と、枠体451の後端部に取付けた、グリル皿44の後端のフランジ442を支持する後支持板453とで構成されている。また、グリル庫41の底壁部には、枠体451の左右各側の側辺部を滑動自在に支持する前後複数の支持部415が形成されている。
図5及び図6を参照して、レール連結枠491には、グリル扉42の背面に形成した係合孔に係合する上縁の左右一対の爪部492と、グリル扉42の背面下部に取付けた板ばね部材422(図4参照)を係合させる下縁中央部の凹欠部493と、皿支持枠45用の左右一対の係合孔494とが形成されている。そして、グリル扉42の背面の係合孔に爪部492を係合させた状態で、板ばね部材422を凹欠部493に係合させることにより、グリル扉42がレール連結枠491に着脱自在に連結される。尚、板ばね部材422はグリル扉42にビス423により締結されており、レール連結枠491にビス423の頭部に対する逃げ孔495が形成されている。
また、皿支持枠45の前支持板452の前端には左右一対の爪片454が突設されている。そして、爪片454をレール連結枠491の係合孔494に挿入係止することで、レール連結枠491に皿支持枠45が連結されるようにしている。ここで、グリル扉42の背面には、レール連結枠491にグリル扉42を連結した状態で係合孔494に挿入される突起状の抜け止め部424が設けられている。そして、爪片454が浮き上がって係合孔494から抜け出ることを、爪片454に抜け止め部424が干渉することで防止できるようにしている。
ところで、グリル庫41の横方向両外側に固定レール48及び可動レール49を配置しても、これらレール48,49を含むグリル4全体の横幅が増加しないようにすることが望まれる。そこで、本実施形態では、グリル庫41の下部(第1の凹入部413より下方の部分)の横幅をグリル庫41の上部(第1の凹入部413より上方の部分)の横幅より狭くして、グリル庫41の下部の横方向外側に、グリル庫41の上部の横幅内にほぼ収まるように固定レール48及び可動レール49を配置している。また、グリル庫41の下部に収納される関係で横幅が制限されるグリル皿44よりも焼き網43の横幅を広くして、焼き網43により多くの調理物を載せられるようにしている。然し、このようにすると、グリル皿44をグリル庫41から引き出したときに、焼き網43の横方向外側縁部寄りの部分から滴下する焼汁をグリル皿44で捕捉できなくなる。
そこで、本実施形態では、図3に示す如く、グリル庫41の横方向両側の側壁部に、グリル皿44の横方向両側の側部フランジ443より下方に位置させて、当該側部フランジ443の外側縁の位置より横方向内方に凹入する第2の凹入部416を形成している。尚、側部フランジ443はグリル皿44の前後のフランジ441,442より上方にオフセットしている。そして、第2の凹入部416の上端が固定レール48及び可動レール49の上端より上方に位置するようにしている。
また、可動レール49に、可動レール49及び固定レール48を上方から覆う上板部496aと、固定レール48の取付板481の横方向内方を向く面に対向する側板部496bとを有するカバー部材496を取付けている。カバー部材496の上板部496aの横方向内側縁は第2の凹入部416内でグリル皿44の側部フランジ443の外側縁の位置より横方向内方に張り出し、また、上板部496の横方向外側縁は焼き網43の横方向外側縁の位置より横方向外方に張り出している。
これによれば、グリル皿44をグリル庫41から引き出した状態において、グリル皿44の側部フランジ443の外側縁と焼き網43の横方向外側縁との間の横方向間隔の下方への投影空間をカバー部材496の上板部496aが横断する。そのため、グリル皿44の側部フランジ443より横方向外側に位置する焼き網43の横方向外側縁部寄りの部分から焼汁が滴下しても、この焼汁は上板部496aで受け止められる。従って、台所の床に焼汁が落下することを防止できる。更に、上板部496aにより可動レール49が上方から覆われるため、可動レール49に焼汁が落下付着して、可動レール49の動きの円滑性が損なわれることも防止できる。尚、グリル庫41の側壁部に形成した第2の凹入部416はカバー部材496に対する逃げ部となり、カバー部材496がグリル庫41に干渉することはない。
また、下火バーナ47を有する両面焼きグリルでは、グリル庫41の下部の温度が高くなるため、固定レール48がグリル庫41からの熱影響を受けやすくなる。ここで、固定レール48は取付板481の横方向外方を向く面に取付けられているため、取付板481がグリル庫41からの輻射熱の固定レール48への入熱を阻止する遮熱板として機能する。然し、これだけでは、取付板481がかなり高温になって、取付板481からの熱伝導により固定レール48が熱影響を受けてしまう。
一方、本実施形態では、カバー部材496の側板部496bが取付板481の横方向内方を向く面に対向しているため、側板部496bがグリル庫41からの輻射熱の取付板481への入熱を阻止する遮熱板として機能する。即ち、固定レール48がグリル庫41からの輻射熱に対してカバー部材496の側板部496bと取付板481とにより2重に遮熱される。更に、カバー部材496の上板部496aにより固定レール48及び可動レール49への上方からの輻射熱の入熱も阻止される。その結果、固定レール48及び可動レール49の遮熱性能が可及的に向上し、熱影響によるレールの変形やレール内のグリスの劣化等で可動レール49の動きの円滑性が損なわれることを確実に防止できる。
以上、ドロップイン式コンロに組み込むグリルに本発明を適用した実施形態について説明したが、卓上式コンロに組み込むグリル、更にはコンロに組み込まずに独立して設けられるグリルにも同様に本発明を適用できる。また、上記実施形態は両面焼きグリルであるが、下火バーナ47を具備しない片面焼きグリルにも同様に本発明を適用できる。
本発明の実施形態のグリルを具備するコンロの斜視図。 実施形態のグリルの斜視図。 実施形態のグリルの切断正面図。 実施形態のグリルの切断側面図。 実施形態のグリルの可動レール及び皿支持枠の連結部分を示す斜視図。 図5のVI−VI線で切断したグリル扉連結状態の切断側面図。
符号の説明
4…グリル、41…グリル庫、416…凹入部、43…焼き網、44…グリル皿、443…側部フランジ、48…固定レール、49…可動レール、496…カバー部材。

Claims (1)

  1. グリル庫の横方向両外側に配置した前後方向に長手の固定レールに前後方向に移動自在に支持される可動レールを備え、可動レールの前後動に連動してグリル庫にグリル皿が出し入れされるようにしたグリルであって、グリル皿に横幅がグリル皿より広い焼き網が載置されるものにおいて、
    グリル庫の横方向両側の側壁部に、グリル皿の横方向両側の側部フランジより下方に位置させて、当該側部フランジの外側縁の位置より横方向内方に凹入する凹入部が形成され、可動レールに、当該可動レールを上方から覆うカバー部材が取付けられ、グリル皿をグリル庫から引き出した状態でグリル皿の側部フランジより横方向外側に位置する焼き網の横方向外側縁部寄りの部分から滴下する焼汁をカバー部材で受け止められるように、カバー部材の横方向内側縁は凹入部内で側部フランジの外側縁の位置より横方向内方に張り出し、カバー部材の横方向外側縁は焼き網の横方向外側縁の位置より横方向外方に張り出すことを特徴とするグリル。
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