本開示のオーブントースターは、加熱室と、前記加熱室の前面を覆う開閉可能な扉と、前記加熱室内に配置された被調理物が載置される調理網と、前記加熱室内の前記調理網の上方に配置された上側ヒータと、前記加熱室内の前記調理網の下方に配置された下側ヒータと、前記加熱室の外側に配置され、前記加熱室内に供給される蒸気を生成する蒸気発生ユニットとを備え、前記蒸気発生ユニットで生成された蒸気を前記加熱室内に吹き出す蒸気吹出口が、前記加熱室の側面に配置されている。
本開示のオーブントースターは、上記構成を備えることで、加熱室の左右又は後方側に位置する3つの側面の内の一つに配置された蒸気吹出口から、加熱室内に蒸気が供給される。このため、加熱室の上面や底面などに蒸気吹出口を配置した場合と比較して、加熱室内における蒸気の分散を良好に行うことができ、調理網上に載置された被調理物に対してよりまんべんなく適度な湿り気を与えながら、調理網の上下に配置されたヒータからの熱による加熱調理を行うことができる。
上記本開示にかかるオーブントースターにおいて、前記上側ヒータと、前記下側ヒータとが、いずれも前記加熱室内において左右方向に配置され、前記蒸気吹出口が、前記加熱室の左側の側面壁または前記加熱室の右側の側面壁のいずれかに配置され、前記蒸気吹出口から前記上側ヒータおよび前記下側ヒータの配置方向と同じ方向に蒸気が吹き出されることが好ましい。このようにすることで、蒸気吹出口から加熱室内に配置された上側ヒータと下側ヒータに沿って蒸気を吹き出すことができ、加熱室内の蒸気を高い温度に維持できるため、蒸気が結露することを効果的に防止することができる。また、加熱室内の左右方向に、蒸気を好適に拡散させることができる。
また、前記蒸気吹出口の配置位置が、前記調理網の配置位置よりも上方で、かつ、前記上側ヒータの配置位置よりも下方であることが好ましい。このようにすることで、加熱室内に供給された蒸気が上側ヒータによって暖められやすくなるとともに、蒸気が直接被調理物に吹き付けられることを防止することができ、被調理物にムラ無く蒸気を供給することができる。
さらに、前記蒸気吹出口の蒸気の吹き出し方向の前方に蒸気誘導部材が配置され、前記蒸気誘導部材は、前記蒸気吹出口から吹き出される蒸気を、当該蒸気吹出口が配置されている前記加熱室の前記側面に沿って上方側および下方側へと誘導することが好ましい。このようにすることで、蒸気吹出口が配置された加熱室の側面に沿った蒸気の流れを形成することができ、加熱室内でまんべんなく蒸気を拡散させることができる。
この場合において、前記蒸気誘導部材が、前記蒸気吹出口から吹き出される蒸気を遮蔽する遮蔽面を備え、前記調理網の前記蒸気吹出口が配置されている側に位置する端部近傍において、前記調理網の外形を構成する外枠部分と被調理物を載置する網目部分との間の距離が、前記蒸気誘導部材の前記遮蔽面と当該誘導部材が配置されている前記側面との間の距離よりも大きいことが好ましい。このようにすることで、蒸気誘導部材の遮蔽面に遮られて加熱壁の側面に沿って循環する蒸気の流れが、調理網の網目部分に遮られることを効果的に防止することができる。
(実施の形態)
以下、本願で開示するオーブントースターについて、具体的な実施形態を用いて説明する。なお、以下では、蒸気発生ユニットを備えて加熱室内に送り込まれた蒸気で被調理物を加湿しながら加熱調理を行うことができるスチーム調理機能が付いたオーブントースターであって、なおかつ、加熱室内の温度を均一化して被調理物の焼きムラを低減させるために、加熱室内で空気を循環させるコンベクション方式のオーブントースターを例示する。
図1は、本実施形態にかかるオーブントースターの外観を示す斜視図である。
本実施形態のオーブントースターは、図1に示すように、オーブントースターの外殻を構成し内部に加熱室を有する筐体10と、筐体10の前方側に配置されて筐体10内に配置された加熱室の前面を覆う開閉可能な扉20と、筐体10の前面における扉20の下方位置に配置された操作部30とを備えている。
なお、以下本明細書では、オーブントースターを通常の使用状態としてテーブルなどの載置台に載置して扉に正対したユーザから見た方向に基づいて、オーブントースターの前後、左右、上下それぞれの方向を定め、適宜これらの各方向を用いてオーブントースターを構成する各部材の配置について説明するものとする。具体的には、図1に示す斜視図において、図の左手前側がオーブントースターの前方、右奥側がオーブントースターの後方となる。また、図1の左右方向がオーブントースターの左右方向、図1の上下方向がオーブントースターの上下方向となる。
本実施形態のオーブントースターにおいて、筐体10の下方には加熱室内でこぼれたパン屑などを受け止めるとともに、蒸気を用いた調理時に発生した水蒸気が加熱室の壁面などに結露した後に液体となって底面へ集まった排水を受け止めるためのトレー11が配置されている。トレー11は、手前側に引き出して取り外すことが可能である。また、筐体10の下面には、オーブントースターをテーブルなどの載置台に載置する際の脚部12が形成されている。
扉20は、本実施形態のオーブントースターでは、上端部分に配置された把手21を手前下側に倒すことで開けることができる。
扉20下方の左右両端部分は下方に延在する接続部22となっていて、接続部22の下端側先端部分には、筐体10と扉20とを接続するヒンジ機構24(図2参照)が設けられている。また、扉20の一対の接続部22に挟まれた中央部分は切り欠かれたようになっていて、図1に示すように扉20を閉めた状態で、筐体10の前面下部に配置された操作部30が前方側に露出するようになっている。
扉20には、加熱室内部の被調理物の状態が把握できるように、ガラス製の窓部23が形成されていて、扉20を閉じた状態でも加熱室内の調理網41や、被調理物などの様子を見ることができる。なお、図1と図2では、調理網41は骨格部分である枠体のみを図示し、実際にパンなどの被調理物が載置される編み目部分の図示は省略している。
操作部30には、加熱時間や加熱温度を設定、調節するための複数個の操作つまみ31、ヒータの加熱状態を切り替える切り替えボタンや、各種の調理メニューに対応可能とするメニューボタンなどの複数個の操作ボタン32が配置されている。
なお、操作部30の操作つまみ31や操作ボタン32の配置個数や配置場所などは、図1に示したものに限られず、オーブントースターで調理可能な調理メニューに対応させて、適宜必要なものを必要な個数、デザイン面も考慮して配置されるべきものである。また、操作部30には、調理メニューの設定状況やオーブントースターの各種状態を表示するための液晶パネルなどを用いた表示パネルや、LEDランプをはじめとする各種の報知ランプ類を配置することができる。
操作部30の左側端部には、蒸気を用いた調理を行う際に用いられる水を供給するための貯水タンク33が配置されている。貯水タンク33は、ユーザが手前側に引き出して取り外すことができ、その内部に所定量の水を容易に供給できるようになっている。貯水タンク33は、操作部30の左側端部の所定位置に挿入された際に図示しない給水管に接続される。貯水タンク33内の水は、給水ポンプ63(図4参照)によって蒸気を生成する後述の蒸気ユニット64(図4参照)へと供給される。
図1に示すオーブントースターの構成では、扉20下方の左右両端部分の先端部にヒンジ機構が設けられ、扉20が手前側に倒れるように開く構成のものを図示した。しかし、本実施形態にかかるオーブントースターの扉の開閉方向はこの限りではなく、扉の右側端部もしくは左側端部にヒンジ機構が形成されていて、扉を右または左方向に回動して開閉可能とする構成を採用することができる。
また、本実施形態のオーブントースターとして、操作部30を筐体10の前面下方に設けて扉20が閉じられたときに操作部30が前面に露出する構成のものを例示したが、操作部の配置場所は例示したものには限られない。例えば、扉が加熱室の前面側全体を覆う形状として、操作部を扉に形成された窓部の上下左右いずれかの周辺部分に配置することができる。また、筐体の左右方向中心に対して、加熱室の左右方向中心を左右いずれかの方向に偏心させて配置し、加熱室の位置が左右方向にずれたことによって生じる筐体と加熱室との間隙部分の前面に操作部を配置する構成とすることができる。さらに、操作部の配置位置に関係なく、操作部に配置される一部の操作ボタンなどを、筐体の上面や側面などオーブントースターの前面側以外の部分に配置することも可能である。
図2は、本実施形態にかかるオーブントースターの扉20を開いた状態を示す斜視図である。
図2に示すように、本実施形態のオーブントースターは、扉20下側の左右両端部分に形成された接続部22の先端部分と筐体10前面の左右両端部の下端部とが、ヒンジ機構24で接続されていて、ユーザが把手21を手前側下方に引き下ろすようにすることで、扉20が図2中矢印Aとして示す方向に回動して開く構成となっている。
本実施形態のオーブントースターは、筐体10内に形成された加熱室50内部に配置される調理網41が、加熱室50の左右両側面の壁部に形成された支持部材42(図3および図4参照)上を前後方向にスライドすることができる。扉20の内面には、窓部23の両側部分に一対のフック部材25が形成されている。フック部材25の先端部は環状に形成されていて、この環状部分の中に調理網41の前方に配置された横方向に伸延する枠体41aの左右両端部分が挿通されているため、扉20を開く動作に連動して、フック部材25は調理網41に対する姿勢を変えながら調理網41を前方側へと引き出すように作用する。
このため、調理網41は、扉20の開閉動作に連動して加熱室50の左右両側面に形成された支持部材42上を前方へとスライドして、扉20を完全に開けた状態では扉20の内面側の上方の位置まで引き出され、被調理物である食パンなどの調理網41上への載置と調理網41上からの取り出しとを容易に行うことができる。また、扉20を閉じる動作に連動して調理網41は後方側へと移動し、扉20が完全に閉じられた状態で、調理網41とその上に載置される被調理物とが加熱室50内の所定の調理位置に収容される。
なお、調理網41は、本実施形態で用いているように骨格部分である枠体と被調理物が載置される編み目部分とが一体に形成されたものに限られず、例えば、枠状の調理網載置部材と、この調理網載置部材の上に載置される調理網との2つの部材で形成することができる。
図3は、本実施形態のオーブントースターの内部の構成を示すための断面図である。図3は、本実施形態にかかるオーブントースターの左右方向における中央位置での断面を右側方から見た状態を図示している。
また、図4は、本実施形態のオーブントースターの内部の構成を示すための別方向からの断面図であって、本実施形態にかかるオーブントースターの前後方向における中央位置での断面を前方から見た状態を図示している。
図3に示すように、扉20が閉じている状態で、調理網41は、加熱室50内部において前後方向の略中央部分に位置している。
本実施形態にかかるオーブントースターは、加熱室50内部に収容された状態の調理網41の前後方向における中央部分の上方に、上側ヒータ51が配置されている。また、加熱室50の調理網41の下側に、加熱室50の前方側に位置する第1の下側ヒータ52と、加熱室50の後方側に位置する第2の下側ヒータ53との2本の下側ヒータを備えた構成となっている。
オーブントースターに用いられている上側ヒータ51としては、一例として、外径が12mm、長さが320mm、定格610Wの石英管ヒータを用いることができる。また、第1の下側ヒータ52および第2の下側ヒータ53としては、一例として、外径が12mm、長さが320mm、定格345Wの石英管ヒータを用いることができる。なお、本実施形態のオーブントースターとして用いられるヒータとしては、上記の他に600Wから700W程度のシーズヒータなど、各種のヒータを用いることができる。
図4にも示すように、本実施形態のオーブントースターでは、3つのヒータ51、52、53は、加熱室50内でいずれもオーブントースターの左右方向に延在するように配置されている。ここで、3つのヒータ51、52、53は、それぞれのヒータの両端部が、オーブントースターの加熱室50内での前後位置および上下位置が略等しくなるように、すなわち、製造上の誤差などを除いて正確に水平状態を保ってかつ正確に左右方向に向くように配置されている。また、調理網41上に載置される被調理物をなるべく均一に加熱するために、図3の断面図に現れる3つのヒータ51、52、53が頂点を形成する三角形の中心部分に、調理網41の前後方向における中央部分が位置するように配置される。
加熱室50は、上面を構成する上面壁54、扉20と対向して背面を構成する背面壁55、上面壁54と対向して下面を構成する底面壁56と、上面壁54、背面壁55、底面壁56に連続して左右の側面を形成する互いに対向した一対の側面壁57(左側57a、右側57b)とでその周囲を囲まれて形成されている。なお、図3では、加熱室50の左側の側面壁57aのみが見えている。また、加熱室50の前面の開口部分の上側は、扉20の内面で覆われている。
加熱室50は、略直方体形状であるため6つの面で構成されている。この加熱室50を構成する6つの面の内、上面である上面壁54と、下面である底面壁56と、さらに前方側に配置された扉20と操作部30とから構成される面とを除いた残り3つの面、すなわち、背面壁55と、左右両方の側面壁57(57a、57b)との3つの面をまとめて、適宜加熱室の側面として総称している。
本実施形態のオーブントースターでは、背面壁55、底面壁56、側面壁57がいずれも鉛直方向または水平方向に配置された略平坦面で構成されているのに対し、上面壁54は、上側ヒータ51が配置されている前後方向における中央部分から後方の部分が、下側へと傾斜する傾斜面54aを形成している。傾斜面54aにおける最も下側に位置する部分である背面壁55と接続されている部分54bの高さは、加熱室50内での上側ヒータ51の配置高さよりも低くなるように形成されている。このように、上面壁54の後側部分を大きな傾斜を有する傾斜面54aとすることで、上側ヒータ51から後方側(背面壁55側)へと放射される輻射熱を下方に位置する調理網41上の被調理物の方向へと反射させることができる。
さらに、本実施形態のオーブントースターでは、上面壁54における上側ヒータ51の配置位置よりも前方側の部分に、略三角柱状の断面を有して左右方向に延在する上面突起58が形成されている。上面突起58は、前方の扉20の窓部23を介して上側ヒータ51が見えないようにする目的を有するため、正面側から見た際に上側ヒータ51を覆い隠せる程度の高さを持って上面壁54の表面から下方側に突出して形成されている。また、上側ヒータ51の前方に、上側ヒータ51と対向する傾斜面部分58aを備えた上面突起58を設けることにより、上側ヒータ51から前方側へと放射される輻射熱を反射して調理網41上に載置される被調理物側に向かわせることができる。
さらに、本実施形態のオーブントースターでは、上面壁54の後方部分の傾斜面54aが、後述する送風ユニット70から吹き出された空気を上側ヒータ51の方向に向けるとともに、上面壁54の前方側に形成された上面突起58が、上側ヒータ51によって暖められた空気を調理網41の前方部分へと向かわせる、気流ガイド部材としての役割を果たすことができる。また、上面壁54に形成された傾斜面54aや上面突起58は、調理網41よりも上側に位置する加熱室50の容積を低減する効果を有し、上側ヒータ51と調理網41との間に一定以上の間隔を確保して焼きムラをなくすことと、加熱室50の容積を低減して被調理物を効率よく加熱することとを両立させている。
なお、本実施形態のオーブントースターにおいて、上面壁54の後方側部分に図3に示した形状の傾斜面54aを形成すること、また、上面壁54の前方側に断面が略三角柱状の上面突起58を形成することは必須の要件ではない。例えば、上面壁54の後方側部分に傾斜面を形成する場合でも、図3に示したような一枚板状に形成された傾斜面54aを設ける構成には限られず、二段もしくはそれ以上の段数の複数段の傾斜面を形成することができる。さらに、上面壁54の後方側部分に後方上側に凸の湾曲面を形成することができる。さらにまた、上面壁54の前方側に略三角柱状の上面突起58を形成する替わりに、後方側と同じような前方側への傾斜面を配置することができる。また、上面壁54を底面壁56や側面壁57などと同様に平坦な面で構成することも可能である。
本実施形態のオーブントースターでは、加熱室50の周囲を形成する上面壁54、背面壁55、底面壁56、側面壁57を、高い熱反射特性を有するガルバリウム鋼板で構成しているため、上側ヒータ51、下側ヒータ52、53の熱によって被調理物を効率よく加熱することができる。なお、加熱室50の各壁面を構成する材料としては、ガルバリウム鋼板の他にも熱反射特性が高い各種の鋼板、例えばアルミめっきが施されたアルスター鋼板や剛性が高い鋼板である亜鉛メッキ鋼板などを用いることができる。
加熱室50の下側かつ前方側の部分には、筐体10の下側に配置された操作部30を加熱室50から分離する操作部隔離板59が配置されている。本実施形態のオーブントースターでは、操作部30の操作ダイアル31などに接続されたスイッチ回路や、ヒータのオン/オフ制御などのオーブントースター全体を制御するための制御回路などが搭載された回路基板34を、操作部30の背面側の回路基板配置領域に配置している。操作部隔離板59は、加熱室50内の熱、特に最も近い位置に配置されている第1の下側ヒータ52からの熱が、回路基板配置領域に配置された回路基板34上のマイコンなどの電気回路部品に悪影響を与えることを回避できるように、ガルバリウム鋼板、アルスター鋼板などの熱反射特性が高い部材で形成されることが好ましい。
また、本実施形態のオーブントースターでは、扉20の下方背面側に、湾曲した反射板26が配置されている。図3に示すように、反射板26は、扉20が閉じられた調理時において第1の下側ヒータ52からの輻射熱を調理網41上に載置される被調理物の方向に反射して、扉20に近い部分の被調理物の裏側面(下側に配置されている面)に十分な輻射熱が放射されるように機能する。また、反射板26は、図2に示したように扉20が開かれた状態では扉20の回転に伴って前方側に引き出されて、操作部30の上方および前方を覆う。このように、扉20が開かれた状態において、反射板26は調理網41上に載置された被調理物などがこぼれて操作部30を汚すことを防止するカバー部材としての機能を果たすことができる。
底面壁56の下側には、底面壁56に形成された開口部分を覆う大きさの平面を有するトレー11が配置されている。トレー11の前方側の扉20の下部に配置される取っ手部11aに指をかけることで、ユーザはトレー11を前方側へと引き出し、引き抜くことができる。
また、本実施形態のオーブントースターでは、左側の側壁面57の上側ヒータ51よりもやや下側の部分に、スチームを用いた調理を行う際に蒸気を吹き出す蒸気吹出部60が形成されている。蒸気吹出部60は、側面壁57の外側に配置された蒸気ユニット64で生成された蒸気を加熱室50の内部空間へと噴出する蒸気吹出口61と、蒸気吹出口61の前方を遮って蒸気を加熱室50内に拡散させるための蒸気誘導部材62とで構成されている。
本実施形態のオーブントースターにおいて、蒸気誘導部材62は、蒸気吹出口61の前方と側方側を覆うとともに上下方向が開放されているため、蒸気ユニット64で生成された蒸気は、蒸気誘導部材62によって蒸気吹出口61から真っ直ぐ加熱室50内へと侵入することが遮られ、加熱室50の左側の側面壁57aに沿って上下方向へと向かって加熱室50内に拡散される。蒸気誘導部材62の構成については、後に詳述する。
なお、前述したとおり、操作部30に配置された貯水タンク33内部の水は、図示しない吸水管によって給水ポンプ63へと供給され、給水ポンプ63によって、蒸気を噴出するタイミングに合わせて図示しない配管を介して蒸気ユニット64へ送られる。蒸気ユニット64は、内部に加熱ヒータを備えていて、給水ポンプ63から送られた水を加熱して蒸気を生成するとともに、回路基板配置領域に配置された制御回路で制御されて、所定のタイミングで蒸気吹出口61から蒸気を噴出する。
背面壁55の中央部分における背面側、すなわち、加熱室50の後方の外側には、背面壁55によって加熱室50と隔てられて送風ユニット70が配置されている。
本実施形態のオーブントースターでは、背面壁55に横長略矩形状の凹部55aが形成されている。凹部55aの底面55bは、背面壁55の表面から後方側に後退した位置に背面壁55と略平行に形成された面であり、平面視したときに底面55bの外側と内側はともに角部がR形状で形成された横長長方形状をしている。底面55bで囲まれた中央部分55cは、平面視したときに凹部55aの底面55bとほぼ相似形状の角部がR形状で形成された横長長方形状となっていて、加熱室50の前後方向において、中央部分55cは凹部55aの周辺部分の背面壁55と同じ位置にある平面となっている。
凹部55aの側面を構成する、中央部分55cと底面55bとを接続する内側側面55d、および、底面55bと周辺の背面壁55とを接続する外側側面55eは、いずれも平面視したときに、角部がR形状で形成された横長の環状矩形形状となる傾斜面として形成されている。
中央部分55cと底面55bとを繋ぐ内側側面55dの内、中央部分55cの上方側に位置する上方傾斜面55d1には、傾斜方向に延在する複数の上方スリット55fが、また、中央部分55cの下方側に位置する下方傾斜面55d2には、傾斜方向に延在する複数の下方スリット55gが、それぞれ形成されている。
また、中央部分55cの中央には、円形の凹面部分55hが形成されていて凹面部分55hには複数の円形開口55iが形成されている。中央部分55cの凹面部分55hは、その中心が加熱室50内に配置された調理網41の配置位置の後方となるように、言い換えると、調理網41の左右方向中心線を後方に延長した際に背面壁55と交わる部分が凹面部分55hの中心と略一致するように構成されている。
背面壁55に形成された凹部55aの底面55bと、底面55bで囲まれる中央部分55cとを含む領域の裏側面、すなわち、加熱室50側とは反対側の面には、カバー部材71と送風ファン72とで構成された送風ユニット70が配置されている。
カバー部材71は、底面とその底面の周囲から前方に延在する側壁面とを備えた有底枠状の部材であり、平面視したときに略矩形状となっている。カバー部材71は、側壁面の先端部分に外側に延在するように形成された鍔状の固着面を有していて、この固着面が背面壁55に形成された凹部55aの底面55bの背面側にネジ留め等によって固着されている。このため、背面壁55とカバー部材71とで囲まれた部分とが、一つの閉鎖空間を形成している。
送風ファン72は、カバー部材71の内側の閉鎖空間内に配置された回転翼と、カバー部材71のさらに後方側に配置されたモータと、カバー部材71の底面を貫通して配置された回転軸とで構成されている。
本実施形態のオーブントースターでは、送風ファン72として多数枚の回転翼を備えたシロッコファンを用いているため、モータによって回転軸が回転すると、回転翼の中心部分に吸い込まれた空気が回転翼の回転方向外側に向かって吹き出されることとなる。このため、本実施形態のオーブントースターにおいて、背面壁55の中央に位置する中央部分55cに形成された円形開口55iが吸気口となり、背面壁55の上方傾斜面55d1に形成された上方スリット55fと、下方傾斜面55d2に形成された下方スリット55gとが吹き出し口となる。
また、本実施形態のオーブントースターでは、送風ファン72のモータ部分を覆う後方カバー13が、筐体10の背面10aから後方側に突出するように形成されている。
本実施形態のオーブントースターでは、送風ファン72が動作すると、調理網41の後方に配置された吸入口である円形開口55iから吸入された空気が、上方傾斜面55d1に形成された上部吹き出し口である上方スリット55fと、下方傾斜面55d2に形成された下部吹き出し口である下方スリット55fとから、加熱室50内へと吹き出される。
このとき、上部吹き出し口である上方スリット55fが、その表面の垂線が加熱室50の上方側へと向かって傾斜する上方傾斜面55d1に形成されているため、加熱室50内に吹き出された空気は、上方に配置された上側ヒータ51へと向かうこととなる。さらに、加熱室50の上面壁54の後方部分が傾斜面54aとして形成され、さらに、上面壁54の前方に上面突起58が形成されているため、加熱室50の調理網41の上側部分の空間内で、上側ヒータ51の配置位置を含んだ加熱室50の上面壁54近傍を経て、扉20の内面を通り、調理網41上を背面壁55側へと向かう空気の循環が生じる。
また、同様に、調理網41の下方側の空間においても、下部吹き出し口である下方スリット55gが、その表面の垂線が加熱室50の下方側へと向かって傾斜する下方傾斜面55d2に形成されているため、加熱室50内に吹き出された空気は、下方スリット55gの正面に位置する第2の下方ヒータ53へと到達し、さらに、前方側に位置する第1の下方ヒータ52の配置位置に到達した後、反射板26の湾曲形状に沿って上方へと向かい、調理網41の下面側を背面壁55へと移動する空気の循環が生じる。
このように、本実施形態にかかるオーブントースターでは、加熱室の上側の空間と加熱室の下側の空間とのそれぞれにおいて、送風ユニットから吹き出された空気を循環させることができる。このため、調理網の上に多数の食パンが隙間無く並べられた場合など、調理網上に載置された被調理物が加熱室を上下の空間に分断するような状態となった場合でも、被調理物の両面に対してヒータからの輻射熱を良好に伝達することができ、焼きムラの少ない調理を行うことができる。また、加熱室の調理網の上方部分と下方部分とに、それぞれ良好な空気の循環が形成されることで、加熱ヒータの熱を効果的に被調理物に加えることができ、調理網上に載置された被調理物を回転させるなどの手間が省けるとともに、調理時間の短縮化を図ることができる。さらに、発熱源である上側ヒータと2つの下側ヒータに送風ユニットから低い温度の空気を吹き付けることで、これらヒータからの輻射熱を低減させる効果があり、被調理物においてヒータとの直線距離に応じて生じる加熱ムラを低減させる効果が得られる。
次に、本実施形態のオーブントースターにおける蒸気の噴き出し構成と、加熱室内で蒸気を循環させる構成について説明する。
図5は、加熱室の側壁面の蒸気ユニット64が配置されている部分を示す、要部拡大断面図である。
図5に示すように、加熱室50の左側の側面壁57aの外側に、蒸気ユニット64が配置されている。また、蒸気ユニット64のうち、貯水タンク31から給水ポンプ63によって蒸気ユニット64内に供給された水が、蒸気ユニット64内の加熱ヒータで加熱されることで生成された蒸気を吹き出す蒸気経路の先端に位置する蒸気吹出口61が、加熱室50の左側の側面壁57aを貫通して加熱室50内に届くように配置されている。
このように、本実施形態のオーブントースターでは、蒸気吹出口61が蒸気ユニット64の一部として構成されることで、蒸気ユニット64で生成された蒸気の温度を下げずに加熱室50内に供給することができる。なお、蒸気吹出口までの蒸気の供給経路である蒸気経路において断熱部材を効果的に用いるなどして蒸気の温度が大きく低下しないように構成することで、蒸気吹出口と蒸気ユニットとを別の部材で構成することができる。この場合には、蒸気ユニットを蒸気吹出部のすぐ外側に配置しなくてはならないという制約がなくなり、例えば、加熱室とその外側を覆う筐体との間隔を狭くすることができるなど、オーブントースターの筐体と加熱室との配置構成上の自由度が向上する。
蒸気吹出口61の蒸気が吹き出される方向の前方には、加熱室50内に供給された蒸気の吹き出し方向を制御して蒸気を加熱室50内で効果的に拡散させるための蒸気誘導部材62が配置されている。
図6は、蒸気吹出口の前方に配置される蒸気誘導部材の斜視図である。なお図6では、蒸気誘導部材を蒸気吹出口の側から見た状態を示している。
図5,および、図6に示すように、蒸気誘導部材62は、蒸気吹出口61の前方に配置されて蒸気吹出口61から噴き出された蒸気を遮蔽する遮蔽面62aと、加熱室50内に先端が入り込んだ蒸気吹出口61の側方を両側から覆う一対の側方規制面62bと、蒸気誘導部材62を加熱室の側面壁57aに固着するための固着面62dとを備えている。なお、蒸気誘導材62の側方規制面62bの幅W1が、側面壁57aに固着された際の蒸気誘導部材62における側面壁57aと遮蔽面62aとの間の距離となる。また、固着面62dには、蒸気誘導部材62を側面壁57aに固着するためのネジやリベットなどの固定部材が貫通する貫通孔62eが形成されている。
また、本実施形態のオーブントースターで用いられる蒸気誘導部材62は、遮蔽面62aの上端部から上方へと伸延するフラップ62cを備えている。フラップ62cは、遮蔽面62aと同等の幅を有し、その先端部分は、蒸気誘導部材62が配置されている側面壁57aから遠ざかる方向に少し傾斜している。
上述した形状の蒸気誘導部材62を備えることで、本実施形態にかかるオーブントースターでは、蒸気吹出口61からその延長方向、すなわち側面壁57aに対する鉛直方向に吹き出された蒸気は、遮蔽面62aで遮られる。遮蔽面62aの両側方部分には側方規制面62bがあるため、遮蔽面62aで遮られた蒸気が進行可能な方向は上下方向に限られることとなり、蒸気吹出口61から加熱室50内に供給された蒸気は、蒸気吹出口61が配置されている加熱室50の側面壁57aに沿って上下方向へと誘導される。
このとき、蒸気誘導部材62の遮蔽面62aの上方に側面壁57aから遠ざかる方向に傾斜したフラップ62cがあるため、蒸気誘導部材62の上方側では、蒸気は側面壁57aから遠ざかる方向へと誘導される。一方、蒸気誘導部材62の下方側に向かう蒸気は、そのまま、鉛直下方に向かって拡散することとなる。
次に、本実施形態にかかるオーブントースターで用いられている、調理網の形状について説明する。
図7は、本実施形態にかかるオーブントースターの調理網の平面形状を示す図である。なお、図7における矢印B方向が、オーブントースターの前方側、すなわち、調理網が加熱室内に配置された場合には、扉がある方向を示している。
図7に示すように、本実施形態のオーブントースターに用いられている調理網41は、加熱室50に配置された際の左右方向の外形を規定する外枠部分としての側枠体41bと、被調理物を載置する部分である網目部分の左右方向端部位置41cとの間に、一定の間隙W2が形成されている。
本実施形態のオーブントースターでは、蒸気誘導部材62における、側面壁57aと遮蔽面62aとの距離W1よりも、調理網41における、側面壁57aと被調理物が載置される網目部分との距離W2の方が大きく形成されている。このようにすることで、蒸気誘導部材62によって、蒸気吹出口61から側面壁57aに沿って下方へと誘導された蒸気が、蒸気吹出口61よりも下方に配置されている調理網41の網目部分に直接当たることを回避できる。蒸気は、気体と同様にその進行方向を遮蔽する部材を回り込むように拡散するが、気体とは異なり、遮蔽する部材に衝突した蒸気はその表面に付着して結露となりやすくなる。本実施形態のオーブントースターでは、蒸気吹出口61から加熱室50内に供給された蒸気の拡散経路上に、蒸気の拡散を遮蔽する部材として調理網41の網目部分が配置されることを回避することで、より多くの蒸気を調理網41の下側の加熱室50内の空間にまで拡散させることができる。
なお、蒸気吹出口61から加熱室50内に供給された蒸気の拡散を阻害しないためという理由であれば、調理網41に形成される側枠体41bと網目部分の側方の端部位置41cとの間に設ける間隙は、蒸気吹出口41が配置されている側の側方のみで足りる。ただし、本実施形態にかかるオーブントースターのように、蒸気吹出口61が配置されていない側の端部近傍においても、調理網41の側枠体と網目部分端部との間に所定の間隙を設けることで、加熱室50内の左右の側壁面57a、57b近傍を上下する大きな蒸気の循環を形成することができる。また、調理網41を左右対称の形状とすることで、ユーザに対して、調理網41の左右両側の端部は本来被調理物を載置しない部分であると認識させる効果が期待できる。
以下、加熱室内に蒸気を供給する上述の構成を備えた本実施形態にかかるオーブントースターにおける、加熱室内の蒸気の拡散経路について説明する。
図8は、本実施形態のオーブントースターにおいて、蒸気ユニットで生成された蒸気の加熱室内の動きを説明するモデル図である。
なお、図8は、図4と同じく加熱室50の前後方向中央部の断面を前方側から見た断面図である。
図8に示すように、蒸気ユニット64で生成され、蒸気吹出口61から加熱室内50内に噴き出された蒸気81は、蒸気誘導部材62の遮蔽面62aによって遮られて、加熱室50の側面壁57aに沿って上方へと向かう流れ82と、側面壁57aに沿って下方へと向かう流れ84とに分割される。
側面壁57aに沿って上方へと向かう流れ82は、蒸気誘導部材62に形成されたフラップ62cの影響によって、側面壁57aから離れる方向へと向かい、蒸気吹出口61のほぼ真上に位置する(図3参照)上側ヒータ51の配置位置に到達する。上側ヒータ51、および、上側ヒータ51の上方すぐに位置する上面壁54の影響を受けて、蒸気は、図8中矢印83として示すように、加熱室50の上方を左側の側面壁57aから右側の側面壁57bの方向へと拡散される。このようにすることで、蒸気を高温となる上側ヒータ51に沿って拡散させることができるために、蒸気の温度が下がって上面壁54などに結露することを効果的に防止することができる。また、上側ヒータ51は、調理網41の前後方向のほぼ中央に位置しているため、上側ヒータ51に沿って蒸気を拡散させることで、調理網上に載置された被調理物の上にまんべんなく蒸気をふりかけることができ、被調理物の表面をより均一な状態で加湿することができる。
側面壁57aに沿って下方へと向かう蒸気の流れ84は、側壁面57aからの距離が蒸気誘導部材62の遮蔽面62aまでの距離よりも大きな調理網41側方の外枠と網目部分との間の間隙部分を通過して、加熱室50における調理網41の下方の空間へと拡散される。その後、加熱室50の底面58の影響を受けて、蒸気は、矢印85として示すように、加熱室50の下方の空間で左側の側面壁57aから右側の側面壁57bの方向へと拡散される。図8に示すように、加熱室50の調理網41の下方には、第1の下側ヒータ52と第2の下側ヒータ53とが、蒸気が拡散される左右方向に延在して配置されているため、加熱室50の調理網41の下方の空間においても蒸気は2つの下側ヒータ52、53によって十分に暖められる。このため、調理網41の下側の空間に拡散された蒸気は、調理網41上に載置されている被調理物の下側の面を効果的に、かつ、より均一に、湿らせることができる。
このように、本実施形態にかかるオーブントースターでは、加熱室内に蒸気を吹き出す蒸気吹出口が加熱室の側面に形成されているために、蒸気を加熱室内で、調理網の上側の空間と調理網の下側の空間との双方において良好に拡散させることができる。例えば調理網上に多くの被調理物が配置されている場合には、加熱室内の空間が調理網の上方と下方との2つの空間に区切られてしまうことになる。このような場合に、蒸気吹出口が加熱室の上面や底面に形成されている場合には、調理網の上下いずれか一方の空間内のみに蒸気が供給されることとなる。本実施形態にかかるオーブントースターでは、調理網上に多くの被調理物が載置されている場合でも、加熱室内にまんべんなく蒸気を供給することができる。このため、乾燥した食パンをトーストする場合や、各種のパンの暖め直しなど、蒸気を供給することで被調理物を加湿した状態で加熱調理することが好ましい場合において、被調理物の上面側と裏面側とを好適に湿らせることができ、よりおいしくトーストを焼くことができるなどの効果を奏することができる。
なお、上記実施形態において、蒸気吹出口を加熱室の左側の側面壁に配置した例を示したが、蒸気吹出口は右側の側面壁や背面壁に形成することができる。特に、例えば環状のヒータを背面壁から前方の扉に向かって配置した場合など、ヒータの配置方向が加熱室内の前後方向である場合には、蒸気吹出口を背面壁に設けて噴き出される蒸気の向きをヒータの配置方向と合わせることで、蒸気を効果的に暖めて結露を低減させるという効果を得ることができる。
また、例えば左右の側面壁に蒸気吹出口を配置する場合や、いずれかの側面に2つの蒸気吹出口を配置する場合など、加熱室内に配置される蒸気吹出口の個数にも限定はない。
さらに、上記の実施形態では、蒸気吹出口の配置高さを、調理網の配置位置よりも上方で上側ヒータの配置位置よれも下方と場合を例示したが、蒸気吹出口の配置高さは、上記例示したものに限られない。例えば、上方に向けてより強く蒸気を噴き出すことができる構成の蒸気吹出口を配置する場合には、調理網の配置位置よりも下方に蒸気吹出口を配置することで、調理網の上方の空間と下方の空間とに、より良好に蒸気を供給することができる。
さらにまた、上記実施形態では、蒸気吹出口の前方に蒸気の拡散方向を誘導する蒸気誘導部材を配置する例を示した。しかし、蒸気誘導部材は必須の物ではなく、蒸気吹出口の形状などを調整することで、加熱室内に供給される蒸気の拡散方向をより好適な状態とすることができることは言うまでもない。
また、上記実施の形態では、加熱室内に空気の対流を引き起こすコンベクションタイプのオーブントースターを例示したが、本開示にかかるオーブントースターとして、コンベクション機能を備えていることは必須の要件ではない。ただし、上記実施形態に示したように、蒸気の循環方向(上記実施形態では左右方向)と、コンベクション機能による空気の循環方向(上記実施形態では前後方向)とを互いに直交する方向とすることで、加熱室内の蒸気の拡散をより効率よく、より幅広く行うことができる。
この場合において、上記実施形態として例示したように、背面壁から前方側へと向かう空気の循環を生じさせることで、蒸気が扉のガラス窓に付着して曇らせてしまう事態を回避でき、スチームを用いた調理を行う場合でも、ユーザが加熱室内部の様子を確認することができる状態を維持できる。
さらに、上記の実施形態において、調理網の下側に2つの下方ヒータが配置されたものを例示したが、調理網の下側に配置される下方ヒータの数は、2つのものに限られず、1つまたは3つ以上であってもよい。さらに、上方ヒータも2つ以上設けられている構成とすることができる。また、上方ヒータ、下方ヒータは、直線状のヒータが加熱室の左右方向に配置されているものに限らず、例えばU字形状のヒータを用いることができ、加熱室内の後方側から前方側に向かってU字形状のヒータを配置することも可能である。
なお、本実施形態の説明では、蒸気ユニットで蒸気を生成して加熱室内に供給するタイミングについての説明は割愛したが、蒸気の噴き出しタイミングや吹き出す量は、調理内容や被調理物の種類、数、大きさなどによって適宜設定すべきものである。また、本願で開示するオーブントースターにおいて、通常の食パンのトースト時など、蒸気ユニットから加熱室内に蒸気を供給しないで加熱調理を行うことができることも言うまでもない。