JP4699952B2 - 撚線導体 - Google Patents

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本発明は、撚線導体に関するもので、詳しくは、電線等に使用される撚線導体に関するものである。
従来、電線等に使用される撚線導体を構成する各々の素線は、断面円形の丸線で、かつ、同一の直径に形成されていることが一般的である。該素線としては、銅線が主として用いられ、その銅線に、錫、ニッケル、銀をメッキしたものやアルミ線、各種合金線が使用される。
また、従来、複数層で構成される撚線導体として、例えば、図5〜図8に示すように素線を配列したものを、同一方向に撚ることで形成される撚線導体111、112、113、114が知られている。
図5に示す撚線導体111は、中心に3心の素線101を配置して形成される内層121と、該内層121の3心を覆い囲むように9心の素線101Aを配置して形成される外層131の2層で構成されている。
図6に示す撚線導体112は、中心に4心の素線102を配置して形成される内層122と、該内層122の4心を覆い囲むように10心の素線102Aを配置して形成される外層132の2層で構成されている。
図7に示す撚線導体113は、中心に5心の素線103を配置して形成される内層123と、該内層123の5心を覆い囲むように11心の素線103Aを配置して形成される外層133の2層で構成されている。
更に、図8に示す撚線導体114は、中心に1心の素線(中心線)141と、該中心線141を覆い囲むように6心の素線104を配置して形成される内層124と、該内層124の6心を覆い囲むように12心の素線104Aを配置して形成される外層134の3層で構成されている。
前記従来の撚線導体111、112、113、114の各素線101及び101A、102及び102A、103及び103A、104及び104A及び141は全て、断面円形で、かつ、各撚線導体での素線径は同一径であることから、前記のように配列された素線をまとめて同一方向に撚られて撚線導体111、112、113、114とした場合には、一般的に、最外層に位置する素線101A、102A、103A、104Aで形成される外形形状は図5〜図8に示すように、三角形状、菱形形状、台形形状、六角形状に近似した形状となり、丸形状に近似した形状とはならない。
また、撚線導体111、112、113、114は、一般的に、例えば、図5に示すように、外周部に絶縁材106を被覆した被覆線として、電線等に使用される。この被覆線の外形形状は、略真円形状であることが望まれている。一方、絶縁材106は、耐圧特性の点から撚線導体111、112、113、114の外周部に略均一に被覆されることが望ましい。したがって、撚線導体の外形形状は真円であることが望まれている。
また、石油を主成分とする絶縁材106の減量化は、資源の有効利用の観点からも大変重要であり、撚線導体の細径化や丸形化が要求されている。
しかし、前記従来の撚線導体111、112、113、114のように、その外形形状が三角形状に近似した形状等のように真円形状でない場合において、被覆線の外面形状を真円とすると、例えば、図5の三角形状の撚線導体111に示すように、絶縁材106の厚みには、薄い部分と厚い部分とが生じ、絶縁材106の厚みが不均一となる。すなわち、図5の破線で示す三角形の頂部側の絶縁材106の肉厚を耐圧上から所定量に設定すると、他の部分での肉厚が厚くなってしまう。この他の部分での絶縁材106は、性能の観点からは過剰なものとなってしまうばかりでなく、被覆線の細径化、軽量化を阻害する要因となってしまうという問題点がある。
また、撚線導体111の外形形状が、前記のように三角形状に近似した形状であると、被覆線を端末加工する時等において、被覆材106をストリップする際に撚線導体111を傷つける虞があるという問題点もある。
前記の問題は、図6に示すその外形形状が菱形形状に近似した撚線導体112、図7に示すその外形形状が台形形状に近似した撚線導体113、図8に示すその外形形状が六角形状に近似した撚線導体114においても同様に有する。
そこで、本発明は、前記の問題点を解決した撚線導体を提供することを目的とするものである。
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、素線を複数層に配列し、各素線は隣接する全ての素線と接触するようにして形成された撚線導体であって、
その最外層を、太径線と細径線で形成し、該太径線と該細径線との直径が異なるものとし、
最外層の周方向に前記太径線を複数本配設し、この隣り合う太径線間に、前記細径線を周方向に2本配設したことを特徴とするものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記太径線は、その一部が、最外層より1層内側の層を形成する素線において、隣接する2心の素線の外周面間で形成される各谷間部に入り込むように配置されていることを特徴とするものである。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記撚線導体は、複数本の素線で形成される内層と、該内層を複数の素線が覆い囲んで形成される外層とで構成されていることを特徴とするものである。
請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記撚線導体は、1本の素線からなる中心線と、該中心線の周囲を複数本の素線が覆い囲んで形成される内層と、該内層を複数の素線が覆い囲んで形成される外層で構成されていることを特徴とするものである。
請求項5記載の発明は、請求項3又は4記載の発明において、前記内層を形成する素線の直径は、前記太径線の直径及び前記細径線の直径とは異なることを特徴とするものである。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発明において、撚線導体の中心点から前記太径線の最外縁端までの距離と、前記中心点から前記細径線の最外縁端までの距離とが等しいことを特徴とするものである。
請求項7記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の発明において、前記最外層の外周部が、圧縮変形されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、2種類の直径の異なる素線(太径線と細径線)により最外層を形成し、隣り合う太径線間に、2心の細径線を隣接して配置したことにより、撚線導体の外形形状を略真円形状とすることができる。そのため、前記従来の撚線導体の問題点を解消できる。
撚線導体の外形を略真円形状とした場合、外形が略三角形状等である従来の撚線導体111、112、113、114よりも絶縁材の被覆の厚みを薄くでき、かつ、略均一化することができ、絶縁材を減量でき、コストを低減することができる。
請求項7記載の発明によれば、更に、撚線導体の外形形状をより真円形状に近づけることができ、従来の撚線導体の問題点を解消することができる。
また、撚線導体の外形形状をより潰れ難く、より変形し難く保持することができる。
本発明を実施するための最良の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例1を示すものである。図1は、撚線導体の軸方向と直交する方向に切断した断面図で、その各素線の断面を示す斜線は、図の煩雑を避けるために省略した。
該実施例1に示す撚線導体1は、図1に示すように、総数12心の素線で構成され、3心の内層線2により形成された内層3と、該内層3の外周を覆い囲むように配置された9心の外層線4により形成された外層(最外層)5とで構成されている。また、撚線導体1は、一括撚線導体である。
なお、前記内層線2を形成する素線と、外層線4を形成する素線は、断面円形(丸形)の線を用い、従来と同様に、銅線や該銅線に、錫、ニッケル、銀をメッキしたもの、或いはアルミ線、各種合金線が使用することができる。
前記内層3を形成する3心の内層線(素線)2は、図1に示すように、その各内層線2の中心が撚線導体1の中心点Aから等距離に位置し、かつ、隣接する内層線2の相互が接触するように配置されている。この接触は、図1の断面においては点接触し、軸方向では線接触している。これらの内層線2は、3心とも同一直径に設定されている。この直径をdとする。
前記外層5を形成する9心の外層線(素線)4は、太径線6と、該太径線6よりも直径が小さい細径線7の2種類の素線で形成されている。この細径線7の直径をdとし、太径線6の直径をdとする。
更に、本実施例1においては、前記内層線2の直径dに対して、前記太径線6の直径dが大きく、前記細径線7のdの直径が小さく設定されている。即ち、d<d<dの関係に設定されている。したがって、撚線導体1は、直径が異なる3種類の素線で形成されている。
前記外層5を形成する3心の太径線6は、それぞれ、その一部が内層3における隣接する内層線2、2の外周面間で形成された各谷間部8に入り込むように配置されている。すなわち、撚線導体1の中心点Aから前記内層線2、2相互の接触部を結ぶ線の延長線上に太径線6の中心が配置されている。更に、該太径線6は、その一部が入り込む谷間部8を形成する両内層線2、2と接触している。
前記外層5の周方向に隣り合う太径線6と太径線6との間には、図1に示すように、前記細径線7が2心配置されている。該2心の細径線7、7は相互に点接触し、かつ、一方の細径線7が前記隣り合う一方の太径線6に点接触し、他方の細径線7が他方の太径線6に点接触し、かつ、両細径線7、7が共に前記1心の内層線2に点接触するように配置されている。すなわち、2心の細径線7、7は、前記1心の内層線2の頂点部の両側に配置され、撚線導体1の中心点Aから内層線2の中心を結ぶ線の延長線に対して、左右対称に配置されて、2心の太径線6、6で挟むように配置されている。
以上の構成から、各素線(内層線2、太径線6、細径線7)は、隣接する全ての素線と相互に接触している。
前記のように、内層線2、2の外周面で形成される谷間部8に太径線6を配置し、隣接する太径線6、6間に2心の細径線7、7を配置することにより、撚線導体1の中心点Aから太径線6の最外縁端Bまでの距離L1を半径とする円R内に細径線7、7を収納するように配置でき、稠密な素線配列ができる。
また、内層線2の直径dと細径線7の直径dと太径線6の直径dは、撚線導体1の中心点Aから太径線6の最外縁端Bまでの距離L1と、中心点Aから細径線7の最外縁端Cまでの距離L2が略同一で、かつ、各素線が、隣接する全ての素線と相互に接触となるように設定されている。つまり、外層5を形成する全ての太径線6及び細径線7の最外縁端B、Cは、図1に示すように、中心点Aから太径線6の最外縁端Bまでの距離L1を半径とする略真円線Rの上に位置するように配置されている。
内層線2の直径d、細径線7の直径d、太径線6の直径dを、例えば、
=0.81321d ・・・(1)
=1.19718d ・・・(2)
の関係式を満たすように設定することにより、撚線導体1の中心点Aから太径線6の最外縁端Bまでの距離L1と、中心点Aから細径線7の最外縁端Cまでの距離L2が略同一で、かつ、各素線が、隣接する全ての素線と相互に接触させることができる。
前記の関係式(1)(2)から、内層線2の直径d=0.182mm、細径線7の直径d=0.1480mm、太径線6の直径d=0.2178mmの素線を使用して、撚線導体1を試作した。素線の材質として、錫メッキ軟銅線を使用した。この試作品を、顕微鏡等により確認したところ、中心点Aから太径線6の最外縁端Bまでの距離L1と、中心点Aから細径線7の最外縁端Cまでの距離L2が略同一で、かつ、各素線が、隣接する全ての素線と相互に接触したものであった。
そして、前記のように形成された撚線導体1の外周に絶縁材を被覆して、電線等に使用できる。
本願発明の撚線導体1は、上記の構造を有しているために、次のような作用、効果を奏する。
外層5を形成する3心の太径線6を、その一部が内層線2、2間で形成される各谷間部8に入り込むように配置し、太径線6、6間には、2心の細径線7を隣接して配置し、素線を隣接する全ての素線と接触させたことにより、外層5を形成する各素線の外縁端を1つの真円上に略配置して、撚線導体1の外形形状を略真円形状とすることができ、かつ、その外形形状を潰れ難く、変形し難く保持できる。
このように、撚線導体1の外形形状を略真円形状とすることにより、次のような作用、効果を奏する。
撚線導体1の外形形状が略真円形状であることにより、外形形状が略三角形状である従来の撚線導体111と比較して、絶縁材の被覆の厚みを略均一化することができ、絶縁材を減量でき、コストを低減を図ることができる。
図2は、本発明の実施例2を示すものである。図2は、撚線導体の軸方向と直交する方向に切断した断面図で、その各素線の断面を示す斜線は、図の煩雑を避けるために省略した。
該実施例2に示す撚線導体11は、図2に示すように、総数16心の素線で構成され、4心の内層線12により形成された内層13と、該内層13の外周を覆い囲むように配置された12心の外層線14により形成された外層(最外層)15とで構成されている。また、撚線導体11は、一括撚線導体である。
なお、前記内層線12を形成する素線と、外層線14を形成する素線は、断面円形(丸形)の線を用い、前記実施例1の素線2と同様の材質のものを使用することができる。
前記内層13を形成する4心の内層線(素線)12は、図2に示すように、その各内層線12の中心が撚線導体11の中心点A1から等距離に位置し、かつ、隣接する内層線12の相互が接触するように配置されている。この接触は、図2の断面においては点接触し、軸方向では線接触している。これらの内層線12は、4心とも同一直径に設定されている。この直径をd12とする。
また、中心点A1付近には、図2に示すように、4心の内層線12の外周面で形成される空間20が形成されている。
前記外層15を形成する12心の外層線(素線)14は、太径線16と、該太径線16よりも直径が小さい細径線17の2種類の素線で形成されている。この細径線17の直径をd11とし、太径線6の直径をd13とする。
更に、本実施例2においては、前記太径線16の直径d13は、前記内層線12の直径d12よりも小さく設定され、また、前記細径線17の直径d11は、前記太径線16の直径d13よりも小さく設定されている。即ち、d11<d13<d12の関係に設定されている。したがって、撚線導体11は、前記実施例1と同様に、直径が異なる3種類の素線で形成されている。
前記外層15を形成する4心の太径線16は、それぞれ、その一部が内層13における隣接する内層線12、12の外周面間で形成された各谷間部18に入り込むように配置されている。すなわち、撚線導体11の中心点A1から前記内層線12、12相互の接触部を結ぶ線の延長線上に太径線16の中心が配置されている。更に、該太径線16は、その一部が入り込む谷間部18を形成する両内層線12、12と接触している。
前記外層15の周方向に隣り合う太径線16と太径線16との間には、図2に示すように、前記細径線17が2心配置されている。該2心の細径線17、17は相互に点接触し、かつ、一方の細径線17が前記隣り合う一方の太径線16に点接触し、他方の細径線17が他方の太径線16に点接触し、かつ、両細径線17、17が共に前記1心の内層線12に点接触するように配置されている。すなわち、2心の細径線17、17は、前記1心の内層線12の頂点部の両側に配置され、撚線導体11の中心点A1から内層線12の中心を結ぶ線の延長線に対して、左右対称に配置されて、2心の太径線16、16で挟むように配置されている。
以上の構成から、各素線(内層線12、太径線16、細径線17)は、隣接する全ての素線と相互に接触している。
前記のように、内層線12、12の外周面で形成される谷間部18に太径線16を配置し、隣接する太径線16、16間に2心の細径線17、17を配置することにより、撚線導体11の中心点A1から太径線16の最外縁端B1までの距離L11を半径とする円R1内に細径線17、17を収納するように配置でき、稠密な素線配列ができる。
また、内層線12の直径d12と細径線17の直径d11と太径線16の直径d13は、撚線導体11の中心点A1から太径線16の最外縁端B1までの距離L11と、中心点A1から細径線17の最外縁端C1までの距離L12が略同一で、かつ、各素線が、隣接する全ての素線と相互に接触となるように設定されている。つまり、外層15を形成する全ての太径線16及び細径線17の最外縁端B1、C1は、図2に示すように、中心点A1から太径線16の最外縁端B1までの距離L11を半径とする略真円線R1の上に位置するように配置されている。
内層線12の直径d12、細径線17の直径d11、太径線16の直径d13を、例えば、
11=0.65962d12 ・・・(3)
13=0.99914d12 ・・・(4)
の関係式を満たすように設定することにより、撚線導体11の中心点A1から太径線16の最外縁端B1までの距離L11と、中心点A1から細径線17の最外縁端C1までの距離L12が略同一で、かつ、各素線が、隣接する全ての素線と相互に接触させることができる。
そして、前記のように形成された撚線導体11の外周に絶縁材を被覆して、電線等に使用できる。
本実施例2の撚線導体11においても、前記実施例1と同様の作用、効果を奏する。
図3は、本発明の実施例3を示すものである。図3は、撚線導体の軸方向と直交する方向に切断した断面図で、その各素線の断面を示す斜線は、図の煩雑を避けるために省略した。
該実施例3に示す撚線導体21は、図3に示すように、総数20心の素線で構成され、5心の内層線22により形成された内層23と、該内層23の外周を覆い囲むように配置された15心の外層線24により形成された外層(最外層)25とで構成されている。また、撚線導体21は、一括撚線導体である。
なお、前記内層線22を形成する素線と、外層線24を形成する素線は、断面円形(丸形)の線を用い、前記実施例1の素線2と同様の材質のものを使用することができる。
前記内層23を形成する5心の内層線(素線)22は、図3に示すように、その各内層線22の中心が撚線導体21の中心点A2から等距離に位置し、かつ、隣接する内層線22の相互が接触するように配置されている。この接触は、図3の断面においては点接触し、軸方向では線接触している。これらの内層線22は、5心とも同一直径に設定されている。この直径をd22とする。
また、中心点A2付近には、図3に示すように、5心の内層線22の外周面で形成される空間30が形成されている。
前記外層25を形成する15心の外層線(素線)24は、太径線26と、該太径線26よりも直径が小さい細径線27の2種類の素線で形成されている。この細径線27の直径をd21とし、太径線26の直径をd23とする。
更に、本実施例3においては、前記太径線26の直径d23は、前記内層線22の直径d22よりも小さく設定され、また、前記細径線27の直径d21は、前記太径線26の直径d23よりも小さく設定されている。即ち、d21<d23<d22の関係に設定されている。したがって、撚線導体21は、前記実施例1と同様に、直径が異なる3種類の素線で形成されている。
前記外層25を形成する5心の太径線26は、それぞれ、その一部が内層23における隣接する内層線22、22の外周面間で形成された各谷間部28に入り込むように配置されている。すなわち、撚線導体21の中心点A2から前記内層線22、22相互の接触部を結ぶ線の延長線上に太径線26の中心が配置されている。更に、該太径線26は、その一部が入り込む谷間部28を形成する両内層線22、22と接触している。
前記外層25の周方向に隣り合う太径線26と太径線26との間には、図3に示すように、前記細径線27が2心配置されている。該2心の細径線27、27は相互に点接触し、かつ、一方の細径線27が前記隣り合う一方の太径線26に点接触し、他方の細径線27が他方の太径線26に点接触し、かつ、両細径線27、27が共に前記1心の内層線22に点接触するように配置されている。すなわち、2心の細径線27、27は、前記1心の内層線22の頂点部の両側に配置され、撚線導体21の中心点A2から内層線22の中心を結ぶ線の延長線に対して、左右対称に配置されて、2心の太径線26、26で挟むように配置されている。
以上の構成から、各素線(内層線22、太径線26、細径線27)は、隣接する全ての素線と相互に接触している。
前記のように、内層線22、22の外周面で形成される谷間部28に太径線26を配置し、隣接する太径線26、26間に2心の細径線27、27を配置することにより、撚線導体21の中心点A2から太径線26の最外縁端B2までの距離L21を半径とする円R2内に細径線27、27を収納するように配置でき、稠密な素線配列ができる。
また、内層線22の直径d22と細径線27の直径d21と太径線26の直径d23は、撚線導体21の中心点A2から太径線26の最外縁端B2までの距離L21と、中心点A2から細径線27の最外縁端C2までの距離L22が略同一で、かつ、各素線が、隣接する全ての素線と相互に接触となるように設定されている。つまり、外層25を形成する全ての太径線26及び細径線27の最外縁端B2、C2は、図3に示すように、中心点A2から太径線26の最外縁端B2までの距離L21を半径とする略真円線R2の上に位置するように配置されている。
内層線22の直径d22、細径線27の直径d21、太径線26の直径d23を、例えば、
21=0.57992d22 ・・・(5)
23=0.85264d22 ・・・(6)
の関係式を満たすように設定することにより、撚線導体21の中心点A2から太径線26の最外縁端B2までの距離L21と、中心点A2から細径線27の最外縁端C2までの距離L22が略同一で、かつ、各素線が、隣接する全ての素線と相互に接触させることができる。
そして、前記のように形成された撚線導体21の外周に絶縁材を被覆して、電線等に使用できる。
本実施例3の撚線導体21においても、前記実施例1と同様の作用、効果を奏する。
図4は、本発明の実施例4を示すものである。図4は、撚線導体の軸方向と直交する方向に切断した断面図で、その各素線の断面を示す斜線は、図の煩雑を避けるために省略した。
該実施例4に示す撚線導体31は、図4に示すように、総数25心の素線で構成され、撚線導体31の中心点A3に配置された中心線41と、該中心線41を覆い囲むように6心の内層線32により形成された内層33と、該内層33の外周を覆い囲むように配置された18心の外層線34により形成された外層(最外層)35とで構成されている。また、撚線導体41は、一括撚線導体である。
なお、前記中心線41を形成する素線と、前記内層線32を形成する素線と外層線34を形成する素線は、断面円形(丸形)の線を用い、前記実施例1の素線2と同様の材質のものを使用することができる。
前記内層33を形成する6心の内層線(素線)32は、図4に示すように、その各内層線32の中心が中心線41(撚線導体31)の中心点A3から等距離に位置し、かつ、隣接する内層線32の相互が接触するように配置され、更に中心線41に接触するように配置されている。この接触は、図4の断面においては点接触し、軸方向では線接触している。これらの内層線32は、6心とも同一直径に設定されている。この直径をd32とする。
また、本実施例3においては、内層線32の直径d32は、中心線41の直径d30と同一となるように設定されている。
前記外層35を形成する18心の外層線(素線)34は、太径線36と、該太径線36よりも直径が小さい細径線37の2種類の素線で形成されている。この細径線37の直径をd31とし、太径線36の直径をd33とする。
更に、本実施例3においては、前記太径線36の直径d33は、前記内層線32の直径d32よりも小さく設定され、また、前記細径線37の直径d31は、前記太径線36の直径d33よりも小さく設定されている。即ち、d31<d33<d32=d30の関係に設定されている。したがって、撚線導体31は、前記実施例1と同様に、直径が異なる3種類の素線で形成されている。
前記外層35を形成する6心の太径線36は、それぞれ、その一部が内層33における隣接する内層線32、32の外周面間で形成された各谷間部38に入り込むように配置されている。すなわち、撚線導体31の中心点A3から前記内層線32、32相互の接触部を結ぶ線の延長線上に太径線36の中心が配置されている。更に、該太径線36は、その一部が入り込む谷間部38を形成する両内層線32、32と接触している。
前記外層35の周方向に隣り合う太径線36と太径線36との間には、図4に示すように、前記細径線37が2心配置されている。該2心の細径線37、37は相互に点接触し、かつ、一方の細径線37が前記隣り合う一方の太径線36に点接触し、他方の細径線37が他方の太径線36に点接触し、かつ、両細径線37、37が共に前記1心の内層線32に点接触するように配置されている。すなわち、2心の細径線37、37は、前記1心の内層線32の頂点部の両側に配置され、撚線導体31の中心点A3から内層線32の中心を結ぶ線の延長線に対して、左右対称に配置されて、2心の太径線36、36で挟むように配置されている。
以上の構成から、各素線(中心線41、内層線32、太径線36、細径線37)は、隣接する全ての素線と相互に接触している。
前記のように、内層線32、32の外周面で形成される谷間部38に太径線36を配置し、隣接する太径線36、36間に2心の細径線37、37を配置することにより、撚線導体31の中心点A3から太径線36の最外縁端B3までの距離L31を半径とする円R3内に細径線37、37を収納するように配置でき、稠密な素線配列ができる。
また、内層線32の直径d32と細径線37の直径d31と太径線36の直径d33は、撚線導体31の中心点A3から太径線36の最外縁端B3までの距離L31と、中心点A3から細径線37の最外縁端C3までの距離L32が略同一で、かつ、各素線が、隣接する全ての素線と相互に接触となるように設定されている。つまり、外層35を形成する全ての太径線36及び細径線37の最外縁端B3、C3は、図4に示すように、中心点A3から太径線36の最外縁端B3までの距離L31を半径とする略真円線R3の上に位置するように配置されている。
中心線41の直径d30、内層線23の直径d32、細径線37の直径d31、太径線36の直径d33を、例えば、
30=d32
31=0.50000d32 ・・・(5)
33=0.78461d32 ・・・(6)
の関係式を満たすように設定することにより、撚線導体31の中心点A3から太径線36の最外縁端B3までの距離L31と、中心点A3から細径線37の最外縁端C3までの距離L32が略同一で、かつ、各素線が、隣接する全ての素線と相互に接触させることができる。
そして、前記のように形成された撚線導体31の外周に絶縁材を被覆して、電線等に使用できる。
本実施例4の撚線導体31においても、前記実施例1と同様の作用、効果を奏する。
本実施例5は、前記実施例1乃至4の撚線導体1、11、21、31を、その外層5、15、25、35の外周部から圧縮ダイス等により、圧縮したものである。この圧縮により、外層(最外層)5、15、25、35を形成する外層線4、14、24、34の外周部は、圧縮変形され、撚線導体の外形形状をより真円形状に近づけることができる。圧縮ダイス等による圧縮は、撚線導体1、11、21、31を製造する際に行っても良いし、撚線導体1、11、21、31を製造した後に行っても良い。なお、圧縮率に関しては、任意に設定する。
本実施例5の撚線導体においても、前記実施例1と同様の作用、効果を奏する。
本実施例5の撚線導体においては、更に、撚線導体1、11、21、31を外周部からダイス等により圧縮することにより、本実施例5の撚線導体の外形形状は、前記実施例1乃至4の撚線導体1、11、21、31の外形形状よりも、より真円形状に近づけることができる。このため、本実施例5の撚線導体においては、前記実施例1乃至4の撚線導体1、11、21、31と比較して、その外形形状がより潰れ難く、より変形し難く保持できる。
更に、本実施例5の撚線導体の外形形状が、より真円形状に近づくことにより、前記実施例1乃至4の撚線導体1、11、21、31と比較して、絶縁材の被覆の厚みを、より均一化することができ、より絶縁材を減量でき、よりコスト低減を図ることができる。
本発明における実施例1の撚線導体を示す横断面図。 本発明における実施例2の撚線導体を示す横断面図。 本発明における実施例3の撚線導体を示す横断面図。 本発明における実施例4の撚線導体を示す横断面図。 従来の撚線導体の例1を示す横断面図。 従来の撚線導体の例2を示す横断面図。 従来の撚線導体の例3を示す横断面図。 従来の撚線導体の例4を示す横断面図。
符号の説明
1、11、21、31 撚線導体
2、12、22、32 内層線
3、13、23、33 内層
5、15、25、35 最外層(外層)
6、16、26、36 太径線
7、17、27、37 細径線
8、18、28、38 谷間部
41 中心線
A、A1、A2、A3 中心点
B、B1、B2、B3 太径線の最外縁端
C、C1、C2、C3 細径線の最外縁端

Claims (7)

  1. 素線を複数層に配列し、各素線は隣接する全ての素線と接触するようにして形成された撚線導体であって、
    その最外層を、太径線と細径線で形成し、該太径線と該細径線との直径が異なるものとし、
    最外層の周方向に前記太径線を複数本配設し、この隣り合う太径線間に、前記細径線を周方向に2本配設したことを特徴とする撚線導体。
  2. 前記太径線は、その一部が、最外層より1層内側の層を形成する素線において、隣接する2心の素線の外周面間で形成される各谷間部に入り込むように配置されていることを特徴とする請求項1記載の撚線導体。
  3. 前記撚線導体は、複数本の素線で形成される内層と、該内層を複数の素線が覆い囲んで形成される外層とで構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の撚線導体。
  4. 前記撚線導体は、1本の素線からなる中心線と、該中心線の周囲を複数本の素線が覆い囲んで形成される内層と、該内層を複数の素線が覆い囲んで形成される外層で構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の撚線導体。
  5. 前記内層を形成する素線の直径は、前記太径線の直径及び前記細径線の直径とは異なることを特徴とする請求項3又は4記載の撚線導体。
  6. 撚線導体の中心点から前記太径線の最外縁端までの距離と、前記中心点から前記細径線の最外縁端までの距離とが等しいことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の撚線導体。
  7. 前記最外層の外周部が、圧縮変形されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の撚線導体。
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